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JP4092478B2 - 連結部材を一体化した衝撃吸収部品およびその製造方法 - Google Patents
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JP4092478B2 - 連結部材を一体化した衝撃吸収部品およびその製造方法 - Google Patents

連結部材を一体化した衝撃吸収部品およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体に、他の部品を取り付けるための取付部を備える連結部材を一体化した衝撃吸収部品、および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マトリックス樹脂と強化繊維との複合材料である繊維強化プラスチック(FRP)を、衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収体として用いることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−346935号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体を、例えば、自動車が衝突したときの衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収部品として用いる場合には、何らかの連結手段を介して、エネルギ吸収体を他の部品としての車体構成部品に連結したり組み込んだりする必要がある。
【0005】
しかしながら、エネルギ吸収性能の悪化を招来しない点、および、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高め得る点を満足し得る連結手段は見当たらない。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、エネルギ吸収性能の悪化を招来せず、かつ、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高め得る、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を提供し、さらには、連結部材を一体化した衝撃吸収部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0008】
本発明は、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体と、
前記エネルギ吸収体に締結される締結部および他の部品を取り付けるための取付部を備える連結部材と、
前記連結部材の前記締結部に貫通して形成された貫通穴と、を有し、
前記繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が前記貫通穴に充填されて前記締結部が前記エネルギ吸収体に締結されてなり、
前記締結部のうち少なくとも前記貫通穴を含む領域は、前記マトリックス樹脂により挟み込まれ、
さらに、前記貫通穴の大きさは、前記貫通穴に充填された前記マトリックス樹脂が、衝撃時には破壊する一方、前記連結部材を牽引ないし押すときに必要な荷重には耐える大きさに設定されてなる、連結部材を一体化した衝撃吸収部品である。
【0009】
また、本発明は、他の部品を取り付けるための取付部を備える連結部材に設けられた中空パイプ形状をなす締結部が、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体に締結されてなる、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を製造する方法であって、
長手方向に沿う溝部が形成されたマンドレルを、前記締結部に貫通して形成された貫通穴と前記溝部とを連通させて、前記締結部内に嵌め込む工程と、
前記締結部および前記マンドレルの周りに強化繊維を巻き付けるとともに、前記締結部のうち少なくとも前記貫通穴を含む領域を前記繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂により挟み込んで、前記マトリックス樹脂を前記貫通穴に充填する工程と、
マトリックス樹脂が固化した後にマンドレルを前記締結部内および成形品から引き抜く工程と、を有してなり、
中空状のエネルギ吸収体に連結部材が挟み込まれた構造をなす成形品を得ることを特徴とする、連結部材を一体化した衝撃吸収部品の製造方法である。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体を他の部品に連結するに当たり、エネルギ吸収性能の悪化を招来せず、かつ、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高め得る、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10を、自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバ100に適用した例を示す斜視図、図2(A)〜(D)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10を示す斜視図、側面図、図2(B)の2C−2C線に沿う断面図、図2(B)の2D−2D線に沿う断面図である。図3(A)は、本発明の一実施形態に係る連結部材30を、製造時に使用されるマンドレル40とともに示す斜視図、図3(B)は、図3(A)の3B−3B線に沿う断面図である。
【0013】
図1を参照して、自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバ100は、エンジンおよびサスペンションを支える重要な部位であり、前面衝突時の衝撃エネルギを吸収する前端側クラッシャブルゾーンを形成している。さらに、フロントサイドメンバ100の先端部には、ブラケットなどを介して、ラジエタやバンパなどを取り付けるための部品であるラジエタコアサポート110(他の部品に相当する)が掛け渡されるように取り付けられている。この構成のため、自動車を牽引するときには、その荷重は、ラジエタコアサポート110を介してフロントサイドメンバ100にも掛かることになる。
