JP4093870B2 - 画像処理装置、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像入力技術およびその出力技術の進歩により、画像に対して高精細化の要求が、近年非常に高まっている。例えば、画像入力装置として、デジタルカメラ(Digital Camera)を例にあげると、300万以上の画素数を持つ高性能な電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)の低価格化が進み、普及価格帯の製品においても広く用いられるようになってきた。そして、このピクセル数の増加傾向は、なおしばらくは続くと言われている。
【0003】
一方、画像出力・表示装置に関しても、例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、昇華型プリンタ等のハード・コピー分野における製品、そして、CRTやLCD(液晶表示デバイス)、PDP(プラズマ表示デバイス)等のフラットパネルディスプレイのソフト・コピー分野における製品の高精細化・低価格化は目を見張るものがある。
【0004】
こうした高性能・低価格な画像入出力製品の市場投入効果によって、高精細画像の大衆化が始まっており、今後はあらゆる場面で、高精細画像の需要が高まると予想されている。実際、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)やインターネットをはじめとするネットワークに関連する技術の発達は、こうしたトレンドをますます加速させている。特に最近は、携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器の普及速度が非常に大きく、高精細な画像を、あらゆる地点から通信手段を用いて伝送あるいは受信する機会が急増している。
【0005】
これらを背景に、高精細画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長技術に対する高性能化あるいは多機能化の要求は、今後ますます強くなっていくことは必至と思われる。
【0006】
そこで、近年においては、こうした要求を満たす画像圧縮方式の一つとして、高圧縮率でも高画質な画像を復元可能なJPEG2000という新しい方式が規格化されつつある。かかるJPEG2000においては、画像を矩形領域(タイル)に分割することにより、少ないメモリ環境下で圧縮伸長処理を行うことが可能である。すなわち、個々のタイルが圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位となり、圧縮伸長動作はタイル毎に独立に行うことができる。
【0007】
また、近年においては、圧縮符号化した画像データを復号する際に、規定のフォーマット中に出力できるように、この復号画像のサイズを決定する技術についても開示されている(例えば、特許文献1参照))。
【0008】
【特許文献1】
特開2001-105679公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像データをJPEG2000アルゴリズムで圧縮符号化した場合、JPEG2000の特徴量の一つであるLL成分などは、たとえ2値画像が入力された場合であっても多値になってしまう。そのため、出力装置が多値に対応していないような場合には、出力装置側で2値画像を作成する必要があるが、出力装置の性能が低い場合には出力装置に負担がかかり、高速に処理できないという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、多値画像に対応していない出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、多値画像に対応していない出力装置側における画像の出力を高速化することができる画像処理装置、プログラムおよび記憶媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像処理装置は、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置において、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化手段と、この2値化手段により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶手段と、この2値画像記憶手段により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容手段と、を備える。
【0012】
したがって、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分が多値画像から2値画像に変換されて記憶され、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得が許容される。これにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分が取得されるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することが可能になる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにした。
【0014】
したがって、画質劣化を抑えることが可能になるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することが可能になる。
【0015】
請求項3記載の発明のプログラムは、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化機能と、この2値化機能により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶機能と、この2値画像記憶機能により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容機能と、を実行させる。
【0016】
したがって、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分が多値画像から2値画像に変換されて記憶され、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得が許容される。これにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分が取得されるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することが可能になる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のプログラムにおいて、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにした。
【0018】
したがって、画質劣化を抑えることが可能になるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することが可能になる。
【0019】
