JP4080779B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッド表面に形成された塗膜の耐候性、密着性、美観を向上しうるゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ゴルフクラブヘッド、特に金属製のウッド型のゴルフクラブヘッドは、飛距離や方向性といった打球性能の技術的な改良が進むとともに、近年では意匠的にも美しさや高級感が求められている。図3には、従来の一般的な金属製のウッド型ゴルフクラブヘッドの表面部分の拡大断面図を例示している。該ヘッドは、金属製のヘッド基体bの外側に、顔料系の着色塗料からなる第1層c1と透明なクリア層c2とからなる塗膜cを形成している。このようなヘッドでは、塗装性、塗膜の耐久性等においてはそれなりの性能が発揮できる。
【0003】
ところが、多くのゴルファを対象に種々調査を行ったところ、この種のヘッドは、総じて見た目に重たい印象を受けることが判明した。ゴルフ競技は、メンタルな部分に左右され易いため、このような印象はゴルファにとってはマイナス要因となる。このような印象は、塗膜cが顔料系の着色塗料層を含んでいるため、塗膜の厚さを感じとれないことに由来すると考えられる。
【0004】
そこで、このような実状に鑑みて、例えば図4に示すように、金属製のヘッド基体bの外側に、透明な樹脂塗料からなる下地層d1と、その外側に有色透明のカラークリア層d2とからなる塗膜dを形成し、該塗膜dを介してヘッド基体bを透視させることが考えられる。このような塗膜dでは、塗膜厚さを感じ取ることができ、見た目の重たい印象を排除しうる。なお前記下地層d1には、通常、金属材料との密着性に優れた従来から多用されるエポキシ樹脂が考えられる。
【0005】
しかしながら、このような塗膜dでは、カラークリア層d2が従来の顔料系の塗料と異なり、紫外線を殆ど吸収することなく下地層d1へと到達させる。一方、下地層d1を形成するエポキシ樹脂は、紫外線を吸収することによって分解され易く塗膜強度が低下する他、変色(黄変)などを招きやすい。従って、屋外でヘッドを使用していると、塗膜強度の低下や塗膜の変色などを招き、ヘッドの外観を損ねるという欠点が考えられる。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、上述の下地層に、酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる透明な下地層を用いることを基本として、塗膜厚さをゴルファに感じさせ軽い印象を与えるとともに、塗膜の耐候性を高め、長期に亘って外観を維持するのに役立つゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0007】
本発明のうち請求項1記載の発明は、金属材料からなるヘッド基体の表面に塗膜を形成したゴルフクラブヘッドであって、
前記塗膜が、最もヘッド基体側に形成されかつ酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いた透明な下地層と、
その外側に形成されかつ有色透明なカラークリア層とを含み、かつ該塗膜を通して前記ヘッド基体を透視可能としている。
【0008】
また請求項1記載の発明は、前記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系樹脂をエチレン系不飽和カルボン酸ないしその無水物でグラフトしてなり、
かつ酸変性ポリオレフィン系樹脂は、酸価を40〜65とし、
しかも前記ヘッド基体の表面に残存する酸化被膜中の酸素と、前記酸変性ポリオレフィン系樹脂中のカルボン酸の水酸基とが水素結合することを特徴としている。
【0009】
また請求項2記載の発明は、前記塗膜は、前記偏光層の外側に形成された無色透明のクリア層を含むことを特徴とする。
【0010】
また請求項3記載の発明は、前記ヘッド基体は、ミラー仕上げ又はサテン仕上げを含む表面仕上げ処理が施されてなることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本実施形態のゴルフクラブヘッドとして、ウッド型のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1を例示している。該ヘッド1は、図2に部分的に拡大して示す如く、金属材料からなるヘッド基体2の表面に塗膜3を形成してなり、本例では該ヘッド基体2のソール面(底面)を除く外表面に塗膜3を形成したものを例示している。ただし、塗膜3を形成する箇所は必要に応じて適宜定めることができる。
