JP4070566B2 - トンネルブロックの連続構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネルブロックの連続構築方法に係り、プレキャストコンクリート製のライニング部材のトンネル内移送時の構造的な安定を確保しながら、トンネル覆工を効率よく構築するトンネルブロックの連続構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
出願人の一は、ボックスカルバート等のプレキャストコンクリート製品の合理的な布設方法として、摩擦低減手段としてのベアリングボールを利用した横引き工法を開発している(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、この布設方法の一例として、ボックスカルバートの横引き作業状態を示した概略側面図である。同図に示したように、開削トンネル100内に施工された基礎コンクリート101上にはボックスカルバート102の延長方向に沿って横引きレール103が布設されている。横引きレール103としては、図11に示したように横にした状態でそのほとんどの部分がコンクリート101内に埋設された細幅系H形鋼等が使用されている。埋設されたH形鋼のウェブ103aの片面がレール面となり、わずかに端部が露出したフランジ103bが側壁となっている。さらに、レール面上には摩擦低減を図る球状体としてのベアリングボール104が適当に分散するように配置されている。たとえば、ベアリングボール104にはφ11mm程度の鋼球が使用されている。これらのベアリングボール104の上には、底面に板厚鋼板からなるガイドプレート105が固着されたボックスカルバート102が載置されている。ボックスカルバート102は、ガイドプレート105を介して多数のベアリングボール104に点支持されるようになっている。図10に示したように、ボックスカルバート102が図示しないウインチ等の横引き(牽引)装置により矢印方向へ牽引されるのに伴い、ボックスカルバート102を支持するベアリングボール104は転動する。これによりガイドプレート105とレール103間の動摩擦が大幅に低減される。実験によれば動摩擦係数はそり等の横引き工法の場合に比べて1/4まで低減される。なお、図10,図11においてベアリングボール104は説明のために拡大して示している。
【0004】
ところで、単位幅のプレキャストコンクリート部材を延長方向に多数連結してなるトンネル構造には、前述した矩形断面のボックスカルバートばかりでなく、側壁コンクリートに構築される上半アーチ部として適用されるアーチ状のライニング部材としてのプレキャストコンクリート製のトンネル構造部材が知られている。これに対して出願人は、この種のプレキャストコンクリート製トンネルアーチ部材を連続構築する工法として、上述の横引き工法を適用した発明を行っている(たとえば特許文献2参照)。この発明はアーチの応力状態を安定させるために引張部材を配したり、底版コンクリートが設けられた力学的に安定したアーチ部材を横引きするトンネルブロックの連続構築工法である。
【0005】
一方、図12各図は、他の先行技術として、既設トンネル160(同図(c))の老朽化した上半アーチの既設覆工161を改修するために用いられるプレキャストコンクリート製のアーチ形状のライニング部材150の施工状況を示した説明図である。ライニング部材150は、同図(a)に示したように周方向に2分割されたプレキャスト鉄筋コンクリート製のアーチ形状部材で、中央天端150aで2部材がボルト等を介して連結されて鋼製フレームからなる保形治具151でアーチ形状が保持されている。このライニング部材150はトンネル坑外でトンネル延長方向に数スパン分が組み立てられ、待機している自走式の組立架台152上に吊り込まれ、架台152上に固定されて仮置きされる(同図(b))。この状態で組立架台152を走行させ、トンネル内のライニング部材150の施工位置まで搬入し、既設ライニングの内側に所定の防水工を施した状態でアンカー等を用いてライニング部材150を既設覆工の内面に固定するようになっている。
【0006】
