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JP4086583B2 - 不揮発性半導体メモリ装置およびデータ書き込み制御方法 - Google Patents
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JP4086583B2 - 不揮発性半導体メモリ装置およびデータ書き込み制御方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリ装置およびデータ書き込み制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のメモリセルが設けられた不揮発性半導体メモリ装置および不揮発性半導体メモリ装置へのデータ書き込み制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、最も一般的に用いられている不揮発性半導体メモリ装置であるフラッシュメモリは、ETOX(EPROM Thin Oxide、インテルの登録商標)型フラッシュメモリである。
【0003】
図16は、ETOX型フラッシュメモリのメモリセルの模式的な断面図である。図16に示すように、半導体基板160内には、ソース領域161およびドレイン領域162が所定の間隔をあけて形成されている。ソース領域161とドレイン領域162との間の半導体基板160上には、ソース領域161およびドレイン領域162の端部を覆うようにトンネル酸化膜、フローティングゲート(浮遊ゲート)164、層間絶縁膜165およびコントロールゲート166が順番に形成されている。
【0004】
次に、図16に示すETOX型フラッシュメモリの動作原理について説明する。表1は、ETOX型フラッシュメモリのデータ(情報)書き込み動作モード、データ消去動作モードおよびデータ読み出し動作モードにおける電圧印加条件を示す。
【0005】
【表1】
Figure 0004086583
表1に示すように、データ書き込み(プログラム)動作モードでは、コントロールゲート166にデータ書き込み電圧Vpp(例えば9V)、ソース領域161および半導体基板160に基準電圧Vss(例えば0V)、ドレイン領域162に5Vの電圧が印加される。尚、データ書き込みを行わないメモリセルのドレイン領域162には、0Vの電圧印加される。このため、半導体基板160内のソース領域161とドレイン領域162との間のチャネル層では、大きな電流が流れ、ドレイン領域162側の電界の高い部分にて、ホットエレクトロンが発生する。これにより、メモリセルのフローティングゲート164に電子が注入されデータ書き込み状態となり、メモリセルの閾値電圧が上昇する。
【0006】
図17は、二値フラッシュメモリ内に設けられたメモリセルの閾値電圧の分布を示すグラフである。図17の横軸はメモリセルの閾値電圧、縦軸はメモリセルの個数をそれぞれ表している。通常、二値フラッシュメモリのメモリセルのフローティングゲートに電子が注入された状態がデータ書き込み(プログラム)状態で、その時のデータをData“0”とする。逆に、メモリセルのフローティングゲートから電子が引き抜かれている状態がデータ消去(イレース)状態で、その時のデータをData“1”とする。図17に示すように、メモリセルの閾値電圧が上昇し、閾値電圧が所定の電圧値(例えば5V)以上になるとデータ書き込み動作が終了する。メモリセルの閾値電圧が低下し、閾値電圧が所定の電圧値(例えば3V)以下になるとデータ消去動作が終了する。
【0007】
データ消去(イレース)動作モードでは、コントロールゲート166に電圧Vnn(例えば−9V)、ソース領域161に電圧Vpe(例えば6V)を印加し、ドレイン領域162をオープン状態にする。これにより、チャネル層のソース領域161側にてフローティングゲート164からトンネル酸化膜163を介して電子を引き抜きメモリセルの閾値電圧を低下させる。この場合のメモリセルの閾値電圧の分布は、上記の図17のData“1”イレース状態と同様の分布を示す。
【0008】
このデータ消去(イレース)時には、ソース領域161と半導体基板160との間にBTBT(Band To Band Tunneling)電流が流れる。このBTBT電流が発生するとホットホールおよびホットエレクトロンが同時に発生する。このうち、ホットエレクトロンは、ドレイン領域162に流れてしまうが、ホットホールは、トンネル酸化膜163側に引き付けられ、トンネル酸化膜163内にトラップされる。このトンネル酸化膜163にホットホールがトラップされる現象が一般的にメモリセルのデータ保持の信頼性を劣化させると言われている。
【0009】
データ読み出し(リード)動作モードは、ドレイン領域162に1Vの電圧を印加し、コントロールゲート166に5Vの電圧を印加する。もし、メモリセルがデータ消去(イレース)状態で閾値電圧が低い場合には、メモリセルに電流が流れ、図17に示すData”1”と判定される。一方、メモリセルがデータ書き込み(プログラム)状態で閾値電圧が高い場合には、メモリセルに電流が流れず、図17に示すData”0”と判定される。これらの判定は、メインアレイのデータ読み出しが行われるメモリセルに流れる電流と、メインアレイのメモリセルとは別に設けられ所定の基準閾値電圧が設定されているリファレンスセルに流れる電流とを検出し、これらの電流値を比較することによって行われる。
【0010】
このようなデータ読み出し時のデータ判定方法をセンスアンプ回路を用いて説明する。
【0011】
図18は、センスアンプ回路の概略の構成を示す回路図である。図18に示すセンスアンプ回路は、正極側入力端子および負極側入力端子が設けられた増幅器181を有している。増幅器181の正極側入力端子には、NMOSトランジスタ184のドレイン端子が接続され、NMOSトランジスタ184のソース端子は、リファレンスセル186のドレイン端子が接続されている。NMOSトランジスタ184のゲート端子およびソース端子間には、インバータ182が配置され、NMOSトランジスタ184のゲート端子とインバータ182の出力端子とが接続され、インバータ182の入力端子とNMOSトランジスタ184のソース端子とが接続されている。リファレンスセル186のゲート端子は、ワード線が接続されるとともに、ワード線電圧VWLが印加され、リファレンスセル186のソース端子は、アース(GND)に接地されている。
【0012】
一方、増幅器181の負極側入力端子には、NMOSトランジスタ185のドレイン端子が接続され、NMOSトランジスタ185のソース端子は、メインアレイのメモリセルであるメインセル187のドレイン端子が接続されている。NMOSトランジスタ185のゲート端子およびソース端子間には、インバータ183が配置され、NMOSトランジスタ185のゲート端子とインバータ183の出力端子とが接続され、インバータ183の入力端子とNMOSトランジスタ185のソース端子とが接続されている。メインセル187のゲート端子は、ワード線が接続されるとともに、ワード線電圧VWLが印加され、メインセル187のソース端子は、アース(GND)に接地されている。
【0013】
通常、フラッシュメモリのデータ読み出し動作は、図18に示すように、メインアレイのメモリセルであるメインセル187を流れる電流Imと、リファレンスセル186を流れる電流Irとを比較して、センスアンプにてData”0”またはData“1”を判定する。もし、メインセル187を流れる電流Imがリファレンスセル186を流れる電流Irより大きい(Im>Ir)場合、データ消去状態のData”1”を判定すると、メインセル187を流れる電流Imがリファレンスセル186を流れる電流Irより小さい(Im<Ir)場合、データ書き込み状態のData”0”を判定する。このような場合、例えば、図16に示すように、リファレンスセル186の閾値電圧は、データ書き込みが行われたメモリセルの閾値電圧(5V以上)と、データ消去(イレース)が行われたメモリセルの閾値電圧(3V以下)との間に設定される必要があり、図17のRead referenceに示す3.5Vとなる。
【0014】
リファレンスセル186の閾値電圧は、データ読み出しスピードおよびデータ保持の信頼性等を考慮し、正確な値である必要がある。このため、リファレンスセル186の閾値電圧は、3.5V±0.1V以内の精度が求められていた。また、メインセル187およびリファレンスセル186のゲート端子にそれぞれ接続されたワード線には、各ワード線に印加されるワード線電圧VWLおよびVRWLが同一電圧(例えば5V)で正確に印加される必要がある。
【0015】
図19は、メインアレイのメモリセルであるメインセル187の1ブロックの構成を示す回路図である。
【0016】
