JP4076977B2 - スペクトル拡散通信装置及びその対向局受信装置 - Google Patents
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Description
このような簡略化の一つの方法として、特許文献1には、互いにその指向範囲の一部が重複し、互いに異なる空域を照射する複数の半固定アンテナを設け、これらを適宜切り換えて通信するものが開示されている。この場合、通信衛星が一方のアンテナの空域のみにある場合には、指向が有効な側のアンテナに接続された受信系の復調信号が出力用端末に送られ、また、端末からの変調出力が、指向が有効な側のアンテナへ送られるようにし、衛星又は移動体の移動に応じて、有効なアンテナが変わると、指向が有効な側のアンテナに切り換えて送信及び受信を行う。
また、送信についても2つの送信系を装備し、前記受信によって知り得た両経路差による位相のずれ量に相当する位相補償を、送信系のチップ位相を調整することにより補正を行い、キャリア位相の違いについては、再同期で補正を実施する方法で、今後の送信に使用する側の送信系に補償を施してから切換を行うことにより、衛星側で受信したときに切換前後で位相がずれないのでビット誤りも生じないというものである。
また、送信では、送信系の切換によって2つのアンテナ間に生じる伝送距離差に起因するチップ位相、キャリア位相の違いを補正してから切替える。
この場合、アンテナ切換時間をごく小さくし、キャリア位相ずれ補正を高速で行わなければビット誤りが発生してしまう。しかし、アンテナの切換の高速化は容易ではない。また、送信系/受信系の位相は移動局の移動(アンテナの位置の変化)により刻々と変化するためその補正が容易でなく、位相差が生じてビット誤り率が期待どおりに改善されないという課題があった。
前記第1及び第2のアンテナのそれぞれに搬送波電力を供給する2つの電力増幅部、
1つのコード信号を分離して生成した被変調信号を前記2つの電力増幅部のそれぞれに供給する1つのスプレッドアロハ変調器、
前記スプレッドアロハ変調器と前記第1のアンテナとの間に挿入され、その遅延時間と前記2つのアンテナから前記相手局への到達時間差との合計が前記拡散コードの1チップ時間より大となる遅延手段を備えたものである。
以下、本発明の実施の形態1のスペクトル拡散通信装置を図面により説明する。以下の各図において同符号は同一または相当部分を示すので、その詳細な説明を図ごとに繰り返すことは省略する。説明の都合上、通信衛星を経由する移動局と固定局との間での通信を想定して説明するが、本発明はこのような場合に限らず、移動局と移動局との間、固定局と固定局との間でも使用できる。移動局100は移動体50に搭載され、スペクトル拡散方式を用いる通信装置であり、異なる領域を指向する複数のアンテナ(図1では、第1アンテナ1、第2アンテナ2)を持っている。両アンテナは図2のように、第1アンテナ1の指向領域101、第2アンテナ2の指向領域102の一部が互いに重複しているように設置されている。移動局100から例えば通信衛星経由で固定局200(以下、相手局という)への送信では、入出力装置としての端末15からの信号をスプレッドアロハ方式の変復調器13(以下、S/A−MODEMという、詳細については後述)に入力してスペクトル拡散信号を得る。S/A−MODEM13からの信号をハイブリッド11(以下Hという)にて分割し、アップコンバータ5と6(以下、U/C)で送信キャリア周波数に変換してから、ハイパワーアンプ3と4(以下、HPA)を経由して、第1アンテナ1と第2アンテナ2に送られ、各アンテナからほぼ同一出力レベルで出力されるよう調整されている。
図4は各アンテナと相手局との経路長の差について説明する図である。ここで、アンテナ1を経由して相手局に内蔵された変復調器への経路長(図4の経路30aと図1の内部回路長を合わせたもの)と、アンテナ2を経由して対向局に内蔵された変復調器への経路長(図4の経路30bと図1の内部回路長を合わせたもの)との差にもとづく送信信号の位相差が、拡散コードの1チップ時間より大きくなるように、両系統のS/A−MODEM13〜アンテナ1又は2の間で、以下に説明するようにあらかじめ必要な伝送距離差をとって設置する。
この1つの信号は図1の第1、第2のアンテナから受信される。送信系の伝送経路差と受信系の伝送経路差は同じであるから、移動局の受信系も位相差が1チップ位相よりおおきくなる。そして低雑音増幅器7、8、ダウンコンバータ9、10、ハイブリッド12を介してS/A−MODEM13に入力される。このとき冗長伝送路90により第2アンテナ2から受信された信号の位相は、第1アンテナ1から受信した信号の位相に比べて拡散コードの1チップ時間より大きな遅れを生じる。
S/A−MODEM13は、特許文献2に開示され、また、後述のように、同一拡散コードのチップ位相の異なる2信号を個別に受信できる変復調器であるから、これら2信号を別個に復調して2つの受信信号として出力することが可能である。