図13は、ライニング部材150を既設覆工161の内面に固定する一例を示した部分断面図である。通常、既設覆工161の内側には図12(c)に示したように改修用側壁コンクリート162が構築され、その側壁コンクリート天端面162a上に上半アーチ部分を構成するライニング部材150の脚部150aが据え付けられる。図13(a)はライニング部材150の脚部150aを示している。同図に示したように、脚部150aの底面にはジャッキベース163が取り付けられ、ジャッキ高さを調整することでライニング部材150の据え付け高さの調整を行う。トンネル延長方向にライニング部材150の据付調整を行った後に水平方向アンカーボルト164を用いてライニング部材150の脚部150aを既設覆工側に固定する。さらに、モルタルにて脚部を固定した後に、必要に応じて背面グラウトを行うようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特許第2879021号公報
【特許文献2】
特開2002−250044公報(第2頁〜第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図12で説明したプレキャストコンクリート製のアーチ形状のライニング作業では、走行式組立架台上に載置されたライニング部材を、トンネル内のライニング位置まで搬入し、取り付け作業を行い、さらに空となった組立架台を再度トンネル坑外まで移動させて次工程の積み込み等を繰り返すという作業が行われる。このため、搬入、ライニング取り付け等のすべての作業が組立架台を利用して行われるため、連続して運搬、組立作業ができず、全体として作業効率が悪いという問題があった。
【0009】
また、図12(c)に示したライニング部材150は図13に示したように、組立架台152から側壁コンクリート162上に支持が盛り替えられるが、その際、上述したようにジャッキベース163による高さ調整、アンカーボルトによる脚部固定等の作業が必要になってくる。このときライニング部材150の上半アーチ半径が大きいトンネルの場合、ライニング部材150の脚部にアーチを外方に開くように作用する水平力が生じ、ライニング部材150の支持状態での構造上の安定の確保が重要な問題となっていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述の摩擦低減手段としてのベアリングボールを利用した横引き工法した工法を適用するとともに、トンネル坑口外の推進手段を用いて、安定した支持状態でアーチ形状プレキャストコンクリート部材を、安定した支持状態で効率よく所定位置まで連続搬入し、その後の据付作業の施工効率を格段に向上させたトンネルブロックの連続構築方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は天端面が所定の傾角でトンネル内方に向けて傾斜した側壁コンクリートの天端面に、底面が前記傾角をなして形成された溝状レールを形成し、該溝状レール面上に、粉状体内に位置保持された複数の球状体を分散して配置し、トンネル坑口位置に設けられ、下方を通過する車両を防護する組立架台上で、アーチ脚部を前記溝状レール内の前記球状体と粉状体とで支持してトンネル上半アーチ部の内方に架設されるようにトンネルブロックのアーチ部材を組み立て、既にトンネル内の坑口近傍に立設されたアーチ部材とトンネル長手方向に連結し、前記トンネル坑口外に設置された推進手段により、複数基の前記アーチ部材をトンネル奥方まで送り込んで据え付け、該据え付け位置で前記アーチ脚部を前記溝状レールとともに前記側壁コンクリート上に充填材で覆って固定し、トンネル内に連続した覆工アーチを構築することを特徴とする。
【0012】
他の発明として、側壁コンクリートの天端面に溝状レールを形成し、該溝状レール面上に粉状体内に位置保持された複数の球状体を分散して配置し、トンネル坑口位置に設けられ、下方を通過する車両を防護する組立架台上で、所定の傾角でトンネル内方に向けて傾斜した傾角を有する脚部底面に、上面が前記傾角をなしたガイド部材を固着したアーチ脚部を、前記溝状レール内の前記球状体と粉状体とで支持してトンネル上半アーチ部の内方に架設されるようにトンネルブロックのアーチ部材を組み立て、既にトンネル内の坑口近傍に立設されたアーチ部材とトンネル長手方向に連結し、前記トンネル坑口外に設置された推進手段により、複数基の前記アーチ部材をトンネル奥方まで送り込んで据え付け、該据え付け位置で前記アーチ脚部を前記溝状レールとともに前記側壁コンクリート上に充填材で覆って固定し、トンネル内に連続した覆工アーチを構築することを特徴とする。
