JP4091359B2 - 二次元コードのマーキング方法及びそのマーキング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次元コードのマーキング方法及びそのマーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次元コードは、白又は黒の複数の単位セルを矩形マトリックス状に種々の配列に組み合わせて情報を表示するというものであり、一次元コード(例えば、いわゆるバーコード)に比べて、多くの情報をコード化することができるので、近年では、製品(被マーキング対象物)に二次元コードをレーザマーキング装置によりマーキングして、生産管理等を行うようになってきている。例えば、この二次元コードの1つであるデータコード(又はデータマトリクス)は小型化に好適であり、特にマーキング面積が制限される場合によく用いられる。
ところで、データコード7は図7(a)に示すように、複数の単位セルがマトリックス状に配置されており、そのうち外側の単位セルをレーザ光のマーキングによって、例えば製品の表面を焼いて黒色に変色させたL型の読取基準部71と、それ以外の単位セルにより構成される矩形状のデータ部72とからなる。この読取基準部71はデータ状の位置と範囲とを確定するために形成されているのである。
【0003】
このデータコード7を読み取るにはコードリーダを用いる。具体的には、CCDスキャナによって、データコード7全体を画像として取りこんだ後、制御装置にて各単位セルの明暗(黒又は白)を判断して、「1」(黒)又は「0」(白)の値を割り当て、マトリックス状のデータ(マトリックスデータ)を生成する。そして、マトリックスデータのうち「1」がL型に連なっている部分を読取基準部71と判別して、この読取基準部71によってデータ部72の範囲を確定し、このデータ部72をデコードすることにより、情報を読み取るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、種々の要因から、レーザ光によってマーキングされたすべての単位セルが十分に黒色に変色するとは限らず、一部の単位セルでは加熱が不充分なため、黒色にマーキングされるべきであるにも拘わらず、例えば、灰色となってしまうことがある。データ部72については、黒と判別されるべき単位セルが、白と誤判別されたとしても、その誤判別の割合が所定値以内であれば、正しくデコードできる誤り訂正が可能なデータ構造とされている。従って、誤判別の発生はある程度許容できる。しかし、読取基準部71を構成する単位セルの一部でも灰色になると、その単位セルに「0」(白)が割り当てられてL型の読取基準部71が形成できなくなる(図7(b)参照)。この結果、データコード7を読み込む際に、読取基準部71が判別されず、そのために、データ部72が確定されず、デコード不能に陥るという問題が生ずる。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、二次元コード読み取りの際に、読取基準部を確実に認識させることができるマーキング方法及びそのマーキング装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、被マーキング対象物にレーザ光を照射して、複数の単位セルを矩形マトリックス状に配置してなる二次元コードをマーキングする方法であって、前記二次元コードが、前記矩形領域のうちの所定の位置に読取基準部となる単位セル群を配置し、それ以外の領域にデータ部となる単位セルを配置したものにおいて、前記読取基準部を構成する単位セルにはレーザ照射を行わず、少なくともその読取基準部の周りを全体に亘って前記単位セル幅以上の幅でレーザ照射を行った補助背景部を設けるようにしたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、被マーキング対象物にレーザ光を照射して、複数の単位セルを矩形マトリックス状に配置してなる二次元コードをマーキングする二次元コードのマーキング装置であって、前記二次元コードが、前記矩形領域のうち所定の位置に読取基準部となる単位セル群を配置し、それ以外の矩形領域にデータ部となる単位セルを配置したものにおいて、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、このレーザ光源から出射された前記レーザ光を制御して前記被マーキング対象物上に前記レーザ光を照射するレーザ照射制御装置と、このレーザ照射制御装置を制御する制御データであって、前記二次元コードの前記読取基準部を構成する単位セルにはレーザ照射を行わず、少なくともその読取基準部の周りを全体に亘って前記単位セル幅以上の幅でレーザ照射を行った補助背景部を設けるような制御データを生成するデータ生成手段とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
