JP4091339B2 - 空港管制支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空港、飛行場等の管制官に対して航空機・移動体(車両)の地上走行上必要な管制支援情報を提供する空港管制支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地上走行する航空機・移動体等への管制業務は、離着陸する航空機の安全及び空港の効率的な運行の確保という観点から非常に重要な業務と言える。
【0003】
ところで、従来の管制業務は、管制官が離着陸する航空機その他地上を走行する移動体の時々刻々変化する状況を目視監視し、この監視結果に基づいて航空機や移動体との間で無線通信により音声通話を実施し、航空機・移動体の進行許可、移動経路の指定、一時待機などの指示を出し、航空機や移動体の管制を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、空港の地上を走行する航空機や移動体等の管制は、専ら管制官である人間系の判断及び操作処理が中心となる。その結果、管制官は上述するように目視監視だけでなく、航空機,移動体との交信による各種指示、さらに航空機の移動経路選定等について迅速に決定しなければならず、管制官の負担が益々増大する。多い時には1時間に何十機もの発着する航空機に誘導指示を出す必要があり、今後も管制官の業務は益々増える傾向にある。しかも、低視程時(降雨,濃霧等の視界不良時)には目視監視が困難となることから、空港の運用効率を上げることが非常に難しい状況にある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、混雑時や低視程時にも拘らず、管制官の所要とする支援情報を迅速に提供し、ひいては管制官の負担の軽減、空港の効率的な運行を確保する地上管制支援システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、地上走行する移動体の管制業務を支援する本発明に係わる空港地上管制支援システムは、監視画面、運行計画ボタン及び交通量調査ボタンが設けられた監視制御手段と、この監視制御手段に設けられた運用計画ボタンが操作された場合、風向きに応じて作成された前記移動体の発着時に想定される数の移動パターンと各移動体ごとに設定される移動体情報とを用いて、移動体毎に最短ルートの運行計画情報を作成する運行計画作成手段と、空港内交差点の各移動体の通過履歴が記憶され、前記交通量調査ボタンが操作された場合、前記監視制御手段の監視画面の縦方向に各交差点が列記され、かつ各交差点に対応する横軸方向に移動体の通過履歴を表示可能とする画面を前記監視制御手段の監視画面に表示し、前記横軸方向にスクロールしながら前記各移動体の通過履歴を読み出し表示し、前記各所要交差点における複数の移動体の存在有無を確認する交通量調査手段とを設け、前記運行計画作成手段により作成された運行計画情報を前記監視画面に表示される空港モデルのグラフィック画面上に表示することにより、移動パターンから最短ルートの運行計画情報を迅速に作成でき、また作成された運行計画情報を表示することにより、各移動体の発着時の移動ルートから空港の安全性を確認可能となる。
【0007】
また、前述したように監視制御手段に交通量調査ボタンを追加し、さらに空港内交差点の各移動体の通過履歴が記憶され、前記交通量調査ボタンが操作された場合、前記監視制御手段の監視画面の縦方向に各交差点が列記され、かつ各交差点に対応する横軸方向に移動体の通過履歴を表示可能とする画面を前記監視制御手段の監視画面に表示し、前記横軸方向にスクロールしながら前記各移動体の通過履歴を読み出し表示し、前記各所要交差点における複数の移動体の存在有無を確認する交通量調査手段を追加すれば、前記各所要交差点における複数の移動体の存在有無が確認可能となり、運行計画情報に反映することにより、危険な状態を未然に回避することが可能となる。
【0008】
さらに、監視制御手段にシミュレーションボタンを追加し、さらに、大型表示装置と、空港内交差点の各移動体の通過履歴が記憶され、前記シミュレーションボタンが操作された場合、前記移動体の過去の通過履歴及び前記運行計画情報とを用いて、前記監視制御手段の監視画面及び前記大型表示装置の何れか一方または両方に移動体を順次移動させるように表示するシミュレーション手段とを設ければ、シミュレーションにより実際に過去の移動体の移動軌跡や将来の移動体の移動軌跡を監視制御手段の監視画面に表示でき、より効率的かつ安全に運行計画を作成することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(1) システム全体の構成について
図1は本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を示す系統構成図である。
【0019】
この空港管制支援システムは、大きく分けると、航空機等の運行計画情報及び各移動体の移動体情報を作成する運行計画作成系と、空港に設置された空港地表レーダによって捕捉される画像データの大まかな位置と前記運行計画情報及び移動体センサの出力とから移動体の便名及び移動体の現在位置を特定し、当該便名移動体の所要とする情報を表示する画像解析系と、空港内の交差点近傍等に設置される航空機センサの航空機センサ情報から移動体の移動状況を判断し、空港の所要個所に設置される灯火を制御する移動体検知・灯火制御系と、空港の各交差点を通過する移動体を特定し、この特定された移動体を誘導する誘導案内表示データを該当交差点に設置される誘導案内灯に送信し表示する誘導案内表示系と、空港全体の状況を監視し、管制官等の選択操作により所要とする管制支援用画面を表示し、管制業務に利用する監視制御系とによって構成されている。
【0020】
運行計画作成系は、移動体の交通量調査及びシミュレーションを含んで移動体の運行計画情報や移動体情報を作成する運行計画作成手段ないし運行計画作成装置1と、運行計画情報、移動体情報その他必要とする各種の画面情報を記憶する運行計画情報用データベース2と、運行計画時及び過去の移動体の移動状況等を表示する後記の監視制御用装置の表示部の他、シミュレーション時に全体に観察可能に表示する複数のスクリーン3a,3b,…よりなる大型表示装置3と、移動体が移動している状況或いは現在の移動体の状況からどのように移動するかなどを大型表示装置3に表示するシュミレータ用表示装置4a,4b,…と、デジタル画像データを各スクリーン3a,3b,…に表示可能な画像データに変換するビデオコンバータ5a,5b,…とによって構成されている。
【0021】