【0013】
前記側壁コンクリートは、既設コンクリートの側壁壁面に内接して施工され、前記アーチ部材は、既設覆工アーチ部のトンネル内方に位置するように架設され、前記側壁コンクリートとアーチ部材とが前記既設覆工の内側で連続した新しい覆工アーチを構成することが好ましい。
【0014】
前記側壁コンクリートは、掘削されたトンネル下半地山面に沿って施工され、前記アーチ部材は、掘削され必要に応じて所定の防水処理工が施された地山アーチ部からトンネル内方に位置するように架設され、前記側壁コンクリートとアーチ部材とが前記上下半地山の内側で連続した覆工アーチを構成するようにすることが好ましい。
【0015】
前記溝状レールの溝側壁位置に沿って側方ベアリングボールを配列保持させるようにすることが、前記アーチ部材の移送時の摩擦低減のために好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトンネルブロックの連続構築方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1〜図3は、トンネルブロックの連続構築の適用例として図12各図に示したアーチ形状のライニング部材搬入、組立作業状態を示した説明図である。
【0017】
図1(a)は、本発明のトンネルブロックの連続構築方法を適用したトンネルの断面図で上半アーチの一部を構成するライニング部材1が壁体(後述する)上に載置された状態を、図1(b)は、ライニング部材1がトンネル坑口に、下方を通過する一般車両、工事車両を防護する役割も果たすために設置された組立架台20上に載置された状態を示している。図2のトンネル概略縦断、平面図、側面図には、既設トンネル10の坑口付近における施工状態が部分的に示されている。図2(b)の側面図には既設トンネル10の側壁(図示せず)の内側面に沿って構築された壁体11が示されている。この壁体11は、仮設時にライニング部材1の後述する溝状レール13の支持部材として機能し、その後、改修ライニングのアーチ部を支持する側壁コンクリート11(以下、壁体を側壁コンクリートと記す。)として使用される。このトンネル両側に位置する側壁コンクリート11天端面には溝状レール13がそれぞれ設けられている。この溝状レール13は、図1,図4、図5に示したように、トンネル内方側が所定の傾角θをなして低くなるように傾斜した天端面に倣った断面形状が平行四辺形の溝状をなしている。
【0018】
すなわち、図5に示したように上半アーチを閉合させるように組み立てられたライニング部材1では、その脚部1aにライニング部材1の自重Wが鉛直方向に、アーチ下端が外側に広がろうとする水平力Hが作用する。したがって、この2力の合力Rの方向に垂直な面P(水平面と傾角θをなす)でライニング部材1の脚部1aを支持することで安定した支持が可能になる。そこで、側壁コンクリート11の天端面の溝状レール13をこの角度θに合わせて傾け、斜面として構成するようにした。この溝状レール13内には、図4に示したように摩擦低減を図る球状体としてのベアリングボール14が適当に分散する程度の数量が溝状レール13の延長方向に多数配置されている。そして、このベアリングボール14が斜面上を転がり落ちないように、粉状体15が溝状レール13内に満たされている。本実施の形態ではベアリングボール14としてφ11mm程度の鋼球が使用され、粉状体15としては乾燥砂が充填されている。
【0019】
なお、上述の側壁コンクリート11は現場打ちコンクリートで施工するが、溝状レールが取り付けられるようにしたプレキャストコンクリート部材を現場組立してもよい。また、適用するトンネルは新設トンネル用の新規ライニングでも、既設トンネルの改修ライニングでもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2各図は、トンネル坑口付近に設置された組立架台20上にライニング部材1が組み上げられた状態を示している。このときライニング部材1は、上述した溝状レール上に載置されている。そしてこのライニング部材1をトンネル奥方向に移動させるための推進ジャッキが示されている。組立架台20は、図1(b)に示したように、トンネル坑口に設置された定置構造物で、基礎コンクリート12上に立設された柱部22と山形フレーム23を組み立てた鋼製フレームからなる。