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JP4092925B2 - 光ディスク保護フィルム - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク基盤の表面に貼り付けられて光記録層を保護するのに用いられる光ディスク保護フィルム(シート)に関するものである。特に、光として青色レーザー光線を用いたDVDブルー用の高密度光記録用光ディスクの保護用に最適に用いられる保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【従来技術】
光ディスク基盤は、高密度・大容量の記録ができることから近年急速にその使用実績を伸ばしてきたが、一方で、その記録表面上にある波長より小さな傷や異物はエラー処理で特に問題はないが、用いるレーザー光線の波長に比較して大きな欠点や異物が存在すると、書き込み時や読みとり時にエラーが生じるという問題がある。
【0004】
そこで、これらの光ディスク基盤の上にゴミや傷がつかないように表面保護フィルムが用いられている。高分子素材としては主として溶液製膜されたポリカーボネート(PC)フィルムが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなPCフィルムでは、本発明者らの知見によれば、帯電防止性がないためゴミを吸着しやすく、かつまた表面硬度が無いために表面が傷つきやすく、また吸水率が大きいために高温高湿下でPCが加水分解で劣化し、機械的に脆くなったり、内部にマイクロクラックが入って、光学的に透過率低下し、記録エラーが生じるという問題があり、更に加えてリターデーション値が大きいために、書き込みや読み込み時のエラーになったり、光ディスク基盤との接着性が劣り剥離するという多くの問題点もあった。
【0006】
また、PCは、製造時に塩化メチレンという溶媒を用いなければならないために環境等に対する検討も必要であるという問題を有していた。
【0007】
そこで、特開平13−266407号公報などにおいてPCの代わりに耐水性のある熱可塑性脂環状ノルボルネン系樹脂を用いることが提案されているが、上述の問題点である帯電防止性能や、耐擦過性がないために、特に表層が傷つきやすいことが大問題であるばかりか、異物、口金スジや厚みムラが大きく、読みとり・記録エラーが発生しやすいばかりか、紫外線で劣化しやすく、さらにディスクとの接着性にも劣っており、光記録・再生特性を長時間にわたって変質させることなく、機械特性、環境適正などに優れたの保護シートは存在せず、従って優れた光ディスク保護フィルムは存在しなかったのである。
【0008】
本発明は、上述した欠点を改良した光ディスク保護フィルムを提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の光ディスク保護フィルムは、非晶ポリオレフィンを用いてなる光ディスク保護フィルムであって、該非晶ポリオレフィンが、脂環状ポリオレフィン共重合体 (COC) 、水添ポリエチレン、ポリ 4 メチルペンテン -1 、及びそれらの変性体から選ばれた非晶性熱可塑性重合体であり、少なくとも片面の表面比抵抗値が25℃、65RH%で1011Ω/□以下、好ましくは25℃、40RH%で109 Ω/□以下であり、しかも該表面の表面硬度が3H以上であることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、かかる本発明の光ディスク保護フィルムの具体的態様として、好ましくは該片面とは逆面の表面張力が40dyn/cm以上、より好ましくは45dyn/cm以上であることを特徴とする光ディスク保護フィルムである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の光ディスク保護フィルムの好ましい実施の形態について説明する。
【0013】
本発明の光ディスク保護フィルムは、代表的には、光ディスクなどの光情報記録媒体のレーザー入光面に汚れや傷が付着することを防止するために、該入光面側に貼り付けて用いられる保護フィルムである。
【0014】
該本発明の光ディスク保護フィルムは、その機能として、まず、良好な帯電防止性能を有するものであって、具体的には、25℃、65RH%条件下で少なくとも片側表面の表面比抵抗値が1011Ω/□以下であるものであり、好ましくは25℃、40RH%条件下で109 Ω/□以下であるものである。
【0015】
少なくとも片側表面がかかる表面比抵抗値特性を有することから、本発明の光ディスク保護フィルムは、良好な帯電防止性能を有してゴミ・異物を寄せ付けないことにおいて顕著な効果を有する。すなわち、本発明のフィルムは、乾燥した光ディスク装置内で使用されるため、特に湿度の低い状態での帯電防止性能が重要なものである。