【0012】
前記ヘッド基体2は、好ましくは比強度が大きいチタン合金を採用するのが好ましいが、これに限定されるものではなく、他の金属材料も用いることができる。またヘッド基体2は、例えば鋳造、鍛造又はプレス等の加工を経て準備された部品を一体に接合することにより形成され、以下のような塗装工程に供されて前記塗膜3が形成される。
【0013】
先ずヘッド基体2は、ワイヤーブラシやサンドブラスト等で表面を予め研磨され物理的な下地処理ないし脱脂処理等が施される。またヘッド基体2は、この下地処理と同時に又は下地処理とは別個に、表面仕上げ処理を施すものを例示している。表面仕上げ処理としては、例えばミラー(鏡面)仕上げ、サテン仕上げ又はエンボス仕上げなどを含み、下地処理よりもさらにヘッド基体2の表面を美しく仕上げることができる。
【0014】
前記ミラー仕上げは、ヘッド基体2の表面を、バフ式ないしバレル式等の研磨によって鏡面状に美しく仕上げるものである。サテン仕上げは、サンド・ブラストを施したり、或いはワイヤーブラシやサンドペーパーで擦ったり、あるいは薬品を併用することなどにより、光沢のある表面をつや消し状とし、前記ミラー仕上げよりも柔らかな光沢を醸し出すものである。またエンボス仕上げとしては、プレス等により表面を凹凸面に形成する。表面仕上げ処理は、このようなものに限定されることなく、例えば種々の模様などを付すこともできる。
【0015】
次に、本例では表面仕上げ処理を行ったヘッド基体2の表面に無色透明な下地層3aを形成する工程を行う。下地層3Aには、酸変性ポリオレフィン系樹脂をベース樹脂とする無色透明の塗料が使用される。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、酸(カルボン酸)の水酸基とヘッド基体2の表面に残存する酸化被膜中の酸素とが水素結合するため、該ヘッド基体2への密着強度を高めることができる。また酸変性ポリオレフィン系樹脂では、エポキシ樹脂のように紫外線による分解、変色などを生じない。従って、紫外線が照射される環境下において耐候性に優れた下地層3aを形成しうる。
【0016】
酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂をエチレン系不飽和カルボン酸ないしその無水物でグラフトした樹脂が使用できる。オレフィン系樹脂ポリマーとしては、特に限定はされないが、例えば低、中又は高密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ブテン−1/プロピレン共重合体、ブテン−1/プロピレン/エチレン三元共重合体等を挙げることができる。前記エチレン系不飽和カルボン酸ないしその無水物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、又はテトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができ、マレイン酸が特に好適である。
【0017】
また酸変性ポリオレフィン系樹脂には、数平均分子量が10000〜200000、より好ましくは50000〜200000、さらに好ましくは100000〜160000のものが好適である。前記数平均分子量が10000未満であると、塗膜の形成が困難となる傾向があり、逆に200000を超えると粘度が高くなり過ぎる結果、ヘッド基体2の表面に均一に塗布することが困難な傾向がある。
【0018】
また酸変性ポリオレフィン系樹脂は、酸の割合を示す酸価が40〜65であるのが好ましい。酸価が40未満であると、ヘッド基体2の表面の酸化被膜中の酸素と水素結合するカルボン酸量が少なくなるため、該ヘッド基体2の表面との密着強度が低下する傾向があり、逆に65を超えると、硬度が過度に高くなって塗膜の耐衝撃性が低下し易い。
【0019】
そして、このような酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いたプライマーをヘッド基体2に均一に塗装する。塗装には、スプレーガン、刷毛塗りなどい種々の方法が採用できる。塗装後、例えば150℃で15〜20分間程度加熱することにより焼き付けを行って硬化させている。これにより、ヘッド基体2の表面に、酸変性ポリオレフィン系樹脂が硬化した無色透明な皮膜、すなわち前記下地層3aを定着させることができる。このような下地層3aは、その外側に塗布される塗料との密着性を向上するのに役立つ他、ヘッド製造時に生じたピンホールの発見に役立つ。なおピンホールが発見されれば、下地処理の段階でパテ材などを用いて修復する。
