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JP4085206B2 - ジアミノベンゼン誘導体及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜 - Google Patents
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JP4085206B2 - ジアミノベンゼン誘導体及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜 - Google Patents

ジアミノベンゼン誘導体及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜 Download PDF

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JP4085206B2 JP3010897A JP3010897A JP4085206B2 JP 4085206 B2 JP4085206 B2 JP 4085206B2 JP 3010897 A JP3010897 A JP 3010897A JP 3010897 A JP3010897 A JP 3010897A JP 4085206 B2 JP4085206 B2 JP 4085206B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なジアミノベンゼン誘導体及び該化合物を原料の一つとして合成されるポリイミド並びに 該ポリイミドを用いた液晶配向膜に関するものであり、更に詳しくは工業的に製造容易な特定の構造を有するジアミン及びそれを用いたポリイミド並びに該ポリイミドを用いた液晶配向膜に関するものである。本発明のジアミンを用いて合成されるポリイミドは、液晶表示素子の配向膜として用いるのに特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリイミドはその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられている。しかし、近年の電気・電子分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求されるようになっている。中でも液晶表示素子の配向膜用途においては、塗膜表面の均質性と耐久性故に、従来よりポリイミドがもっぱら用いられてきた。しかし、液晶表示の高密度化、高性能化が図られる中で、ポリイミド塗膜の表面特性が重視され、従来のポリイミドにはない新たな特性の付与が必要になってきている。
【0003】
液晶表示素子は、液晶の電気光学的変化を利用した表示素子であり、装置的に小型軽量であり、消費電力が小さい等の特性が注目され、近年、各種ディスプレイ用の表示装置として目覚ましい発展を遂げている。中でも正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用い、相対向する一対の電極基板のそれぞれの界面で液晶分子を基板に対し平行に配列させ、かつ、液晶分子の配向方向が互いに直交するように両基板を組み合わせた、ツイステッドネマティック型(TN型)の電界効果型液晶表示素子は、その代表的なものである。
【0004】
このようなTN型の液晶表示素子においては、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一に平行に配向させること、更に液晶分子を基板に対して一定の傾斜配向角(以下、チルト角という)をもって配向させることが重要である。この様に液晶分子を配向させる代表的な方法としては、従来より二つの方法が知られている。第一の方法は、酸化珪素等の無機物を基板に対して斜めから蒸着することにより基板上に無機膜を形成し、蒸着方向に液晶分子を配向させる方法である。この方法では、一定のチルト角を有する安定した配向は得られるものの工業的には効率的ではない。
【0005】
第二の方法は、基板表面に有機被膜をもうけ、その表面を綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一定方向にラビングし、ラビング方向に液晶分子を配向させる方法である。この方法は、比較的容易に安定した配向が得られるため、工業的には専らこの方法が採用されている。有機膜としては、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられるが、化学的安定性、熱的安定性等の点からポリイミドが最も一般的に使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
液晶配向膜の分野においては、ポリイミドなどの有機膜をラビングする方法では、従来高いチルト角を安定に得ることは困難であった。これを解決する手段として、特開昭62−297819号公報には、長鎖アルキル化合物とポリイミド前駆体の混合物よりなる液晶配向処理剤が提案されている。更に、特開昭64−25126号公報には、アルキル基を有するジアミンを原料としたポリイミドよりなる液晶配向処理剤が提案されている。この様に、ポリイミド中にアルキル基を導入して液晶のチルト角を高めようとする試みは数多くなされ、チルト角を高めることに関しては可能となった。
【0007】
しかし、上記のようなポリイミド中にアルキル基を導入する液晶配向膜においては、チルト角の熱安定性が充分ではなかった。即ち、従来のアルキル基を導入したポリイミド配向膜においては、液晶注入後のチルト角は高められるものの、液晶のアイソトロピック温度以上に加熱(以下アイソトロピック処理という)した際にチルト角が低下してしまう問題があった。特にチルト角が高い場合、或は配向膜形成時の硬化温度が低い場合などには、アイソトロピック処理によるチルト角の低下が一層顕著となる。また基板上にポリイミド膜を形成する際、一般には200〜300℃の高い温度で焼成されることが多いが、この際アルキル側鎖自体の耐熱性が十分でないことから、特に高温焼成においてはチルト角が低下してしまったり、バラツキが発生することがあるなどの問題があった。これらの問題は、今後の液晶表示素子に於いて、更に高コントラストで均一な液晶表示を達成する上では極めて重要な課題であり、単にチルト角が高いだけではなく、より熱的に安定なチルト角を与えるポリイミド配向膜が切望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液晶配向膜による液晶のチルト角の熱的安定性をより向上させるべく詳細且つ系統的に鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式[1]
【0009】
【化6】
Figure 0004085206
【0010】
(式中、Pは単結合または−O−、−COO−、−CONH−より選ばれる2価の有機基であり、Qはベンゼン環を表し、R1は脂肪族環及びその置換体より選ばれる環状置換基であり、R2は炭素数が3以上10以下の直鎖状アルキル基を表し、mは1を表す。)