請求項5記載の発明の記憶媒体は、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化機能と、この2値化機能により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶機能と、この2値画像記憶機能により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容機能と、を実行させるプログラムを記憶した。
【0020】
したがって、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分が多値画像から2値画像に変換されて記憶され、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得が許容される。これにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分が取得されるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することが可能になる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の記憶媒体において、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにしたプログラムを記憶した。
【0022】
したがって、画質劣化を抑えることが可能になるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
【0024】
最初に、本発明の前提となる「階層符号化アルゴリズム」及び「JPEG2000アルゴリズム」の概要について説明する。
【0025】
図1は、JPEG2000方式の基本となる階層符号化アルゴリズムを実現するシステムの機能ブロック図である。このシステムは、色空間変換・逆変換部101、2次元ウェーブレット変換・逆変換部102、量子化・逆量子化部103、エントロピー符号化・復号化部104、タグ処理部105の各機能ブロックにより構成されている。
【0026】
このシステムが従来のJPEGアルゴリズムと比較して最も大きく異なる点の一つは変換方式である。JPEGでは離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を用いているのに対し、この階層符号化アルゴリズムでは、2次元ウェーブレット変換・逆変換部102において、離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を用いている。DWTはDCTに比べて、高圧縮領域における画質が良いという長所を有し、この点が、JPEGの後継アルゴリズムであるJPEG2000でDWTが採用された大きな理由の一つとなっている。
【0027】
また、他の大きな相違点は、この階層符号化アルゴリズムでは、システムの最終段に符号形成を行うために、タグ処理部105の機能ブロックが追加されていることである。このタグ処理部105で、画像の圧縮動作時には圧縮データが符号列データとして生成され、伸長動作時には伸長に必要な符号列データの解釈が行われる。そして、符号列データによって、JPEG2000は様々な便利な機能を実現できるようになった。例えば、ブロック・ベースでのDWTにおけるオクターブ分割に対応した任意の階層(デコンポジション・レベル)で、静止画像の圧縮伸長動作を自由に停止させることができるようになる(後述する図3参照)。
【0028】
原画像の入出力部分には、色空間変換・逆変換101が接続される場合が多い。例えば、原色系のR(赤)/G(緑)/B(青)の各コンポーネントからなるRGB表色系や、補色系のY(黄)/M(マゼンタ)/C(シアン)の各コンポーネントからなるYMC表色系から、YUVあるいはYCbCr表色系への変換又は逆変換を行う部分がこれに相当する。
【0029】
次に、JPEG2000アルゴリズムについて説明する。
【0030】
カラー画像は、一般に、図2に示すように、原画像の各コンポーネント111(ここではRGB原色系)が、矩形をした領域によって分割される。この分割された矩形領域は、一般にブロックあるいはタイルと呼ばれているものであるが、JPEG2000では、タイルと呼ぶことが一般的であるため、以下、このような分割された矩形領域をタイルと記述することにする(図2の例では、各コンポーネント111が縦横4×4、合計16個の矩形のタイル112に分割されている)。このような個々のタイル112(図2の例で、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15)が、画像データの圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位となる。従って、画像データの圧縮伸長動作は、コンポーネント毎、また、タイル112毎に、独立に行われる。
【0031】
画像データの符号化時には、各コンポーネント111の各タイル112のデータが、図1の色空間変換・逆変換部101に入力され、色空間変換を施された後、2次元ウェーブレット変換部102で2次元ウェーブレット変換(順変換)が施されて、周波数帯に空間分割される。
【0032】
図3には、デコンポジション・レベル数が3の場合の、各デコンポジション・レベルにおけるサブバンドを示している。すなわち、原画像のタイル分割によって得られたタイル原画像(0LL)(デコンポジション・レベル0)に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル1に示すサブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。そして引き続き、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル2に示すサブバンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。順次同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル3に示すサブバンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。図3では、各デコンポジション・レベルにおいて符号化の対象となるサブバンドを、網掛けで表してある。例えば、デコンポジション・レベル数を3としたとき、網掛けで示したサブバンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブバンドは符号化されない。
【0033】
次いで、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められ、図1に示す量子化・逆量子化部103で対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。
【0034】
この量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、「プレシンクト」と呼ばれる重複しない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。図4に示したように、一つのプレシンクトは、空間的に一致した3つの矩形領域からなっている。更に、個々のプレシンクトは、重複しない矩形の「コード・ブロック」に分けられる。これは、エントロピー・コーディングを行う際の基本単位となる。
【0035】
ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコード・ブロック毎に「ビットプレーン」に順位付けを行うことができる。