更に、PNコード発生器14(以下Pngenという)により、2つの受信信号を比較し同期をとることにより、片方の信号が送信側の移動局のアンテナ切り替えによって消失したとしても受信データの断等のビット誤りが生じない。
HPAは電力増幅部という。S/A−MODEMは変調器として用いるときスプレッドアロハ変調器と言い、復調器として用いるときにはスプレッドアロハ復調器と言う。冗長伝送路はこの発明に言う遅延手段である。
次に、図1の送信系から送信された信号を他所(特に固定局の受信装置などのように、相手局の方向があまり変わらず、アンテナの切換を要しない場合)で受信する受信回路を簡易化した対向局受信装置について説明する。受信回路は図1に示した回路の受信系と同じ構成としてもよいが、次のようにすることで簡易化される。
図3は簡易化された受信回路を用いた例えば固定局に搭載された対向局通信装置200の構成を説明するブロック図である。同図中の受信系部分(LNA7〜D/C9〜S/A−MODEM13)が本発明で言う対向局受信装置に相当する。図1の移動局100の2つのアンテナ1と2がともに信号を出力している時、図4のように相手局200において、移動局100のS/A−MODEM13からの出力信号が2つの信号として、相手局200のS/A−MODEM13に1チップ以上の位相差をもって入力される。S/A−MODEM13は、特許文献2に開示され、また、後述のように、同一拡散コードのチップ位相の異なる2信号を個別に受信できる変復調器であるから、これら2信号を別個に復調して2つの受信信号として出力することが可能である。スプレッドアロハ方式の復調器を使用することにより、このように受信系を図3のような1系統にすることが可能となる。
スプレッドアロハ方式変復調器13(S/A−MODEM)について説明する。特許文献2にはスプレッドアロハ方式について開示されている。スプレッドアロハ復調器は、同一拡散コードの2つの信号が互いに1チップよりおおきい位相差をもって入力された場合、それを個々に復調することができるものである。
以下、本発明の実施の形態3の衛星通信移動局装置300の構成を、図5により説明する。移動局300はスペクトル拡散方式を用いる移動体通信システムである。実施の形態1の図2で説明したと同様に、移動局300は異なる領域を指向する複数のアンテナを持ち、その指向領域の一部が重複しているように設定する。移動局300から相手局への送信では、S/A−MODEM13(スプレッドアロハ方式変復調器)からの信号をH11(ハイブリッド)にて分割し、U/C5、U/C6(アップコンバータ)、HPA3、HPA4(ハイパワーアンプ)を経由して、第1アンテナ1、第2アンテナ2に送られ、各アンテナからほぼ同一出力レベルで出力されるよう調整されている。
このとき予め、対向局に内蔵された変復調器との間の伝送経路長が、送信信号の位相差が拡散コードの1チップ時間より大きくなるように、2系統のS/A−MODEM13とアンテナとの間に遅延器39(図ではDと示す)を設置する。遅延器39は、片方の経路の信号を遅延させ必要なチップ位相差を設定するものであり、具体的にはチップレートが20MHzの場合、1チップの遅延量は50nsとなるため、衛星からの経路差の揺らぎを考慮してその30%増し、例えば66ns以上の移動局内伝送路遅延を設定すればよい。
相手局側は、実施の形態2の図4と同じであり、2受信信号を比較しPNコード発生器14で同期をとることにより、片方の信号が送信側の移動局のアンテナ切り替えによって消失しても受信データの断等のビット誤りを生じない。
受信側についても同様に、遅延器39と同じ性能の遅延器40をD/C10とH12の間に挿入している。これもLNA8とD/C10の間でも、LNA8と第2アンテナ2との間でもよい。また、第2アンテナ2の側には挿入せずに、第1アンテナ1の側の上記の位置に挿入してもよい。遅延器39、40はこの発明に言う遅延手段である。
以上に説明した各実施の形態の技術は適宜組み合わせて用いることができる。ここでは、送信系には実施の形態1の図1の回路構成の送信系部分を用い、受信系には実施の形態2の図3の回路構成の受信系部分を用いたものを図6に示す。
図6で受信系は第1アンテナ1から受信した信号と、第2アンテナ2から受信して冗長伝送路90で遅延させた信号を混合器23で混合して取り出している。本実施の形態では受信系は回路的にはアンテナの切換をしないが、相手局からの電波(図1の送信系で送信された位相の異なる2つの信号)がいずれか一方のアンテナに入感するために実質的に切替えたことになる。なお、図示しないがHPA3、HPA4の送信電力が受信系に混入しないように方向性結合器を適宜もちいるが、公知の技術なので詳細な説明は省略する。
