JP4075158B2 - 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング手段としてFETを用いた高周波インバータおよびこれを用いた放電ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波インバータの始動回路は、例えば特開平3−59998号公報に示すように、直流電源に直列に接続された抵抗R3およびコンデンサC1とこの抵抗R3およびコンデンサC1の接点とスイッチング素子の制御極(ベース、ゲート)との間に接続されたトリガダイオードとを用いた構成である。
【0003】
この始動回路は、始動時に基準電位側(ローサイド)のスイッチング素子Q2の制御極に対してトリガダイオードが電圧を印加してスイッチング素子Q2がオンする。スイッチング素子Q2がオンすると、2次側の負荷回路に電流が流れるとともに逆極性の共振電圧が発生する。一方、負荷回路に磁気結合された巻線n1がスイッチング素子Q2の制御極に対して逆極性の電圧を印加してスイッチング素子Q2をオフするとともに、同じく磁気結合された巻線n2が高電位側(ハイサイド)のスイッチング素子Q1の制御極に対して電圧を印加してスイッチング素子Q1がオンする。このスイッチング素子Q1,Q2がオン/オフされることによってインバータが発振する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の高周波インバータでは、始動回路の簡素化が容易に行えず、コストダウンが困難であった。また、何らかの不具合、例えば回路内のトラッキングにより不所望な電流または電圧が発生することによって高電位側のスイッチング素子Q1が劣化して発振しなくなり、ランプが不点灯となった場合、基準電位側のスイッチング素子Q2が正常のままであれば始動回路がスイッチング素子Q2をオンさせるため間欠的に制御極に電圧を供給し、インバータが異常発振の動作を継続する。
【0005】
この異常発振は、高周波インバータの経年劣化に伴うものであるが、経年劣化に伴って回路基板や部品などの表面の絶縁性能が下がっている場合、異常発振を長時間継続すると間欠発振により通常の電流ループと異なる箇所でトラッキングによる電流が流れてしまい、発熱、焼損が起こることが考えられる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、始動回路の簡素化によってコストダウンを行うことのできる高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置を提供することを目的とする。また、FETの劣化などが生じた場合であっても異常発振することなく発振を停止し、トラッキングなどに至ることのない高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】
請求項1の高周波インバータは、直流電源と;直流電源間に直列的に接続されるとともにそれぞれのゲートおよびソースが共通に接続されたNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETと;Nチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETの交互スイッチングによって発生する高周波で作動する負荷回路と;負荷回路の負荷電流を帰還する帰還手段、帰還電圧に共振する直列共振回路およびこの直列共振回路の共振電圧に基づいて正負のゲート電圧を出力するコンデンサを有し、このコンデンサが出力するゲート電圧によりNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETに対して共通的に作用してNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETを交互にスイッチングさせるゲート回路と;一端が直流電源の正極に他端がゲート回路にそれぞれ接続された正側の抵抗および一端がゲート回路に他端が直流電源の負極にそれぞれ接続された負側の抵抗を有し、この正側および負側の抵抗がゲート回路を介する直列体を形成し、直流電源から直流電圧が印加されるとこの正側および負側の抵抗を介してゲート回路のコンデンサにゲート電圧を発生させてNチャンネル形FETを最初にオンさせる始動回路と;を具備していることを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0009】
「高周波インバータ」とは、直流を高周波に変換する回路手段をいう。
【0010】
「高周波」とは、1000Hz以上の周波数をいう。
【0011】
直流電源は、交流を整流した整流化直流電源およびバッテリー電源のいずれでもよい。
【0012】
Nチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETを直流電源間に直列的に接続するとは、直流電源から見て両FETが直列接続関係にあることをいい、両FETと直流電源との間に他の回路部品たとえば抵抗などが介在していてもよい。また、両FETの間に回路部品が介在していていもよい。
【0013】
ゲート回路は、Nチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETに対して共通にそれぞれの所要のゲート電圧を供給するように配設されている。すなわち、NチャンネルFETに対しては、正電圧を印加してオンさせ、PチャンネルFETに対しては、負電圧を印加してオンさせる。Nチャンネル形FETとPチャンネル形FETとは、交互にオンする。
【0014】
始動回路は、始動時に直流電源から直流電圧が印加されて正側および負側の抵抗を介してゲート回路にゲート電圧を発生させ、Nチャンネル形FET最初にオンさせるように構成されている。
【0015】
負荷回路は、Nチャンネル形FETとPチャンネル形FETとの交互スイッチングによって発生する高周波で作動する。負荷は、放電ランプを始め任意所望のものであることを許容する。
【0016】
負荷が放電ランプの場合には、負荷の負特性を補償するために、バラスト手段としてたとえば限流インダクタンスを負荷と直列接続する。
【0017】
また、放電ランプが蛍光ランプのように低圧放電ランプの場合に、電極としてフィラメント電極を用いるとともに、フィラメント電極を熱陰極始動・熱陰極点灯させるのが一般的である。このような場合に、フィラメント電極を始動時に加熱する方法には、以下に示す2とおりがある。
【0018】
その1は、始動時に少なくとも一方のフィラメント電極を介して放電ランプと並列的に共振用コンデンサを接続することである。そうすれば、始動時に限流インダクタンスおよび共振用コンデンサを介して電流がフィラメントに流れるので、これらと直列接続されているフィラメントが加熱される。これと同時に限流用インダクタンスと共振用コンデンサとが適度に直列共振して、共振用コンデンサの端子電圧が高くなるので、放電ランプの始動が促進される。
【0019】
その2は、フィラメント加熱用トランスを用いてフィラメント電極を加熱することである。フィラメント加熱トランスは、限流用インダクタンスと別に設けてもよいが、要すればフィラメント加熱巻線を限流用インダクタンスに磁気結合させることができる。そうすれば、回路部品点数の増加を抑制できる。
【0020】
また、負荷回路は、要すればNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETのゲート回路に対して自励発振のためのエネルギーと規定の動作周波数とを供給することができる。
【0021】
本発明の高周波インバータには、必要に応じて、帰還手段、直列共振回路、ゲート電圧出力手段を設けるのが好ましい。
【0022】
帰還手段は、負荷電流を帰還してゲート回路に自励発振のためのエネルギーおよび規定の動作周波数を供給するのであるが、たとえば電流変成器、抵抗、フォトカプラなどを用いて構成することができる。
【0023】
直列共振回路は、帰還手段から得られた電圧が供給されると、直列共振を生じて帰還電圧より昇圧された正負の極性の振動電圧を直列共振回路を構成するコンデンサまたはインダクタンスの端子間に生じさせる。
【0024】
ゲート電圧出力手段は、直列共振回路に生じた正負の昇圧電圧を適当なインピーダンスを介してゲート電圧として取り出して各FETのゲート、ソース間に印加する。
【0025】
そうして、正極性のゲート電圧は、Nチャンネル形FETのゲート、ソース間に印加されて当該FETをオンする。
【0026】
また、負極性のゲート電圧は、Pチャンネル形FETのゲート、ソース間に印加されて当該FETをオンする。帰還電圧が直列共振回路にて直列共振して昇圧されるから、帰還電圧は低くてよい。このことは、帰還手段の大形化を回避して小形化を図ることができることを意味する。
【0027】
本発明の高周波インバータは、ゲート回路は、ゲート電圧出力手段が互いに逆極性に直列接続した複数の定電圧素子からなるゲート保護手段を含み、定電圧素子の両端間電圧がNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETのゲートおよびソースの間に印加されるように構成されていてもよい。
【0028】
定電圧素子としては、ツエナーダイオードなどを用いることができる。
【0029】
定電圧素子の数は、その定電圧とゲート電圧関係により決めればよい。
【0030】
逆極性に直列接続された複数の定電圧素子は、相補形をなすNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETのいずれに対してもそれぞれゲート保護手段を構成している。そうして、ゲートに対して過電圧になる電圧分は、上記ゲート保護手段によって短絡されて吸収されるから、各ゲートには適正な値の電圧しか印加されない。過電圧がFETのゲート・ソース間に印加されると、FETの破壊の原因になるので、ゲート保護手段を付加するのが一般的である。
