JP4069807B2 - ヒートポンプ給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の給湯装置は、図3に示すように、閉回路に構成される冷媒流路1で圧縮機2、放熱器3、減圧手段4、吸熱器5が接続された冷媒循環回路7と、放熱器3の冷媒流路a8と熱交換を行う水流路9を備えた熱交換器10と、この水流路9に水道水を供給する給水管11と、前記水流路9とシャワーや蛇口等の給湯端末12とを接続する給湯回路13と、給湯回路13に設け給湯温度を検出する温度センサー14と、圧縮機2の回転数を制御するインバータ15を備え、圧縮機2を温度センサー14の検出温度と設定温度との差に応じてインバータ15の出力周波数を変換するようにしていた。
【0003】
すなわち従来の給湯装置では、設定温度に対して給湯温度が低い場合は圧縮機2の回転数を上げ、給湯温度を上げて設定温度となるように、また、給湯温度が高い場合は回転数を下げ、給湯温度を下げて設定温度となるように制御していた(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−223767号公報(第5―7頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、給湯時における流量は使用者が使用目的などによってさまざまに変化させる場合があるため、例えば家庭用の給湯の場合、シャワーや風呂への湯張りに給湯する場合は10〜20L/minの大流量となる。
【0006】
上記従来例の給湯装置の構成では、例えばシャワー等の大流量の場合、放熱器の冷媒流路と熱交換を行う水流路の圧力損失が増えるため、水流路を通過できる流量が制限されるとともに、高所設置または圧損大きな給湯端末への給湯が困難となる。水流路の圧力損失低減を図るため、口径の大きい水流路または多数の水流路を設けることが考えられるが、口径の大きい水流路だと、冷媒との熱交換特性が低下し、多数の水流路だと、熱交換器の複雑化と大型化を招き、給湯装置の給湯温度や圧力の立ち上がりが遅くなる不都合が生じてくるという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、圧縮機と放熱器と減圧手段と吸熱器とを含む冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた水/冷媒熱交換器と、前記水流路に水道水を供給する給水管と、前記水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、前記給湯端末から流出する温水の給湯温度を設定する給湯温度設定手段と、前記水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段と、湯を貯留する貯湯タンクと、前記水流路の出口と前記貯湯タンクとを連通させ、前記水流路からの温水を前記貯湯タンクに導く貯湯通路と、前記貯湯タンクと給湯回路とを連通させ、前記貯湯タンクからの湯を給湯端末に導く貯湯給湯通路と、前記貯湯タンクの残湯量を検知する残湯検知手段とを備え、前記冷媒循環回路が運転中、前記残湯検知手段の検知結果により前記貯湯タンクの残湯量が少ないと判断した時、前記給湯端末への給湯負荷を満たしながら、前記熱交出口温度制御手段は、前記水流路の出口温度を上昇させ、前記水流路出口の一部または全部の温水を前記貯湯タンクへ導くように制御するヒートポンプ給湯装置を提供する。
【0008】
上記発明によれば、水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段によって、給湯温度設定手段によって設定される給湯端末から流出する温水の給湯温度に左右されず、水流路の出口温度を制御することが可能となるため、給湯負荷または外気温度、給水温度など外部条件に応じて、例えば水流路の流量を小さくして出口温度を給湯温度より高くし給湯回路にて水道水をミキシングして給湯温度とすることができるため、水流路での圧力損失を抑え大流量の給湯を実現することができる。また、例えば出口温度を給湯温度より小さくして、補助熱源をもって給湯温度まで上げることによって、最適なヒートポンプサイクル成績係数をねらい総合的な高効率給湯装置を提供することできる。