JP4093917B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に関し、より詳しくは、特定のハイドロフルオロアルコール残基を末端基に導入したポリカーボネート樹脂を用いた電子写真感光体に関し、さらに詳しくは、電子写真感光体作製時に種々の溶剤に安定に溶解し、さらに長時間にわたる繰り返し使用に優れた機械的強度及び電子写真特性を維持し、種々の電子写真分野に好適に利用できる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、光学フィルム、光ディスク、レンズなどの光学材料や電気機器などのハウジングなど、様々な分野で素材として用いられているが、用途分野の拡大に伴ってさらに性能の優れたものの開発が望まれている。
最近の電子写真感光体は感光層が少なくとも露光により電荷を発生する電荷発生層(CGL)と電荷を輸送する電荷輸送層(CTL)の二層を有する積層型の有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させた、あるいは電荷発生物質のみをバインダー樹脂に分散させた単一層からなる単層型の有機電子写真感光体が提案され利用されている。さらには耐久性向上や高画質化のために、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させたり、あるいは感光層の最上層にオーバーコート層を設けたOPCも実用化されている(非特許文献1)。
【0003】
この有機電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じて、所定の感度や電気特性、光学特性を備えていることが要求される。この電子写真感光体は、その感光層の表面に、コロナ帯電あるいはロールやブラシを用いた接触帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理などの操作が繰り返し行われるため、これら操作を行う度に電気的、機械的外力が加えられる。したがって、長期間に亘って電子写真の画質を維持するためには、電子写真感光体の表面に設けた感光層に、これら外力に対する耐久性が要求される。具体的には、摩擦による表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電や接触帯電、転写でのオゾンなどの活性ガスや放電による表面の劣化に対する耐久性が要求される。
このような要請に応えるため、有機電子写真感光体のバインダー樹脂としては、感光層に用いる電荷輸送物質との相溶性が良く、光学特性も良好なポリカーボネート樹脂が使用されてきた。すなわち、このポリカーボネート樹脂として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕や1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕などを原料とするものが使用されてきた。しかしながら、このビスフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂をもってしても上記要求を満足させるには不十分である。
【0004】
また、近年の環境問題の高まりから、これまで有機電子写真感光体の塗工溶剤として使用されてきた液化メチレンなどのハロゲン系溶剤をトルエンやテトラハイドロフラン(THF)などの非ハロゲン系溶剤に切り替えが進んでいる。その場合、従来のポリカーボネート樹脂、特にビスフェノールAを含有するポリカーボネート樹脂を用いた場合には、非ハロゲン系溶剤への溶解性が低かったり、溶解してもその塗工液が徐々に結晶化し、保存安定性に問題を生じ、さらに製膜時に感光体上で白化などの外観不良を生じる問題がある。
【0005】
特許文献1には、二価フェノールとしてフッ素置換されたものを使用し、末端停止剤としてフッ素置換フェノールを使用して製造されたポリカーボネートが開示されているが、下記のような問題点がある。
▲1▼ポリカーボネート製造時に、フッ素置換二価フェノールの溶解性が低く、多量に導入することは困難である。
▲2▼フッ素置換フェノール残基を末端に導入したポリカーボネートに他の電荷輸送物質などを添加して電子写真感光体を作製した場合、フッ素置換フェノール残基が他の分子と相溶しにくいために均一な層が形成されず、実用上、安定した電気特性や耐久性が得られない。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−152328号公報(第2頁)
【非特許文献1】
第53回日本画像学会技術講習会予稿集91頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記状況下でなされたもので、バインダー樹脂としてビスフェノールAやビスフェノールZ、フッ素置換二価フェノールを原料とするポリカーボネートを用いた電子写真感光体に認められる上記の問題点を解決し、下記の事項を目的とするものである。
▲1▼非ハロゲン系溶剤でも良好かつ安定な塗工液を製造できる電子写真感光体用ポリカーボネート樹脂を提供する。
▲2▼電子写真感光体の感光層の一成分または感光体層上に作成されるオーバーコート層の一成分として好適に用いられるとともに、光学フィルムやシート、あるいはコーティング剤などに好適に用いられる新しい化学構造を持ち、機械的にも優れた電子写真感光体用ポリカーボネート樹脂を提供する。
▲3▼長期間に亘って優れた機械強度(耐摩耗、耐傷性)及び電子写真特性を維持する実用上著しく優れた電子写真感光体を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のハイドロフルオロアルコール残基を末端に導入したポリカーボネート樹脂が前記目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに到った。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層に、下記一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリール基、置換または無置換の炭素数7〜20のアリール置換アルキル基、置換または無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。s、t、u及びvは各々独立に0〜4の整数である。X1、X2は、各々独立に、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR5R6−(ただし、R5、R6は各々独立に水素、置換又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基、トリフルオロメチル基、置換または無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、置換または無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換または無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換または無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリーレン基、重合度3〜100のポリアルキルシロキサン基を示す。)
で表される繰り返し単位を含有するともに、その末端に下記一般式(2)
H−(CF2)n−CH2O− (2)
(式中、nは1〜20の整数を示す。)
