JP4089328B2 - 延伸セルロースエステルフィルム、延伸セルロースエステルフィルムの製造方法、楕円偏光板及び表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は延伸セルロースエステルフィルム(以下、単に延伸フィルムともいう)、延伸セルロースエステルフィルムの製造方法(以下、単に、製造方法、方法ともいう)、楕円偏光板及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の高精細化に伴って、表示装置の更なる視認性向上が求められている。また、表示装置の視野角を改善するため様々な方法が提案されている。
【0003】
例えば、延伸したポリカーボネートフィルムを位相差板として使用する方法等が提案されているが、これは偏光板とは別に位相差板を張り付ける必要があり、煩雑であるだけでなくコスト高となっていた。
【0004】
また、延伸したセルロースエステルフィルムを位相差フィルムとして用いることによって優れた視認性が得られることは確認されており、セルロースエステルフィルムであれば、偏光板保護フィルムを兼ねることができ、更なるコスト低減も可能になると考えられていたが、セルロースエステルフィルムを1.15倍以上の倍率で延伸するとヘイズが上昇し問題であった。ヘイズの上昇は表示装置の鮮明性を低下させるためその改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、セルロースエステルフィルムを1.15倍以上の倍率で延伸しても視認性、視野角を向上し、且つ、ヘイズの増加が少なく、楕円偏光板保護用フィルムのコスト低減ができる延伸セルロースエステルフィルム及びその製造方法、その延伸セルロースエステルフィルムを用いる楕円偏光板及び表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記の構成により達成される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1.平均粒径が0.001以上0.1μm未満の1次微粒子を含む平均粒径0.1〜5μmの2次粒子を有する延伸セルロースエステルフィルムにおいて、延伸セルロースエステルフィルムは可塑剤、トリフェニレン環を有する化合物または1,3,5−トリアジン環を有する化合物から選択される添加剤を含有し、延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量より、該2次粒子近傍の前記添加剤の含有量が多いことを特徴とする延伸セルロースエステルフィルム。
【0008】
2.延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量が3〜30%であることを特徴とする前記1に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
【0009】
3.少なくとも前記添加剤の1つが分子内に芳香族環もしくはシクロアルキル環を3個以上有する添加剤であることを特徴とする前記1又は2に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
【0010】
4.面内のリタデーションR0が30〜200nmで、膜厚方向のリタデーションRtが80〜300nmであることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
【0011】
5.2次粒子近傍の前記添加剤含有量が延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量の1.1倍以上であることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
【0012】
6.有機溶媒にセルロースエステルを溶解したセルロースエステル溶液に、添加剤を含有する微粒子分散液を混合して調製したドープ液を支持体上に流延後、剥離した後、溶媒を含有するウェブを延伸する延伸セルロースエステルフィルムの製造方法において、前記添加剤は可塑剤、トリフェニレン環を有する化合物または1,3,5−トリアジン環を有する化合物から選択される添加剤であり、前記微粒子分散液中に含まれる前記添加剤のセルロースエステルフィルム成分に対する含有量が、セルロースエステル溶液中の前記添加剤のセルロースエステルフィルム成分に対する含有量よりも多く、前記ウェブを1.15〜2倍延伸することを特徴とする延伸セルロースエステルフィルムの製造方法。
【0013】
7.請求項1〜5の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルムを有することを特徴とする楕円偏光板。
【0014】
8.請求項1〜5の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルムを有することを特徴とする表示装置。
【0023】
以下、本発明を更に詳細に述べる。
本発明者は、前記2次粒子の近傍の添加剤濃度を延伸フィルム中の添加剤の平均含有量に対して1.1倍以上にすることによって、ヘイズの増加を著しく抑制できることを見いだした。また、2次粒子の近傍の添加剤の含有量は延伸フィルム中の添加剤の平均含有量に対してより好ましくは1.1〜9倍であり、特に好ましくは1.2〜7倍である。
【0024】
2次粒子の近傍には、2次粒子を構成する1次粒子間の間隙部分も含まれ、特に該間隙部分の添加剤の含有量が上記の含有量の範囲にあることが好ましい。
【0025】
延伸フィルム中の添加剤は、複数種であっても良く、その合計の平均含有量は3〜30%が好ましく、6〜25%がより好ましい。
【0026】
延伸フィルム中の添加剤の平均含有量は以下の式で求められる。
延伸フィルム中の添加剤の平均含有量(%)=〔添加剤(セルロースエステル及び微粒子を除く)の質量(g)/(セルロースエステルフィルムの質量)〕×100
請求項1〜6、10の発明に記載の延伸セルロースエステルフィルムは、平均1次粒径が0.001以上0.1μm未満の微粒子を含む2次粒子を有する延伸セルロースエステルフィルムにおいて、延伸フィルム中の添加剤の平均含有量より、図1に示すような2次粒子近傍2′の添加剤含有量が多いことを特徴としている。尚、上記1次粒子の平均粒径は0.01〜0.1μm未満であることが好ましい。2次粒子の平均粒径は0.1〜5μmであることが好ましい。更に好ましくは0.1〜3μmであり、更に好ましくは0.1〜1μmである。
【0027】
フィルム中の微粒子の粒径は厚み方向かつ延伸フィルムの遅相軸に平行な方向の断面を電子顕微鏡で写真撮影し、各断層写真について、表面から10μm以内の場所での断面面積1000μm2中の微粒子の粒径を測定し、10箇所の微粒子粒径の平均値として算出した。2次粒子の平均粒径は、図1に示すように、フィルムの厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察した2次粒子1′を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる長さを2次粒子径Lとした。又、前記図1において少なくとも1次粒子3′が5個以上から構成されているものを2次粒子とした。又、2次粒子径が10μmを越えるものは異物欠陥と考えられるため、平均粒径の算出から除外した。
【0028】
また、添加する微粒子は主に延伸フィルムに滑り性を付与することを目的として添加されている。
【0029】
延伸セルロースエステルフィルムに添加される添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤又は透湿性改善剤等が挙げられる。
【0030】
従来、セルロースエステルフィルムを1.15倍以上の高倍率で延伸すると、著しくヘイズが増加する傾向があった。
【0031】
そのため、延伸時の温度、時間又は残留溶媒量を制御することによってできるだけヘイズが上昇しないように配慮しなければならず、本発明者は、この点を解決するため、検討を重ねた結果、前記の高倍率で延伸したセルロースエステルフィルムのヘイズの上昇は、含まれる2次粒子が延伸によって伸ばされる際に形状が変化し、2次粒子近傍又は1次粒子間の隙間、粒子界面等で形成されるミクロボイド又はクラックによって、生じると推定した。
【0032】
従って、本発明では2次粒子近傍の添加剤の含有量を延伸セルロースエステルフィルム中の添加剤の平均含有量よりも多くすることによって、延伸倍率を1.15倍以上の高倍率で延伸を行っても、2次粒子近傍のセルロース樹脂成分が流動しやすくなり、ミクロボイド又はクラックの発生が著しく抑制されるため、ヘイズの上昇がさけられると考えられる。
【0033】
そのため、本発明の添加剤としては、添加剤自身の融点又はガラス転移点(Tg)がセルロースエステルのTgよりも低いもの、あるいは、セルロースエステルフィルム中に含有させることにより、セルロースエステルフィルムのTgを低下させることができる添加剤が好ましく用いられる。
【0034】
添加剤の添加量は多い程、ヘイズの上昇を抑制できる傾向にあるが、セルロースエステルフィルム全体の添加剤の添加量は、透湿性、紫外線吸収特性、光学特性(リタデーション)、寸法安定性、機械強度、搬送速度等に影響を与えるため制約が多い。
【0035】
しかしながら、2次粒子近傍の添加剤の添加量を多くすることで、セルロースエステルフィルム中の添加量を大きく変更する必要がなく、著しく本発明の効果を得られたものである。
【0036】
2次粒子近傍の添加剤の添加量は、セルロースエステルフィルムのTgを3〜100℃低下させる量であることが好ましく、より好ましくは5〜80℃低下させる量である。
【0037】
添加剤としては、分子内に芳香族環又はシクロアルキル環を3個以上有することがより好ましい。このような添加剤が少なくとも1つセルロースエステルフィルムに含まれていることが更に好ましい。ここで芳香環族環としては置換基を有しても良いフェニル環又は置換基を有しても良いシクロヘキサン環であることが好ましい。特に可塑剤が好ましく用いられる。
【0038】
本発明の延伸フィルムは少なくとも1つの方向に1.15〜2倍延伸することを特徴としている。
【0039】
即ち、上記に記載の如く、本発明は、高倍率で(高倍率:1.15〜2倍率のことをいう)セルロースエステルフィルムの延伸を行ってもヘイズの増加が顕著に抑制され好ましい。
【0040】
本発明によれば面内のリタデーションR0が30〜1000nmの延伸セルロースエステルフィルムが得られるが、R0が30〜200nmの延伸セルロースエステルフィルムが好ましく得られる。特に面内のリタデーションR0が30〜200nmで、膜厚方向のリタデーションRtが80〜300nmである延伸セルロースエステルフィルムが、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
【0041】
より好ましくはR0が45〜100nmで、膜厚方向のリタデーションRtが90〜200nmである。
【0042】
更に好ましい例としてはR0が30〜70nmで、かつ、膜厚方向のリタデーションRtが100〜160nmである延伸セルロースエステルフィルムがあげられ、特に好ましくはR0が40〜60nmで、かつ、膜厚方向のリタデーションRtが105〜145nmである延伸セルロースエステルフィルムがあげられる。
【0043】
本発明において、前記2次粒子近傍とは、図1に示すように、延伸フィルムの厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察した2次粒子1′を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる長さを2次粒子径Lとし、その直径Lの円に対して、中心を同じくした直径1.1Lの円の内側の領域のことを2次粒子近傍2′という。
【0044】
この領域内で添加剤の濃度が一定であっても2次粒子に近い程、該濃度が高くなっても良い。特に2次粒子を構成する1次粒子3′の間隙の添加剤の含有量が延伸フィルム中の添加剤の平均含有量より多いことが好ましい。
【0045】
また、本発明において、2次粒子近傍の添加剤含有量が延伸セルロースエステルフィルム中の平均添加剤の含有量より多いとは、延伸セルロースエステルフィルム中の添加剤の平均含有量の1.1倍以上のことをいう。
【0046】
また、延伸セルロースエステルフィルムが共流延法などによって多層構成となっている場合は、表層などの微粒子を含有する層に関して、2次粒子近傍の添加剤含有量が微粒子を有する層の添加剤の平均含有量より多いことが本発明の範囲であり、2次粒子近傍の添加剤含有量が、その層の添加剤の平均含有量の1.1倍以上のことをいう。微粒子を含有する層とは、微粒子が0.03質量%以上含有する層である。好ましくは微粒子を0.03〜1質量%含有する層であり、更に好ましくは0.05〜0.5質量%含有する層である。
【0047】
2次粒子近傍の添加剤含有量は、顕微鏡下で延伸フィルムの表面又は断面の微粒子を含有する層あるいは2次粒子部分を切り出して分析することが出来る。
【0048】
断面の作製は、具体的には延伸フィルムを電子顕微鏡観察前処理用のエポキシ包埋樹脂に包埋し、ダイヤモンドナイフを装着したウルトラミクロトームにより、厚さ約0.1マイクロメーターの超薄切片に作製するか、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)加工装置により、積層体表面にGaイオンビームを集束走査し、厚さ約0.1マイクロメーターの薄片化した断面を切り出すことで得られる。得られた2次粒子近傍の切片の添加剤含有量は公知の分析方法で測定することができる。
【0049】
あるいは、断面について、飛行時間型2次イオン質量分析計又は電子線マイクロアナライザーを用いて2次微粒子近傍と2次微粒子から離れた部位の添加剤由来のピーク比等から求めることもできる。
【0050】
例えば、リン酸エステル系添加剤であれば、該添加剤の含有量は、リン原子を電子線マイクロアナライザーによって分析、測定することもできる。
【0051】
また、本発明の延伸セルロースエステルフィルムの屈折率は好ましくは1.45〜1.55であり、更に好ましくは1.47〜1.50である。
【0052】
尚、屈折率は自動複屈折率計アッベの屈折率計を用い、Na光源を用いて測定することができる。
【0053】
以下に、本発明の延伸セルロースエステルフィルムの添加剤について説明する。
【0054】
本発明の延伸セルロースエステルフィルムには可塑剤又は紫外線吸収剤を添加剤として含有することが好ましい。
【0055】
可塑剤としては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを挙げることができる。
【0056】
リン酸エステル系可塑剤としては、
例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等;
フタル酸エステル系可塑剤としては、
例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等;
トリメリット酸系可塑剤としては、例えば、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等;
ピロメリット酸エステル系可塑剤としては、
例えば、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等;
グリセリンエステル系可塑剤としては、
例えば、トリアセチン、トリブチリン等;
グリコール酸エステル系可塑剤としては、
例えば、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等;
その他のカルボン酸エステル可塑剤の例としては、
