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JP4094221B2 - レーザー加工方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を被加工物に照射して所定の加工を行うレーザー加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物に穴開け,溝切り等のマイクロ加工を行う手法として、基本波や高調波を出射可能なYAGレーザーやCO2 レーザー等のレーザー発振器を用いたレーザー加工方法が一般に用いられている。被加工物に対する加工は、レーザー装置から出射されたレーザー光を適当な光学系を介して被加工物に照射することによって実施されており、被加工物に対するレーザー光の照射形状は光学系に含まれる対物レンズやマスクによって規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図1には、積層チップインダクタを製造する際に用いられるセラミクスグリーンシート(以下単にグリーンシートと言う)に、コイル用導体層を相互接続するためのスルーホールをレーザー加工によって形成する方法を示す。図中の符号1はグリーンシート、2はグリーンシート1を支持するキャリアフィルム、LBはレーザー光である。
【0004】
キャリアフィルム2上のグリーンシート1に向かってレーザー光LBを照射すると、グリーンシート1がレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失してスルーホールSHが形成される。スルーホールSHの形状はエネルギー減衰の関係から概ね逆円錐台形となるが、スルーホールSHのアスペクト比はグリーンシート1が持つレーザー光LBの吸光係数によって変動する。
【0005】
レーザー光LBの照射エネルギーを高効率で利用するにはグリーンシート1として吸光係数の大きなものを用いればよいが、このようなグリーンシート1を用いるとスルーホールSHの口径が大きくなってアスペクト比が大きく減少すると共に、スルーホールSHの内面にダメージが生じ易くなるため、微小口径のスルーホールSHを狭ピッチで形成することが難しくなる不具合がある。逆に、高アスペクト比のスルーホールSHを形成するには、グリーンシート1として吸光係数の小さなものを用いればよいが、レーザー光LBの照射エネルギーを増加させないと所期のスルーホールSHを形成できないため、レーザー加工機として高出力仕様のものが必要となると共にランニングコストが嵩んでしまう不具合がある。
【0006】
前記の相反する不具合は、グリーンシートに溝切り等の他の加工を行う場合は勿論のこと、レーザー光を用いてグリーンシート以外の被加工物に穴開け,溝切り等の加工を行う場合にも同様に生じ得る。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、レーザー加工機の仕様を大幅に変更することなく加工形状の制御を容易に行うことができるレーザー加工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第1のレーザー加工方法は、レーザー光を吸収でき且つ該レーザー光の吸光係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成された被加工部を用意し、被加工部の吸光係数が最も小さな材料層に向かってレーザー光を照射することにより、吸光係数が小さな材料層から吸光係数が大きな材料層へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつ被加工部に対して所定の加工を行う、ことをその特徴とする。
【0009】
この第1のレーザー加工方法によれば、レーザー光を被加工部に照射したときに、被加工部を構成する吸光係数の小さな材料層によって吸光係数の大きな材料層へのエネルギー伝達を制限することができ、これにより被加工部に施される加工の形状制御を行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る第2のレーザー加工方法は、レーザー光を吸収でき且つ該レーザー光の吸光係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスクを用意し、マスクを吸光係数が最も大きな材料層が被加工物と向き合うように配置し、マスクの吸光係数が最も小さな材料層に向かってレーザー光を照射することにより、吸光係数が小さな材料層から吸光係数が大きな材料層へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつマスクに対して所定の加工を行うと共に、マスクから被加工物へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつ被加工物に対して所定の加工を行う、ことをその特徴とする。
【0011】