で表されるジアミノベンゼン誘導体に関するものである。
【0011】
又、本発明は前記の一般式[1]で表されるジアミノベンゼン誘導体を少なくとも1モル%以上含有するジアミンと、テトラカルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上と、を反応させ、還元粘度が0.05〜5.0dlg(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体とし、これを閉環させてなる、一般式[2]
【0012】
【化7】
Figure 0004085206
【0013】
(式中、Aはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基、Bはジアミンを構成する3価の有機基を表し、P、Q、R1及びR2は上記式[1]と同じである。)で表される繰り返し単位を有するポリイミドに関するものである。更に、本発明は、上記一般式[2]で表される繰り返し単位を少なくとも1モル%以上含有するポリイミドを含有してなる液晶配向膜に関する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のジアミノベンゼン誘導体は合成が容易であり、ポリイミド、ポリアミドなどの原料として有用である。更に、これを原料の1つとして用い、側鎖に特定の環状置換基を有するポリイミドが得られる。このポリイミドは、特に、液晶表示素子の配向膜用途用に用いることが有用であり、液晶の配向性が良好で、しかも熱的に安定した高いチルト角を得ることができる。
【0015】
特に本発明は、ジアミノベンゼン誘導体及びそれから得られる特定の環状置換基を有するポリイミドを液晶配向膜として用いることで、液晶のチルト角を高め、その熱的な安定性を向上させることが大きな目的の1つである。そのためには一般式[1]におけるQは環状側鎖の熱的な安定性を高める上で芳香族環状置換基、すなわちベンゼン環であり、R1の脂肪族環状置換基はチルト角の熱的安定性を向上させる上で必須であり、R2は炭素数3〜10の直鎖状アルキル基であり、チルト角の大きさを制御する上で必須であり、これらは連結部Pを介してポリイミド主鎖に連結される。
一般式[1]
【0016】
【化8】
Figure 0004085206
【0017】
で表されるジアミノベンゼン誘導体は、特定の構造を有するジアミンであって、ジアミン部
【0018】
【化9】
Figure 0004085206
【0019】
連結部P、環状置換基Q、R1、及び線状のアルキル基部R2より構成され、その合成方法は特に限定されるものではない。例えば、以下に述べる方法により合成することができる。
ジアミンの合成に於いては、対応する一般式[II]で示す
【0020】
【化10】
Figure 0004085206
【0021】
ジニトロ体を合成し、更に、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することが一般的である。
連結部Pは、単結合(結合のみ)、エーテル結合−O−、エステル結合−COO−、アミド結合−CONH−などの結合基であり、これらの結合基は通常の有機合成的手法で形成させることができる。例えば、エーテル結合では対応するハロゲン誘導体と水酸基置換誘導体をアルカリ存在下で反応させたり、アミド結合では対応する酸クロリドとアミノ基置換誘導体をアカリ存在下で反応させたりする方法が一般的である。
【0022】
ジニトロ部形成のための原料の具体例としては、結合部Pの形成のための置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシル基、ハロゲン化アシル基で置換されたジニトロベンゼンであり、これらで置換されたジニトロベンゼンの具体例は、2,3−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロベンゼン、2,5−ジニトロベンゼン、2,6−ジニトロベンゼン、3,4−ジニトロベンゼン、3,5−ジニトロベンゼンなどが挙げられるが、原料の入手性、ポリイミド重合の際の反応性の点から、2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロ安息香酸クロリドが最も一般的である。
【0023】
一般式[1]における環状置換基Qの一般的な具体例としてはシクロヘキサン環、ビシクロヘキシル環、ターシクロヘキシル環等の脂肪族環状置換基、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環等の芳香族環及びフェニルピリミジン環等の複素環等の環状置換基が挙げられる。
本発明の環状置換基換基Qにおいては、これらの環状化合物及びその類似体のうち、原料の入手性、合成反応のし易さなどから、Qとしてはベンゼン環を用いる。
【0024】
一般式[1]における脂肪族環状置換基R1の具体例としてはシクロヘキサン、ビシクロヘキシル環、ターシクロヘキシル環等の脂肪族環状置換基である。本発明の脂肪族環状置換基R1は、これらの環状化合物及びその類似体が用いられるが、特に原料の入手性、合成反応のし易さなどから、R1としてはシクロヘキサン環、ビシクロヘキシル環を用いるのが好ましい。
【0025】
一般式[1]におけるR2、3〜10の直鎖状アルキル基である。炭素数としては対応するポリイミドを配向膜として用いた場合に目的とするチルト角を得るために適宜選択することができる。Q,R1,R2の連結方法としては種々の方法があるが、グリニャ反応、芳香環のフリーデルークラフツアシル化法、キシュナー還元法などの一般的有機合成手法を用いることで適宜連結することが可能である。
【0026】
以上述べたような製造方法により得られる前記一般式[1]で表される本発明のジアミノベンゼン誘導体は、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸2無水物などのテトラカルボン酸及びその誘導体との重縮合をおこなうことにより、側鎖に特定の構造を有するポリイミドを合成することができる。
【0027】
本発明のポリイミドを得る方法は特に限定されない。具体的にはテトラカルボン酸及びその誘導体と前記ジアミンを反応、重合させてポリイミド前駆体とし、閉環イミド化して得ることができる。
本発明のポリイミドを得るために使用されるテトラカルボン酸及びその誘導体は特に限定されない。
【0028】
その具体例を挙げると、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸などの脂環式テトラカルボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカルボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0029】