請求項1及び請求項2の発明は、読取基準部にレーザ照射を行なわず、その読取基準部の周り全体に亘ってレーザ照射を行った単位セルから構成される補助背景部をマーキングする構成とした。
尚、被マーキング対象物がレーザ光を受けると、レーザ光により加熱されて被マーキング対象物が変色したり彫られたりする。被マーキング対象物のうち、レーザ照射された部分と、レーザ照射されていない部分とでは、反射率が異なることにより、コードリーダでは、反射光の明暗の差によって両者を認識できる。
このようすると、従来の読取基準部にレーザ照射をする方法では、読取基準部を構成するすべての単位セルが十分に彫られなければ、読取不能とされていたが、本発明では、読取基準部にはレーザ照射を行なわずに、被マーキング対象物の地色を残しているから、読取基準部を構成する単位セルの色が誤判別されることがない。しかも、読取基準部は周りの補助背景部によって浮き上がった形になるから、それを確実に判別できる。
【0009】
具体的には、図8(a)に示すように、読取基準部71にはレーザ光でマーキングせずに、被マーキング対象物の地色を残しておく。そして、コードデータ7の周囲に(読取基準部71の周りを全体に亘って)配される補助背景部73をレーザ光でマーキングして、例えば黒色にマーキングして形成する。そして、データコード7をコードリーダで読み込むと、黒色の単位セルには「1」が割り当てられ、白色の単位セルには「0」が割り当てられて、マトリックス状のデータ(マトリックスデータ)が生成される。
【0010】
そして、「0」が直線状に4つ連続しており、かつ直線状に連なる「0」の一端側から直角に「0」が直線状に4つ連なるL型の領域を読取基準部71と判別すればよい。また、補助背景部73は、マトリックスデータ上で「0」で形成されるL型の領域(読取基準部71)を浮き立たせるための背景として機能するのである。
ここで、請求項に記載の「読取基準部の周りを全体に亘って前記単位セル幅以上の幅でレーザ照射を行った補助背景部」とは補助背景部73を構成する単位セル(破線Aが掛かる単位セル)の全てが黒色に印字されていることを要するということではなく、読取基準部71の幅や長さを認識できる程度に形成されていれば良い。また、データ部72の一部(破線Aが掛かる単位セル)は補助背景部73を兼ねてもよい。
【0011】
従って、仮に、補助背景部73を構成する単位セルの一部が黒色であると判別されずに白色であると誤判別された場合であっても、白色の単位セルがL型に並んで構成されている読取基準部71には影響がなく、これを確実に判別することができる(図8(b)参照)。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態を図1から図6を参照して説明する。
本実施形態のレーザマーキング装置は、二次元コードのうち、例えば縦横各4列計16個の単位セルを矩形マトリックス状に配置したデータコード2をワークWにマーキングするために用いられる。尚、本実施形態では、説明の便宜上、ワークWの地色は白色とする。
【0013】
本実施形態のレーザマーキング装置は、図1及び図2に示すように、レーザ光源10と、レーザ照射制御装置に相当するガルバノメータスキャナ11及びコントローラ12とが備えられ、コントローラ12からの制御信号によりレーザ光源10から出射されたレーザ光をガルバノメータスキャナ11にて、ワークW上の所望の位置に走査する。
【0014】
本実施例において、前記データコード2を構成する単位セルは、レーザ光を照射してワークWの表面を黒色に変色させたもの(以下「黒色セル」という)と、レーザ光を照射せずにワークWの地色(白色)のままにされているもの(以下「白色セル」という)との2種類からなる。これらの2種類の単位セルを組み合わせて各種のデータコード2が構成されるが、全てのデータコード2は読取基準部21を有する。この読取基準部21は、データコード2の外側の二辺を構成するL型に連なる計7個の白色セルからなる。それ以外の単位セル群は、データ部22を構成する(図3参照)。
【0015】
これらのデータコード2をマーキングするために、コントローラ12内には各種のデータコード2に対応したマトリックスデータが記憶されたメモリ12Aと、このメモリ12Aから読み出したマトリックスデータに基づいてマーキングデータ(「レーザ照射制御装置を制御する制御データ」に相当する)を生成するCPU12Bが備えられている。なお、マトリックスデータは、図3に示すように、例えばデータコード2の黒色セルに「1」を割り当て、白色セルに「0」を割り当ててマトリックス状に配置したものである。また、この実施形態では、従来と同様に読取基準部21には予め「1」の値が入力されており、データ部22を構成する単位セルのうち、この読取基準部21に隣接する所定の単位セルには、「0」が入力されている。