例えば、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステル等、あるいはトリメチロールプロパントリベンゾエート等を挙げることができる。
【0057】
これらの中で、リン酸エステル系可塑剤又はグリコール酸エステル系の可塑剤がより好ましい。これらの可塑剤を単独又は併用するのことが更に好ましい。
【0058】
また、可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜30質量%であることが好ましい。
【0059】
次に紫外線吸収剤について説明する。
液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ない紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
【0060】
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものでない。
【0061】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
【0062】
【化1】
【0063】
一般式〔1〕において、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0064】
以下に本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0065】
UV−1−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−1−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−ter−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−1−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−ter−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−1−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−ter−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−1−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−1−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
また、本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤のひとつであるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、下記一般式〔2〕で表される化合物がより好ましく用いられる。
【0066】
【化2】
【0067】
一般式〔2〕において、Yは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1又は2を表す。
【0068】
上記において、アルキル基としては例えば、炭素数24までの直鎖又は分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換分としてはハロゲン原子、例えばクロール、ブロム、フッ素原子など、ヒドロキシ基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0069】
以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0070】
UV−3−1:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−3−2:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−3−3:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−3−4:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、楕円偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
【0071】
紫外線吸収剤の添加方法としては、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中(インライン添加)に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
【0072】
紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件などにより一様ではないが、通常は延伸セルロースエステルフィルム1m2当り、0.2〜5.0gが好ましく、0.4〜3.0gがさらに好ましく、0.6〜2.0gが特に好ましい。
【0073】
次に、前記可塑剤及び紫外線吸収剤以外の本発明の添加剤ついて説明する。
該添加剤は、透湿性改善剤又はフィルム物性改善剤として機能する。
【0074】
上記添加剤の具体的例の一つとしてトリフェニレン環を有する化合物が挙げられ、その中でも、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0075】
【化3】
【0076】
一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、スルホ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R11、−S−R12、−CO−R13、−O−CO−R14、−CO−O−R15、−O−CO−O−R16、−NR17R18、−CO−NR19R20、−NR21−CO−R22、−O−CO−NR23R24、−SiR25R26R27、−O−SiR28R29R30、−S−CO−R31、−O−SO2−R32、−SO−R33、−NR34−CO−O−R35、−SO2−R36又は−NR37−CO−NR38R39、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38及びR39は、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基である。また、R1とR2、R3とR4又はR5とR6は互いに結合して環を形成してもよい。
【0077】
R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、−O−R11、−S−R12、−O−CO−R14、−O−CO−O−R16、−NR17R18、−NR21−CO−R22又は−O−CO−NR23R24であることが好ましく、−O−R11、−S−R12、−O−CO−R14、−O−CO−O−R16又は−O−CO−NR23R24であることがより好ましく、−O−R11又は−O−CO−R14であることがさらに好ましく、−O−CO−R14であることが最も好ましい。
【0078】
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38及びR39は、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基であることが好ましい。−O−CO−R14のR14は、芳香族基であることが最も好ましい。
【0079】
一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一の基であることが好ましい。
【0080】
脂肪族基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換アルキニル基があげられる。
【0081】
アルキル基は、環状(例えばシクロアルキル基等)であってもよく、また、アルキル基は分岐をしていてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜10であることが最も好ましい。
【0082】
アルキル基の具体例としては、例えばメチル、エチル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、t−ペンチル、ヘキシル、オクチル、t−オクチル、ドデシル又はテトラコシル等の各基が挙げられる。
【0083】
アルケニル基は、環状(シクロアルケニル基)であってもよく、また、アルケニル基は、分岐していてもよい。さらに、アルケニル基は、二つ以上の二重結合を有していてもよい。
【0084】
アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがさらに好ましく、2〜10であることが最も好ましい。
【0085】
アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル又は3−ヘプテニルが挙げられる。アルキニル基は、環状(シクロアルキニル基)であってもよく、また、アルキニル基は、分岐を有していてもよい。
【0086】
さらに、アルキニル基は、二つ以上の三重結合を有していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがさらに好ましく、2〜10であることが最も好ましい。
【0087】
アルキニル基の具体例としては、エチニル、2−プロピニル、1−ペンチニル及び2,4−オクタジイニル等の各基が挙げられる。
【0088】
置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基の置換基の具体例としては、例えばハロゲン原子、ニトロ、スルホ、芳香族基、複素環基、−O−R41、−S−R42、−CO−R43、−O−CO−R44、−CO−O−R45、−O−CO−O−R46、−NR47R48、−CO−NR49R50、−NR51−CO−R52、−O−CO−NR53R54、−SiR55R56R57R58又は−O−SiR59R60R61R62が等が挙げられる。
【0089】
R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61又はR62は、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基である。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。
【0090】
置換アルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、2−メトキシエチル、エトキシメチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、ヒドロキシメチル、2−カルボキシエチル、カルボキシメチル、エトキシカルボニルメチル、4−アクリロイルオキシブチル、トリクロロメチル又はパーフルオロペンチル等の各基が挙げられる。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換アルケニル基の具体例としては、例えばスチリル及び4−メトキシスチリル等の各基が挙げられる。
【0091】
置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。置換アルキニル基の具体例としては、4−ブトキシフェニルエチニル、4−プロピルフェニルエチニル又はトリメチルシリルエチニル等の各基が挙げられる。
【0092】
本発明において、芳香族基は、アリール基及び置換アリール基を意味する。
アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがさらに好ましく、6〜10であることが最も好ましい。
【0093】
アリール基の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチル又は2−ナフチル等の各基が挙げられる。
【0094】
置換アリール基の置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R71、−S−R72、−CO−R73、−O−CO−R74、−CO−O−R75、−O−CO−O−R76、−NR77R78、−CO−NR79R80、−NR81−CO−R82、−O−CO−NR83R84、−SiR85R86R87R88又は−O−SiR89R90R91R92等が挙げられる。
【0095】
R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、R80、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88、R89、R90、R91及びR92は、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基である。
【0096】
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同義である。
置換アリール基の具体例としては、p−ビフェニリル、4−フェニルエチニルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフェニル、2−プロポキシフェニル、3−プロポキシフェニル、4−プロポキシフェニル、2−ブトキシフェニル、3−ブトキシフェニル、4−ブトキシフェニル、2−ヘキシルオキシフェニル、3−ヘキシルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2−オクチルオキシフェニル、3−オクチルオキシフェニル、4−オクチルオキシフェニル、2−ドデシルオキシフェニル、3−ドデシルオキシフェニル、4−ドデシルオキシフェニル、2−テトラコシルオキシフェニル、3−テトラコシルオキシフェニル、4−テトラコシルオキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、3,4−ジヘキシルオキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4−ジエトキシフェニル、2,4−ジヘキシルオキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジヘキシルオキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリエトキシフェニル、3,4,5−トリヘキシルオキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2,4,6−トリヘキシルオキシフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジブロモフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジブロモフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、3,4,5−トリブロモフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、4−ヨードフェニル、2−ホルミルフェニル、3−ホルミルフェニル、4−ホルミルフェニル、2−ベンゾイルフェニル、3−ベンゾイルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−(2−メトキシエトキシ)フェニル、3−(2−メトキシエトキシ)フェニル、4−(2−メトキシエトキシ)フェニル、2−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−ベンゾイルオキシフェニル、3−ベンゾイルオキシフェニル及び4−ベンゾイルオキシフェニル等の各基が挙げられる。
