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JP4073804B2 - 車両用空調制御装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調風が通る吹出口を決定する複数のモードを備え、空調風を吹出口を通して車室内に送り出すためのブロアファンの回転及びモードに応じた吹出口からの空調風の配分を行うための吹出口切換ドアの開閉を制御する車両用空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用空調装置では、空調風の吹出口を決定する複数のモードを備え、モードボタン(モード選択手段)から乗員が任意にモードを選択することによって、選択されたモードに応じた所定の吹出口から空調風を車室内に送り出すようになっているものが知られている。ここで、モードとは、例えば、ベントモード、フットモード、バイレベルモード、デフフットモード等があり、ベントモードとは、座席の正面脇に設けられたベント吹出口から乗員に向かって空調風を送るモードであり、またフットモードとは、座席の足元に設けられたフット吹出口から乗員に空調風を送るモードである。さらに、バイレベルモードとは、ベント吹出口とフット吹出口との両方から空調風を送るモードであり、デフフットモードとは、フット吹出口から空調風を送るとともに、フロントウィンドウ手前に設けられたデフロスタ吹出口からもフロントウィンドウに向けて空調風を送るモードである。
【0003】
このような車両用空調装置においては、乗員がモードボタンによって一のモードを選択すると、選択されたモードに応じて各吹出口に繋がる風路内に設けられたモードドア(吹出口切換ドア)が開閉し、各吹出口からの空調風の配分がなされるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、このような車両用空調装置では、風路を通る空調風の風圧が大きいと、モードドアの開閉動作の際に風切り音(動作音、いわゆるパタ音)が発生し、騒音となって乗員に不快感を与えることがある。このため、モードドアの開閉動作と同時に、空調風を風路に送り込んで吹出口を通じて車室内に送り出すためのブロアファンの回転数を所定値まで下げることにより、風路内の空調風の風圧を小さくして風切り音を防止することが考えられている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2658290号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブロアファンの回転数を下げるためには車両用空調制御装置がファンモータに対する回転制御信号を出力してファンモータの電圧を下げる制御を行う必要があり、回転制御信号の出力から実際のブロアファンの回転数の低下までにはタイムラグが生じてしまう。
【0007】
このような場合は、ブロアファンの回転数が低下する前にモードドアの開閉動作が行われてしまい結局風切り音が発生してしまうという問題がある。特に、ファンモータとして近年主流となっているブラシレスモータが用いられる場合は、ブラシレスモータはブロアファンの回転数を徐々に下げるようになっているためこのような傾向はより顕著となる。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、選択されたモードに応じて各吹出口を通る空調風の配分が変化する場合に風切り音の発生による騒音を防止することができる車両用空調制御装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、空調風を各吹出口を通して車室内に送り出すためのブロアファンの回転を制御するとともに、前記空調風が通る吹出口を決定する複数のモードを備え、モード選択手段によって選択されたモードに応じた各吹出口からの空調風の配分を行うための吹出口切換ドアの開閉を制御する車両空調制御装置であって、前記モード選択手段によって選択されたモードに応じて所定の吹出口切換ドアの開閉状態が変化する場合は、前記ブロアファンを駆動するファンモータの現在の出力電圧値を取得し、この出力電圧値が、予め設定されている所定の電圧値よりも大きいと判断した場合にはこの電圧値になるように前記ファンモータに回転制御信号を出力し、この回転制御信号の出力から所定時間をかけて前記ブロアファンの回転数を所定値まで下げ終えた後に開閉制御信号を出力して前記所定の吹出口切換ドアの開閉動作を開始させ、前記ファンモータの出力電圧値が前記所定の電圧値よりも大きくないと判断した場合には、前記回転制御信号を出力せずに前記開閉制御信号を出力して前記所定の吹出口切換ドアの開閉動作を開始させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係る車両用空調制御装置を備えた車両用エアコン(車両用空調装置)の構成を説明するための図である。