【0016】
そして、本実施形態では、各データコード2をマーキングする際に、図5及び図6に示すように、4行4列のデータコード2の全周に黒色セルと同じ幅でレーザ照射を行って、枠状の補助背景部3を設ける。そのために、CPU12Bは前記マーキングデータを生成する際に、その補助背景部3を生成するためのマーキングデータも併せて生成するようになっている。また、データコード2のデータ部22のうち、L型の読取基準部21と隣接する黒色セル22Aが読取基準部21を全周にわたって囲む補助背景部3の一部を構成する。尚、補助背景部3を構成する黒色セルは、L型の読取基準部21の周り全体に亘って連続的に形成される必要はなく、読取基準部21の幅及び長さを認識できる程度に配置すれば良い。
【0017】
次に、本実施形態の動作について説明する。
コントローラ12にマーキング指令が与えられると、CPU12Bは、メモリ12Aからマトリックスデータを読み出して、全ての単位セルに割り当てられている値を反転させる(図4参照)。そして、このマトリックスデータからワークW上においてレーザ光を照射すべき座標とレーザ光源のON/OFFとを指定するマーキングデータを生成し、併せてデータコード2の周り全体に亘ってレーザ照射を行なう単位セルから構成される補助背景部3をマーキングするためのマーキングデータも生成する。そして、これらマーキングデータをレーザ光源10及びガルバノメータスキャナ11に送信することにより、ワークW上にデータコード2をマーキングする。
【0018】
これにより、データコード2内のうちレーザ光が照射された領域は黒色セルとなり、照射されなかった領域は白色セルとなる。従って、図5に示すように、読取基準部21はワークWの地色である白色のままとなり、データコード2の周り全体に亘って補助背景部3が黒色で印字される。
【0019】
ところで、データコード2は、コードリーダによって、読み取りが行なわれるのであるが、その原理としては、まず、CCDスキャナによって、データコード7全体を画像として取りこんだ後、CCDの各画素において黒又は白を判断して「1」(黒)又は「0」(白)を割り当てる。このとき、横方向に走査していき、「1」又は「0」が連続する画素の数を計数し、続いて、縦方向に走査して、同じく「1」又は「0」が連続する画素の数を計数する。この後、同じ数値が連続する画素の数うち最も少ない数を単位セルの一辺とする。これに基づいて、各画素から単位セルを形成し、単位セルを構成する各画素に割り当てられた値で「1」が所定割合以上であれば「1」を割り当て、所定割合以下であれば「0」を割り当てて、マトリックス状のデータ(マトリックスデータ)を生成する。
【0020】
このマトリックスデータから、「0」が直線状に4つ連続しており、かつ直線状に連なる「0」の一端側から直角に「0」が直線状に4つ連なるL型の領域(読取基準部21)を、全体の中から識別する。この識別の際、白色セル(値「0」)からなる読取基準部21の周りは全体に黒色セル(値「1」)によって囲まれているから、黒色セルを背景として白色セルの幅や長さを正確に識別することができる。また、本来、白色セル部分を黒色セル(値「1」)として誤認識してしまう可能性は低い。さらに、仮に、補助背景部3を構成する黒色セルの一部が白色セル(値「0」)として誤認識されたとしても、読取基準部21を構成する白色セルの幅や長さを識別することに支障はないから、読取基準部21を確実に識別することができる。
【0021】
このように、本実施形態によれば、読取基準部21にはマーキング処理を施さずにワークWの地色である白色を残しているから、これを構成する各単位セルは読み取りの際に、黒色と誤判別されることがなく、確実に白色と判別される。従って、データコード2を読み込む際に、読取基準部21を確実に判別することが可能となる(図6参照)。
尚、データコード2の周囲にマーキングを行うことによって、従来のデータコードよりも大型化することが懸念される。しかしながら、従来のデータコードにおいても、読取基準部を判別させるために、周囲にマーキングを施さない枠状の領域(マージン)を残しており、本実施形態では、この枠状の領域に補助背景部3を形成した。したがって、ワークWにおいて、データコード2を印字する際に必要とされるスペースは、従来のデータコードと、本実施形態のデータコード2とでは同じであるから、スペースが大型化することはない。