で表される基を有し、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
2.前記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)
【0011】
【化5】
【0012】
(式中、R1、R2及びs、tは前記に同じである。)
で表される単位である請求項1記載の電子写真感光体。
3.前記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、R1、R2及びs、tは前記に同じである。)
で表される単位である請求項1記載の電子写真感光体。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本願発明は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層に、下記一般式(1)
【0016】
【化7】
【0017】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリール基、置換または無置換の炭素数7〜20のアリール置換アルキル基、置換または無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。s、t、u及びvは各々独立に0〜4の整数である。X1、X2は、各々独立に、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR5R6−(ただし、R5、R6は各々独立に水素、置換又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基、トリフルオロメチル基、置換または無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、置換または無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換または無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換または無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリーレン基、重合度3〜100のポリアルキルシロキサン基を示す。)
で表される繰り返し単位を含有するともに、その末端に下記一般式(2)
H−(CF2)n−CH2O− (2)
(式中、nは1〜20の整数を示す。)
で表される基を有し、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0018】
上記一般式(1)を構成する単位としては、前記一般式(3)または(4)の単位が好ましい。
なお、本発明の電子写真感光体のバインダー樹脂に用いられるポリカーボネート樹脂は、本発明の目的に支障のない範囲で、前記一般式(1)以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。また、本発明の電子写真感光体は、当該ポリカーボネート樹脂の他に他のポリマーや添加剤が適宜配合または添加されていてもよい。
【0019】
本発明のポリカーボネート樹脂において、いまひとつ重要な点は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温度20℃における還元粘度[ηsp/C]が0.1〜3.0dl/gである点である。この還元粘度[ηsp/C]が0.1dl/g未満では、電子写真感光体の耐刷性が十分に得られないことがあり、好ましくない。また、この還元粘度[ηsp/C]が3.0dl/gを超えると、感光体製造時に、塗工粘度が高くなるため、固形分濃度を下げる必要があり、電子写真感光体の生産性の低下や溶剤の乾燥に時間がかかるなどの工業上の課題が生じることがあり、好ましくない。当該ポリカーボネート樹脂の好ましい還元粘度[ηsp/C]の範囲は、0.2〜1.8dl/g、特に好ましくは0.3〜1.7dl/gである。
【0020】
本発明の電子写真感光体に使用するポリカーボネート樹脂の製造方法としては特に制限はなく、適当なモノマーを使用して公知の方法に準じて各種の方法によって製造することができる。例えば、下記一般式(5)及び(6)
【0021】
【化8】
【0022】
(式中、R1、R2、R3、R4、X1、X2、s、t、u、vは前記に同じである。)で表されるビスフェノール化合物(以下[A]成分ともいう。)と、下記一般式(7)
H−(CF2)n−CH2OH (7)
で表されるハイドロフルオロアルコール(以下[B]成分ともいう。)と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることによって製造することができる。このとき、[A]と[B]の割合を変化させることで、分子量調整をすることができる。[B]/[A](モル比)は0.1/100〜10/100の範囲とすることが好ましい。
【0023】
先ず、[A]成分のビスフェノール化合物の具体例を挙げると下記のとおりである。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフェニル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、末端フェノールポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシロキシ−ω−ビス{3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピルジメチルシロキシ}−メチルシロキシ−2−ジメチルシリルエチル−ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0024】
これらのビスフェノール化合物の中で、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、末端フェノールポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシロキシ−ω−ビス{3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピルジメチルシロキシ}−メチルシロキシ−2−ジメチルシリルエチル−ポリジメチルシロキサンなどが好ましい。なお、これらのビスフェノール化合物は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
また、炭酸エステル形成性化合物(以下、カーボネート前駆体ともいう。)として、ホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲントリマー等のジハロゲン化カルボニル又はクロロホーメート等のハロホーメート類が挙げられる。
さらに、末端停止剤として前記一般式(7)で表されるハイドロフルオロアルコールが使用され、具体的には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノールなどが挙げられる。なお、本発明の目的に支障のない範囲で、例えば、p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等の公知の末端停止剤を併用できる。
【0026】
例えば、カーボネート前駆体として、ホスゲン等のジハロゲン化カルボニル又はクロロホーメート等のハロホーメート類を用いる場合、この反応は、適当な溶媒中で、酸受容体(例えば、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩等の塩基性アルカリ金属化合物、あるいはピリジン等の有機塩基等)の存在下で行うことができる。
アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩としては、各種のものが使用可能であるが、経済的な面から、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が好適に利用される。これらは、通常は水溶液として好適に使用される。
【0027】
上記カーボネート前駆体の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状のカーボネート前駆体を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
上記酸受容体の使用割合も、同様に反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用するジヒドロキシ化合物の合計モル数(通常、1モルは当量に相当)に対して2当量もしくはこれより若干過剰量の酸受容体を用いることが好ましい。
【0028】
上記溶媒としては、公知のポリカーボネート製造の際に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが好適に使用することができる。
【0029】
また、重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を、さらにはフロログリシン、ピロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス[2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス[4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ]メタン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸などの分岐剤を添加して反応を行うことができる。
【0030】
また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の酸化防止剤を少量添加してもよい。
反応は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行いうる。
反応時間は、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。
反応方式としては、連続法、半連続法、回分法等のいずれも採用可能である。なお、得られるポリマーの還元粘度[ηsp/C]を上記の範囲にするには、例えば、上記反応条件の選択、分子量調整剤の使用量など各種の方法によってなすことができる。また、場合により、得られたポリマーに適宜物理的処理(混合、分画等)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所定の還元粘度[ηsp/C]のポリカーボネートとして取得することもできる。
得られた反応生成物は(粗生成物)は公知の分離・精製法などの各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネートとして回収することができる。
【0031】
つぎに、本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、その感光層が上記ポリカーボネート樹脂を含有する表面層を有するものである。
本発明の電子写真感光体は、このような感光層が導電性基体上に形成されたものである限り、その構造に特に制限はなく、単層型や積層型など公知の種々の形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとしてもよい。通常は、感光層が少なくとも1層の電荷発生層と、表面層を形成する少なくとも1層の電荷輸送層を有する積層型電子写真感光体が好ましく、少なくとも1層の電荷輸送層中に、上記ポリカーボネート樹脂がバインダー樹脂として及び/又は上記表面層として用いられていることが好ましい。
本発明の電子写真感光体において、上記ポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として用いる場合、このポリカーボネート樹脂を一種のみまたは二種以上を組み合わせて用いてもよいし、また、所望に応じて本発明の目的達成を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート樹脂などの樹脂成分と併用してよい。
【0032】
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性基板としては、公知のものなど各種のものを使用することができ、具体的には、アルミニウムやニッケル、クロム、パラジウム、チタン、モリブデン、インジウム、金、白金、銀、銅、亜鉛、真鍮、ステンレス、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITOもしくはグラファイトからなる板やドラム、シート、ならびに蒸着、スパッタリング、塗布などによりコーティングするなどして導電処理したガラス、布、紙もしくはプラスチックのフィルム、シートおよびシームレスシーベルト、ならびに電極酸化等により金属酸化処理した金属ドラムなどを使用することができる。
積層型電子写真感光体の電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含むものであり、この電荷発生層はその下地となる基体上に、真空蒸着法や化学蒸着法、スパッタリング法によって、電荷発生物質の層を形成するか、またはその下地となる層上に電荷発生物質をバインダー樹脂を用いて結着してなる層を形成せしめることによって得ることができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法としては公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂と共に適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥せしめる方法などが好適に用いられる。このようにして得られる電荷発生層の厚さは、通常、0.01〜2.0ミクロン、好ましくは0.1〜0.8ミクロンである。電荷発生層の厚さを0.01ミクロン未満にすると均一な厚さに層を形成することが困難であり、また、2.0ミクロンを超えると電子写真特性の低下を招くことがあるからである。
【0033】