画像解析系は、移動体等からの反射波を捉える空港地表レーダ6、この空港地表レーダ6により捉えた反射波を順次ビデオ信号に変換するスキャンコンバータ7、このスキャンコンバータ7で変換処理されたビデオ信号を取込み、未確定の移動体の捕捉及び既に捕捉されている移動体の位置を追従する画像解析手段ないし画像解析用装置8及びこの画像解析用装置8により解析された画像データを格納する運行計画情報用データベース2等により構成されている。
【0022】
移動体検知・灯火制御系は、センサ管理手段ないしセンサ管理用装置9が設けられ、滑走路・誘導路の交差点、或いは交差点間に等間隔で配置される航空機センサからのセンサ情報を管理する一方、これら航空機センサ情報に基づいて当該移動体の細かな位置を逐次検知し、空港の例えば誘導路等に設置される停止線灯、誘導路中心線灯等の灯火をオン・オフ制御し、移動体を誘導制御する機能をもっている。
【0023】
誘導案内表示系としては、誘導案内表示制御手段ないし誘導案内表示用装置10が設けられ、移動体の誘導に必要な情報を作成し、滑走路・誘導路の交差点入口、誘導路上に設置される誘導案内灯(図34参照)に表示するものである。
【0024】
監視制御系は、中央監視室などに設置される監視制御手段ないし操作卓などの監視制御用装置11が設けられ、空港内の状況を常時監視し、自身の監視画面に空港内の状況を表示し、必要に応じて各構成装置に対して管制官が所要の操作を指示する役割をもっている。
【0025】
12はLANなどのネットワークであって、このネットワーク12には前述する各種の装置1,2,3a,3b,…,7〜11が接続され、空港の地上を走行する移動体を自動的に誘導可能な状態に構築されている。
【0026】
先ず、本発明システムを適用する空港モデル(図2参照)及び監視制御系を構成する監視制御用装置11の監視画面(図3参照)の表示例について説明する。
【0027】
現状の空港モデルは、図2に示すようなグラフィック画面で表わすものとする。すなわち、空港モデルは、エプロン16、誘導路17及び滑走路18が形成され、また例えば停止線灯が○で表わされ、航空機センサが□で表わされ、さらに交差点毎、各交差点間の航空機センサ設置ポイントごとに例えばアドレス番号「1」〜「45」が付されている。
【0028】
また、交差点は複数の誘導路に連絡しているので、各交差点の各ゲートには誘導路との接続向きを表わすアドレスとなるa〜dが付されている。さらに、移動体19は向かい風となる方向に発・着することから、同一時間帯では、移動体19の進行方向は同じ方向となり、到着便の滑走路から誘導路への進入ゲートと出発便の滑走路進入ゲートとが反対の位置となる。
【0029】
一方、監視制御用装置11は、図3に示すごとく所要の大きさの監視画面20が設けられ、この監視画面20の下段には種々の管制支援機能を実現するための各種の操作ボタンが表示されている。これら操作ボタンとしては、自動/手動ボタン21、運行計画ボタン22、交通量調査ボタン23、シミュレーションボタン24、動作履歴ボタン25、経路変更ボタン26、空港地表レーダ(ASDE)捕捉ボタン27、航空機情報ボタン28、航空機センサ情報ボタン29、表示灯情報ボタン30が表示されている。
【0030】
自動/手動ボタン21は、移動体の自動捕捉による自動運行とするか、人間系の指示による運行とするかの操作指示を行うボタンである。運行計画ボタン22は、過去/現在/予測の移動体の運行計画(図13参照)を作成するために操作するボタンである。交通量調査ボタン23は、過去/現在/予測の各交差点における移動体の通過状態を表わす画面(図15参照)を表示し、交通量を調査するボタンである。シミュレーションボタン24による操作では、空港地表レーダ6(ASDE)、航空機センサと切り離し、運行計画情報/航空機情報を用いて、監視制御用装置11の表示部またはシュミレータ用表示装置4a,4b,…を介して大形表示装置3に空港のグラフィック画面(図17参照)を表示し、移動体の移動軌跡を再現するボタンである。動作履歴ボタン25は、過去の移動体の移動履歴画面(図18参照)を表示するためのボタンである。経路変更ボタン26は、空港のグラフィック画面に表示されている移動体に対して経路変更の指示を与える画面(図19参照)を表示するボタンである。
【0031】
また、レーダ捕捉ボタン27は、空港地表レーダ6にて捉えた運行計画情報/航空機情報とリンクさせる画面(図20参照)を表示するボタンである。航空機情報ボタン27は、図2に示す空港のグラフィック画面に表示されている航空機情報一覧画面(図25参照)を表示するボタンである。航空機センサ情報ボタン29は、空港内に設置される航空機センサ設置の移動体通過状態を表わすセンサ情報一覧画面(図27参照)を表示するボタンである。さらに、表示灯情報ボタン30は、空港に設置される表示灯情報一覧画面(図33参照)を表示するボタンである。
【0032】
因みに、図3に示す監視画面20に表示されているグラフィック画面は、自動/手動ボタン21の自動監視又はシミュレーションボタン24を操作した場合の表示例であって、空港モデルを表わす画面の他、移動体19を誘導するための条件となる視程情報,風向き,監視間隔等を表わすシステム状態画面G1、異常内容を知らせる異常情報表示画面G2及び移動体の位置,コールサイン,航空機の型,出発ルート,ゲートNO等のごとき移動体その他の情報を見るための画面G3がウインドウ表示されている。
【0033】
この監視制御用装置11の監視画面20に表示されている画面G3は、例えば自動/手動ボタン21による自動操作下において、発・着時間に近づいたとき、運行計画情報に基づく図5に示す移動体情報,つまりJALXXXの型式「777」が出発アドレス番号「41」からアドレス番号「10」のゲート「a」を通り、移動体19の現在位置のアドレス番号「5」のゲート「a」向きから進入し、誘導路T(「5」−「4」−「3」−「2」−「1」−「14」−「19」−「18」を経由し、出発ゲート「42」から出発する航空機の航空機情報(移動体情報)例が表示されている。
【0034】
なお、これら操作ボタンの配置順序は特に限定されるものでない。また、各種の操作ボタン21〜30はソフト的なボタン画面でなく、ハード的な操作スイッチであってもよい。また、常に1つの操作ボタンによる操作だけでなく、複数の操作ボタンを操作し、監視画面20に所要とする複数の画面を表示することも可能であることは言うまでもない。
【0035】
(2) 運行計画作成系について。
【0036】
この運行計画作成系は、移動体の運行計画を作成するものであって、図4に示すように基本的な運行計画を作成する基本運行計画作成部101と、移動体の交通量を調査し運行計画に反映する交通量調査処理部102と、シミュレーション処理部103とに分けられる。
【0037】
(a) 基本運行計画作成部101について