特に配向膜用途としては、塗膜の透明性の点から脂環式テトラカルボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物が好ましく、特に、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸2無水物および3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸2無水物が好ましい。又、これらのテトラカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
【0030】
本発明は、テトラカルボン酸及びその誘導体と一般式[1]で表されるジアミノベンゼン誘導体(以下、ジアミン[1]と略す)とそれ以外の一般のジアミン(以下、一般ジアミンと略す)を共重合することもできる。
この際用いられる一般ジアミンは、一般にポリイミド合成に使用される1級ジアミンであって、特に限定されるものではない。敢えてその具体例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、更には、
【0031】
【化11】
Figure 0004085206
【0032】
(式中、mは1から10の整数を表す。)
等のジアミノシロキサン等が挙げられる。
又、これらのジアミンの1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
本発明のポリイミドを重合する際に、使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合を調節することにより、撥水性などのポリイミドの表面特性を改質でき、更に液晶配向膜として用いる場合には、液晶との濡れ性、更には、液晶のチルト角を高めることが可能である。この際使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合は1モル%以上である。
【0033】
また液晶配向膜として用いる場合、実使用上適切な重合度のポリイミドを得易いこと、或いは一般的な液晶表示方式(例えばスーパーツイステッドネマティック方式等)において必要とされるチルト角としては数度〜10数度程度が多用されること、などの点から、使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合は1モル%〜49モル%の範囲とするのが一般的である。
【0034】
テトラカルボン酸及びその誘導体と上記ジアミンとを反応、重合させポリイミド前駆体とした後、これを閉環イミド化するが、この際用いるテトラカルボン酸及びその誘導体としてはテトラカルボン酸2無水物をもちいるのが一般的である。テトラカルボン酸2無水物のモル数とジアミン[1]と一般ジアミンの総モル数との比は0.8から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。
【0035】
重合度が小さすぎるとポリイミド膜の強度が不十分となる。又、重合度が大きすぎるとポリイミド膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従って、本反応における生成物の重合度は、ポリイミド前駆体溶液の還元粘度換算で0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)とするのが好ましい。
【0036】
テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンとを反応、重合させる方法は、特に限定されるものではなく、一般にはN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒中に上記ジアミンを溶解し、その溶液中にテトラカルボン酸2無水物を添加、反応させてポリイミド前駆体を合成した後、脱水閉環イミド化する方法がとられる。
【0037】
テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンとを反応させポリイミド前駆体とする際の反応温度は−20から150℃、好ましくは−5から100℃の任意の温度を選択することができる。更に、このポリイミド前駆体を100〜400℃で加熱脱水するか、又は通常用いられているピリジン/無水酢酸などのイミド化触媒を用いて化学的イミド化を行うことによりポリイミドとすることができる。
【0038】
本発明のポリイミドを電気・電子素子の絶縁膜、保護膜更には液晶表示素子の配向膜として使用するに際しては、基板上に均一膜厚のポリイミド塗膜を形成する必要がある。
このポリイミド塗膜を形成するには、通常はポリイミド前駆体溶液をそのまま基板に塗布し、基板上で加熱イミド化してポリイミド塗膜を形成することができる。この際用いるポリイミド前駆体溶液は、上記重合溶液をそのまま用いてもよく、又、生成したポリイミド前駆体を大過剰の水、メタノールのごとき貧溶媒中に投入し、沈殿回収した後、溶媒に再溶解して用いてもよい。上記ポリイミド前駆体溶液の希釈溶媒及び/又は沈殿回収したポリイミド前駆体の再溶解溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解するものであれば特に限定されない。
【0039】
それらの溶媒の具体例としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらは単独でも混合して使用してもよい。更に、単独で均一溶液が得られない溶媒であっても、均一溶液が得られる範囲でその溶媒を加えて使用してもよい。その例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール等が挙げられる。更に、ポリイミド膜と基板の密着性を向上させる目的で、得られたポリイミド前駆体溶液にカップリング剤等の添加剤を加えることはもちろん好ましい。又、基板上で加熱イミド化させる温度は100〜400℃の任意の温度を採用できるが、特に150〜350℃の範囲が好ましい。
【0040】
一方、本発明のポリイミドが溶媒に溶解する場合には、テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンを反応して得られたポリイミド前駆体を溶液中でイミド化し、ポリイミド溶液とすることができる。溶液中でポリイミド前駆体をポリイミドに転化する場合には、通常は加熱により脱水閉環させる方法が採用される。この加熱脱水による閉環温度は、150〜350℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度を選択できる。又、ポリイミド前駆体をポリイミドに転化する他の方法としては、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環することもできる。
【0041】
この様にして得られたポリイミド溶液はそのまま使用することもでき、又メタノール、エタノール等の貧溶媒に沈殿させ単離した後、適当な溶媒に再溶解させて使用することもできる。再溶解させる溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されないが、その例としては2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,Nジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0042】