【0016】
さらに、本発明の光ディスク保護フィルムは、帯電防止機能とともに該保護フィルムの表面が硬くて傷つきにくいものであり、特に、前述した表面比抵抗値特性を有する片側表面が、該表面硬度として鉛筆硬度3H以上を有するものであり、好ましくは5H以上のものである。
【0017】
光ディスク保護フィルムとして通常の使い方程度ではこの程度(3H以上)の表面硬度でも良いが、特にディスクを回転しながら異物に接触する場合や、傷のサイズを使用波長程度に小さくするためには、さらなる表面硬度が要求され、特に、本発明で最も好ましくは鉛筆硬度で6H以上のものである。
【0018】
また、保護フィルムの面内方向および厚さ方向のいずれのリターデーションRd値が好ましくは8nm以下であり、より好ましくは3nm以下であることが記録の読み取り・書き込みのエラー防止にとって重要なものである。さらに該保護フィルムの光弾性率Hは、好ましくは20(10-13 cm2 /dyn)以下であり、より好ましくは8(10-13 cm2 /dyn)以下であり、これは、それら値よりも大きいと、たとえ小さなリターデーションRdフィルムを準備しても貼合わせやコーティングなどの工程での外力によってリターデーションが大きくなる場合があるためである。
【0019】
さらに、水蒸気透過率Wとしては、好ましくは40(g/m2 ・日・0.1mm)以下であり、より好ましくは10(g/m2 ・日・0.1mm)以下であり、光線透過率が好ましくは88%以上、より好ましくは92%以上であることが耐久性・耐湿性・耐熱性により優れた保護フィルムを実現し得るものである。
【0020】
該保護フィルムを光ディスクの記録表面に貼合わせるために、帯電防止性とハードコート性を有した面とは逆面に、光記録面とのアクリルなどの感圧性接着材を塗布しておくことが重要であり、このために逆面の表面張力は好ましくは40dyn/cm以上、より好ましくは45dyn/cm以上にしておくことが好ましい。このために用いる表面処理方法としては、火炎処理、プラズマ処理、アンカーコーティング処理などのように表面処理によって表面が帯電しない処理が必要である。
【0021】
該保護フィルムの高分子素材として、好ましいものとして、代表的には、吸水率0.1重量%以下でかつガラス転移温度120℃以上の非晶性ポリオレフィン素材を用いることができ、本発明では、該非晶性ポリオレフィンからなる高分子化合物とし、脂環状オレフィン共重合体(COC)、水添ポリスチレン、ポリ4メチルペンテン−1、およびそれらの変性体から選ばれた非晶性熱可塑性重合体を用いる。本発明の場合、特に透明で光弾性率の小さく、しかもガラス転移温度(Tg)の高い脂環状オレフィン共重合体(COC)が好ましい。ここで脂環状オレフィン共重合体(COC)とは、ノルボルネン骨格を有する120℃以上のTgを有する高Tgポリオレフィンや、テトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽和環状化合物とメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる重合体などがあり、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平2−133413号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などで例示することができる。
【0022】
環状COCの側鎖に−(CH2nCOORなどの極性基を適度に有したもの、例えばノルボルネン基2〜5個に1個程度の極性基を有したものも好ましいが、すべてのノルボルネン基全部に極性基を有するというような多くの極性基を有すると水蒸気透過率が40(g/m2 ・日・80μmシート)を越えるようになり、さらに吸水率や湿度膨張係数βも大きくなり、保護機能としての特性が損なわれることがあり好ましくない。これらの保護フィルムに、各種の添加剤、例えば紫外線吸収剤、すべり材、安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤、帯電防止剤、吸水材などを併用することができる。
【0023】
本発明において、該保護フィルムの少なくとも片面の表面比抵抗値は25℃、65RH%で1011Ω/□以下であり、好ましくは25℃、40RH%で109 Ω/□以下のものであり、しかも該表面の表面硬度が3H以上である光ディスク保護フィルムで、さらに該面とは逆面の表面張力が好ましくは40dyn/cm以上、より好ましくは45dyn/cm以上のものである。そして、より好ましくは、上述した特性を満足する非晶性ポリオレフィン素材を用いた光ディスク保護フィルムである。
【0024】