図19に示すように、複数のメインセル187がマトリクス状に配置され、行方向に配置される各ワード線WL0〜WLn−1には、それぞれm個のメインセル187の制御端子であるコントロールゲート端子が接続されている。列方向に配置されている各ビット線BL0〜BLm−1には、それぞれn個のメインセル187の駆動端子であるドレイン端子が接続されている。同一ブロック内の各メインセル187のソース端子は、共通ソース線SLに接続されている。
【0017】
このように、通常のフラッシュメモリのメモリセルに対するデータ書き込み(プログラム)動作は、メモリセルを流れる電流およびメモリセルに印加される電圧を一貫して制御する必要があり、上記電流および電圧を一貫して制御するデータ書き込み(プログラム)動作が特開平9−320282号公報、特開平2−7297号公報等に開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、フラッシュメモリのメモリセルへのデータ書き込み(プログラム)動作の場合、現状のデータ書き込み(プログラム)スピードを考慮すると1回のデータ書き込み(プログラム)パルス電圧の印加により、メモリセルへのデータ書き込みを完了するには、高い電圧、例えば、5V以上に設定する必要がある。
【0019】
図20は、データ書き込み後におけるメモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。図20の横軸はメモリセルの閾値電圧、縦軸はメモリセルの個数をそれぞれ表している。
【0020】
フラッシュメモリでは、メモリセルへのデータ書き込み後(例えば、1回のデータ書き込みパルス電圧印加後)のメモリセルの閾値電圧Vtが図20に示すような分布幅(閾値電圧の最小値Vtmin〜閾値電圧の最大値Vtmax)を有する。このため、ワード線を介してメモリセルのコントロールゲートに印加される電圧は、データ書き込み後の閾値電圧の最小値Vtminが所定の閾値電圧以上(例えば5V以上)になるように、量産時の製造バラツキも考慮して設定される。
【0021】
従来のフラッシュメモリのメモリセルへのデータ書き込み動作では、ウエハ上の全てのチップ(デバイス)に対して共通の設定電圧が用いられている。通常、フラッシュメモリ内の各メモリセルの閾値電圧の分布は、メモリセルの電気的特性が製造プロセス条件によりバラツクために、各チップ毎に異なることが知られている。
【0022】
図21は、同一のデータ書き込み(プログラム)条件(例えば、1回のデータ書き込みパルス電圧印加)にてデータ書き込みを行い、データ書き込み後の各チップ毎のメモリセルの閾値電圧の分布の一例を示すグラフである。図21の横軸はメモリセルの閾値電圧、縦軸はメモリセルの個数をそれぞれ表している。
【0023】
図21に示すように、データ書き込みスピードが速いfastチップでは、各メモリセルの閾値電圧がデータ書き込みの基準閾値電圧(5V)に対して十分マージンを持ち高電圧側にシフトした分布を示す。同様に、データ書き込みスピードが遅いslowチップでは、各メモリセルの閾値電圧がデータ書き込みの基準閾値電圧(5V)の近傍に分布し、データ書き込みスピードが通常のtypicalチップでは、各メモリセルの閾値電圧がfastチップおよびslowチップの各メモリセルの閾値電圧とオーバーラップするように分布する。
【0024】
また、各メモリセルの閾値電圧は、上記メモリセルの電気的特性のバラツキ以外にメモリアレイ周辺のトランジスタ、例えば、ワード線駆動回路のトランジスタの駆動能力等のバラツキによりデータ書き込み(プログラム)パルス電圧印加時のメモリセルのコントロールゲートに印加される電圧も各メモリセル毎に変化するため、バラツキが生じる。これにより、最終的に、各チップ毎のメモリセルの閾値電圧の分布は、さらに大きく異なることになる。
【0025】
このように各チップ毎のメモリセルの閾値電圧の分布が大きく異なることは、以下のように、メモリセルの信頼性を劣化させる原因となる。
【0026】
第1に、各メモリセルの閾値電圧が所定の基準閾値電圧(5V)を大きくオーバーしている図21に示すfastチップの場合には、データ書き込み(プログラム)後の各メモリセルの閾値電圧がばらついて、例えば、閾値電圧の下限が6.0V以上となると、閾値電圧の上限は7V以上となってしまう。このような場合、メモリセルのデータ消去時には、図16に示すメモリセルのコントロールゲート166に負の大きな電圧が印加された場合、フローティングは、余分な電子が帯電しているため、フローティングゲート164が大きく負に帯電する。このため、トンネル酸化膜163には、半導体基板160とフローティングゲート164との間に生じる電界によって余分なストレスが印加され、結果として、その後のデータ保持等の信頼性を劣化させる原因となる。
【0027】
第2に、各メモリセルの閾値電圧が低くて、各メモリセルの閾値電圧が所定の基準閾値電圧(5V)の近傍に分布する図21に示すslowチップの場合には、データ書き込み(プログラム)後の各メモリセルの閾値電圧がばらついて、例えば、閾値電圧の最小値Vtminが5.0V程度となると、図16に示すメモリセルのトンネル酸化膜163に印加される上記の電界によるストレスは小さくなる。しかし、データ消去(Erase)動作およびデータ書き込み(Write)動作が交互に繰り返えされると、図22に示すように各メモリセルの閾値電圧の分布が低電圧側にシフトし、1回のデータ書き込みパルス電圧印加後の閾値電圧が基準閾値電圧(5V)以下になるデータ書き込み特性の劣化したメモリセルが生じる可能性がある。尚、図22では、データ消去(Erase)動作およびデータ書き込み(Write)動作の交互の繰り返しをE/Wにて示す。
【0028】
特に、データ書き込み特性が劣化したメモリセルは、1回のデータ書き込みパルス電圧の印加では閾値電圧が基準閾値電圧(5V)以上にならなくなり、さらにデータ書き込みパルスの印加が必要となることから、実質的に、データ書き込みスピードが低下してしまう。
【0029】
本発明は、このような課題を解決するものであり、その目的は、各チップ(デバイス)毎にデータ書き込み(プログラム)後のメモリセルの閾値電圧Vtの分布を制御し、データ保持の信頼性の劣化およびデータ書き込みスピードの低下が防止された不揮発性半導体メモリ装置およびそのデータ書き込み制御方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置は、複数の異なる情報である多値情報電気的な書き込みおよび消去が可能な複数のメモリセルが行方向および列方向に配置されており、該メモリセルの制御端子が行方向の各行線に接続され、該メモリセルの駆動端子が列方向の各列線に接続されている不揮発性半導体メモリ装置において、前記メモリセルに前記多値情報を書き込む際に前記各行線に印加される制御電圧を制御する電圧制御手段と、前記制御電圧の印加後に前記メモリセルにおける前記多値情報の閾値電圧を検証するために使用され、前記多値情報に対して所定の基準閾値電圧がそれぞれ設定された複数のベリファイセルとを備え、前記電圧制御手段は、チップ毎の複数のメモリセルの閾値電圧分布に応じて、該閾値電圧分布を所定範囲に収めるように求められた前記制御電圧の値を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納された値を用いて前記制御電圧を前記各行線にそれぞれ出力する電圧出力手段とを有し、前記基準閾値電圧が最も高い前記ベリファイセルに対応した情報以外の所定の情報を書き込む場合に前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、該所定の情報の書き込み後の閾値電圧分布より該閾値電圧の最大値を抽出し、その最大値と該所定の情報に対応する前記基準閾値電圧との差分を取り、その差分に基づいて算出されることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
また、本発明の不揮発性半導体メモリ装置は、複数の異なる情報である多値情報の電気的な書き込みおよび消去が可能な複数のメモリセルが行方向および列方向に配置されており、該メモリセルの制御端子が行方向の各行線に接続され、該メモリセルの駆動端子が列方向の各列線に接続されている不揮発性半導体メモリ装置において、前記メモリセルに前記多値情報を書き込む際に前記各行線に印加される制御電圧を制御する電圧制御手段と、前記制御電圧の印加後に前記メモリセルにおける前記多値情報の閾値電圧を検証するために使用され、前記多値情報に対して所定の基準閾値電圧がそれぞれ設定された複数のベリファイセルとを備え、前記電圧制御手段は、チップ毎の複数のメモリセルの閾値電圧分布に応じて求められた前記制御電圧の値を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納された値を用いて前記制御電圧を前記各行線にそれぞれ出力する電圧出力手段とを有し、前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報を書き込む場合に前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、該情報の書き込み後の閾値電圧分布より該閾値電圧の最大値および最小値を抽出し、その最大値および最小値の差分を取り、その差分に基づいて算出されることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