【0031】
しかし、ゲート保護手段は、1組だけ用いればよいから、回路部品の低減を図って高周波インバータの小形化を達成することができる。
【0032】
請求項1の高周波インバータによれば、相補形FETを使用するとともに、ゲート回路のコンデンサにゲート電圧を発生させる始動回路を備えたので、安価で簡単な始動回路により回路構成の簡素化とコストダウンとを図ることができる。
【0033】
請求項2は、請求項1記載の高周波インバータにおいて、始動回路は、ゲート回路のゲートおよびソース共通接点間に電圧を発生させてNチャンネル形FET最初にオンさせる抵抗およびコンデンサで構成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項2の高周波インバータによれば、FETが劣化しても異常発振前に発振停止するため、たとえ塵埃により絶縁性能が下がったとしても、共振動作による高圧が発生せず、通常電流ループ以外の場所で電流が流れることが抑制されるとともに、始動回路が抵抗およびコンデンサで構成されているので、安価で簡単な構成の始動回路とすることができる。
【0035】
請求項3の放電ランプ点灯装置は、放電ランプと;放電ランプを負荷とする請求項1または2記載の高周波インバータと;を具備していることを特徴とする。
【0036】
放電ランプとしては、蛍光ランプなどを用いることができる。
【0037】
放電ランプを負荷とするので、その負特性を補償するためにバラスト手段として限流用インピーダンスを直列接続する。
【0038】
限流用インピーダンスとしてインダクタンスを用いる場合には、インダクタンスに補助巻線を1個磁気結合して付加することにより、小形の帰還手段を構成することができる。
【0039】
しかし、本発明においては、帰還手段はどのような構成であってもよい。
【0040】
また、負荷回路には、限流用のインダクタンスを構成要素とする直列共振回路を付加して高周波インバータの動作周波数を規制することができる。
【0041】
さらに、負荷回路に絶縁トランスを介在させて放電ランプを絶縁トランスを介して接続することができる。
【0042】
しかし、絶縁トランスを用いないで、直結してもよい。直結すれば、放電ランプ点灯装置全体の小形化に効果的である。なお、直結する場合には、負荷である放電ランプに直流分が流れないように結合コンデンサを放電ランプと直列に接続するのがよい。
【0043】
請求項3の放電ランプ点灯装置によれば、請求項1または2の効果を有する放電ランプを提供することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図である。
【0046】
図において、1は交流電源、2は過電流ヒューズ、3は雑音防止回路、4は整流化直流電源、SNはNチャンネル形FET、SPはPチャンネル形FET、GCはゲート回路、STは始動回路、PTはゲート保護手段、LCは負荷回路である。
【0047】
交流電源1は、商用100V交流電源である。
【0048】
過電流ヒューズ2は、たとえば配線基板に一体に形成したパターンヒューズからなり、過電流が流れた際に溶断して回路が焼損しないように保護する。
【0049】
雑音防止回路3は、交流電源1と整流化直流電源4との間に直列に介在するインダクタンスL1と、インダクタンスL1の交流電源1側において交流電源1に並列的に接続してインダクタンスL1とともに逆L形回路を構成するコンデンサC1とからなり、高周波インバータの動作に伴って発生する高周波雑音を電源側に流出しないように除去する。
【0050】
整流化直流電源4は、ブリッジ形全波整流回路4aおよび平滑化回路4bからなる。
【0051】
ブリッジ形全波整流回路4aは、交流入力端が雑音防止回路3を介して交流電源1に接続し、直流出力端が平滑化回路4bに接続している。
【0052】
平滑化回路4bは、直列抵抗R1および平滑コンデンサC2からなる。
【0053】
直列抵抗R1は、抵抗値が数オーム以下で、平滑コンデンサC2に充電電流が流入する際の電流波形を緩やかにして高調波を低減させる作用を行う。
【0054】
Nチャンネル形FETSNは、そのドレインが平滑コンデンサC2の正極に接続している。
【0055】
一方、Pチャンネル形FETSPは、そのソースがNチャンネル形FETSNのソーに接続し、ドレインが平滑コンデンサC2の負極に接続している。
【0056】
ゲート回路GCは、帰還手段S、直列共振回路SRおよびゲート電圧出力手段OGからなる。
【0057】
帰還手段Sは、後述する限流インダクタンスL2に磁気結合している補助巻線からなる。
【0058】
直列共振回路SRは、インダクタンスL3およびコンデンサC3の直列回路からなり、その両端は帰還手段Sの両端に接続している。
【0059】