この第2のレーザー加工方法によれば、レーザー光をマスクに照射したときに、マスクを構成する吸光係数の小さな材料層によって被加工物に近い側の材料層へのエネルギー伝達を制限し、また、被加工物へのエネルギー伝達をマスクによって制限することができ、これにより被加工物に施される加工の形状制御を行うことができる。
【0014】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図2(A)〜図2(C)には、積層チップインダクタを製造する際に用いられるセラミクスグリーンシートにスルーホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第1実施形態を示す。図中の符号11は積層チップインダクタを製造する際に用いられるセラミクスグリーンシート(以下単にグリーンシートと言う)、12はグリーンシート11を支持するPET等から成るキャリアフィルム、LBはYAGレーザーやCO2 レーザー等のレーザー発振器から光学系を介してグリーンシート11に照射されるレーザー光である。
【0016】
グリーンシート11は図2(A)に示すように第1材料層11aと第2材料層11bとを備える。このグリーンシート11は、ドクターブレード法等の手法によってキャリアフィルム12上に第1材料層用スラリーを所定の厚みで塗布して第1材料層11aを形成し、同手法によって第1材料層11a上に第2材料層用スラリーを所定の厚みで塗布して第2材料層11bを形成する方法、或いは、別々に形成した各材料層11a及び11bをキャリアフィルム12上に重ね合わせる方法によって作成されている。
【0017】
また、グリーンシート11を構成する2つの材料層11a及び11bが持つレーザー光LBの吸光係数は、第1材料層11a>第2材料層11bの関係となるように設定されている。また、第1材料層11aの厚みd1は好ましくはd1≧1/(吸光係数×10)に設定され、これと同様に、第2材料層11bの厚みd2は好ましくはd2≧1/(吸光係数×10)に設定されている。尚、2つの材料層11a及び11bの吸光係数は各々を形成するためのスラリーの成分及びその配合割合を変更する他、各々のスラリーに色素や炭素粉末等の吸光係数調整材料を添加することによって任意に変更・設定することができる。
【0018】
前記のグリーンシート11にコイル用導体層CLを相互接続するためのスルーホールSHを形成するときには、図2(B)に示すようにレーザー光LBをグリーンシート11の第2材料層11bに向かって必要とするスルーホール数分だけ繰り返し照射する。これにより、第2材料層11bと第1材料層11aがレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失してスルーホールSHが形成される。
【0019】
先に述べたように2つの材料層11a及び11bが持つレーザー光LBの吸光係数が第2材料層11b<第1材料層11aの関係に設定されているため、スルーホールSHの第2材料層11bが対応する部分の口径はさほど大きくならない。また、第1材料層11aの吸光係数は第2材料層11bの吸光係数よりも大きいが、第1材料層11aへのエネルギー伝達が第2材料層11bによって制限されるため、スルーホールSHの第1材料層11aが対応する部分の口径は第1材料層11aに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、同部分の内面に生じ得るダメージも抑制される。
【0020】
つまり、レーザー光LBの照射によってグリーンシート11に形成されるスルーホールSHは、エネルギー減衰の関係から逆円錐台形に近い形状となるものの、縦長円柱形に近い高アスペクト比を持つものとなり、しかも、内面ダメージが少ない高品質なものとなる。尚、前記の作用は、グリーンシート11を構成する第1材料層11aの厚みd1と第2材料層11bの厚みd2をそれぞれd1≧1/(吸光係数×10),d2≧1/(吸光係数×10)に設定しておくことによって、より的確に得ることができる。
【0021】
スルーホールSHが形成された後のグリーンシート11上には、図2(C)に示すように導体ペーストを材料として所定形状のコイル用導体層CLがスクリーン印刷等の手法によって形成される。このコイル用導体層CLはその一部がスルーホールSHと重なるように形成されるため、スルーホールSH内にはペースト印刷と同時に導体ペーストが充填される。
【0022】
コイル用導体層CLを形成した後のグリーンシート11はキャリアフィルム12から剥離され、スルーホール及びコイル用導体層を形成していないグリーンシートの間に挟み込まれるような状態で順次積層して圧着される。この積層・圧着により、グリーンシート11間に存在するコイル用導体層CLはスルーホールSH内に充填された導体部分を通じて相互に接続されコイル状となる。ちなみに、積層・圧着後の積層体は部品寸法に切断された後に焼成され、焼成チップの表面には外部電極が形成される。
【0023】
