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JP4094064B2 - スルフィニル基またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物及びその製造方法 - Google Patents
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JP4094064B2 - スルフィニル基またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物及びその製造方法 - Google Patents

スルフィニル基またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物及びその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、金属捕捉剤、イオンセンサー、基質特異性センサー、分離膜材料、高分子材料、酸化触媒、相関移動触媒、人工酵素、光エネルギー変換材料、あるいはその他イオンや分子の認識を利用した機能性分子の中間体などとして利用できる、少なくとも一つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む新規な環状フェノール硫化物およびその製造法に関する。
背景技術
従来、アルキルフェノール硫化物は、酸化防止剤(例えば、米国特許第2,239,534号、米国特許第3,377,334号など)、ゴム硫化剤(例えば、米国特許第3,468,961号、米国特許第3,647,885号など)、ポリマー安定剤(例えば、米国特許第3,882,082号、米国特許第3,845,013号、米国特許第3,843,600号など)、あるいは、防食剤(例えば、米国特許第3,684,587号など)、さらに潤滑油添加剤であるフェネートの原料(堀ら、石油学会誌、1991、34巻、446頁)などとして知られている。
従来のフェノール硫化物の製造法は、フェノール類と単体硫黄を反応原料とする方法(例えば、A.J.Nealeら、Tetrahedron,25巻(1969),4593)、フェノール類、単体硫黄および塩基触媒を反応原料とする方法(例えば、米国特許第3,468,961号など)、フェノール類、単体硫黄および分子ハロゲンを反応原料とする方法(例えば、B.Hortlingら、Polym.Bull.8巻(1982),1)、フェノール類とアリールジスルフィド類とを塩基触媒下反応させる方法(例えば、T.Fujisawaら、J.Org.Chem.33巻(1973),687)、フェノール類とハロゲン化硫黄を反応原料とする方法(例えば、米国特許第2,239,534号)、およびハロゲン化フェノール類と硫化アルカリ金属試薬とを反応させる方法などが知られている。
しかしながら、これらは、2、2’−チオビス(4−アルキルフェノール)(2量体)、2−[3−(2−ヒドロキシ−5−アルキルフェニルチオ)−2−ヒドロキシ−5−アルキルフェニルチオ]−4−アルキルフェノール(3量体)、あるいは2−[3−[3−(2−ヒドロキシ−5−アルキルフェニルチオ)−2−ヒドロキシ−5−アルキルフェニルチオ]−2−ヒドロキシ−5−アルキルフェニルチオ]−4−アルキルフェノール(4量体)などを含むオリゴマー単独、もしくはそれらを含む組成物であって、すべて非環状のアルキルフェノール硫化物であり、また、それらの製造法に関するものであり、環状のフェノール硫化物については、その存在、および、その製造方法に関して推測の域を出ない状況にあった。
発明の開示
本発明は少なくとも一つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む新規環状フェノール硫化物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、一般式(2)
Figure 0004094064
(式(2)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり;nは4〜12の整数であり、但し、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。)に示す環状フェノール硫化物において、この化合物のスルフィド結合を酸化し、少なくとも1つのスルフィニル基及びスルホニル基を含む新規な環状フェノール硫化物の存在及び該化合物を製造する方法を見いだし、本研究を完成するに至った。
すなわち本発明は一般式(1)
Figure 0004094064
(式(1)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり;ZはS、スルフィニル基、スルホニル基の群の中から選ばれる基であり;nは4〜12の整数であり、但し、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよいし、また複数のZのうち、少なくとも一つのZはスルフィニル基あるいはスルホニル基である。)で表されることを特徴とする少なくとも1つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む環状フェノール硫化物及びその製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)中のXは水素原子、炭化水素基又はアシル基である。
炭化水素の炭素数は1以上であれば特に制限はないが、好ましくは1〜50である。これらの炭化水素基としては、例えば飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式−脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族−脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
