JP4087982B2 - 燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉鉱石等にコークスを添加し擬似粒子に造粒して焼結鉱を製造する際に、擬似粒子の燃焼性を高めて生産性を向上する焼結用原料の造粒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に製鉄原料は、8mm以下の微粉の鉄鉱石や集塵機等から回収されたダスト、焼結機から払い出された後の篩下粉(返し鉱)等の粉鉱石に、コークスを添加し、水や生石灰等のバインダーを添加して、ドラムミキサー等を用いて擬似粒子を造粒し、これを焼結機に装入して1100〜1300℃の温度で焼いて焼結鉱を製造し、高炉に使用している。
この焼結鉱の品質は、高炉の通気性や装入の荷下がり等に影響し、場合によっては、高炉の安定操業や高炉の出銑量等に支障が生じる場合があり、良質の焼結鉱の供給が望まれている。
また、焼結機により製造される焼結鉱は、微粉を多く含んだ粉鉱石等とコークスを添加して造粒した擬似粒子の良否によって、焼結操業時の通気性や燃焼性、擬似粒子の焼結状態に影響を与え、その強度や還元粉化率(RDI)等の特性が大きく左右され、これ等の品質と生産性や焼結歩留りを満足する擬似粒子の製造そのものが難しい実情であった。
従って、旧来より焼結鉱の品質や生産性、焼結歩留り等を向上するために、特開昭63−69926号公報に記載されているように、微粉の鉄鉱石や返し鉱等の粉鉱石に、全使用水の40〜90重量%の水を添加してドラムミキサー等で混合して、最初に粉鉱石のみからなる擬似粒子を製造し、この擬似粒子にコークスやスケール等の副原料を加えてドラムミキサー等を用いて、内部の鉄分からなる粒子の表面にコークスの付着層を形成することにより、焼結機での着火性及び燃焼性を改善して焼結鉱の生産性を向上している。
また、特開昭62−225238号公報に記載されているように、粉鉱石や石灰石等の原料をドラムミキサー内に装入し、ドラムミキサー内の原料の運動領域に噴霧管から擬似粒子化促進剤を添加して擬似粒子を製造し、焼結機での通気性の改善や燃焼時間の短縮等により、焼結鉱の生産性を向上することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−69926号公報では、内部の鉄分をリッチにした擬似粒子の表面にコークスの付着層を形成しているので、焼結機に装入した際に、着火性及び燃焼性が良好になり過ぎて、燃焼速度が過剰に上昇し、上層から下層における燃焼帯の移動が速くなり、コークスの少ない内部に十分な熱を付与することができず、内部の焼結が不十分になったり、粒子間におけるボンドの形成が悪くなる。
その結果、焼結鉱の強度の低下を招き、高炉への搬送過程や高炉内に装入した際に粉化し、高炉の通気性等を阻害して出銑量の低下等が生じる。
また、特開昭62−225238号公報では、ドラムミキサー内を転動しながら粉鉱石やコークス等が擬似粒子になりつつある運動領域内に噴霧管から擬似粒子化促進剤を添加して擬似粒子にするので、コークスがほぼ均等に含まれる擬似粒子になり、焼結機内の疑似粒子の燃焼性が阻害され、生産性や歩留りが低下する等の問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼結機内の擬似粒子の燃焼性を良好にし、焼結鉱の生産性や歩留り等を向上することができる燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法は、ドラムミキサーで粉鉱石とコークスを攪拌して擬似粒子に造粒する焼結用原料の造粒方法において、予め前記コークスの全添加量の20〜50重量%と前記粉鉱石とを前記ドラムミキサーに装入し、残部のコークスを、前記ドラムミキサーの全長をLとして装入口から0.5L〜0.98Lの範囲に添加する。
この方法により、擬似粒子の内部と表層にコークスを含ませ、表層に露出するコークスが多くなり、装入した擬似粒子の着火性及び燃焼性が高まり、表層の燃焼速が向上し、内部を温度の上昇につれて燃焼させることができ、燃焼性を向上させながら相反する燃焼速度を適正にできる。
なお、残部のコークスを添加する位置がドラムミキサーの0.5Lより手前の範囲になると、擬似粒子の内部のコークスが増加したり、コークスそのものの表面に粉鉱石が付着して、疑似粒子の燃焼性が低下したり、燃焼速度が遅くなり、焼結鉱の強度や生産性等が阻害される。