上記電荷発生層における電荷発生材料としては、公知の各種のものを使用することができる。具体的な化合物としては、非晶質セレンや、三方晶セレン等のセレン単体、セレン−テルル等のセレン合金、As2Se3等のセレン化合物もしくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、CdS−Se等の周期律表第12族及び第16族元素からなる無機材料、酸化チタン等の酸化物系半導体、アモルファスシリコン等のシリコン系材料、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属フタロシアニンなどの無金属フタロシアニン顔料、α型銅フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロシアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニルフタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チタニルフタロシアニン、G型チタニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシアニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、X線回折図におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回折ピークを示すチタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン顔料、シアニン染料、アントラセン顔料、ビスアゾ顔料、ピレン顔料、多環キノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、ピリリウム染料、スクェアリウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔料、アズレニウム染料、トリアリールメタン染料、キサンチン染料、チアジン染料、チアピリリウム染料、ポリビニルカルバゾール、ビスベンゾイミダゾール顔料などが挙げられる。これら化合物は、1種単独で、あるいは2種以上のものを混合して、電荷発生物質として用いることができる。
これら電荷発生物質の中でも、好適なものとしては、特開平11−172003号公報に具体的に記載のものが挙げられる。
【0034】
上記電荷発生層におけるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種のものを使用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが挙げられる。上記電荷発生層におけるバインダー樹脂として、本発明のポリカーボネート樹脂を使用することもできる。
【0035】
つぎに、電荷輸送層は、下地となる層(例えば電荷発生層)上に、本発明のポリカーボネート樹脂と電荷輸送物質を含む層を形成することによって得ることができる。
この電荷輸送層の形成方法としては、公知の方法等の各種の方式を使用することができるが、通常、電荷輸送物質と本発明のポリカーボネート、又は本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー樹脂とともに適当な溶媒に分散もしくは溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥する方式などが使用される。本発明の電荷輸送層形成に用いられる電荷輸送物質とポリカーボネート樹脂との配合割合は、好ましくは質量比で20:80〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
この電荷輸送層において、上記ポリカーボネート樹脂は、1種単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で上記電荷発生層に用いられるバインダー樹脂として挙げたような樹脂を、上記ポリカーボネート樹脂と併用することもできる。
【0036】
このようにして形成される電荷輸送層の厚さは、通常、5〜100ミクロン、好ましくは10〜30ミクロンである。この厚さを5ミクロン未満にすると初期電位が低くなり、100ミクロンを超えると電子写真特性が低下することがある。
上記本発明のポリカーボネートと共に使用できる電荷輸送物質としては、公知の各種の化合物を使用することができる。このような化合物としては、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルベン化合物、フルオレノン化合物、ブタジエン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらの構造を主鎖や側鎖に有する重合体などが好適に用いられる。これら化合物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら電荷輸送物質の中でも、特開平11−172003公報において具体的に例示されている化合物が特に好適に用いられる。
【0037】
本発明の電子写真感光体においては、上記導電性基体と感光層との間に、通常使用されるような下引き層を設けることができる。この下引き層としては、酸化チタンや酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン酸、チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化珪素などの微粒子、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することができる。また、この下引き層に用いる樹脂として、上記バインダー樹脂を用いてもよいし、本発明のポリカーボネート樹脂を用いてもよい。これら微粒子や樹脂は単独又は種々混合して用いることができる。これらの混合物として用いる場合には、無機質微粒子と樹脂を併用すると、平滑性のよい皮膜が形成されることから好適である。
この下引き層の厚みは、通常、0.01〜10ミクロン、好ましくは0.01〜1ミクロンである。この厚みが0.01ミクロン未満であると、下引き層を均一に形成することが困難であり、また10ミクロンを超えると電子写真特性が低下することがある。
【0038】
また、上記導電性基体と感光層との間には、通常使用されるような公知のブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、上記のバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。このブロッキング層の厚みは、通常、0.01〜20ミクロン、好ましくは0.01〜10ミクロンである。この厚みが0.01ミクロン未満であると、ブロッキング層を均一に形成することが困難であり、また20ミクロンを超えると電子写真特性が低下することがある。さらに、本発明の電子写真感光体には、感光層の上に、保護層を積層してもよい。この保護層には、上記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。また、本発明のポリカーボネート樹脂を用いることもできる。この保護層の厚みは、通常、0.01〜20ミクロン、好ましくは0.01〜10ミクロンである。そして、この保護層には、上記電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、金属やその酸化物、窒化物、塩、合金、カーボンブラック、有機導電性化合物などの導電性材料を含有していてもよい。
【0039】
さらに、この電子写真感光体の性能向上のために、上記電荷発生層および電荷輸送層には、結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動性付与剤、ピンホール制御剤、分光感度増感剤(増感染料)を添加してもよい。また、繰り返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を防止する目的で種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性剤、カール防止剤、レベリング剤などの添加剤を添加することができる。