その他、単独ではこのポリイミドを溶解させない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲内であれば上記溶媒に加えても構わない。その例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール等が挙げられる。
又、ポリイミド膜と基板の密着性を更に向上させる目的で、得られたポリイミド溶液にカップリング剤等の添加剤を加えることはもちろん好ましい。
この溶液を基板に塗布し、溶媒を蒸発させることにより基板上にポリイミド被膜を形成させることができる。この際の温度は溶媒が蒸発すれば充分であり、通常は80から150℃で充分である。
【0043】
更に、液晶配向膜として用いる場合には、透明電極の付いたガラス又はプラスチックフィルム等の透明基板上に膜厚100から3000オングストロームのポリイミド膜を形成し、次いでポリイミド膜をラビング処理することにより液晶配向膜とすることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
実施例1
(4-(4-トランス-n‐へプチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンの合成)
【0045】
【化12】
Figure 0004085206
【0046】
2,4-ジニトロクロロべンゼン23.3gと4-トランス-n-へプチルシクロへキシルフェノール30gをテトラヒドロフラン270CCに溶解した。この溶液に18-クラウン-6‐エーテル2.9gと水酸ナトリウム5.3gを加え、50℃で5時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、乾燥後アセトニトリル水溶液から再結晶すると4-(4-トランス-n-ヘプチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジニトロべンゼンが46.4g(96%),得られた。融点118℃
得られたジニトロ化合物40gをジオキサン500CCに溶解した。この溶液に窒素雰囲気下、Pd-C3.8gを加えたのち、水素雰囲気で終夜撹拌した。Pd-Cろ過後、ろ液を水にあけ、析出した結晶をろ過した。乾燥後、ヘキサン-べンゼン混合溶媒から再結晶すると4-(トランス-n-ヘプチルシクロヘキシルフェノキシ)-1.3-ジアミノべンゼンが29g(84%)得られた。融点128゜C
IR,NMR,MASSスぺク卜ルよりこの結晶は目的とする4-(4-トランス-n‐へプチルシクロへキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0047】
マススペクトル(m/e):380(M+)
1H-NMR(CDC13,δppm)7.1(2H,d)、6.8(2H,d)、6.7(1H,d)、6.2(1H,s),
6.1(1H,d)、3.6(4H,bs)、2.5〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1)3462,3357,3222(NH2),2948,2917,2847(CH2)
実施例2
(4-(4-トランス-n-ぺンチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンの合成)
【0048】
【化13】
Figure 0004085206
【0049】
2,4-ジニトロクロロべンゼン25.95gと4-トランス-n-ペンチルシクロへキシルフェノール30gをテトラヒドロフラン270CCに溶解した。この溶液に18-クラウン-6-エーテル3.1gと水酸化ナトリウム5.85gを加え、50゜Cで5時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、乾燥後アセトニトリル水溶液から再結晶すると4-〔4-トランス-n-ペンチルシクロへキシルフエノキシ)-1,3-ジニトロべンゼンが41.9g(80%)得られた。融点1l8゜C
得られたジニトロ化合物41.9gをジオキサン500CCに溶解した。この溶液に窒素雰囲気下、Pd-C3.6gを加えたのち、水素雰囲気で終夜撹拌した。Pd-Cをろ過後ろ液を水にあけ、折出した結晶をろ過した。乾燥後、へキサン-べンゼン混合溶媒から再結晶すると4-(4-トランス-n-ペンチルシクロへキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンが34.4g(96%)得られた。融点130゜C
IR.NMR.MASSスぺクトルよりこの結晶は目的とする4-(4-トランス-n-ペンチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0050】
マススぺクトル(m/e):352(M+)
IH-NMR(CDCl3,δppm)7.1(2H,d),6.8(2H,d),6.7(1H,d),6.2(1H,s),
6.1(1H,d),3.6(4H,bs),2.5〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1):3459,3360,3213(NH2),2952,2917,2847(CH2)
参考例3
(4-トランス-n-ペンチルビシクロヘキシル-3、5-ジアミノベンゾエートの合成)
【0051】
【化14】
Figure 0004085206
【0052】
4-トランス-n-ペンチルシクロヘキシルシクロヘキサノール32gをテトラヒドロフラン60CCとトリエチルアミン18gに溶解した。
この溶夜に3,5-ジニトロべンゾイルクロリド29gを加え、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、乾爆後アセトニトリルから再結晶すると4-トランス-n-ペンチルビシクロヘキシル-3,5-ジニトロべンゾエート45g(80%)得られた。融点146゜C
得られたジニ卜ロ化合物38gをジオキサン650CCに溶解した。この溶解液に窒素雰囲気下、Pd-C 3.1gを加えたのち、水素雰囲気で終夜撹拌した。Pd-Cろ過後、ろ液を水にあけ、折出した結晶をろ過した。乾燥後、ヘキサン-べンゼン混合溶媒から再結晶すると目的物のが31g(71%)得られた。融点175゜C
マススペクトル(m/e):386(M+)
1H-NMR(CDCI3,δppm)6.8(2H,s),6.2(1H,s),4.9(1H,bs),3.7(3H,bs),2.1〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1):3416,3395,3304,3206(NH2),2938,2917,2847(CH2)
実施例4