本発明において、フィルム厚さは、特に限定されないが、好ましくは40〜150μm、より好ましくは75〜120μm程度のものが取扱い性に優れており好ましいものである。ただ、この保護フィルムの厚さムラは厳密に管理しないと、記録・再生時にエラーが生じる場合があるので、厚さの変動値としては好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下に小さく抑えることが重要である。
【0025】
以下に本発明の光ディスク保護フィルムを製造する方法の一例を示すが、本発明の該フィルムはこれに限定されるものではない。
【0026】
すなわち、従来から知られている一軸式、二軸式、あるいはタンデム式などの押出機などで非晶性ポリオレフィン樹脂Aと、該樹脂Aとは剥離可能なポリマー樹脂Bとを別個に溶融させ、各溶融された樹脂流をフィードブロックと呼ばれる口金前の3層合流器で積層して3層積層構造にして、BABからなる3層溶融積層構造積層シートをドラムの様な移動冷却媒体に密着冷却固化させてキャストシートを得る。このとき、溶融される樹脂Aが酸化分解や酸化反応を起こしやすい樹脂、特にCOCといわれる非晶性高Tg樹脂では、溶融時の酸素を極力少なくするために、事前に該樹脂を真空で乾燥して完全に脱気したり、真空押出をしたり、窒素置換押出をして樹脂の酸化反応を防止したり、さらには該樹脂に酸化防止剤の添加したりすることが大切であり、このような対策をとらないと、溶融時に該樹脂が酸化反応を起こし、該樹脂が酸化・ゲル化などに変性し、溶融樹脂が口金などの金属材質と非常に粘着しやすくなり、このために口金すじといわれる固定すじが発生しやすくなり、光学用途としては利用できなくなることがある。このためにも、溶融樹脂との接液面材質は、通常のクロムメッキや窒化鋼などではなく、TiN、WCのような離形性に優れたセラミック系材質や、SUS材質などが好ましい。
【0027】
剥離可能なポリマー樹脂Bとしては、「BAB」の積層構成で3層積された溶融樹脂を冷却ドラムに密着させて冷却固化するのであるが、該溶融樹脂シートの中央部と端部とを実質的に同時にドラムに着地するようにキャストすることが厚みムラなどにとって良いのである。このためにも、B層の樹脂選択と相互の溶融粘度や冷却ドラム温度管理が大切である。
【0028】
また、溶融シートが冷却ドラム上で滑ると分子配向が生じ、いわゆるレターデーションとして10nm以上になり、光学的等方性ではなくなるためである。このために、該3層積層体BABを冷却ドラム上に密着させて冷却させる際に、該シートにエアーナイフ、エアーチャンバー、プレスロール法、流動パラフィン塗布法、静電気印加法、高温ドラム粘着法などから選ばれた方法などの密着性向上手段によりキャストすることが大切である。特に、表層の保護層Bの溶融時の電気比抵抗値をドラム側の層Aよりも2桁程度小さくしておくことが好ましい。さらに、BAB3層で溶融押出するときには、両表層Bが内層Aを包み込むような形の積層形態を取ることによって高い密着量が得られる。
【0029】
また、キャスト位置としては、該3層積層体BABを押し出す口金ランド部のポリマー流れの方向が、水平方向であり、しかも該冷却ドラムへの最初の接地点が、該冷却ドラムの頂上位置近傍であることが最も好ましいが、必ずしもこのようなキャスト位置ではなくとも、いわゆる口金内ランド部の流れ方向と、大気下に押し出されたシートの進行方向とがほぼ同一するか、あるいは流れ方向と進行方向とのなす狭角となる角度が30度以内にすることにより、口金すじと呼ばれる表面欠点が経時で発生しにくくなるためである。なお、移動冷却媒体の表面粗さRyは鏡面ロールでは、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.2μm以下と超平滑であることが密着性向上やシートの平滑性等には肝要である。しかし、高速でキャストしたい場合などでは、クロムメッキに逆電界を掛けてマイクロクラックドラムにした表面粗さRyとしては1〜4μm程度の粗面ロールであっても良い。なお、これら3層積層体の全体の厚みはβ線、IR吸収法などで測定可能であるが、A層のみの厚みを測定するには、赤外線などの光学的干渉あるいは吸収で厚みを求めることが可能である。かくして得られたる高分子樹脂層Aは、B層で両面カバーされているので、表面の酸化変性の少ないシートが得られ、さらに表面無欠点で光学的等方性に優れるばかりか、厚み均質性、表面平滑性に優れたシートになる。
【0030】
この3層積層シートの片面のB層を剥離して、剥離したA面にコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、あるいはアンカー処理などの非耐電表面活性化処理をし、表面張力を40dyn/cm以上に高めた後、該表面に帯電防止性とハードコート性とを有する吐剤をコーティングし、乾燥して、紫外線を照射して硬化させて、ハードコート性と帯電防止機能を付与し、該コーティング表面の保護にオレフィン系の粘着性を有したプロテクトフィルムを貼付ける。