【0020】
また前記下地層3aの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば3〜40μm、より好ましくは5〜25μmとすることが望ましい。下地層3aの厚さが3μmよりも小になると、ヘッド表面の凹凸を平滑化するのが困難となり、密着性と外観とをともに損ねやすく、逆に40μmよりも大になると密着性、耐衝撃性が低下する傾向があるため好ましくない。
【0021】
次に下地層3aの外側に、有色かつ透明な有色透明塗料を塗装することによりカラークリア層3bを形成する工程を行う。前記有色透明塗料としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂等をベース樹脂とし、本例ではこれを染料により透明性を確保しつつ着色した塗料が用いられる。なおエポキシ樹脂は使用しない。染料は、特に限定されないが、合成染料、植物性染料、動物性染料又は鉱物性染料などから選ばれた1以上のものが採用でき、色目は特に問わない。染料は、顔料に比べて粒子が1〜2ナノメータと非常に小さく、有色透明の塗料の製造に適する点で好ましいが、塗料を有色透明としうるものであれば、顕色剤は染料に限定されることなく種々のものが用いられる。
【0022】
そして、着色透明塗料を下地層3aの外側に塗装した後、約150℃で15〜20分間程度の焼き付け処理を行う。これにより、該着色透明塗料が前記下地層3aの外側で硬化しカラークリア層3bを形成しうる。なおカラークリア3bの厚さが薄すぎると塗装工程に熟練した技術を要する他、見た目に塗膜の厚さを感じ難くなる傾向があり、逆にカラークリア層3bの厚さが大きすぎると、もろくなり耐衝撃性に劣る傾向がある。このような観点より、カラークリア層3bの厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜50μm、より好ましくは20〜40μmとすることが望ましい。
【0023】
また本実施形態では、このカラークリア層3bの外側に、偏光材料4を含む偏光塗料を塗装して偏光層3cを形成する工程を行う。偏光塗料は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をベース樹脂とする透明な塗料に、偏光材料4を配合して作られ、本実施形態では着色顔料は含まれていない。またエポキシ樹脂も含まない。偏光材料4としては、例えば雲母薄、雲母の表面を酸化チタンなどでコーティングしたフレーク材、さらには表面を樹脂加工した金属薄片や着色したアルミ薄片などを用いることができる。着色したアルミ薄片とは、蒸着法によってアルミ薄片を着色したもので、他の偏光材料に比べて光色にムラが少なくより美観を向上しうる点で好ましい。また着色されたアルミ薄片は、一般にフレーク状をなし、その大きさが概ね10〜100μm程度が望ましい。
【0024】
偏光材料4の多くは、通常、薄片状をなしており、この大半が塗装面とほぼ平行に配向される。このため、塗装面をほぼ垂直に見たときにヘッドを特定の色、即ち仕上がりヘッドの基本色に見せるが、塗装面を傾斜させると他の色に違えて見せるため、意外性を発揮し高級感、美観を生じさ得る。またこのような色の変化は、周囲の光の量によっても生じうる。
【0025】
また前記偏光塗料は、ベース樹脂及び偏光材料4の総和を100(溶剤成分を除く)とすると、偏光材料4の配合量を重量比で0.1〜7.5%程度、より好ましくは0.5〜5.5%程度とすることが望ましい。前記偏光材料4の配合量が多すぎると、偏光材料での反射光量がより多くなるため、クラブとして構えた際にまぶしく感じられる傾向があり、逆に少なすぎると偏光材料4を用いたことによる偏光作用を十分に具現化し得ずヘッドの意匠性を向上効果が低下する。
【0026】
本実施形態では、偏光塗料として、着色したアルミ薄片と、アクリル樹脂からなるベース樹脂とを混合した熱硬化塗料をカラークリア層3bの外側に塗布し150℃で10〜20分間加熱して焼き付けを行った。これにより、前記着色層3bの外側に、偏光層3cが形成される。偏光層3cの厚さは、特に限定はされないが、小さすぎると偏光作用が十分に得られない傾向があり、逆に大きすぎると耐衝撃性が低下するため、10〜40μm、より好ましくは15〜35μmとするのが望ましい。
【0027】
