JP4092459B2 - トルク検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトルク検出装置、特に反力トルクによるスラスト力を検出することでトルクを検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力切替機には複数接点を切替えるロータリスイッチ(タップ)が設けられている場合がある。ロータリスイッチはモータで回転駆動され、稼働状況に応じて接点を切り替える。ロータリスイッチでは、経時劣化により接点間の回転抵抗が増し、接点切替が円滑に行えない場合がある。このため、電力切替機の外部からロータリスイッチにトルク検出装置を係合させ、ロータリスイッチの負荷トルクを定期的に検出するメンテナンスが必要となる。
【0003】
トルク検出装置としては反力型トルクメータがあり、低価格である一方、減速モータを含む大きい重量を繊細なセンサで支える必要があるので構造上弱いという欠点がある。また、軸の曲げモーメントによる出力信号の干渉も生じる。
【0004】
一方、特開平9−250958号公報には、はすば歯車のスラスト変位を利用したトルク検出装置が開示されている。はすば歯車の受動歯車にスラスト力により伸縮する変位検出器を設け、その変位によりトルクを検出する。駆動軸に付加されたトルクは、駆動軸に固定されたはすば歯車の駆動歯車から受動歯車の軸方向にスラスト力を与え、このスラスト力は変位検出器に変位を生じさせる。予め駆動トルクと変位との相対関係を検定することで、トルクを簡易に検出することができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、はすば歯車を用いる場合、駆動軸と被駆動軸は平行な関係にあり、歯車が回転しなければスラスト力が発生せず、変位検出器の変位は生じない。したがって、ロータリスイッチにトルクを印加して静止状態から回転を始めるまでの負荷トルクを検出することができない問題がある。さらに、スラスト力は歯車の動摩擦係数やリード角に大きく依存するので、安定的なトルク検出が困難である問題もある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、構造上強度を維持でき、また、安定して高精度にトルクを検出することができる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、駆動軸と被駆動軸とを係合するウォームギアと、前記被駆動軸の負荷トルクに応じて前記ウォームギアに作用する水平方向のスラスト力を検出するセンサとを有し、前記センサはロバーバル機構のロードセルであって、前記ロードセルの下端が基台に固定され、前記ロードセルの上端が駆動軸側のウォームの軸受けに固定されて前記上端が前記スラスト力の方向に変位可能なように水平方向に歪み発生用の孔が形成され、前記スラスト方向の変位による歪みを検出するように構成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、駆動軸と被駆動軸とを係合するハイポイドギアと、前記被駆動軸の負荷トルクに応じて前記ハイポイドギアに作用する水平方向のスラスト力を検出するセンサとを有し、前記センサはロバーバル機構のロードセルであって、前記ロードセルの下端が基台に固定され、前記ロードセルの上端が駆動軸側の歯車の軸受けに固定されて前記上端が前記スラスト力の方向に変位可能なように水平方向に歪み発生用の孔が形成され、前記スラスト方向の変位による歪みを検出するように構成されることを特徴とする。
【0012】
このように、本発明のトルク検出装置では、ウォームギアあるいはハイポイドギアに印加されるスラスト力を用いて負荷トルクを検出する。ウォームギアあるいはハイポイドギアは、2つの軸が互いに直交し、軸中心がオフセットを有する特徴がある。従って、例えばウォームギアの場合、ロータリスイッチ等の負荷に被駆動軸を接続し、被駆動軸にウォームホイールを接続し、駆動軸にウォームを接続することで、負荷トルクによりウォームにスラスト力が印加されることになる。通常、ウォームにはスラスト軸受が設けられてスラスト力を受けるが、本発明ではスラスト力をセンサ、例えばロードセルで受け、ロードセルに生じた歪みを検出する。ロードセルで検出した歪み量はスラスト力に比例し、スラスト力は負荷トルクに比例する。従って、予め歪み量と負荷トルクとの関係を検定しておけば、負荷トルクを高精度に検出することができる。また、軸中心がオフセットを有しているため、ギアが回転していなくても負荷トルクによりスラスト力が発生し、負荷が静止状態から回転を始めるためのトルクも検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について、電力切替用のタップを回転させるために必要な負荷トルクを検出する場合を例にとり説明する。
