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JP4087601B2 - 熱間圧延による条鋼材の製造方法 - Google Patents
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JP4087601B2 - 熱間圧延による条鋼材の製造方法 - Google Patents

熱間圧延による条鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間圧延による条鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
線材、棒鋼、板材などの熱間圧延製品においては、その表面品質に着目した場合、その表面疵が大きな問題となる。表面疵には様々なものがあるが、この中でも改善が難しく、従来から大きな問題となっている疵として、スケールを鋼材に押し込むことによって生じるスケール押し込み疵がある。
熱間圧延製品を得るにあたっては、かかるスケール押し込み疵を少なくすることが重要である。
【0003】
かかる点に鑑み、通常、熱間圧延製品は、鋼材を加熱炉で1000℃〜1200℃の温度で数十分から数時間加熱した後に、前記鋼材にスケール剥離装置(デスケーラともいう)により脱スケール処理を施し、その後に熱間圧延を行って製造されている。このデスケーラは、鋼材に高圧水を当てることにより、加熱炉内で発生したスケールを剥離させる。
しかし、発生したスケールを全て剥離させるのは困難である。かかる点に鑑み、スケール剥離性を改善する手段が様々に提案されている。例えば、特開平9−155436公報及び特開平9−155437公報には、Si含有鋼、Ni含有鋼のスケールを剥離させるためのデスケーラ吐出圧力、あるいは材料との衝突圧力を規定した熱延鋼板の製造方法(従来例1、従来例2)が開示されている。
【0004】
また、特開2000−15323には、Siを0.1重量%以上含有する熱延鋼板において、ストレートノズルの後にフラットノズルを用いて、スケール剥離を行うためのデスケーリング方法(従来例3)に関して開示されている。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかし、上述の従来例については、以下の問題点がある。
すなわち、従来例1及び2については、本発明者らが実験した結果によると、デスケーラの圧力を上げることにより、一般的なスケール(FeO、Fe23、Fe34)の剥離性は確かに向上するが、Si、Ni、Cr等を含有している鋼種では、これらの合金元素がFeOと地金界面に濃化してしまい(以下、サブスケールという。)、この濃化したサブスケールは、デスケーラ圧力、及び衝突圧を大きくしても完全な剥離は不可能であった。この傾向は、特に元々の材料の全周が製品となるような線材や棒鋼等の条鋼材の圧延では顕著であった。この問題以外にも、デスケーラ吐出圧力を上げることは、鋼材の温度低下による割れや、設備投資、及び設備自体が大きくなることなどの観点から実用的ではない。
【0006】
また、従来例3については、次のような問題点がある。
すなわち、先述したように、Siが含有された鋼は、地金とFeOとの間にサブスケールが濃化する。このサブスケールは、FeOのようにボイドを有するスケールではなく、地金と完全に密着したスケールである。そのため、ストレートノズルで一部のサブスケールを破壊し、次に高圧水を噴射しても、サブスケールが周りのスケールを伴って完全に剥離することはない。
また、ストレートノズルの高圧水のために、スケールの下にある地金(Fe)表面に溝ができてしまい、もしもその後のフラットノズルデスケーラで他のサブスケールが剥離したとしても、表面の凹凸が逆に表面疵の原因となってしまう。つまり、従来例3におけるスケール剥離方法においては、地金と完全に密着したスケール自体の構造・性状を変化させるものではないため、スケールの剥離性の向上は不十分であり、場合によっては更なる表面疵の原因を形成してしまう。
【0007】
一方、熱間圧延スラブを加熱炉で加熱する場合に、炉内雰囲気中に水分を供給すれば、スラブ表層の鋳造欠陥が容易にスケールオフでき、これによって表面品質が良好な熱延鋼板が得られることが知られている(特開平5−331531号公報:従来例4)。
