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JP4079446B2 - 舗装用改質アスファルト組成物 - Google Patents
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JP4079446B2 - 舗装用改質アスファルト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、舗装用改質アスファルト組成物の製造方法に関し、詳しくは、改質材のベースアスファルト中への分散状態が良好で、改質材による改質効果が大きく、加熱貯蔵安定性に優れており、道路に施工後の舗装体の轍掘れが起きにくく、しかもひび割れの発生が少ない、耐久性に優れた舗装用改質アスファルト組成物の製造方法に関するものである。
道路舗装用のアスファルト材料としては、ストレートアスファルト及び改質アスファルトが主として用いられている。このうち、ストレートアスファルトの性能を改善した改質アスファルトには、ストレートアスファルトを原料油とし、高温下で空気を吹き込む操作、すなわちブローイング操作を行うことにより、感温性を改善し、かつ60℃における粘度を800から1200Pa・sに高めたセミブローンアスファルトと、ストレートアスファルトにゴム、熱可塑性エラストマーを単独、または両者を併用添加したゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトがある。
前者のセミブローンアスファルトは、60℃における粘度がストレートアスファルト40〜60、ストレートアスファルト60〜80、ストレートアスファルト80〜100に比べて3〜10倍高く、夏季の高温下でも軟化しにくいため、重交通道路の轍掘れ対策用に用いられている。一方、後者のゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは、60℃粘度及びタフネス、テナシティ等が大きく増大するため、重交通道路の滑り止め、耐磨耗用、耐轍掘れ用、さらには排水性舗装用の高粘度バインダーとして使用されている。
ゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは上記のように、ゴム、及び熱可塑性エラストマー等の改質材の添加により、60℃粘度、及びタフネス、テナシティ等が増大するという改質効果がある。しかし、従来のゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは、ベースアスファルトと改質材の相溶性が十分でなく、改質効果及び加熱貯蔵安定性が十分でないという問題があった。
本発明は、上記従来技術状況に鑑みてなされたものであり、具体的には、改質材のベースアスファルト中への分散状態が良好で、60℃粘度、及びタフネス、テナシティ等が大きく増大するという改質材による改質効果が大きく、加熱貯蔵安定性に優れており、それ故に道路に施工後の舗装体の轍掘れが起きにくく、しかもひび割れの発生が少ない、耐久性に優れた舗装用改質アスファルト組成物の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、改質材による改質効果の要因について鋭意検討を重ねた結果、アスファルトの平均分子量が小さく、高分子量成分の量が少なく、特定の平均分子量を有するアスファルテン分を特定量含有するアスファルト類が、ゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂等の改質材との相溶性が良好になり、改質効果が大きいことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、数平均分子量(MN)200〜750、重量平均分子量(MW)500〜2000、及び重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)1.0〜2.7であり、ベースアスファルトに含まれるアスファルテン分の含有量が1〜20質量%であり、かつ該アスファルテン分の数平均分子量(MN)が200〜1400であり、重量平均分子量(MW)が500〜6300であるベースアスファルトに、改質材としてゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂のうち少なくとも1種、ゴム、熱可塑性エラストマー、又は樹脂の含有量がそれぞれアスファルト類と前記各改質材の合計量の2〜40質量%になるように配合することを特徴とする舗装用改質アスファルト組成物の製造方法を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、ベースとなるアスファルト類と改質材との相溶性が良く、アスファルト舗装の耐轍掘れ性と相関が高いとされる60℃粘度、及びアスファルトバインダーと骨材の接着性とバインダー同志の結合力の指標となるタフネス、テナシティに優れた性能を示し、加熱貯蔵安定性に優れている。従って、本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、実用上極めて有用である。
本発明で使用するアスファルト類は、例えば各種原油を常圧蒸留装置及び減圧蒸留装置にかけ、軽質分を除去して得られる瀝青物質であるストレートアスファルト、原油を減圧蒸留した際の減圧蒸留留出油、溶剤脱れきアスファルト、もしくはストレートアスファルトを常圧下で230〜270℃の温度で空気を吹き込み、構成している炭化水素に脱水素重合、縮合反応を起こさせてコンシステンシーの高い状態にしたセミブローンアスファルトやブローンアスファルト等が使用可能である。本発明で使用するベースとなるアスファルト類の平均分子量は、数平均分子量(MN)が200〜750、重量平均分子量(MW)が500〜2000であり、好ましくは数平均分子量(MN)が200〜650、重量平均分子量(MW)が500〜1800である。ベースとなるアスファルト類の数平均分子量(MN)が750を超え、重量平均分子量(MW)が2000を超える場合、改質材を添加すると、改質材がアスファルト中に島状に点在し、改質材の分散状態が悪くなる。一方、ベースとなるアスファルト類の分子量が小さいほど、改質材の分散性は良好になるが、数平均分子量(MN)が200より小さく、重量平均分子量(MW)が500より小さい場合、アスファルトの強度が損なわれる。