また、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、メモリセルは、浮遊ゲート電界効果トランジスタである。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、前記電圧出力手段は、前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値に基づいて前記制御電圧を選択する電圧選択手段が設けられている。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、前記チップ内のブロック間での閾値電圧分布のバラツキを考慮した補正値が追加されている。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、補正値には、前記情報の書き込みおよび消去を交互に繰り返した後の閾値電圧分布のシフト量がさらに追加されている。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、チップ毎の複数のメモリセルの閾値電圧分布は、ウエハテストの際に測定されている。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の不揮発性半導体メモリ装置において、ウエハテストでは、情報の書き込みパルス電圧が1回印加されている。
【0041】
本発明は、請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ装置におけるデータ書き込み制御方法であって、前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報以外の所定の情報をメモリセルに書き込む工程と、該所定の情報の書き込み後の閾値電圧分布より、該閾値電圧の最大値を抽出する工程と、該閾値電圧の最大値と前記基準閾値電圧との差分に基づいて、前記制御電圧の値を求める工程と、求められた制御電圧の値を記憶手段に格納する工程と、を包含する。
また、本発明は、請求項2に記載の不揮発性半導体メモリ装置におけるデータ書き込み制御方法であって、前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報をメモリセルに書き込む工程と、該情報の書き込み後の閾値電圧分布より、該閾値電圧の最大値および最小値を抽出する工程と、該閾値電圧の最大値と最小値との差分に基づいて、前記制御電圧の値を求める工程と、求められた制御電圧の値を記憶手段に格納する工程と、を包含する。
【0042】
上記構成により、以下、その作用を説明する。
【0043】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置は、各チップ毎に電圧出力手段が設けられており、各チップが形成されたウエハの情報の書き込みテスト(ウエハテスト)を行い、そのテスト結果に基づいて情報の書き込み動作の際に、各チップ毎にメモリセルの制御端子に印加する電圧が最適に設定される。
【0044】
すなわち、情報の書き込みテストの際に、任意の書き込みパルス電圧を各チップのメモリセルに1回(1パルス)印加して、情報の書き込み動作の終了後のメモリセルの閾値電圧の分布から閾値電圧の最大値(Vtmax)および閾値電圧の最小値(Vtmin)を抽出し、閾値電圧の最大値または閾値電圧の最小値に基づいて各チップのメモリセルの制御ゲートに印加する最適な電圧値を算出する。その最適な電圧値は、記憶手段に記憶データとして記憶される。
【0045】
そして、その記憶データに基づいた制御信号WLVSが電圧出力手段に入力され、電圧出力手段にて制御信号WLVSに対応した制御信号Hが選択され、制御信号Hに基づいて各チップ毎のメモリセルの制御ゲートに印加される所定の情報の書き込みパルス電圧が設定され出力される。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0047】
図1は、本発明の実施形態の不揮発性半導体メモリ装置であるフラッシュメモリ(チップ)の概略を示すブロック図である。
【0048】
図1に示すフラッシュメモリ10は、複数のメモリセルが設けられたメモリセルアレイ11を有している。メモリセルアレイ11は、前述の図16に示すメモリセルと同様の構成であり、このメモリセルは、フローティング(浮遊)ゲート電界効果トランジスタによって形成されている。メモリセルアレイ11には、データを格納するデータ領域が設けられている他に、データ書き込み時およびデータ消去時にて各メモリセルへの信号パルスを印加した後に行うベリファイ(検証)動作において、各メモリセルの閾値電圧が所定の閾値電圧に到達しているか否かを検証するために、メインメモリセルと比較するために使用するリファレンスセル(参照用メモリセル)が設けられている。尚、リファレンスセルは、図1に示すメモリセルアレイ11では省略されている。
【0049】
メモリセルアレイ11には、各ワード線WL0〜WLn−1に電圧を供給するワード線電圧供給回路12、共通ソース線SLに電圧を供給する共通ソース線電圧供給回路13および各ビット線BL0〜BLm−1に電圧を供給するビット線電圧供給回路14がそれぞれ接続されている。
【0050】
ワード線電圧供給回路12、共通ソース線電圧供給回路13およびビット線電圧供給回路14は、制御回路15によって制御される。
【0051】
ワード線電圧供給回路12は、制御回路15から出力される制御信号およびアドレス信号に基づいてメモリセルアレイ11の各ワード線WL0〜WLn−1を選択するとともに、データ書き込み制御信号をデータ書き込み(プログラム)電圧に昇圧して各ワード線WL0〜WLn−1に印加し各ワード線WL0〜WLn−1を駆動する。
【0052】
共通ソース線電圧供給回路13は、制御回路15から出力される制御信号およびアドレス信号に基づいて、メモリセルアレイ11内の同一ブロックに配置されている各メモリセルのソースを共通に接続した共通ソース線SLを選択するとともに、データ消去制御信号をデータ消去(イレース)電圧に昇圧して共通ソース線SLに印加し共通ソース線SLを駆動する。
【0053】
ビット線電圧供給回路14は、制御回路15から出力される制御信号およびアドレス信号に基づいて、メモリセルアレイ11のビット線BL0〜BLm−1を選択するとともに、データ書き込み/データ読出し制御信号を昇圧してビット線BL0〜BLm−1に印加しビット線BL0〜BLm−1を駆動する。
【0054】
尚、ビット線電圧供給回路14内には、データ書き込み時およびデータ消去時に行うベリファイ動作において、メモリセルとリファレンスセルとに流れる電流を比較して、それぞれの閾値電圧を検証し、各メモリセルにデータ書き込みパルスおよびデータ読出しパルスの印加を続行するか停止するかを示す信号を制御回路15に伝達する比較回路、および、データ読出し時にメモリセルを流れる電流を電圧に換算してセンスするセンスアンプ回路も設けられているが、ここでは省略している。
【0055】
本発明は、フラッシュメモリ10におけるメモリセルアレイ11の各ワード線WL0〜WLn−1へのデータ書き込み(プログラム)電圧の制御に関するものであり、ワード線電圧供給回路12について詳細に説明する。
【0056】
ワード線電圧供給回路12は、データ書き込み手段としてのワード線電圧制御回路12aと、各ワード線WL0〜WLn−1に対応するワード線ドライバ回路12bとから構成されている。ワード線ドライバ回路12bは、データ書き込み時のデータ書き込みパルス電圧、データ消去時のデータ消去パルス電圧およびデータ読出し時のデータ読出しパルス電圧をそれぞれ選択して出力するものであり、既存の切り替え回路により構成されているため説明は省略する。
【0057】
ワード線電圧制御回路12aは、データ書き込み時、データ消去時およびデータ読出し時に、各ワード線WL0〜WLn−1に印加する電圧を制御して出力する電圧制御回路から構成された電圧制御手段である。
【0058】
本実施形態では、ワード線電圧制御回路12aのデータ書込み動作について説明する。
【0059】
図2は、ワード線電圧制御回路12aの概要を示すブロック図である。図2に示すワード線電圧制御回路12aは、図1に示す制御回路15から出力される制御信号を受け取るデータ書き込み手段としてのプログラム/イレース制御回路21と、プログラム/イレース制御回路21に記憶データ信号を出力する記憶手段としてのゲート電圧記憶回路22と、プログラム/イレース制御回路21から出力される制御信号WLVS[3:0]に基づいてワード線の制御電圧を選択し出力する電圧出力手段としてのワード線レギュレータ回路23とを有する。
