JP4079362B2 - 樹脂成形体の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、溶融した樹脂を金型内に注入して所定の形状を備えた樹脂成形体に成形するための成形方法に関し、特にそのひけや表面のむら(フローマーク)を無くした樹脂成形体を得るための成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から樹脂を成形するに際して所望の樹脂成形体を得るために成形中に金型を冷却水や冷却空気で適当な温度に冷却制御することが一般に行なわれている。
【0003】
具体的には、樹脂成形中の金型冷却速度を制御する場合には、図3に示すように、金型50に適当な冷却回路51を形成し、当該冷却回路51に冷却水や冷却空気(図3では冷却水W)を通して冷却速度を制御していた。この方式の場合、冷却回路51の入口側51a(図中、領域A)と出口側51b(図中、領域B)とで冷却水や冷却空気(図3では冷却水W)の温度差が生じてしまう。これは、冷却回路51を通過中に冷却水や冷却空気が金型50から熱を奪うためである。この温度差により金型内の樹脂(図中Rで図示)を全体的に均一な冷却速度で冷却することができなくなる。即ち、樹脂の冷却速度にも部分的に冷却差が出てしまう。この温度差が冷却回路51の入口側51aと出口側51bで最も大きくなり、これが樹脂成形体の変形や変色等の不具合の発生につながっていた。
【0004】
このような不具合を改善するための手段として、金型全体を槽に入れ、この槽に冷却用の液体を供給する冷却方式が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この方式であれば、液体によって金型外周面を均等に冷却することが可能になる。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−214563号公報(第2−3頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
かかる特許文献1に記載された金型の冷却方法を図4に示す。この方法を実施する金型の冷却装置6は、上下に分割可能な金型60を液槽70内に支柱71を介して若干浮かせた状態で固定し、液槽70の下方に接続された給水管75から冷却水(図中Wで図示)を供給し、液槽上部の排水管76から冷却水を排出する構成を有している。また、金型60のキャビティ61に溶融した樹脂(図中Rで図示)を供給する注湯管72は、液槽70の底部を貫通して金型下部に接続されている。そして、金型60へ供給する樹脂が規定量に達して樹脂の充填が完了した後に給水管75より冷却水を供給し、液漕70を冷却水で満たして金型60の冷却を行っている。この方法であれば水平面内での冷却速度が均一となりこの面内での冷却むらをなくすことができる。
【0007】
かかる冷却装置6を備えた樹脂成形装置は、樹脂が規定量に達すると圧力センサが作動して樹脂を停止するようになっている。そのため、樹脂の供給を停止した後に金型内の樹脂が固化することによる体積収縮が原因となり、成形体にひけが発生してしまうことがある。また、特許文献1に記載された発明において、冷却中もひけ分を補うために、注湯管72を通じてキャビティ61内の溶融樹脂への加圧を継続し続けたとしても、成形体にひけが生じてしまうという不具合を十分に解消できない。なぜならば、給水管75がゲート側に設定されており、給水管75から供給される最も温度の低い冷却水は金型60のゲート63側に主に到達するので、ゲート側の樹脂が最初に冷却され固化してしまうからである。
【0008】
このようにゲート63に位置する樹脂が最初に固化してゲート63が詰まると、その時点から溶融樹脂の圧力がキャビティ61の内部へ伝わらなくなって、キャビティ61に樹脂を供給できなくなり、成形体にひけが発生することがある。そのため、かかる冷却装置6を備えた成形装置では金型60のゲート63に対応する部分のみならず樹脂成形体全体に亘って成形後にひけが生じてしまうことがあり、一定の品質水準を備えた樹脂成形体を安定的に得ることはできない。
【0009】
本発明の目的は、一定の高品質を備えた樹脂成形体を得ることのできる樹脂成形体の成形方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる樹脂成形体の成形方法は、
金型を少なくとも樹脂の融点よりも高く予備加熱する第1の工程と、
槽内に入れられた前記金型内に樹脂を充填する第2の工程と、