【0097】
本発明においては、複素環基は置換基を有していてもよい。複素環基中の複素環は5員環又は6員環であることが好ましい。複素環基中の複素環に脂肪族環、芳香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。複素環中のヘテロ原子としては、例えばB、N、O、S、Se又はTe等の各原子が挙げられる。
【0098】
複素環基中の複素環の具体例としては、例えば、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環及び1,3−チアゾリジン環等が挙げられる。
【0099】
不飽和複素環基中の不飽和複素環の具体例としては、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環又はキノリン環等が挙げられる。
【0100】
複素環基の置換基の具体例としては、前記置換アリール基の置換基の具体例と同様である。
【0101】
トリフェニレン環を有する化合物の分子量は、300〜2000であることが好ましい。化合物の沸点は260℃以上であることが好ましい。沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA100、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定できる。以下に、トリフェニレン環を有する化合物の具体例を示す。
【0102】
尚、以下に示す複数のRは同一の基を意味する。
【0103】
【化4】
【0104】
(1)フルオロ
(2)クロロ
(3)ブロモ
(4)ホルミル
(5)ベンゾイル
(6)カルボキシル
(7)ブチルアミノ
(8)ジベンジルアミノ
(9)トリメチルシリルオキシ
(10)1−ペンチニル
(11)エトキシカルボニル
(12)2−ヒドロキシエトキシカルボニル
(13)フェノキシカルボニル
(14)N−フェニルカルバモイル
(15)N,N−ジエチルカルバモイル
(16)4−メトキシベンゾイルオキシ
(17)N−フェニルカルバモイルオキシ
(18)ヘキシルオキシ
(19)4−ヘキシルオキシベンゾイルオキシ
(20)エトキシ
(21)ベンゾイルオキシ
(22)m−ドデシルオキシフェニルチオ
(23)t−オクチルチオ
(24)p−フルオロベンゾイルチオ
(25)イソブチリルチオ
(26)p−メチルベンゼンスルフィニル
(27)エタンスルフィニル
(28)ベンゼンスルホニル
(29)メタンスルホニル
(30)2−メトキシエトキシ
(31)プロポキシ
(32)2−ヒドロキシエトキシ
(33)2−カルボキシエトキシ
(34)3−ヘプテニルオキシ
(35)2−フェニルエトキシ
(36)トリクロロメトキシ
(37)2−プロピニルオキシ
(38)2,4−オクタジイニルオキシ
(39)パーフルオロペンチルオキシ
(40)エトキシカルボニルメトキシ
(41)p−メトキシフェノキシ
(42)m−エトキシフェノキシ
(43)o−クロロフェノキシ
(44)m−ドデシルオキシフェノキシ
(45)4−ピリジルオキシ
(46)ペンタフルオロベンゾイルオキシ
(47)p−ヘキシルオキシベンゾイルオキシ
(48)1−ナフトイルオキシ
(49)2−ナフトイルオキシ
(50)5−イミダゾールカルボニルオキシ
(51)o−フェノキシカルボニルベンゾイルオキシ
(52)m−(2−メトキシエトキシ)ベンゾイルオキシ
(53)o−カルボキシベンゾイルオキシ
(54)p−ホルミルベンゾイルオキシ
(55)m−エトキシカルボニルベンゾイルオキシ
(56)p−ピバロイルベンゾイルオキシ
(57)プロピオニルオキシ
(58)フェニルアセトキシ
(59)シンナモイルオキシ
(60)ヒドロキシアセトキシ
(61)エトキシカルボニルアセトキシ
(62)m−ブトキシフェニルプロピオロイルオキシ
(63)プロピオロイルオキシ
(64)トリメチルシリルプロピオロイルオキシ
(65)4−オクテノイルオキシ
(66)3−ヒドロキシプロピオニルオキシ
(67)2−メトキシエトキシアセトキシ
(68)パーフルオロブチリルオキシ
(69)メタンスルホニルオキシ
(70)p−トルエンスルホニルオキシ
(71)トリエチルシリル
(72)m−ブトキシフェノキシカルボニルアミノ
(73)ヘキシル
(74)フェニル
(75)4−ピリジル
(76)ベンジルオキシカルボニルオキシ
(77)m−クロロベンズアミド
(78)4−メチルアニリノ
【0105】
【化5】
【0106】
(79)ニトロ
(80)スルホ
(81)ホルミル
(82)カルボキシル
(83)メトキシカルボニル
(84)ベンジルオキシカルボニル
(85)フェノキシカルボニル
【0107】
【化6】
【0108】
(86)ブトキシ
(87)ヘキシルオキシ
(88)ドデシルオキシ
(89)ヘキサノイルオキシ
(90)カルボキシメトキシ
【0109】
【化7】
【0110】
【化8】
【0111】
【化9】
【0112】
【化10】
【0113】
【化11】
【0114】
【化12】
【0115】
円盤状化合物としては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物又はポルフィリン骨格を有する化合物を好ましく用いることができる。
【0116】
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、中でも、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【0117】
【化13】
【0118】
一般式(III)において、X1は、単結合、−NR4−、−O−又は−S−であり;X2は単結合、−NR5−、−O−又は−S−であり;X3は単結合、−NR6−、−O−又は−S−であり;R1、R2及びR3はアルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基であり;そして、R4、R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。一般式(I)で表される化合物は、メラミン化合物であることが特に好ましい。
【0119】
メラミン化合物では、一般式(I)において、X1、X2及びX3が、それぞれ、−NR4−、−NR5−及び−NR6−であるか、あるいは、X1、X2及びX3が単結合であり、かつ、R1、R2及びR3が窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基である。−X1−R1、−X2−R2及び−X3−R3は、同一の置換基であることが好ましい。R1、R2及びR3は、アリール基であることが特に好ましい。R4、R5及びR6は、水素原子であることが特に好ましい。
【0120】
上記アルキル基は、環状アルキル基よりも鎖状アルキル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基の方が好ましい。
【0121】
アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。
【0122】
置換基の具体例としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)及びアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)等が挙げられる。上記アルケニル基は、環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがさらにまた好ましく、2〜6であることが最も好ましい。アルケニル基は、置換基を有していてもよい。
【0123】
置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)又はアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等の各基)が挙げられる。
【0124】
上記アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。
【0125】
置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基及びアシル基が含まれる。上記アルキル基は、前述したアルキル基と同義である。
【0126】
アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキル置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基とアシル基のアルキル部分も、前述したアルキル基と同義である。
【0127】
上記アルケニル基は、前述したアルケニル基と同義である。
アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、アルケニル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルケニル置換カルバモイル基、アミド基、アルケニルチオ基及びアシル基のアルケニル部分も、前述したアルケニル基と同義である。
【0128】
上記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−メトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、4−オクチルオキシフェニル又は4−ドデシルオキシフェニル等の各基が挙げられる。
【0129】
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アリールチオ基およびアシル基の部分の例は、上記アリール基と同義である。
【0130】
X1、X2又はX3が−NR−、−O−又は−S−である場合の複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。
【0131】
芳香族性を有する複素環基中の複素環としては、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
【0132】
複素環中のヘテロ原子は、N、S又はO等の各原子であることが好ましく、N原子であることが特に好ましい。
【0133】
芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、例えば、2−ピリジル又は4−ピリジル等の各基)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
【0134】
X1、X2又はX3が単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。
【0135】
また、複素環基中のヘテロ原子は、窒素原子以外のヘテロ原子(例えば、O原子、S原子)を有していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の具体例は、上記アリール部分の置換基の具体例と同義である。
【0136】
以下に、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基の具体例を示す。
【0137】
【化14】
【0138】
【化15】
【0139】
1,3,5−トリアジン環を有する化合物の分子量は、300〜2000であることが好ましい。該化合物の沸点は、260℃以上であることが好ましい。沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA100、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定できる。
【0140】
以下に、1,3,5−トリアジン環を有する化合物の具体例を示す。
なお、以下に示す複数のRは、同一の基を表す。
【0141】
【化16】
【0142】
(1)ブチル
(2)2−メトキシ−2−エトキシエチル
(3)5−ウンデセニル
(4)フェニル
(5)4−エトキシカルボニルフェニル
(6)4−ブトキシフェニル
(7)p−ビフェニリル
(8)4−ピリジル
(9)2−ナフチル
(10)2−メチルフェニル
(11)3,4−ジメトキシフェニル
(12)2−フリル
【0143】
【化17】
【0144】
【化18】
【0145】
(14)フェニル
(15)3−エトキシカルボニルフェニル
(16)3−ブトキシフェニル
(17)m−ビフェニリル
(18)3−フェニルチオフェニル
(19)3−クロロフェニル
(20)3−ベンゾイルフェニル
(21)3−アセトキシフェニル
(22)3−ベンゾイルオキシフェニル
(23)3−フェノキシカルボニルフェニル
(24)3−メトキシフェニル
(25)3−アニリノフェニル
(26)3−イソブチリルアミノフェニル
(27)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(28)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(29)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(30)3−メチルフェニル
(31)3−フェノキシフェニル
(32)3−ヒドロキシフェニル
(33)4−エトキシカルボニルフェニル
(34)4−ブトキシフェニル
(35)p−ビフェニリル
(36)4−フェニルチオフェニル
(37)4−クロロフェニル
(38)4−ベンゾイルフェニル
(39)4−アセトキシフェニル
(40)4−ベンゾイルオキシフェニル
(41)4−フェノキシカルボニルフェニル
(42)4−メトキシフェニル
(43)4−アニリノフェニル
(44)4−イソブチリルアミノフェニル
(45)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(46)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(47)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(48)4−メチルフェニル
(49)4−フェノキシフェニル
(50)4−ヒドロキシフェニル
(51)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(52)3,4−ジブトキシフェニル
(53)3,4−ジフェニルフェニル
(54)3,4−ジフェニルチオフェニル
(55)3,4−ジクロロフェニル
(56)3,4−ジベンゾイルフェニル
(57)3,4−ジアセトキシフェニル
(58)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(59)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(60)3,4−ジメトキシフェニル
(61)3,4−ジアニリノフェニル
(62)3,4−ジメチルフェニル
(63)3,4−ジフェノキシフェニル
(64)3,4−ジヒドロキシフェニル
(65)2−ナフチル
(66)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(67)3,4,5−トリブトキシフェニル
(68)3,4,5−トリフェニルフェニル
(69)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(70)3,4,5−トリクロロフェニル