この基本運行計画作成部101は、予め作成される図2に示す空港モデル、移動体ごとに設定される図5に示す移動体情報の移動体設定画面や予め風向きに応じて作成される移動パターン図(図6参照)その他必要な情報を記憶する運行計画情報用データベース2が設けられ、機能的には、監視制御用装置11に表示される運行計画ボタン22から操作指示を受けた場合、ある移動体設定画面(図5参照)に必要な航空機情報を入力したとき、移動パターン図に従って風向きごとに例えば図7,図8,図10、図11に示すような発・着ルートを解析する発着ルート解析手段111と、この発着ルート解析手段111の解析ルートの中から最短の発着ルートを抽出する最短ルート抽出手段112と、データベース2に記憶される空港モデルのグラフィック画面を読み出し、この画面に抽出された最短の発・着ルートを書き込んで図9、図12に示すごとく監視制御用装置11の表示部に表示する発着ルート表示手段113と、前記最短ルート抽出手段112によって抽出された発・着ルートに従って図13の上段に示す運行計画情報を作成し、データベース2に記憶する運行計画情報作成記憶手段114とによって構成されている。
【0038】
次に、基本運行計画作成部101による基本的な運行計画の作成について具体的に説明する。
【0039】
運行計画の作成は、空港の風向きを考慮し、最短のルートにより移動体19が移動することが必要である。今、例えば図5に示す航空機情報をもった移動体19を移動させる場合、東風の場合と西風の場合では移動ルートが異なる。
【0040】
* 東風出発・到着の場合
予め東風出発便に関し、図2に示す空港モデルのグラフィック画面に対し、予め図6に示すように多数の移動パターンNO1〜NO23が一覧表として作成されている。なお、エプロン16から出発する移動体19としては、交差点のアドレス(出発ゲート)番号「5」から出発する例とアドレス番号「10」から出発する例とがある。移動体19は、アドレス(出発ゲート)番号「5」から出発する場合でも、図6に示すごとくアドレス番号で表わす種々の交差点を通って出発可能である。アドレス番号「5」から出発する場合も同様である。
【0041】
ここで、以上のような多数の移動パターンが存在するが、最短のルート、かつ、干渉の少ないルートを解析する必要がある。
【0042】
そこで、発着ルート解析手段111は、予め図6に示すアドレス番号の移動パターンから図7に示すような東風出発時ルートを解析し、データベース2に格納する。この出発時のルートは、各移動パターンにそって交差点及び分岐する部分のアドレス番号を結ぶとともに、隣接するアドレス番号を結んだライン上に括弧書きで距離を表記したものである。
【0043】
図8は同様の要領に従って解析された東風到着時のルートを示す図である。なお、到着時の移動ルートは出発時のルートと重ならないようなルートとする。因みに、図7と図8とから滑走路の進入ゲートが出発便と重ならないことから、図8に示す到着ルートの中から最短のルートを指定して問題がない。
【0044】
そこで、最短ルート抽出手段112は、発着ルート解析手段111の解析ルートから距離および発・着便の重なりを考慮しながら図7,図8に太線で表わす最短の発・着ルートを抽出する。
【0045】
この最短ルート抽出手段112によって最短の発・着ルートが決定されると、発着ルート表示手段113は、監視画面20に表示される図2に示す空港モデルのグラフィック画面上に図9に示すように抽出された移動体の出発時及び到着時の最短ルートを表示する。
【0046】
すなわち、東風出発時の移動ルートはアドレス番号「5」−「1」−「42」となり、その距離トータルは(9)となる。一方、東風到着時の移動ルートはアドレス番号「44」−「45」−「32」−「12」−「10」となり、距離トータルは(7)となる。特に、出発便の場合は距離の短いルートの方が省エネルギーの面から有効であり、しかも滑走路進入ゲートが出発時「42」、到着時「45」であることから互いに重なりがなく、距離が十分に離れているので干渉がないので、互いに移動体19は安全に出発および到着することが可能となる。
【0047】
* 西風出発・到着の場合
一方、西風の場合、前述と同様の要領により、西風出発時ルートは図10に示すように作成され、西風到着時ルートは図11に示すように作成される。その結果、図12に示すように、出発便のルートが短く、しかも東風の場合と全く逆に滑走路進入ゲートから進入するようになり、互いに移動体19が安全に出発および到着することができる。
【0048】
従って、運行計画は、図6に示す風向き毎の移動パターンをもとに、何れの交差点でも風向きによってシステム情報(図5のG1)の変化が生じ、ルート変更の必要性が発生したとき、交差点及び分岐部分を表わす移動ルート(図7,図8,図10,図11を解析し、必要なルート変更に柔軟に対応することが可能となる。
【0049】
さらに、運行計画情報作成記憶手段114は、解析された風向き毎の移動ルートを標準移動ルートとし、図5に示す移動体情報とリンクすることにより、図13の上段に示すような運行計画情報の一覧表を作成する。つまり、各コールサインごとに移動ルートがパターン化され、例えばルート▲3▼のように風向きが変ったとき、ルート▲1▼からルート▲3▼に変更するだけで簡単に管理できる体制としている。
【0050】
因みに、この運行計画では、地上走行誘導可能な移動体の最大数は、移動ルート上に存在する停止線灯の設置数に相当する数であり、出発便が移動ルート(5→4→3→2→1→14→19→18→42)の場合には5機、到着便が移動ルート(41→36→32→12→11→10)の場合には4機となる。また、1機当たりの滑走路占有時間が1分とすれば、1分+出発移動時間/1分+到着移動時間にて運行可能である。
【0051】
従って、以上のような実施の形態によれば、データベース2に格納される移動パターン図に基づいて風向きを考慮した多数の発・着ルートを解析し、これら発・着ルートの中から最短の発・着ルートを抽出し、この抽出された発・着ルートに従って運用計画一覧情報を作成するので、迅速、かつ的確に各移動体の運行計画を作成できる。
【0052】
(b) 交通量調査処理部102について
この交通量調査は、管制官等が緊急時以外に交差点に複数の移動体19が存在することを避けるためのルート計画を作成し、前述する運行計画に反映させることにある。
【0053】
この交通量調査処理部102は、少なくとも縦軸に隣接する交差点間のアドレス番号を含む全交差点が列記され、横軸(時間軸)方向に交差点毎に移動体19の通過時刻の履歴を表示する交通量一覧表示画面G4(図15参照)を記憶するデータベース2と、図14に示すように隣接する交差点間のアドレス番号を含む交差点毎の出発便及び到着便の通過時刻をデータベース2に時系列的に記憶する移動体実時刻記憶手段121と、監視制御用装置11に表示される交通量調査ボタン23が操作された場合、過去の交通量調査の入力指示に対し、横軸(時間軸)方向にスクロールしながら交差点毎の移動体の通過履歴データを表示し、各交差点における複数の移動体19の存在有無を確認する移動体存在有無確認手段122とにより構成されている。