前記金型内に樹脂が十分充填された後、前記金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら、少なくとも前記金型周囲を冷却する冷却水の水位を前記金型のベント側からゲート側に向かって移動するように前記槽内に冷却水を徐々に供給する第3の工程とを有することを特徴としている。
【0011】
金型の冷却過程において、槽内に入れられた金型内に樹脂が十分充填された後、金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら金型のゲート側が最後に冷却水で冷却されるようにするため、少なくとも金型周囲を冷却する冷却水の水位を金型のベント側からゲート側に向かって移動するように槽内に冷却水を徐々に供給するようにしたので、金型のゲート側が金型の他の部分よりも先に冷却されることが無い。そのため、金型のゲート側が先に固化して金型内に十分な樹脂注入がなされなくなることがない。また、槽内に入れられた金型内に樹脂が十分充填された後、金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら金型のゲート側が最後に冷却水で冷却されるようにしたので、保圧が作用せずかつその際に樹脂の充填が行なわれていないことによる成形体のひけが生じたりすることが無い。これによって表面にひけやむらの無い品質の一定した樹脂成形体を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法について図面に基づいて説明する。本発明の第1の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法は、図1に示すように、底面近傍から冷却水を供給可能な例えばステンレスでできた槽1と、槽1内に入れられ上型11と下型12が結合してなる金型10とを利用して実施される。なお、金型10自体には上述した後者の従来例と同様に冷却回路を設けず、冷却水の水位が上昇するに従ってその水位の全周に亘って金型10が均一に冷却されるように槽1の略中央部分に金型10を配置する。
【0013】
続いて、本実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法をその工程順に説明する。
【0014】
まず、金型10を予熱(予備加熱)する。この予熱は熱可塑性樹脂(図中Rで図示)の流動性を確保するために行うもので、一般には金型10を、使用する樹脂の融点より高温に加熱する。なお、実際には充填する樹脂の温度と同じ温度まで加熱するのが好ましい。このように金型を予熱することで、樹脂が固化する温度に到達するまでの時間が長くなり、金型内での樹脂の流動性が低下せず、これに加えて冷却速度の制御も行い易くすることができる。
【0015】
続いて、樹脂に圧力を加えて金型10に樹脂を充填する。金型10は上型11と下型12とからなり、型の当接面(図中X参照)の面粗さを適当に調節することによって、樹脂の充填過程においてこの当接面から樹脂が流出することなくキャビティ内の空気のみが排気されるようになっている。なお、当該当接面Xは金型10のベント(排気部)を形成している。
【0016】
金型内への樹脂の加圧供給は冷却水による冷却が完了するまで行い続ける。これは成形後にひけが生じるのを回避するためである。このように金型内を保圧し続けながら給水管16より槽1内に冷却水を徐々に供給して金型10の冷却を開始する。このとき、槽内冷却水の水位付近の樹脂は、冷却が進み固化して体積が収縮する。しかし、その上方部分に充填された樹脂は、金型外周においてその付近の高さまで冷却水が達していないので、未固化のままである。この未固化の樹脂が充填のためにかける圧力により樹脂の不足領域に移動し、冷却により固化して減少した体積分を満遍なく補うことができる。
【0017】
そして、冷却水の水位をベント側からゲート13に向かって少しずつ上昇(移動)させると、これに伴って金型内の樹脂も下方から上方に徐々に固化していく。しかしながら、冷却水による冷却の影響を未だ受けていないゲート13より樹脂が適宜補填されて固化による体積減少に起因するひけを生じることの無い成形体ができあがる。
【0018】
なお、本実施形態においては、冷却水が槽内で対流することで温度分布がベント側(槽下方)で低温になると共にゲート側(槽上方)で高温となり、ゲート側が固化しにくい状態を積極的に作ることができ、上述のような樹脂の好適な冷却を助ける。
【0019】
続いて、本発明の第2の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法は原理的には上述の第1の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法と同一であるが、金型の構成や金型内の冷却水による冷却領域が第1の実施形態と異なっている。