ゲート電圧出力手段OGは、直列共振回路SRのコンデンサC3の両端に現れる共振電圧をコンデンサC4を介して取り出すように構成されている。そして、コンデンサC4の一端は、コンデンサC3とインダクタンスL3との接続点に接続し、コンデンサC4の他端はNチャンネル形FETSNおよびPチャンネル形FETSPのそれぞれのゲートに接続している。
【0060】
さらに、コンデンサC3の他端が各FETのソースに接続している。このようにして、コンデンサC3の両端間に現れた共振電圧は、ゲート電圧出力手段OGを介して各FETのゲート、ソース間に印加される。
【0061】
始動回路STは、抵抗R2、R3、R4、コンデンサC4からなる。
【0062】
抵抗R2は、その一端が平滑コンデンサC2の正極に接続し、他端がNチャンネル形FETSNのゲートに接続しているとともに、抵抗R3の一端およびゲート回路GCのゲート電圧出力手段OGのゲート側の出力端すなわちコンデンサC4の他端に接続している。
【0063】
抵抗R3の他端は、直列共振回路LCのインダクタンスL3および帰還手段Sの接続点に接続している。
【0064】
抵抗R4は、その一端が各FETSN、SPの接続点すなわちそれぞれのソースおよびゲート電圧出力手段OGのソース側の出力端に接続し、他端が平滑コンデンサC2の負極に接続している。
【0065】
ゲート保護手段PTは、一対のツエナーダイオードを逆極性に直列接続してゲート電圧出力手段OGに接続している。
【0066】
負荷回路LCは、負荷である放電ランプDL、限流インダクタンスL2、結合コンデンサC5および共振コンデンサC6からなる。
【0067】
放電ランプDLは、蛍光ランプを用いている。放電ランプDLの一方の電極は結合コンデンサC5の一端に接続し、他端はPチャンネル形FETSPのドレインに接続している。
【0068】
共振用コンデンサC6は、放電ランプDLの図において下側のフィラメント電極の非電源側端子に接続している。このフィラメント電極は共振コンデンサC6を流れる電流によって加熱される。
【0069】
限流インダクタンスL2は、その一端が各FETSN、SPのソースに接続し、他端は結合コンデンサC5の他端に接続している。
【0070】
共振コンデンサC6は、放電ランプDLと並列に接続している。
【0071】
そうして、負荷回路LCは、限流インダクタンスL2、コンデンサC5および共振コンデンサC6からなる直列共振回路を形成する。
【0072】
さらに、Pチャンネル形FETSPのソース・ドレイン間にコンデンサC7が接続され、Pチャンネル形FETSPのスイッチング期間中の負荷を軽減する。
【0073】
次に、本実施形態における回路動作について説明する。
【0074】
交流電源1を投入すると、整流化直流電源4により平滑化された直流電圧が平滑コンデンサC2の両端に現れる。そして、直列接続されたNチャンネル形FETSNおよびPチャンネル形FETSPの両ドレイン間に直流電圧が印加される。しかし、両FETSN、SPに対してゲート電圧が印加されていないので、両FETSN、SPはオフ状態のままである。
【0075】
直流電圧は、同時に始動回路STにも印加されるので、コンデンサC4および抵抗R3の両端には主として抵抗R2、R3およびR4の各抵抗値の案分比に応じた電圧が現れる。そして、コンデンサC4および抵抗R3の端子電圧は、各FETのゲート・ソース間に正の電圧として印加される。その結果、Nチャンネル形FETSNはスレッシュホールド電圧を超えるように設定されているため、オンする。これに対して、Pチャンネル形FETSPのゲート・ソース間に印加される電圧は、所要のゲート電圧とは逆極性であるため、オフ状態のままである。
【0076】
Nチャンネル形FETSNがオンすると、整流化直流電源4からNチャンネル形FETSNのドレイン・ソースを介して負荷回路LCすなわち限流インダクタンスL2、結合コンデンサC5および共振コンデンサC6を直列に介して電流が流れる。負荷回路LCの限流インダクタンスL2、結合コンデンサC5および共振コンデンサC6の直列共振回路が共振して共振コンデンサC6の端子電圧が高くなる。
【0077】
一方、限流インダクタンスL2に電流が流れたことにより、磁気結合している帰還手段Sに電圧が誘起される。
【0078】
上記の電流により帰還手段Sに誘起される電圧によりその直列共振回路SRが直列共振を開始する。この直列共振によりコンデンサC3には昇圧された負電圧が発生するので、ゲート保護手段PTにより一定電圧に規制され、ゲート電圧出力手段OGを介してPチャンネル形FETSPおよびNチャンネル形FETSNのそれぞれのゲート・ソース間に印加される。これにより、Pチャンネル形FETSPのゲートはスレッシュホールド電圧を超えるため、オンする。これに対して、今までオンしていたNチャンネル形FETSNは、逆極性になり所定のゲート電圧がなくなるため、オフする。
【0079】