【0014】
本実施形態では、衝撃エネルギを効率的に吸収するために、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体を備える衝撃吸収部品10を、フロントサイドメンバ100に適用している。
【0015】
衝撃吸収部品10をフロントサイドメンバ100に適用するに当たり、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体と連結部材とを、一般的な連結手法、例えば、ボルト止めや、接着剤による接着によって連結することが考えられる。
【0016】
しかしながら、ボルト止めをした場合には、衝撃エネルギを吸収しなければならない部位にボルトが存在すること、および、ボルトを挿通するための下穴がエネルギ吸収体に形成されていることにより、衝突時のエネルギ吸収性能が悪化する虞がある。
【0017】
また、接着した場合には、他の部品であるラジエタコアサポート110を取り付けたときの信頼性を十分に高めることができない。
【0018】
そこで、本実施形態では、エネルギ吸収性能の悪化を招来せず、かつ、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高めるべく、衝撃吸収部品10を次の如く形成している。
【0019】
本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品10を概説すれば、図2(A)〜(D)に示すように、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20と、エネルギ吸収体20に締結される締結部31およびラジエタコアサポート110を取り付けるための取付フランジ32(取付部に相当する)を備えるブラケット30(連結部材に相当する)と、ブラケット30の締結部31に貫通して形成された貫通穴33と、を有し、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が貫通穴33に充填されて締結部31がエネルギ吸収体20に締結されてなる、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10である。前記締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域は、マトリックス樹脂により挟み込まれている。
【0020】
以下、詳述する。
【0021】
前記エネルギ吸収体20には、衝撃エネルギを良好に吸収できる性能の他、一般に軽量かつ高剛性であることが要求される。このようなエネルギ吸収体20をなす、マトリックス樹脂と強化繊維との複合材料である繊維強化プラスチック(FRP)としては、特に限定されるものではないが、安定したエネルギ吸収性能および自動車の軽量化の要求を満たすために、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いることが好ましい。マトリックス樹脂も特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0022】
前記ブラケット30は、図3(A)にも示すように、中空パイプ形状を有する締結部31と、円盤形状を有する取付フランジ32とを備えている。締結部31には、外周壁を貫通して複数個の貫通穴33が形成されている。取付フランジ32は、締結部31の一端部に一体的に形成されている。ブラケット30は例えば金属製であり、取付フランジ32は、溶接により、ラジエタコアサポート110側のフランジ(図示せず)に連結固定されている。
【0023】
締結部31のこのような形状に対応して、前述したエネルギ吸収体20も中空パイプ形状に形成されている。
【0024】
そして、図2(D)を参照して、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が貫通穴33に充填されて締結部31がエネルギ吸収体20に締結され、エネルギ吸収体20とブラケット30とが一体的に固定されている。図示例では、締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域は、マトリックス樹脂により挟み込まれた構造となっている。
【0025】
ここで、貫通穴33の大きさや形状は、貫通穴33に充填されたマトリックス樹脂が、衝撃時には破壊する一方、ブラケット30を牽引ないし押すときに必要な荷重には耐える大きさに設定されている。換言すれば、貫通穴33の大きさや形状は、マトリックス樹脂の剪断破壊強度が、車両牽引時に必要な荷重以上、かつ、衝突時にかかる荷重以下の強度になるように設定されている。貫通穴33の総個数つまりマトリックス樹脂を充填すべき開口面積についても同様の基準により決定されている。
【0026】
車両牽引時に衝撃吸収部品10に作用する荷重や、衝突時に衝撃吸収部品10にかかる荷重は、車両重量や、前端側クラッシャブルゾーンに配置された他の部材の構造や強度、締結部31の肉厚などによって種々異なる。このため、貫通穴33の具体的な寸法範囲は特定の範囲に限定されるものではなく、要求された条件に応じた最適な寸法を採用している。なお、一例を挙げれば、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20の外径寸法は例えば70mm、個々の貫通穴33の内径寸法は例えば10〜15mmである。
【0027】
取付フランジ32に向かい合うエネルギ吸収体20の先端部はテーパ面20aに形成されている。このテーパ面20aを、エネルギ吸収体20を先端部から逐次破壊させるためのトリガとして機能させている。
【0028】