【0014】
図1には、本実施形態の概念構成図が示されている。トルク検出装置1は、駆動用モータ2、ギア機構3、センサ4、処理部5を含んで構成され、モータ2の駆動軸と負荷6はギア機構3で係合される。ギア機構は具体的にはウォームギアである。ギア機構3にはセンサ4が設けられ、ギア機構に作用するスラスト力を検出する。検出されたスラスト力は処理部5に供給される。処理部5は、センサからの信号を処理しトルク値として出力する。具体的には、予めセンサ検出値とトルク値との対応関係をメモリに記憶しておき、入力センサ値に応じたトルク値を出力する。負荷6は、電力切替用のタップである。
【0015】
図2には、本実施形態に係るトルク検出装置1の正面図が示されており、図3には図2のX−X断面図が示されている。トルク検出装置1は、減速器付DCモータ10を有し、このDCモータ10で駆動軸13を駆動する。DCモータ10は、スラスト方向には動きがないことが望ましい。DCモータ10と駆動軸13とはカプラ12で結合される。カプラ12はスラスト方向の剛性が低い、あるいは自由であることが望ましい。駆動軸13にはウォームギアのウォーム14aが設けられており、ウォームホイール14bと噛合して被駆動軸18を回転駆動する。
【0016】
ウォーム14aの両端にはロバーバル型のロードセル16が設けられており、ロードセル16の上端部にボールベアリング15が設けられ、このボールベアリング15で駆動軸13を回転自在に支持する構成である。ロードセル16の下端は基台に固定されており、上端は駆動軸13に沿って移動できるようにロバーバル機構で構成され、中央には歪み発生用の孔16bが形成されている。孔16bはロードセル16の荷重印加軸とスラスト方向が平行であることを考慮して形成される。ロードセル16の所定位置(起歪部)には歪みセンサ16aが設けられており、ウォーム14aが図1における矢印方向(スラスト方向)の力を受けるとロードセル16がスラスト方向に歪み、この歪みを電気信号に変換して外部に出力する。
【0017】
また、ウォーム14aに噛み合うウォームホイール14bには被駆動軸18が設けられている。すなわち、ウォームホイール14bは被駆動軸18を回転中心として軸支されている。被駆動軸もボールベアリング17を介して基台に支持されている。被駆動軸18の端部は、図示しないタップに接続される。
【0018】
電力切替機の通常動作時には、タップはモータにより回転駆動され、接点が切り替わる。一方、メンテナンス時には、本実施形態のトルク検出装置1の被駆動軸18をタップに接続する。そして、DCモータ10を駆動し、タップにトルクを印加する。被駆動軸18の端部がタップに接続されていない状態ではウォーム14aにスラスト力は発生しないが、タップを接続するとその負荷トルクに比例したスラスト力がウォーム14aに発生する。
【0019】
図4には、ロードセル16の変形の様子が示されている。図4(a)は負荷トルクがゼロの状態、図4(b)は負荷トルクがあってスラスト力が印加されたときの状態である。ロバーバル機構のロードセル16はスラスト方向に歪む。なお、図4(b)では説明の都合上、歪みが誇張されている。起歪部に設けられたセンサ16aが歪みに応じた電気信号を出力する。電気信号は処理部5に供給され、トルク値として出力される。トルク検出装置1にディスプレイを設け、検出したトルク値をディスプレイに数値として表示することも好適である。検出した負荷トルクを所定のしきい値と比較し、所定のしきい値以下であればOKのサインを表示し、しきい値を超えた場合にNGのサインを表示することもできる。
【0020】
このように、本実施形態においては駆動軸13と被駆動軸18との間の係合にウォームギアが設けられている。ウォームギアにおいては、駆動軸13と被駆動軸18が直交し、2つの軸中心にオフセットがある。したがって、例えウォームギアが回転しなくても負荷トルクはウォーム14aにスラスト方向の力を与え、ロードセル16でスラスト力を検出することが可能である。これにより、タップの静止状態から回転を開始するまでに要する負荷トルク量も検出することができる。