前述のレーザー加工方法によれば、グリーンシート11を構成する2つの材料層11a及び11bが持つレーザー光LBの吸光係数の関係を第1材料層11a>第2材料層11bに設定することにより、スルーホールSHの第2材料層11bが対応する部分の口径の微小化を図ることができると共に、第1材料層11aへのエネルギー伝達を第2材料層11bにより制限することによってスルーホールSHの第1材料層11aが対応する部分の口径の微小化とダメージ抑制を図ることができ、これによってグリーンシート11に50μm以下の微小口径で、且つ、高アスペクト比を有するスルーホールSHを適切な深さで、且つ、高品質に形成することができる。
【0024】
即ち、レーザー光LBの吸光係数が異なる2つの材料層11a及び11bを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたグリーンシート11を用意し、吸光係数が最も小さい第2材料層11bに向かってレーザー光LBを照射することにより、レーザー加工機の仕様を大幅に変更することなく、グリーンシート11に形成されるスルーホールSHの口径及び深さを含む形状の制御を容易に行うことができる。換言すれば、レーザー光LBの吸光係数が異なる2つの材料層11a及び11bを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたグリーンシート11を用意しておくだけで、前記のレーザー加工方法を的確に実施して同様の効果を得ることができる。
【0025】
尚、前述の説明では、グリーンシートとして2層構造のものを示したが、3以上の材料層を吸光係数の大きさの順に積層してグリーンシートを構成しても同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
また、前述の説明では、積層チップインダクタを製造する際に用いられるグリーンシートにスルーホールを形成する方法を例示したが、前述のレーザー加工方法は、グリーンシートに溝切り等の他の加工を行う場合は勿論のこと、積層LCフィルターや積層インダクタアレイ等の他種の積層型電子部品を製造する際に用いられるグリーンシートや、同様の層構造を有するグリーンシート以外の被加工物、即ち、被加工物の全部が、レーザー光の吸係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成された被加工物に対して穴開けや溝切り等の加工を行う場合にも適用でき同様の作用効果を得ることができる。
【0027】
[第2実施形態]
図3(A)〜図3(C)には、多層構造の回路基板に導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第2実施形態を示す。図中の符号21は多層構造の回路基板、LBはYAGレーザーやCO2 レーザー等のレーザー発振器から光学系を介して回路基板21に照射されるレーザー光である。
【0028】
回路基板21は図3(A)に示すように第1材料層21aと第2材料層21bと第3材料層21cと第4材料層21dとを備えており、第1材料層21a上には銅等の金属から成る導体層IPが設けられている。この回路基板21は、ベース上に第1材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第1材料層21aを形成し、この第1材料層21a上に第2材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第2材料層21bを形成し、この第2材料層21b上に第3材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第3材料層21cを形成し、この第3材料層21c上に第4材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第4材料層21dを形成する方法、或いは、別々に形成した各材料層21a〜21dを重ね合わせて接合させる方法によって作成されている。
【0029】
また、回路基板21を構成する4つの材料層21a〜21dのうち、第1材料層21aを除く3つの材料層21b〜21dが持つレーザー光LBの吸光係数は、第2材料層21b>第3材料層21c>び第4材料層21dの関係となるように設定されている。また、第2材料層21bの厚みd1は好ましくはd1≧1/(吸光係数×10)に設定され、これと同様に、第3材料層21cの厚みd2は好ましくはd2≧1/(吸光係数×10)に設定され、第4材料層21dの厚みd3は好ましくはd3≧1/(吸光係数×10)に設定されている。尚、3つの材料層21b〜21dの吸光係数は各々を形成するための樹脂材料の種類及びその混合割合を変更する他、各々の樹脂材料に色素や炭素粉末等の吸光係数調整材料を添加することによって任意に変更・設定することができる。具体例を挙げれば、第2材料層21bは色素を含有したエポキシ樹脂から成り、第3材料層21cはポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂から成り、第4材料層21dはフッ素樹脂、フッ素樹脂とポリイミド樹脂の混合樹脂、またはSiO2 フィラーを含有したエポキシ樹脂から成る。ちなみに、第1材料層21aはエポキシ樹脂から成る。
【0030】
