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JP4090622B2 - 免震建物におけるexpジョイント装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免震建物における、例えば、エレベータシャフトや階段室シャフト等の竪シャフトに対する壁との間隙を被覆するエキスパンションジョイント装置(以下、EXPジョイントという)や、隣接する既存建物との間に設けるEXPジョイント装置に係り、更に詳しくは、大きな地震の時にも追従して変位し、変位が納まると元に戻るEXPジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
免震装置を有する建物において、図6に示すように、該免震装置20を建物21の中間階に有する場合に、免震装置20より上位置の上階部分と下位置の下階部分とに渡って、エレベータシャフト若しくは階段室シャフト等の竪シャフト22を設けなければならない。
【0003】
そこで、前記上階部分から前記竪シャフト22を吊り下げて下階部分に垂設し、当該竪シャフト22の周囲と下階部分との間にはクリアランスがあるが、従来のエキスパンションジョイントの変位追従量では、最大X方向に200mm、Y方向に100mm前後しかなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のEXPジョイントでは大きな地震時の変位量に対応することは不可能であり、また、例えば、X・Y方向に300mmの変位量に対応させようとすると、壁との間に大きな間隙が生じることになる。この間隙を塞いで、かつ、廊下側に突出せざるをえないEXPジョイントの外観を良くして、移動物との衝突にも耐えるものが必要となる。本発明に係る免震建物におけるEXPジョイントは、このような課題を解消するために提案されるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る免震建物におけるEXPジョイント装置の上記課題を解決するための要旨は、建物の中間階に免震装置を有する場合に、免震層上階から吊り下げられる竪シャフトの側面と、該側面との間に所要のクリアランスを設けて配設される免震層下階の壁端部とに、ジョイント両端部と途中部との3箇所に設けたヒンジで二つのジョイント部材が回転自在に支持されてなるジョイントが配設されているとともに、前記二つのジョイント部材が連結される途中部の内側に、当該ジョイント部材の略直交状態を維持する直交用シリンダーが両部材間に架設されているとともに、前記二つのジョイント部材の略直交状態が維持されていないときに警報を発する警報手段が設けられていることである。
【0006】
前記ジョイント両端部のヒンジと、竪シャフトの側面側及び壁側との間に設けられる支持部材には、直交状態から変位した二つのジョイント部材を直交状態に戻す復帰手段が少なくとも一方の支持部材に設けられていること、;前記二つのジョイント部材と各ヒンジとの接続部には、軸芯方向に伸縮自在なサヤ管が配設されていることである。
【0007】
本発明に係る免震建物におけるエキスパンションジョイント装置は、免震建物と該免震建物に隣接する既存建物とのエキスパンションジョイント部において、ジョイント両端部と途中部との3箇所に設けたヒンジで二つのジョイント部材が回転自在に支持されてなるジョイントが配設されていることである。
【0008】
本発明に係る免震建物におけるEXPジョイント装置によれば、地震によって300mmを越えるような大変位の際にも、二つのジョイント部材を連結する3箇所のヒンジによって容易に追従させることができる。
【0009】
また、地震が納まれば、ある範囲の変位以内では元の直交状態に復帰させる直交用シリンダーが存するので、自然と直交状態に戻ることになる。二つのジョイント部材が所定の直交状態の範囲内に納まらない時には、警報手段により警報が発せられて、管理者等に知らせることが出来る。そして、大きく変位したままに納まった二つのジョイント部材を、ジョイント両端部のヒンジと、竪シャフトの側面側及び壁側との間に設けられる支持部材のうち少なくとも一方の支持部材に設けた復帰手段によって直交状態に復帰させることが出来る。更に、サヤ管を使用しすることで、軸芯方向に伸縮させて二つのジョイント部材を直交状態に戻すこともできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る免震建物におけるEXPジョイント装置について図面を参照して説明する。なお、発明の理解容易のため従来例に対応する部分には従来例と同一符号を付けて説明する。
【0011】
前記EXPジョイント装置1は、第1実施例として、図1に示すように、建物の中間階に免震装置を有する場合に、免震層上階から吊り下げられる竪シャフト22の側面と、該側面との間に所要のクリアランス23を設けて配設される免震層下階の壁(袖壁6)端部とに、EXPジョイントの両端部A,Bと途中部Cとの3箇所に設けたヒンジ7,8,9で二つのジョイント部材2,3が回転自在に支持されて、構成されている。なお、図7に示す袖壁5側においても、同様なEXPジョイント装置1を設けるのは勿論である。