【0054】
次に、以上のような構成の交通量調査処理部102の動作について説明する。
【0055】
交通量調査処理部102の移動体実時刻記憶手段121では、監視制御用装置11が航空機センサの出力から各交差点を時々刻々通過する出発便及び到着便の状態をネットワーク13上から取り込んで監視しているので、このネットワーク13上の各交差点の移動体の出発便及び到着便の通過時刻を取込み、データベース2に時系列的に記憶していく。
【0056】
この状態において、監視制御用装置11の交通量調査ボタン23が操作されると、移動体存在有無確認手段122は、データベース2に記憶される交通量一覧表示画面G4を読み出して監視制御用装置11の表示部に表示するとともに、ある入力時間のもとにカーソルをスクロールすると、その時間軸の移動に伴ってデータベース2から各交差点に対応する移動体19の通過時刻の情報を順次表示するので、この表示された通過時刻の情報から各交差点における複数の移動体19の存在有無を確認することができる。
【0057】
なお、現在の交通量調査は、交通量調査ボタン23が操作された後、現在の交通量調査の入力指示に対し、監視制御用装置11の表示部に現在の移動体の進入交差点「5」を表わす図15に示す画面G5の他、交通量一覧表示画面G4を表示し、移動体が進入交差点「5」から進入する現在時刻から以後の時刻の各交差点の移動体通過状態を表示する機能をもっている。
【0058】
また、シミュレーションによる交通量調査は、交通量調査ボタン23が操作設定された後、将来の交通量調査の入力指示に対し、監視制御用装置11の表示部に現在日時の保存状態及び将来の時刻を設定する画面G6の他、交通量一覧表示画面G4を表示し、データベース2に記憶される現在以後の運行計画情報を用いて交通量調査を実施することもできる。
【0059】
従って、この交通量調査に関する実施の形態によれば、全交差点の過去/現在の移動体通過時刻の履歴を時間軸にそってスクロール表示することにより、同一の交差点に近づく複数の移動体が存在することを容易に確認でき、実際の発・着情報から前述する運行計画を適正に修正でき、より安全性の高い運行計画を作成できる。
【0060】
(c) シミュレーション処理部103による運行計画の作成について
このシミュレーション処理部103は、データベース2に記憶される過去の移動体の移動履歴と連動させることにより、監視制御用装置11の表示部の他、シュミレータ用表示装置4a,4b,…を用い、過去及び未来の移動体の移動軌跡を作成し、管制官等が見るために監視制御用装置11の表示部、多数の人が見るためにシュミレータ用表示装置4a,4b,…を介して大型表示装置3を用い、過去及び未来の移動体の移動軌跡を作成し監視する機能をもっている。
【0061】
このシミュレーション処理部103は、具体的には、図16及び図17に示すように監視制御用装置11のシミュレーションボタン24が操作された場合、データベース2に記憶される図2に示す空港モデルのグラフィック画面を監視制御用装置11の表示部および大型表示装置3の何れか一方又は両方に表示する一方、システム状態画面G1を表示し、過去のシミュレーションの指示入力があれば、データベース2に記憶される移動体の過去の各航空機センサを通過する移動履歴を順次読み出して監視制御用装置11の表示部、大型表示装置3に順次表示していく過去移動履歴表示手段131と、当該移動体の移動途中で風向きなどによるシステム状態の変更が生じたとき、図7,図8,図10,図11に基づいて異なる移動ルートを抽出し、同様に過去の移動体の移動履歴を順次読み出して監視制御用装置11の表示部、大型表示装置3に順次表示するルート変更移動履歴表示手段132と、将来のシミュレーションの指示入力があれば、データベース2に記憶される図13の上段に示す運行計画情報を用いて、所要の移動ルートに従って所要の速度で移動体を各交差点に移していくことにより、移動体の移動軌跡をシミュレーションする将来移動履歴表示手段133とによって構成されている。
【0062】
従って、以上のようにシミュレーション処理部103によって移動体の移動軌跡を順次表示しシミュレーションすることにより、発・着する移動体の移動状況を見ながら、最適な状態にあれば、その情報を運行計画情報に反映させることができる。
【0063】
(d) 動作履歴について
なお、監視制御用装置11に表示される動作履歴ボタン25を操作したとき、過去の移動体の移動履歴画面(図18参照)が表示される。つまり、図18に示すように、航空機センサで捕捉した各移動体の各ポイントPの通過時刻(動作履歴)がデータベース2に管理されているので、その動作履歴データを読み出して移動体の動作履歴を表示することが可能である。なお、動作履歴には、何れの移動ルートを選択したこと、運行計画にて設定されたその他の移動ルートも履歴として残している。移動履歴は、システム状態履歴画面も同時に表示すれば、例えば監視画面20上で移動体の移動状態を適切に確認することが可能である。
【0064】
なお、各ポイントPを通過する移動体の通過時刻(動作履歴)を表示せずに空港モデルのグラフィック画面に移動体の動作履歴だけを表示してもよい。
【0065】
(e) 経路変更について
また、運行計画情報の中からルート変更が必要と判断された場合、監視制御用装置11の監視画面20に表示される経路変更ボタン26を操作し、当該監視制御用装置11の表示部に図19に示す経路変更画面G7を表示する。このとき、運行時間帯を指定するか、或いは現在時間のもとに経路変更画面G7を表示する。この経路変更画面G7は、指定運行時間又現在時間のもとに航空機その他の移動体が同時に接近する場合、いつどの交差点でどの移動体が接近するかの情報画面及び該当移動体の移動履歴を表示した空港モデルのグラフィック画面であり、そして、複数の移動体のうち、ある特定の移動体をクリックすることにより、同図左上段に当該クリックされた移動体の変更画面が表示される。この画面には該当移動体の現在のルートの他、変更ルートを書き込むエリアが形成されている。
【0066】
ルート変更の通知は、例えば駐機エリアを出発した監視対象の全ての移動体に対して指示を行う場合、図19に示す経路変更画面により行うが、現在監視対象外の移動体においては、変更ルートの設定により運行計画を変更する。
【0067】
(3) 画像解析系について。
【0068】
画像解析系は、前述するように空港地表レーダ6、スキャンコンバータ7、画像解析手段ないし画像解析用装置8及びこの画像解析用装置8により解析された画像情報を格納するデータベース2等より構成されている。