また、熱交出口温度制御手段によって、水流路の出口温度を高め、迅速に貯湯タンクへ高温貯湯に切替することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかるヒートポンプ給湯装置は、圧縮機と放熱器と減圧手段と吸熱器とを含む冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた水/冷媒熱交換器と、前記水流路に水道水を供給する給水管と、前記水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、前記給湯端末から流出する温水の給湯温度を設定する給湯温度設定手段と、前記水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段と、湯を貯留する貯湯タンクと、前記水流路の出口と前記貯湯タンクとを連通させ、前記水流路からの温水を前記貯湯タンクに導く貯湯通路と、前記貯湯タンクと給湯回路とを連通させ、前記貯湯タンクからの湯を給湯端末に導く貯湯給湯通路と、前記貯湯タンクの残湯量を検知する残湯検 知手段とを備え、前記冷媒循環回路が運転中、前記残湯検知手段の検知結果により前記貯湯タンクの残湯量が少ないと判断した時、前記給湯端末への給湯負荷を満たしながら、前記熱交出口温度制御手段は、前記水流路の出口温度を上昇させ、前記水流路出口の一部または全部の温水を前記貯湯タンクへ導くように制御する構成を有する。
【0010】
そして、ヒートポンプ給湯装置が水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段によって、給湯温度設定手段によって設定される給湯端末から流出する温水の給湯温度に左右されず、水流路の出口温度を制御することが可能となるため、給湯負荷または外気温度、給水温度など外部条件に応じて、例えば水流路の流量を小さくして出口温度を給湯温度より高くし給湯回路にて水道水をミキシングして給湯温度とすることができるため、水流路の圧力損失を抑え大流量の給湯を実現することができる。また、例えば出口温度を給湯温度より小さくして、補助熱源をもって給湯温度まで上げることによって、最適なヒートポンプサイクル成績係数を狙った総合的な高効率給湯装置を提供することできる。
【0011】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、水流路から給湯端末へ温水を供給することもできるし、貯湯通路を通じて貯湯タンクへ湯を貯留することもできる。また、立ち上がりあるいは大能力の給湯負荷が求められる時に、貯湯給湯通路を通じて貯湯タンクのあらかじめ貯留した高温湯を給湯端末へ導くことによって、敏速に所定温度の温水を供給することができる、また、貯湯タンクとヒートポンプサイクルの同時運転で大能力給湯負荷にも対応できる。また、ユーザーの意思などで給湯端末が急に閉められた時でも、熱交出口温度制御手段によって、水流路の出口温度を高め、迅速に貯湯タンクへ高温貯湯に切替することができる。
【0012】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、残湯検知手段によって、残湯量が少ないと判断された時に、熱交出口温度制御手段は水流路の出口温度を高め、水流路出口から一部または全部の温水を貯湯タンクへ導くように制御することによって、適切に貯湯タンクを補給することができる。また、出湯端末からの出湯が停止した時、残湯検知手段の検知結果によって、水流路の出口温度を高め、貯湯タンクを沸き上げるかどうかを判断し、適切な貯湯運転を行うことができる。また、残湯量が多いと判断された時に、貯湯給湯通路を通じて貯湯タンクから高温湯を供給することで、水流路の出口温度を低く抑え、高効率の冷媒循環回路運転を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項2にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1の構成に加え、熱交出口温度制御手段は水流路の出口温度を給湯温度設定手段によって設定された給湯温度より高くしたことを特徴とする。
【0014】
そして、ヒートポンプ給湯装置は熱交出口温度制御手段を用いて、水流路の出口温度を設定された給湯温度より高くしたことによって、水流路の流量を小さくして圧力損失を抑えられるとともに、水流路の出口から流れた温水の一部を他の用途へ導き、例えば給湯温度より高い温度レベルで他所へ給湯することができるため、二ヶ所以上の給湯端末へ同時に異なる温度レベルの温水を供給することができる。
【0015】
本発明の請求項3にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1または2記載の構成に加え、給湯温度設定手段によって設定される給湯温度に基づいて、熱交出口温度制御手段は冷媒循環回路の運転を制御する構成を有する。
【0016】