前記の回路基板21に第1材料層21a上の導体層IPに達するバイアホールVHを形成するときには、図3(B)に示すようにレーザー光LBを回路基板21の第4材料層21dに向かって必要とするバイアホール数分だけ繰り返し照射する。これにより、第4材料層21dと第3材料層21cと第2材料層21bがレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失してバイアホールVHが形成される。
【0031】
先に述べたように3つの材料層21b〜21dが持つレーザー光LBの吸光係数が第4材料層21d<第3材料層21c<第2材料層21bの関係に設定されているため、バイアホールVHの第4材料層21dが対応する部分の口径はさほど大きくならない。また、第3材料層21cの吸光係数は第4材料層21dの吸光係数よりも大きいが、第3材料層21cへのエネルギー伝達が第4材料層21dによって制限されるため、バイアホールVHの第3材料層21cが対応する部分の口径は第3材料層21cに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、同部分の内面に生じ得るダメージも抑制される。さらに、第2材料層21bの吸光係数は第3材料層21cの吸光係数よりも大きいが、第2材料層21bへのエネルギー伝達が第3材料層21cによって制限されるため、バイアホールVHの第2材料層21bが対応する部分の口径は第2材料層21bに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、同部分の内面に生じ得るダメージも抑制される。
【0032】
つまり、レーザー光LBの照射によって回路基板21に形成されるバイアホールVHは、エネルギー減衰の関係から逆円錐台形に近い形状となるものの、縦長円柱形に近い高アスペクト比を持つものとなり、しかも、内面ダメージが少ない高品質なものとなる。尚、前記の作用は、回路基板21の一部を構成する第2材料層21bの厚みd1と第3材料層21cの厚みd2と第4材料層21dの厚みd3をそれぞれd1≧1/(吸光係数×10),d2≧1/(吸光係数×10),d3≧1/(吸光係数×10)に設定しておくことによって、より的確に得ることができる。
【0033】
バイアホールVHが形成された後の回路基板21には、図2(C)に示すようにメッキ処理によってバイアホールVH内に銅等の金属から成る導体カラムCCが形成される。
【0034】
導体カラムCCが形成された後の回路基板21上には導体カラムCCの露出端と接続するように電子部品が実装される。実装部品の外部端子は導体カラムCCを介して回路基板21内の導体層IPと導通する。
【0035】
前述のレーザー加工方法によれば、回路基板21を構成する4つの材料層21a〜21dのうち、第1材料層21aを除く3つの材料層21b〜21dが持つレーザー光LBの吸光係数の関係を第2材料層21b>第3材料層21c>び第4材料層21dに設定することにより、バイアホールVHの第4材料層21dが対応する部分の口径の微小化を図ることができると共に、第3材料層21cへのエネルギー伝達を第4材料層21dによって制限し、また、第2材料層21bへのエネルギー伝達を第3材料層21cによって制限することによってバイアホールVHの第3材料層21cと第2材料層21bが対応する部分の口径の微小化とダメージ抑制を図ることができ、これによって回路基板21に30μm以下の微小口径で、且つ、高アスペクト比を有するバイアホールVHを導体層IPに達する適切な深さで、且つ、高品質に形成することができる。
【0036】
即ち、ベースとなる第1材料層21a上にレーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層21b〜21dを吸光係数の大きさの順に積層して構成された回路基板21を用意し、吸光係数が最も小さい第4材料層11bに向かってレーザー光LBを照射することにより、レーザー加工機の仕様を大幅に変更することなく、回路基板21に形成されるバイアホールVHの口径及び深さを含む形状の制御を容易に行うことができる。換言すれば、ベースとなる第1材料層21a上にレーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層21b〜21dを吸光係数の大きさの順に積層して構成された回路基板21を予め用意しておくだけで、前記のレーザー加工方法を的確に実施して同様の効果を得ることができる。
【0037】
尚、前述の説明では、回路基板として4層構成のものを示しそのうちの3つの材料層を吸光係数の大きさの順に積層したものを示したが、表面側から2つの材料層を吸光係数の大きさの順に積層して2つの材料層にバイアホールを形成するようにしても構わない。勿論、回路基板を構成する4つの材料層を吸光係数の大きさの順に積層して4つの材料層を貫通するバイアホールを形成するようにしてもよい。また、回路基板として4層構造のものを示したが、5以上または3以下の層構造を有する回路基板であっても前述のレーザー加工方法を適用できる。さらに、回路基板を構成する各材料層を樹脂によって形成したものを示したが、各材料層が焼成後のセラミクスであっても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