【0031】
さらに該帯電防止とハードコートを有したA面とは逆面のA面に光記録層に接着させるために、アクリル系などの感圧粘着材(接着剤)を20〜50μm程度塗布し、シリコン離型PETフィルムを貼付る。
【0032】
かくして得られた光ディスク保護フィルムは、プロテクトフィルム層/ハードコート・帯電防止層/光学的等方性層/感圧粘着材層/PET離型フィルム層からなる5層のフィルムであり、該PET離型層を剥がしてその面を光記録層に接着させ、光ディスクの保護フィルムを得ることができる。このように実際の使用時には、表層に貼付けてあるプロテクトフィルムを剥がして使用をする。こうすることにより、光ディスクは、ゴミ・傷による記録エラーがなくなり信頼性が一段と向上するものである。
【0033】
【物性の測定法】
本発明で使用した物性値の測定法について以下に述べる。
1.フィルムの厚みむら:
アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ「KG601A」を用い、フィルムの縦方向に30mm幅、10m長にサンプリングしたフィルムを連続的に厚みを測定する。フィルムの搬送速度は3m/分とした。
【0034】
10m長での厚み最大値Tmax(μm)、最小値Tmin(μm)から、R=Tmax−Tminを求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)から、厚みむら(%)=R/Tave×100として求めた。
2.熱的特性(Tm、Tg、Tmc):
パーキンエルマー社製DSC−II型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で、昇温速度20℃/分で昇温してゆき、ベースラインの偏起の開始する温度をTg、さらに昇温したところの発熱ピークをTccとし、結晶融解に伴う吸熱ピーク温度を融点Tmとした。Tm+20℃で1分間保持した後、冷却速度20℃/分で溶融体を冷却し、結晶化に基づく発熱ピーク温度をTmcとした。
3.水蒸気透過率:
JIS−K7129 B法に従い、40℃、90RH%で測定した。単位はg/m2・24時間・シートである。MOCON社製PERMATRAN−WIAを用いた。
4.光線透過率:
分光光度計U−3410(日立製作所製)を用いて、波長300〜700nmの範囲における可視光線の全光線透過率を測定し、550nmでの光線透過率を採用した。
5.リターデーション:
偏光顕微鏡下にサンプルをセットし、消光位から45°サンプルを回転しコンペンセイターで偏光干渉色をうち消す値をリターデーションとした。単位はnmである。
6.接着力(kg/cm):
JIS Z0237に従いTピール剥離試験で求めた剥離に必要な強度(kg)を試験片の幅で割った値である。
7.表面粗さRa:
小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET−10を用いて、触針先端半径0.5μm、針圧5mg、測定長1mm、カットオフ0.08mmで測定し、JISB−601に従って中心線平均粗さRaを求めた。
8.表面張力γ:
JIS K−6788に従い測定した。
9.光弾性率H:
室温で測定シートに加重F(dyn/cm2 )をかけ、シートを伸ばしたときに発生する複屈折△nから、△n/Fで求め、単位は10-13 cm2 /dynで表わす。
10.表面比抵抗:
25℃、65RH%で24時間サンプルを放置後、その雰囲気でデジタル超高抵抗/微小電流計(アドバンテスト製R8340A)を用いて印加電圧100Vで3端子電極を用いて測定した。単位はΩ/□であり、JIS K6911に従って測定したものである。
【0035】
また、25℃、40RH%の表面比抵抗値は、25℃、40RH%の条件下で同様に測定したものである。
11.表面鉛筆硬度:
JIS K5400に準じて、各種硬度の鉛筆を90度の角度でフィルムに押し当て加重1kgで引っ掻いたときに、傷が発生しないときの最も堅い鉛筆硬度で表示する。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明をより理解しやすくするために実施例・比較例を示す。
【0037】
実施例1
高分子シートの化合物Aとして、ノルボルネン系樹脂である環状オレフィン共重合体COC(日本ゼオン社製”ゼオノア”1600、Tg:165℃)を用い、常法に従い、原料Aを真空乾燥により水分および溶存酸素を脱気後、原料ホッパーから押出機までを窒素置換した150mmの真空押出機に供給して、280℃で溶融させた。一方、その樹脂Aの周りを取り囲むように積層する樹脂BとしてポレエチレンテレフタレートPET樹脂(固有粘度:0.75、Tg:70℃、280℃での溶融比抵抗値106 Ω)を真空乾燥後、65mmの溶融押出機に供給して285℃で溶融させ、それぞれを15μm以上の異物を除去するフィルターを通過させた後、厚さ方向にB/A/Bと3層にして、しかも該積層シート端部には樹脂B層しか積層しないようにA層の周りを取り囲むように積層した後、1200mm幅のカラス口金形状のTダイ口金(樹脂流動方向は水平になるようにセット)からLD間として50mmの距離にあるキャストドラム頂上に、傾斜させて押出した。