(71)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(72)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(73)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(74)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(75)3,4,5−トリメトキシフェニル
(76)3,4,5−トリアニリノフェニル
(77)3,4,5−トリメチルフェニル
(78)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(79)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
【0146】
【化19】
【0147】
(80)フェニル
(81)3−エトキシカルボニルフェニル
(82)3−ブトキシフェニル
(83)m−ビフェニリル
(84)3−フェニルチオフェニル
(85)3−クロロフェニル
(86)3−ベンゾイルフェニル
(87)3−アセトキシフェニル
(88)3−ベンゾイルオキシフェニル
(89)3−フェノキシカルボニルフェニル
(90)3−メトキシフェニル
(91)3−アニリノフェニル
(92)3−イソブチリルアミノフェニル
(93)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(94)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(95)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(96)3−メチルフェニル
(97)3−フェノキシフェニル
(98)3−ヒドロキシフェニル
(99)4−エトキシカルボニルフェニル
(100)4−ブトキシフェニル
(101)p−ビフェニリル
(102)4−フェニルチオフェニル
(103)4−クロロフェニル
(104)4−ベンゾイルフェニル
(105)4−アセトキシフェニル
(106)4−ベンゾイルオキシフェニル
(107)4−フェノキシカルボニルフェニル
(108)4−メトキシフェニル
(109)4−アニリノフェニル
(110)4−イソブチリルアミノフェニル
(111)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(112)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(113)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(114)4−メチルフェニル
(115)4−フェノキシフェニル
(116)4−ヒドロキシフェニル
(117)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(118)3,4−ジブトキシフェニル
(119)3,4−ジフェニルフェニル
(120)3,4−ジフェニルチオフェニル
(121)3,4−ジクロロフェニル
(122)3,4−ジベンゾイルフェニル
(123)3,4−ジアセトキシフェニル
(124)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(125)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(126)3,4−ジメトキシフェニル
(127)3,4−ジアニリノフェニル
(128)3,4−ジメチルフェニル
(129)3,4−ジフェノキシフェニル
(130)3,4−ジヒドロキシフェニル
(131)2−ナフチル
(132)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(133)3,4,5−トリブトキシフェニル
(134)3,4,5−トリフェニルフェニル
(135)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(136)3,4,5−トリクロロフェニル
(137)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(138)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(139)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(140)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(141)3,4,5−トリメトキシフェニル
(142)3,4,5−トリアニリノフェニル
(143)3,4,5−トリメチルフェニル
(144)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(145)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
【0148】
【化20】
【0149】
(146)フェニル
(147)4−エトキシカルボニルフェニル
(148)4−ブトキシフェニル
(149)p−ビフェニリル
(150)4−フェニルチオフェニル
(151)4−クロロフェニル
(152)4−ベンゾイルフェニル
(153)4−アセトキシフェニル
(154)4−ベンゾイルオキシフェニル
(155)4−フェノキシカルボニルフェニル
(156)4−メトキシフェニル
(157)4−アニリノフェニル
(158)4−イソブチリルアミノフェニル
(159)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(160)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(161)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(162)4−メチルフェニル
(163)4−フェノキシフェニル
(164)4−ヒドロキシフェニル
【0150】
【化21】
【0151】
(165)フェニル
(166)4−エトキシカルボニルフェニル
(167)4−ブトキシフェニル
(168)p−ビフェニリル
(169)4−フェニルチオフェニル
(170)4−クロロフェニル
(171)4−ベンゾイルフェニル
(172)4−アセトキシフェニル
(173)4−ベンゾイルオキシフェニル
(174)4−フェノキシカルボニルフェニル
(175)4−メトキシフェニル
(176)4−アニリノフェニル
(177)4−イソブチリルアミノフェニル
(178)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(179)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(180)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(181)4−メチルフェニル
(182)4−フェノキシフェニル
(183)4−ヒドロキシフェニル
【0152】
【化22】
【0153】
(184)フェニル
(185)4−エトキシカルボニルフェニル
(186)4−ブトキシフェニル
(187)p−ビフェニリル
(188)4−フェニルチオフェニル
(189)4−クロロフェニル
(190)4−ベンゾイルフェニル
(191)4−アセトキシフェニル
(192)4−ベンゾイルオキシフェニル
(193)4−フェノキシカルボニルフェニル
(194)4−メトキシフェニル
(195)4−アニリノフェニル
(196)4−イソブチリルアミノフェニル
(197)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(198)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(199)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(200)4−メチルフェニル
(201)4−フェノキシフェニル
(202)4−ヒドロキシフェニル
【0154】
【化23】
【0155】
(203)フェニル
(204)4−エトキシカルボニルフェニル
(205)4−ブトキシフェニル
(206)p−ビフェニリル
(207)4−フェニルチオフェニル
(208)4−クロロフェニル
(209)4−ベンゾイルフェニル
(210)4−アセトキシフェニル
(211)4−ベンゾイルオキシフェニル
(212)4−フェノキシカルボニルフェニル
(213)4−メトキシフェニル
(214)4−アニリノフェニル
(215)4−イソブチリルアミノフェニル
(216)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(217)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(218)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(219)4−メチルフェニル
(220)4−フェノキシフェニル
(221)4−ヒドロキシフェニル
【0156】
【化24】
【0157】
(222)フェニル
(223)4−ブチルフェニル
(224)4−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(225)4−(5−ノネニル)フェニル
(226)p−ビフェニリル
(227)4−エトキシカルボニルフェニル
(228)4−ブトキシフェニル
(229)4−メチルフェニル
(230)4−クロロフェニル
(231)4−フェニルチオフェニル
(232)4−ベンゾイルフェニル
(233)4−アセトキシフェニル
(234)4−ベンゾイルオキシフェニル
(235)4−フェノキシカルボニルフェニル
(236)4−メトキシフェニル
(237)4−アニリノフェニル
(238)4−イソブチリルアミノフェニル
(239)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(240)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(241)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(242)4−フェノキシフェニル
(243)4−ヒドロキシフェニル
(244)3−ブチルフェニル
(245)3−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(246)3−(5−ノネニル)フェニル
(247)m−ビフェニリル
(248)3−エトキシカルボニルフェニル
(249)3−ブトキシフェニル
(250)3−メチルフェニル
(251)3−クロロフェニル
(252)3−フェニルチオフェニル
(253)3−ベンゾイルフェニル
(254)3−アセトキシフェニル
(255)3−ベンゾイルオキシフェニル
(256)3−フェノキシカルボニルフェニル
(257)3−メトキシフェニル
(258)3−アニリノフェニル
(259)3−イソブチリルアミノフェニル
(260)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(261)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(262)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(263)3−フェノキシフェニル
(264)3−ヒドロキシフェニル
(265)2−ブチルフェニル
(266)2−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(267)2−(5−ノネニル)フェニル
(268)o−ビフェニリル
(269)2−エトキシカルボニルフェニル
(270)2−ブトキシフェニル
(271)2−メチルフェニル
(272)2−クロロフェニル
(273)2−フェニルチオフェニル
(274)2−ベンゾイルフェニル
(275)2−アセトキシフェニル
(276)2−ベンゾイルオキシフェニル
(277)2−フェノキシカルボニルフェニル
(278)2−メトキシフェニル
(279)2−アニリノフェニル
(280)2−イソブチリルアミノフェニル
(281)2−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(282)2−(3−エチルウレイド)フェニル
(283)2−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(284)2−フェノキシフェニル
(285)2−ヒドロキシフェニル
(286)3,4−ジブチルフェニル
(287)3,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(288)3,4−ジフェニルフェニル
(289)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(290)3,4−ジドデシルオキシフェニル
(291)3,4−ジメチルフェニル
(292)3,4−ジクロロフェニル
(293)3,4−ジベンゾイルフェニル
(294)3,4−ジアセトキシフェニル
(295)3,4−ジメトキシフェニル
(296)3,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(297)3,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(298)3,4−ジフェノキシフェニル
(299)3,4−ジヒドロキシフェニル
(300)3,5−ジブチルフェニル
(301)3,5−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(302)3,5−ジフェニルフェニル
(303)3,5−ジエトキシカルボニルフェニル
(304)3,5−ジドデシルオキシフェニル
(305)3,5−ジメチルフェニル
(306)3,5−ジクロロフェニル
(307)3,5−ジベンゾイルフェニル
(308)3,5−ジアセトキシフェニル
(309)3,5−ジメトキシフェニル
(310)3,5−ジ−N−メチルアミノフェニル
(311)3,5−ジイソブチリルアミノフェニル
(312)3,5−ジフェノキシフェニル
(313)3,5−ジヒドロキシフェニル
(314)2,4−ジブチルフェニル
(315)2,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(316)2,4−ジフェニルフェニル
(317)2,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(318)2,4−ジドデシルオキシフェニル
(319)2,4−ジメチルフェニル
(320)2,4−ジクロロフェニル
(321)2,4−ジベンゾイルフェニル
(322)2,4−ジアセトキシフェニル
(323)2,4−ジメトキシフェニル
(324)2,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(325)2,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(326)2,4−ジフェノキシフェニル
(327)2,4−ジヒドロキシフェニル
(328)2,3−ジブチルフェニル
(329)2,3−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(330)2,3−ジフェニルフェニル