【0036】
ここで、図5はビットプレーンに順位付けする手順の一例を示す説明図である。図5に示すように、この例は、原画像(32×32画素)を16×16画素のタイル4つで分割した場合で、デコンポジション・レベル1のプレシンクトとコード・ブロックの大きさは、各々8×8画素と4×4画素としている。プレシンクトとコード・ブロックの番号は、ラスター順に付けられており、この例では、プレンシクトが番号0から3まで、コード・ブロックが番号0から3まで割り当てられている。タイル境界外に対する画素拡張にはミラーリング法を使い、可逆(5,3)フィルタでウェーブレット変換を行い、デコンポジション・レベル1のウェーブレット係数値を求めている。
【0037】
また、タイル0/プレシンクト3/コード・ブロック3について、代表的な「レイヤ」構成の概念の一例を示す説明図も図5に併せて示す。変換後のコード・ブロックは、サブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)に分割され、各サブバンドにはウェーブレット係数値が割り当てられている。
【0038】
レイヤの構造は、ウェーブレット係数値を横方向(ビットプレーン方向)から見ると理解し易い。1つのレイヤは任意の数のビットプレーンから構成される。この例では、レイヤ0,1,2,3は、各々、1,3,1,3のビットプレーンから成っている。そして、LSB(Least Significant Bit:最下位ビット)に近いビットプレーンを含むレイヤ程、先に量子化の対象となり、逆に、MSB(Most Significant Bit:最上位ビット)に近いレイヤは最後まで量子化されずに残ることになる。LSBに近いレイヤから破棄する方法はトランケーションと呼ばれ、量子化率を細かく制御することが可能である。
【0039】
図1に示すエントロピー符号化・復号化部104では、コンテキストと対象ビットから確率推定によって、各コンポーネント111のタイル112に対する符号化を行う。こうして、原画像の全てのコンポーネント111について、タイル112単位で符号化処理が行われる。最後にタグ処理部105は、エントロピー符号化・復号化部104からの全符号化データを1本の符号列データに結合するとともに、それにタグを付加する処理を行う。
【0040】
図6には、この符号列データの1フレーム分の概略構成を示している。この符号列データの先頭と各タイルの符号データ(bit stream)の先頭にはヘッダ(メインヘッダ(Main header)、タイル境界位置情報等であるタイルパートヘッダ(tile part header))と呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイルの符号化データが続く。なお、メインヘッダ(Main header)には、符号化パラメータや量子化パラメータが記述されている。そして、符号列データの終端には、再びタグ(end of codestream)が置かれる。また、図7は、符号化されたウェーブレット係数値が収容されたパケットをサブバンド毎に表わしたコードストリーム構造を示すものである。図7に示すように、タイルによる分割処理を行っても、あるいはタイルによる分割処理を行わなくても、同様のパケット列構造を持つことになる。
【0041】
一方、符号化データの復号化時には、画像データの符号化時とは逆に、各コンポーネント111の各タイル112の符号列データから画像データを生成する。この場合、タグ処理部105は、外部より入力した符号列データに付加されたタグ情報を解釈し、符号列データを各コンポーネント111の各タイル112の符号列データに分解し、その各コンポーネント111の各タイル112の符号列データ毎に復号化処理(伸長処理)を行う。このとき、符号列データ内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、量子化・逆量子化部103で、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストが生成される。エントロピー符号化・復号化部104で、このコンテキストと符号列データから確率推定によって復号化を行い、対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたデータは周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット変換・逆変換部102で2次元ウェーブレット逆変換を行うことにより、画像データの各コンポーネントの各タイルが復元される。復元されたデータは色空間変換・逆変換部101によって元の表色系の画像データに変換される。
【0042】
以上が、「JPEG2000アルゴリズム」の概要である。
【0043】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。なお、ここでは、JPEG2000を代表とする画像圧縮伸長技術に関する例について説明するが、言うまでもなく、本発明は以下の説明の内容に限定されるものではない。
【0044】
図8は、本実施の形態に係る画像出力システム1の全体構成を示すブロック図である。図8に示すように、画像出力システム1は、画像を入力する入力装置2と、入力した画像の画像データに対して所定の画像処理を行う画像処理装置3と、所定の画像処理が施された画像データを出力する出力装置4とからなる。
【0045】
入力装置2は、具体的には、画像処理装置3へ画像データを送信する各種通信インターフェイス、画像データを記憶する記憶装置、画像を入力するイメージスキャナ、デジタルカメラなどの画像入力装置などである。
【0046】
出力装置4は、具体的には、画像処理装置3から画像データを受信する各種通信インターフェイス、画像データを記憶する記憶装置、画像を表示するLCD,CRTなどのディスプレイ、画像を印刷する各種印刷方式のプリンタなどである。
【0047】
次に、画像処理装置3について詳細に説明する。図9は、本実施の形態における画像処理装置3のモジュール構成図である。画像処理装置3は、いわゆるパーソナルコンピュータであって、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)11、情報を格納するROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13等の一次記憶装置14、後述する圧縮符号を記憶する記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)15等の二次記憶装置16、情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのCD−ROMドライブ等のリムーバブルディスク装置17、入力装置2や出力装置4と通信により情報を伝達するためのネットワークインターフェース18、処理経過や結果等を操作者に表示するCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置19、並びに操作者がCPU11に命令や情報等を入力するためのキーボード20、マウス等のポインティングディバイス21等から構成されており、これらの各部間で送受信されるデータをバスコントローラ22が調停して動作する。
【0048】