一方、ドラムミキサーの0.98Lより後方(留時間が10秒未満)になると、擬似粒子の表面に付着するコークスが少なくなり、擬似粒子に必要なコークスの絶対量が不足し、燃焼性や燃焼速度が低下する。
【0006】
ここで、前記粉鉱石は、粒度が500μm未満の微粉を30〜70重量%含んでいる。
これにより、添加したコークスが、最初に造粒された擬似粒子やその外側に形成される層の内部に埋もれて、燃焼性や燃焼速度が悪くなるのを防止できる。
500μm未満の粉鉱石が70重量%を超えると、微粉が多くなり過ぎて、最初の擬似粒子の形成が悪くなり、後で添加する残部のコークスに粉鉱石が付着して燃焼性等を阻害する。500μm未満の粉鉱石が30重量%未満になると、擬似粒子内へのコークスの混入やコークス表面への粉鉱石の付着が減少し、コークス添加を前後に分割する効果が無くなる。
【0007】
更に、前記残部のコークスの添加位置を、500μm未満の粉鉱石の含有量に応じて調整することができる。
これにより、最初に造粒された擬似粒子の状態に適したコークスを適正な位置で添加し、擬似粒子の内部に含まれるコークスを均一にし、表層に付着するコークスを多くでき、燃焼性や燃焼速度をより安定させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係る燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法に適用される焼結用原料の造粒装置の全体図、図2は同造粒方法に適用する粉鉱石とコークスの粒径ごとの容積%を比較したグラフ、図3は粉鉱石中の500μm未満の粉鉱石の重量%とコークス付着厚を200μmとするコークスの添加位置の関係を示すグラフ、図4はコークスの付着厚と焼結機の生産性の関係を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法に用いられる焼結用原料の造粒装置10は、図示しない駆動装置により傾斜状態で回転するドラムミキサー11と、このドラムミキサー11内に微粉の鉄鉱石、返し鉱石、ダスト等の粉鉱石を貯蔵する貯蔵ホッパー12及び貯蔵ホッパー12から粉鉱石を切り出すフィーダ13と、コークスの貯蔵ホッパー14及び貯蔵ホッパー14からコークスを切り出すフィーダ15と、これ等の粉鉱石とコークスを搬送するベルトコンベア16、17と、後からドラムミキサー11にコークスを添加するためのベルトコンベア18、その上方に設けられたコークスの貯蔵ホッパー19及びフィーダ20とを備えている。
更に、ドラムミキサー11の入り側には、装入される粉鉱石に散水するスプレー配管21を備えており、ドラムミキサー11の出側には、ドラムミキサー11からでた擬似粒子を分級する篩22を設けている。
この篩22の篩上は、製品として図示しない焼結機に搬送され、篩下となる返し粉23は、ベルトコンベア17に返送して再度ドラムミキサー11に供給している。なお、ここで、Lは、ドラムミキサー11の全長を表す。
【0009】
次に、焼結用原料の造粒装置10を用いた燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法について説明する。
まず、貯蔵ホッパー12に貯蔵された微粉の鉄鉱石、返し鉱石、ダスト等からなる粉鉱石は、6mm以下の大きさであり、特に粒度500μm未満(−500μm)の微粉を30〜70重量%含有している。貯蔵ホッパー14に貯蔵されたコークスは、6mm以下の各粒度が略平均的に分布している。
この粉鉱石及びコークスは、フィーダ13、15からベルトコンベア16上に切り出され、ベルトコンベア17に乗り継いでドラムミキサー11内に装入される。
最終的に粉鉱石に対するコークスの全配合量(全添加量)は、2.5重量%であり、この内の20〜50重量%がここで貯蔵ホッパー14から切り出されることになる。
そして、残部のコークスは、ドラムミキサー11の装入口から0.5L〜0.98Lの範囲で、貯蔵ホッパー19からフィーダ20、ベルトコンベア18を介して添加される。
【0010】
また、図2のように、粉鉱石に添加するコークス(△)の各粒径(μm)の分布は、6mm〜125μmの範囲で略平均的に分布をしている。
しかも、粉鉱石に配合したコークスのみの容積%でみると、添加量が少ないにも係わらず1.5〜5容積%(平均約3.8容積%)であり、重量から見た場合にくらべ1.5倍の容積を有し、コークスの添加量が少なくても擬似粒子の表面を覆うに十分な量であることが判る。なお、図中□は、粉鉱物とコークスを配合した場合の粒径分布を示す。