(331)2,3−ジエトキシカルボニルフェニル
(332)2,3−ジドデシルオキシフェニル
(333)2,3−ジメチルフェニル
(334)2,3−ジクロロフェニル
(335)2,3−ジベンゾイルフェニル
(336)2,3−ジアセトキシフェニル
(337)2,3−ジメトキシフェニル
(338)2,3−ジ−N−メチルアミノフェニル
(339)2,3−ジイソブチリルアミノフェニル
(340)2,3−ジフェノキシフェニル
(341)2,3−ジヒドロキシフェニル
(342)2,6−ジブチルフェニル
(343)2,6−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(344)2,6−ジフェニルフェニル
(345)2,6−ジエトキシカルボニルフェニル
(346)2,6−ジドデシルオキシフェニル
(347)2,6−ジメチルフェニル
(348)2,6−ジクロロフェニル
(349)2,6−ジベンゾイルフェニル
(350)2,6−ジアセトキシフェニル
(351)2,6−ジメトキシフェニル
(352)2,6−ジ−N−メチルアミノフェニル
(353)2,6−ジイソブチリルアミノフェニル
(354)2,6−ジフェノキシフェニル
(355)2,6−ジヒドロキシフェニル
(356)3,4,5−トリブチルフェニル
(357)3,4,5−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(358)3,4,5−トリフェニルフェニル
(359)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(360)3,4,5−トリドデシルオキシフェニル
(361)3,4,5−トリメチルフェニル
(362)3,4,5−トリクロロフェニル
(363)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(364)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(365)3,4,5−トリメトキシフェニル
(366)3,4,5−トリ−N−メチルアミノフェニル
(367)3,4,5−トリイソブチリルアミノフェニル
(368)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(369)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
(370)2,4,6−トリブチルフェニル
(371)2,4,6−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(372)2,4,6−トリフェニルフェニル
(373)2,4,6−トリエトキシカルボニルフェニル
(374)2,4,6−トリドデシルオキシフェニル
(375)2,4,6−トリメチルフェニル
(376)2,4,6−トリクロロフェニル
(377)2,4,6−トリベンゾイルフェニル
(378)2,4,6−トリアセトキシフェニル(379)2,4,6−トリメトキシフェニル
(380)2,4,6−トリ−N−メチルアミノフェニル
(381)2,4,6−トリイソブチリルアミノフェニル
(382)2,4,6−トリフェノキシフェニル(383)2,4,6−トリヒドロキシフェニル
(384)ペンタフルオロフェニル
(385)ペンタクロロフェニル
(386)ペンタメトキシフェニル
(387)6−N−メチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(388)5−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(389)6−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(390)5−エトキシ−7−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(391)3−メトキシ−2−ナフチル
(392)1−エトキシ−2−ナフチル
(393)6−N−フェニルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(394)5−メトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(395)1−(4−メチルフェニル)−2−ナフチル
(396)6,8−ジ−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(397)6−N−2−アセトキシエチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(398)5−アセトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(399)3−ベンゾイルオキシ−2−ナフチル
(400)5−アセチルアミノ−1−ナフチル
(401)2−メトキシ−1−ナフチル(402)4−フェノキシ−1−ナフチル
(403)5−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(404)3−N−メチルカルバモイル−4−ヒドロキシ−1−ナフチル
(405)5−メトキシ−6−N−エチルスルファモイル−1−ナフチル
(406)7−テトラデシルオキシ−1−ナフチル
(407)4−(4−メチルフェノキシ)−1−ナフチル
(408)6−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(409)3−N,N−ジメチルカルバモイル−4−メトキシ−1−ナフチル
(410)5−メトキシ−6−N−ベンジルスルファモイル−1−ナフチル
(411)3,6−ジ−N−フェニルスルファモイル−1−ナフチル
(412)メチル
(413)エチル
(414)ブチル
(415)オクチル
(416)ドデシル
(417)2−ブトキシ−2−エトキシエチル
(418)ベンジル
(419)4−メトキシベンジル
【0158】
【化25】
【0159】
(424)メチル
(425)フェニル
(426)ブチル
【0160】
【化26】
【0161】
(430)メチル
(431)エチル
(432)ブチル
(433)オクチル
(434)ドデシル
(435)2−ブトキシ2−エトキシエチル
(436)ベンジル
(437)4−メトキシベンジル
【0162】
【化27】
【0163】
【化28】
【0164】
本発明においては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物として、メラミンポリマーを用いてもよい。メラミンポリマーは、下記一般式(IV)で示すメラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応により合成することが好ましい。
【0165】
【化29】
【0166】
上記合成反応スキームにおいて、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。
【0167】
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基及び複素環基及びこれらの置換基は前記一般式(I)で説明した各基、それらの置換基と同義である。
【0168】
メラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応は、通常のメラミン樹脂(例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂等)の合成方法と同様である。また、市販のメラミンポリマー(メラミン樹脂)を用いてもよい。
【0169】
メラミンポリマーの分子量は、2千〜40万であることが好ましい。メラミンポリマーの繰り返し単位の具体例を以下に示す。
【0170】
【化30】
【0171】
MP−1:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−2:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−3:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−4:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C4H9
MP−5:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−6:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−7:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−8:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−9:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−10:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−11:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−12:R13、R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−13:R13、R16:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH
MP−14:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−i−C4H9
MP−15:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C4H9
MP−16:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−17:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−i−C4H9
MP−18:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−19:R13、R14、R16:CH2O−i−C4H9;R15:CH2OH
MP−20:R13、R16:CH2O−i−C4H9;R14、R15:CH2OH
MP−21:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C4H9
MP−22:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−n−C4H9
MP−23:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−n−C4H9
MP−24:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C4H9
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【0172】
【化31】
【0173】
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MP−99:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
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【0174】
【化32】
【0175】
MP−101:R13、R14、R15、R16:CH2OH
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MP−143:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C4H9
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MP−145:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−146:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−147:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−148:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−149:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−150:R13:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
【0176】
【化33】
【0177】
MP−151:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−152:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−153:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−154:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C4H9
MP−155:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−156:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−157:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−158:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−159:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−160:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−161:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
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MP−165:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C4H9
MP−166:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−167:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−i−C4H9
MP−168:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−i−C4H9
MP−169:R13、R14、R16:CH2O−i−C4H9;R15:CH2OH
MP−170:R13、R16:CH2O−i−C4H9;R14、R15:CH2OH
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MP−181:R13:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C4H9
