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JP4093382B2 - エンジンのオイルパン構造 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルポンプによってエンジン内部の各部分に潤滑のためのオイルを圧送するようなエンジンにおけるオイルパンの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランク軸の回転に連動して駆動されるオイルポンプにより、ストレーナーを通してオイルパンの油溜部から吸い上げたオイルを、オイルフィルターを通して潤滑のためにエンジンの各部分に圧送してから、再びオイルパンに戻すように循環させるようなエンジンでは、オイルポンプによって圧送するオイルの油圧が所定以上とならないように制御するためのレギュレーターとなるリリーフバルブを、オイルポンプの下流側でオイルフィルターよりも上流側に設置することが必要であって、このリリーフバルブは、通常、オイルポンプ内(オイルポンプの吐出通路)に一体成形されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなエンジンにおいて、多くの部品が付設されているシリンダブロックの側面にオイルフィルターを設置すると、クランク軸を横置きにしたエンジンでは、排気管とオイルフィルターが接近して、オイルフィルターの脱着性が困難となり、そこで、オイルフィルターの脱着性を改善するために、オイルパンの側面にオイルフィルターを設置しようとする場合、オイル通路がオイルパンの壁部を通るように変更される関係から、オイルの油圧レギュレーターとなるリリーフバルブを、オイルポンプとは別体のものとして、オイルパンの側壁部に設置することが必要となる。
【0004】
しかしながら、オイルパンの側壁部の限られた部分に形成されたオイル通路に対して、オイルフィルターや油圧センサー等と共にリリーフバルブをオイルパンの側面に設置しようとすると、スペース上の問題が生じることとなり、特に、リリーフバルブをオイルポンプとは別体のものとすることで、通常は該バルブを収納するボディ部分や固定用ボスやシール機構等が必要となることから、部品点数が増えてその設置がスペース的に更に困難なものとなる一方、ボディ部分を設けることなくオイルパンの側壁部に直接設置した場合、リリーフバルブがクランク室内からのエンジン熱の影響を受けて熱せられることで、リリーフバルブの機能に悪影響を与えるような恐れが生じる。
【0005】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、潤滑のためのオイルをオイルポンプでエンジン内部の各部分に圧送するようなエンジンにおいて、脱着性改善のためにオイルフィルターをオイルパンに設置するような場合に、オイルの油圧レギュレーターとなるリリーフバルブを、オイルポンプとは別体に形成して、スペース的に無理なくオイルパンに対して設置できると共に、リリーフバルブがクランク室内からのエンジン熱により熱せられるのを抑えることができるようにすることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、クランク軸の回転に連動して駆動されるオイルポンプにより、オイルパンの油溜部から吸い上げたオイルを、オイルフィルターを通してエンジン内部の各部分に圧送するようなエンジンにおいて、オイルパンが、その油溜部の一部がエンジンの前面から前方に突出するように形成されており、オイルポンプにより圧送するオイルの油圧を制御するためのリリーフバルブが、エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に設置されていると共に、リリーフバルブのハウジング部分が、エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に一体的に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、上記の請求項1に記載したエンジンのオイルパン構造において、上記の請求項2に記載したように、エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に、オイルパンの油溜部に貯留されたオイル量をチェックするためのレベルゲージの差し込み部が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエンジンのオイルパン構造の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0010】
本発明のエンジンのオイルパン構造の一実施形態について、図1は、オイルパンの上部を構成する上部材を、他の部材との配置関係を含めて、エンジンの排気側から側面視したものであり、図2は、図1に示したオイルパンの上部材を上面視したものである。