また、ベースとなるアスファルト類の、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)1.0〜2.7である。MW/MNは分子量分布の尺度となる値であり、その値が大きいほど、分子量分布が広いと言える。故に、MW/MNが大きいものは、平均分子量は小さくても、高分子量成分が多く存在する可能性がある。そして高分子量成分が多く存在すると、改質材の分散状態が悪くなる。この理由で、平均分子量(MN、MW)が上記範囲に入っていても、MW/MNが2.7を超えるアスファルト類を使用した場合は、改質材の分散状態が悪くなる。ここでの数平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)はゲル浸透クロマトグラフィ(GPS)により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。GPCの測定は、TOSOH HLC−8120の装置により、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、TSKgel SuperHM−Nカラムを用いて行った。
本発明で使用するアスファルト類の組成は、アスファルテン分、レジン分、芳香族分の合計量が30〜100質量%であることが好ましく、さらに好ましくは50〜90質量%である。アスファルト類の組成成分の内、芳香族分、レジン分、アスファルテン分といった芳香族性の物質の合計量が30質量%より少ない場合、ベースとなるアスファルト類の粘度、接着性等が低くなり過ぎるため、改質アスファルトの最終性状が低くなるおそれがあり、好ましくない。また、上記の組成の内、アスファルテン分はアスファルト類の全体量に対して20質量%以下である。アスファルテン割合が20質量%を超える場合、ベースとなるアスファルト類が硬くなり過ぎ、低温ひび割れ、施工性の点で好ましくない。またアスファルテン分が多過ぎると、改質材との相溶性の面でも好ましくない。なお、ここでの組成とは、石油学会法(JPI−5S−22)による組成分析試験結果を意味する。
また、本発明で使用するベースとなるアスファルト類に含まれるアスファルテン分は、数平均分子量(MN)が200〜1400、重量平均分子量(MW)500〜6300であ、特にMNが300〜1300、MWが600〜5800であることが好ましい。ベースとなるアスファルト類のアスファルテン分が、20質量%以下であっても、アスファルテン分のような高分子量成分の数平均分子量(MN)が1400を超え、重量平均分子量(MW)が6300を超えるものは、アスファルト類全体のMN、MW、MW/MNが本発明の条件をはずれ、改質材との相溶性が悪くなるので好ましくない。また、仮にMN、MW、MW/MNが本発明の条件を満足していても、アスファルテン分のような高分子量成分のMNが1400を超え、MWが6300を超えるようなアスファルト類は、改質材との相溶性が悪くなるので好ましくない。ここでの数平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)は、上記と同様のGPC法で測定したものである。
また、本発明においては、上記アスファルト類の数平均分子量(MN)が800〜1300で、好ましくは800〜1150であり、重量平均分子量(MW)が2100〜3500で、好ましくは2100〜3000で、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)1.0〜2.7の高分子量アスファルト類に、数平均分子量(MN)が100〜700、重量平均分子量(MW)が100〜1500の可塑剤を配合することにより、調製することも可能である。本発明に使用する可塑剤としては、常圧残渣油、減圧残渣油、減圧蒸留留出油、溶剤脱瀝油、ベースオイル、芳香族油等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。可塑剤の数平均分子量(MN)が700を超え、重量平均分子量(MW)が1500を超える場合、可塑剤による分子量減少効果が小さく好ましくない。一方、可塑剤の数平均分子量(MN)及び重量平均分子量(MW)が100を下回る場合、アスファルト類が柔らかくなり過ぎ、強度が損なわれるおそれがある。
配合する可塑剤の量は、高分子量アスファルト類と可塑剤の合計量に対して、5〜60質量%であり、好ましくは6〜50質量%である。
配合する可塑剤の量が5質量%を下回る場合、分子量減少効果が小さくなり、また60質量%を超える場合、アスファルト類が柔らかくなり過ぎ、強度が損なわれる傾向がある。
また、可塑剤の混合温度や混合時間は、特に制限されるものではないが、通常80〜150℃、5〜30分間である。
ここで、数平均分子量(MN)が1300を超え、重量平均分子量(MW)が3500を超える高分子量アスファルト類については、可塑剤を配合しても分子量を小さくする効果が小さいため好ましくない。また、MW/MNが2.9より大きいものは、可塑剤配合により、MW/MNを2.9以下にすることは困難であるので、好ましくない。
可塑剤の配合が必要な高分子量アスファルト類の組成は、アスファルテン分、レジン分、芳香族分の合計量が30〜100質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、50〜90質量%である。高分子量アスファルト類の組成成分の内、芳香族分、レジン分、アスファルテン分といった芳香族性の物質の合計量が30質量%より少ない場合、ベースとなるアスファルト類の粘度、接着性等が低くなり過ぎるため、改質アスファルトの最終性状が低くなるおそれがあり、好ましくない。
また、上記の組成の内、アスファルテン分は高分子量アスファルト類の全体量に対して20質量%以下であるアスファルテン割合が20質量%を超える場合、ベースとなるアスファルト類が硬くなり過ぎ、低温ひび割れ、施工性の点で好ましくない。またアスファルテン分のような高分子量成分が多過ぎると、改質材との相溶性の面でも好ましくない。また、本発明で使用する高分子量アスファルト類に含まれるアスファルテン分は、数平均分子量(MN)が200〜1500、重量平均分子量(MW)が500〜6500であ、特に数平均分子量(MN)が300〜1400、重量平均分子量(MW)が600〜6300であることが好ましい。