【0069】
空港地表レーダ6は、空港全体を見渡せる高い個所に固定設置され、或いは適宜な高さ位置に所定の周期で首振り旋回可能に設置され、図20に示すごとく空港地表上の移動体を含む物体の反射波を捉え、スキャンコンバータ7に送出する。
【0070】
このスキャンコンバータ7は、物体の反射波であるレーダ信号をスキャンニングしながら順次ビデオ信号に変換し、画像解析手段ないし画像解析用装置8に送出する。
【0071】
この画像解析用装置8は、図21に示すようにレーダ監視範囲定義手段141の他、捕捉ビデオキャプチャを用いて、スキャンコンバータ7から出力される信号を画像認識して画像データとして取込んだ後、ある大きさ以上の画像データを航空機と認識し、空港地表レーダ6の監視範囲と各画像データとから大まかな位置を特定する物体位置特定手段142と、この物体の大まかな位置とデータベース2に保存される運行計画情報から取得される移動体の便名及び当該移動体の交差点等通過位置とから移動体の便名の妥当性を判断する妥当性判断手段143と、この判断手段143による判断結果から問題ありと判断された場合にはアラームを表示し、当該判断結果から妥当であると判断されたとき、航空機センサのセンサ情報を取込み、位置を予め定める範囲内で物体の大まかな位置を微小位置調整し、問題有無を判断し、問題無しの場合には自身またはデータベース2に格納される移動体情報その他必要なエリアに該当交差点の通過時刻その他必要な情報を記憶する一方、当該便名の移動体が空港地表レーダ6で捕捉中である画面G3を表示するレーダ捕捉画面表示手段144と、未確定移動体確認手段145とによって構成されている。
【0072】
次に、以上のような画像解析系の動作について説明する。
【0073】
先ず、所定の周期ごとに空港地表上の移動体を含む物体の反射波から物体の画像データを取り込むが、通常は移動体の場合は移動している。この物体の移動は所定時間毎の画像データの差分から検知するが、空港地表レーダ6の監視範囲外に出たときには画像が消失するので、空港地表レーダ6の監視範囲内エリアまたは監視範囲外エリアを定義しておかないと、捕捉異常となる。よって、予め空港地表レーダ6の監視範囲エリアを定義しておく。
【0074】
この画像解析用装置8のレーダ監視範囲定義手段141は、図22に示すように空港地表レーダ6からサンプリングする画像データを処理するに先立ち、空港地表レーダ6の監視範囲エリアを定義する。具体的には、空港地表レーダ6から出力される空港内物体の反射波であるレーダ信号をサンプリングし、固定情報を抽出した後(S1)、この抽出された固定情報を再生し、ブラインドエリアを設定する(S2)。その結果、所定時間ごとに空港地表レーダ6から出力される反射波であるレーダ信号を取込む場合、空港のエプロン16等の固定物体をマスクし、空港地表レーダ6の監視範囲を定義する(S3)。
【0075】
従って、以上のように空港地表レーダ6の監視範囲エリアを定義することにより、移動体が監視範囲エリア外,例えばマスク部分に移動した時には空港地表レーダ6と監視画面上のデータリンクとを停止し、再度監視範囲エリアに進入した場合には再度画像データと移動体シンボルとを結合する。
【0076】
ところで、以上のようなレーダ監視範囲を定義した後、監視制御用装置11に表示されるレーダ(ASDE)捕捉ボタン27を操作すると、物体位置特定手段142を実行する。この物体位置特定手段142は、図20に示すようにスキャンコンバータ7の出力から画像データを取込むが、ある大きさ以上の画像データを航空機と認識し、空港地表レーダ6の監視範囲と各画像データとから大まかな位置を特定する。しかし、画像解析用装置8は、複数の移動体が交差点に待機している場合、空港地表レーダ6が1つの塊に見えてしまうことや交差点の通過確認の詳細な情報を取得するには精度が足りない。
【0077】
そこで、妥当性判断手段143では、物体の大まかな位置とデータベース2に保存される運行計画情報の便名及び当該便名移動体の交差点等通過位置とから当該移動体の便名の妥当性を判断し、問題ありと判断された場合にはアラームを表示し、妥当であると判断された場合には航空機センサのセンサ情報を取込み、物体の大まかな位置を微小位置調整し、再度問題有無を判断し、問題無しと判断された場合にはレーダ捕捉画面表示手段144が自身またはデータベース2に格納される移動体情報その他必要なエリアに該当交差点の通過時刻その他必要な情報を記憶する一方、当該便名の移動体が空港地表レーダ6で捕捉中である画面G3を監視制御用装置11の表示部に表示する。
【0078】
ところで、レーダ監視範囲を定義し、所定時間ごとに毎回画像データをサンプリングすると、運行計画情報をもとにある便名の移動体の位置は、次はどの位置に移動するかが分るが、移動しない未確定の画像データも存在する。
【0079】
そこで、画像解析用装置8における未確定移動体確認手段145は、図23に示すように毎回レーダ監視範囲の画像データをサンプリングし、各移動体の関連付けを行いながら前回の移動体の追従処理を行う。
【0080】
この追従処理の一例は、例えば図24に示すように、前回サンプリングの画像データから位置情報を取得しているので、当該画像データの各便名の運行計画情報から次の移動方向となるベクトルを追加し(S21)、次回サンプリングの画像データの移動予測位置エリアを推測する(S22)。そして、今回の画像データの位置情報が推測された移動予測位置エリアに存在するとき、該当便名の移動体の移動と判断する(S23)。
【0081】
しかし、全ての移動体が移動しているにも拘らず、図23に示すごとく関連付けされていない例えば固定の画像データ31が出てくる場合がある(S11)。そこで、その他の情報を取得するために、レーダ監視範囲をマスキングし、既にマスキングされている部分を解除するが、画像データが現われない(S12)。
【0082】
結果として、最後まで移動しない画像データ31が残り、未確定な物体となる(S13)。一般に、空港地表レーダ6に映し出される画像データは、それほど忠実に被写体の形状を再現していない。そのため、運行計画情報と照らし合わせることにより、その物体はJALXXX便であることが予測できるので、このJALXXX便である予測画像を表示し、航空機等の移動体の種別の正否判断は人間系の判断に委ねる(S14)。すなわち、監視制御用装置11の監視画面20に新たな監視対象を発見する度に運行計画情報から推測される便名を表示し、例えば管制官に確認をとる。この時、推定した便名と異なる場合は、運行計画情報を表示し、その中から便名を選択する。
【0083】