このような画像処理装置3では、ユーザが電源を投入するとCPU11がROM12内のローダーというプログラムを起動させ、HDD15よりオペレーティングシステムというコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM13に読み込み、このオペレーティングシステムを起動させる。このようなオペレーティングシステムは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。オペレーティングシステムのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)等が知られている。これらのオペレーティングシステム上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。
【0049】
ここで、画像処理装置3は、アプリケーションプログラムとして、画像処理プログラムをHDD15に記憶している。この意味で、HDD15は、画像処理プログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0050】
また、一般的には、画像処理装置3のHDD15等の二次記憶装置16にインストールされる動作プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等に記録され、この記録された動作プログラムがHDD15等の二次記憶装置16にインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体も、画像処理プログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、画像処理プログラムは、例えばネットワークインターフェース18を介して外部から取り込まれ、HDD15等の二次記憶装置16にインストールされても良い。
【0051】
画像処理装置3は、オペレーティングシステム上で動作する画像処理プログラムが起動すると、この画像処理プログラムに従い、CPU11が各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御する。画像処理装置3のCPU11が実行する各種の演算処理のうち、本実施の形態の特長的な処理について以下に説明する。
【0052】
ここで、画像処理装置3のCPU11が実行する各種の演算処理により実現される機能について説明する。図10に示すように、画像処理装置3においては、第1階層圧縮符号作成手段31、第2階層圧縮符号作成手段32、第3階層圧縮符号作成手段33、2値化手段34、2値画像記憶手段35、画像取得許容手段36の各機能が、CPU11が実行する各種の演算処理により実現されている。なお、リアルタイム性が重要視される場合には、処理を高速化する必要がある。そのためには、論理回路(図示せず)を別途設け、論理回路の動作により各種機能を実現するようにするのが望ましい。
【0053】
第1階層圧縮符号作成手段31、第2階層圧縮符号作成手段32、第3階層圧縮符号作成手段33は、概略的には、入力装置2から入力された画像データをJPEG2000アルゴリズムに従って圧縮符号化するものである。JPEG2000アルゴリズムに従った圧縮処理については、図1で示した空間変換・逆変換部101、2次元ウェーブレット変換・逆変換部102、量子化・逆量子化部103、エントロピー符号化・復号化部104、タグ処理部105の説明において前述したので、ここでの説明は省略する。JPEG2000アルゴリズムに従った圧縮処理によれば、DWTにおけるオクターブ分割に対応した階層毎に圧縮符号を作成することになる。なお、本実施の形態においては、3階層の圧縮符号を作成する。
【0054】
第1階層圧縮符号作成手段31は、最上位階層(第1階層)の圧縮符号を作成するとともに、離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分の多値画像を下位階層の圧縮符号を作成する第2階層圧縮符号作成手段32へと渡す。また、第2階層圧縮符号作成手段32は、第2階層の圧縮符号を作成するとともに、離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分の多値画像を下位階層の圧縮符号を作成する第3階層圧縮符号作成手段33へと渡す。そして、第3階層圧縮符号作成手段33は、第3階層の圧縮符号を作成する。
【0055】
加えて、第1階層圧縮符号作成手段31、第2階層圧縮符号作成手段32、第3階層圧縮符号作成手段33は、離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分の多値画像を2値化手段34に渡し、2値化処理を行う。2値化手段34は、渡された各階層のLL成分を多値画像から2値画像に変換する。このようにして多値画像から2値画像に変換されたLL成分は2値画像記憶手段35において階層毎に記憶保持される。
【0056】
画像取得許容手段36は、2値画像記憶手段35に記憶保持されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する機能を発揮するものである。
【0057】
したがって、出力装置4は、画像取得許容手段36を介して2値画像記憶手段35に記憶保持されている所望の階層のLL成分にアクセスする、または、2値画像記憶手段35に記憶保持されている所望の階層のLL成分を送信されることで、必要な解像度の2値画像を表示することができる。
【0058】
このような画像処理装置3によれば、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分が多値画像から2値画像に変換されて記憶され、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得が許容される。これにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分が取得されるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することが可能になる。
【0059】
なお、本実施の形態においては、第1階層圧縮符号作成手段31から第2階層圧縮符号作成手段32へと渡されるLL成分、及び第2階層圧縮符号作成手段32から第3階層圧縮符号作成手段33へと渡されるLL成分は、多値画像のままであった。しかしながら、多値画像LL成分を下位階層へと渡していくと、細線などがだんだん擦れて見えなくなる場合がある。そこで、下位階層へと渡すLL成分についても2値化処理を行うようにしても良い。これにより、画質劣化を抑えることが可能になるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することが可能になる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像処理装置によれば、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置において、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化手段と、この2値化手段により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶手段と、この2値画像記憶手段により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容手段と、を備え、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を多値画像から2値画像に変換して記憶し、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容することにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分を取得することができるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにしたことにより、画質劣化を抑えることができるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することができる。