MP−182:R13:CH2OH;R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C4H9
MP−183:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15、R16:CH2O−n−C4H9
MP−184:R13:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C4H9;R16:CH2OCH3
MP−185:R13、R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C4H9
MP−186:R13、R16:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C4H9
MP−187:R13:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C4H9
MP−188:R13、R16:CH2O−n−C4H9;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−189:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C4H9;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−190:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C4H9
MP−191:R13:CH2OH;R14:CH2O−n−C4H9;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−192:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C4H9;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−193:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C4H9
MP−194:R13:CH2O−n−C4H9;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−195:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−196:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−197:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−198:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−199:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3
MP−200:R13:CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
本発明においては、上記繰り返し単位を二種類以上組み合わせたコポリマーを用いてもよい。二種類以上のホモポリマー又はコポリマーを併用してもよい。
【0178】
また、二種類以上の1,3,5−トリアジン環を有する化合物を併用してもよい。二種類以上の円盤状化合物(例えば、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とポルフィリン骨格を有する化合物と)を併用してもよい。
【0179】
また、下記に本発明の上記以外の添加剤の具体例を挙げる。
【0180】
【化34】
【0181】
【化35】
【0182】
【化36】
【0183】
【化37】
【0184】
【化38】
【0185】
【化39】
【0186】
【化40】
【0187】
ドープ中には、上記以外の添加剤、酸化防止剤、染料、蛍光増白剤(例えば特願2002−123821に記載されているもの)等も添加することができる。
【0188】
これらの化合物は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。液晶画面表示装置用には耐熱耐湿性を付与する酸化防止剤などを添加することが好ましい。
【0189】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1〜1.0ppmが好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0190】
本発明の延伸フィルムには、マット剤として加える微粒子は主に添加液に加えるのが生産性の観点から好ましい。
【0191】
本発明においては、微粒子は特に限定されないが、好ましく使用される微粒子としては、例えば二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等の無機化合物微粒子を挙げることができる。
【0192】
これらの微粒子はセルロースエステルフィルムに対して0.03〜1質量%含有していることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.5質量%であることが好ましく、特に0.15〜0.4質量%であることが好ましい。
【0193】
酸化ジルコニウムの微粒子の具体例としては、例えばアエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、本発明に好ましく用いられる。
【0194】
微粒子は、珪素を含む化合物が延伸フィルムの濁度が低くなる点でより好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。中でも表面が有機化合物で表面処理されていることが、添加剤を含むセルロースエステル樹脂との親和性に優れ好ましい。
【0195】
これらの具体例としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、本発明に好ましく用いられる。
【0196】
上記二酸化珪素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子であることが更に好ましい。
【0197】
これらを満足する二酸化珪素の微粒子の具体例としては、例えば、アエロジル200V(平均1次粒子径12nm)、アエロジルR972V(平均1次粒子径16nm)があり、延伸フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
【0198】
また、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができ、中でもシリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
【0199】
具体的には、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、本発明に好ましく用いられる。
【0200】
微粒子分散液には、微粒子の分散状態を安定に保つため樹脂を含有させることができる。添加する樹脂の重量平均分子量は3,000〜9,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000、更には10,000〜30,000のものが好ましい。
【0201】
樹脂としては、特に限定がなく従来公知のものを広く使用することが出来るが、下記のごとき樹脂がより好適に使用出来る。
【0202】
本発明のマット剤分散液において好ましく用いられる樹脂として、エチレン性不飽和単量体単位を有する単独重合体又は共重合体を挙げることが出来、より好ましくは、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸アルキルの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル酸又はメタクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体であり、更にアクリル酸又はメタクリル酸のエステルは透明性、相溶性に優れ、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル単位を有する単独重合体又は共重合体、特に、アクリル酸又はメタクリル酸メチル単位を有する単独重合体又は共重合体が好ましい。中でも、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
【0203】
この他の樹脂としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のアシル基の置換度が1.8〜2.80のセルロースエステル樹脂;
セルロースメチルエーテル、セルロースエチルエーテル、セルロースプロピルエーテル等のアルキル基置換度2.0〜2.80のセルロースエーテル樹脂;
アルキレンジカルボン酸とジアミンとの重合物のポリアミド樹脂;
アルキレンジカルボン酸とジオールとの重合物、アルキレンジオールとジカルボン酸との重合物、シクロヘキサンジカルボン酸とジオールとの重合物、シクロヘキサンジオールとジカルボン酸との重合物、芳香族ジカルボン酸とジオールとの重合物等のポリエステル樹脂;
ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル樹脂;
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂;
下記に示すようなエポキシ樹脂、下記に示すようなケトン樹脂、アルキレンジイソシアナートとアルキレンジオールの線状重合物等の下記に示すようなポリウレタン樹脂等を挙げることが出来、これらから選ばれる少なくとも一つを含有することが好ましい。
【0204】
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上持った化合物が、開環反応によって樹脂を形成したもので、以下に示すようなエポキシ樹脂を挙げることが出来、代表的な市販品としてアラルダイドEPN1179及びアラルダイドAER260(旭チバ(株)製)がある。
【0205】
なお、アラルダイトEPN1179は重量平均分子量が約405である。nは重合度を示す。
【0206】
【化41】
【0207】
また、ケトン樹脂としては、ビニルケトン類を重合して得られるもので、以下に示すようなケトン樹脂を挙げることが出来、代表的な市販品として、ハイラック110及びハイラック110H(日立化成(株)製)がある。nは重合度を示す。
【0208】
【化42】
【0209】
本発明において、微粒子分散液中の微粒子の含有量は、有機溶媒質量に対して、0.1〜2.0質量%が好ましく、また樹脂の濃度は、分子量に依存するが、通常5〜50質量%が好ましい。
【0210】
本発明の延伸セルロースエステルフィルムは例えば下記の方法で製造することが出来る。本発明の延伸セルロースエステルフィルムには前記微粒子が含まれるが、この微粒子はあらかじめ溶媒に分散されていることが望ましい。この微粒子分散液に添加剤を添加しておき、これをセルロースエステル溶液と混合して微粒子を含むセルロースエステル溶液を調製し、これを金属ベルト等の支持体上に流延し、剥離した後溶媒を含んだ状態で延伸する方法である。
【0211】
特に微粒子分散液は可塑剤を含有することが好ましい。
また、微粒子分散液には少量のセルロースエステルが含まれていることも好ましい。
【0212】
セルロースエステル溶液を調製する際に添加する微粒子分散液の全固形分に対する総添加剤濃度は、その微粒子分散液を用いて調製されたセルロースエステル溶液中の全固形分に対する総添加剤濃度よりも1.1倍〜9倍と多くすることで、2次粒子を構成している1次粒子の間隙、2次粒子近傍の添加剤濃度を高くすることができるため好ましく、より好ましくは1.2〜7倍である。
【0213】
総添加剤濃度は下記の式で求めることができる。
微粒子分散液の総添加剤濃度(%)=微粒子分散液中の微粒子及びセルロースエステルを除く添加剤の含有量(g)/微粒子分散液中の全固形分質量(g)×100
セルロースエステル溶液の総添加剤濃度(%)=セルロースエステル溶液中の微粒子及びセルロースエステルを除く添加剤の含有量(g)/セルロースエステル溶液中の全固形分質量(g)×100
1.1×セルロースエステル溶液の総添加剤濃度≦微粒子分散液の総添加剤濃度≦9×セルロースエステル溶液の総添加剤濃度
また、好ましくは、上記微粒子分散液をセルロースエステル溶液中にインラインで混合し、それを流延することである。
【0214】
微粒子分散液を添加した後、1時間以内に流延することが好ましく、より好ましくは30分以内であり、更に好ましくは10分以内であり、特に好ましくは5分以内である。
【0215】
微粒子分散液を混合した後、長時間放置すると、2次粒子近傍の添加剤濃度が、均一化してしまうため好ましくない。
【0216】
即ち、本発明の延伸セルロースエステルフィルムを用いることによって、優れた視認性を有する表示装置が得られる。
【0217】
本発明において、セルロースエステル溶液のことをセルロースエステルドープ又は単にドープともいう。
【0218】
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
【0219】
また、これらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステルは、セルロース原料をアシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いて常法により反応させて得ることができる。
【0220】
特に混酸セルロースエステルの場合には、例えば混酸エステルでは特開平10−45804号公報に記載の方法で反応して得ることができる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
【0221】
セルロースエステルの数平均分子量(Mn)は、70,000〜250,000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
【0222】
本発明のセルロースエステルフィルムは溶液流延製膜法と呼ばれる方法で製造(製膜)される。
【0223】
この方法は、無限に移送する無端の金属ベルト(例えばステンレスベルト)あるいは回転する金属ドラム(例えば鋳鉄で表面をクロムメッキしたドラム)等の流延用金属支持体(以降、単に金属支持体ということもある)上に、加圧ダイからドープ(セルロースエステル溶液のこと)を流延(キャスティング)し、金属支持体上のウェブ(ドープ膜)を金属支持体から剥離し、乾燥させて製造するものである。
【0224】
本発明の多層構成のセルロースエステルフィルムを製造するため、異なったダイを通じて2層または3層以上の構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つ以上のスリットを有するダイ内で各ドープを合流させ2層または3層以上の構成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流延を組み合わせた多層流延方法のいずれでも好ましく用いられる。2つまたは3つ以上のスリットを有するダイ内で各ドープを合流させ2層または3層以上の構成にする同時多層流延方法が好ましく用いられ、これは共流延ともいわれる方法である。
【0225】