【0060】
尚、ワード線レギュレータ回路23は、ゲート電圧記憶回路22から直接記憶データ信号を受け取り、その記憶データ信号に基づいてワード線の制御電圧を生成しても良いが、本実施形態では、図2に示すワード線電圧制御回路12aの構成を用いて説明を行う。
【0061】
プログラム/イレース制御回路21は、制御回路15から出力される制御信号に基づいて、データ書き込み動作を開始しデータ書き込みパルスを各ワード線WL0〜WLn−1に印加する場合、ゲート電圧記憶回路22に記憶されているデータを参照し、その記憶データの内容を反映させた制御信号WLVS[3:0]を選択してワード線レギュレータ回路23に出力する。そして、データ書き込み(プログラム)動作の際には、ワード線電圧制御回路12a内のワード線レギュレータ回路23の出力信号HVPXがワード線ドライバ回路12bに出力される。尚、制御信号WLVS[3:0]は、WLVS3、WLVS2、WLVS1、WLVS0の四つの信号を表す。
【0062】
図3は、図2に示すワード線電圧制御回路12a内のワード線レギュレータ回路23の一例を示す回路図である。本実施形態では、1例として上記の制御信号WLVS[3:0]がワード線レギュレータ回路23内の抵抗値選択ロジック回路32に出力される場合を説明する。
【0063】
図3に示すワード線レギュレータ回路23は、インバータ型のレベルシフタ回路31の出力端子がPMOSトランジスタHPのゲート端子に接続され、レベルシフタ回路31の入力端子には、制御信号enが入力される。PMOSトランジスタHPのソース端子は、電源VPP(例えば、12V)に接続され、PMOSトランジスタHPのドレイン端子は、抵抗RH1を介して端子T15に接続されている。 端子T15には、15個の抵抗R1が直列に接続されており、各抵抗R1の接続点を端子T15側から端子T14〜T1とし、終端を端子T0とする。端子T0は、抵抗RL1を介してNMOSトランジスタLNのドレイン端子に接続され、NMOSトランジスタLNのソース端子は、アース(GND)に接続されている。NMOSトランジスタLNのゲート端子には、制御信号enが入力される。ここで、抵抗RH1、抵抗RL1および抵抗RH1と抵抗RL1との間の15個の抵抗R1は、電源VPPを分圧する分割電圧出力線を構成する。抵抗RH1は、電源VPPに対して最大分割電圧(上限値)を設定し、抵抗RL1は、電源VPPに対して最小分割電圧(下限値)を設定し、抵抗RH1と抵抗RL1との間の15個の抵抗R1は、最大分割電圧(上限値)と最小分割電圧(下限値)との間の電圧値を等分するように設定する。
【0064】
端子T15は、NMOSトランジスタHS15のドレイン端子に接続され、同様に、端子T14〜T0は、それぞれNMOSトランジスタHS14〜HS0のドレイン端子にそれぞれ接続される。NMOSトランジスタHS15〜HS0のソース端子は、共通に接続され、増幅器34の正極側入力端子に接続される。
【0065】
また、プログラム/イレース制御回路21から出力された制御信号WLVS[3:0]が抵抗値選択ロジック回路32に入力され、抵抗値選択ロジック回路32から制御信号H[15:0]として出力される。制御信号H[15:0]は、制御信号H15、制御信号H14、・・・、制御信号H1、制御信号H0の16個の信号を表し、制御信号H[15:0]であるH15、H14、・・・、H1、H0の各信号は、それぞれNMOSトランジスタHS15〜HS0のゲート端子にそれぞれ入力される。尚、図3に示す抵抗値選択ロジック回路32では、制御信号H[15:0]であるH15、H14、・・・、H1、H0の各信号が一箇所より出力されるように記述されているが、実際には、制御信号H[15:0]であるH15、H14、・・・、H1、H0の各信号の出力端子は、全て異なるように配置されている。
【0066】
増幅器34の出力端子は、NMOSトランジスタTRのドレイン端子に接続され、NMOSトランジスタTRのソース端子は、ワード線レギュレータ回路23の出力端子になるとともに、増幅器34の負極側入力端子に接続され、ボルテージフォロア回路が形成される。NMOSトランジスタTRのゲート端子には、昇圧された制御信号enが入力される。
【0067】
各NMOSトランジスタHS15〜HS0は、それぞれのゲート端子に入力される上記の制御信号H[15:0]に基づいて、各NMOSトランジスタHS15〜HS0の共通に接続されたソース端子からリファレンス信号を出力する。このリファレンス信号は、ボルテージフォロア回路を構成する増幅器34の正極側入力端子に入力され低インピーダンス化され、増幅器34の出力端子より出力される。増幅器34の出力端子より出力されたリファレンス信号は、NMOSトランジスタTRのドレイン端子に入力され、NMOSトランジスタTRのゲート端子に入力される制御信号enに基づいて、NMOSトランジスタTRのソース端子より出力信号HVPXとしてワード線ドライバ回路12bに出力される。
【0068】
各制御信号enは、データ書き込みパルス制御信号であり、データ書き込みパルス電圧が出力される場合、HIGHレベル状態となる。NMOSトランジスタTRは、ゲート端子に入力される制御信号enがHIGHレベル状態ではON状態になり、LOWレベルではOFF状態となる。
【0069】
抵抗値選択ロジック回路32は、プログラム/イレース回路21から出力される4ビットの制御信号WLVS[3:0]を受け取り、この制御信号WLVS[3:0]に基づいて、抵抗値選択ロジック回路32にて選択される制御信号H[15:0](制御信号H0〜H15)のいずれか1つをデコード(復号化)するデコーダである。
【0070】
プログラム/イレース制御回路21から出力される制御信号WLVS[3:0]は、4ビットにて構成されておりWLVS3、WLVS2、WLVS1、WLVS0の四つの信号を表す。このため、ゲート電圧記憶回路22には、2=16個のデータ(コントロールゲートの印加電圧に相当)が記憶されている。
【0071】
抵抗値選択ロジック回路32は、デコーダ回路であり、4ビットの制御信号WLVS[3:0]に応じて、下記の表2のように制御信号H[15:0]デコードする。
【0072】
【表2】
Figure 0004086583
表2に示すように、制御信号WLVS[3:0]が0000の場合、出力される制御信号H[15:0]は、制御信号H0である0000000000000001となり、NMOSトランジスタHS0がON状態となり、制御信号WLVS[3:0]が0001の場合、出力される制御信号H[15:0]は、制御信号H1である0000000000000010となり、NMOSトランジスタHS1がON状態となり、制御信号WLVS[3:0]が0010の場合、出力される制御信号H[15:0]は、制御信号H2である0000000000000100となり、NMOSトランジスタHS2がON状態となり、以下、同様にNMOSトランジスタHS3〜HS15が選択され、制御信号WLVS[3:0]が1111の場合、出力される制御信号H[15:0]は、制御信号H15である1000000000000000となり、NMOSトランジスタHS15がON状態となる。
【0073】
この場合、分割電圧出力線に接続されている16個のNMOSトランジスタHS0〜HS15は、抵抗値選択ロジック回路32の出力信号が制御信号H15であれば、制御信号H15が入力されるNMOSトランジスタHS15のみがON状態となり、その他の15個のNMOSトランジスタHS0〜HS14はOFF状態となる。これにより、制御信号H15に基づいてNMOSトランジスタHS15のドレイン端子からリファレンス信号が出力され、このリファレンス信号は、増幅器34およびNMOSトランジスタTRを経てNMOSトランジスタTRのソース端子より出力信号HVPXとしてワード線ドライバ回路12bに出力される。
【0074】
フラッシュメモリ10において、データ書き込み(プログラム)動作が開始され、各メモリセルのコントロールゲートにデータ書き込みパルス電圧が印加される場合には、図3に示すワード線レギュレータ回路23に供給される制御信号enがHIGHレベル状態となることによって、PMOSトランジスタHPおよびNMOSトランジスタLNがON状態となる。これにより、電源VPPが抵抗RH1、15個の抵抗R1および抵抗RL1が直列接続されている分割電圧出力線に印加され、端子T15と端子T0との間の各端子T15〜T0に電源VPPの分割電圧が発生する。本実施形態では、最大分割電圧(上限値)が8.8V、最小分割電圧(下限値)が7.3V、最大分割電圧(上限値)および最小分割電圧(下限値)間の分解能が0.1Vになるように、抵抗RH1、抵抗R1および抵抗RL1の抵抗値が設定されている。この結果、7.3V〜8.8Vの電圧値を有するリファレンス信号がデータ書き込みパルス電圧として出力される。
【0075】