次に、他の部品を取り付けるための取付フランジ32を備えるブラケット30に設けられた中空パイプ形状をなす締結部31が繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20に締結されてなる、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10を製造する手順について説明する。図4(A)〜(D)は、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10を製造する手順を示す概略図である。
【0029】
本実施形態では、フィラメントワインディングによって衝撃吸収部品10を成形している。製造に際しては、図3(A)(B)に示すように、長手方向に沿う溝部41が先端部に形成されたマンドレル40を使用する。マンドレル40の先端部は、ブラケット30の締結部31の内径寸法に合致した外径寸法を有している。一方、マンドレル40の基端部42は、締結部31の外径寸法に合致した外径寸法を有している。
【0030】
まず、図4(A)に示すように、マンドレル40の先端部を、貫通穴33と溝部41とを連通させて、締結部31内に嵌め込む。
【0031】
次いで、図4(B)に示すように、締結部31およびマンドレル40の周りに炭素繊維(強化繊維に相当する)を巻き付け、通常のフィラメントワインディングとして中空の成形品を成形する。これととともに、図4(C)に示すように、締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域を繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂により挟み込んで、マトリックス樹脂を貫通穴33に充填する。
【0032】
貫通穴33へのマトリックス樹脂の充填に際しては、マンドレル40の溝部41にマトリックス樹脂を予め充填しておく形態、炭素繊維を巻きつけた後にマトリックス樹脂を溝部41に充填する形態のいずれでもよい。
【0033】
充填が完了すると、マトリックス樹脂を固化させる。
【0034】
そして、図4(D)に示すように、マトリックス樹脂が固化した後にマンドレル40を締結部31内および成形品から引き抜く。
【0035】
上記一連の工程を経て、図2(D)に示したような、中空状のエネルギ吸収体20に連結部材30が挟み込まれた構造をなす成形品、すなわち、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10を得ることができる。
【0036】
次に、作用を説明する。
【0037】
連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10をフロントサイドメンバ100に適用した場合には、衝撃エネルギを吸収しなければならない部位にボルトが存在せず、ボルトを挿通するための下穴がエネルギ吸収体20に形成されることもない。したがって、繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20とブラケット30とを、エネルギ吸収性能の悪化を招来せずに連結することができる。さらに、他の部品であるラジエタコアサポート110を取付フランジ32に取り付けたときの信頼性を十分に高めることができる。
【0038】
また、車両牽引時に必要な荷重に耐え、衝突時にかかる荷重以下で、ブラケット30の貫通穴33に充填したマトリックス樹脂が破壊するように貫通穴33の形状および大きさを設定してある。このため、衝撃吸収部品10が適用されたフロントサイドメンバ100は、衝突時には、貫通穴33に充填されているマトリックス樹脂が剪断破壊を起こし、エネルギ吸収体20は、その先端部が取付フランジ32に当たって、当該先端部より破壊が進行する。これによって、衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収性能が得られる。しかも、貫通穴33に充填したマトリックス樹脂は車両牽引時に必要な荷重を支える機能を備えるので、車両の牽引を支障なく行うことができる。
【0039】
上述したように、第1の実施形態によれば、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20と、エネルギ吸収体20に締結される締結部31およびラジエタコアサポート110を取り付けるための取付フランジ32を備えるブラケット30と、ブラケット30の締結部31に貫通して形成された貫通穴33と、を有し、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が貫通穴33に充填されて締結部31がエネルギ吸収体20に締結されてなる、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品10であるので、エネルギ吸収性能の悪化を招来せず、かつ、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高め得る、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品10を提供することができる。
【0040】
また、締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域は、マトリックス樹脂により挟み込まれているので、エネルギ吸収体20とブラケット30とをより一層強固に連結することができる。
【0041】
また、貫通穴33の大きさは、貫通穴33に充填されたマトリックス樹脂が、衝撃時には破壊する一方、ブラケット30を牽引ないし押すときに必要な荷重には耐える大きさに設定されているので、衝突時には所定のエネルギ吸収性能を得る一方、車両の牽引を支障なく行うことができる。
【0042】
また、前記繊維強化プラスチックは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であるので、安定したエネルギ吸収性能および自動車の軽量化の要求を満たすことができる。
【0043】