【0011】
本実施形態では、図1に示すように、オイルパン1は、上部材1aと下部材1bの二つの部材をボルト等により一体的に連結することで構成されており、下部がクランクケースの上部となるシリンダブロック2に対して、クランクケースの下部となるオイルパン上部材1aが、該上部材1aの上端面とシリンダブロック2の下端面を合面として、ボルト等により一体的に連結される。
【0012】
オイルパン1の下部材1bは、戻されたオイルを一時的に貯留する油溜部となるものであって、エンジン内部の各部分を潤滑してからオイルパン上部材1aに戻された(落下した)オイルは、オイルパン下部材1bによる油溜部に一時的に貯留される。
【0013】
オイルパン下部材(油溜部)1bに貯留されたオイルは、クランク軸3の回転に連動して駆動されるオイルポンプ4により、図示していないストレーナーを通して吸い上げられ、オイルポンプ4から吐出されたオイルは、シリンダブロック2に形成された上流側のオイル通路を通して、オイルパン上部材1aに形成されたオイル通路に圧送される。
【0014】
そして、オイルパン上部材1aに形成されたオイル通路に導入されたオイルは、圧送されるオイルの油圧が所定以上とならないように、油圧レギュレーターとなるリリーフバルブ5で油圧が制御され、オイルに混じった金属粉やカーボン,スラッジ等がオイルフィルター6(図2に示す)により除去されてから、シリンダブロック2に形成された下流側のオイル通路に送られて、エンジン内部の各部分を潤滑してからオイルパン1に戻される。
【0015】
上記のようにオイルが循環されるエンジンは、本実施形態では、直列4気筒エンジンであって、図1に示すように、その前面には、タイミングベルト8や補機用ベルト9が配置されており、各気筒からそれぞれ排気管12a,12b,12c,12dが側方に延出されていて、その排気系については、図7に示すように、各気筒11a,11b,11c,11d間の排気干渉を避けるように、各気筒の排気管12a,12b,12c,12dを2本ずつ(12aと12dおよび12bと12c)を纏めて、更に、纏めた2本の排気管12e,12fを一本の排気管12gに纏めてから触媒13に連結させたような、デュアルタイプの排気系となっている。
【0016】
そして、そのようなエンジンの排気系において、2本の排気管12e,12fによるデュアル部が、オイルフィルター6の脱着の邪魔にならないように、きわめて短いものとなっており、このデュアル部(排気管12e,12fの部分)に対して、排気ガス中のO2 の検出に応じてエンジン運転をコントロールするためのO2 センサー14が設けられている。
【0017】
排気系のデュアル部(排気管12eと12f)については、図10に示すように、各管12e,12fの合流部分でそれぞれの排気通路が一枚の隔壁12kによって隔てられるように、少なくともその合流部分を(例えば、鋳鉄等により)一体的に成形すると共に、該合流部分の外面側の隔壁12kの位置に対応する位置に、図9に示すように、O2 センサーの取付座12mを一体的に成形しておいてから、該取付座12mから隔壁12kに達するように、O2 センサーの取付孔12nを穿設加工することによって製造されている。
【0018】
そして、そのように製造された排気管12eと排気管12fの合流部分に対して、図11に示すように、外側から取付座12mを通してO2 センサー14を取り付けることにより、図12に示すように、隔壁12kに形成された取付孔12nの部分は、僅かな隙間を残した大部分がO2 センサー14によって塞がれることとなり、この僅かな隙間を排気管12eと排気管12fの連通部分として、O2 センサー14は、排気管12eと排気管12fの両方の排気ガスを検知することができるように設置されている。
【0019】
なお、排気ガスの脈動を積極的に利用するエンジンでは、排気管の長さのチューニングが必須である一方、触媒をできるだけエンジン本体に近づけて触媒の昇温性能を向上させる必要があることから、従来は、図8に示すように、排気管12eと排気管12fのそれぞれに対して小型の触媒13a,13bをそれぞれ連結して、その上流で、各排気管12e,12fを連通する連通管12hの途中にO2 センサー14を配置しなければならなかった。
【0020】
これに対して、本実施形態のエンジンでは、上記のように排気管12eと排気管12fの間の隔壁12kに形成された取付孔12nの部分を塞ぐようにO2 センサー14を設置することで、全ての気筒の排気ガスをO2 センサー14により検知することができると共に、各排気管12e,12fの連通部分の断面積をできるだけ小さくすることができて、各気筒間の排気干渉による性能低下を防ぐことができる。
【0021】