従って、上記従来例4によれば、一般的な鋼種について発生するスケール(FeO、Fe23、Fe34)の剥離性は確かに向上すると考えられるが、当該従来例4においても、Si、Ni、Cr等を含有しているために加熱炉内で濃化したサブスケールが発生するような鋼種で、かつ、スラブよりもデスケール作業が更に困難な条鋼材の場合については、加熱炉内における水分供給がスケールの生成にどの程度有効であるかについてはまったく考慮されていない。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、加熱炉内で濃化したサブスケールが発生する鋼種の条鋼材であっても、その生成したサブスケールを確実に剥離できるようにして、表面品質に優れた熱間圧延による条鋼製品を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を採用した。
すなわち、本発明は、上流側から、予熱ゾーン、加熱ゾーン、均熱ゾーンを有する加熱炉を用いて、サブスケールの発生原因となる合金元素を含有する条鋼材を連続的に搬送しつつ加熱し、加熱後の条鋼材を熱間圧延して条鋼材を製造する方法において、前記条鋼材を加熱炉内において「均熱温度が1100℃以上でかつ均熱時間が10分以上」又は「均熱温度が1200℃以上でかつ均熱時間が5分以上」で加熱し、さらに、前記均熱ゾーン内に在する前記条鋼材に対して均熱ゾーンの搬出口側から直接水蒸気を供給し、その後、前記加熱炉の下流側であって均熱ゾーンに続く位置において当該条鋼材にスケール剥離処理を施してから、スケール剥離後の条鋼材を熱間圧延することを特徴とする。
【0010】
鋼材は熱間圧延される前に加熱炉内であらかじめ加熱されるが、このとき様々な原因により、加熱中の鋼材にスケールが形成されてしまう。このスケールは、スケール内の気孔が大きくなるほど、鋼材からの剥離が容易になる傾向がある。この傾向に着目すれば、個々のスケール形成が促進されて、個々のスケール内部の気孔が大きくなれば、鋼材加熱後のスケール剥離性が全体として向上することになる。スケール剥離性がよければ、その後得られる熱間圧延材の品質が良くなる。
【0011】
従って、前記従来例4においても報告されている通り、鋼材を加熱するにあたって、加熱炉内に水を供給すると、すなわち、加熱炉内に直接水蒸気を供給しながら鋼材を加熱すると、スケール内の気孔の成長を効果的に促進して個々のスケールが鋼材から離脱し易くなり、その結果、スケールの剥離性が高まって品質のよい熱間圧延材を得ることができる。
しかし、後述する実施例で述べる通り、本願発明者らが種々に実験を重ねたところ、Si、Ni、Cr等の濃化したサブスケールの発生原因となる合金元素を含有する条鋼材の場合には、通常の均熱温度及び均熱時間で水を供給しながら加熱しても、その後のスケール剥離装置において完全にスケールを剥離することができないことが明らかとなった。
【0012】
そして、その実験により、加熱炉において、(a)均熱温度を1100℃以上でかつ均熱時間を10分以上するか、(b)均熱温度を1200℃以上でかつ均熱時間を5分以上にすれば、サブスケールの発生原因となる合金元素を含有する条鋼材の場合であっても、通常の熱間圧延ラインで使用される一般的な吐出圧のデスケール装置によって、スケールを除去できることが明らかとなった。
従って、本発明方法によれば、上記の条件(a)又は(b)の下で条鋼材を加熱することにより、加熱炉内で濃化したサブスケールが発生する鋼種の条鋼材であっても、その生成したサブスケールを確実に剥離することができ、表面品質に優れた熱間圧延による条鋼製品を得ることができる。
【0013】
なお、加熱炉内では燃料ガスが燃焼しているため、炉内雰囲気中には燃焼によりCO2、CO、H2O等が生成されている。つまり、上述のような炉内への水蒸気の供給をしない状況下であっても、H2Oは存在している。本発明において供給される水蒸気は、加熱中の鋼材表面に添加されて鋼材表面のスケール内の気孔が成長するように、積極的に炉内に供給されるものである
また、均熱ゾーン内への水蒸気の供給が当該均熱ゾーン内の搬出口において行われる理由は、スケールは、その形成後に長時間加熱されるほど鋼材からの剥離性が悪化する性質があるところ、上記のように加熱炉内の搬出口付近で水分を供給するようにすれば、スケールの成長から剥離工程に至るまでの加熱時間が短くなり、スケールの剥離性が損なわれるのが防止できるからである。
【0014】
本発明方法において、前記スケール剥離処理に用いられるスケール剥離装置の吐出圧力は50kg/cm2以上に設定されていることが好ましい。その理由は、スケール剥離装置の吐出圧力が50kg/cm2以上であれば、スケールの剥離を短時間で効率よく行うことができ、残存スケールを効果的に減らすことができるからである。
また、前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給量は1.25kg以上であることが好ましい。その理由は、供給される水蒸気が1.25kg以上であれば、スケール内における気孔の成長が効果的に促進されてスケール剥離性が確実に高まり、良好な熱間圧延材を得ることができるからである。