【0020】
本発明の第2の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法は、図2に示すような槽2内に特別な形状の金型20を配置した状態で実施される。なお、かかる金型20は流体を流す金属管の接液面を覆ういわゆるライニングを形成するための金型であり、この金型に樹脂としてポリプロピレン(PP)を充填して両端周囲全周にフランジ状突起部を備えた円筒状のライニングを形成するための金型である。
【0021】
本実施形態に利用される槽2は第1の実施形態の場合と同様にステンレス等の金属でできた有底円筒体からなる。なお、槽2の底部中央には槽下方から冷却水排出用パイプ3が貫通しており、槽2の内壁近傍には冷却水の給水用パイプ4が備わっている。また、冷却水排出用パイプ3には、槽2の底部下方に開閉バルブ3aが備わって冷却工程終了後に冷却水(図中Wで図示)を全て排水できるようになっている。
【0022】
金型20は、薄い円環状のベースプレート21、ベースプレート21に載置された厚い円環状のフランジプレート22、フランジプレート22とライニングのフランジ部形成用空間を確保した状態で当該フランジプレート22に載置され、金型として代用される管体ボディMと、管体ボディMの周面に嵌合され、冷却水の水位上昇に伴う冷却速度の一定化を図る熱マスとしての役目を果たすスペーサ23を有している。金型20は更に、これらの金型の上部に載置され、略円錐形の頭部を備えた中子25と、中子25の上部に取付けられ中子25と協働してゲート31を構成する上型26と、上型26の上部に取付けられたスプールブッシュ27と、スプールブッシュ27に結合し皿型形状を備えて中央部に樹脂の流出孔が形成されたノズル28と、ノズル28の周囲に配置され樹脂を貯める円筒形の容器29と、容器29の上部に取付けられたシリンダヘッド30を備えている。
【0023】
そして、金型20のゲート31は上述の通り中子25と上型26とで挟まれた部分に形成され、金型20のベント32はフランジプレート22と管体ボディMとで挟まれた部分に形成されている。
【0024】
即ち、フランジプレート22と管体ボディMとの当接面(ベント32)は樹脂がこの当接面から漏出することはないが、成形時に伴う加圧に応じて金型内部の空気のみが各当接面から金型外部に排気されるようになっている。
【0025】
そして、図示しない油圧アクチュエータを用いて注入パイプを介してシリンダヘッド30、容器29、及びノズル28で画成された空間に溶融した樹脂を充填する。続いて、図示しない油圧シリンダでシリンダヘッド30を一定圧力で押すことで金型上部に溜まった樹脂が所定圧力で金型内の図中樹脂ハッチング(太線と細線との連続ハッチング)した空間に注入されるようになっている。
【0026】
一方、冷却水は冷却水排出用パイプ3に備わった開閉バルブ3aを開くことで当該パイプ3から冷却後の冷却水を排水できるようになっている。なお、ベースプレート21の底面には金型外部に供給された冷却水を金型内部に効率良く導くためのスリット21aが適当な本数だけ形成されている。そのため、金型外側に溜まった冷却水は金型20のスリット21aを伝わって金型20の内側にも溜まる。従って、開閉バルブ4aを開放しておくことで給水用パイプ4から槽底部に冷却水が供給され、槽内の水位が全体的に徐々に上昇していくようになっている。
【0027】
なお、排水パイプ3の上端はライニングの上端面よりも上方に位置しており、接液面全体に後述するようにひけやむら(フローマーク)の無いライニングに成形する役目を果たしている。
【0028】
以下、本実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法について各工程順に説明する。なお、本実施形態にかかる成形方法においては樹脂にポリプロピレン(以下、「PP」とする)を用いている。
【0029】
まず、金型全体を予熱する。この予熱は樹脂であるPPの金型内での流動性を確保するために行うもので、金型全体を、使用するPPの融点(約160°C)より高温である220°Cまで図示しない加熱槽内で加熱する。なお、かかる温度まで加熱する理由は本実施形態において金型に接触した樹脂の温度が下がり、それによって樹脂の流動性が低下するのを回避するためである。
【0030】
続いて、予熱した金型20を図示しない搬送装置で樹脂成形ステーションに搬送する。なお、当該搬送ステーションには予め金型冷却に用いる槽2を設置しておき、当該槽2の底部に前述の金型20を配置する。なお、この作業においては、槽2の底部から槽内に突出した冷却水排出用パイプ3が図2に示すように金型20の内部に挿入されるように金型20を位置決めしながら配置する。
【0031】