本発明のセルロースエステル積層フィルムの製造方法を図2及び図3で示される図を参照しながら、説明する。図2は、本発明のセルロースエステル積層フィルムの製造装置の一例を示す工程図であり、図3は、図2のスリットダイ6の断面図を示す。セルロースエステルドープ液を調液するドープ液タンク1には、ドープ液1aが投入されており、微粒子添加液タンク2には、微粒子添加液2aが投入されている。ドープ液1aは送液ポンプ4b、4cにより、インラインミキサー5a、5bまで送られ、微粒子添加液2aはポンプ4aによってインラインミキサー5aまで送られる。インラインミキサー5aでドープ液1aと微粒子添加液2aは充分混合され、スリットダイ6のスリット13に送られる。同様に、ドープ液1aと紫外線吸収剤添加液タンク3に投入されている紫外線吸収剤添加液3aはインラインミキサー5bで充分混合され、スリットダイ6のスリット12に送られる。スリットダイ6から上下表面の層は、ドープ液1aと微粒子添加液2aの混合液で構成され、真ん中の層は、ドープ液1aと紫外線吸収剤添加液3aの混合液の状態で流延口11から共流延され、ドラム7より連続的に移動する流延ベルト8上に流延される。流延された3層からなるセルロースエステルドープ層は、乾燥後、セルロースエステル積層フィルム10として、ローラ9により流延ベルトから剥離される。
【0226】
本発明の光学フィルムの製造では、ドープを流延した後、ベルトやドラムから剥離して乾燥させる際にテンターをかけることによってより高い平面性を維持させることが好ましい。
【0227】
これらドープの調製に用いられる有機溶媒としては、セルロースエステルを溶解でき、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセト酢酸メチル等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
【0228】
本発明のセルロースエステルドープには、上記有機溶媒の他に、全有機溶媒中に1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。これらはドープを流延用支持体に流延後溶媒が蒸発をし始めアルコールの比率が多くなるとウェブ(流延膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし流延用支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらが割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する機能もある。又、この有機溶媒には水分が0.01〜1.5%程度含有していてもよい。
【0229】
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることが出来る。これらのうちドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。
【0230】
ドープ中のセルロースエステルの濃度は15〜40質量%、ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが良好な延伸フィルム面品質を得る上で好ましい。又、ドープは酢酸メチルや炭素数1〜4のアルコール等を含む非塩素系溶媒を用いて、加熱によりあるいは公知の冷却溶解法により調整することもできる。
【0231】
本発明では、実質的に塩素系溶媒を含有しないドープを用いることが好ましい。
【0232】
実質的に塩素系溶媒を含有しないとは、メチレンクロライド等の塩素系溶媒の含有量が1%未満であることを意味しており、0%であることが好ましい。その場合、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン、メタノール、エタノール、ブタノール等の非塩素系溶媒が好ましく用いられる。
【0233】
本発明では特にこのような非塩素系溶媒を用いて作製された二次粒子を有するドープを用いることが好ましく、R0が30nm以上の延伸セルロースエステルフィルムのヘイズを低くすることが出来る製造方法を提供することが出来る。
【0234】
ドープを支持体上に流延した後でドープ膜(ウェブともいう)を剥離する際の剥離張力は250N/m以下であることが好ましく、搬送張力は300N/m以下であることが好ましく、更に好ましくは250N/m以下であることが好ましく、更に好ましくは100〜200N/mである。乾燥工程では、テンターによって幅手方向に張力をかけ延伸することが好ましい。
【0235】
テンターによるセルロースエステルフィルムの延伸倍率は1.15〜2.0倍であることが好ましく、延伸の際のウェブの残留溶媒量は3〜30質量%であることが好ましい。
【0236】
延伸はウェブの残留溶媒量が0〜3質量%未満で加熱して行うこともできるが、3質量%以上であると、ヘイズが上昇しにくく、又、得られるフィルムの寸法安定性に優れ、30質量%以下ではヘイズも上昇しにくく、本発明の目的の光学特性(R0、Rt)が得やすいため、残留溶媒は上記の範囲であることが好ましい。
【0237】
本発明において、ウェブの残留溶媒量は下記の式で求められる。
残留溶媒量(%)=〔(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)〕×100
尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理は、115℃で1時間の加熱処理をすることである。
【0238】
以上の延伸セルロースエステルフィルムは位相差フィルムとして特に好ましく用いられ、偏光子もしくは偏光板と張り合わせて楕円偏光板とすることができる。本発明の延伸セルロースエステルフィルムはロール状での保管中もリタデーション値の変動が少なく、これを用いて作製された楕円偏光板は均一な特性を有する。
【0239】
本発明の延伸セルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合は、偏光子の吸収軸と延伸セルロースエステルフィルムの遅相軸が直交するように貼合することが好ましい。
【0240】
ここで言う、直交とは該吸収軸と遅相軸とを同一平面に投影したときになす角度が80°〜100°であることをいう。該角度は85°〜90°であることが好ましく、90°±1°が特に好ましい。
【0241】
本発明によればλ/2板、λ/4板等の位相差フィルムを好ましく製造することが出来る。
【0242】
また、必要に応じて、帯電防止層、導電層(ITO、酸化亜鉛層、酸化錫)、ハードコート層、紫外線硬化樹脂層、反射防止層(酸化珪素層、酸化チタン層等)、配向膜、ガスバリア膜、液晶性化合物(棒状液晶、ディスコチック液晶等)を配向し固定化した光学異方層等を塗布、スパッタ、蒸着、大気圧プラズマCVD等の方法により適宜形成することができる。
【0243】
本発明の延伸セルロースエステルフィルムは位相差フィルムとして、TN型、HAN型、OCB型、VA型等の液晶表示装置、反射型液晶表示装置の光学補償フィルムとして有用であり、視野角を拡大することができ、且つ、視認性に優れた表示装置を得ることができる。
【0244】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0245】
実施例1
〔延伸セルロースエステルフィルムの作製〕
〈ドープAの作製〉
(酸化珪素微粒子分散液の調製)
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均粒径16nm) 1kg
エタノール 9kg
以上をディゾルバで40分間撹拌混合した後、マントンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化珪素微粒子分散液を調製した。
【0246】
(添加液Aの調製)(表1参照)
メチレンクロライド 140kg
セルロースアセテート(アセチル基置換度2.7) 5kg
トリメチロールプロパンとシクロヘキサンカルボン酸とのエステル(化合物A) 2kg
以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、濾過した。これに10kgの上記酸化珪素微粒子分散液を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、濾過し、添加液Aを調製した。
【0247】
(セルロースエステル溶液Aの調製)(表1参照)
メチレンクロライド 440kg
エタノール 35kg
セルロースアセテート(アセチル基置換度2.7) 100kg
トリメチロールプロパンとシクロヘキサンカルボン酸とのエステル(化合物A) 10kg
上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。
【0248】
セルロースエステル溶液Aに添加液Aを各々別の配管で送液し、セルロースエステル溶液A100kgに添加液Aを2kgの割合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で混合し、濾過し、ドープAとした。これをただちにダイスに送液して支持体上に流延した。
【0249】
30℃に温度調整したドープAをダイに導入し、ダイスリットからドープをエンドレスステンレスベルト(支持体)上に均一に流延した。エンドレスステンレスベルトの流延部は裏面から35℃の温水で加熱した。
【0250】
流延後、支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということにする)に44℃の温風をあてて乾燥させ、流延から120秒後に剥離残留溶媒量を80質量%として剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。
【0251】
剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離されたウェブは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、第2乾燥ゾーン入り口にて80℃としてテンターでウェブ端部を把持し、120℃で幅手方向に1.4倍に延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅保持を解放し、更に115℃に設定された第3乾燥ゾーンで20分間搬送させて、乾燥を行い、膜厚80μmの延伸セルロースエステルフィルムAを得た。
【0252】
下記表1に示すセルロースエステル溶液Aと添加液Aを下記表2に示すセルロースエステル溶液Bと添加液Bに変更してドープBを調製し、これをドープAの代わりに用いた以外は同様にしてセルロースエステルフィルムBを得た。
【0253】
同様に下記表3〜11に示すセルロースエステル溶液と添加液を変更してドープC〜Kを調製し、これをドープAに変えて用いた以外は同様にして延伸セルロースエステルフィルムC〜Kを作製した。テンターによる延伸を1.1倍とした以外は延伸セルロースエステルフィルムKと同様にして延伸セルロースエステルフィルムLを得た。下記表中のセルロースエステルのアシル基置換度、セルロースエステルの数平均分子量は以下の方法で測定した。
【0254】
(セルロースエステルのアシル基置換度の測定)
ASTM−D817−96に規定の方法に準じて行った。
【0255】
(セルロースエステルの数平均分子量)
高速液体クロマトグラフィーにより下記条件で測定した。
【0256】
溶媒:アセトン
カラム:MPW×1(東ソー(株)製)
試料濃度:0.2質量/容量%
流量:1.0ml/分
試料注入量:300μl
標準試料:ポリメタクリル酸メチル(MW=188,200)
温度:23℃
検出器:示差屈折計。
【0257】
【表1】
【0258】
【表2】
【0259】
【表3】
【0260】
【表4】
【0261】
【表5】
【0262】
【表6】
【0263】
【表7】
【0264】
【表8】
【0265】
【表9】
【0266】
【表10】
【0267】
【表11】
【0268】
【化43】
【0269】
上記、各延伸セルロースエステルフィルムA〜Lについて、以下の評価を行った。
【0270】
(ヘイズ値)
K−7105に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
【0271】
(リタデーション値R0、Rtの測定)
23℃、55%RHにて24時間保管した各延伸セルロースエステルフィルムについて、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、波長が590nmで複屈折率測定を行い、リタデーション値R0、Rtを求めた。
【0272】
RO=(Nx−Ny)×d
Rt={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
Nxは延伸セルロースエステルフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは面内でNxに直交する方向の屈折率、Nzは膜厚方向の屈折率、dは延伸セルロースエステルフィルムの厚み(nm)を表す。
【0273】
(リタデーション値の経時変化)
上記のようにして作製した延伸セルロースエステルフィルムA〜Lについて、各々の試料を埃付着防止のためポリエチレンシートで包んだ後、35℃、80%RHの倉庫で1ヶ月間保管し、上記と同様にしてリタデーション値R01の値を測定し、その差で表した。
【0274】
フィルムのリタデーション値の経時変化=(R01−R0)
(巻き形状劣化の評価=保管性評価)
上記のようにして作製した延伸セルロースエステルフィルムA〜Lについて、各々の試料を埃付着防止のためポリエチレンシートで包んだ後、35℃、80%RHの倉庫で1ヶ月間保管し、1ヶ月経過後の巻きの状態を目視で観察し、下記のようにランク評価した。
【0275】
◎:ロールの表面に皺、変形等の変化は認められない
○:ロールの表面に僅かに皺が認められるが、変形は認められない
△:ロールの表面に弱い皺が認められ、一部に変形も認められる
×:ロールの表面〜内部に強い皺、表面に強い変形が有り、内部まで変形有り
上記のランクについての実用性判断は下記の通りである。
【0276】
◎:切除することなく使用できる、
○:数m切除して使用できる、
△:表面から数巻き分(数m〜数10m程度)を切除することによって使用できる、
×:巻きの変形が認められなくなるまで、内部(100m以上)まで切除しなければ使用できない。
【0277】
〈2次粒子の平均粒径〉
ランダムに各延伸セルロースエステルフィルムの10箇所の厚み方向の断層写真を撮影し、各断層写真について、表面から10μm以内の場所での断面面積1000μm2中の微粒子の粒径を測定し、10箇所の微粒子粒径の平均値として算出した。その結果、何れも平均粒径が0.2〜0.3μmの2次粒子を有していた。
【0278】
〈添加剤濃度比〉
セルロースエステル溶液に含まれる固形分中の添加剤の総平均含有量(Y)(延伸フィルム中の添加剤の平均含有量)を算出し、添加液に含まれる微粒子以外の固形分に含まれる添加剤の総含有量(Z)(2次粒子近傍の添加剤の含有量)を算出し、この比を添加剤濃度比(Z/Y)とした。結果を以下に示す。
【0279】
また、延伸フィルムCについて電子線マイクロアナライザーを用いて該フィルム中の2次粒子近傍のリン原子のピーク強度と粒子から離れた部分のピーク強度とを比較した所、2次粒子近傍の添加剤濃度が1.1倍以上であることを確認した。
【0280】
【表12】
【0281】
実施例2
《楕円偏光板及び液晶表示装置の作製》
(楕円偏光板の作製)
(a)偏光膜の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
【0282】
次いで、下記工程1〜5に従って、本発明の延伸セルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いて、これと上記偏光膜、別のセルロースエステルフィルムB(偏光板保護フィルム)としてコニカタック(KC8UX2MW コニカ(株)製)を貼り合わせて楕円偏光板を作製した。