【0015】
また、前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給量は50kg/hr以上であることが好ましい。水蒸気の供給量が少なくともこの程度あれば、スケール内の気孔の成長が促進され、鋼材から剥離されやすい性状を得ることができる。なお、水蒸気の供給量が150kg/hr以上にすれば、更によいスケール剥離性が得られる。
また、前記均熱ゾーン内への水蒸気の放出方向は同加熱炉内の炎の噴出方向と同一であるとよい。こうすることで、水蒸気の噴出により特に低負荷燃焼時のバーナの炎の直進性が確保され、バーナによる鋼材の加熱効率が高まる点で好ましい。
【0016】
更に、前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給時間は前記搬出口から前記条鋼材を搬出する前の30秒以上であることが好ましい。水蒸気の供給時間が少なくともこの程度であれば、スケール内の気孔の成長が促進され、鋼材から剥離しやすいサイズのスケールを得ることができる。逆に、水蒸気の供給時間が鋼材搬出前の30秒未満であれば、スケール内の気孔の成長はあまり促進されず、鋼材のスケール剥離性の向上はあまり期待できない。
最も好ましくは、前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給時間は前記搬出口から前記条鋼材を搬出する前の3分以上であるとよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、熱間圧延材の製造ライン(以下、単に製造ラインという)を示した概略図であり、図2は加熱炉1内に水蒸気を供給するための水供給部を示した側面図である。
製造ラインにおいては、鋼材を加熱する鋼材加熱炉(以下、加熱炉という)1と、加熱後の鋼材にスケール剥離処理を施すスケール剥離装置30と、スケール剥離後の鋼材を熱間圧延する熱間圧延機32とが設置されている。
【0018】
本実施形態にかかる加熱炉1は、被加熱材である条鋼材2を炉内に搬入するための搬入口5と、条鋼材2を炉外へ搬出する搬出口6を有する。搬入口5から連続して搬入された条鋼材2、2、・・・は、搬送装置(図示略)により炉内を図1矢印方向に搬送されて、搬出口6から搬出される。
鋼材搬入口5から炉内に搬入された条鋼材2は、炉内において加熱され、加熱炉1の鋼材搬出口6から抽出される。抽出された条鋼材2は、その後連続してスケール剥離装置30に搬送され、その表面に加熱中に形成されたスケールが除去される(スケール剥離処理)。
【0019】
スケール剥離装置30から搬出された条鋼材2は、その後連続して熱間圧延機32に搬送され、熱間圧延されて熱間圧延材となる。
加熱炉1内には、搬送される条鋼材2を加熱するための加熱部として、ガスバーナ7が、条鋼材2の搬送方向(ライン方向)に沿って複数設けられている。より具体的には、条鋼材2、2・・・を上下方向から挟むように一対ずつ3カ所に、合計6つのガスバーナが設けられている。
加熱炉1内は、搬入口5側から搬出口6側方向に連設された複数の加熱ゾーンを有する。具体的には、搬入口5側から順に、常温で搬入された条鋼材2を予熱する予熱ゾーン10、予熱された条鋼材2を更に加熱しておおよそ1000℃程度にする加熱ゾーン11、加熱ゾーンで加熱された条鋼材2の温度むらをなくすために更に加熱を行う均熱ゾーン12が連設されている。
【0020】
また、加熱炉1は、条鋼材2を加熱するにあたって炉内に直接水蒸気を供給する水供給部を有する。水供給部により、条鋼材2表面には、条鋼材2表面に形成されるスケール内の気孔の成長を促進させるような水蒸気が添加される。本実施形態においては、水供給部として水蒸気導入管8が設けられている。
水蒸気導入管8は、均熱ゾーン12におけるガスバーナ7C内に挿通されており、均熱ゾーン12を搬送される条鋼材2に添加される水蒸気を炉内に供給する。
【0021】
図2は、均熱ゾーン12におけるガスバーナ7Cを示した側断面図である。ガスバーナ7Cは、燃焼用のエアを導入するためのエア導入管15と、燃料ガスを導入するためのガス導入管16と、上述の水蒸気導入管8とを有する。水蒸気導入管8はガス導入管16内に挿通され、ガス導入管16はエア導入管15内に挿通されている。
エア導入管15により導入されたエアは、エア導入管15のエア噴出部15Aから噴出される。また、ガス導入管16により導入された燃料ガスは、ガス導入管16のガス噴出部16Aから噴出される。噴出されたエアとガスが混合した時点で、バーナが発火する。
【0022】