また、ブラケット30の締結部31は中空パイプ形状を有し、エネルギ吸収体20は中空パイプ形状に形成されているので、自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバ100などに好適に適用でき、製造も容易なものとなる。
【0044】
また、自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバ100に適用され、他の部品がラジエタコアサポート110であるので、自動車が衝突したときの衝撃エネルギを効率的に吸収して、乗員にかかる衝撃的加速度を軽減できる。
【0045】
また、ラジエタコアサポート110を取り付けるための取付フランジ32を備えるブラケット30に設けられた中空パイプ形状をなす締結部31が、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20に締結されてなる、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品10を製造する方法であって、
長手方向に沿う溝部41が形成されたマンドレル40を、締結部31に貫通して形成された貫通穴33と溝部41とを連通させて、締結部31内に嵌め込む工程と、
締結部31およびマンドレル40の周りに炭素繊維を巻き付けるとともに、締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域を繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂により挟み込んで、マトリックス樹脂を貫通穴33に充填する工程と、
マトリックス樹脂が固化した後にマンドレル40を締結部31内および成形品から引き抜く工程と、を有してなり、
中空状のエネルギ吸収体20にブラケット30が挟み込まれた構造をなす成形品を得るので、エネルギ吸収性能の悪化を招来せず、かつ、他の部品を取り付けたときの信頼性を十分に高め得る、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品10を得ることができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品11を、マンドレル40が嵌め込まれた製造時の状態で示す斜視図である。
【0047】
図5に示すように、この他の実施形態では、貫通穴33に強化繊維としての炭素繊維50を貫通させてある。
【0048】
第2の実施形態に係る、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品11を製造する手順について概説する。
【0049】
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、フィラメントワインディングによって衝撃吸収部品11を成形している。製造に際しては、第1の実施形態と同じマンドレル40(図3(A)(B))を使用する。
【0050】
まず、マンドレル40の先端部を、貫通穴33と溝部41とを連通させて、締結部31内に嵌め込む。マンドレル40の溝部41にはマトリックス樹脂を予め充填してある。
【0051】
次いで、図5に示すように、貫通穴33に炭素繊維50を貫通させる。一の貫通穴33から挿入した炭素繊維50を、マンドレル40の溝部41に沿って伸ばし、他の貫通穴33を通して外部に引き出す。これにより、マトリックス樹脂の充填部である貫通穴33が炭素繊維50により補強される。
【0052】
次いで、締結部31およびマンドレル40の周りに炭素繊維を巻き付け、通常のフィラメントワインディングとして中空の成形品を成形する。これととともに、締結部31のうち少なくとも貫通穴33を含む領域を繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂により挟み込んで、マトリックス樹脂を貫通穴33に充填する。
【0053】
充填が完了すると、マトリックス樹脂を固化させる。
【0054】
そして、マトリックス樹脂が固化した後にマンドレル40を締結部31内および成形品から引き抜く。
【0055】
上記一連の工程を経て、中空状のエネルギ吸収体20にブラケット30が炭素繊維を含有したマトリックス樹脂で挟み込まれた構造をなす成形品、すなわち、ブラケット30を一体化した衝撃吸収部品11を得ることができる。
【0056】
かかる形態によれば、貫通穴33を貫通する炭素繊維50によって、貫通穴33に充填されたマトリックス樹脂の剪断破壊強度を補強できる。したがって、貫通穴33を貫通する炭素繊維50の量を増減することにより、貫通穴33内のマトリックス樹脂の剪断破壊強度を所望の値に調整することが可能となる。
【0057】
但し、第1の実施形態と同様に、貫通穴33の大きさや形状は、炭素繊維50を含有したマトリックス樹脂の剪断破壊強度が、車両牽引時に必要な荷重以上、かつ、衝突時にかかる荷重以下の強度になるように設定されている。
【0058】
上述したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の構成に加えて、貫通穴33に炭素繊維50を貫通させたことから、貫通穴33に充填されたマトリックス樹脂の剪断破壊強度が炭素繊維50で補強され、第1の実施形態のものよりも高い剪断破壊強度を得ることができる。したがって、第2の実施形態に係る、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品11は、高い剪断破壊強度が要求された場合であっても、かかる要求に容易に対応できる。
【0059】
(変形例)
なお、連結部材30を一体化した衝撃吸収部品10をフロントサイドメンバ100に適用した実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されないことは言うまでもなく、他の部品110を取り付けるための取付部32を備える連結部材30を繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体20に連結する限りにおいて、自動車部品以外の他の部品にも適用できる。
【0060】