Pチャンネル形FETSPがオンすると、負荷回路LCの限流インダクタンスL2に蓄積されている電磁エネルギーおよびコンデンサC6の充電電荷が放出されてPチャンネル形FETSPのソース・ドレインおよび負荷回路LCの閉回路内をNチャンネル形FETSNがオンしたときとは逆方向に電流が流れる。
【0080】
他方、放電ランプDLの一方の電極は共振コンデンサC6を流れる電流によって加熱されるので、放電ランプDL内に電子放射が行われる。
【0081】
放電ランプDLには、上記電子放射と一緒に共振コンデンサC6の両端に現れる高い共振電圧が印加されるため、やがて始動し、点灯する。
【0082】
Pチャンネル形FETSPがオンした際に流れる電流により、帰還手段Sに始動回路STを通じて流れた電流と同一極性の電流が流れるため、再びNチャンネル形FETSNがオンし、Pチャンネル形FETSPがオフする。以後各FETSN、SPが交互にオン、オフして放電ランプDLが高周波点灯する。
【0083】
本実施形態の放電ランプ点灯装置が経時劣化し、FETが劣化した場合について説明する。FETの劣化の原因としては、寿命の他に、ランプ特性の変化や2次側回路内のトラッキングなどによって不所望な電流がFETに流れたり、過度の電圧がFETに印加されることによっても起こり得る。
【0084】
Nチャンネル形FETSNが劣化し、オン/オフ動作しなくなった場合は、始動動作自体しないので発振することはない。
【0085】
一方、Pチャンネル形FETSPが劣化した場合には、Nチャンネル形FETSNは始動回路STによってオンする。しかし、Pチャンネル形FETSPの劣化により共振発振が正常に動作しないので、Pチャンネル形FETSPがオンしても帰還手段Sに再びNチャンネル形FETSNをオンさせるような電流が流れず、また、始動回路STにも電圧が発生しないので、Nチャンネル形FETSNが再びオンすることなく発振が停止する。
【0086】
図3は、本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態である電球形蛍光ランプの概略正面図であり、説明のために内部構造を透視して示している。
【0087】
10は電球形蛍光ランプであり、放電ランプDLとしての蛍光ランプ(発光管)8を内部に収容している。電球形蛍光ランプ10は、口金12を有するカバー14と、このカバー14に収納された高周波インバータ16と、透光性を有するグローブ17とを備え、蛍光ランプ8はグローブ17に収納されている。そして、グローブ17とカバー14とから構成される外囲器は、定格電力60Wの白熱電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金12を含むランプ長Hは120mm〜125mm程度、直径すなわちグローブ17の外形D1は60mm程度、カバー14の最大径D2は40mm程度に形成されている。なお、以下、口金12側を上側、グローブ17側を下側として説明する。
【0088】
そして、カバー14は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体21を備えている。そして、このカバー本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、エジソンタイプのE26型などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0089】
また、グローブ17は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、白熱電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されている。
【0090】
そして、カバー14に収納される高周波インバータ16は、水平状、すなわち蛍光ランプ18の長手方向と垂直に配置される回路基板(PC板)24を備え、この回路基板24の両面すなわち口金12側である上面および蛍光ランプ8側である下面に、複数の電気部品が実装されて、高周波インバータ点灯回路が構成されている。この回路基板24は、略円板状で、直径寸法は、40mmの略円より小さく形成されている。そして、この回路基板24から導出された図示しない給電用リード線が、カバー14の口金12に接続されている。
【0091】
蛍光ランプ8は、蛍光ランプ固定部材でありまた高周波インバータ固定部材であるホルダとしての仕切板(図示しない)に取り付けられ、この仕切板がカバー14に固定されている。すなわち、仕切板には取付孔が形成されており、蛍光ランプ8の各端部を挿入したうえ接着剤にて接着などして固定されている。
【0092】
蛍光ランプの電極3は、フィラメントコイルが一対のリード線4に支持されているが、このリード線4はフィラメントコイルを支持するインナーウエルズ、管状バルブ1の端部にピンチシール封止されるジュメット線、このジュメット線を介して外部に導出されるアウターウエルズから構成されている。このリード線4のアウターウエルズが、回路基板24の電気接続端子ピン(図示しない)に電気的に接続されている。なお、一方のインナーウエルズには、必要に応じて補助アマルガムが設けられている。