【0013】
車両用エアコン1は、冷媒が封入された冷媒配管2によってコンプレッサ3と、コンデンサ4と、リキッドタンク5と、膨張弁6と、エバポレータ7とが連結されて形成されたエアコンサイクル8を備えている。
【0014】
コンプレッサ3は、エンジン9によって駆動され、エバポレータ7から冷媒配管2を通して低圧低温の気体として送られてくる冷媒を高圧高温の気体にしてコンデンサ4に送るようになっている。また、コンデンサ4は、後方に設けられた図示を略す冷却ファンからの送風や車の走行風によってコンプレッサ3からの高圧高温の冷媒を凝縮点まで冷却し高圧中温の液体にしてリキッドタンク5へ送るようになっている。
【0015】
リキッドタンク5は、コンデンサ4からの高圧中温の冷媒に含まれる水分やゴミを取り除き、冷媒を円滑に供給できるように溜めつつ、膨張弁6へ送るようになっている。また、膨張弁6は、リキッドタンク5から送られてくる高圧中温の液体である冷媒を急激に膨張させて低圧低温の液体(霧状)にし、冷媒配管2を通してエバポレータ7に送るようになっている。
【0016】
エバポレータ7は、風路としてのダクト10内に設けられて、ダクト10内において後述するブロファン11から送られてくる車室外の空気である外気、車室内の空気である内気又はこれらの混合気の熱を奪うことによって、膨張弁6からの霧状の冷媒を蒸発させて低圧低温の気体にしてコンプレッサ3に送るようになっている。
【0017】
ダクト10は、外気を取り入れるための外気吸込口12又は内気を取り入れるための内気吸込口13より空気を吸い込んでから、この空気を空調風としてデフロスタ吹出口14、ベント吹出口15又はフット吹出口16から車室内に送り出すまでの空気の通路(風路)であり、ダクト10内には、前述のエバポレータ7の他に、インテークドア17と、ブロアファン11と、エアミックスドア18と、ヒータコア19と、モードドア20(デフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23)とが設けられている。
【0018】
ブロアファン11は、ファンモータ24によって駆動されて回転することにより、外気、内気又はこれらの混合気を吸い込みエバポレータ7に送るとともに、エバポレータ7によって熱を奪われて冷却された空気を空調風として車室内に送り出すようになっている。また、ブロアファン11の回転は後述の車両用空調制御装置としてのコントロールユニット25によって可変に制御される。
【0019】
すなわち、コントロールユニット25が回転制御信号を出力すると、この回転制御信号に基づいた駆動電圧がファンモータ24に印加されてブロアファン11の回転数が決定される。例えば、コントロールユニット25は、ブロアファン11の回転数を下げたい場合はファンモータ24に印加される駆動電圧を下げるような回転制御信号を出力し、逆にブロアファン11の回転数を上げたい場合には駆動電圧を上げるような回転制御信号を出力する。
【0020】
なお、ブロアファン11によってエバポレータ7に送り込まれる空気はインテークドア17の開閉状態による。すなわち、外気吸込口12及び内気吸込口13がインテークドア17の位置によって開放されたり閉塞されたりして、外気、内気又はこれらの混合気がブロアファン11によって吸い込まれる。
【0021】
エアミックスドア18はヒータコア19との協働により、エバポレータ7によって冷却された空調風の温度を調整する機能を有する。すなわち、エアミックスドア18の位置によって、エバポレータ7によって冷却された空調風のうち、ヒータコア19に流入する空調風と、このヒータコア19を避けてその上流を通る空調風との配分が決定される。そして、ヒータコア19を通過して加熱された空気とその上流を通過した空気が混合することにより空調風が最適の温度に調整されるようになっている。
【0022】
吹出口切換ドアとしてのモードドア20であるデフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23は、アクチュエータ26によって駆動されて回動することにより、それぞれデフロスタ吹出口14、ベント吹出口15及びフット吹出口16を開放したり閉塞したりするようになっている。これらのモードドア20の開閉はモード選択手段としてのモードボタン27によって選択されたモードに応じてコントロールユニット25により制御され、これらのモードドア20の開閉状態によってデフロスタ吹出口14、ベント吹出口15及びフット吹出口16からの空調風の配分がなされるようになっている。なお、開閉状態とは完全に開いた状態及び完全に閉じた状態のみをいうのではなく、例えば半開き状態等、両者の間に位置する状態をも含むものとする。開閉、開閉動作等の場合も同様とする。