飽和脂肪族炭化水素基の例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、イソノニル、1−メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル基などのアルキル基;及びエチレンやプロピレン、ブチレンの重合物あるいはそれらの共重合物より成る基などの炭化水素基が挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、2−メチルアリル、1,1−ジメチルアリル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、4−ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基などのアルケニル、アルキニル基;及びアセチレンやブタジエン、イソプロピレンの重合物あるいはそれらの共重合物より成る基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、2−メチルシクロオクチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、4−メチルシクロヘキセニル、4−エチルシクロヘキセニル基などのシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル基などが挙げられる。
脂環式−脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルエチル、3−メチルシクロヘキシルプロピル、4−メチルシクロヘキシルエチル、4−エチルシクロヘキシルエチル、2−メチルシクロオクチルエチル、シクロプロペニルブチル、シクロブテニルエチル、シクロペンテニルエチル、シクロヘキセニルメチル、シクロヘプテニルメチル、シクロオクテニルエチル、4−メチルシクロヘキセニルプロピル、4−エチルシクロヘキセニルペンチル基などのシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル基などで置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばフェニル、ナフチル基などのアリール基;4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニル、アミルフェニル、ヘキシルフェニル、ノニルフェニル、2−tert−ブチル−5−メチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、クレジル、オキシエチルクレジル、2−メトキシ−4−tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニル基などのアルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール基などが挙げられる。アルキルアリール基のアルキル部分、アルケニルアリール基のアルケニル部分、アルキニルアリール基のアルキニル部分は環状構造をとってもよい。
芳香族−脂肪族炭化水素基の具体的な例としては、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−メチルベンジル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基などのアラルキル、アラルケニル、アラルキニル基などが挙げられる。アラルキル基のアルキル部分、アラルケニル基のアルケニル部分、アラルキニル基のアルキニル部分は環状構造をとってもよい。
また、アシル基の炭素数は、1以上であれば特に制限されないが、好ましくは1〜40である。アシル基は、上記炭化水素基で置換されていてもよい。アシル基の適当な例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、オキサリル、サクシニル、ピバロイル、ステアロイル、ベンゾイル、フェニルプロピオニル、トルオイル、ナフトイル、フタロイル、インダンカルボニル、p−メチルベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル基などが挙げられる。
上記一般式(1)において、Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37である。
ここで、Yの炭化水素基及び−COR1基は前記のXにおいて説明した炭化水素基及びアシル基と同様なものがあげられ、好ましいものも同様である。
また、ハロゲン化炭化水素基は、前記のXにおいて説明した炭化水素基と同様なものにハロゲン原子が置換したものが挙げられ、ハロゲン化炭化水素基中の好ましい炭化水素基も同様である。
1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基である。この炭化水素基は、Xにおいて説明した炭化水素と同様なものが挙げられる、好ましいものも同様である。
なお、上記炭化水素基は、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37などの置換基により置換されてもよい。
ハロゲン化原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子のいずれでもよい。
置換されるこれらの置換基は、1種でもよいし、2種以上でもよく、また単一でもよいし、2個以上の複数でもよい。
一般式(1)において、Xは1分子中に4〜12個存在するが、それらのXはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(1)において、Yは1分子中に4〜12個存在するが、それらのYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。