(4-(4-トランス-n-プロピルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼンの合成)
2,4-ジニトロクロロべンゼン23.3gと4-トランス-n-プロピルシクロへキシルフェノール23.9gを用い実施例1同様にして4-(4-トランス-n-プロピルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジニトロべンゼン35.7g(81%)を得た。融点134℃
得られたジニトロ化合物11.2gを用いて実施例1と同様に還元し、再結晶して4-(4-トランス-n-プロピルシクロへキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンが7.4g(78%)得られた。融点131゜C
IR.NMR.MASSスぺクトルよりこの結晶は目的とする4-(4-トランス-n-ブチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0053】
マススぺクトル(m/e):324(M+)IH-NMR(CDCl3,δppm):7.1(2H.d),6.8(2H.d),6.7(1H.d),6.2(1H,s),6.1(1H,d),3.6(4H,bs),2.5〜0.8(m)IR(KBr,cm-1):3416,3395,3332,3227(NH2),2932,2924,2847(CH2)
実施例5
(4-(4-トランス-ブチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼンの合成)2,4-ジニトロクロロべンゼン23.3gと4-トランス-n-ブチルシクロへキシルフェノール25.5gを用い実施例1同様にして4-(4-トランス-n-ブチルシクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジニトロべンゼン37.3g(81%)を得た。融点122℃得られたジニトロ化合物21.9gを用いて実施例1と同様に還元し、再結晶して4-(4-トランス-n-ブチルシクロへキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼンが16.8g(90%)得られた。融点129゜CIR.NMR.MASSスぺクトルよりこの結晶は目的とする4-(4- トランス -n- ブチルシクロへキシルフェノキシ )-1,3- ジアミノべンゼンであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0054】
マススぺクトル(m/e):338(M+)
IH-NMR(CDCl3,δppm):7.1(2H,d),6.8(2H,d),6.7(1H,d),6.2(1H,s),
6.1(1H,d),3.6(4H,bs),2.5〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1):3459,3360,3332,3213(NH2),2959,2917,2847(CH2)
参考例6
(4-トランス-n-プロピルビシクロヘキシル-3,5-ジアミノベンゾエートの合成)
4-トランス-n-プロピルシクロヘキシルシクロヘキサノール23.6gと3,5-ジニトロべンゾイルクロリド24.2gを用い参考例3と同様にして 4-トランス-n-プロピルビシクロヘキシルフ-3,5-ジニトロべンゾエート19.3g(44%)を得た。融点134℃
得られたジニトロ化合物19.3gを用いて参考例3と同様に還元し、再結晶して4-トランス-n-プロピルビシクロへキシル-3,5-ジアミノべンゾエートが10g(61%)得られた。融点157℃
IR.NMR.MASSスぺクトルよりこの結晶は目的とする4-(4-トランス-n-プロピルビシクロヘキシル)-3,5-ジアミノべンゾエートであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0055】
マススぺクトル(m/e):359(M+)
IH-NMR(CDCl3,δppm):6.8(2H,s),6.2(1H,s),4.9(1H,bs),3.7(3H,bs),2.1〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1):3416,3395,3304,3213(NH2),2945,2917,2354(CH2)
参考例7
(4-トランス-n-ブチルビシクロヘキシル-3,5-ジアミノベンゾエートの合成)
4-トランス-n-ブチルシクロヘキシルシクロヘキサノール23gと3,5-ジニトロべンゾイルクロリド22.3gを用い参考例3と同様にして 4-トランス-n-ブチルビシクロヘキシル-3,5-ジニトロべンゾエート14.7g(67%)を得た。融点124℃
得られたジニトロ化合物14.7gを用いて参考例3と同様に還元し、再結晶して4-トランス-n-ブチルビシクロへキシル-3,5-ジアミノベンゾエートが10g(79%)得られた。融点110℃
IR.NMR.MASSスぺクトルよりこの結晶は目的とする4-トランス-n-ブチルビシクロへキシル-3,5-ジアミノベンゾエートであることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0056】
マススぺクトル(m/e):373(M+)
IH-NMR(CDCl3,δppm):6.8(2H,s),6.2(1H,s),4.9(1H,bs),3.7(3H,bs),2.1〜0.8(m)
IR(KBr,cm-1):3452,3360,3191(NH2),2924,2854(CH2)
実施例8
(ポリイミドの製造)
実施例1で得られた4-(4-トランス-n‐へプチルシクロへキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノべンゼン5g(13.1mmol)、1,2,3,4-シクロブ夕ン酸2無水物2.58g(13.1mmo1)をN-メチルピロリドン43gに溶解して、20゜Cで4時間撹拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0057】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.51d1/g(濃度0.5g/dl,NMP中、30℃)であった。
この溶液をガラス基板にコートし、250度/1時間熱処理して均一なポリイミド塗膜を形成させた。
得られた塗膜のIR測定を行い、ヘプチルシクロヘキシルフェニルオキシ基を含有するポリイミドであることを確認した。
実施例9、11、12及び参考例10、13、14
(ポリイミドの合成)
実施例2、4、5及び参考例3、6、7で得られたジアミンを用い、実施例8と同様にしてポリイミド前駆溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体溶液の還元粘度(濃度0.5g/dl,NMP中、30℃)はそれぞれ実施例9; 0.50dl/g、参考例10; 0.52d1/g、実施例11; 0.47d1/g、実施例12; 0.51d1/g、参考例13; 0.49d1/g、参考例14; 0.50d1/gであった。また、実施例8と同様にしてIR測定を行い、各々のジアミンに対応したアルキル環状置換基を有するポリイミドであることを確認した。