上記結合剤としては、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱及び/又は光硬化性樹脂も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成し得る樹脂であれば特に制限はない。この結合剤は本発明のポリカーボネート樹脂に対して、1〜200質量%の配合割合で添加することが好ましく、5〜100質量%がより好ましい。この結合剤の配合割合が1質量%未満では感光層の皮膜が不均一になりやすく、画質が劣る傾向があり、200質量%を超えると感度が低下し、残留電位が高くなる傾向がある。
【0040】
前記可塑剤の具体例としては、ビフェニル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、トリフェニルホスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレート、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フルオロ炭化水素などが挙げられる。
【0041】
前記硬化触媒の具体例としては、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などが挙げられ、流動性付与剤としては、モダフロー、アクロナール4Fなどが挙げられ、ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、ジメチルフタレートが挙げられる。
これら可塑剤や硬化触媒、流動性付与剤、ピンホール制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5質量%以下で用いることが好ましい。
また、分光感度増感剤としては、増感染料を用いる場合には、例えばメチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルーなどのトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシンなどのアクリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーンなどのチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルーなどのオキサジン染料、シアニン染料、メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリュウム塩染料、チオピリリュウム塩染料などが適している。
【0042】
感光層には、感度の向上、残留電位の減少、反復使用時の疲労低減などの目的で、電子受容物質を添加することができる。その具体例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジクロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4’−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン−(ジシアノメチレンマロノニトリル)、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−(ジシアノメチレンマロノジニトリル)、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの電子親和力の大きい化合物が好ましい。これらの化合物は、電荷発生層、電荷輸送層のいずれかに加えてもよく、その配合割合は電荷発生物質又は電荷輸送物質に対して、通常、0.01〜200質量%、好ましくは0.1〜50質量%である。
【0043】
また、表面性改良のため、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体、フッ素系グラフトポリマーを用いてもよい。これらの表面改質剤の配合割合は、前記バインダー樹脂に対して、通常、0.1〜60質量%、好ましくは2〜40質量%である。この配合割合が0.1質量%より少ないと、表面耐久性、表面エネルギー低下などの表面改質が充分でなく、60質量%より大きいと、電子写真特性の低下を招くことがある。
【0044】
前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機りん系酸化防止剤などが好ましい。これら酸化防止剤の配合割合は、前記電荷輸送物質に対して、通常、0.01〜10質量%、好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0045】
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機りん系酸化防止剤の具体的な例としては、特開平11−172003号公報に記載されているものがある。
これら酸化防止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。そして、これらは上記感光層の他、表面保護層や下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
前記電荷発生層、電荷輸送層の形成に使用する溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、アニソール等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロバノール等のアルコール類、酢酸エチル、エチルセルソルブ等のエステル類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン等のハロゲン系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらの溶媒は、一種単独で使用してもよく、あるいは、二種以上を混合溶媒として用いてもよい。
【0046】
つぎに、前記電荷輸送層を形成する方法としては、前記電荷輸送物質、添加剤、バインダー樹脂として用いるポリカーボネート樹脂を溶媒に分散または溶解させてなる塗工液を調製し、これを所定の下地となる例えば前記電荷発生層の上に塗工し、前記ポリカーボネート樹脂がバインダー樹脂として電荷輸送物質と共存する形態の電荷輸送層を形成する。
【0047】
上記塗工液を調製する方法としては、上記の調合原料をボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、ミキサー、アトライターなどを用いて、分散あるいは溶解させることができる。このようにして得られた塗工液を塗工する方法については、浸漬塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、スプレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、アトライター塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工法、ブレード塗工法、カーテン塗工法などが採用できる。
【0048】
また、単層型電子写真感光体の感光層は、前記のポリカーボネート樹脂、電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、所望により電荷輸送物質や他のバインダー樹脂などを用いて形成される。この場合の塗工液の調製やその塗工法、添加剤の処方などに関しては、積層型電子写真感光体の感光層の形成の場合と同様である。さらに、この単層型電子写真感光体においても、上記と同様に下引き層、ブロッキング層、表面保護層を設けてもよい。これら層を形成する場合にも、本発明のポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