ガス噴出部16Aは、図3に示すように、水蒸気導入管8を挿通させる貫通孔21と、貫通孔21の外径側に貫通孔21を包囲するように設けられた複数のガス噴出口22、22、・・・を有する。
このように、ガス噴出口22の内径側に水蒸気導入管8が配置される構成とすることにより、本実施形態における水供給部は、ガスバーナ7Cの火炎9内部に水蒸気が放出されるように設けられている。かかる構成により、水蒸気が火炎に供給されて、ガスバーナ7CによるNOXの生成が軽減できるようになり、環境上好ましい。
【0023】
また、本実施形態においては、上述のように火炎内部に水蒸気が放出される構成でありながら、水蒸気導入管8による水蒸気の放出方向が、ガスバーナ7Cの火炎9の噴出方向と同一となるように構成されている。これにより、特に低負荷燃焼時の火炎9の直進性が確保され、条鋼材2に対する加熱効率を高めることができる。
このように、水蒸気導入管8をガスバーナ7C内に設けて、ガスバーナ7Cにより水蒸気が供給される構成とすれば、新たに水蒸気供給用の配管や吹き出し口等を設ける必要がなく、設計上好ましい。また、ガスバーナ7Cの火炎9に水蒸気が添加されることになり、NOXが低減されることや、火炎9の直進性が確保される等の利点がある。
【0024】
予熱ゾーン10におけるガスバーナ7A、加熱ゾーンにおけるガスバーナ7Bは、図2及び図3に示した構造から水蒸気導入管8を除いたものである。エアやガスの導入方法や発火方法はガスバーナ7Cと同様である。
鋼材搬入口5から搬入された条鋼材2は、予熱ゾーン10においてガスバーナ7Aにより予熱され、加熱ゾーン11に搬送される。加熱ゾーン11においては、ガスバーナ7Bにより引き続き加熱が行われる。その後、条鋼材2は更に均熱ゾーン12に搬送され、ガスバーナ7Cにより条鋼材2全体が均一な温度になるよう、更に加熱される。
【0025】
このとき、ガスバーナ7C内に設置された水蒸気導入管8により、水蒸気が炉内に直接供給され、条鋼材2表面に水蒸気が添加される。このように、加熱炉1により水蒸気が条鋼材2に強制的に添加された後、その後、条鋼材2は搬出口6から搬出される。
条鋼材2は、その後、連続してスケール剥離装置30に搬送されて、スケール剥離処理が施される。スケール剥離装置30は、高圧水を吐出する吐出部(デスケーラーヘッダ)31を備え、図1に示すように、この吐出部31の内面に放射状に設けた複数のノズルから吐出された高圧水により、条鋼材2の表面に形成されたスケールが剥離される。
【0026】
条鋼材2には、加熱炉1により、スケール内部の気孔を成長させる水蒸気が供給されたため、スケールは鋼材から容易に剥離できる性状となっている。また、スケール成長の促進は均熱ゾーン12において、つまり搬出口6付近においてなされているため、スケール剥離が行われるまでの時間が短く、スケール剥離性が大きく低下することがない。
このようにして、条鋼材2を加熱するにあたって炉内に水蒸気を直接供給して、条鋼材2の表面におけるスケール形成を敢えて促進させて、個々のスケール内の気孔を大きくさせる。その後に、スケール剥離装置に30より表面に形成されたスケールを剥離させる。スケール剥離処理30にかけられた条鋼材2は、先述したように、その後、連続して熱間圧延機32に搬送され、熱間圧延されて熱間圧延材となる。
【0027】
かかる条鋼材2の製造方法によれば、スケール内の気孔の成長が促進されているので、加熱後のスケール剥離が容易に行われる。その後、品質のいい圧延製品が得られる。また、作業の煩雑化を回避でき、あわせて低コスト化も実現できる。
スケール剥離を行うときの吐出部31の吐出圧力は、50kg/cm2以上であることが好ましい。吐出圧力が50kg/cm2以上であれば、スケールの剥離を短時間で効率よく行うことができ、残存スケールを確実に減らすことができる。
【0028】
ガスバーナの燃料として用いることができるガスは、例えばLNG、LDG、COG、LPG等の、一般に加熱炉において燃料として用いられる燃料ガス全般である。また加熱部としてガスバーナを採用したが、その他例えば重油バーナ等を採用することもできる。
また、水供給部は、加熱部とは別途に設けられてもよい。この際、先述したNOX低減や火炎の直進性を確保できるような箇所であれば、より好ましい。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図1で示した加熱炉1内に、幅12mの条鋼材2、2、・・・を連続的に搬入して、加熱しながら搬送した。条鋼材2は、Ni−Cr−Mo鋼である。
【0029】
均熱ゾーン12において、ガスバーナ7C内に挿通された水蒸気導入管8により炉内に水蒸気を供給した。均熱ゾーンにおける加熱温度は1000〜1050℃、水蒸気の供給量は、0→25→50→100→150→200(単位はkg/hr)と変化させた。水蒸気の供給時間は、搬出前3分間である。