【0023】
すなわち、モードボタン27には、図2に示すように、ベントモードボタン30と、フットモードボタン31と、バイレベルモードボタン32と、デフフットモードボタン33とから構成されているが、例えばベントモードボタン30によってベントモードが選択されているときは、コントロールユニット25がアクチュエータ26にベントモードに応じた開閉制御信号を出力し、この開閉制御信号に基づいてベントドア22が開けられてベント吹出口15が開放されるとともに、デフロスタドア21及びフットドア23が閉じられてデフロスタ吹出口14及びフット吹出口16が閉塞され、空調風はベント吹出口15から乗員に向かって吹き出すようになる。
【0024】
つぎに、例えば、バイレベルモードボタン32によってモードがバイレベルモードに変更されるときは、コントロールユニット25がアクチュエータ26にバイレベルモードに応じた開閉制御信号を出力し、この開閉制御信号に基づいてフットドア23が開けられてフット吹出口16も開放され、空調風はベント吹出口15だけでなくフット吹出口16からも吹き出すようになる。
【0025】
その他、フットモードボタン31によってフットモードが、又はデフフットモードボタン33によってデフフットモードが選択されるときも同様に、それぞれのモードに応じてコントロールユニット25がモードドア20の開閉を制御される。
【0026】
コントロールユニット25は、図示を略すCPUと、図示を略すROMと、図示を略すRAMとを備え、上述のモードボタン27、ファンモータ24、アクチュエータ26等に接続されている。図示を略すCPUは、モードボタン27等からの指示に応じて、図示を略すROMに格納された制御プログラムに従って、上述のブロアファン11の回転の制御やモードドア20の開閉の制御等、車両用エアコン1の各部の動作を制御する。また、ROMに格納された制御プログラムの中には、後述の所定の定数値である電圧値V(例えば、6.75V)及び時間T(例えば、1.5秒)が予め設定されている。電圧値Vは、ブロアファン11の作動中にモードドア20の開閉動作が行われても風切り音が発生しない程度、又はほとんど気にならない程度の状態をつくり出すことができるファンモータ11の駆動電圧のうちの最大値である。時間Tは、回転制御信号が出力されてから実際にブロアファン11の回転が所定値(電圧値Vに応じた回転数)になるまでにかかる時間である。電圧値V及び時間Tは、予め実験等において測定することによって得ることができる。図示を略すRAMは制御プログラムの実行に必要な一時データ格納領域を提供する。
【0027】
このような構成の車両用エアコン1において、図3に示すように、モードボタン27によって一のモードが選択されると、まずコントロールユニット25はデフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23がそれぞれ選択されたモードに応じた開閉状態になっているか否かを判断する(S1)。
【0028】
ステップS1において、デフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23の全てが選択されたモードに応じた開閉状態になっていると判断した場合は、コントロールユニット25はそのまま処理を終了する一方、デフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23のうちのいずれか1つでも選択されたモードに応じた開閉状態になっていないと判断した場合は、コントロールユニット25はファンモータ24の現在の出力電圧値VFoutを取得し、この出力電圧値VFoutが予め設定された電圧値V(例えば、6.75V)より大きいか否かを判断する(S2)。
【0029】
ステップS2において、出力電圧値VFoutが電圧値Vより大きくないと判断した場合は、コントロールユニット25は後述のステップS5に移行する一方、出力電圧値VFoutが電圧値Vより大きいと判断した場合は、コントロールユニット25は出力電圧値VFoutが電圧値Vとなるように回転制御信号をファンモータ24に出力する(S3)。これによって、ファンモータ24に印加される駆動電圧が電圧値Vとなり、ファンモータ24に駆動されるブロアファン11の回転数が電圧値Vに応じた回転数である所定値まで下がることとなる。
【0030】
また、コントロールユニット25は回転制御信号を出力してから経過した経過時間Tcountが予め設定された時間T(例えば、1.5秒)を過ぎたか否かを判断する(S4)。
【0031】