【0093】
そして、このように構成された電球形蛍光ランプ10は、入力電力定格14Wで、発光管18には、12.5Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は280mA、ランプ電圧は65Vとなり、3波長発光形蛍光体の使用により全光束810lmとなっている。
【0094】
本実施形態の電球形蛍光ランプは、口金12の近傍部分、例えば、口金12近傍から30mmの部分を小径化していわゆる一般PS形電球サイズに近付け、また、ランプ長の短縮を図り、白熱電球相当のランプ形状を実現できる。そこで、この電球形蛍光ランプ10は、白熱電球用の照明器具に広く装着することが可能になり、汎用性を向上できるとともに、装着時の違和感もなくなり、外観を向上できる。
【0095】
なお、本実施形態では、U字状の管状バルブ1を3本接続して蛍光ランプ8を構成したが、蛍光ランプ8の形状はこれに限られず、例えば、U字状あるいはH字状の管体を2本、3本、あるいは4本など並列させて、すなわち、長手方向に沿って4軸、6軸、あるいは8軸の放電路を形成し、ランプ長の短縮を図ることもできる。
【0096】
また、高周波インバータ16は、1枚の回路基板24を水平に配置したが、複数枚の回路基板を設けることもできる。
【0097】
そして、上記各構成の電球形蛍光ランプ10を白熱電球用などのソケットを備えた器具本体に装着することにより、照明器具が構成される。そして、この構成では、上記の電球形蛍光ランプ10の各効果を備えた照明器具を構成できる。
【0098】
【発明の効果】
請求項1の高周波インバータによれば、相補形FETを使用するとともに、ゲート回路のコンデンサにゲート電圧を発生させる始動回路を備えたので、回路構成の簡素化とコストダウンとを図ることができる。また、始動時にNチャンネル形FETを最初にオンするように動作する始動回路を備えたので、FETが劣化しても異常発振前に発振停止するため、たとえ塵埃により絶縁性能が下がったとしても、共振動作による高圧が発生せず、通常電流ループ以外の場所で電流が流れることが抑制される。
【0099】
請求項2の高周波インバータによれば、始動回路が抵抗およびコンデンサで構成されているので、安価で簡単な構成の始動回路とすることができる。
【0100】
請求項3の放電ランプ点灯装置によれば、請求項1または2の効果を有する放電ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図。
【図2】本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態である電球形蛍光ランプを示す概略正面図。
【符号の説明】
4…直流電源、DL,8…放電ランプ、SN…Nチャンネル形FET、SP…Pチャンネル形FET、ST…始動回路、16…高周波インバータ。
Claims (3)
- 直流電源と;
直流電源間に直列的に接続されるとともにそれぞれのゲートおよびソースが共通に接続されたNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETと;
Nチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETの交互スイッチングによって発生する高周波で作動する負荷回路と;
負荷回路の負荷電流を帰還する帰還手段、帰還電圧に共振する直列共振回路およびこの直列共振回路の共振電圧に基づいて正負のゲート電圧を出力するコンデンサを有し、このコンデンサが出力するゲート電圧によりNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETに対して共通的に作用してNチャンネル形FETおよびPチャンネル形FETを交互にスイッチングさせるゲート回路と;
一端が直流電源の正極に他端がゲート回路にそれぞれ接続された正側の抵抗および一端がゲート回路に他端が直流電源の負極にそれぞれ接続された負側の抵抗を有し、この正側および負側の抵抗がゲート回路を介する直列体を形成し、直流電源から直流電圧が印加されるとこの正側および負側の抵抗を介してゲート回路のコンデンサにゲート電圧を発生させてNチャンネル形FETを最初にオンさせる始動回路と;
を具備していることを特徴とする高周波インバータ。 - 始動回路は、ゲート回路のゲートおよびソース共通接点間に電圧を発生させる抵抗およびコンデンサで構成されていることを特徴とする請求項1記載の高周波インバータ。
- 放電ランプと;
放電ランプを負荷とする請求項1または2記載の高周波インバータと;
を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
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