つまり、該当する便名がない場合、航空機情報ボタン28を操作し、監視制御用装置11の監視画面20上に、図25に示すように運行計画情報の他に、予めデータベース2に保存される管理画面G8を表示し、管理画面G8の各エリアに所要な航空機情報を書き込み、当該管理画面G8の追加ボタンをクリックすることにより追加する。
【0084】
一方、運行計画を変更する場合、運行計画情報の中の変更すべき便名の移動体をクリックし、図5に示す当該移動体の航空機情報画面を表示し、登録ボタンをクリックすることにより登録する。
【0085】
また、予めルート変更が必要と判断できる場合、前述する(2)(e)に従って処理する。
【0086】
(4) 移動体検知・灯火制御系について。
【0087】
この移動体検知・灯火制御系は、ハードウエア的には図26に示すようなセンサ管理用装置9、誘導案内表示制御装置10の他、所要とする画面を表示する監視制御用装置11が用いられている。
【0088】
(a) センサ管理用装置9の構成について
センサ管理用装置9は、航空機センサ情報ボタン29の操作の有無に拘らず、航空機センサ41,41,…、停止線灯を含むの灯火42,42,…のセンサ情報を受信するセンサ/灯火情報受信手段151と、この受信手段151の受信内容に基づいてある特定の航空機センサ29から移動体通過を検出すると、データベース2に格納されるセンサ情報一覧画面の該当設置位置のゲートにフラグを設定する位置通過フラグを設定する通過フラグ設定手段152と、監視制御用装置11の監視画面20に表示される航空機センサ情報ボタン29の操作設定に基づき、予めデータベース2に格納されるセンサ情報一覧画面(図27参照)を監視制御用装置11の表示部に表示するセンサ情報一覧画面表示手段153と、このセンサ情報一覧画面に設定されるフラグに基づいて、予め運行計画情報から定められる予定方向を通過しているか否かの整合性を判断する整合性判断手段154と、前記受信手段151の受信内容である航空機センサ情報から複数の移動体の異常接近を判断する異常接近判断手段155と、この判断手段155の判断結果から異常接近の場合には警報処理,つまりアラーム表示、警報を出力する警報報知手段156とによって構成されている。
【0089】
次に、以上のような構成のセンサ管理用装置9の動作について説明する。
【0090】
今、監視制御用装置11の監視画面20に表示される航空機センサ情報ボタン29を操作すると、センサ管理用装置9のセンサ情報一覧画面表示手段153は、データベース2から図27に示すセンサ情報一覧画面を読み出し監視制御用装置11の表示部に表示する。このセンサ情報一覧画面は、移動体が最初に交差点のアドレス番号5のゲートaに設置される航空機センサを通過したことから◎のフラグが設定され、その後、同じ交差点のアドレス番号5のゲートcを通過したことから○のフラグが設定し、過去および現在の移動体の移動状況を監視可能に表示する(位置通過フラグ設定手段152)。
【0091】
そこで、整合性判断手段153では、フラグ◎からフラグ○を参照し、予め運行計画情報から設定されている予定方向とを比較し、移動体が予定方向に移動しているか否かの整合性を判断する。整合性ありの場合には整合性エリアに整合性ありフラグを設定し、整合性無しの場合には整合性エリアに整合性なしフラグを設定し、異常状態を知らせる。
【0092】
また、航空機センサ取り付けのコストを考慮すると、航空機センサ41の数が少ない方がよい。航空機の機体の長さを考慮すると、例えば60m間隔に航空機センサ41を配置すれば、航空機センサ41のみによるシームレスな監視が可能となる。
【0093】
また、センサ管理用装置9は、移動体の異常接近状態を判断し、空港の安定運用を確保している。
【0094】
すなわち、センサ管理用装置9のセンサ/灯火情報受信手段151は、図28に示すように各航空機センサ41の出力情報を受信しているが、隣接する2つの航空機センサ41−41の出力情報をタイムチャートとなるように自身又は監視制御用装置11に表示する。センサ管理用装置9の異常接近判断手段155では、2つの航空機センサ出力が前後端で重なる場合、航空機がセンサNO1を通過し、未だセンサNO2を通過しないうちに引き続き次の航空機がセンサNO1を通過した場合、異常接近と判断し、警報報知手段156にてアラーム表示或いは警報を出力する。なお、瞬時無検出の場合は、雑音、小動物(例えば鳥)などが通過したと判断し、つなぎ合わせて同一処理を行う。
【0095】
従って、以上のような構成とすることにより、航空機が航空機センサ41を通過するごとにセンサ情報一覧画面にフラグを設定することにより、予め運行計画で定めた方向に移動体が移動しているかを監視できる。また、隣接する2つの航空機センサのセンサ情報を時間的経緯から判断することにより、未然に航空機の異常接近を検知し、必要な処置を講じることが可能となる。
【0096】
(b) センサ管理用装置9と航空機センサ・灯火等の端末との関係について。
【0097】
図29はセンサ管理用装置9と航空機センサ・灯火等の端末との関係を示す図である。
【0098】
センサ管理用装置9に接続されるネットワーク12には少なくとも1台以上のコントローラ43及び制御LAN44を介して複数の親局45,…が接続されている。これら各親局45には航空機センサ41、灯火42に個別に対応する所要台数の端末46が接続されている。センサ管理用装置9の下位に接続されるシステムは、コントローラ43が親局45を管理し、親局45は多数の航空機センサ用端末46、多数の灯火制御用端末46と通信メッセージである情報の授受を行い、端末状態を対応する各コントローラ43に送信する構成となっている。
【0099】
センサ管理用装置9と1台以上のコントローラ43とは、センサ管理用装置9が各コントローラ43に送信要求を行い、各コントローラ43は要求内容に応じた応答情報をセンサ管理用装置9に送信するものである。
【0100】
(c) 交差点におけるコントローラ43の処理例について。
【0101】
図30は交差点5における移動体の移動と灯火の点灯・消灯との関係を示す図であって、同図(a)は移動体である航空機19が航空機センサ41(▲3▼)を通過し、交差点5の停止線灯1に移動する状態、同図(b)は停止線灯1が点灯し停止線灯1の手前で航空機が停止している状態、同図(c)は停止線灯1が消灯し、航空機19が交差点5に進入可能な状態、同図(d)は航空機19が交差点5に移動し、交差点4の各ゲートに設置される停止線灯1〜4のうち停止線灯2のみの点灯により移動方向を指示している状態、同図(e)は航空機19が交差点5から停止線灯2を通過している状態、同図(f)は航空機19が停止線灯2を通過し航空機センサ▲4▼を通過している状態を示す。
【0102】