【0062】
請求項3記載の発明のプログラムによれば、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化機能と、この2値化機能により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶機能と、この2値画像記憶機能により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容機能と、を実行させ、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を多値画像から2値画像に変換して記憶し、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容することにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分を取得することができるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することができる。
【0063】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載のプログラムにおいて、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにしたことにより、画質劣化を抑えることができるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することができる。
【0064】
請求項5記載の発明の記憶媒体によれば、画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化機能と、この2値化機能により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶機能と、この2値画像記憶機能により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容する画像取得許容機能と、を実行させるプログラムを記憶し、階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を多値画像から2値画像に変換して記憶し、記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所望の階層のLL成分の取得を許容することにより、多値画像に対応していない出力装置から所望の階層のLL成分の送信要求があった場合には、出力装置においては2値画像に変換された所望の階層のLL成分を取得することができるので、出力装置側で2値画像を作成する必要はなく、画像の出力を高速化することができる。
【0065】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の記憶媒体において、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにしたプログラムを記憶したことにより、画質劣化を抑えることができるので、いずれの階層においてもオリジナルに近い良好な2値画像を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となるJPEG2000方式の基本となる階層符号化アルゴリズムを実現するシステムの機能ブロック図である。
【図2】原画像の各コンポーネントの分割された矩形領域を示す説明図である。
【図3】デコンポジション・レベル数が3の場合の、各デコンポジション・レベルにおけるサブバンドを示す説明図である。
【図4】プレシンクトを示す説明図である。
【図5】ビットプレーンに順位付けする手順の一例を示す説明図である。
【図6】符号列データの1フレーム分の概略構成を示す説明図である。
【図7】符号化されたウェーブレット係数値が収容されたパケットをサブバンド毎に表わしたコードストリーム構造を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の一形態の画像出力システムの全体構成を示すブロック図である。
【図9】画像処理装置のモジュール構成図である。
【図10】画像処理プログラムに基づいてCPUが実行する処理により実現される機能を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
3 画像処理装置
15 記憶媒体
34 2値化手段
35 2値画像記憶手段
36 画像取得許容手段
Claims (3)
- 画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置において、
画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化手段と、
この2値化手段により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶手段と、
この2値画像記憶手段により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所定の階層のLL成分を取得する画像取得手段とを備え、
画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すようにしたこと、
を特徴とする画像処理装置。 - 画像データを1又は複数に分割した矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化し、データ提供のために記憶保持する画像処理装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
画像データの圧縮符号化に際して階層毎に離散ウェーブレット変換により帯域分解されたLL成分を、多値画像から2値画像に変換する2値化機能と、
この2値化機能により多値画像から2値画像に変換されたLL成分を、階層毎に記憶する2値画像記憶機能と、
この2値画像記憶機能により記憶されている2値画像に変換されたLL成分のうち、所定の階層のLL成分の取得を取得する画像取得機能とを実行させ、
さらに、画像データの圧縮符号化に際して上位階層から下位階層へと渡されるLL成分を、多値画像から2値画像に変換してから上位階層から下位階層へと渡すように、
実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項2に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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