実施の形態1〜実施の形態4ではアンテナは2つであるとして説明した。ここではアンテナが3つ以上ある場合について説明する。アンテナが3つ以上であっても、切換はその3つのうちで領域が隣り合い、重複した指向領域をもつ2つのアンテナの間で行われる。したがって図1に示した2つの送信系は図7に示すような第1のアンテナ切換回路20、第2のアンテナ切換回路21によって、順次、次に切換を予定されるアンテナへと切替えていく。アンテナ切換回路20、21による切換は、相手局が1つのアンテナの領域内にあり、まだ境界領域に達していないとき、即ち、現に通信を行っていないアンテナについて切替えるのであるから特別に説明を要することはなく、説明を省略する。
図7においてA,B,C,D・・・は複数のアンテナ、a,b,c,d・・・は各アンテナの指向領域を模式的に示したものである。図8は相手局が領域をa,b,c,dの順に移動していくとき切替えていくべきアンテナの切換手順を示すものである。第1のアンテナの切換回路20はA,C,Eの順で、第2のアンテナ21はB,D・・・の順で切替えられる。
5、6 アップコンバータ(U/C) 7、8 低雑音増幅器(LNA)
9、10 ダウンコンバータ(D/C) 11、12 ハイブリッド(H)
13 スプレッドアロハ変復調器(S/A−MODEM)、
14 PNコード発生器(PNgen)
15 端末、
20 第1のアンテナ切換回路、 21 第2のアンテナ切換回路、
30 通信衛星のアンテナ、
30a 通信衛星と移動局の第1アンテナとの経路、
30b 通信衛星と移動局の第2アンテナとの経路、
39、40 遅延器(D)、 50 移動体、 60 経路差、
90 冗長伝送路、 100 移動局、 190 簡易化された受信系、
200 固定局、 300 移動局。
Claims (6)
- 指向領域の一部が互いに重複するとともに、通信相手局への電波の到達時間差があらかじめ定めた所定の時間差以下となるように配置された第1のアンテナと第2のアンテナ、
前記第1及び第2のアンテナのそれぞれに搬送波電力を供給する2つの電力増幅部、
1つのコード信号から拡散コード信号を生成し、前記2つの電力増幅部のそれぞれに供給するスプレッドアロハ変調器、
前記スプレッドアロハ変調器と前記第1のアンテナとの間に挿入され、その遅延時間と前記2つのアンテナから前記通信衛星への到達時間差との合計が前記コード信号の1チップ時間より大となる遅延手段を備えたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。 - 前記遅延手段は、前記第1のアンテナとこのアンテナに前記搬送波電力を供給する前記電力増幅部との間に挿入された冗長伝送路であることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル拡散通信装置。
- 前記遅延手段は、前記第1のアンテナに前記搬送波電力を供給する前記電力増幅部と、前記スプレッドアロハ変調器との間に挿入された遅延回路であることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル拡散通信装置。
- 請求項1に記載のスペクトル拡散通信装置から送信され、その位相差が前記コードの1チップ時間より大なる2つの信号を受信する対向局受信装置であって、
1つのアンテナ、
この1つのアンテナで受信した前記1チップ以上の位相差をもって入力された2つの信号を、個々に2信号として復調可能な1つのスプレッドアロハ復調器、
復調された前記2信号を比較して受信データの同期をとり、もとの1つのコード信号を再生するPNコード発生器を備えたことを特徴とする対向局受信装置。 - 指向領域の一部が互いに重複するとともに、前記通信衛星への電波の到達時間差があらかじめ定めた所定の時間差以下となるように配置された第1のアンテナと第2のアンテナ、
前記第1及び第2のアンテナのそれぞれに搬送波電力を供給する2つの電力増幅部、
1つのコード信号を分離して生成した被変調信号を前記2つの電力増幅部のそれぞれに供給する1つのスプレッドアロハ変調器、
前記スプレッドアロハ変調器と前記第1のアンテナとの間に挿入され、その遅延時間と前記2つのアンテナから前記通信衛星への到達時間差との合計が前記コード信号の1チップ時間より大となる遅延手段、
前記2つのアンテナで受信し、前記遅延手段によって前記1チップ以上の位相差をもって入力された2つの信号を、個々に2信号として復調可能な1つのスプレッドアロハ復調器、
復調された前記2信号を比較して受信データの同期をとり、もとの1つのコード信号を再生するPNコード発生器を備えたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。 - 移動体に搭載され、通信衛星との間で通信をおこなうことを特徴とする請求項1、2、3、5のいずれか一項に記載のスペクトル拡散通信装置。
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