実施例15、16、18、19
(液晶配向膜の製造)
次に実施例8、9、11、12で得られたポリイミド前駆体溶液をガラス基板上にコートし、所定の温度で熱処理してポリイミド塗膜を形成させ、以下に示す方法によりポリイミド表面の撥水性と液晶配向膜とした場合の液晶の配向性およびチルト角を測定した。結果を表に示した。
【0058】
撥水性の評価:ポリイミド前駆体溶液をN-メチルピロリドンで希釈し、樹脂濃度6%の溶液とし、ガラス基板に3500回転/分でスビンコートし、80゜Cで5分、250゜Cで1時間熱処理して均一なポリイミド塗膜を形成させ、この塗膜上の水とヨウ化メチレンの接触角を測定し、Fowkesの式よりポリイミドの表面エネルギ―を算出した。
【0059】
チルト角の評価:ポリイミド前駆体溶液をN-メチルピロリドンで希釈し、樹脂濃度6%の溶液とし、透明電極付ガラス基板に3500回転/分でスピンコートし、80゜Cで10分、250゜Cで1時間加熱処理して均一なポリイミド塗膜を形成させた。この塗膜を布でラビング後、23μmのスペーサーを挟んでラビング方向を平行にして組み立て、液晶(メルク社製:ZLI―2293)を注入してホモジニアス配向したセルを作成した。
【0060】
このセルについて、偏光顕微鏡下で液晶配向の均一性を確認し、液晶注入直後および120℃1時間熱処理したものについて磁場容量法でチルト角を測定した。結果を表1に示す。尚、比較のため以下に示すジアミンを合成し、それを用いてポリイミド前駆体を合成し、液晶配向膜を作製し同様に評価した。結果を併せて表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン(融点101℃)を得、得られたジアミンを用い、実施例8と同様に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物から、ポリイミド前駆体溶液を調製した。次に実施例15に準じて配向膜の製造および撥水性の評価、チルト角の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
参考例3と全く同様にして合成されるジアミン4−ビシクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート(黄色オイル)を用い、実施例8と同様に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物から、ポリイミド前駆体溶液を調製した。次に実施例15に準じて配向膜の製造および撥水性の評価、チルト角の評価を行った。
比較例3
上記参考例13で得られたポリイミド前駆体(参考例6で合成された 4- トランス -n- プロピルビシクロへキシル -3,5- ジアミノべンゾエートと 1,2,3,4- シクロブタンテトラカルボン酸2無水物から得られるポリイミド前駆体)を用い、実施例15に準じて配向膜の整造および撥水性の評価、チルト角の評価を行った。
[評価結果]
【0061】
【表1】
Figure 0004085206
【0062】
いずれのセルも欠陥の全くない均一な配向が観察され、高いチルト角が得られた。
実施例22
ジアミンとして実施例1の4-(4-トランス-n-ヘプチルシクロへキシルフェノキシ)-1.3-ジアミノべンゼン6.92gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン8.09g、テトラカルボン酸として1,2.3,4-シクロブタンテトラカルボン酸7.59gを200mmlフラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドン87gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調整した。
【0063】
得られたボリイミド前駆体の還元粘度は0.45(濃度0.5g/d1、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板にコートし、180℃もしくは250℃で1時間熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行い、ヘプチルシクロヘキシルフェノキシ基を有するポリイミドであることを確認した。,
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーはl80℃で1時間熱処理したものは36dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは37dyn/cmであった。
【0064】
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均一な配向性を示した。
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で43゜、120℃1時間熱処理したもので50゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶の注入直後で35゜、120℃で1時間熱処理したもので35゜だった。
実施例23
ジアミンとして実施例1の4-(4-トランス-n‐ヘプチルシクロへキシルフェノキシ)-1.3 ジアミノべンゼン3.48gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン12.2g、テトラカルボン酸として1,2.3,4-シクロブタンテトラカルボン酸7.64gを200mmlフラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドン82gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調整した。
【0065】
得られたボリイミド前駆体の還元粘度は0.47(濃度0.5g/d1、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板にコートし、180℃もしくは250℃で1時間熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行い、ヘプチルシクロヘキシルフェノキシ基を有するポイミドであることを確認した。
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーはl80℃で1時間熱処理したものは40dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは41dyn/cmであった。
【0066】
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均一な配向性を示した。