このように、本発明のフラッシュメモリ10(チップ)は、各チップ毎にワード線レギュレータ回路23が設けられており、各チップが形成されたウエハのデータ書き込みテスト(ウエハテスト)を行い、そのテスト結果に基づいてデータ書き込み動作の際に、各チップ毎にメモリセルのコントロールゲートに印加する電圧が最適に設定される。
【0076】
すなわち、データ書き込みテストの際に、任意のデータ書き込みパルス電圧を各チップのメモリセルに1回(1パルス)印加して、データ書き込み動作の終了後のメモリセルの閾値電圧の分布から閾値電圧の最大値(Vtmax)および閾値電圧の最小値(Vtmin)を抽出し、閾値電圧の最大値または閾値電圧の最小値に基づいて各チップのメモリセルのコントロールゲートに印加する最適な電圧値を算出する。その最適な電圧値は、ゲート電圧記憶回路22に記憶データとして記憶される。
【0077】
そして、その記憶データに基づいた制御信号WLVS[3:0]がプログラム/イレース制御回路21からワード線レギュレータ回路23に出力され、制御信号WLVS[3:0]に対応した制御信号H[15:0]が選択され、選択された制御信号H[15:0]に基づいて各チップ毎のメモリセルのコントロールゲートに印加される所定のデータ書き込みパルス電圧が設定され出力される。
【0078】
ここで、プログラム/イレース制御回路21は、ゲート電圧記憶回路22に記憶されている記憶データを参照し、その記憶データの内容を反映させた制御信号WLVS[3:0]を選択して出力することによって、上記のデータ書き込み(プログラム)パルス電圧を変更することができる。尚、抵抗RH1、抵抗R1および抵抗RL1の抵抗値は、データ書き込みパルス電圧の標準(Typical)値を中心に標準値の上下に制御可能なように設定すれば良く、分割電圧の分解能および分割電圧の数は、抵抗の数、制御信号WLVSのビット数等を変更することによって、容易に実現できる。
【0079】
また、ゲート電圧記憶回路22は、同一のフラッシュメモリ10の通常のデータ格納領域以外のメモリセルブロック(Extra Block)を利用してデータを格納しても良いし、またはROM構成にされたデータを格納しても良い。
【0080】
さらに、ゲート電圧記憶回路22は、データ書き込みテスト時のテスト結果に基づいて算出されたデータを、データ書き込みテスト時に格納しても良いし、または完成されたデバイス(チップ)として出荷する前の最終テスト時(但し、この場合はパッケージにテスト用の設定端子が必要となる。)に格納しても良い。
【0081】
次に、フラッシュメモリ10(チップ)に対するデータ書き込みテストの第1の実施例を図4のフローチャートを基にして説明する。
【0082】
まず、チップ内のブロック0(但し、メインセルアレイ11内のブロックでなくても良く、このようなゲート電圧設定のための専用の上記メモリセルブロック(Extra Block)でも良い。)の各メモリセルに対して、1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧であるコントロールゲート電圧Vg(=Vgs)の印加を実行する(ステップS1)。
【0083】
この場合、メモリセルに印加する電圧条件は、各世代のデザインルールで製造されたチップ(例えば、0.18μmデザインルールで製造されたチップ等)によって異なるが、例えば、コントロールゲート電圧Vgsが8V、そのパルス電圧幅が1μsとする。
【0084】
コントロールゲート電圧Vgが印加されたデータ書き込み後、ブロック0内のメモリセルの閾値電圧Vtの分布における閾値電圧の最小値(Vtmin)の抽出を行なう(ステップS2)。(例えば、閾値電圧を測定して、最小値を決定する。)
閾値電圧の最小値(Vtmin)の抽出が完了すると、次にそのチップ内のメモリセルに最適なコントロール電圧Vgsを計算より求める(ステップS3)。
【0085】
この場合、図5に示すようなフラッシュメモリのデータ書き込み特性を利用する。図5は、メモリセルに印加するコントロールゲート電圧Vgsが変化した場合のコントロールゲート電圧Vgsに対応する閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。
【0086】
図5に示すように、コントロールゲート電圧Vgsが7.0V、7.5V、8.0V、8.5Vのように変化すると、各コントロールゲート電圧Vgsに対応するそれぞれの閾値電圧Vtの分布のピーク値は、コントロールゲート電圧Vgsが上昇するとともに上昇し、このピーク値の上昇はそれぞれのコントロールゲート電圧Vgsの上昇分に等しいΔVgs分だけ閾値電圧が上昇している。これにより、ΔVgs=ΔVtの関係が成立する。
【0087】
ここで、ターゲットとなる基準閾値電圧をVrefとし、例えば、Vref=5V以上とする場合、データ書き込みテストの際に、コントロールゲート電圧Vgsを印加し、その結果、閾値電圧の最小値Vtminが得られたとすると、この閾値電圧の最小値Vtminが基準閾値電圧Vref以上にするために必要なコントロールゲート電圧(計算で求めるべきゲート電圧)Vgstは、上記のΔVgs=ΔVtの関係から
Vgst=Vgs−(Vtmin−Vref)・・・(1)
となる。
【0088】
この場合、(1)式において、Vgs=8.0V、Vref=5.0V、データ書き込みテスト後の閾値電圧の最小値Vtminが、例えば、Vtmin=4.82Vであるとすると、(1)より
Vgst=8V−(4.82V−5V)=8.18V
となる。
【0089】
ワード線レギュレータ回路23から出力される電圧の分解能は、0.1Vであるので、この場合は上記電圧値を切り上げし、コントロールゲート電圧Vgst=8.2Vとなる。したがって、図2に示すゲート電圧記憶回路22には、8.2Vの電圧値が記憶される。
【0090】
また、データ書き込みスピードの速いfastチップ(デバイス)の場合、1回のデータ書き込みパルス電圧の印加では(1)式のVtminが5.5Vであるので、
Vgst=8V−(5.5V−5V)=7.5V
となる。したがって、7.5Vの電圧値がゲート電圧記憶回路22に記憶される。
【0091】
さらに、データ書き込みスピードの遅いslowチップの場合、1回のデータ書き込みパルス電圧の印加では(1)式のVtminが4.5Vであるので、
Vgst=8V−(4.5V−5V)=8.5V
となる。したがって、8.5Vの電圧値がゲート電圧記憶回路22に記憶される。
【0092】
この結果、各チップ(デバイス)毎のメモリセルの電気的特性に応じて、データ書き込み(プログラム)パルス電圧を変更することにより、図6に示すように、fastチップ、typicalチップおよびslowチップの各メモリセルの電気的特性にかかわらず、データ書き込みの後のそれぞれのメモリセルの閾値電圧Vtの分布は5.0Vから約6.0V付近の間に分布する。
【0093】
これにより、データ消去の際にメモリセルのトンネル酸化膜に、半導体基板とフローティングゲートとの間の電界に起因する余分なストレスが印加されることがなくなり、フラッシュメモリのデータ保持の信頼性の劣化が防止できるとともに、1回のデータ書き込みパルス電圧の印加によりメモリセルの閾値電圧が基準閾値電圧以上となり、データ書き込みスピードの低下も防止できる。
【0094】
次に、フラッシュメモリ10(チップ)に対するデータ書き込みテストの第2の実施例を説明する。
【0095】
実際のチップ(デバイス)において、各チップ間におけるメモリセルの閾値電圧の分布のバラツキだけでなく、同一のチップ内のブロック間においてもメモリセルの閾値電圧の分布のバラツキが発生する。このような場合の閾値電圧の分布のバラツキの一例を図7に示す。図7に示すような閾値電圧バラツキの原因としては、メモリアレイにおけるコントロールゲート電圧およびドレイン電圧の配線抵抗による電圧低下が考えられ、この電圧低下により、結果としてブロック間の各メモリセルの閾値電圧のバラツキが生じると考えられる。
【0096】
このような場合、各メモリセルの閾値電圧のバラツキにより、1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧の印加では、データ書き込みが完了しないブロックが発生し、ブロック間の各メモリセルのデータ書き込みスピードにバラツキが生じる。このようなチップに対するデータ書き込みテストのフローチャートを図8に示す。
【0097】
ステップS4、S5およびS6の手順は、図4に示す第1の実施例のステップS1、S2およびS3の手順と同様であり、コントロールゲート電圧を決定する式が(1)式と異なり、次式となる。
【0098】
Vgst=Vgs−(Vtmin−Vref)+Vc・・・(2)
(2)式のVcは、ブロック間の閾値電圧のバラツキの補正値であり、例えば、0.2V程度である。
【0099】