なお前記偏光層3cの外側には、さらに透明なクリア塗料を塗装してクリア層3dを形成している。クリア塗料は、無色透明の塗料であって、前記偏光層3cを被覆保護することにより偏光材料4の剥離を抑制して外観を長期に亘って維持しうるとともに、塗膜のさらなる耐久性、耐衝撃性を向上するのに役立つ。クリア塗料としては、例えばポリエステル樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をベース樹脂とする塗料が望ましい。なおエポキシ樹脂は用いていない。
【0028】
また前記塗膜3の全厚さtは、例えば100μm以下、より好ましくは25〜90μm、さらに好ましくは40〜80μmとすることが望ましい。前記塗膜3の全厚さtが100μmを超えると、もろくなるなど耐衝撃性が低下する他、塗膜3の厚さを大きく感じ易く、ヘッドを重く感じさせる傾向がある。
【0029】
このような塗膜3は、下地層3a、カラークリア層3b、偏光層3c及びクリア層3dが、いずれも顔料を含んでおらず、かつ透明(カラークリア層3bは有色透明である。)であるため、外部からこの塗膜3を通して前記ヘッド基体2の表面を透視することができる。このため、ヘッド1を見た際に塗膜3の厚さを感じとることができ、ゴルファにヘッドを軽いものとして印象付けるのに役立つ。また本実施形態のように、予めヘッド基体2に表面仕上げを施しておくことにより、塗膜3を通してヘッド基体2のミラー、サテンといった仕上げ感をも透視することができ、ヘッドデザインを斬新化しかつデザインの幅を広げるのにも役立つ。
【0030】
また下地層3aには、耐候性に強くかつヘッド基体2との密着性に優れた酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いた塗料が使用されているため、紫外線による下地層3aの物性の変化を抑制し、長期に亘って塗膜強度と美観とを維持するのに役立つ。さらに本実施形態のヘッド1は、塗膜3が有色透明のカラークリア層3bを含むため、カラークリア層3bの色目とヘッド基体2の金属素地色との相乗作用によって、従来の単調な印象ではなく、より斬新かつ新規な外観を醸し出すことができる。また偏光層3cを設けたときには、かかる効果をさらに向上でき、かつヘッドの高級感を増し、意匠性をより高めうる。
【0031】
以上、本発明の実施形態についてウッド型のゴルフクラブヘッドを例に挙げ説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、金属製のヘッドであれば、アイアン型やユーティリティ型、さらにはパター型などについても適用することが可能である。また塗膜は、例示の4層に限定されるものではなく、下地層3aとカラークリア層3bとからなる2層構造でも良く、また意匠性を向上させるために、例示の形態からカラークリア層3b及び/又は偏光層3cを2層以上に分けて形成し5層以上とすることもできる。また、下地層3aとカラークリア層3bとの間に透明な他の塗膜形成層を介在させることもできる。
【0032】
【実施例】
表1の仕様に基づいてヘッド基体に塗膜を形成して複数種類のゴルフクラブヘッドを試作した。そして、塗膜の密着性、耐衝撃性、耐候性テストを行った後の塗膜の密着性について評価した。ヘッド基体は、#180番のサンドペーパにてサテン研磨を施す表面仕上げ処理を行った。またカラークリア層にはアミド系アクリル樹脂塗料を、偏光塗料については、アミド系アクリル樹脂塗料には蒸着アルミ片を混合した塗料(「オーロラシャインLC−190」大日本塗料社製)を、クリア層にはアミド系アクリル樹脂ベース塗料をそれぞれ共通して採用し、下地層を含めて合計4層で塗膜を形成した。また各塗料の焼き付けは、それぞれ150℃で20分とした。また下地層にはPPコート7000P(第日本塗料社製)を用いた。テストの方法は次の通りである。
【0033】
<密着性>
塗膜形成後、JIS−K5400に準拠してクロスハッチ評価(1mm角×100)を行い、以下の基準で評価した。評点が大きい程、良好である。
評点5:剥離が0/100
評点4:剥離が1〜5/100
評点3:剥離が6〜10/100
評点2:剥離が11〜20/100
評点1:剥離が20以上/100
【0034】
<耐衝撃性>
150mmの高さから質量500gの鉄棒をヘッドの塗膜部分に落下させ、塗膜の剥離状況を目視により観察した。損傷の大きさ、深さなどを総合的に観察し5段階で評価した。数値が大きいほど良好であることを示す。
【0035】
<耐候テスト後の密着性>
サンシャインスーパーロングライフウエザオメータ(WEL-SUN-HC/B型 スガ試験機社製)を使用し、ヘッドを槽内温度63℃、湿度50%、60分中12分間降雨条件下で120時間照射した後、上記密着性のテストを行った。評価は上記密着性に準じている。