また一般式(1)において、Zは1分子中に4〜12個存在するが、それらのZのうち、少なくとも一つのZはスルフィニル基あるいはスルホニル基である。
次に、本発明の少なくとも一つのスルフィニル基、またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物の製造方法について説明する。
本発明の少なくとも一つのスルフィニル基またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物は一般式(2)の環状フェノール硫化物(式(2)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり;nは4〜12の整数であり、但し、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。)のスルフィド結合を酸化することにより製造できる。
一般式(2)中のXは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり、上記一般式(1)中のXと同様である。
一般式(2)中のYは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり、上記一般式(1)中のYと同様である。
一般式(2)において、Xは1分子中に4〜12個存在するが、それらのXはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(2)において、Yは1分子中に4〜12個存在するが、それらのYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。
一般式(2)の環状フェノール硫化物の適当な製造例としては、先ず一般式(3)
Figure 0004094064
(式中、Yは水素原子、炭化水素基である。)で表される無置換または水酸基に対してベンゼン環の4位に炭化水素基を有するフェノール類と、適当量の単体硫黄を、適当量のアルカリ金属試薬及びアルカリ土類金属試薬から選ばれる少なくとも一種金属試薬の存在下反応させる方法である。
フェノール類と単体硫黄の原料仕込比は、フェノール類1グラム当量に対し、単体硫黄が0.1グラム当量以上であり、好ましくは0.35グラム当量以上である。単体硫黄の原料仕込比の上限は、特に限定されないが、フェノール類1グラム当量に対し、20グラム当量以下が好ましく、特に10グラム当量以下が好ましい。
アルカリ金属試薬としては、例えばアルカリ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、ハロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。また、アルカリ土類金属試薬としては、例えばアルカリ土類金属単体、水素化アルカリ土類金属、水酸化アルカリ土類金属、酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、アルカリ土類金属アルコキシド、ハロゲン化アルカリ土類金属などが挙げられる。
アルカリ金属試薬またはアルカリ土類金属試薬の使用量は、フェノール類1グラム当量に対し0.005グラム当量以上であり、好ましくは0.01グラム当量以上である。アルカリ金属試薬またはアルカリ土類金属試薬の使用量の上限は特に制限はないが、好ましくは10グラム当量以下であり、特に好ましくは5グラム当量以下である。
上記水酸基の水素原子は、必要に応じて適宜、エーテル化あるいはアシル化などにより、炭化水素基またはアシル基に変換することができる。また、Yについては、Yが水素原子であるものは直接置換基を置換することにより、Yがアルキル基であるものは脱アルキル化反応を行い、その後置換基を変換することにより、一般式(2)で表される環状フェノール硫化物を製造することができる。
置換基を置換する方法としては、前記一般式(2)のYがアルキル基である環状フェノール硫化物を、塩化アルミニウム、コバルト酸化触媒などにより、脱アルキル化して、水素に転換する方法が挙げられる。
また、置換基を置換する他の方法としては、この脱アルキル化した環状フェノール硫化物に、ニトロ4フッ化ボロンや硝酸などの適当なニトロ化剤を作用させることにより、ニトロ基に変換する方法が挙げられる。
ニトロ基は、鉄/塩酸などの適当な還元剤を用いて還元することにより、アミノ基に変換できる。また、さらに硝酸ナトリウムをなどを用いてジアゾ化し、これを塩酸などの存在下、塩化銅などの適当なハロゲン化剤、シアノ化剤あるいは水を作用させることにより、それぞれハロゲン基、シアノ基、あるいは水酸基に転換できる。
また、水酸基は、硫酸などの硫酸エステル化剤を作用させることにより、酸性硫酸エステル基に変換できる。
さらに、水酸基は、ナトリウムなどのアルカリ金属フェノキシドにし、ハロゲン化アルキルを作用させて、アルキルエーテルに転換できる。
脱アルキル化した環状フェノール硫化物に発煙硫酸などを作用させることにより、スルホン酸基に転換できる。
また、脱アルキル化した環状フェノール硫化物に、必要ならばルイス酸などの触媒の存在下、酸ハロゲン化物を反応させることにより、アシル基に転換する方法が挙げられる。
このようにして合成した一般式(2)で表される環状フェノール硫化物のスルフィド結合を酸化することにより、少なくとも一つのスルフィニル基、またはスルホニル基を含む環状フェノール硫化物へと導くことができる。
このスルフィド結合の酸化反応は、一般的な酸化剤を用いて行うことができる。適当な酸化剤としては、過酸化水素、有機過酸化物、過酸、ハロゲン酸化物、N−ハロゲン化合物、分子ハロゲン、酸素、オゾン、硝酸、無機酸化物などが挙げられるが、好ましくは、過酸化水素、分子ハロゲン、無機酸化物が挙げられる。