このように、ブロック間の閾値電圧のバラツキを補正することよって、チップ内の全ブロックにて1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧の印加によりデータ書き込みが完了でき、安定したデータ書き込みスピードを実現することが可能となる。
【0100】
この場合は、チップ内のブロック単位毎にデータ書き込みテストを行い、その結果に基づいて算出した値として、ゲート電圧記憶回路22に、さらにVcの値とブロック番号が記憶されることになる。
【0101】
これにより、例えば、ブロック0では、
Vgst=Vgs−(Vtmin−Vref)の値、
ブロック1では、
Vgst=Vgs−(Vtmin−Vref)+Vcの値、
ブロック2では、
Vgst=Vgs−(Vtmin−Vref)+2Vcの値
のようにブロック単位毎に異なるコントロールゲート電圧の値がワード線に出力される。
【0102】
尚、一般的にフラッシュメモリのメモリセル、ワード線駆動回路、ビット線駆動回路、共通ソース線駆動回路のレイアウトが決定されるとパターン配線長等が決まることから、ブロック毎のメモリセルの閾値電圧の分布の補正傾向が決まってしまう。このため、上記のブロック番号の記憶は不用となり、製造プロセスのバラツキから発生するVcの値のみを記憶し、各ブロック毎に所定のVcの値を振り分けても良い。また、各ブロック毎にこのVcを設定するのではなく、ワースト値のVcを固定して使用しても良い。
【0103】
次に、フラッシュメモリ10(チップ)に対するデータ書き込みテストの第3の実施例を説明する。
【0104】
実際のフラッシュメモリ10において、データ書き込みおよびデータ消去を交互に繰り返すE/W特性が重要となる。図22は、メモリセルに1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧を印加後、10万回のE/W特性を確認し、その後1回(1パルス)のデータ書き込み電圧を印加したメモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。図22に示すように、10万回のE/W特性を確認後に1回の(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧を印加したメモリセルの閾値電圧Vtの分布は、10万回のE/W特性を確認する前の分布と比較して低電圧側にシフトしている。これにより、データ書き込みおよびデータ消去を交互に繰り返した後のメモリセルの閾値電圧に分布も基準閾値電圧以上になるように保証する必要がある。
【0105】
このような場合のチップに対するデータ書き込みテストのフローチャートを図9に示す。
【0106】
ステップS7、S8およびS9の手順は、図8に示す第2の実施例のステップS4、S5およびS6の手順と同様であり、コントロールゲート電圧を決定する式が(2)式と異なり、次式となる。
【0107】
Vgst=Vgs−(Vmin−Vref)+Vc+Vcew・・(3)
(3)式のVcesは、データ書き込みおよびデータ消去を交互に繰り返し(E/W)後の閾値電圧Vtの分布の低電圧側へのシフトを見込んだ補正値であり、例えば0.2V程度である。
【0108】
したがって、このような補正値を追加することにより、データ書き込みおよびデータ消去を交互に繰り返し(E/W)後においても1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧の印加によりデータ書き込みが完了でき、データ書き込みスピードの低下が防止できる。
【0109】
ここで、データ書き込みテストの第1の実施例に対する補正として、
Vgst=Vgs−(Vmin−Vref)+Vcew・・・(4)
としても良い。
【0110】
この場合は、データ書き込みテストの実施後のテスト結果を基に算出した値にVcewを加味した値を、ゲート電圧記憶回路22に記憶させれば良い。また、データ書き込みテスト後のテスト結果に基づいて算出した値とVcewの値を別々にゲート電圧記憶回路22に記憶しておき、別途、上記E/Wの回数をカウントするカウンタ回路を設置し、最初は、第1の実施例または第2の実施例にてそれぞれ算出した(1)式または(2)式で表されるコントロールゲート電圧をワード線に出力し、カウンタ回路が所定の回数の値に達した後、ワード線にVcewを加算した値となる(4)式で表されるコントロールゲート電圧を出力しても良い。
【0111】
次に、複数の異なるデータ(情報)の記憶が可能な多値フラッシュメモリ(チップ)に対するデータ書き込みテストの第4の実施例を説明する。
【0112】
多値フラッシュメモリである四値フラッシュメモリの各メモリセル閾値電圧の分布状態を図10に示す。図10に示すように、四値フラッシュメモリでは、Data“11”がデータ消去(イレース)状態、Data“10”がデータ書き込み(プログラム)状態、Data“01”がデータ書き込み(プログラム)状態、Data“00”がデータ書き込み(プログラム)状態の4つの状態が存在する。
【0113】
本実施例では、特に、Data“10”の基準閾値電圧3.7V〜4.0Vの場合のデータ書き込みテストについて説明する。
【0114】
Data“10”についてデータ書き込みを行なう場合に、メモリセルのコントロールゲートに印加する電圧波形を図11に示す。図11に示すように、この場合、メモリセルに印加される最初(start)のコントロールゲート電圧(ワード線への印加電圧)は、Vg10である。一方、図11に示すゲート電圧ステップのデータ書き込み(プログラム)アルゴリズムを用いた場合の閾値電圧の変化を図12に示す。
【0115】
例えば、基準閾値電圧が3.7Vのベリファイセルを用いる場合、最初のデータ書き込みパルス電圧の印加をゲート電圧Vg10で実施し、次に、ベリファイ(検証)を実施する。ここで、ベリファイは、データ書き込みパルス電圧を印加後のメモリセルの閾値電圧を検証することであり、データ読出しと同じ方式で行い、図18に示すのデータ読出し用のリファレンスセル186に換えて、データ書き込みベリファイ用のリファレンスセル(ベリファイセル)を用いる。
【0116】
データ書き込みの実施後、閾値電圧が3.7V以上と判断された場合、それらのメモリセルへのデータ書き込みパルス電圧の印加を終了する。(具体的には、ドレイン電圧を出力しない。)
一方、データ書き込みの実施後、閾値電圧が3.7V以下のメモリセルに対しては、再度データ書き込みパルス電圧を印加する。この場合のゲート電圧は、図11に示すVg10+ΔVgである。ΔVgは、例えば、200mVである。尚、この値は、分布幅をいくつに設定したかによって決定され、理論的には、分布幅が200mVならΔVt=ΔVgとなる。
【0117】
データ書き込みパルス電圧を印加後、再び、ベリファイを行なう。ここで、メモリセルの閾値電圧が3.7V以上であると判断されると、データ書き込みパルス電圧の印加を停止し、もし、閾値電圧の3.7V以下のメモリセルが存在していれば、ゲート電圧をVg10+2×ΔVgとして、データ書き込みパルス電圧を印加する。このように、全てのメモリセルの閾値電圧が3.7V以上となるまで、この動作を繰り返す。
【0118】
また、Data“01”およびData“00”のデータ書き込むを行う場合、データ書き込み(プログラム)パルス電圧のstartゲート電圧を、それぞれVg01、Vg00としてデータ書き込み(プログラム)を行なう。この場合のベリファイセルの基準閾値電圧をそれぞれ、4.7V、5.7Vとして、上記と同様の方式でデータ書き込みを行う。
【0119】
ここで、図11に示すゲート電圧(Program start電圧)を固定した場合、第1の実施例にて説明したように、各チップ毎にメモリセルの閾値電圧の分布のバラツキがあるため、各チップ毎に上記ゲート電圧を同一に設定すると、明らかに閾値電圧の分布のバラツキが発生し、前述のデータ書き込みスピードの劣化およびデータ書き込み後のデータ読み出しエラーが発生する。
【0120】
このような四値フラッシュメモリにおける問題点を改善したデータ書き込みテストのフローチャートを図13に示す。
【0121】
図13に示すように、チップ内の任意のブロック(例えば、ブロック0またはゲート電圧決定のための専用ブロック(Extra Block))の各メモリセルに対して、1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧であるコントロールゲート電圧Vgを印加してデータ書き込み(プログラム)を実施する(ステップS10)。
【0122】
例えば、コントロールゲート電圧Vg=6V、そのパルス電圧幅1μsにて、1回のデータ書き込みパルス電圧の印加を行なった場合のデータ書き込み後のメモリセルの閾値電圧の分布を図14に示す。
【0123】
このチップの任意のブロック内のメモリセルの閾値電圧の分布を測定し、閾値電圧の最大値(Vtmax)および閾値電圧の最小値(Vtmin)の値を抽出する(ステップS11)。
【0124】