【0021】
さらに、はすば歯車の場合にはリード角によりスラスト力が変化するが、ウォームギアの場合にはリード角に無関係にスラスト力が決定されるため、ギアの成型精度や経時変化によらず安定的に検出することができる。
【0022】
なお、本実施形態においては駆動軸13と被駆動軸18とをウォームギアで係合しているが、ウォームギアと同様に2つの回転軸が直交し、その回転中心がオフセットしている他の係合部材を用いることも可能であろう。このような係合部材としては、例えばハイポイドギアがある。
【0023】
ハイポイドギアは、主にウォームギアの代用として用いられ、円錐形の小歯車とこの小歯車と噛合する大歯車から構成される。駆動軸13に小歯車を設け、その軸受けにロードセル16を接続する。また、被駆動軸18に大歯車を設ける。ハイポイドギアを用いた場合でも、負荷トルクにより小歯車にスラスト力が印加され、これをロードセル16で検出することで高精度に負荷トルクを検出できる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0025】
例えば、本実施形態ではギアのスラスト力を検出するためにロードセルを用いているが、ギアのスラスト力を検出できる任意のセンサを用いることができる。例えば、ウォーム14aの軸受に弾性部材を設け、スラスト力による弾性部材の変位量を検出することでスラスト力を検出してもよい。
【0026】
また、本実施形態では、ウォームギアとハイポイドギアにより駆動軸と被駆動軸とを係合しているが、これらと均等な任意の係合機構を用いることが可能である。このような係合機能が有すべき条件としては、2つの軸が直交すること、及び2つの軸中心が一致せずオフセットを有することである。したがって、2つの軸が直交するものの、その軸中心が一致するかさ歯車機構を用いることは好適ではない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば高精度にトルクを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の概念構成図である。
【図2】 実施形態に係るトルク検出装置の平面図である。
【図3】 実施形態に係るトルク検出装置のX−X断面図である。
【図4】 ロードセル説明図である。
【符号の説明】
10 DCモータ、12 カプラ、13 駆動軸、14a ウォーム、14bウォームホイール、15,17 ボールベアリング、16 ロードセル、18 被駆動軸。
Claims (3)
- 駆動軸と被駆動軸とを係合するウォームギアと、
前記被駆動軸の負荷トルクに応じて前記ウォームギアに作用する水平方向のスラスト力を検出するセンサと、
を有し、
前記センサはロバーバル機構のロードセルであって、前記ロードセルの下端が基台に固定され、前記ロードセルの上端が駆動軸側のウォームの軸受けに固定されて前記上端が前記スラスト力の方向に変位可能なように水平方向に歪み発生用の孔が形成され、前記スラスト方向の変位による歪みを検出するように構成される
ことを特徴とするトルク検出装置。 - 駆動軸と被駆動軸とを係合するハイポイドギアと、
前記被駆動軸の負荷トルクに応じて前記ハイポイドギアに作用する水平方向のスラスト力を検出するセンサと、
を有し、
前記センサはロバーバル機構のロードセルであって、前記ロードセルの下端が基台に固定され、前記ロードセルの上端が駆動軸側の歯車の軸受けに固定されて前記上端が前記スラスト力の方向に変位可能なように水平方向に歪み発生用の孔が形成され、前記スラスト方向の変位による歪みを検出するように構成される
ことを特徴とするトルク検出装置。 - 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
前記被駆動軸に負荷が接続され、
予めスラスト力と負荷トルクとの対応関係をメモリに記憶し、前記センサで検出されたスラスト力から前記対応関係を用いて前記負荷の静止状態から回転を開始するまでの負荷トルクを検出し、検出された負荷トルクを所定のしきい値と比較することで前記負荷の異常を検出する処理装置と、
を有することを特徴とするトルク検出装置。
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