【0022】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、データコード2の読取基準部21を予め「1」の値としたマトリックスデータをメモリ12Aに記憶し、マーキング時にこれを反転させる構成を例示したが、読取基準部を予め「0」の値に置き換えたマトリックスデータを記憶しておいてもよい。つまり、データコード2の白色と黒色とをすべて反転させる構成としていたが、これに限られず、少なくとも読取基準部を白色とする構成であれば良く、データ部22は反転させなくても良い。
【0023】
(2)上記実施形態では、補助背景部3を黒色セルの集合体として構成したが、これに限らず、単位セルの幅以上の幅で連続的にレーザ光を照射したL型の領域によって構成しても良い。
【0024】
(3)上記実施形態では、補助背景部3の一部がデータコード2の四辺を囲むように形成したが、これに限らず、L型の読取基準部21に沿った二辺に補助背景部の一部をL型に配置しても良い。この場合にも、補助背景部は、L型をなす読取基準部の周りを全体に亘るようにデータ部内の一部にも形成すればよい。
【0025】
(4)上記実施形態では、地色が白色のワークWに対してレーザ光を照射して黒色セルを形成する例について説明したが、地色が黒色(又は暗色)のワークにレーザ光を照射して白色(又は明色)に変色させるようにしてもよく、その場合にも、読取基準部にはレーザ光を照射せず、補助背景部にレーザ光を照射する構成とすればよい。
【0026】
(5)上記実施形態では、二次元コードとしてデータマトリックスの例を示したが、この限りではなく、QRコード等の二次元コードにも適用することができる。
【0027】
(6)本実施形態では、ガルバノスキャニングの例を示したが、例えば、レーザ光をマスクを通して選択的に照射するマスク式のレーザマーキング装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のレーザマーキング装置の全体図
【図2】レーザマーキング装置の構成図
【図3】コードデータとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【図4】コードデータとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【図5】コードデータとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【図6】コードデータとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【図7】従来のコードデータとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【図8】本発明のデータコードとこれに対応するマトリックスデータを模式的に示した図
【符号の説明】
2…データコード
3…補助背景部
10…レーザ光源
11…ガルバノメータスキャナ
12A…メモリ
12B…CPU
21…読取基準部
22…データ部
22A…黒色セル
Claims (2)
- 被マーキング対象物にレーザ光を照射して、複数の単位セルを矩形マトリックス状に配置してなる二次元コードをマーキングする方法であって、前記二次元コードが、前記矩形領域のうちの所定の位置に読取基準部となる単位セル群を配置し、それ以外の領域にデータ部となる単位セルを配置したものにおいて、
前記読取基準部を構成する単位セルにはレーザ照射を行わず、少なくともその読取基準部の周りを全体に亘って前記単位セル幅以上の幅でレーザ照射を行った補助背景部を設けるようにしたことを特徴とする二次元コードのマーキング方法。 - 被マーキング対象物にレーザ光を照射して、複数の単位セルを矩形マトリックス状に配置してなる二次元コードをマーキングする二次元コードのマーキング装置であって、前記二次元コードが、前記矩形領域のうち所定の位置に読取基準部となる単位セル群を配置し、それ以外の領域にデータ部となる単位セルを配置したものにおいて、
前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
このレーザ光源から出射された前記レーザ光を制御して前記被マーキング対象物上に前記レーザ光を照射するレーザ照射制御装置と、
このレーザ照射制御装置を制御する制御データであって、前記二次元コードの前記読取基準部を構成する単位セルにはレーザ照射を行わず、少なくともその読取基準部の周りを全体に亘って前記単位セル幅以上の幅でレーザ照射を行った補助背景部を設けるような制御データを生成するデータ生成手段とを備えてなる二次元コードのマーキング装置。
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