山形フレーム23の頂部23a、両肩部23bをガイドとして前述した側壁コンクリート11上の溝状レール13と同じ高さに設定され、溝状レール13と連絡するレール(図示せず)が設けられている。これにより、組立架台20上で組み立てられたライニング部材1は、そのまま溝状レール13上に移動できる。本実施の形態では、同図(b)に示したように、アーチ天端で連結される2分割のライニング部材1を延長方向に2列連結して搬送のための1ユニットとしている。アーチ天端及び延長方向に隣接したライニング部材1間の長手方向は、連結ボルト(図示せず)によって連絡されている。なお、組立架台20の下方空間は、ライニング部材1の吊り込み、連結の作業時においても車両Cの通行を遮断しないようにプロテクタの役割も果たしている。なお、ライニング部材の長手方向の連結には、ワンタッチタイプのジョイント等を用いることで、より効率的な接合作業が果たせる。
【0021】
推進ジャッキ25は図2に示したように、組立架台20よりさらに前方位置に設置されたジャッキ架台26上に複数本のシリンダロッド27が水平をなして配設されるように装備されている。その後端25aは支圧盤28に固定されている。一方、複数本の同期動作するシリンダロッド先端には押圧板29が取り付けられている。図2(a)に示したように2基の推進ジャッキ25は同期をとりながら、そのシリンダロッド27の伸長縮退を行え、組立架台20に載置されたライニング部材1の脚部1aに押圧板29を宛い、シリンダロッド27の伸長動作によりライニング部材1をトンネル奥方に移動させることができる。
【0022】
このときライニング部材1は、脚部1aが図4に示したように、側壁コンクリート11上に形成された溝状レール13内に粉状体15で保持され収容されているベアリングボール14上に載置されている。このため、図2〜図3に示したように、脚部1aが推進ジャッキ25のシリンダロッド27の伸長によってトンネル奥方に押されると、ライニング部材全体が容易にスライドし、トンネル坑口から既に建て込まれ、覆工の一部として連結されているライニング部材1に向かって推し進められる。特に図3においては推進ジャッキ25のシリンダロッド27が完全に伸長した状態が示されており、この状態でライニング部材1は完全にトンネル内に位置し、既にトンネル覆工の一部として連結されているアーチ部材の後端から複数基分をさらにトンネル奥方に推進させることができる。このとき既に連結されているライニング部材間には合成ゴム系あるいは発泡樹脂系のクッション材(図示せず)を挟在させることで、ライニング部材を傷めないようにすることができる。また、トンネル延長が長くなると、溝状レールの動摩擦が小さくても坑口に設置された推進ジャッキでは連続した覆工スパンを押し込むことができなくなる可能性もある。そこで、トンネル延長が長い場合には中間位置で中押しジャッキを配備することも好ましい。
【0023】
図6,図7各図は、側壁コンクリート11の天端面に形成された溝状レール13の形状と、その内部に収容されたベアリングボール14及び粉状体15を示した拡大断面図である。ライニング部材1をトンネル奥方に移送する際、ライニング部材1には外向きの水平力H(図5参照)が作用し、溝状レール13内を側方に移動し、ライニング部材1の底面に位置するガイドプレート16の側面が溝側面に押し付けられるように競ってしまい、移送時の摩擦が増加するおそれがある。それを防止するために、本実施の形態では溝側面に沿ってベアリングボール14を1列に配置してある。すなわち、図6(a)に示したように、溝の外側底部に細棒状のボール保持棒材17をレール延長方向に延設し、段状をなして取り付けられたボール保持棒材17の上面に側方ベアリングボール18がレール延長方向に溝側面に接するように保持されている。これにより側方への押し付け力に対しても摩擦を十分低減することができる。図6(a)では溝状レール13の内側(トンネル内空側)にもボール保持棒材17が設けられ、トンネルアーチを構成するライニング部材1の脚部がトンネル内空側にずれるように移動してしまった場合にもライニング部材1のトンネル奥方方向への移送に影響を最小限に抑えられる。図6(b)に示した変形例では、側壁コンクリート11の天端面が水平に仕上げられ、その天端面に溝状レール13が形成されている。そして同図(a)と同様にその内部にはベアリングボール14と粉状体15とが収容されている。このとき図示したようにガイドプレート16の上面16aを傾角θとすることにより、図6(a)と同様のアーチ脚部の構成とすることができる。