ここで、図14に示すように、例えば、閾値電圧の最大値(Vtmax)=4.4V、閾値電圧の最小値(Vtmin)=3.4Vとする。多値フラッシュメモリの場合では、閾値電圧の最大値(Vtmax)の値が必要となる。閾値電圧の最大値(Vtmax)の値が必要となる理由は、4種類のデータのデータ読み出しエラーを防止するため、各データに対応するメモリセルの閾値電圧の分布の広がりを抑える必要があるからである。これにより、多値フラッシュメモリでは、閾値電圧の上限値および下限値を考慮しなければならず、図12に示すように、閾値電圧の最大値(Vtmax)付近に閾値電圧の分布を収束させるようにデータ書き込みを行う。また、補正値Vcもマイナスで挿入されている。
【0125】
これらの値を用いて、まず、Data“10”のデータ書き込み(プログラム)のためのコントロールゲート電圧Vg10を(5)式にて計算する(ステップS12)。
【0126】
Vg10=Vgs−(Vtmax−Vth10)−Vc・・・(5)
(5)式のVcはブロック間のバラツキを補正する電圧であり、Vth10はData“10”のベリファイを行う際のベリファイセルの基準閾値電圧であり、この場合、基準閾値電圧を3.7Vとする。
【0127】
Vcはメモリセルの電気的特性のバラツキを保証するため電圧値であり、この場合、0.4V程度である。
【0128】
また図13に示すように、Data“01”およびData“00”については、ベリファイ用のリファレンスセルの基準閾値電圧がそれぞれ4.7Vおよび5.7Vである。このため、これらの基準閾値電圧は、Data”10”の基準閾値電圧の3.7Vとそれぞれ1.0Vおよび2.0Vの違いがある。
【0129】
これにより、Data”01”およびData”00”のデータ書き込み(プログラム)のためのコントロールゲート電圧Vg01およびVg00をそれぞれ(6)および(7)式にて計算する(ステップS13およびS14)。
【0130】
Vg01=Vg10+1V・・・(6)
(一般的表示では、Vg01=Vg10+(Vth01―Vth10))
Vg00=Vg10+2V・・・(7)
(一般的表示では、Vg00=Vg10+(Vth00―Vth10))
以上のように、データ書き込みテストの結果から算出したコントロールゲート電圧の値を、データ電圧記憶回路22に記憶させれば良い。そして、データ書き込みパルス電圧の印加時に、Data“10”、Data“01”およびData“00”に対応するデータをデータ電圧記憶回路22から読み出し、コントロールゲート電圧に変換してワード線に出力すれば良い。
【0131】
尚、四値フラッシュメモリでは、4種類のデータのデータ読み出しエラーを防止するため、各データに対応するメモリセルの閾値電圧の分布の広がりを抑える必要があることから、補正値Vcを挿入しているが、チップ内のブロック間のメモリセルの閾値電圧の分布のバラツキが無視できる範囲であれば、Vcの値は入れなくとも良い。また、データ書き込みおよびデータ消去を交互に繰り返す(E/W)ことを考慮して補正値Vcewを挿入しても良い。
【0132】
ここで、四値フラッシュメモリでは、4種類のデータに対応する閾値電圧の分布の広がりを抑えるため、図3に示すワード線レギュレータ回路23内の分割電圧出力線を構成する抵抗R1の個数を2倍にするとともに、4ビットの制御信号WLVSをさらに1ビット増加することにより抵抗値選択ロジック回路32から出力される制御信号Hも32種類選択できるように設定できる。これにより、四値フラッシュメモリのワード線レギュレータ回路23は、最大分割電圧および最小分割電圧の間の分解能が0.05V単位である回路構成となる。
【0133】
このような方式を用いてデータ書き込み(プログラム)を行うと、各チップにてメモリセルの閾値電圧のバラツキが生じても、ウエハ内の全チップにおけるメモリセルの閾値電圧の分布は、図10に示す各データ毎に完全に分離された分布となる。この場合、データ書き込み完了に必要なデータ書き込みパルス電圧の印加回数(パルス回数)は、図12に示すように全チップにて同じであり約6回程度となる。
【0134】
以上、この方式を用いた四値フラッシュメモリは、各チップ毎に最適なデータ書き込みゲート電圧の設定が可能となり、データ書き込みスピードおよびメモリセルの閾値電圧の分布幅の最適化が図れる。これにより、データ読み出しエラーを防止し、信頼性の高い四値フラッシュメモリ(デバイス)の実現が可能となる。
【0135】
次に、四値フラッシュメモリ(チップ)に対するデータ書き込みテストの第5の実施例を説明する。
【0136】
第4の実施例での四値フラッシュメモリのデータ書き込みは、Data”00“に関してもゲート電圧ステップのデータ書き込み(プログラム)アルゴリズムを用いて行っているが、実際には、データ書き込み時間を可能な限り低減したい。Data“00”は、閾値電圧が5.7V以上あれば良く、他のデータのData“01”およびData“10”と比較して閾値電圧の分布の広がりを抑える必要はない。このため、Data“00”のデータ書き込みは、1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧の印加にて行なう場合がある。
【0137】
このような場合のデータ書き込みテストのフローチャートを図15に示す。ステップS15、S16、S17、S18およびS19の手順は、図13に示す第4の実施例のステップS10、S11、S12、S13およびS14の手順と同様であり、Data“00”のコントロールゲート電圧を決定する式が(7)式と異なり、下記のような計算式となる。
【0138】
Vg00=Vg10+2V+(Vtmax−Vtmin)・・(8)
(一般的表示では、Vg00=Vg10+(Vth00−Vth10)+(Vtmax−Vtmin))
これにより、最終のData“00”を1回(1パルス)のデータ書き込みパルス電圧の印加にて、5.7V以上の閾値電圧となるメモリセルへのデータ書き込みが可能となり、データ書き込み時間の短縮が図れる。
【0139】
以上、データ書き込みテストを行い、そのテスト結果に基づいて各チップ毎にデータ書き込みパルス電圧が設定されることによって、データ読み出しエラーを防止し、信頼性の高い四値フラッシュメモリが実現できる。
【0140】
また、データ書き込みテストの第4および第5の実施例にて説明した四値フラッシュメモリは、メモリセルの各データに対応する閾値電圧の分布の広がりをさらに狭くできることから、一層の記憶データの多値化が図れる。
【0141】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置であるフラッシュメモリは、データ書き込み方式が、各チップ単位にて最適なデータ書き込みパルス電圧が設定される方式であるとともに、チャネルホットエレクトロン方式、または、FN(Fowler−Nordheim)トンネル現象を用いた方式等にも適用できるものであり、所定のデータ書き込み方式に限定されるものではない。
【0142】
また、本発明の不揮発性半導体メモリ装置であるフラッシュメモリは、NOR型、NAND型、AND型等のメモリセルアレイ構造にも限定されるものではないし、トリプルウェル構造等のメモリセルの構造にも限定されるものではない。
【0143】
【発明の効果】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置は、電気的に情報の書き込みおよび消去が可能な複数のメモリセルが行方向および列方向に配置され、メモリセルの制御端子が行方向の各行線に接続され、メモリセルの駆動端子が列方向の各列線に接続されており、各行線に印加する制御電圧を制御する電圧制御手段が、チップ毎の該複数のメモリセルの閾値電圧分布に応じて、該閾値電圧分布を所定範囲に収めるように求められた値を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納された値を用いて該制御電圧を各行線にそれぞれ出力する電圧出力手段とを有することにより、各チップ(デバイス)毎にデータ書き込み(プログラム)後のメモリセルの閾値電圧Vtの分布を制御し、データ保持の信頼性の劣化およびデータ書き込みスピードの低下が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の不揮発性半導体メモリ装置であるフラッシュメモリの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明のフラッシュメモリに設けられたワード線電圧制御回路の概要を示すブロック図である。
【図3】図2に示すワード線電圧制御回路内のワード線レギュレータ回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明のフラッシュメモリに対するデータ書き込みテストの第1の実施例を示すフローチャートである。
【図5】ゲート電圧が変化した場合のメモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。