有機過酸化物の適当な具体例としては、過酢酸t−ブチル、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。
過酸の適当な具体例としては、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、ビス(トリメチルシリル)ペルオキシドなどが挙げられる。
ハロゲン酸化物の適当な具体例としては、過ヨウ素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、ヨードベンゼン類などが挙げられる。
N−ハロゲン化合物の適当な例としては、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミドが挙げられる。
分子ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられるが、特に好ましいのは臭素である。
無機酸化物の適当な具体例としては、酸化マンガン(IV)、酸化セリウム(IV)、酸化ルテニウム(IV)、酸化クロム(IV)、四酢酸鉛(IV)、過ホウ酸ナトリウム、過マンガン酸塩などが挙げられるが、特に好ましいのは過ホウ酸ナトリウムである。
これらの酸化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
使用する酸化剤の配合量については、一般式(2)で表される環状硫化フェノールのスルフィド結合に対して、添加する酸化剤の当量を変化させることにより、Sの酸化数を変えることができる。すなわち一般にスルフィド結合に対して1当量分程度、通常スルフィド結合1グラム当量に対し1.0〜1.5グラム当量、好ましくは1.0〜1.2グラム当量の酸化剤を加えれば、スルフィニル結合が生成しやすく、またスルフィド結合に対して過剰に、通常スルフィド結合1グラム当量に対し2〜10グラム当量、好ましくは2〜6グラム当量の酸化剤を使用すれば、スルホニル結合が生成しやすくなる。
この反応には必要に応じて触媒を使用してもよい。
触媒の適当な具体例としては、例えば過酸化水素を酸化剤として使用する場合、酸化バナジウム(V)、メタバナジン(V)酸ナトリウム、三塩化チタン、酸化タングステン(VI)、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒の使用量は、特に限定されないが、通常0.005〜10グラム当量であり、好ましくは0.01〜6グラム当量である。
また、電気化学的及び光化学的手法を用いて酸化反応を行うことも可能であり、さらに酵素を用いて酸化することもできる。
使用する溶媒としては、クロロホルムやジクロロメタンなどの塩素系溶媒や、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、酢酸、水などのプロトン性溶媒が挙げられ、目的の反応を阻害するものでなければ任意の溶媒が使用可能であるが、用いる酸化条件により好適に使用される溶媒は変化する。すなわち一般に酸化剤として過酸化水素や有機酸化物を使用する場合は、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒や、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶媒、過酸を使用する場合は水、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸などの溶媒、ハロゲン酸化物を使用する場合、メタノール/水、アセトン、ジオキサンなどの溶媒、N−ハロゲン化合物を用いる場合にはメタノールなどのアルコール系の溶媒、分子ハロゲンを用いる場合には、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系溶媒と炭酸水素塩などの弱アルカリ水溶液との二相系で行うことが好ましい。また、酸化剤として硝酸を使用した場合、水やシクロヘキサンなどの溶媒、オゾンを用いて酸化した場合にはジクロロメタンの使用が好ましい。また無機酸化物を使用する場合には、ピリジンやアセトニトリル、酢酸、ハイドロカーボン、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒、またはこれらの混合溶媒の使用が好適である。電気化学的手法を用いて酸化する場合、アセトニトリルや酢酸などの溶媒の使用が好ましく、また光化学的手法を用いて酸化する場合には、クロロホルムやジクロロメタンなどの塩素系溶媒やメタノールの使用が好ましい。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、特に制限はないが、通常環状フェノール硫化物1g当たり5〜100mlにすればよいが、好ましくは10〜50mlである。
反応温度は、−78℃以上100℃以下が好ましいが、適当な温度は使用する酸化剤により変化する。すなわち、酸化剤として過酸化水素、酸素、硝酸、無機酸化物を使用した場合、15℃以上65℃以下が好ましく、酸化剤として有機過酸化物や過酸を使用した場合、−10℃以上90℃以下が好ましく、分子ハロゲンやハロゲン酸化物を使用した場合、−10℃以上30℃以下が好ましい。またオゾンを用いて酸化する場合、−78℃で反応を行うのが好ましく、電気化学的手法、光化学的手法を用いて酸化する場合には、20℃以上60℃以下で行うのが好ましい。
また、この反応の反応時間は特に制限されないが、酸化剤の種類および配合量によって好適な反応時間を設定すればよく、通常0.5時間から120時間にすればよい。
反応生成物が、酸化数の異なる酸化誘導体の混合物である場合には、通常の分離手段によって、例えば再結晶によって分離すればよい。
発明を実施するための最良の形態
次に本発明を製造例、実施例及び応用例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら制約されるものではない。