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で6゜、120℃1時間熱処理したものは6゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶の注入直後で6゜、120℃で1時間熱処理したものは7゜だった。
実施例24
ジアミンとして実施例2の4-(4-トランス-n-ペンチルシクロへキシルフェノキシ)-l,3-ジアミノべンゼン9.50gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン11.06g、テトラカルボン酸として1,2,3,4‐シクロブタンテトラカルボン酸10.36gを200mlフラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドン195gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調整した。
【0067】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.40(濃度0.5g/dl、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板にコートし、180℃もしくは250℃で1時問熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行いペンチルシクロヘキシルフェノキシ基を有するポリイミドであることを確認した。
【0068】
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーは180℃で1時間熱処理したものは37dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは37dyn/cmであた。
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均一な配向性を示した。
【0069】
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時聞熱処理したものは液晶注入直後で36゜その後120℃1時間熱処理したもので37゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で20゜ その後120℃1時間熱処理したもので2l゜だった。
実施例25
ジアミンとして実施例2の4-(4-トランス-n-ペンチルシクロへキシルフェノキシ)-l,3-ジアミノべンゼン4.80gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン16.77 g,テトラカルボン酸として1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸10.47gを200mlフラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドン180gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調整した。
【0070】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.41(濃度0.5g/dl、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板にコートし、180℃もしくは250℃で1時問熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行いペンチルシクロヘキシルフェノキシ基を有するポリイミドであることを確認した。
【0071】
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーは180℃で1時間熱処理したものは41dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは43dyn/cmであた。
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均一な配向性を示した。
【0072】
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時聞熱処理したものは液晶注入直後で 5゜で、その後120℃1時間熱処理したもので 5゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で 7゜で、その後120℃1時間熱処理したもので 7゜だった。
参考例26
ジアミンとして参考例3のぺンチルビシクロヘキシル3,5-ジアミノべンゾエート6.00gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン6.37g、テトラカルボン酸として1,2,3,4-シクロブ夕ンテ卜ラカルボン酸5.97gを200m1フラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドンl03gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行いポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0073】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.46(濃度0.5g/d1、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板上にコートし、180度もしくは250℃で1時間熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行いペンチルビシクロへキシルオキシカルボニル基を有するポイミドであることを確認した。
【0074】
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーはl80℃で1時間熱処理したものは37dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは40dyn/cmであった。
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均―な配向性を示した。
【0075】
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で80゜で、その後120℃1時間熱処理したもので85゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で59゜で、その後120℃1時間熱処理したもので62゜だった。
参考例27