高分子量アスファルト類のアスファルテン分が、20質量%以下であっても、アスファルテン分のような高分子量成分の数平均分子量(MN)が1500を超え、重量平均分子量(MW)が6500を超えるものは、可塑剤を配合しても分子量を小さくする効果が小さいため好ましくない。また、仮に可塑剤配合により、高分子量アスファルト類のMN、MW、MW/MNの値が本発明の条件を満足するようになったとしても、アスファルテン分のような高分子量成分のMNが1500を超え、MWが6500を超えるようなものは、改質材との相溶性が悪くなるので好ましくないなお、ここでの組成は石油学会法(JPI−5S−22)による組成分析試験結果であり、平均分子量(MN、MW)はGPC法で測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
本発明の舗装用改質アスファルト組成物の製造方法に用いられる改質材としては、ゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂が挙げられる。これらは、1種単独、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの改質材の主な改質効果として、ゴムは伸度、熱可塑性エラストマーは60℃粘度、タフネス、テナシティ、樹脂はタフネス、テナシティの各性状の改善効果がある。
ゴムとしては、例えばクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられ、特に好ましくはスチレン−ブタジエンゴムである。
スチレン−ブタジエンゴムとしては、スチレンを任意の割合で含有する種々のスチレン−ブタジエンゴムが使用できるが、結合スチレン含有量が20〜30質量%のものが好ましく、特にラテックス状であり、固形分が45〜75質量%、固形分密度が0.92〜0.97g/cmのものが好ましい。固形分が少な過ぎると、所要量を配合するための配合時間が長くなり、作業性が悪くなる。逆に、固形分が多過ぎるとラテックスの粘度が高くなり、均一な混合が難しくなる。また、結合スチレン含有量が少ないと、60℃粘度等の上昇効果が低減する傾向があり、結合スチレン含有量が多過ぎると伸度に対する改善効果が低下する傾向がある。
ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられ、好ましくはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体が挙げられる。これらのスチレン共重合体のスチレン量は、20〜50質量%が好ましく、特に30〜45質量%が好ましい。スチレン量が少な過ぎると、タフネス、テナシティ、60℃粘度の改善効果が低下し、また、スチレン含有が多過ぎると、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向がある。
さらに、この熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、50,000〜500,000の範囲が好ましく、特に100,000〜300,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配合が必要となる。逆に、重量平均分子量が大き過ぎると、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向がある。
熱可塑性エラストマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる樹脂は、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂等の熱可塑性をもつ石油樹脂類が好ましい。また、石油樹脂類の軟化点は、70〜150℃で、好ましくは80℃〜145℃である。軟化点が低過ぎると、改質効果が小さく、また逆に軟化点が高過ぎるとアスファルトが硬くなり過ぎ、施工性等の面で問題が生じるおそれがある。
さらに、石油樹脂類の数平均分子量(MN)は200〜1500、重量平均分子量(MW)は300〜3000の範囲が好ましく、特にMNが300〜1300、MWが400〜2,800の範囲が好ましい。MN及びMWが小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配合が必要となり、逆にMN及びMWが大き過ぎると、相溶性が低下するおそれがある。
樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
各種改質材の数平均分子量及び重量平均分子量はGPC法で測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
改質材の含有量は、アスファルト類と各改質材の合計量に対して、それぞれ2〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。具体的には、改質材としてゴムが配合されている場合、ゴムの含有量は、アスファルト類とゴムの合計量に対して、2〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。また、改質材として熱可塑性エラストマーが配合されている場合、熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファルト類と熱可塑性エラストマーの合計量に対して、2〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。さらに、改質材として樹脂が配合されている場合、樹脂の含有量は、アスファルト類と樹脂の合計量に対して、2〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。これらの含有量が2質量%を下回るほど少ない場合、改質効果が小さくなり、また40質量%を超えるほど多くなると、高温時の動粘度が高くなるため、骨材との混合性が悪くなる傾向がある。
本発明の舗装用改質アスファルト組成物の製造方法においては、上記各成分を所定割合で配合する各成分の配合順序は、特に制限されないが、ベース基材を混合した後、樹脂、熱可塑性エラストマー、あるいはゴム等の順序で改質材を配合することが好ましい。
ベース基材へのゴム、熱可塑性エラストマー等の混合は、プロペラ式攪拌機、ホモミキサー等の各種攪拌機が使用できるが、高せん断力をかけるホモミキサーが好ましい。ただし、石油樹脂の場合は、熱をかけるだけで溶解混合するので、必ずしも高せん断力をかける必要はない。
各成分の混合温度は、特に制限されるものではないが、通常150〜200℃で行うことができる。また、混合時間も特に制限されるものではないが、通常改質材1成分につき5分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