【0024】
図7(a)は、図6(a)に対応した詳細断面図であり、溝状レール13として図11に示したのと同じく細幅系H形鋼を使用した例を示している。同図に示したように溝状レール13が所定の傾角θで、側壁コンクリート11の天端面に形成された状態でもベアリングボール14は粉状体15によって溝内での位置が保持されている。そして溝壁を構成する形鋼のフランジ13bの一部に固着されたボール保持棒材17によって、側方ベアリングボール18はガイドプレート16とフランジ13bとの間に配置されている。この側方ベアリングボール18によりガイドプレート16がフランジ13bに競らず、摩擦を小さくできる。また、本実施の形態では側方ベアリングボール18がレール外に飛び出すのを防止するために、カバー19がレール延長方向に固着されている。図7(b)は図6(b)に対応した詳細断面図である。この場合もガイドプレートの断面形状以外は同様である。
【0025】
図8は側壁コンクリート11の天端面に形成される溝状レール及びライニング部材の下面に形成されるガイドプレートの変形例を示した部分拡大断面図を示している。同図に示したように、本変形例では溝状レールとガイドプレートとは略同一形状の金物が使用されている。各金物はレール延長方向に延在するベースプレート40と、側壁コンクリート11あるいはライニング部材1の厚さ方向に所定間隔をあけて配置され、各プレート40の表面に固着されたレール延長方向に延在するボール保持部材41から構成されている。このボール保持部材41は四角形断面の細長棒材で、このボール保持部材41が取り付けられた全体断面形状は櫛歯状をなしている。溝状レールおよびガイドプレートの櫛歯は、ベアリングボール14を挟んで向かい合うようにそれぞれ側壁コンクリート11、ライニング部材1に固定されている。各ベアリングボール14は下側の棒材41により傾斜に沿って転がり落ちることはない。またベアリングボール4を粉状体15で支持させているので、ベアリングボール14のトンネル縦断方向への移動を確実に防止できる。このような構成とすることにより、ライニング部材1が外側へ向いた水平力により溝側壁に当接して競る状態を確実に防止できる。
【0026】
図9(a),(b)はライニング部材1の設置後の脚部の固定方法について示した部分断面図である。図9(a)は新設トンネルの覆工にライニング部材1を用いた場合を示している。図9(a)に示したように、側壁コンクリート11の上端に型枠5を取り付け、型枠5の一部に長手方向に所定間隔をあけて設けられたグラウト孔(図示せず)から溝状レール13内のベアリングボール14と粉状体15とを一体化するように脚部グラウト6を行う。このときのグラウト強度は、ライニング部材1の脚部1aが側壁上で構造的に固定状態となるように、所定強度を発揮するモルタルを採用することが好ましい。さらにライニング部材1の背面の地山との間には空隙を充填する裏込めグラウト7を行う。この裏込めグラウトは、覆工としてのライニング部材1との間に空隙を残さないように十分な浸透性と発泡性を有する、たとえばエアモルタル等の充填材が好適である。なお、地山からの湧水処理を行うために地山に防水シート工を施す場合もあるが、この場合には防水シート(図示せず)とライニング部材1との間で十分な密着性が発揮できるようなグラウト材を選定することが好ましい。図9(b)は既設トンネルの覆工改修工事において、既設覆工10の内空側に新設のライニング部材1を設置した例を示している。また、既設覆工10の健全度が十分である場合には、ライニング部材1を化粧板として使用し、裏込めグラウトを必要としないで済ませることも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上に述べたように、プレキャストコンクリート部材からなるアーチ状に組み立てられたライニング部材を、構造的に安定した状態でトンネル内で連続組立して、トンネル奥方へ移動させて据え付けることができるため、安全で施工効率をきわめな覆工コンクリートの構築が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でのトンネル内及び坑口外でのライニング部材の組立、支持状態を示した横断面図。
【図2】図1中に示したトンネル坑口付近でのライニング部材の組立状態を示した平面図,側面図。