そして、ヒートポンプ給湯装置は給湯温度に基づいて、熱交出口温度制御手段は冷媒循環回路の運転を制御することによって、給湯温度設定手段によって設定された給湯温度に基づいて、他に外気温度、給水温度、給湯負荷など外部条件も考慮し、熱交出口温度制御手段によって水流路の出口温度が最適値となるように冷媒循環回路を制御することができる。
【0017】
本発明の請求項4にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜3のいずれか1項記載の構成に加え、熱交出口温度制御手段が水流路の出口温度をあらかじめ決めた所定温度とすることを特徴とする。
【0018】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、熱交出口温度制御手段によって、水流路の出口温度をあらかじめ決めた所定温度とすることによって、給湯負荷、外気温度などの外部条件によらず水流路の出口温度を所定温度とすることができるため、複雑な制御シーケンスが不要となり、制御要件を簡略化でき、ヒートポンプ給湯装置の信頼性を高めることができる。
【0019】
本発明の請求項5にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜4のいずれか1項記載の構成に加え、熱交出口温度制御手段が、水流路の出口温度をあらかじめ決めた上限温度を超えないようにすることを特徴とする。
【0020】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、熱交出口温度制御手段によって、水流路の出口温度をあらかじめ決めた上限温度を超えないようにすることによって、出口温度が高温となった場合の水中スケール成分析出と付着を防ぐことができ、給湯装置の経年耐久性を高めることができる。また、出口温度が高温になればなるほどヒートポンプサイクル成績係数が低下するため、上限温度を超えないようにすることによって、適切な成績係数を確保することができ、高効率の給湯装置を提供することができる。
【0021】
本発明の請求項6にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜5のいずれか1項記載の構成に加え、給湯回路に設けたミキシング部と、ミキシング部と連通し水道水を供給する給水路とを備えた構成を有する。
【0022】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、給湯回路に水道水と連通するミキシング部を設けることによって、水流路から流れてくる温水は水道水とミキシング部にて混合し給湯端末へ供給されるため、低圧損で大流量な給湯を実現することができる。
【0023】
本発明の請求項7にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1記載の構成に加え、給湯端末からの出湯時間もしくは出湯熱量を計測する出湯計測手段と、この出湯計測手段の結果に基づき、水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段とを備える構成を有する。
【0024】
そして、ヒートポンプ給湯装置は、出湯計測手段によって、給湯端末からの出湯時間もしくは出湯熱量が所定値に到達した時点から、熱交出口温度制御手段を用いて、水流路の出口温度を徐々に高めて、出湯停止し貯湯タンクへ高温貯湯を切替するのを備えることができるため、水流路の出口温度を給湯温度設定手段によって設定される給湯温度通りにし、適切な温度で高効率運転が行えるとともに、給湯温度から高温貯湯への切替がスムーズに行うことができる。
【0025】
本発明の請求項8にかかるヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜7のいずれか1項記載の構成に加え、冷媒循環通路に封入する冷媒は二酸化炭素(CO2)としたものである。
【0026】
そして、冷媒循環回路に封入する冷媒を二酸化炭素とすることによって、地球環境保全を実現するとともに、冷媒が超臨界状態まで圧縮され、放熱器内において冷媒と水の温度差を保ちやすいため、高温まで水を沸き上げすることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0028】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1によるヒートポンプ給湯装置の回路構成図である。まず、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の冷凍回路について説明する。