本発明の舗装用改質アスファルト組成物の製造方法においては、必要により、通常舗装用改質アスファルトに添加される他の添加剤、例えば剥離防止剤、分散剤、安定剤などを添加してもよい。
また、本発明で得られた舗装用改質アスファルト組成物の施工方法は、舗装用改質アスファルト組成物を所定の温度で骨材、フィラー等と混合し、舗装場所に敷設し、転圧することにより行うことができる。骨材、フィラー等との混合温度は、通常の混合温度でよく、例えば165〜185℃でよい。また、転圧時の温度は通常の転圧温度でよく、例えば150〜175℃でよい。
次に、本発明を実施例、及び比較例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例、比較例における軟化点、針入度、伸度はJIS K2207に、60℃粘度、及びタフネス、テナシティは舗装試験法便覧((社)日本道路協会、昭和63年版)に準拠して行った。
改質材の分散状態は、光学顕微鏡を用いて200倍で観察し、改質材がアスファルト中に均一に分散しているものを分散状態○、改質材が島状の塊となって点在しているものを分散状態×とした。
改質アスファルトの加熱貯蔵安定性は、約200gの改質アスファルトを、350mlのアルミ缶に入れ、160℃×7日間で加熱し、表面一面に改質材の膜が張っているものを安定性×、膜張りが全くないか、もしくは少ないものを安定性○とした。
また、組成分析は石油学会法(JPI−5S−22)に準拠して行い、平均分子量(MN、MW)はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定し、ポリスチレン換算で求めた。GPC測定は、TOSOH HLC−8120の装置により、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、TSKgel SuperHM−Nカラムを用いて行った。
実施例1
芳香族分47質量%、レジン分28質量%、アスファルテン分11質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)610、重量平均分子量(MW)1600、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.6であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1100、重量平均分子量(MW)が5000のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
実施例2
芳香族分43質量%、レジン分25質量%、アスファルテン分11質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)600、重量平均分子量(MW)1500、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.5であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1200、重量平均分子量(MW)が5500のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
実施例3
芳香族分48質量%、レジン分27質量%、アスファルテン分4質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)610、重量平均分子量(MW)1600、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.6であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1050、重量平均分子量(MW)が4600のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
実施例4
芳香族分50質量%、レジン分21質量%、アスファルテン分1質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)500、重量平均分子量(MW)1100、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.2であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1050、重量平均分子量(MW)が5100のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
実施例5
芳香族分43質量%、レジン分25質量%、アスファルテン分11質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)600、重量平均分子量(MW)1500、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.5であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1200、重量平均分子量(MW)が5500のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエンゴム(SBR、ラテックス状、固形分:50質量%、固形分密度:0.96g/cm、結合スチレン量:23.5質量%)を、ストレートアスファルとSBRの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で合し、改質アスファルト組成物を得た。表3に得られた組成物の性状を示す。
実施例6
芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分12質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)800、重量平均分子量(MW)2100、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.6であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1300、重量平均分子量(MW)が6200のストレートアスファルトに、可塑剤として、数平均分子量(MN)230、重量平均分子量(MW)330の、原油を減圧蒸留した留出油からフルフラールで抽出した芳香族油を、ストレートアスファルトと芳香族油の合計量の10質量%、120℃×10分において配合し、数平均分子量(MN)650、重量平均分子量(MW)1800、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.8のアスファルト類を得た。このアスファルト類に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、アスファルト類とSBSの合計量の7質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表4に得られた組成物の性状を示す。