【図3】図1中に示したトンネル坑内でのライニング部材の推進状態を示した平面図,側面図。
【図4】推進時における側壁コンクリート上のライニング部材のアーチ脚部の支持状態を示した部分断面図。
【図5】ライニング部材を組み立てた状態での脚部への作用力を示した模式図。
【図6】側壁コンクリート上のライニング部材の脚部支持状態を示した部分断面図。
【図7】側壁コンクリート上のライニング部材の脚部支持状態を示した詳細断面図。
【図8】溝状レールの変形例を示した詳細断面図。
【図9】トンネル内に設置されたライニング部材の脚部の固定状態の例を示した部分断面図。
【図10】従来の管渠の連続布設工の一例を示した側面図。
【図11】図10に示した管渠の連続布設工における摩擦低減手段の一例を示した部分正面図。
【図12】従来のライニング部材の設置方法の一例を示した施工状態説明図。
【図13】従来のライニング部材のトンネル内での脚部固定方法の一例を示した部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 ライニング部材
10 トンネル
11 側壁コンクリート
12 基礎コンクリート
13 溝状レール
14 ベアリングボール
17 ボール保持棒材
18 側方ベアリングボール
20 組立架台
Claims (5)
- 天端面が所定の傾角でトンネル内方に向けて傾斜した側壁コンクリートの天端面に、底面が前記傾角をなして形成された溝状レールを形成し、該溝状レール面上に、粉状体内に位置保持された複数の球状体を分散して配置し、トンネル坑口位置に設けられ、下方を通過する車両を防護する組立架台上で、アーチ脚部を前記溝状レール内の前記球状体と粉状体とで支持してトンネル上半アーチ部の内方に架設されるようにトンネルブロックのアーチ部材を組み立て、既にトンネル内の坑口近傍に立設されたアーチ部材とトンネル長手方向に連結し、前記トンネル坑口外に設置された推進手段により、複数基の前記アーチ部材をトンネル奥方まで送り込んで据え付け、該据え付け位置で前記アーチ脚部を前記溝状レールとともに前記側壁コンクリート上に充填材で覆って固定し、トンネル内に連続した覆工アーチを構築することを特徴とするトンネルブロックの連続構築方法。
- 側壁コンクリートの天端面に溝状レールを形成し、該溝状レール面上に粉状体内に位置保持された複数の球状体を分散して配置し、トンネル坑口位置に設けられ、下方を通過する車両を防護する組立架台上で、所定の傾角でトンネル内方に向けて傾斜した傾角を有する脚部底面に、上面が前記傾角をなしたガイド部材を固着したアーチ脚部を、前記溝状レール内の前記球状体と粉状体とで支持してトンネル上半アーチ部の内方に架設されるようにトンネルブロックのアーチ部材を組み立て、既にトンネル内の坑口近傍に立設されたアーチ部材とトンネル長手方向に連結し、前記トンネル坑口外に設置された推進手段により、複数基の前記アーチ部材をトンネル奥方まで送り込んで据え付け、該据え付け位置で前記アーチ脚部を前記溝状レールとともに前記側壁コンクリート上に充填材で覆って固定し、トンネル内に連続した覆工アーチを構築することを特徴とするトンネルブロックの連続構築方法。
- 前記側壁コンクリートは、既設コンクリートの側壁壁面に内接して施工され、前記アーチ部材は、既設覆工アーチ部のトンネル内方に位置するように架設され、前記側壁コンクリートとアーチ部材とが前記既設覆工の内側で連続した新しい覆工アーチを構成するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネルブロックの連続構築方法。
- 前記側壁コンクリートは、掘削されたトンネル下半地山面に沿って施工され、前記アーチ部材は、掘削され必要に応じて所定の防水処理工が施された地山アーチ部からトンネル内方に位置するように架設され、前記側壁コンクリートとアーチ部材とが前記上下半地山の内側で連続した覆工アーチを構成するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネルブロックの連続構築方法。
- 前記溝状レールの溝側壁位置に沿って側方ベアリングボールを配列保持させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネルブロックの連続構築方法。
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