【0029】
本実施例によるヒートポンプ給湯装置は、第1の冷媒循環回路20と、第2の冷媒循環回路30とを備えている。第1の冷媒循環回路20及び第2の冷媒循環回路30は、二酸化炭素を冷媒として用い、高圧側では臨界圧を越える状態で運転することが好ましい。
【0030】
第1の冷媒循環回路20は、圧縮機21、放熱器22、膨張弁23、及び蒸発器24を順に配管で接続して構成されている。また、第1の冷媒循環回路20には、圧縮機21の温度を検出する本体温度センサ、圧縮機21からの吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ、圧縮機21からの吐出冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ、蒸発器24の出口側の低圧冷媒温度を検出する吸込温度センサ、蒸発器24の吸入空気を検出する外気温度センサなど(図示せず)を備えている。さらに冷媒循環回路20に対応する蒸発器24に送風するためのファン25と風路26を設けている。
【0031】
一方、第2の冷媒循環回路30は、圧縮機31、放熱器32、膨張弁33、及び蒸発器34を順に配管で接続して構成されている。また、第2の冷媒循環回路30には、圧縮機31の温度を検出する本体温度センサ、圧縮機31からの吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ、圧縮機31からの吐出冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ、蒸発器34の出口側の低圧冷媒温度を検出する吸込温度センサ、蒸発器34の吸入空気を検出する外気温度センサなど(図示せず)を備えている。さらに冷媒循環回路30に対応する蒸発器34に送風するためのファン35と風路36を設けている。なお風路26と風路36は互いに独立している。
【0032】
次に、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の出湯回路について説明する。放熱器22と熱交換を行う水流路22Aは、放熱器32と熱交換を行う水流路32Aと並列に接続されている。ここで水流路22Aは放熱器22を流れる冷媒と熱交換する水の流路であり、
水流路32Aは放熱器32を流れる冷媒と熱交換する水の流路である。放熱器22と水流路22Aは第1冷媒循環回路20の水/冷媒熱交換器を構成し、放熱器32と水流路32Aは第2冷媒循環回路30の水/冷媒熱交換器を構成する。水流路22A及び水流路32Aの流入側は、流量調整弁41、減圧弁42、及び逆止弁43を介して水道管等の給水管44に接続されている。また、水流路32Aの流入側には、水流路32Aの開閉度を調整する制御弁45を設けている。一方、水流路22A及び水流路32Aの流出側は、逆止弁46、第一混合弁47、及び第二混合弁48を含む給湯回路49などを介して、キッチン、又は洗面所等の給湯端末50に接続されている。上記の回路には、給水管44からの入水量を検出する流量センサ51A、入水温度を検出する温度センサ51B、水流路22Aの出口温度を検出する温度センサ51C、水流路32Aの出口温度を検出する温度センサ51D、水流路22Aと水流路32Aとの混合湯温を検出する温度センサ51E、第一混合弁47の出口温度を検出する温度センサ51F、及び第二混合弁48の出口温度を検出する温度センサ51G、水流路22Aおよび水流路32Aへの流入流量を検出する流量センサ51Hを備えている。
【0033】
次に、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の貯湯回路について説明する。貯湯タンク52の底部配管53は、流量調整弁41、減圧弁42、及び逆止弁54を介して水道管等の給水管44に接続されている。この底部配管53は、循環ポンプ55を介して水流路22Aの流入側及び水流路32Aの流入側と接続されている。また、貯湯タンク52の貯湯通路56は、制御弁57を介して水流路22Aの流出側及び水流路32Aの流出側と接続されている。なお、本実施例による貯湯タンク52は、積層式の給湯タンクであり、タンク内での撹拌が防止され、上部に高温水が底部に低温水が蓄積されるように構成されている。
【0034】
一方、貯湯タンク52の貯湯給湯通路58は、第一混合弁47に接続されている。また、貯湯タンク52の底部配管53から分岐させた給水路59は、逆止弁60を介して第二混合弁48に接続されている。なお、貯湯タンク52には、出湯温度を検出する温度センサ52Aの他に、貯湯タンク52内の湯量を検出するための複数の温度センサ52B、52C、52Dが設けられている。また、水流路22A及び水流路32Aの分岐前の流入側配管には、貯湯タンク52の底部配管53から導出される湯温を検出する温度センサ52Eが設けられている。