比較例1
芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分15質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)800、重量平均分子量(MW)2500、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=3.1であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1450、重量平均分子量(MW)が6500のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
比較例2
芳香族分45質量%、レジン分23質量%、アスファルテン分13質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)670、重量平均分子量(MW)2150、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=3.2であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1500、重量平均分子量(MW)が6800のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
比較例3
芳香族分53質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分7質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)580、重量平均分子量(MW)1850、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=3.2であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1500、重量平均分子量(MW)が7000のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
比較例4
芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分15質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)800、重量平均分子量(MW)2500、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=3.1であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1450、重量平均分子量(MW)が6500のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
比較例5
芳香族分49質量%、レジン分21質量%、アスファルテン分1質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)850、重量平均分子量(MW)2400、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.8であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1000、重量平均分子量(MW)が5000のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、その混合物にスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の11質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
比較例6
芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分15質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)800、重量平均分子量(MW)2500、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=3.1であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1450、重量平均分子量(MW)が6500のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエンゴム(SBR、ラテックス状、固形分:50質量%、固形分密度:0.96g/cm、結合スチレン量:23.5質量%)を、ストレートアスファルトとSBRの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表3に得られた組成物の性状を示す。
比較例7
芳香族分45質量%、レジン分24質量%、アスファルテン分12質量%の組成から成り、数平均分子量(MN)800、重量平均分子量(MW)2100、重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)=2.6であり、そのアスファルテン分の数平均分子量(MN)が1300、重量平均分子量(MW)が6200のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の7質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表4に得られた組成物の性状を示す。
Figure 0004079446
Figure 0004079446