【0012】
前記ジョイント部材2,3は、竪シャフト22と袖壁6との隙間を弊蓋するための、金属製(例えば、ステンレス製)ものであって、上下方向の高さは、スラブの床面から天井までの高さである。また、幅寸法は、地震時の最大変位量を想定して適宜に設定するものであり、二つのジョイント部材2,3とも同じ長さ寸法でも良いし、一方が他方よりも長く設定されても良い。
【0013】
ジョイント部材2,3が金属製であるのは、例えば建物が病院等の医療機関であれば、ストレッチャーや台車等の重量物の角部が衝突する事もあり得るので、それにも耐えられるようにするためである。
【0014】
前記ヒンジ7,8,9は、ジョイント部材2,3にネジ等で取り付けられるもので、そのうちEXPジョイントの途中部Cにおけるヒンジ9は、カバーチャンネル9aを上下方向に一連に通した通し丁番(長丁番)であり、前記カバーチャンネル9aでシールされたリーフ(自在板)9b端部の扇形歯車が噛み合わされたリーフにより、略180°程度の開度となっている。
【0015】
前記ヒンジ7,8の各リーフ7a,8aと、該リーフに連結される一方の支持部材であるL型のスチール製ブラケット11との連結構造は、ネジによって螺着される。このようにすることにより、クリアランスのある壁に簡単に取り付けられる。
【0016】
以上のようにして構成されるEXPジョイント装置1を使用すれば、中間階免震建物21において、地震時においてX−Y方向に最大で300mmの変位(許容変形量)があっても、前記3カ所のヒンジ7,8,9により容易に追従可能となる。
【0017】
本発明の第2実施例に係るEXPジョイント装置1aは、前記ブラケット11とコンクリート側にボルト13で固定される他方の支持部材であるブラケット12との連結構造が、図2に示すように、水平方向に長くして穿孔された長孔12aと、ブラケット11の所定の位置(長孔12aに対応する位置)に溶接して固着されたナット14と、ブラケット11,12間に挟装される部材であって当該ブラケットの水平方向のスライドに供される滑部材15aと、ボルト16とブラケット12との間に介装される滑部材15bと、これらを取着するボルト16とにより、水平方向への移動可能による復帰手段を有する構造に構成されている。当該連結構造は、上下方向に2カ所以上において設けられている。
【0018】
前記滑部材15は、その両面にテフロン等の滑材が貼着されている。また、梯子ベアリングなどの滑りやすいものでも良い。
【0019】
更に、前記二つのジョイント部材2,3が連結される途中部Cにおいて、図3に示すように、当該ジョイント部材2,3に架設された直交用シリンダー17が設けられている。
【0020】
この直交用シリンダー17の全体長さは、前記ジョイント部材2,3が略直交状態における設置位置の長さに合わせてある。シリンダーはエアーシリンダーであり、ジョイント部材2,3が鋭角になったり鈍角になったりした場合に、圧縮・伸びに反発して伸縮し、常に当該ジョイント部材2,3を略直交状態に復帰させて維持するように作用するものである。
【0021】
地震が納まった後に、竪シャフト22と袖壁6との相対的位置が変位した場合でも、前記直交用シリンダー17の作用により、支持部材のブラケット11,12との間で滑部材15の働きで水平方向に適宜に移動して、二つのジョイント部材2,3の直交状態が維持される。
【0022】
また、前記ヒンジ9には、二つのジョイント部材2,3が略直交状態でない場合に、ランプ点滅等の警報を発する警報手段10が設けられている。
【0023】
これにより、前記竪シャフト22と袖壁6との相対的位置が大きく変位した場合で、二つのジョイント部材2,3が元の略直交状態に戻らないときでも、警報手段10がこれを管理者等に知らせる。そこで、前記ブラケット11,12を、これらを連結しているボルト16を若干緩めて長孔12aの範囲で移動させる。当該二つのジョイント部材2,3を略直交状態にし、再び前記ボルト16を締結するものである。
【0024】
また、滑部材15を用いない場合でも、この警報手段10を用いれば、中小の地震でもボルトを若干緩めて長孔12aの長手方向の範囲内で移動させ、二つのジョイント部材2,3を略直交状態にし、再びボルト16を締結することにより、同様なことが簡単に出来る。このほか、前記ヒンジ9は上下方向に長い通し丁番なので、そのカバーチャンネル9aが隙間を塞いで、外観上の見栄えを良くしている。
【0025】
本発明の第3実施例に係るEXPジョイント装置1bは、図4乃至図5に示すように、二つのジョイント部材2,3を回転支持するヒンジを、ある範囲で伸縮自在なサヤ管を使用した例である。
【0026】
サヤ管を用いたヒンジ18,19,30と、そのサヤ管に配設されるパイプ31,32と、該パイプ31,32をそれぞれジョイント部材2,3に係合させる係合部材33とで構成されている。なお、直交用シリンダー17もサヤ管に架設されている。また、サヤ管とパイプとが伸びたことで外れないように、抜け防止用の係合部が設けられるものである。
【0027】
このような構成のEXPジョイント装置1bによって、竪シャフト22と袖壁6との相対的な大変位を吸収することができるものである。また、本発明は、図7に示すように、第4実施例として、既存建物25と免震建物21との接続部にも、EXPジョイント装置1a若しくはEXPジョイント装置1bを応用することが可能である。