【0035】
リモコン61は、給湯端末50からの出湯温度を設定する給湯温度設定手段として、このリモコン61からの指示に基づいて、第1の冷媒循環回路20と第2の冷媒循環回路30とを熱交出口温度制御手段62にて制御する。なお各種のセンサの検出値はこの熱交出口温度制御手段62に入力される。
【0036】
以下、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の動作について説明する。まず、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の通常の給湯運転モードについて説明する。
【0037】
蛇口39の開放を流量センサ51Aにて検知し、第1の冷媒循環回路20及び第2の冷媒循環回路30が運転を開始する。第1の冷媒循環回路20では、圧縮機21で圧縮された冷媒は、放熱器22で放熱し、膨張弁23で減圧された後、蒸発器24にて吸熱し、ガス状態で圧縮機21に吸入される。第2の冷媒循環回路30では、第1の冷媒循環回路20と同様な動作をする。給水管44から供給される水は、流量調整弁41、減圧弁42、及び逆止弁43を順に通り、分岐して、水流路22Aと水流路32Aとにそれぞれ導かれる。水流路22Aと水流路32Aでそれぞれ加熱された温水は、再び合流した後に、逆止弁46、第一混合弁47、及び第二混合弁48を順に通り、給湯回路49から給湯端末50に導かれる。
【0038】
次に、本実施例によるヒートポンプ給湯装置の給湯運転モードの立ち上げ制御について説明する。圧縮機21、31の起動から所定の時間は、それぞれの水/冷媒熱交換器で十分な放熱量を得られない。従って、給湯端末50の開放を流量センサ51Aにて検知し、第1の冷媒循環回路20及び第2の冷媒循環回路30が運転を開始すると同時に、貯湯タンク52の貯湯給湯通路58から貯湯タンク52内の高温水を第一混合弁47に導く。このとき、温度センサ51Eと温度センサ52Aとの温度を検出し、温度センサ51Fでの検出温度が設定温度となるように第一混合弁47での混合割合を制御する。運転開始時には、水流路22A、32Aからの水温は低いため、貯湯タンク52からの温水を多く流し、その後水流路22A、32Aからの水温が高まるにしたがって貯湯タンク52からの温水を減少させる。そして水流路22A、2Aらの水温が十分に高まった時点で貯湯タンク52の出湯を停止する。このような立ち上げの時、貯湯タンク52より高温湯を出湯するとともに、貯湯タンク52の底部配管53から給水管44より水道水が貯湯タンク52内に流入する、この分の水道水は貯湯運転モードの時、沸きあげられ貯湯される。貯湯運転モードでは、第1の冷媒循環回路20及び第2の冷媒循環回路30を運転する。なお、複数の冷媒循環回路の全てを運転しない場合でもある。貯湯運転モードでは、制御弁57を開として循環ポンプ55を運転する。
【0039】
循環ポンプ55の運転により、貯湯タンク52の底部配管53から冷水を導出し、分岐して、水流路22Aと水流路32Aとにそれぞれ導かれ、そこで加熱された温水は、貯湯通路56から貯湯タンク52の上部に戻される。圧縮機21、31での能力制御は、温度センサ52Eによる水流路22、32の入口温度と、温度センサ51Eによる水流路22、32の出口温度と、流量センサ52Hによる循環流量などによって制御される。
【0040】
このように、給湯運転モードにおいて、圧縮機21、31での能力制御及び膨張弁23、33での開度制御は、水流路22Aと水流路32Aとの混合湯温を検出する温度センサ51Eでの検出温度が給湯温度設定手段であるリモコン61で設定された設定湯温に関係せずに、熱交出口温度制御手段62にて所定の温度とすることができる。このように、給湯負荷または外気温度、給水温度など外部条件に応じて、例えば水流路22Aと32Aの流量を小さくして水流路22Aと32Aの出口温度を設定湯温より高くし、第二混合弁48にて給水路59から水道水をミキシングして給湯回路への供給温度を設定湯温とすることができるため、水流路22Aと32Aの圧力損失を抑え大流量の給湯を実現することができる。また、逆に例えば水流路22Aと32Aの出口温度を設定湯温より低くして、補助熱源である貯湯タンク52をもって貯湯給湯通路58から第一混合弁47へ高温の貯蔵湯を供給し、第一混合弁47にてミキシングして給湯回路への供給温度を設定湯温とすることができるため、最適なヒートポンプサイクル成績係数を狙った総合的な高効率給湯装置を提供することできる。もちろん、運転条件などによって、水流路22Aと32Aからの温水と貯湯給湯通路58からの貯蔵湯が第一混合弁47にて混合した後、第二混合弁48にて給水路59からの水道水などとさらに混合し、設定湯温となって、給湯端末50へ供給されることもある。