ところで、本実施形態のエンジンでは、上部材1aと下部材1bとからなるオイルパン1は、図1に示すように、タイミングベルト8や補機用ベルト9が配置されたエンジンの前面(シリンダブロック2の前面)に対して、オイルパン1の油溜部(下部材1bの内部)の一部が前方に突出するように形成されている。
【0022】
なお、このオイルパン1の前方突出部分は、タイミングベルト8や補機用ベルト9の下方に位置しているため、該突出部分がタイミングベルト8や補機用ベルト9等に対して邪魔になるようなこともなく、また、エンジン全体として見れば、該突出部分によってエンジンの前後方向(クランク軸3の軸線方向)でのレイアウトが拡がることもない。
【0023】
オイルパン1の上部材1aには、図2に示すように、シリンダブロック2との合面(上部材1aの上端面)20に、シリンダブロック2との連結のための多数のボルト孔21や連結面をシールするための多数の溝部22(何れもその一部にのみ図面符号を付して他は図面符号を省略する)が形成されていると共に、合面20の前端部分には、オイルパン上部材1aの壁内に形成されるオイル通路の入口孔24と出口孔25がそれぞれ開口されている。
【0024】
また、オイルパン上部材2の合面20よりも前方に突出した部分(オイルパン1のエンジンの前面から前方に突出した部分の天壁部)23には、オイルポンプ4により圧送するオイルの油圧が所定以上となるのを防ぐためのレギュレーターとなるリリーフバルブ5が、前方から脱着できる状態で設置され、オイルパン上部材1aの合面20の前端部側方に形成されたオイルフィルター取付部26には、オイルを濾過するためのオイルフィルター6が、側方から脱着できる状態で設置され、オイルフィルター取付部26の近傍に形成された油圧センサー取付部27には、オイルフィルターより下流側の油圧を検知するための油圧センサー7が、側方から脱着できる状態で設置される。
【0025】
さらに、本実施形態では、オイルパン上部材1aの前方突出部分23に、レベルゲージの差し込み部36が円筒状に形成されており、この差し込み部36には、図6に示すように、オイルパン1の油溜部に貯留されたオイル量をチェックするためのレベルゲージ37が取り付けられる。
【0026】
オイルパン1に形成されるオイル通路については、図5に示すように、オイルポンプ4から吐出されてシリンダブロック2の上流側オイル通路から送られてきたオイルが、入口孔24から導入され、リリーフバルブ5に作用してから、オイルフィルター6を通過して、出口孔25から排出され、シリンダブロック2の下流側オイル通路からエンジンの各部分に送られるように、オイルパン上部材1aの前方突出部分23の壁内を通るように形成されている。
【0027】
リリーフバルブ5は、本実施形態では、図3に示すように、固定部5aと可動弁5cの間にコイルスプリング5bを設けたリリーフバルブ5を、特にハウジングとなる別部材を設けることなく、オイルパン上部材1aの前方突出部分23でオイル通路と連通するように形成されたバルブ取付孔30の部分に、可動弁5cとコイルスプリング5bを直接挿入してから、固定部5aをバルブ取付孔30の入口に直接螺合して、該固定部5aによりバルブ取付孔30の入口を塞ぐことで、オイルパン上部材1aの前方突出部分23に対して直接的に設置される。
【0028】
このリリーフバルブ5により、入口孔24から圧入されたオイルの油圧が所定以上となった場合には、オイルの油圧でコイルスプリング5bの付勢力に抗して可動弁5cが固定部5aの側に押圧されることで、バルブ取付孔30の周壁底部に開設されたドレーン孔31が開いて、オイルの油圧が所定値に戻るまで、入口孔24から圧入されたオイルの一部が、ドレーン孔31からオイルパン1の油溜部に戻されることとなる。
【0029】
なお、オイルパン上部材1aの前方突出部分23に対するリリーフバルブ5の設置については、上記のように直接的に設置するような構造に限らず、図4に示すように、別体のハウジング部材32を介して間接的に設置するような構造により実施することも可能である。
【0030】
すなわち、図4に示すものでは、リリーフバルブ5がハウジング部材32の筒状部32a内に設置され、このハウジング部材32が、オイルパン上部材1aの前方突出部分23に形成されたバルブハウジング取付孔34内に設置されていて、オイル通路のオイルは、ハウジング部材32の筒状部32aに開設されたドレーン孔33と、バルブハウジング取付孔34の周壁底部に開設されたドレーン孔35を通して、オイルパン1の油溜部に戻される。
【0031】
上記のような本実施形態のエンジンのオイルパン構造によれば、エンジンの前面から前方に突出したオイルパン1の天壁部(オイルパン上部材1aの前方突出部分23)にリリーフバルブ5を設置することで、スペース的に無理なく、オイルフィルター6や油圧センサー7等と共に、リリーフバルブ5をオイルパン1(上部材1a)に対して設置することができる。
【0032】