続いて、金型20に樹脂を充填する。なお、金型内への樹脂の供給は後述する樹脂の冷却が完了するまで行い続ける。具体的には金型内に樹脂が十分充填された後、冷却工程中において金型内を保圧し続けることからなる。これは第1の実施形態の場合と同様に冷却中、金型内の樹脂不足分を補填することで樹脂にひけが生じるのを回避するためである。なお、金型全体に樹脂を充填し終わるまでには、内径5cm、厚み0.4cmライニングを形成する場合、一例として約3分の時間を要する。
【0032】
金型全体に樹脂を充填した後、金型2のゲート31から金型内に保圧をかけたまま冷却水供給用パイプ4の開閉バルブ4aを開放し、冷却水供給用パイプ4のパイプ先端より金型外部に冷却水を徐々に供給して金型2の冷却を開始する。
【0033】
金型外側に溜まった冷却水は、ベースプレート21に設けたスリット21aを介して金型内側の空洞部分に流入し、金型の内側と外側において冷却水が溜まっていく。そして、金型内側の空洞部分に溜まった冷却水の水位と金型外側に溜まった冷却水の水位とが一致するようになり、金型内において冷却水の水位よりも低い部分に充填された樹脂が急速に冷却されて固化し始める。
【0034】
なお、このように金型外部のみを冷却せずに金型内部も同時に冷却することで成形体であるライニングの内側部分も所望の冷却速度で冷却可能となる。その結果、ライニングの内側部分に成形不良が現れるのを防止することができる。なお、ライニングの内側部分は管体の接液部分に相当する重要な部位なので、このように冷却することでかかるライニング内側部分の成形不良を無くすことは技術的に十分な意義があると言える。
【0035】
上述の通り、槽内冷却水の水位付近の樹脂は、冷却が進み固化して体積が収縮する。しかし、その上部に位置する充填された樹脂は、その付近の高さまで冷却水が達していないので、未固化のままである。この未固化の樹脂が充填のために金型にかける保圧により下方に移動し、冷却により固化して減少した体積分を満遍なく補うことができる。
【0036】
そして、冷却水の水位をベント32の方向からゲート31の方向に少しずつ上昇させていけば、金型内の樹脂も下方から上方に徐々に固化していく。しかしながら、冷却水による冷却の影響を未だ受けていないゲート31から樹脂が間断無く供給されるので、固化による体積減少分はかかる樹脂で補填されて固化による体積減少に起因するひけの無い成形体を得ることができる。
【0037】
続いて、冷却水の水位を上げていくと、水位が排出用パイプ3より高くなり、金型内側の冷却水と中子25とで囲まれた領域の空気は排出用パイプ3を介して金型内から全て排気される。そして、サイホン現象により漕内の冷却水が続けて排出され始める。従って、サイホン現象で水が排出され始めた時点で排出用パイプ3の開閉バルブ3aを閉める。これによって冷却水の排出を一時的に止めて槽内の冷却水が排水しないようにする。
【0038】
金型内側における冷却水の水位は冷却水排出用パイプ3の高さより高くなるので、冷却水排出用パイプ3の長さを長くして金型内で成形されるライニングの接液部分より水位が上昇するように中子25と給水パイプ上端部との位置関係を特別に規定している。
【0039】
即ち、槽内に供給される冷却水の水位は冷却水排出用パイプ3の上端部を超えて上昇する。この水位は成形体であるライニングの図中上端面Pよりも上方となるので、ライニングの上端面Pも確実に冷却することができる。これによってライニングの接液部分全体に亘ってむら(フローマーク)の生じない成形体を得ることができる。
【0040】
また、上述の実施形態と同様に冷却水が槽内で対流することで温度分布が、ベント側(槽下方)で低温になると共にゲート側(槽上方)で高温となり、ゲート側が固化しにくい状態を積極的に作ることができる。従って、上述のような樹脂の好適な冷却を助ける。
【0041】
続いて、一定の冷却時間を経過した後、排出用パイプ3を開き漕内の冷却水を全て排出し、冷却工程を終了する。
【0042】
その後、金型20を槽内から図示しない搬送装置で取り出し、金型20を分割して成形体を取り出す。そして、所定の位置で成形体を切断して管体用のライニングを得る。
【0043】
このようにして得られた管体のライニングは樹脂のひけやむらを有さず、特に接液部である内周面において高品質を保っている。そのため、かかるライニングを備えた管体はライニングの部分に穴があくようなことが無く、従って、管体外部に被測定流体が漏出するようなことも無い。
【0044】
また、本実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法を用いれば、多数の打ち抜き孔が形成された板金からなる補強板のような金属製の補強材をライニングに用いることなく、補強フィラーのみを含有したPPのみで接液面にひけやむらの生じない廉価で耐久性に優れたライニングを形成することができる。そのため、管体全体のコスト低減に貢献することができる。