【0041】
また、設定湯温に基づいて、熱交出口温度制御手段62は冷媒循環回路20と30の運転を制御することによって、他に外気温度、給水温度、給湯負荷など外部条件も考慮し、熱交出口温度制御手段62によって水流路22Aと32Aの出口温度が最適値となるように冷媒循環回路20と30を制御することができる。
【0042】
また、水流路22Aと32Aの出口温度を設定湯温より高くすることによって、水流路の22Aと32Aの流量を小さくして圧力損失を抑えられるとともに、水流路22Aと32Aの出口から流出した温水の一部を他の用途へ導き、例えば設定湯温より高い温度レベルで他の所へ供給することができるため、二ヶ所以上の給湯端末へ同時に異なる温度レベルの温水を供給することができる。
【0043】
(実施例2)
本発明の実施例2によるヒートポンプ給湯装置について説明する。なお、本実施例において、実施例1と異なる点は、熱交出口制御手段62は、水流路22Aと32Aの出口温度をあらかじめ決めた所定温度とすることと、水流路22Aと32Aの出口温度をあらかじめ決めた上限温度を超えないようにすることである。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0044】
次に動作、作用を説明すると、ヒートポンプ給湯装置は、熱交出口温度制御手段62によって、水流路22Aと32Aの出口温度をあらかじめ決めた所定温度とすることによって、給湯負荷、外気温度などの外部条件によらず水流路22Aと32Aの出口温度を所定温度とすることができるため、複雑な制御シーケンスが不要となり、制御要件を簡略化でき、ヒートポンプ給湯装置の信頼性を高めることができる。
【0045】
また、熱交出口温度制御手段62によって、水流路22Aと32Aの出口温度をあらかじめ決めた上限温度を超えないようにすることによって、出口温度が高温となった場合の水中スケール成分析出と付着を防ぐことができ、給湯装置の経年耐久性を高めることができる。また、出口温度が高温になればなるほどヒートポンプサイクル成績係数が低下するため、上限温度を超えないようにすることによって、適切な成績係数を確保することができ、高効率の給湯装置を提供することができる。
【0046】
(実施例3)
図2は本発明の実施例3によるヒートポンプ給湯装置の回路構成図である。なお、本実施例において、実施例1と異なる点は、熱交出口制御手段62は、貯湯タンク52の残湯検知手段である温度センサ52B、52C、52Dの検知結果に基づいて水流路22Aと32Aの出口温度を制御することと、給湯端末50からの出湯時間をカウントするもしくは出湯熱量をカウントする出湯計測手段63を新設し、熱交出口制御手段62はこの出湯計測手段63の結果に基づき水流路22Aと32Aの出口温度を制御することである。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0047】
次に動作、作用を説明すると、第1冷媒循環回路と第2冷媒循環回路が定常運転中、貯湯タンク52の残湯検知手段である温度センサ52B、52C、52Dの検知結果に基づいて、貯湯タンク52の残湯量が少ないと判断された時に、給湯端末50への給湯負荷を満たしながら、熱交出口温度制御手段62は水流路22Aと32Aの出口温度を高め、水流路出口の一部または全部の温水を貯湯タンク52へ導くように制御することによって、適切に貯湯タンク52を補給することができる。また、貯湯タンク52の残湯量が少ない場合、給湯端末50の出湯が停止された時に、水流路22Aと32Aの出口温度が高いと、すみやかに適切な温度で貯湯タンク52への貯湯運転へ切替ることができる。また、残湯量が多いと判断された時に、貯湯給湯通路58を通じて貯湯タンク52から第一混合弁47へ高温湯を供給することで、水流路22Aと32Aの出口温度を低く抑えることができ、冷媒循環回路20と30の成績係数の高い運転を図ることができる。
【0048】
また、出湯計測手段63を設けることによって、給湯端末50からの出湯時間をカウントするもしくは出湯熱量をカウントすることで、給湯端末50が閉じるタイミングを予測して、出湯時間または出湯熱量が指定値を上回ると、熱交出口制御手段62は給湯端末50の出湯停止が近づいていると判断し、この判断結果に基づき水流路22Aと32Aの出口温度を高め、出湯端末50が停止し貯湯タンク52へ高温貯湯を切替するのを備えることができるため、通常運転時は、水流路の出口温度を給湯温度設定手段によって設定される給湯温度通りにし、通常は適切な温度で高効率運転が行えるとともに、給湯停止後、高温貯湯への切替がスムーズに行うことができる。