単層型電子写真感光体における感光層の厚さは、通常、5〜100ミクロン、好ましくは8〜50ミクロンであり、これが5ミクロン未満であると初期電位が低くなりやすく、100ミクロンを超えると電子写真特性が低下することがある。
この単層型電子写真感光体の製造に用いられる電荷発生物質:ポリカーボネート樹脂(バインダー)の比率は、質量比で1:99〜30:70、好ましくは3:97〜15:85である。また、電荷輸送物質を添加する場合は、電荷輸送物質:ポリカーボネート樹脂の比率は、質量比で5:95〜80:20、好ましくは、10:90〜60:40である。
【0050】
このようにして得られる本発明の電子写真感光体は、優れた耐摩耗性を有し、長期間に亘って優れた耐刷性及び電子写真特性を維持する感光体であり、複写機(モノクロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッター)、ファクシミリ、製版機などの各種の電子写真分野に好適に用いられる。
【0051】
また、本発明の電子写真感光体を使用するにあたっては、帯電には、コロナ放電(コロトロン、スコロトロン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用いられる。また、露光には、ハロゲンランプや蛍光ランプ、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式のいずれを採用してもよい。現像には、カスケード現像、二成分磁気ブラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像などの乾式現像方式や液体トナーなどを用いた湿式現像方式が用いられる。転写には、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法や、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着には、熱ローラ定着、ラジアントフラッシュ定着、オープン定着、圧力定着などが用いられる。さらに、クリーニング・除電にはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等が用いられる。
【0052】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン100gを2Nの水酸化カリウム水溶液900ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、 分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール(H(CF2)6CH2OH)2.8gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01規定塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が1.2dl/gであった。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し単位からなることを確認した。
【0053】
【化9】
【0054】
さらに、下記に示す方法で電子写真感光体を作製し、その性能を評価した。
導電性基体としてアルミニウム金属を蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その表面に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層して積層型感光層を形成した電子写真感光体を製造した。
電荷発生物質としてオキソチタニウムフタロシアニン0.5質量部を用い、バインダー樹脂としてブチラール樹脂0.5質量部を用いた。これらを溶媒の塩化メチレン19質量部に加え、ボールミルにて分散し、この分散液をバーコーターにより、上記導電性基体フィルム表面に塗工し、乾燥させることにより、膜厚約0.5ミクロンの電荷発生層を形成した。
つぎに、電荷輸送物質として、下記の化合物(CTM−1)0.5gと上記共重合ポリカーボネート樹脂0.5gを10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解し、塗工液を調製した。この塗工液をアプリケーターにより、上記電荷発生層の上に塗布し、乾燥し、膜厚約20ミクロンの電荷輸送層を形成した。
ついで、電子写真特性は静電気帯電試験装置EPA−8100(川口電機製作所社製)を用いて測定した。−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位(V0),光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR),半減露光量(E1/2)を測定した。さらに、この電荷輸送層の耐摩耗性をスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機社製)を用いて評価した。試験条件は500gの荷重をかけた摩耗紙(粒径3ミクロンのアルミナ粒子を含有)を感光層表面と接触させて2,000回往復運動を行い、重量減少量を測定した。それらの結果を第1表に示した。
【0055】
【化10】
【0056】
〔実施例2〕
実施例1において、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール(H(CF2)6CH2OH)の量を6gに変更した以外は実施例1と同様に合成を行った。得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が0.5dl/gであった。1H−NMRスペクトル分析より実施例1と同じ繰り返し単位を有することを確認した。実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、電気写真特性及び摩耗試験を実施した。その結果を第1表に示す。
【0057】
〔実施例3〕
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン110gを2Nの水酸化カリウム水溶液900ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール(H(CF2)6CH2OH)2.8gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01規定塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が1.1dl/gであった。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し単位からなることが確認された。
【0058】
【化11】
【0059】
得られたポリカーボネート樹脂を用い、電荷輸送物質として以下の(CTM−2)を用いた以外は実施例1と同様に電子写真特性評価及び摩耗試験を実施した。その結果を第1表に示す。
【0060】
【化12】
【0061】
〔実施例4〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン90gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液550ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン350ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21g及び下記構造式のフェノール変性ポリジメチルシロキサン1gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調節剤であるH(CF2)8CH2OH2.8gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01規定塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。