また、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂および強化繊維も、要求される剪断破壊強度に応じて適宜選択できる。例えば、マトリックス樹脂は、例示したポリエステル樹脂の他、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、けい素樹脂などの熱硬化性樹脂でもよい。また、熱硬化性樹脂の他、熱可塑性樹脂、ゴムから選ばれた複数をブレンドした樹脂なども用いることもできる。強化繊維も、ガラス、アラミド、ボロン、アルミナ、炭化けい素、金属などを用いた強化繊維でもよい。
【0061】
また、締結部31およびエネルギ吸収体20を中空円筒形状に形成した場合を図示したが、この形状に限定されるものではない。締結部31およびエネルギ吸収体20は、例えば、角筒、板形状、円錐、角錐、円錐台、角錐台など適宜の形状を採用でき、中空形状に限定されるものでもない。貫通穴33の形状も、円形に限られず、長孔形状、楕円形状、スリット形状など適宜の形状に形成できる。
【0062】
また、締結部31が取付部32の一方の側にのみ設けられた連結部材30を示したが、取付部32の両側に締結部31を設け、2つのエネルギ吸収体20の間に取付部32が存在する形態の衝撃吸収部品としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を、自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバに適用した例を示す斜視図である。
【図2】 図2(A)〜(D)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を示す斜視図、側面図、図2(B)の2C−2C線に沿う断面図、図2(B)の2D−2D線に沿う断面図である。
【図3】 図3(A)は、本発明の一実施形態に係る連結部材を、製造時に使用されるマンドレルとともに示す斜視図、図3(B)は、図3(A)の3B−3B線に沿う断面図である。
【図4】 図4(A)〜(D)は、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を製造する手順を示す概略図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を、マンドレルが嵌め込まれた製造時の状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
10、11…衝撃吸収部品
20…エネルギ吸収体
30…ブラケット(連結部材)
31…締結部
32…取付フランジ(取付部)
33…貫通穴
40…マンドレル
41…溝部
50…炭素繊維(強化繊維)
100…フロントサイドメンバ
110…ラジエタコアサポート(他の部品)

Claims (6)

  1. 圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体と、
    前記エネルギ吸収体に締結される締結部および他の部品を取り付けるための取付部を備える連結部材と、
    前記連結部材の前記締結部に貫通して形成された貫通穴と、を有し、
    前記繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が前記貫通穴に充填されて前記締結部が前記エネルギ吸収体に締結されてなり、
    前記締結部のうち少なくとも前記貫通穴を含む領域は、前記マトリックス樹脂により挟み込まれ、
    さらに、前記貫通穴の大きさは、前記貫通穴に充填された前記マトリックス樹脂が、衝撃時には破壊する一方、前記連結部材を牽引ないし押すときに必要な荷重には耐える大きさに設定されてなる、連結部材を一体化した衝撃吸収部品。
  2. 前記貫通穴に強化繊維を貫通させたことを特徴とする請求項1に記載の、連結部材を一体化した衝撃吸収部品。
  3. 前記繊維強化プラスチックは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であることを特徴とする請求項1に記載の、連結部材を一体化した衝撃吸収部品。
  4. 前記連結部材の前記締結部は中空パイプ形状を有し、前記エネルギ吸収体は中空パイプ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の、連結部材を一体化した衝撃吸収部品。
  5. 自動車の構成部品の一つであるフロントサイドメンバに適用され、前記他の部品がラジエタコアサポートであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の、連結部材を一体化した衝撃吸収部品。
  6. 他の部品を取り付けるための取付部を備える連結部材に設けられた中空パイプ形状をなす締結部が、圧縮破壊して衝撃エネルギを吸収する繊維強化プラスチック製のエネルギ吸収体に締結されてなる、連結部材を一体化した衝撃吸収部品を製造する方法であって、
    長手方向に沿う溝部が形成されたマンドレルを、前記締結部に貫通して形成された貫通穴と前記溝部とを連通させて、前記締結部内に嵌め込む工程と、
    前記締結部および前記マンドレルの周りに強化繊維を巻き付けるとともに、前記締結部のうち少なくとも前記貫通穴を含む領域を前記繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂により挟み込んで、前記マトリックス樹脂を前記貫通穴に充填する工程と、
    マトリックス樹脂が固化した後にマンドレルを前記締結部内および成形品から引き抜く工程と、を有してなり、
    中空状のエネルギ吸収体に連結部材が挟み込まれた構造をなす成形品を得ることを特徴とする、連結部材を一体化した衝撃吸収部品の製造方法。
JP2002380544A 2002-12-27 2002-12-27 連結部材を一体化した衝撃吸収部品およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4092478B2 (ja)

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