しかし、このコークスは粉鉱石に含有する500μm以上の粒子が多くなったり、ドラムミキサー11の装入側から0.5L未満の範囲に残部のコークスを添加した場合では、コークスの内の大きい粒子が核になり、この周囲に粉鉱石が付着した擬似粒子を形成したり、粉鉱石の擬似粒子の内部に埋没するコークスが多くなったりして、燃焼性を高めた擬似粒子を得ることができない。
【0011】
従って、予め粉鉱石に全添加量の20〜50重量%のコークスと生石灰、石灰石等を添加し、スプレー配管21から5〜8重量%の水を散水してからドラムミキサー11で攪拌し、粉鉱石とコークスを混合し、内部にコークスを含む擬似粒子を造粒する。
予め粉鉱石に添加するコークスの量が20重量%未満になると、擬似粒子の内部のコークスが不足して、燃焼速度や燃焼温度を高く保持する時間が短くなり、粒子間のボンドの形成や焼結不良等が生じる。また、コークスの量が50重量%を超えると、ドラムミキサー11により造粒された擬似粒子の内部のコークスが多くなり、表面に付着させるコークスの量が減少するので、燃焼性や燃焼速度が低下し、焼結鉱の歩留りの低下、焼結鉱の強度や還元粉化率等の品質低下を招くことになる。
更に、コークスの各粒径(μm)が略平均的に分布をしていることを利用して、図3に示すように、粉鉱石に含まれる500μm未満の粒子の量が30重量%の場合で、ドラムミキサー11の全長Lに対し、出側方向の0.5Lの位置でコークスを添加することで、擬似粒子の表面に200μmの厚みのコークスを主にした付着層を形成することができる。このコークスを主にした付着層は、粉鉱石に含まれる500μm未満の粒子の量に応じて、ドラムミキサー11内のコークスの添加位置を調整することにより、擬似粒子の表面への付着厚みを100〜250μmとすることができ、その一部が露出した形態を有する理想的な擬似粒子にすることができる。
この調整は、粉鉱石とコークスを同じ条件にして、コークスの添加位置を変えながら造粒した擬似粒子の表面に付着したコークスの厚みを測定しておき、図示しない焼結機のパレットの装入の層厚や焼結機の移動速度等が変動した際に、前記の測定された値から、コークスの添加位置を変えて付着厚みを100〜250μmの範囲内で最適な生産性が得られるように調整することができる。
コークスの添加位置は、ベルトコンベア18をドラムミキサー11内に進退させて位置を決定し、貯蔵ホッパー19のフィーダ20を作動してコークスの切り出しと搬送を行って、造粒されている粉鉱石に添加する。
この残部のコークスの添加量は、全添加量の50〜80重量%にすることで、擬似粒子の表面にコークスの100〜250μmの付着層が形成される。
ドラムミキサー11に添加する残部のコークスの量が50重量%未満になると、擬似粒子の内部のコークスが増加したり、コークスそのものの表面に粉鉱石原料の付着が増加して、擬似粒子の燃焼性や燃焼速度が低下する。
しかも、ドラムミキサー11に添加する残部のコークスの量が80重量%を超えると、擬似粒子の表面に付着するコークスの量が多くなり、燃焼速度が速くなり過ぎたり、擬似粒子の内部のコークスの量が不足し、焼結鉱の品質を阻害するからである。
このように、擬似粒子の表面に積極的にコークスの付着層を形成し、その付着厚みを100〜250μmに調整することにより、図4に示すように、焼結機の生産性(T/d・m2)を約29.7〜33に向上することができる。
そして、ドラムミキサー11を出た擬似粒子は、篩22で分級され、10mm以上の篩上は焼結機に搬送され、10mm未満の篩下は、返し粉23として再度ドラムミキサー11に供給される。
【0012】
【実施例】
次に、燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法の実施例について説明する。
鉄鉱石粉や返し鉱等からなる粉鉱石を用い、500μm未満が40重量%と70重量%含有する粉鉱石に、蛇紋岩や石灰石粉を12重量%配合して、直径が4m、全長が20mのドラムミキサーを7回転/分で回転しながら、水6.5重量%を外掛けで添加し、コークスの全添加量を2.5重量%にしてコークスのドラムミキサー内の添加条件を変えて造粒を行って、焼結機の焼結鉱の生産性(T/d・m2 )を比較した。