【0038】
このときの口金ランド部での樹脂流動方向と溶融樹脂シートとのなす狭角は0度であった。このドラムと樹脂シートとの密着性を上げるために、接地点の少し前に非ドラム面側からタングステンの0.15mmのワイヤーで10kv、5mAの正電荷を印加して溶融体シートを40℃に保たれた鏡面クロムメッキドラム(ドラム直径:1800mm、表面最大粗さRt:0.1μm、)上に50m/minの速度で密着・冷却固化させた。
【0039】
かくして得られた3層キャストフィルムは、B/A/Bの積層構成からなり各層厚さが5/100/5μmからなる総厚み110μmのものであり、B層を剥離してA層単独での100μmの厚みむらを測定したところ、長手方向、幅方向とも1%以下と小さいものであり、しかも、そのA層の厚みむらの周波数解析をしても3〜10Hzの着地振動起因の厚みむらは皆無であり、厚み均質性に優れており、さらに平面性にも優れた、クレーター・口金スジなどの表面欠点のない、リターデーションが0.3nmと完全等方性の非晶性の100μmシートであった。
【0040】
また、該シートは、端部でも幅変動もなく、光線透過率も400〜700nmの範囲で90%以上と透明で完全な非晶質であり光学的等方性に優れたシートであった。
【0041】
該B層を剥離した後の片面A層面に外部と遮断した密閉状態でコロナ処理を行い易接着化した後に、日本化薬(株)製のカヤノーバKAS−205の40%吐液をイソプロピルアルコールで希釈して30%にしてメタバー#10で塗布厚みとして4.5g/m2 コートし、80℃で乾燥後、200mJ/m2 で紫外線を照射した。
【0042】
かくして得られた表面の表面比抵抗値は、25℃、40RH%で10 Ω/□であり、優れた帯電防止機能と、鉛筆硬度4Hというハードコート性を有したものであった。このコート面に汚れ防止のために、プロテクトフィルムを貼付けた。
【0043】
このA面とは逆面にアクリル系の感圧粘着剤を塗布して、乾燥後シリコン離型PETフィルムを重ね合わせて巻き取った。
【0044】
得られた光ディスク保護フィルムは、プロテクトフィルム層/ハードコート・帯電防止層/光学的等方性層/感圧粘着材層/PET離型フィルム層からなる5層のフィルムであり、該PET離型層を剥がしてその面を光記録層に接着させ、光ディスクの保護フィルムをした。実際の使用時には、表層に貼付てあるプロテクトフィルムを剥がして使用することにより、光ディスクは、ゴミ・傷による記録エラーが無くなり、信頼性が一段と向上した。
比較例1
実施例1で用いた樹脂A表層にハードコートと帯電防止機能を有した層をコーティングすることを止め、実施例1のようにBAB3層フィルムの片面B層を剥がして感圧粘着剤を塗布/離型PETフィルムの貼付けを行い、B/A/粘着層/離型層の積層構成となるようにして厚さ100μmを主体とする保護フィルムを製造した。
【0045】
このようにA樹脂表層に帯電防止機能と、ハードコート性能を有さないときは、たとえ光ディスクの保護フィルムとして使用しても、全くその効果を示さず、ゴミが付着したり、表面に傷が付いたりして光学用の保護フィルムとしては使用できないものであった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の光ディスク保護フィルムは、光ディスク基盤の表面に貼り付けられて、該光ディスクの光記録層を良好に保護することを可能にする。
【0047】
特に、光として青色レーザー光線を用いたDVDブルー用の高密度光記録用のディスクにおいては高度な光記録層の保護が要請されるものであるが、本発明のフィルムによれば該保護を簡単にかつ良好に達成できるものである。

Claims (3)

  1. 非晶ポリオレフィンを用いてなる光ディスク保護フィルムであって、該非晶ポリオレフィンが、脂環状ポリオレフィン共重合体 (COC) 、水添ポリエチレン、ポリ 4 メチルペンテン -1 、及びそれらの変性体から選ばれた非晶性熱可塑性重合体であり、少なくとも片面の表面比抵抗値が25℃、65RH%で1011Ω/□以下、該表面の表面硬度が鉛筆硬度で3H以上である光ディスク保護フィルム。
  2. 該光ディスク保護フィルムの厚さが、40〜150μmである請求項1記載の光ディスク保護フィルム。
  3. 該光ディスク保護フィルムの厚さ変動値が、3μm以下である請求項1又は2記載の光ディスク保護フィルム。
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