【図6】fastチップ、typicalチップおよびslowチップにおけるデータ書き込みの後の各メモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。
【図7】同一のチップ内でのブロック間におけるメモリセルの閾値電圧の分布のバラツキを示すグラフである。
【図8】本発明のフラッシュメモリに対するデータ書き込みテストの第2の実施例を示すフローチャートである。
【図9】本発明のフラッシュメモリに対するデータ書き込みテストの第3の実施例を示すフローチャートである。
【図10】四値フラッシュメモリの各データに対応する閾値電圧の分布状態を示すグラフである。
【図11】四値フラッシュメモリにData“10”のデータ書き込みを行なう場合のメモリセルのコントロールゲートに印加する電圧波形を示すグラフである。
【図12】図11に示すゲート電圧ステップのデータ書き込み(プログラム)アルゴリズムを用いた場合の閾値電圧の変化を示すグラフである。
【図13】本発明のフラッシュメモリに対するデータ書き込みテストの第4の実施例を示すフローチャートである。
【図14】1回のデータ書き込みパルス電圧の印加を行なった場合のデータ書き込み後のメモリセルの閾値電圧の分布を示すグラフである。
【図15】本発明のフラッシュメモリに対するデータ書き込みテストの第5の実施例を示すフローチャートである。
【図16】ETOX型フラッシュメモリのメモリセルの模式的な断面図である。
【図17】二値フラッシュメモリ内に設けられたメモリセルの閾値電圧の分布を示すグラフである。
【図18】センスアンプ回路の概略の構成を示す回路図である。
【図19】メインアレイのメモリセルであるメインセルの1ブロックの構成を示す回路図である。
【図20】データ書き込み後におけるメモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。
【図21】fastチップ、typicalチップおよびslowチップにおけるデータ書き込みの後の各メモリセルの閾値電圧Vtの分布を示すグラフである。
【図22】データ消去動作およびデータ書き込み動作が交互に繰り返された後のメモリセルの閾値電圧の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10 フラッシュメモリ
11 メモリセルアレイ
12 ワード線電圧供給回路
12a ワード線電圧制御回路
12b ワード線ドライバ回路
13 共通ソース線電圧供給回路
14 ビット線電圧供給回路
15 制御回路
21 プログラム/イレース制御回路
22 ゲート電圧記憶回路
23 ワード線レギュレータ回路
31 レベルシフタ回路
32 抵抗値選択ロジック回路
34 増幅器

Claims (10)

  1. 複数の異なる情報である多値情報電気的な書き込みおよび消去が可能な複数のメモリセルが行方向および列方向に配置されており、該メモリセルの制御端子が行方向の各行線に接続され、該メモリセルの駆動端子が列方向の各列線に接続されている不揮発性半導体メモリ装置において、
    前記メモリセルに前記多値情報を書き込む際に前記各行線に印加される制御電圧を制御する電圧制御手段と、
    前記制御電圧の印加後に前記メモリセルにおける前記多値情報の閾値電圧を検証するために使用され、前記多値情報に対して所定の基準閾値電圧がそれぞれ設定された複数のベリファイセルとを備え、
    前記電圧制御手段は、チップ毎の複数のメモリセルの閾値電圧分布に応じて、該閾値電圧分布を所定範囲に収めるように求められた前記制御電圧の値を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納された値を用いて前記制御電圧を前記各行線にそれぞれ出力する電圧出力手段とを有し、
    前記基準閾値電圧が最も高い前記ベリファイセルに対応した情報以外の所定の情報を書き込む場合に前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、該所定の情報の書き込み後の閾値電圧分布より該閾値電圧の最大値を抽出し、その最大値と該所定の情報に対応する前記基準閾値電圧との差分を取り、その差分に基づいて算出されることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  2. 複数の異なる情報である多値情報電気的な書き込みおよび消去が可能な複数のメモリセルが行方向および列方向に配置されており、該メモリセルの制御端子が行方向の各行線に接続され、該メモリセルの駆動端子が列方向の各列線に接続されている不揮発性半導体メモリ装置において、
    前記メモリセルに前記多値情報を書き込む際に前記各行線に印加される制御電圧を制御する電圧制御手段と、
    前記制御電圧の印加後に前記メモリセルにおける前記多値情報の閾値電圧を検証するために使用され、前記多値情報に対して所定の基準閾値電圧がそれぞれ設定された複数のベリファイセルとを備え、
    前記電圧制御手段は、チップ毎の複数のメモリセルの閾値電圧分布に応じて求められた前記制御電圧の値を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納された値を用いて前記制御電圧を前記各行線にそれぞれ出力する電圧出力手段とを有し、
    前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報を書き込む場合に前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、該情報の書き込み後の閾値電圧分布より該閾値電圧の最大値および最小値を抽出し、その最大値および最小値の差分を取り、その差分に基づいて算出されることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  3. 前記メモリセルは、浮遊ゲート電界効果トランジスタである請求項1または2に記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  4. 前記電圧出力手段は、前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値に基づいて前記制御電圧を選択する電圧選択手段が設けられている請求項1または2に記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  5. 前記記憶手段に格納される前記制御電圧の値は、前記チップ内のブロック間での閾値電圧分布のバラツキを考慮した補正値が追加されている請求項1〜4のいずれか一つに記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  6. 前記補正値には、前記情報の書き込みおよび消去を交互に繰り返した後の閾値電圧分布のシフト量がさらに追加されている請求項5に記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  7. 前記チップ毎の前記複数のメモリセルの閾値電圧分布は、ウエハテストの際に測定されている請求項1または2に記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  8. 前記ウエハテストでは、情報の書き込みパルス電圧が1回印加されて請求項7に記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  9. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ装置におけるデータ書き込み制御方法であって、
    前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報以外の所定の情報をメモリセルに書き込む工程と、
    該所定の情報の書き込み後の閾値電圧分布より、該閾値電圧の最大値を抽出する工程と、
    該閾値電圧の最大値と前記基準閾値電圧との差分に基づいて、前記制御電圧の値を求める工程と、
    求められた制御電圧の値を記憶手段に格納する工程と、
    を包含するデータ書き込み制御方法。
  10. 請求項2に記載の不揮発性半導体メモリ装置におけるデータ書き込み制御方法であって、
    前記基準閾値電圧が最も高いベリファイセルに対応した情報をメモリセルに書き込む工程と、
    該情報の書き込み後の閾値電圧分布より、該閾値電圧の最大値および最小値を抽出する工程と、
    該閾値電圧の最大値と最小値との差分に基づいて、前記制御電圧の値を求める工程と、
    求められた制御電圧の値を記憶手段に格納する工程と、
    を包含するデータ書き込み制御方法。
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