以上のようにして航空機19を誘導する場合、コントローラ43及び上位システムは図31に示すような処理を実行する。すなわち、コントローラ43は、交差点手前の航空機センサ▲3▼の出力から移動体通過有りかを判断し(S31)、移動体通過有りの場合には交差点5を選択し(S32)、運行開始を行う(S33)。この運行開始により、交差点5に設置される各停止線灯1〜4に対応する端末46に対し、灯火制御を実行する(S34)。つまり、航空機進入側の停止線灯1を点灯させ、他の停止線灯2〜4を消灯制御し、航空機19を待機させ、上位システムであるセンサ管理用装置9に対して安全性確認調査を実行する(S35)。
【0103】
すなわち、コントローラ43は、航空機待機の情報をネットワーク12を径由してセンサ管理用装置9に送信する。センサ管理用装置9は、その航空機待機情報を運行計画作成装置1に通知する。運行計画作成装置1は、運行計画情報から航空機種別、移動方向を判断し(S36)、問題が無ければ(S37)、航空機19が計画通りに移動していることを確認し、監視制御用装置11に通知し、当該監視制御用装置11から自動的に航空機種別、移動方向データをもつ進入許可をセンサ管理装置9及びネットワーク12をコントローラ43に通知する。
【0104】
ここで、コントローラ43は、停止線灯1、2の消灯、停止線灯3,4の点灯を行う灯火制御を実行する(S39)。しかる後、コントローラ43は、航空機センサ▲1▼から航空機通過有りかを判断し(S40)、航空機通過有りの場合には交差点5の航空機進入であると確認し(S41)、停止線灯1点灯、停止線灯2の消灯、停止線灯3,4の点灯を行う灯火制御を実行する(S42)。
【0105】
引き続き、コントローラ43は、航空機センサ▲2▼から航空機通過有りかを判断し(S43)、航空機通過有りと判断されたとき、航空機が交差点5を通過完了したと確認し(S44)、停止線灯1〜4の点灯を行う灯火制御を実行する(S45)。さらに、航空機センサ▲4▼から航空機通過有りかを判断し(S46)、航空機通過有りと判断した場合には運用終了を確認し(S47)、全ての停止線灯1〜4を消灯する灯火制御を実行し(S48)、処理を終了する。
【0106】
(5) 誘導案内表示系について
この誘導案内表示系は、誘導案内表示用装置10が設けられ、誘導案内表示用装置10は滑走路・誘導路の交差点入口、誘導路上に設置される誘導案内灯に誘導上必要な誘導案内情報を表示する機能を有し、具体的には、図32に示すような機能ブロックで構成されている。
【0107】
この誘導案内表示用装置10は、監視制御用装置11の監視画面20に表示される表示灯情報ボタン30が操作された場合、予めデータベース2に記憶される図33に示す表示灯情報一覧画面を読み出して監視制御用装置11の表示部に表示する表示灯情報一覧画面表示手段161と、監視制御用装置11に表示される自動/手動ボタン21が自動監視に設定されているか否かを判断し、自動監視の場合には変更不可となるが、手動監視の場合には変更可能となるので、変更の有無を確認する変更有無確認手段162と、この確認手段162の判断後、表示灯情報一覧画面に書き込まれている現在状態データ,つまり誘導案内データを誘導案内灯設置位置データとともに送信し、交差点の各ゲート、移動体待機ポイントなどに設置される図34に示す誘導案内灯51に表示する誘導案内データ送信手段163とによって構成されている。
【0108】
前記表示灯情報一覧画面としては、運用計画情報と航空機センサのセンサ情報とに基づいて現在センサを通過する移動体の便名(コールサイン)を特定し、当該画面の所要エリアに書込むと共に、誘導路イメージ(+字,T字等)、進行矢印(↑,→,←)、停止線灯(有/無)などの誘導案内データが記載されている。
【0109】
なお、誘導案内表示用装置10と誘導案内灯51は一例として図34のような接続関係になっている。誘導案内表示用装置10はルータ52を介して閉鎖的な専用通信網(仮想施設網VPN:Virtual Private Network)53と接続されている。この専用通信網は契約のもとに通信事業者の無線公衆回線網の設備を利用して実現される。従って、誘導案内表示用装置10から送信される誘導案内データは専用通信網53に設置される基地局54から変調されて無線送信される。
【0110】
一方、誘導案内灯51側には演算装置54および無線モデム55が接続され、基地局54から無線送信される誘導案内データは受信アンテナを介して無線モデム55で復調され、演算装置54にて誘導案内データに含むコールサイン、誘導路イメージ及び通行矢印等に基づいて画像データを作成し、誘導案内灯51に表示する。
【0111】
従って、誘導案内表示用装置10から現在状態に促した誘導案内データを送信し、誘導案内灯51に視覚認識可能に表示するので、移動体の操縦者は誘導案内灯51の誘導案内表示データのもとに移動体を移動させることができ、ひいては管制官の負担が大幅に低減できる。
【0112】
(6) 監視制御系について。
【0113】
この監視制御系は、管制官が監視する監視制御用装置11が設けられ、運行計画作成装置1で作成されたデータベース2に格納される運行計画情報その他の情報を利用し、さらに各装置8〜10と連携を取りながら、監視画面20に前述する図3に示す画像を表示することにより、空港全体の状況を監視し、各ボタン21から30を選択的に操作設定することにより、前述するように各装置8〜10に所要とする処理を実行させ、監視画面に所要とする管制官支援情報を表示する。
【0114】
従って、管制官が各ボタン21〜30を選択的に操作することにより、地上管制上必要な管制支援情報が監視画面に表示されるので、管制官の負担が大幅に低減できる。
【0115】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。上記実施の形態では、各装置1,8〜11がそれぞれ独立した装置として説明したが、例えばこれら各装置1,8〜11の機能を組込んでなる一体的な1台の装置として考えても同様に実現できる。また、運行計画作成装置1にのみ運行計画情報、航空機情報その他の画面情報等を格納するデータベース2を設けたが、例えばボタン操作設定によって各装置8〜10が動作し監視制御装置11の監視画面に表示する画面情報をそれぞれ対応する装置8〜10側に記憶する構成であってもよい。
【0116】
さらに、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、混雑時や低視程時にも拘らず、管制官の所要とする支援情報を迅速に提供でき、ひいては管制官の負担の軽減、空港の効率的な運行を確保できる地上管制支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を示す系統構成図。
【図2】 本システムを適用する空港モデルのグラフィック画面を示す図。
【図3】 自動監視/シミュレーション時における監視制御装置の監視画面の表示状態を表わす図。