【0062】
【化13】
【0063】
このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が1.1dl/gであった。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し単位からなることを確認した。
【0064】
【化14】
【0065】
得られたポリカーボネートを用い、電荷輸送物質として前記の(CTM−2)を用いた以外は実施例1と同様に電子写真特性評価及び摩耗試験を実施した。その結果第1表に示す。
【0066】
〔実施例5〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン103gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液550ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン350ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調節剤であるH(CF2)8CH2OH2.9gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01規定塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が1.0dl/gであった。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し単位からなることを確認した。
【0067】
【化15】
【0068】
得られたポリカーボネートを用い、電荷輸送物質として前記の(CTM−2)を用いた以外は実施例1と同様に電子写真特性評価及び摩耗試験を実施した。その結果を第1表に示す。
【0069】
〔比較例1〕
実施例1のバインダー樹脂として末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサンを原料とする下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;1.2dl/g)を使用した他は、実施例1と同様に測定(CTM−1)した。結果を第1表に示す。
【0070】
【化16】
【0071】
〔比較例2〕
実施例1のバインダー樹脂として末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサンを原料とする比較例1と同じ繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(還元粘度;0.6dl/g)を使用した以外は、実施例1と同様に測定(CTM−1使用)した。結果を第1表に示す。
【0072】
〔比較例3〕
実施例1のバインダー樹脂として末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;1.2dl/g)を使用した他は、実施例1と同様に測定(CTM−1使用)を行い、その結果を第1表に示す。
【0073】
【化17】
【0074】
〔比較例4〕
実施例1のバインダー樹脂として、末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;0.6dl/g)を使用した他は、実施例1と同様に測定(CTM−2使用)を行い、その結果を第1表に示す。
【0075】
【化18】
【0076】
〔比較例5〕
実施例3のバインダー樹脂として、末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;1.1dl/g)を使用した以外は、実施例1と同様に測定(CTM−2使用)を行い、その結果を第1表に示す。
【0077】
【化19】
【0078】
〔比較例6〕
実施例3のバインダー樹脂として、末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;1.0dl/g)を使用した他は、実施例1と同様に測定(CTM−2)を行い、その結果を表1に示す。
【0079】
【化20】
【0080】
〔比較例7〕
実施例3のバインダー樹脂として、末端にp−tert−ブチルフェノールを含有する下記構造式のポリカーボネート樹脂(還元粘度;1.1dl/g)を使用した他は、実施例1と同様に測定(CTM−2使用)を行い、その結果を第1表1に示す。
【0081】
【化21】
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、特定構造を有するポリカーボネートを電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂として用いているので、電子写真感光体作製時に非ハロゲン系溶剤などの種々の溶剤を用いても安定な塗工液を提供でき、感光体表面の機械的強度や表面性を改良することにより耐摩耗性が向上し、繰り返し使用しても優れた電子写真特性を維持する耐刷性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
Claims (3)
- 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層に、下記一般式(1)
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリール基、置換または無置換の炭素数7〜20のアリール置換アルキル基、置換または無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。s、t、u及びvは各々独立に0〜4の整数である。X1、X2は、各々独立に、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR5R6−(ただし、R5、R6は各々独立に水素、置換又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基、トリフルオロメチル基、置換または無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、置換または無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換または無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換または無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換または無置換の炭素数6〜24のアリーレン基、重合度3〜100のポリアルキルシロキサン基を示す。)
で表される繰り返し単位を含有するともに、その末端に下記一般式(2)
H−(CF2)n−CH2O− (2)
(式中、nは1〜20の整数を示す。)
で表される基を有し、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/C]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
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