また、前述の説明では、多層構造の回路基板に導体カラム用のバイアホールを形成する方法を例示したが、前述のレーザー加工方法は、回路基板に溝切り等の他の加工を行う場合は勿論のこと、同様の層構造を有する回路基板以外の被加工物、即ち、被加工物の一部または全部が、レーザー光の吸係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成された被加工物に対して穴開けや溝切り等の加工を行う場合にも適用でき同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
[第3実施形態]
図4(A)〜図4(C)には、回路基板の樹脂層に導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第3実施形態を示す。図中の符号31は回路基板、32は回路基板31上に形成された樹脂層、33はマスク、LBはYAGレーザーやCO2 レーザー等のレーザー発振器から光学系を介してマスク33に照射されるレーザー光である。
【0040】
回路基板31は樹脂やセラミクス等から成り、その表面には銅等の金属から成る導体層CPが設けられている。樹脂層32はポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の耐熱性に優れた樹脂から成り、導体層CPを覆うように回路基板31の表面に所定の厚みで形成されている。
【0041】
マスク33は図4(A)に示すように樹脂製の第1材料層33aと第2材料層33bと第3材料層33cとを備える。このマスク33は、ベース上に第1材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第1材料層33aを形成し、この第1材料層33a上に第2材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第2材料層33bを形成し、この第2材料層33b上に第3材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第3材料層33cを形成する方法、或いは、別々に形成した各材料層33a〜33cを重ね合わせて接合させる方法によって作成されている。
【0042】
また、マスク33を構成する3つの材料層33a〜33cが持つレーザー光LBの吸光係数は、第1材料層33a>第2材料層33b>び第3材料層33cの関係となるように設定されている。また、第1材料層33aの厚みd1は好ましくはd1≧1/(吸光係数×10)に設定され、これと同様に、第2材料層33bの厚みd2は好ましくはd2≧1/(吸光係数×10)に設定され、第3材料層33cの厚みd3は好ましくはd3≧1/(吸光係数×10)に設定されている。尚、3つの材料層33a〜33aの吸光係数は各々を形成するための樹脂材料の種類及びその混合割合を変更する他、各々の樹脂材料に色素や炭素粉末等の吸光係数調整材料を添加することによって任意に変更・設定することができる。具体例を挙げれば、第1材料層33aは蛍光色素を含有したエポキシ樹脂から成り、第2材料層33bはポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂から成り、第3材料層33cはフッ素樹脂、フッ素樹脂とポリイミド樹脂の混合樹脂、またはSiO2 フィラーを含有したエポキシ樹脂から成る。
【0043】
前記の回路基板31の樹脂層32に導体層CPに達するバイアホールVHを形成するときには、図4(B)に示すように、まず、マスク33をその第1材料層33aが樹脂層32の上面に接するように配置し、そして、レーザー光LBを各導体層CPの上方からマスク33の第3材料層33cに向かって必要とするバイアホール数分だけ繰り返し照射する。
【0044】
これにより、マスク33の第3材料層33cと第2材料層33bと第1材料層33aがレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失してスルーホールSHが形成されると同時に、このスルーホールSHを通じて樹脂層32にレーザー光LBが照射され、このレーザー光LBのエネルギーによって樹脂層32が加熱され消失してバイアホールVHが形成される。図示を省略したが、バイアホールVHの周囲には、樹脂層32と実装部品との熱膨張差を原因として接続部分にクラック等を生じることを防止するためのリング状溝が必要に応じて形成される。
【0045】
先に述べたようにマスク33を構成する3つの材料層33a〜33cが持つレーザー光LBの吸光係数が第3材料層33c<第2材料層33b<第1材料層33aの関係に設定されているため、スルーホールSHの第3材料層33cが対応する部分の口径はさほど大きくならない。また、マスク33の第2材料層33bの吸光係数は第3材料層33cの吸光係数よりも大きいが、第2材料層33bへのエネルギー伝達が第3材料層33cによって制限されるため、スルーホールSHの第2材料層33bが対応する部分の口径は第2材料層33bに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならない。さらに、マスク33の第1材料層33aの吸光係数は第2材料層33bの吸光係数よりも大きいが、第1材料層33aへのエネルギー伝達が第2材料層33bによって制限されるため、スルーホールSHの第1材料層33aが対応する部分の口径は第1材料層33aに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならない。