加熱後の条鋼材2を、スケール剥離装置30に搬送し、スケール剥離装置吐出圧力(デスケーリング圧力)100kg/cm2でスケール剥離を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004087601
【0031】
スケール剥離性の評価は、残存スケールが多いときは×、残存スケールが一部あるときは△、残存スケールがないときは○とした。△は、ある程度デスケーリング性の向上が見られると評価した。
この結果より、水蒸気供給量が50kg/hr以上であれば、スケール内の気孔の成長が促進されることがわかった。また、150kg/hr以上であれば、より効果的にスケール内の気孔の成長が促進され、鋼材のスケール剥離性が更に向上することがわかる。
【0032】
また、上記結果より、水蒸気供給量の総量は2.5kg以上であることが好ましく、更には7.5kg以上であればより好ましいことわかる。
<実施例2>
実施例1と同様に、Ni−Cr−Mo鋼の条鋼材2を加熱炉1で連続的に加熱した。本実施例においては、均熱ゾーンにおける水蒸気供給時間を0秒→15秒→30秒→1分→3分→5分→10分と変化させた。水蒸気の供給量は、150kg/hrである。加熱温度は実施例1と同様に1000〜1050℃である。
【0033】
加熱後の条鋼材2をスケール剥離装置30に搬送し、実施例1と同様にデスケーリング圧力100kg/cm2でスケール剥離を行った。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0004087601
【0035】
スケール剥離性の評価方法は、実施例1と同様である。この結果より、水蒸気の供給時間が搬出前30秒以上であれば、スケール内の気孔の成長が促進されることがわかった。
また、搬出前3分以上であれば、より効果的にスケール内の気孔の成長が促進され、鋼材のスケール剥離性が更に向上することがわかる。
また、上記結果より、水蒸気供給量の総量は1.25kg以上が好ましく、更には7.5kg以上であればより好ましいことがわかる。
【0036】
このようにして得られた条鋼材2はこの後に圧延されて、熱間圧延製品となる。なお、熱間圧延製品にされたときの表面疵の状態は、以下に説明する実施例3により評価した。
<実施例3>
本実施例においては、C=0.55%、Si=1.5%、Cr=0.8%、Mn=0.80%、P=0.01%、S=0.01%(いずれも重量%)の組成成分を有する鋼材を用いた。
【0037】
つまり、SiとCrの元素を含み、その含有量がそれぞれ0.1重量%以上である鋼材を用いて熱間圧延材を作成した。
図1に示した加熱炉1内で上記条鋼材2を加熱し、スケール剥離装置30によるスケール剥離処理30を経て、熱間圧延機32によりφ30の棒鋼に圧延した。
条鋼材2の加熱から圧延までの条件(加熱炉抽出温度、スケール剥離装置30の吐出圧力、水蒸気添加の有無等)及び表面疵分析結果を次の表3に示す。
【0038】
なお、このときの水蒸気の供給は150kg/hrで10分間行われ、水蒸気の供給量の総量は25kgであった。
【0039】
【表3】
Figure 0004087601
【0040】
本実施例においては、13パターンの製造条件を設定した(材料No.1〜13)。条鋼材2が加熱炉1から抽出されるときの加熱炉抽出温度はすべて1200℃であるが、材料No.1〜6は水蒸気供給のない条件下で、材料No.7〜13は水蒸気供給のある条件下で加熱されたものである。
また、スケール剥離装置30における吐出圧力は、0〜300kg/cm2の範囲内で段階的に変化させた(表3参照)。
これらの結果より、水蒸気が供給されながら加熱された後にスケール剥離処理が施された鋼材は、熱間圧延された後の断面内表面疵が全くみられないことがわかる(材料No.9〜13)。
【0041】
また、これらの結果より、加熱炉に直接水蒸気を供給しながら鋼材を加熱する、すなわち鋼材を加熱するにあたって炉内に直接水蒸気を供給すれば、スケール剥離性に優れた鋼材が得られ、結果的に表面品質に優れた熱間圧延製品が得られることがわかる。
また、材料No.9〜13の結果より、スケール剥離装置30の吐出圧力は、50kg/cm2以上であることが好ましいことがわかる。
一般的に、条鋼材2の組成成分として、Si≧0.1重量%、Cr≧0.1重量%、又はNi≧0.1重量%のいずれか1種以上を含有すると、条鋼材2は、先述したサブスケールが顕著に形成される性状となる。
【0042】
ところが、上記実施例3の結果より、このような性状の条鋼材2においても、本発明によればスケール剥離性が高まり、結果として、断面内表面疵の全くない、優れた表面品質を有する熱間圧延材が得られることがわかる。