テストの結果などを表1〜3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
テストの結果、実施例のものは、比較例と比べてヘッド基体の密着性が高くかつ塗膜の耐候性が向上していることが確認できた。また塗膜の耐衝撃性についても比較例と同等であることが確認できた。また10名のゴルファにする官能評価である意匠性(「良い」と判断した人が0〜5名:×、6〜8名:○、9〜10名:◎とした)についても良好であった。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、2記載の発明によれば、金属材料からなるヘッド基体の表面に形成された塗膜が、最もヘッド基体側に形成されかつ酸変性ポリオレフィンからなる透明な下地層と、その外側に形成されかつ有色透明なカラークリア層とを含み、かつ前記ヘッド基体を透視可能であるため、外部からこの塗膜を通してヘッド基体を透視することができる。このため、ヘッドを見た際に塗膜の厚さを感じとることができ、ヘッドを軽いものとして印象付けるのに役立つ。また、カラークリア層の色目とヘッド基体の金属素地色との相乗作用によって、単調な印象を与えることなくより斬新かつ新規なヘッド外観を醸し出すことができる。
【0041】
また酸変性ポリオレフィンは、酸の水酸基とヘッド基体の酸化被膜中の酸素とが水素結合することにより前記下地層はヘッド基体に強固に密着することができる。従って、塗膜強度を高めるのに役立つ。また酸変性ポリオレフィンは、エポキシ樹脂のように紫外線の照射によっても分解せずかつ変色等のおそれもない。従って、ヘッド基体を透視可能な塗膜の下地層として好適となる。
【0042】
また、カラークリア層の外側に偏光材料を有する偏光層を形成したときには、ヘッドを見る向きによって色彩、色調を変えるなどさらにヘッドの高級感を高め、より一層美観を向上しうる。
【0043】
また請求項3記載の発明のように、前記塗膜は、前記偏光層の外側に形成された無色透明のクリア層を含むときには、該クリア層によって偏光層を保護し偏光材料の剥離等を抑制することによって外観の劣化を防止する。
【0044】
また請求項4記載の発明のように、予めヘッド基体に表面仕上げを施しておくことにより、塗膜を通してヘッド基体の仕上げ感をも透視することができ、ヘッドデザインを斬新化しかつデザインの幅を広げるのにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【図2】その塗膜を例示する拡大断面図である。
【図3】従来のゴルフクラブヘッドの塗膜を例示する拡大断面図である。
【図4】他のゴルフクラブヘッドの塗膜を例示する拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
2 ヘッド基体
3 塗膜
3a 下地層
3b カラークリア層
3c 偏光層
3d クリア層
Claims (3)
- 金属材料からなるヘッド基体の表面に塗膜を形成したゴルフクラブヘッドであって、
前記塗膜が、最もヘッド基体側に形成されかつ酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いた透明な下地層と、
その外側に形成されかつ有色透明なカラークリア層とを含み、かつ該塗膜を通して前記ヘッド基体を透視可能とするとともに、
前記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系樹脂をエチレン系不飽和カルボン酸ないしその無水物でグラフトしてなり、
かつ酸変性ポリオレフィン系樹脂は、酸価を40〜65とし、
しかも前記ヘッド基体の表面に残存する酸化被膜中の酸素と、前記酸変性ポリオレフィン系樹脂中のカルボン酸の水酸基とが水素結合することを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記塗膜は、前記偏光層の外側に形成された無色透明のクリア層を含むことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記ヘッド基体は、ミラー仕上げ又はサテン仕上げを含む表面仕上げ処理が施されてなる請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
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