【0046】
一方、回路基板31の樹脂層32へのエネルギー伝達はその上側のマスク33によって制限されるため、バイアホールVHの口径は樹脂層32に直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、バイアホールVHの内面に生じ得るダメージも抑制される。
【0047】
つまり、レーザー光LBの照射によってマスク33を介して回路基板31の樹脂層32に形成されるバイアホールVHは、エネルギー減衰の関係から逆円錐台形に近い形状となるものの、縦長円柱形に近い高アスペクト比を持つものとなり、しかも、内面ダメージが少ない高品質なものとなる。尚、前記の作用は、マスク33を構成する第1材料層33aの厚みd1と第2材料層33bの厚みd2と第3材料層33cの厚みd3をそれぞれd1≧1/(吸光係数×10),d2≧1/(吸光係数×10),d3≧1/(吸光係数×10)に設定しておくことによって、より的確に得ることができる。
【0048】
バイアホールVHが形成された後は回路基板31の樹脂層32上からマスク33が取り除かれ、図4(C)に示すようにメッキ処理によってバイアホールVH内に銅等の金属から成る導体カラムCCが形成される。
【0049】
導体カラムCCが形成された後の回路基板31の樹脂層32上には、図4(C)に仮想線で示すように導体カラムCCの露出端と接続するようにICチップ等の電子部品34が半田等の接合材料から成るボールCBを介して実装される。電子部品34の外部端子はボールCB及び導体カラムCCを介して回路基板31の導体層CPと導通する。
【0050】
前述のレーザー加工方法によれば、マスク33を構成する3つの材料層33a〜33cが持つレーザー光LBの吸光係数の関係を第1材料層33a>第2材料層33b>び第3材料層33cに設定することにより、スルーホールSHの第3材料層33cが対応する部分の口径の微小化を図ることができると共に、第2材料層33bへのエネルギー伝達を第3材料層33cによって制限し、また、第1材料層33aへのエネルギー伝達を第2材料層33bによって制限することによってスルーホールSHの第2材料層33bと第1材料層33aが対応する部分の口径の微小化とダメージ抑制を図ることができる。
【0051】
また、回路基板31の樹脂層32へのエネルギー伝達をその上側のマスク33によって制限することによって、回路基板31の樹脂層32に30μm以下の微小口径で、且つ、高アスペクト比を有するバイアホールVHを各導体層CPに達する適切な深さで、且つ、高品質に形成することができる。しかも、レーザー加工機の対物レンズの収差の影響でバイアホールVHの横断面形状が楕円となることを前記のマスク33によって防止して、真円またこれに近い横断面形状を有するバイアホールVHを回路基板31の樹脂層32に形成することができる。
【0052】
即ち、レーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層33a〜33cを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスク33を用意し、このマスク33を吸光係数が最も大きい第1材料層33aが回路基板31の樹脂層32と向き合うように配置し、そして、マスク33の吸光係数が最も小さい第3材料層33cに向かってレーザー光LBを照射することにより、レーザー加工機の仕様を大幅に変更することなく、回路基板31の樹脂層32に形成されるバイアホールVHの口径及び深さを含む形状の制御を容易に行うことができる。換言すれば、レーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層33a〜33cを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスク33を用意しておくだけで、前記のレーザー加工方法を的確に実施して同様の効果を得ることができる。
【0053】
尚、前述の説明では、マスクとして3層構成のものを示したが、4以上または2以下の材料層を吸光係数の大きさの順に積層してマスクを構成しても同様の作用効果を得ることができる。また、マスクを構成する各材料層を樹脂によって形成したものを示したが、各材料層が焼成後のセラミクスであっても同様の作用効果を得ることができる。さらに、マスクの取り扱いを容易とするために、マスクの両面にPET等から成る保護フィルムを貼り付けておき、マスク利用時にこのフィルムを剥離するようにしてもよい。
【0054】