製造例
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(I)の合成
4−tert−ブチルフェノール45.2gに、単体硫黄14.4g及び水酸化ナトリウム3.0gを加え、窒素雰囲気下攪拌しながら、4時間かけて徐々に230℃に加熱し、更に2時間攪拌した。この間、反応で生成する水及び硫化水素は除去した。反応中に留出した水は約0.8gであり、反応により生成した硫化水素は約6gであった。この反応混合物を室温まで冷却し、エーテル500mlを加え溶解させた後、1規定の硫酸水溶液で加水分解した。分液したエーテル層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを留去した後に得られる反応混合物を、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により分割し、粗生成物を得、これをクロロホルム/アセトンから再結晶することにより、無色透明の結晶である生成物(I)を4.32g得た。
この生成物(I)は一般式(2)中、X=H及びY=t−Bu(tert−ブチル)、n=4である環状アルキルフェノール硫化物である。
この生成物(I)の物性を以下に示す。
融点:320〜322℃、1H−NMR:(δ,ppm,CDCl3)9.60(s,4H,OH),7.64(s,8H,ArH),1.22(s,36H,C(CH33)、13C−NMR:(δ,ppm,CDCl3)155.6,144.7,136.4,120.5(Ar),34.2((CH33),31.3(C(33)、IR:(cm-1,KRS−5):3324(OH),2962(CH)、MS m/z:720(M+)、元素分析値 % 理論値 for C404844:C,66.62;H,6.71;S,17.79、測定値:C,66.37;H,6.57;S,17.22.
実施例1
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルフィニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(II)の合成
一般式(2)中、X=H及びY=t−Bu、n=4である5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(I)1.8gをクロロホルム30mlに溶解した。このクロロホルム溶液に、30%過酸化水素水5.7gをあらかじめ100mlの氷酢酸に溶解させた溶液を30分かけて室温で滴下し、更に24時間室温で攪拌した。得られた反応溶液に水150mlを加え、クロロホルム(50ml×3)で抽出し、クロロホルム相を水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後溶媒を留去し、得らた白色粉末522mgをメタノールで充分洗浄することにより、生成物(II)を485mg得た。
この生成物(II)は、一般式(1)において、X=H及びY=t−Bu、n=4、Zはスルフィニル基である環状フェノールスルフィニル化合物である。
以下に物性を示す。
融点:210℃(分解点)、1H−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)9.20(s,4H,OH),7.61(s,8H,ArH),1.26(s、36H、C(CH33)、13C−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)152.7,142.4,130.2,128.0,124.2,122.8(Ar),34.8((CH33),31.4(C(33)、FT−IR:(cm-1,KBr):3074(br,OH),2960(s,CH3),1051,998(s,SO)、MS(m/z):785(M++1)、元素分析値 % 理論値 for C404844:C,61.20;H,6.16;S,16.34、測定値:C,61.1;H,6.3;S,15.9.
実施例2
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(III)の合成
一般式(2)中、X=H及びY=t−Bu、n=4である5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(I)1.8gをクロロホルム30mlに溶解し、30%過酸化水素水22.8gをあらかじめ100mlの氷酢酸に溶解させた溶液を30分かけて室温で滴下し、更に48時間室温で攪拌した。得られた反応溶液に水150mlを加え、クロロホルム(50ml×3)で抽出した有機相を水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、クロロホルムを留去することにより、白色粉末を740mg得た。これをメタノールで充分洗浄することにより、生成物(III)を536mg得た。
この生成物(III)は一般式(1)において、X=H及びY=t−Bu、n=4、Zはスルホニル基である環状フェノールスルホニル化合物である。
以下に物性を示す。
融点:399℃(分解点)、1H−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)8.05(s,8H,ArH),1.28(s、36H、C(CH33)、13C−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)155.8、143.3、133.6、128.9(Ar),34.9((CH33),31.2(C(33)、FT−IR:(cm-1,KBr):ν3409(br,OH),2996(s,CH3),1308、1164(s,SO2)、MS(m/z):849(M++1)、元素分析値 % 理論値 for C404848:C,56.58;H,5.70;S,15.11、測定値:C,56.3;H,5.7;S,14.6.