<実施例4>
次に、サブスケールの発生原因となる合金元素(上記Si、Cr及びNi等)を含む鋼種である、「SUJ2」及び「SCM435」からなる条鋼材2について、加熱炉1内における均熱時間と均熱温度を種々に変化させて、加熱後の条鋼材2をスケール剥離装置30に搬送し、その吐出圧力(デスケーリング圧力)を100kg/cm2に設定してスケール剥離を行った。
【0043】
その結果を次の表4及び表5に示す。
【0044】
【表4】
Figure 0004087601
【0045】
【表5】
Figure 0004087601
【0046】
この結果から明らかなように、加熱炉1からの抽出温度(均熱温度)を1100℃以上に設定しかつ加熱炉1内の均熱時間を10分以上にするか、又は、その均熱温度を1200℃以上に設定しかつ均熱時間を5分以上にすることにより、濃化したサブスケールの発生原因となる合金元素を含む鋼種の条鋼材についても、水分添加の効果が顕著となり、スケールの剥離が促進され、表面疵の改善が図れることがわかる
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱炉内で濃化したサブスケールが発生する鋼種の条鋼材であっても、その生成したサブスケールを確実に剥離できるようにして、表面品質に優れた熱間圧延による条鋼製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる熱間圧延材の製造工程を示した概略図である。
【図2】 図1に示した加熱炉内におけるガスバーナを示した側断面図である。
【図3】 図2に示したガスバーナの一部を拡大して示した図である。
【符号の説明】
1 鋼材加熱炉
2 条鋼材
5 搬入口
6 搬出口
7 ガスバーナ
8 水蒸気導入管
9 火炎
10 予熱ゾーン
11 加熱ゾーン
12 均熱ゾーン
15 空気導入管
16 ガス導入管
21 貫通孔
22 ガス噴出口
30 スケール剥離装置
31 吐出部
32 熱間圧延機

Claims (7)

  1. 上流側から、予熱ゾーン、加熱ゾーン、均熱ゾーンを有する加熱炉を用いて、サブスケールの発生原因となる合金元素を含有する条鋼材を連続的に搬送しつつ加熱し、加熱後の条鋼材を熱間圧延して条鋼材を製造する方法において、
    前記条鋼材を加熱炉内において「均熱温度が1100℃以上でかつ均熱時間が10分以上」又は「均熱温度が1200℃以上でかつ均熱時間が5分以上」で加熱し、
    さらに、前記均熱ゾーン内に在する前記条鋼材に対して均熱ゾーンの搬出口側から直接水蒸気を供給し、
    その後、前記加熱炉の下流側であって均熱ゾーンに続く位置において当該条鋼材にスケール剥離処理を施してから、
    スケール剥離後の条鋼材を熱間圧延することを特徴とする熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  2. 前記スケール剥離処理に用いられるスケール剥離装置の吐出圧力が50kg/cm2以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  3. 前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給量は1.25kg以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  4. 前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給量は50kg/hr以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  5. 前記均熱ゾーン内への水蒸気の放出方向は同加熱炉内の炎の噴出方向と同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  6. 前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給時間は前記搬出口から前記条鋼材を搬出する前の30秒以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
  7. 前記均熱ゾーン内への水蒸気の供給時間は前記搬出口から前記条鋼材を搬出する前の3分以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の熱間圧延による条鋼材の製造方法。
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