改質材として、SBSを5質量%混合した、実施例1、2及び比較例1〜3においては、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MN値が本発明の条件を満たす実施例1、2は、SBSの分散状態が良好で、60℃粘度、タフネス、テナシティの改質効果も大きい。一方、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MNの全てが本発明の条件より大きい比較例1、またMWとMW/MNが大きい比較例2、及びMW/MNが大きい比較例3においては、SBSの分散状態が不良であり、実施例1、2ほどの改質効果が得られていない。
改質材として、石油樹脂を25質量%混合した後、SBSを11質量%混合した、実施例3、4及び比較例4、5においては、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MNの値が本発明の条件を満たす実施例3、4は、改質材の分散状態が良好で、60℃粘度、タフネス、テナシティの改質効果も大きく、加熱貯蔵安定性試験も、表面膜張りが起きにくく、良好な結果となったのに対し、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MNの値が、本発明の条件より大きい比較例4では、改質材の量が多いので60℃粘度は高くなるが、改質材の分散性状態が不良であり、タフネス、テナシティの改質効果が無く、また加熱貯蔵安定性試験も不良な結果となった。また、ベースアスファルトの組成が実施例4と類似しているが、MN、MWの値が本発明の条件より大きい比較例5は、改質材の分散状態が悪く、改質効果及び加熱貯蔵安定性も不良な結果となった。
Figure 0004079446
改質材としてSBRを5質量%混合した実施例5および比較例6においては、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MN値が本発明の条件を満たす実施例5は、SBRの分散状態が良好で、低温伸度も良好な結果となっている。一方、ベースとなるアスファルト類のMN、MW、MW/MN値が本発明の条件より大きい比較例6では、実施例5と比較してSBRの分散状態が不良な結果となっている。
Figure 0004079446
請求項2を満足する条件で調製した実施例6の改質アスファルト組成物は、SBSの分散状態が良好で、60℃粘度、タフネス、テナシティの改質効果も大きい。一方、実施例6と同じベースアスファルト類を用いて、可塑剤の配合をぜずに、SBSを混合した比較例7では、SBSの分散状態が悪く、実施例6ほどの改質効果が得られていない。
以上より、本発明の条件を満たす、実施例1〜6が舗装用改質アスファルト組成物として効果的であると言える。本発明は、改質アスファルトのベースとなるアスファルト類の平均分子量がある程度小さく、また高分子量成分が少ないほど、改質材の分散性が良好になり、改質効果も大きくなるという知見に基づいたものでる。例えば、SBSとアスファルトの混合が、SBSのポリマー鎖中にアスファルト分子が入り込み、絡みつくことにより成されるものと考察すると、分子量が小さいアスファルト類は、容易にポリマー鎖と混じり合うことができるが、分子量が大きいアスファルト類、あるいは高分子量成分が多いアスファルト類は、その高分子量成分が、そのようなポリマー鎖との混合を、立体的に阻害するために相溶性が悪くなるものと考えられる。
実施例1及び実施例2の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。 比較例1〜3の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。 実施例3及び実施例4の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。 比較例4及び比較例5の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。 実施例5及び比較例6の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。 実施例6及び比較例7の舗装用改質アスファルト組成物における光学顕微鏡で観察される改質材の分散状態を示した図である。

Claims (3)

  1. 数平均分子量(MN)200〜750、重量平均分子量(MW)500〜2000、及び重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)1.0〜2.7であり、ベースアスファルトに含まれるアスファルテン分の含有量が1〜20質量%であり、かつ該アスファルテン分の数平均分子量(MN)が200〜1400であり、重量平均分子量(MW)が500〜6300であるベースアスファルトに、改質材としてゴム、熱可塑性エラストマー、及び樹脂のうち少なくとも1種、ゴム、熱可塑性エラストマー、又は樹脂の含有量がそれぞれアスファルト類と前記各改質材の合計量の2〜40質量%になるように配合することを特徴とする舗装用改質アスファルト組成物の製造方法
  2. 請求項1のベースアスファルトが、数平均分子量(MN)800〜1300、重量平均分子量(MW)2100〜3500、及び重量平均分子量の数平均分子量に対する比(MW/MN)1.0〜2.7であり、アスファルテン分の含有量が1〜20質量%であり、かつ該アスファルテン分の数平均分子量(MN)が200〜1500であり、重量平均分子量(MW)が500〜6500であるストレートアスファルト、セミブローンアスファルト及びブローンアスファルトから選ばれる高分子量アスファルト類に、数平均分子量(MN)100〜700、重量平均分子量(MW)100〜1500の常圧残渣油、減圧残渣油、減圧蒸留留出油、溶剤脱瀝油、ベースオイル、及び芳香族油から選ばれる少なくとも1種の可塑剤を、高分子量アスファルト類と可塑剤の合計量の5〜60質量%配合したものである請求項1記載の舗装用改質アスファルト組成物の製造方法
  3. 改質材として、スチレン量が30〜45質量%、重量平均分子量が100,000〜300,000のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体からなる熱可塑性エラストマー、及び/又は、軟化点が80〜145℃、数平均分子量(MN)が300〜1300、重量平均分子量(MW)が400〜2,800の石油樹脂を配合する請求項1又は2記載の舗装用改質アスファルト組成物の製造方法。
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