【0283】
(b)楕円偏光板Aの作製
工程1:延伸セルロースエステルフィルムと別のセルロースエステルフィルムBを、50℃の2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥し、鹸化したセルロースエステルフィルムを得た、
工程2:前記偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した、
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理したセルロースエステルフィルムの上に乗せて、偏光膜の吸収軸と延伸セルロースエステルフィルムの遅相軸が直交するように配置した、
工程4:ハンドローラで工程3で積層したセルロースエステルフィルムB、偏光膜と延伸セルロースエステルフィルムAとの積層物の端から過剰の接着剤及び気泡を取り除き貼り合わせた。ハンドローラの圧力は20〜30N/cm2、ローラースピードは約2m/minとした、
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で積層した偏光膜と偏光板保護用フィルムを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、楕円偏光板Aを作製した。
【0284】
楕円偏光板Aの作製と同様にして、他のB〜Lの延伸セルロースエステルフィルムを用いて楕円偏光板B〜Lを作製した。
【0285】
(液晶表示装置の作製方法)
市販の液晶表示装置(NEC三菱電機ビジュアルシステム(株)製、カラー液晶モニターRDT151M形名LXA576W)の両面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた上記で作製した楕円偏光板A〜Lを延伸セルロースエステルフィルムが液晶セル側となるように張り付け、各液晶表示装置を作製した。
【0286】
(左右視野角の測定)
視野角の測定は、上記で得られた各液晶表示装置を、ELDIM社製EZ−contrastを用いて左右方向の視野角を測定した。視野角の評価としては、液晶表示装置の白表示と黒表示時のコントラスト比が10以上、および反転を起こす領域を示す表示面に対する法線方向からの傾き角の範囲で表した。
【0287】
(視認性の評価)
上記で得られた各液晶表示装置を、床から80cmの高さの机上に配置し、床から約3mの高さの天井部に昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X 松下電器産業(株)製)40W×2本を1セットとして4セット配置し、この照明のもとで、液晶表示装置画面の法線に対して、横80°の方向から液晶表示装置画面を目視で観察し、以下の基準で評価し、5人の評価の平均で示した。
【0288】
◎:横80°の方向から見ても階調反転もなく、黒がしまって見え、画像も極めて鮮明である
○:横80°の方向から見ても階調反転もなく、黒がしまって見える
△:横80°の方向から見ると階調反転はないが、黒がしまって見えず、且つ、画像が鮮明に見えない
×:横80°の方向から見ると階調が反転して、斜めからの鑑賞には耐えられない。
【0289】
以上の各評価の結果を以下に示す。
【0290】
【表13】
【0291】
以上の結果から明らかなように、本発明の楕円偏光板を用いた液晶表示装置が比較の楕円偏光板を用いた液晶表示装置に比して、視認性、視野角特性の何れの特性も優れていることが分かる。
【0292】
また、それぞれの液晶表示装置について、目視にてコントラストを評価した。結果、本発明の楕円偏光板を用いた液晶表示装置は、比較例の楕円偏光板を用いた液晶表示装置に対し長期間に亘って、高いコントラストが維持されていることが確認された。
【0293】
実施例3
〔延伸セルロースエステルフィルムの作製〕
〈ドープMの作製〉(表14参照)
(酸化珪素微粒子分散液の調製)
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均粒径16nm) 1kg
エタノール 9kg
以上をディゾルバで40分間撹拌混合した後、マントンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化珪素微粒子分散液を調製した。
【0294】
(微粒子分散液Mの調製)
酢酸メチル 90kg
エタノール 20kg
セルロースアセテートプロピオネート 5kg
(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8)
トリフェニルホスフェート 2kg
ビフェニルジフェニルホスフェート 1kg
以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、濾過した。これに10kgの上記酸化珪素微粒子分散液を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、濾過し、微粒子分散液Mを調製した。
【0295】
(セルロースエステル溶液Mの調製)(表14参照)
酢酸メチル 300kg
エタノール 100kg
セルロースアセテートプロピオネート 100kg
(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8)
トリフェニルホスフェート 9kg
ビフェニルジフェニルホスフェート 3kg
チヌビン109 0.7kg
チヌビン171 0.7kg
上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素材を順に投入し、70℃に加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。
【0296】
セルロースエステル溶液Mに微粒子分散液Mを各々別の配管で送液し、セルロースエステル溶液M100kgに微粒子分散液Mを3kgの割合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で混合し、濾過し、ドープMとした。これをただちにダイスに送液して支持体上に流延した。
【0297】
60℃に温度調整したドープMをダイに導入し、ダイスリットからドープをエンドレスステンレスベルト(支持体)上に均一に流延した。エンドレスステンレスベルトの流延部は裏面から60℃の温水で加熱した。
【0298】
流延後、支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということにする)に80℃の温風をあてて乾燥させ、剥離残留溶媒量を80質量%で剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。
【0299】
剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離されたウェブは、70℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、第2乾燥ゾーン入り口にて90℃としてテンターでウェブ端部を把持し、所定の温度で幅手方向に所定の倍率となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて、乾燥を行い、幅手両端部に高さ12μmのナーリングを設けた膜厚80μmの延伸セルロースエステルフィルム3−1を得た。延伸時の温度及び倍率を表19のように変更した以外は同様にして延伸セルロースエステルフィルム3−2〜3−5を得た。
【0300】
ドープMに変えて、下記ドープQを用いた以外は同様にして比較の延伸セルロースエステルフィルム3−12、3−13を得た。
【0301】
ドープQは、下記表18に示すセルロースエステル溶液Q100kgと微粒子分散液Qを3kgの割合でインラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で混合し、濾過して得た。これをただちにダイスに送液して支持体上に流延した。
【0302】
ドープN、ドープO、ドープPを用いて、図2の装置を使用し、共流延法により、積層セルロースエステルフィルムを得た。ドープOもしくはドープPで形成される表層(スキン層)の乾燥膜厚は8μmとした。
【0303】
60℃に温度調整したドープN及びドープOをダイに導入し、ダイスリットからドープをエンドレスステンレスベルト(支持体)上に均一に流延した。各ドープの割合は、スキン層(ドープO使用、乾燥後8μm)/コア層(ドープN使用、乾燥後64μm)/スキン層(ドープO使用、乾燥後8μm)となるように調製し流延した。エンドレスステンレスベルトの流延部は裏面から60℃の温水で加熱した。
【0304】
流延後、支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということにする)に80℃の温風をあてて乾燥させ、剥離残留溶媒量を80質量%で剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。
【0305】
剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離されたウェブは、70℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、第2乾燥ゾーン入り口にて90℃としてテンターでウェブ端部を把持し、所定の温度で幅手方向に所定の倍率となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて、乾燥を行い、幅手両端部に高さ12μmのナーリングを設けた膜厚80μmの延伸セルロースエステルフィルム3−6を得た。延伸時の温度及び倍率を表19のように変更した以外は同様にして延伸セルロースエステルフィルム3−7〜3−9を得た。ドープOをドープPに変えた以外は同様にして延伸セルロースエステルフィルム3−10を得た。スキン層(ドープO使用、乾燥後8μm)/コア層(ドープN使用、乾燥後64μm)/スキン層(ドープN使用、乾燥後8μm)となるように調製し流延した以外は同様にして延伸セルロースエステルフィルム3−11を得た。得られた延伸セルロースエステルフィルム3−1〜3−13について、実施例1と同様にして2次粒子の粒径を確認した結果、何れも平均粒径が0.2〜0.3μmの2次粒子を有していた。
【0306】
【表14】
【0307】
【表15】
【0308】
【表16】
【0309】
【表17】
【0310】
【表18】
【0311】
【表19】
【0312】
延伸セルロースエステルフィルムは3−6〜3−11は共流延法により作製した。Y及びZは微粒子を添加したドープO又はドープPで形成された表面のセルロースエステル層について求めた。
【0313】
実施例1と同様に評価し、下記表20の結果が得られた。
【0314】
【表20】
【0315】
表20から明らかなように、本発明の延伸セルロースエステルフィルムはヘイズが極めて低く、リタデーションの経時変動が小さく、又巻き形状の劣化も少ないことが分かる。
【0316】
特に非塩素系溶媒を用いることで、ヘイズが著しく低減された。
更に、この延伸セルロースエステルフィルムを用いて実施例2と同様にして偏光板を作製した。市販の液晶表示装置の偏光板を剥がし、ここに偏光軸をあわせた偏光板を各々張り付けて視認性の評価も行った。評価基準は実施例2の視認性評価に従った。その結果、本発明の延伸セルロースエステルフィルムを用いた偏光板を用いることで液晶表示装置の視認性が著しく改善されたことが確認できた。
【0317】
【発明の効果】
実施例で実証した如く、本発明による、延伸セルロースエステルフィルム及びその製造方法、その延伸セルロースエステルフィルムを用いる楕円偏光板及び表示装置はセルロースエステルフィルムを高倍率に延伸しても視認性、視野角を向上し、ヘイズの増加が少なく、且つ、偏光板保護用フィルムのコスト低減ができ優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2次粒子近傍の一例を表す図である。
【図2】本発明のセルロースエステル積層フィルムの製造装置の一例を示す工程図である。
【図3】スリットダイの断面図を示す。
【符号の説明】
1 ドープ液タンク
1a ドープ液
2 微粒子添加液タンク
3 紫外線吸収剤添加液タンク
4b、4c 送液ポンプ
5a、5b インラインミキサー
6 スリットダイ
7 ドラム
8 流延ベルト
9 ローラ
10 セルロースエステル積層フィルム
11 流延口
12、13 スリット
Claims (8)
- 平均粒径が0.001以上0.1μm未満の1次微粒子を含む平均粒径0.1〜5μmの2次粒子を有する延伸セルロースエステルフィルムにおいて、延伸セルロースエステルフィルムは可塑剤、トリフェニレン環を有する化合物または1,3,5−トリアジン環を有する化合物から選択される添加剤を含有し、延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量より、該2次粒子近傍の前記添加剤の含有量が多いことを特徴とする延伸セルロースエステルフィルム。
2次粒子近傍:図1に示すように、延伸フィルムの厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察した2次粒子1’を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる長さを2次粒子径Lとし、その直径Lの円に対して、中心を同じくした直径1.1Lの円の内側の領域のことを2次粒子近傍2’という。 - 延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量が3〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
- 少なくとも前記添加剤の1つが分子内に芳香族環もしくはシクロアルキル環を3個以上有する添加剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
- 面内のリタデーションR0が30〜200nmで、膜厚方向のリタデーションRtが80〜300nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
- 2次粒子近傍の前記添加剤含有量が延伸セルロースエステルフィルム中の前記添加剤の平均含有量の1.1倍以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルム。
- 有機溶媒にセルロースエステルを溶解したセルロースエステル溶液に、添加剤を含有する微粒子分散液を混合して調製したドープ液を支持体上に流延後、剥離した後、溶媒を含有するウェブを延伸する延伸セルロースエステルフィルムの製造方法において、前記添加剤は可塑剤、トリフェニレン環を有する化合物または1,3,5−トリアジン環を有する化合物から選択される添加剤であり、前記微粒子分散液中に含まれる前記添加剤のセルロースエステルフィルム成分に対する含有量が、セルロースエステル溶液中の前記添加剤のセルロースエステルフィルム成分に対する含有量よりも多く、前記ウェブを1.15〜2倍延伸することを特徴とする延伸セルロースエステルフィルムの製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルムを有することを特徴とする楕円偏光板。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の延伸セルロースエステルフィルムを有することを特徴とする表示装置。
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