また、リリーフバルブ5からオイルフィルター6を通るオイル通路を、クランク室内からのエンジン熱の影響を受けにくいオイルパン1の天壁部(オイルパン上部材1aの前方突出部分23)に形成していることで、リリーフバルブ5が熱せられるのを抑えることができると共に、エンジンの内部を循環して熱せられた状態のオイルを、該オイル通路を通すことによって冷却することができる。
【0033】
なお、リリーフバルブ5を、図3に示すように、特にハウジングとなる別部材を設けることなく、オイルパン上部材1aの壁部分に直接的に設置することで、図4に示したように、ハウジング部材32を介してリリーフバルブ5を設置した場合と比べて、リリーフバルブ5の設置スペースを縮小することができると共に、部品点数を減らすことができる。
【0034】
さらに、本実施形態のオイルパン構造によれば、オイルパン上部材1aの前方突出部分23(油溜部の天井部分)にレベルゲージ37の差し込み部36を円筒状に形成していることで、レベルゲージ37を短くて簡単なものとすることができ、その取付けも簡単に行なうことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したような本発明のエンジンのオイルパン構造によれば、脱着性改善のためにオイルフィルターをオイルパンに設置するような場合に、オイルの油圧レギュレーターとなるリリーフバルブを、オイルポンプとは別体に形成して、スペース的に無理なくオイルパンに対して設置することができると共に、リリーフバルブがクランク室内からのエンジン熱の影響を受けて熱せられるのを抑えることができ、また、該リリーフバルブを通るようにオイルパンに形成されたオイル通路によって、エンジン内を循環して熱せられた状態のオイルを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンのオイルパン構造の一実施形態について、オイルパンの上部を構成する上部材を、他の部材との配置関係を含めた状態で示す側面図。
【図2】図1に示したオイルパン上部材の上面図。
【図3】図1に示したオイルパン上部材の前方突出部分に設置されたリリーフバルブの構造を示す、図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】オイルパン上部材の前方突出部分に設置されるリリーフバルブの他の例を示す断面図。
【図5】図2に示したオイルパン上部材の前方突出部分を通るように形成されているオイル通路を示す上面説明図。
【図6】図2に示したオイルパン上部材の前方突出部分に形成されたレベルゲージの差し込み部に対してレベルゲージを取り付けた状態を示す、図2のB−B線に沿った断面図。
【図7】図1に示したエンジンの各排気管から延びる排気系を示す説明図。
【図8】図7に示した排気系に対する比較例を示す説明図。
【図9】図7に示した排気系のデュアル部におけるO2 センサーの取付部分の外観を示す斜視図。
【図10】図7に示した排気系のデュアル部の隔壁を示す部分断面図。
【図11】図9に示した取付部分に対するO2 センサーの取付状態を示す断面図。
【図12】図11に示したO2 センサーの取付状態の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 オイルパン
1a オイルパンの上部材
1b オイルパンの下部材(オイルパンの油溜部)
2 シリンダブロック
3 クランク軸
4 オイルポンプ
5 リリーフバルブ
6 オイルフィルター
23 オイルパン上部材の前方突出部分(オイルパンの天壁部)
36 レベルゲージの差し込み部

Claims (2)

  1. クランク軸の回転に連動して駆動されるオイルポンプにより、オイルパンの油溜部から吸い上げたオイルを、オイルフィルターを通してエンジン内部の各部分に圧送するようなエンジンにおいて、オイルパンが、その油溜部の一部がエンジンの前面から前方に突出するように形成されており、オイルポンプにより圧送するオイルの油圧を制御するためのリリーフバルブが、エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に設置されていると共に、リリーフバルブのハウジング部分が、エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に一体的に形成されていることを特徴とするエンジンのオイルパン構造。
  2. エンジンの前面から前方に突出したオイルパンの天壁部に、オイルパンの油溜部に貯留されたオイル量をチェックするためのレベルゲージの差し込み部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のエンジンのオイルパン構造。
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