【0049】
なお、上記各実施例では冷媒として二酸化炭素を用いた場合で説明したが、冷媒としてフロンガスである410A冷媒やプロパンやブタンなどのHC(ハイドロカーボン)冷媒、或いはアンモニアなどのその他の冷媒を用いてもよい。
【0050】
また、上記各実施例では、第1の冷媒循環回路20と第2の冷媒循環回路30とを備えたヒートポンプ給湯装置を用いて説明したが、1つのみまたは3つ以上の冷媒循環回路を用いてもよい。
【0051】
また、上記各実施例では水流路22Aからの温水と水流路32Aからの温水を合流させて給湯端末50などから出湯させたが、それぞれの水流路からの温水を別々に出湯するように構成することもできる。この時冷媒循環回路を異なる条件で運転させると2温度出湯が可能となる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大流量なおかつ給湯―貯湯切替運転がスムーズに行えるヒートポンプ給湯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるヒートポンプ給湯装置の回路構成図
【図2】 本発明の実施例2におけるヒートポンプ給湯装置の回路構成図
【図3】 従来の給湯装置の構成図
【符号の説明】
20、30 冷媒循環回路
21、31 圧縮機
22、32 放熱器
22A、32A 水流路
23、33 膨張弁(減圧手段)
24、34 吸熱器
44 給水管
48 第二混合弁(ミキシング部)
49 給湯回路
50 給湯端末
52 貯湯タンク
52B、52C、52D 温度センサー(残湯検知手段)
56 貯湯通路
58 貯湯給湯通路
59 給水路
61 リモコン(給湯温度設定手段)
62 熱交出口温度制御手段
63 出湯計測手段
Claims (8)
- 圧縮機と放熱器と減圧手段と吸熱器とを含む冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた水/冷媒熱交換器と、前記水流路に水道水を供給する給水管と、前記水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、前記給湯端末から流出する温水の給湯温度を設定する給湯温度設定手段と、前記水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段と、湯を貯留する貯湯タンクと、前記水流路の出口と前記貯湯タンクとを連通させ、前記水流路からの温水を前記貯湯タンクに導く貯湯通路と、前記貯湯タンクと給湯回路とを連通させ、前記貯湯タンクからの湯を給湯端末に導く貯湯給湯通路と、前記貯湯タンクの残湯量を検知する残湯検知手段とを備え、前記冷媒循環回路が運転中、前記残湯検知手段の検知結果により前記貯湯タンクの残湯量が少ないと判断した時、前記給湯端末への給湯負荷を満たしながら、前記熱交出口温度制御手段は、前記水流路の出口温度を上昇させ、前記水流路出口の一部または全部の温水を前記貯湯タンクへ導くように制御するヒートポンプ給湯装置。
- 熱交出口温度制御手段は、給湯温度設定手段によって設定される給湯温度より水流路の出口温度を高くする請求項1記載のヒートポンプ給湯装置。
- 熱交出口温度制御手段は、給湯温度設定手段によって設定される給湯温度に基づいて、冷媒循環回路の運転を制御する請求項1または2記載のヒートポンプ給湯装置。
- 熱交出口温度制御手段は、水流路の出口温度をあらかじめ決めた所定温度とする請求項1〜3のいずれか1項記載のヒートポンプ給湯装置。
- 熱交出口温度制御手段は、水流路の出口温度をあらかじめ決めた上限温度を超えないようにする請求項1〜4のいずれか1項記載のヒートポンプ給湯装置。
- 給湯回路に設けたミキシング部と、前記ミキシング部と連通し水道水を供給する給水路とを備えた請求項1〜5のいずれか1項記載のヒートポンプ給湯装置。
- 給湯端末からの出湯時間もしくは出湯熱量を計測する出湯計測手段と、この出湯計測手段の結果に基づき、水流路の出口温度を制御する熱交出口温度制御手段とを備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯装置。
- 冷媒循環通路では冷媒として、二酸化炭素を使用した請求項1〜7のいずれか1項記載のヒートポンプ給湯装置。
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