【0028】
本発明の発明の第4実施例に係る免震建物におけるEXPジョイント装置1aは、図7に示すように、免震建物21と、該免震建物21に隣接する既存建物25とのクリアランス23に設けたものである。これにより、上記各実施例と同様の作用・効果が得られるものである。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る免震建物におけるEXPジョイント装置は、建物の中間階に免震装置を有する場合に、免震層上階から吊り下げられる竪シャフトの側面と、該側面との間に所要のクリアランスを設けて配設される免震層下階の壁端部とに、ジョイント両端部と途中部との3箇所に設けたヒンジで二つのジョイント部材が回転自在に支持されてなるジョイントが配設されているものであって以下のような優れた効果を奏するものである。
【0030】
前記二つのジョイント部材が連結される途中部の内側に、当該ジョイント部材の略直交状態を維持する直交用シリンダーが両部材間に架設されているとともに、前記二つのジョイント部材の略直交状態が維持されていないときに警報を発する警報手段が設けられているので、地震が納まれば、ある範囲の変位以内では元の直交状態に復帰させる直交用シリンダーが存するので、自然と直交状態に戻ることになり、戻らない場合には管理者にその状態が警報として伝わるという優れた効果を奏するものである。
【0031】
二つのジョイント部材が所定の直交状態の範囲内に納まらない時には、ジョイント両端部のヒンジと竪シャフトの側面側及び壁側との間に設けられる支持部材のうち少なくとも一方の支持部材には、ジョイント部材を直交状態に戻す復帰手段が設けられているので、前記警報手段により警報が発せられるとともに、大きく変位したままに納まった二つのジョイント部材を当該復帰手段によって直交状態に復帰させることが出来るという優れた効果を奏するものである。
【0032】
更に、前記二つのジョイント部材と各ヒンジとの接続部には、軸芯方向に伸縮自在なサヤ管が配設されていることで、軸芯方向に伸縮させて二つのジョイント部材を直交状態に戻すこともできるという優れた効果を奏するものである。
【0033】
免震建物とこれに隣接する既存建物との間のクリアランスにも、上記各EXPジョイント装置を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例のEXPジョイント装置1の使用状態における平面図である。
【図2】同本発明に係る第2実施例のEXPジョイント装置1aの一部詳細斜視図(イ)、平断面図(ロ)である。
【図3】同本発明に係る第2実施例のEXPジョイント装置1aの一部詳細平面図である。
【図4】同本発明に係る第3実施例のEXPジョイント装置1bの平面図である。
【図5】同第3実施例に係るEXPジョイント装置1bの一部斜視図である。
【図6】中間階に免震装置を有する建物の説明図である。
【図7】本発明の第4実施例を説明する一部平面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b EXPジョイント装置、2,3 ジョイント部材、
5,6 袖壁、7,8,9 ヒンジ、7a,8a,9b リーフ、
9a カバーチャンネル、10 警報手段、
11,12 ブラケット、12a 長孔、14 ナット、
15 滑部材、13,16 ボルト、
17 直交用シリンダー、18,19 ヒンジ、20 免震装置、
21 建物、22 竪シャフト、23 クリアランス、
30 サヤ管を使用したヒンジ、31,32 パイプ、33 係合部材。

Claims (3)

  1. 建物の中間階に免震装置を有する場合に、免震層上階から吊り下げられる竪シャフトの側面と、該側面との間に所要のクリアランスを設けて配設される免震層下階の壁端部とに、ジョイント両端部と途中部との3箇所に設けたヒンジで二つのジョイント部材が回転自在に支持されてなるジョイントが配設されているとともに、
    前記二つのジョイント部材が連結される途中部の内側に、当該ジョイント部材の略直交状態を維持する直交用シリンダーが両部材間に架設されているとともに、前記二つのジョイント部材の略直交状態が維持されていないときに警報を発する警報手段が設けられていること、
    を特徴とする免震建物におけるEXPジョイント装置。
  2. ジョイント両端部のヒンジと、竪シャフトの側面側及び壁側との間に設けられる支持部材には、直交状態から変位した二つのジョイント部材を直交状態に戻す復帰手段が少なくとも一方の支持部材に設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載の免震建物におけるEXPジョイント装置。
  3. 二つのジョイント部材と各ヒンジとの接続部には、軸芯方向に伸縮自在なサヤ管が配設されていること、
    を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の免震建物におけるEXPジョイント装置。
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