【図4】 本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を構成する運行計画作成装置のうち、基本的な運行計画を作成するための機能ブロック図。
【図5】 各移動体ごとに作成される航空機情報を示す図。
【図6】 空港モデルに基づいて作成される東風時の標準的な移動パターンを示す図。
【図7】 図6に示す標準的な移動パターンから作成される東風出発時の移動ルートを示す図。
【図8】 図6に示す標準的な移動パターンから作成される東風到着時の移動ルートを示す図。
【図9】 図7及び図8によって抽出される最短発着ルートを空港モデルのグラフィック画面に表示した図。
【図10】 西風時の標準的な移動パターン(図示せず)から作成される西風出発時の移動ルートを示す図。
【図11】 西風時の標準的な移動パターン(図示せず)から作成される西風到着時の移動ルートを示す図。
【図12】 図10及び図11によって抽出される最短発着ルートを空港モデルのグラフィック画面に表示した図。
【図13】 抽出された最短発着ルートに基づいて作成された運用計画情報を示す図。
【図14】 本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を構成する運行計画作成装置のうち、交通量調査を実施するための機能ブロック図。
【図15】 交通量調査ボタンを操作した場合の交通量調査の監視画面を示す図。
【図16】 本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を構成する運行計画作成装置のうち、シミュレーションを実施するための機能ブロック図。
【図17】 シミュレーションボタンを操作した場合のシミュレーション時の監視画面を示す図。
【図18】 動作履歴ボタンを操作した場合の動作履歴時の監視画面を示す図。
【図19】 経路変更ボタンを操作した場合の経路変更時の監視画面を示す図。
【図20】 本発明に係わる空港管制支援システムの一実施の形態を構成する画像解析用装置の画像解析処理の動作手順を説明する図。
【図21】 図1に示す画像解析用装置の一実施の形態を説明する機能ブロック図。
【図22】 画像解析用装置における空港地表レーダの監視範囲を設定するための説明図。
【図23】 画像解析用装置における移動体の追従処理を説明する図。
【図24】 画像解析用装置における移動体の追従処理の他の例を説明する図。
【図25】 航空機情報ボタンを操作した場合の監視画面を示す図。
【図26】 図1に示すセンサ管理用装置の一実施の形態を説明する機能ブロック図。
【図27】 航空機センサ情報ボタンを操作した場合の監視画面を示す図。
【図28】 空港内に設置される2つの隣接する航空機センサの移動体通過状態と異常接近との関係を説明する図。
【図29】 センサ管理用装置と航空機センサ・灯火との間の情報の授受関係を説明する図。
【図30】 交差点を通過する移動体の位置と停止線灯の点灯・消灯制御との関係を説明する図。
【図31】 図29に示すコントローラの動作を説明するフローチャート。
【図32】 図1に示す誘導案内表示制御装置の一実施の形態を説明する機能ブロック図。
【図33】 表示灯制御ボタンを操作した場合の監視画面を示す図。
【図34】 誘導案内表示制御装置と誘導案内灯との情報の授受関係を説明する図。
【符号の説明】
1…運行計画作成装置
2…データベース
3…大型表示装置
4a,4b…シミュレータ用表示装置
6…空港地表レーダ
8…画像解析用装置
9…センサ管理用装置
10…誘導案内表示用装置
11…監視制御用装置
12…ネットワーク
19…移動体
20…監視画面
41…航空機センサ
42…灯火
51…誘導案内灯
101…基本運行計画作成部
102…交通量調査処理部
103…シミュレーション処理部
111…発着ルート解析手段
112…最短ルート抽出手段
113…発着ルート表示手段
114…運行計画情報作成手段
141…レーダ監視範囲定義手段
142…物体位置特定手段
143…妥当性判断手段
144…レーダ捕捉画面表示手段
145…未確定移動体確認手段
Claims (4)
- 地上走行する移動体の管制業務を支援する空港管制支援システムにおいて、
監視画面、運行計画ボタン及び交通量調査ボタンが設けられた監視制御手段と、
この監視制御手段に設けられた運用計画ボタンが操作された場合、風向きに応じて作成された前記移動体の発着時に想定される数の移動パターンと各移動体ごとに設定される移動体情報とを用いて、移動体毎に最短ルートの運行計画情報を作成し、この作成された運行計画情報を前記監視画面に表示される空港モデルのグラフィック画面上に表示可能にする運行計画作成手段と、
空港内交差点の各移動体の通過履歴が記憶され、前記交通量調査ボタンが操作された場合、前記監視制御手段の監視画面の縦方向に各交差点が列記され、かつ各交差点に対応する横軸方向に移動体の通過履歴を表示可能とする画面を前記監視制御手段の監視画面に表示し、前記横軸方向にスクロールしながら前記各移動体の通過履歴を読み出し表示し、前記各所要交差点における複数の移動体の存在有無を確認する交通量調査手段と
を備えたことを特徴とする空港管制支援システム。 - 請求項1に記載の空港管制支援システムにおいて、
前記運行計画作成手段は、風向きに応じて作成された前記移動体の発着時に想定される数の移動パターンと各移動体ごとに設定される移動体情報とから各移動体の発着ルートを解析する発着ルート解析手段と、この発着ルート解析手段により解析された発着ルートから最短発着ルートを抽出する最短ルート抽出手段と、この最短ルート抽出手段により抽出される最短ルートを運行計画情報とし、この運行計画情報を記憶する手段とを設けたことを特徴とする空港管制支援システム。 - 請求項1または請求項2に記載の空港管制支援システムにおいて、
シミュレーションボタンが設けられた前記監視制御手段と、
大型表示装置と、
空港内交差点の各移動体の通過履歴が記憶され、前記シミュレーションボタンが操作された場合、前記移動体の過去の通過履歴及び前記運行計画情報とを用いて、前記監視制御手段の監視画面及び前記大型表示装置の何れか一方または両方に移動体を順次移動させるように表示するシミュレーション手段と
を設けたことを特徴とする空港管制支援システム。 - 請求項3に記載の空港管制支援システムにおいて、
前記シミュレーション手段は、前記移動体の移動途中に風向きなどに起因してシステム状態の変更が生じたとき、異なるルートを抽出し、この抽出されたルートに基づいて前記移動体の過去の通過履歴及び前記運行計画情報を用いて前記監視画面、前記大型表示装置に移動体を順次移動させるように表示することを特徴とする空港管制支援システム。
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