実施例3
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルフィニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(II)の合成
一般式(2)中、X=H及びY=t−Bu、n=4である5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(I)4gをクロロホルム65mlに溶解した。このクロロホルム溶液に、氷酢酸50mlを加え、懸濁させた後、過ホウ酸ナトリウム一水和物2.44gを加え、50℃で4時間激しく攪拌した。得られた反応溶液に水200mlを加え、クロロホルム(50ml×4)で抽出し、クロロホルム相を十分に水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後溶媒を留去し、得らた白色粉末3.39gをクロロホルム−メタノールより再結晶することにより、(II)の粗生成物を1.3gを得た。母液を濃縮後、クロロホルム−メタノールより再結晶することにより更に、生成物(II)を0.92g得た。
この生成物(II)は、一般式(1)において、X=H及びY=t−Bu、n=4、Zはスルフィニル基である環状フェノールスルフィニル化合物である。
実施例4
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラメトキシ−2−スルフィニル−8,14,20−トリチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(IV)の合成
一般式(2)中、X=CH3及びY=t−Bu、n=4である5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラメトキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(V)1.00gをジクロロメタン20mlに溶解した。このジクロロメタン溶液に、10%炭酸水素カリウム溶液20mlを加え激しく攪拌した。この懸濁液を水冷し、臭素0.03mlをゆっくり滴下し、更に3時間、水浴中で攪拌した。得られた反応溶液を水相と有機相に分離し、水相をジクロロメタン(20ml×2)で抽出した後、先の有機相と併せて、飽和食塩水で十分に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後溶媒を留去し、得らたクリーム色粉末を1.02gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により、生成物(IV)及び副生成物を未反応の原料より分割し、244mg得た。
この生成物(IV)は、一般式(1)において、X=CH3及びY=t−Bu、n=4、四つのZのうち一つのZがスルフィニル基である環状フェノールスルフィニル化合物である。
以下に物性を示す。
融点:291−292℃(分解点)、1H−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)7.64,7.57,7.44(m,8H,ArH),3.79,3.48(m,12H,OCH3)1.24(s、36H、C(CH33)、13C−NMR:(δ,ppm,Cl2CDCDCl2)158.62,155.34,146.99,145.96,144.11,138.26,135.17,131.89,128.88,123.22(Ar),61.29,59.42(OCH3),34.33,34.15((CH33),31.22(C(33)、FT−IR:(cm-1,KBr);ν2961,2866(s,CH3),1051、1002(s,SO)、MS(m/z):793(M+)、元素分析値 % 理論値 for C404854:C,66.63;H,7.12、測定値:C,66.5;H,7.3.
実施例5
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(III)の合成
一般式(3)中、X=H及びY=t−Buである5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(I)1.8gをクロロホルム30mlに溶解した。このクロロホルム溶液に、氷酢酸25mlを加え、懸濁させた後、過ホウ酸ナトリウム一水和物2.57gを加え、室温で五日間激しく攪拌した。得られた反応溶液に水100mlを加え、クロロホルム(40ml×2)で抽出し、クロロホルム相を十分に水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後溶媒を留去し、得らた白色粉末1.45gをメタノールで十分洗浄することにより、生成物(III)を1.12g得た。
この生成物(III)は一般式(1)において、X=H及びY=t−Bu、n=4、Zはスルホニル基である環状フェノールスルホニル化合物である。
応用例
実施例1で製造した5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルフィニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(II)及び実施例2で製造した5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホニル[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23−ドデカエン(III)を用いて、これらを有機溶媒に溶解させて、Naイオンを含む水溶液と接触させることにより、Naイオンの抽出を行った。
環状フェノール硫化物(II)16.0mg及び環状フェノール硫化物(III)17.2mgをそれぞれクロロホルム40ml中に溶解した。これと、Naイオンを20ppm含む水溶液40mlを200ml用分液ロートに入れ、5時間振とうした。比較のために、上記環状フェノール硫化物(II)及び(III)を含まないクロロホルム40mlとNaイオンを20ppm含む水溶液40mlについても、同様にして5時間振とうした。それぞれの試料を静置した後、水溶液中のイオン濃度をICP−AES法(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectromety)で測定した。