表1に示すように、実施例1では、500μm未満が40重量%の粉鉱石に、ドラムミキサーの1/2(0.5L)の位置で、残部80重量%のコークスを添加したものと、同様に500μm未満が70重量%の粉鉱石に、ドラムミキサーの1/2(0.5L)の位置で、残部のコークスを80重量%添加した場合であり、生産性(T/d・m2 )が35、31であり、いずれも良好な結果が得られた。
実施例2では、500μm未満が40重量%の粉鉱石に、ドラムミキサーの3/4(0.75L)の位置で、残部50重量%のコークスを添加したものと、同様に500μm未満が70重量%の粉鉱石に、ドラムミキサーの3/4(0.75L)の位置で、残部50重量%のコークスを添加した場合であり、生産性(T/d・m2 )が32、32であり、いずれも良好な結果が得られた。
【0013】
【表1】
【0014】
これに対して、表2に示すように、500μm未満が40重量%の粉鉱石と、500μm未満が70重量%の粉鉱石にそれぞれ全添加量が粉鉱石の2.5重量%であるコークスを全てドラムミキサーの入口で添加した場合であり、それぞれの生産性(T/d・m2 )が25、20と極めて悪い結果であった。
【0015】
【表2】
【0016】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、粉鉱石は、各産地から出荷される銘柄の鉄鉱石粉等の他に、乾燥スラジ、焼結鉱粉、庫下粉、ペレット用粉等の鉄分を含有するものを一部配合して用いることができる。
更に、ドラムミキサーは傾斜角度を調整して滞留時間の調整や回転数を遅くする等により全長を短くしたり、長くすることができる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1、2記載の燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法は、ドラムミキサーに粉鉱石とコークスを添加して攪拌を行って擬似粒子に造粒する焼結用原料の造粒方法において、予め粉鉱石に全添加量の20〜50重量%のコークスを添加し、残部のコークスを、ドラムミキサーの全長をLとして、装入口から0.5L〜0.98Lの範囲に添加するので、焼結機内に装入した擬似粒子の燃焼性や燃焼速度が良くなり適正な燃焼温度で焼結でき、焼結鉱の生産性や歩留り等が向上できる。
【0018】
特に、請求項2記載の燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法は、粉鉱石が粒度が500μm未満の微粉を30〜70重量%含んでいるので、造粒した擬似粒子の内部や外側にコークスが埋没するのを抑制して、燃焼性が低下するのを防止し、焼結鉱の生産性をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法に適用される焼結用原料の造粒装置の全体図である。
【図2】同造粒方法に適用する原料の粉鉱石とコークスの粒径ごとの容積%を比較したグラフである。
【図3】500μm未満の粉鉱石の重量%とコークス付着厚を200μmとするコークスの添加位置の関係を示すグラフである。
【図4】コークス付着厚と焼結機の生産性の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10:焼結用原料の造粒装置、11:ドラムミキサー、12:貯蔵ホッパー、13:フィーダ、14:貯蔵ホッパー、15:フィーダ、16:ベルトコンベア、17:ベルトコンベア、18:ベルトコンベア、19:貯蔵ホッパー、20:フィーダ、21:スプレー配管、22:篩、23:返し粉
Claims (2)
- ドラムミキサーで粉鉱石とコークスを攪拌して擬似粒子に造粒する焼結用原料の造粒方法において、予め前記コークスの全添加量の20〜50重量%と前記粉鉱石とを前記ドラムミキサーに装入し、残部のコークスを、前記ドラムミキサーの全長をLとして装入口から0.5L〜0.98Lの範囲に添加することを特徴とする燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法。
- 請求項1記載の燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法において、前記粉鉱石は、粒度が500μm未満の微粉を30〜70重量%含んでいる燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法。
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