ジアミンとして参考例3のぺンチルビシクロヘキシル3,5-ジアミノべンゾエート3.00gと2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン9.56g、テトラカルボン酸として1,2,3,4-シクロブ夕ンテ卜ラカルボン酸5.97gを200m1フラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドンl00gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行いポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0076】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.49(濃度0.5g/d1、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板上にコートし、180℃もしくは250℃で1時間熱処理して、ポリイミド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行いペンチルビシクロへキシルオキシカルボニル基を有するポイミドであることを確認した。
【0077】
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーはl80℃で1時間熱処理したものは40dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは43dyn/cmであった。
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均―な配向性を示した。
【0078】
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で24゜で、その後120℃1時間熱処理したもので30゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で25゜で、その後120℃1時間熱処理したもので31゜だった。
比較例
ジアミンとしてヘキサデシルオキシ-2.5‐ジアミノべンゼン1.60gとテトラカルボン酸として1,2,3,4-シクロブ夕ンテ卜ラカルボン酸1.80gを100mlフラスコ中窒素気流下で、N-メチルピロリドン31gに溶解し、20℃で4時間撹拌して、重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0079】
得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.49(濃度0.5g/dl、NMP中、30℃)であった。
また、この溶液をガラス基板上にコートし、180℃もしくは250℃で1時間熱処理して、ポリイド塗膜を形成させ、得られた塗膜のIR測定を行い、ヘキサデシルオキシ基を有するポリイミドであることを確認した。
【0080】
得られたポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド塗膜の撥水性を調べたところ、その表面エネルギーは180℃で1時間熱処理したものは35dyn/cmで、250℃で1時間熱処理したものは39dyn/cmであった。
また液晶セルを作製し、配向性を調べたところ、欠陥が全くなく均一な配向性を示した。
【0081】
さらにこのセルを用い、チルト角を測定したところ、180℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で77゜で、その後120℃で1時間熱処理したもので33゜だった。また250℃で1時間熱処理したものは液晶注入直後で11゜で、その後120℃で1時間熱処理したもので9゜だった。
以下の表2に実施例22〜25及び比較例でのチルト角の測定結果をまとめて示す。
【0082】
【表2】
Figure 0004085206
【0083】
【発明の効果】
本発明のジアミノべンゼン誘導体は合成が容易であり、これを原料としたポリイミドを合成することにより、耐熱性や撥水性などのポイミドの表面特性を改質することができる。さらに液晶表示素子の配向膜用のポリイミドの場合には、液晶を均一に配向させ、高いチルト角が得られる。さらにこの場合、高いチルト角を有しかつ、熱処理してもそのチルト角はほとんど変化しないという特徴を有する。

Claims (10)

  1. 一般式[1]
    Figure 0004085206
    (式中、Pは単結合または−O−、−COO−、−CONH−より選ばれる2価の有機基であり、Qはベンゼン環を表し、1は脂肪族環であり、R2は炭素数が3以上10以下の直鎖状アルキル基を表す。)
    で表されるジアミノベンゼン誘導体。
  2. 一般式[1]中のPが−O−である請求項1記載のジアミノベンゼン誘導体。
  3. 一般式[1]中のR1がシクロヘキサン環である請求項1又は2に記載のジアミノベンゼン誘導体。
  4. 一般式[1]
    Figure 0004085206
    (式中、Pは単結合または−O−、−COO−、−CONH−より選ばれる2価の有機基であり、Qはベンゼン環を表し、1は脂肪族環であり、R2は炭素数が3以上10以下の直鎖状アルキル基を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体を少なくとも1モル%以上含有するジアミンと、テトラカルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上と、を反応させ、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体とし、これを閉環させてなる、一般式[2]
    Figure 0004085206
    (式中、Aはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基、Bはジアミンを構成する3価の有機基を表し、P、R1及びR2は上記式[1]と同じであり、Qはベンゼン環である。)で表される繰り返し単位を有するポリイミド。
  5. テトラカルボン酸及びその誘導体が、脂環式テトラカルボン酸及びその誘導体である請求項4に記載のポリイミド。
  6. 脂環式テトラカルボン酸及びその誘導体が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸2無水物又は3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸2無水物である請求項5に記載のポリイミド。
  7. 一般式[1]中のPが−O−である請求項4乃至6のいずれかに記載のポリイミド。
  8. 一般式[1]中のR1がシクロヘキサン環である請求項4乃至7のいずれかに記載のポリイミド。
  9. 請求項4乃至8のいずれかに記載のポリイミドを含有してなる液晶配向膜。
  10. 一般式[1]及び[2]において−P−Q−R1−R2が一般式[3]
    Figure 0004085206
    (式中、kは2乃至9の整数を表す。)である請求項4乃至8のいずれかに記載のポリイミドを用いた液晶配向膜。
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