【0045】
なお、上述の実施形態において成形材料に使用する樹脂としてはPPだけでなくPFA(四ふっ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)にも適用可能であることが確認済みである。
【0046】
また、例えば内径5cmのライニングの成形工程において、従来のように空冷による金型冷却に際しては約30分の冷却時間を要したが、上述の方法を用いた場合、金型冷却が約15分と短縮され、ライニング製造工程のタクトタイム低減に大いに貢献することが分かった。
【0047】
また、ひけやむらの無いライニングを安定して形成することができたので、従来のライニング成形方法に較べて製品の歩留りが格段に向上した。
【0048】
なお、上述の実施形態においては、ゲートが上部にある金型の周囲を冷却水の水位がベント側からゲート側に徐々に上昇する構成に基づいて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。即ち、金型自体を水平方向に寝かした状態で配置し、金型のゲートを水平方向一方(例えば右方向)に設けて、冷却水を金型の水平方向他方(例えば左方向)からゲートに向かって水平方向に水位が移動するような構造が可能であれば、このような構造を備えた装置を用いて樹脂成形体を成形する方法も本発明の範囲内であると言える。
【0049】
また、冷却に用いる媒体は水に限らずオイル等の他の液体であっても構わない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる樹脂成形体の成形方法は、金型の冷却過程において、槽内に入れられた金型内に樹脂が十分充填された後、金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら金型のゲート側が最後に冷却水で冷却されるようにするため、少なくとも金型周囲を冷却する冷却水の水位を金型のベント側からゲート側に向かって移動するように槽内に冷却水を徐々に供給するようにしたので、金型のゲート側が金型の他の部分よりも先に冷却されることが無い。そのため、金型のゲート側が先に固化して金型内に十分な樹脂注入がなされなくなることがない。また、槽内に入れられた金型内に樹脂が十分充填された後、金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら金型のゲート側が最後に冷却水で冷却されるようにしたので、保圧が作用しなくなるとともにその際に樹脂の充填が行なわれていないことによって成形体にひけが生じたりすることが無い。これによって表面にひけやむらの無い品質の一定した樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法に使用する金型及び金型の冷却装置を示した概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる樹脂成形体の成形方法に使用する金型及び金型の冷却装置を示した概略断面図である。
【図3】従来の金型の冷却方法を示した概略断面図である。
【図4】図3とは別の従来の金型の冷却方法を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1,2 槽
3 排出用パイプ
3a 開閉バルブ
4 給水用パイプ
6 冷却装置
10 金型
15 槽
16 給水管
20 金型
21 第1金型
21a スリット
22 フランジプレート
23 スペーサ
25 中子
26 上型
27 スプールブッシュ
28 ノズル
29 容器
30 シリンダヘッド
31 ゲート
32 ベント
50 金型
51 冷却回路
51a 入口側
51b 出口側
60 金型
61 キャビティ
63 ゲート
70 液槽
71 支柱
72 注湯管
75 給水管
76 排水管
M 管体ボディ
R 樹脂
W 冷却水
Claims (1)
- 金型を少なくとも樹脂の融点よりも高く予備加熱する第1の工程と、
槽内に入れられた前記金型内に樹脂を充填する第2の工程と、
前記金型内に樹脂が十分充填された後、前記金型内を保圧し樹脂を充填し続けながら、少なくとも前記金型周囲を冷却する冷却水の水位を前記金型のベント側からゲート側に向かって移動するように前記槽内に冷却水を徐々に供給する第3の工程とを有することを特徴とする樹脂成形体の成形方法。
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