その結果、環状フェノール硫化物(II)を含まない場合の実験後の水溶中のNaイオン濃度に対して、環状フェノール硫化物(II)を含む場合の実験後の水溶液中のNaイオン濃度は減少し、その減少率は38%であった。また環状フェノール硫化物(III)を含まない場合の実験後の水溶中のNaイオン濃度に対して、環状フェノール硫化物(III)を含む場合の実験後の水溶液中のNaイオン濃度は減少し、その減少率は58%であった。
このことから、実施例1及び2で合成した環状フェノール硫化物を含む有機相とNaイオンを含む水相とを接触させることにより、Naイオンを有機相に抽出できることが分かった。
産業上の利用可能性
本発明の環状フェノール硫化物は、フェノール骨格をスルフィド結合、スルホキシド結合またはスルホン結合よって連結されている、全く新規な化合物であり、酸化防止剤、触媒、金属捕捉剤、光センサー、イオンセンサー、基質特異性センサー、分離膜材料、高分子材料、相関移動触媒、人工酵素、光エネルギー変換材料あるいはイオンや分子の認識機能を利用した機能性分子の中間体などとして有用である。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004094064
    (式(1)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり;ZはS、スルフィニル基、スルホニル基の群の中から選ばれる基であり;nは4〜12の整数であり、但し、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよく、また複数のZのうち少なくとも1つのZは、スルフィニル基あるいはスルホニル基である。)で表されることを特徴とする少なくとも1つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む環状フェノール硫化物。
  2. 一般式(2)
    Figure 0004094064
    (式(2)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR1、−OR2、−COOR3、−CN、−CONH2、−NO2、−NR45、ハロゲン原子、−SO46又は−SO37であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素原子、又は炭化水素基であり;nは4〜12の整数であり、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。)に示す環状フェノール硫化物と、酸化剤を反応させて、この化合物のスルフィド結合を酸化し、少なくとも一つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む一般式(1)で表される環状フェノール硫化物を製造することを特徴とする環状フェノール硫化物の製造方法。
  3. 一般式(3)で表されるフェノール類と、該フェノール類1グラム当量に対し0.1グラム当量以上の単体硫黄を、該フェノール類1グラム当量に対し0.005グラム当量以上のアルカリ金属試薬およびアルカリ土類金属試薬から選ばれる少なくとも1種の金属試薬の存在下、反応させて一般式(2)に示す環状フェノール硫化物を得て、該環状フェノール硫化物と酸化剤を反応させて、該環状フェノール硫化物のスルフィド結合を酸化し、少なくとも一つのスルフィニル基又はスルホニル基を含む一般式(1)で表される環状フェノール硫化物を製造することを特徴とする環状フェノール硫化物の製造方法。
    Figure 0004094064
    [式(3)中、Yは水素原子または炭化水素基である。]
    Figure 0004094064
    [式(1)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR 1 、−OR 2 、−COOR 3 、−CN、−CONH 2 、−NO 2 、−NR 4 5 、ハロゲン原子、−SO 4 6 又は−SO 3 7 であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は水素原子、又は炭化水素基であり;ZはS、スルフィニル基、スルホニル基の群の中から選ばれる基であり;nは4〜12の整数であり、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよく、また複数のZのうち少なくとも一つのZは、スルフィニル基あるいはスルホニル基である。
    Figure 0004094064
    [式(2)中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であり;Yは水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−COR 1 、−OR 2 、−COOR 3 、−CN、−CONH 2 、−NO 2 、−NR 4 5 、ハロゲン原子、−SO 4 6 又は−SO 3 7 であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は水素原子、又は炭化水素基であり;nは4〜12の整数であり、複数のX又はYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。
  4. 酸化剤が過酸化水素、有機過酸化物、過酸、ハロゲン酸化物、N−ハロゲン化合物、分子ハロゲン、酸素、オゾン、硝酸、無機酸化物である、請求項2または3記載の環状フェノール硫化物の製造方法。
  5. 酸化剤が、過酸化水素、分子ハロゲン、無機酸化物である請求項2または3記載の環状フェノール硫化物の製造方法。
  6. 酸化剤の分子ハロゲンが、臭素である請求項4記載の環状フェノール硫化物の製造方法。
  7. 酸化剤の無機酸化物が、過ホウ酸ナトリウムである請求項4記載の環状フェノール硫化物の製造方法。
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