ステップS4において、経過時間Tcountが時間Tを過ぎていないと判断した場合は、ループしてステップS4を繰り返す一方、経過時間Tcountが時間Tを過ぎたと判断した場合は、コントロールユニット25は選択されたモードに応じた開閉制御信号をアクチュエータ26に出力して(S5)処理を終了する。このステップS5によって、選択されたモードに応じてデフロスタドア21、ベントドア22及びフットドア23の開閉動作が開始され、開放された吹出口からは空調風が車室内に送り出されることとなる。
【0032】
この実施の形態に係る車両用空調制御装置であるコントロールユニット25では、モードボタン27によって選択されたモードに応じてモードドア20の開閉状態が変化するときは(デフロスタ吹出口14、ベント吹出口15及びフット吹出口16の各吹出口からの空調風の配分が変化するときは)、コントロールユニット25が回転制御信号を出力することによりブロアファン11の回転数を所定値まで下げた後に、開閉制御信号を出力することにより所定のモードドアの開閉動作を開始させることとしたので、従来の車両用空調装置におけるように、ブロアファン11の回転数が所定値まで下がりきらないうちにモードドア20の開閉動作が開始されることがない。したがって、モードドア20の開閉動作が行われるときには、ダクト10内の空調風の風圧は十分小さくなっているので、モードドア20の開閉時に風切り音が発生せず、又はほとんど気にならない程度にしか発生せず、騒音による不快感を乗員に与えることがない。
【0033】
なお、本発明は上述した形態に限られるものではなく、例えば本実施の形態ではベントモード、フットモード、バイレベルモード、デフフットモードの4つのモードを備えることとしたが、これに限られず、例えばデフロスタモード、オートモード等を備えることとしてもよい。デフロスタモードとはデフロスタ吹出口14から空調風を送るモードであり、オートモードとはモードボタン27等の指示によらなくても自動で各吹出口からの空調風が配分・変更されるようにするモードである。オートモードが選択された場合は、モードボタン27の指示によらなくても自動で上述のステップS1からステップS5までが行われるようにする。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成したので、選択されたモードに応じて各吹出口を通る空調風の配分が変化する場合に風切り音の発生による騒音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る車両用空調制御装置を備えた車両用エアコンの構成を説明するための概念図である。
【図2】モードボタンを示す正面図である。
【図3】車両用空調制御装置におけるブロアファンの回転制御処理と吹出口切換ドアの開閉制御処理の全体的な流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
11 ブロアファン
14 デフロスタ吹出口(吹出口)
15 ベント吹出口(吹出口)
16 フット吹出口(吹出口)
20 モードドア(吹出口切換ドア)
21 デフロスタドア(吹出口切換ドア)
22 ベントドア(吹出口切換ドア)
23 フットドア(吹出口切換ドア)
25 コントロールユニット(車両用空調制御装置)
27 モードボタン(モード選択手段)
30 ベントモードボタン(モード選択手段)
31 フットモードボタン(モード選択手段)
32 バイレベルモードボタン(モード選択手段)
33 デフフットモードボタン(モード選択手段)

Claims (1)

  1. 空調風を各吹出口を通して車室内に送り出すためのブロアファンの回転を制御するとともに、前記空調風が通る吹出口を決定する複数のモードを備え、モード選択手段によって選択されたモードに応じた各吹出口からの空調風の配分を行うための吹出口切換ドアの開閉を制御する車両空調制御装置であって、
    前記モード選択手段によって選択されたモードに応じて所定の吹出口切換ドアの開閉状態が変化する場合は、前記ブロアファンを駆動するファンモータの現在の出力電圧値を取得し、この出力電圧値が、予め設定されている所定の電圧値よりも大きいと判断した場合にはこの電圧値になるように前記ファンモータに回転制御信号を出力し、この回転制御信号の出力から所定時間をかけて前記ブロアファンの回転数を所定値まで下げ終えた後に開閉制御信号を出力して前記所定の吹出口切換ドアの開閉動作を開始させ、前記ファンモータの出力電圧値が前記所定の電圧値よりも大きくないと判断した場合には、前記回転制御信号を出力せずに前記開閉制御信号を出力して前記所定の吹出口切換ドアの開閉動作を開始させることを特徴とする車両用空調制御装置。
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