また、前述の説明では、回路基板上の樹脂層に導体カラム用のバイアホールを形成する方法を例示したが、前述のレーザー加工方法は、樹脂,セラミクス等から成る単層或いは多層構造の回路基板に所定深さのバイアホールを形成する場合や基板を貫通するバイアホールを形成する場合や基板に溝切りやマーキング等の他の加工を行う場合は勿論のこと、回路基板以外の被加工物に対して穴開けや溝切りやマーキング等の加工を行う場合、例えばインクジェット用ノズル等に穴開け加工を行う場合等にも適用でき同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
[第4実施形態]
図5(A)〜図5(C)には、多層構造の回路基板に深さが異なる導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第4実施形態を示す。図中の符号41は多層構造の回路基板、42はマスク、LBはYAGレーザーやCO2 レーザー等のレーザー発振器から光学系を介してマスク42に照射されるレーザー光である。
【0056】
回路基板41は樹脂やセラミクス等から成り、図5(A)に示すように第1層41aと第1層41a上に設けられた第2層41bと第2層41b上に設けられた第3層41cとを備えている。また、回路基板41の第1層41a上には銅等の金属から成る第1導体層IP1が設けられ、第2層41b上には銅等の金属から成る第2導体層IP2が設けられている。
【0057】
マスク42は図5(A)に示すように樹脂製の第1材料層42aと第2材料層42bと第3材料層42cとを備える。図から分かるようにマスク42の第1材料層42aは回路基板41の第2導体層IP2のみに対応して設けられていて、マスク42の第1導体層IP1に対応する部分は第2材料層42bと第3材料層42cによって構成されている。このマスク42は、ベース上に第1材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第1材料層42aを形成し、この第1材料層42a上に第2材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第2材料層42bを形成し、この第2材料層42b上に第3材料層用樹脂材料を所定の厚みでコーティングして第3材料層42cを形成する方法、或いは、別々に形成した各材料層42a〜42cを重ね合わせて接合させる方法によって作成されている。
【0058】
また、マスク42を構成する3つの材料層42a〜42cが持つレーザー光LBの吸光係数は、第1材料層42a>第2材料層42b>び第3材料層42cの関係となるように設定されている。また、第1材料層42aの厚みd1は好ましくはd1≧1/(吸光係数×10)に設定され、これと同様に、第2材料層42bの薄い部分と厚い部分それぞれの厚みd2は好ましくはd2≧1/(吸光係数×10)に設定され、第3材料層42cの厚みd3は好ましくはd3≧1/(吸光係数×10)に設定されている。尚、3つの材料層42a〜42aの吸光係数は各々を形成するための樹脂材料の種類及びその混合割合を変更する他、各々の樹脂材料に色素や炭素粉末等の吸光係数調整材料を添加することによって任意に変更・設定することができる。具体例を挙げれば、第1材料層42aは蛍光色素を含有したエポキシ樹脂から成り、第2材料層42bはポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂から成り、第3材料層42cはフッ素樹脂、フッ素樹脂とポリイミド樹脂の混合樹脂、またはSiO2 フィラーを含有したエポキシ樹脂から成る。
【0059】
前記の回路基板41に第1導体層CP1に達するバイアホールVH1と第2導体層CP2に達するバイアホールVH2を形成するときには、図4(B)に示すように、まず、第1材料層42aが第2導体層IP2の上方に位置し、且つ、第2材料層42bが第1導体層IP1の上方に位置するようにマスク42を回路基板41の上面に接するように配置し、そして、レーザー光LBを各導体層IP1及びIP2の上方からマスク42の第3材料層42cに向かって必要とするバイアホール数分だけ繰り返し照射する。
【0060】
これにより、第1導体層IP1の上側においては、マスク42の第3材料層42cと第2材料層42bがレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失して第1スルーホールSH1が形成されると同時に、この第1スルーホールSH1を通じて回路基板41の第2層41bと第3層41cにレーザー光LBが照射され、このレーザー光LBのエネルギーによって第2層41bと第3層41cが加熱され消失して第1バイアホールVH1が形成される。
【0061】
また、第2導体層IP2の上側においては、マスク42の第3材料層42cと第2材料層42bと第1材料層42aがレーザー光LBのエネルギーによって加熱され消失して第2スルーホールSH2が形成されると同時に、この第2スルーホールSH2を通じて回路基板41の第3層41cにレーザー光LBが照射され、このレーザー光LBのエネルギーによって第3層41cが加熱され消失して第2バイアホールVH2が形成される。
【0062】
先に述べたようにマスク42を構成する3つの材料層42a〜42cが持つレーザー光LBの吸光係数が第3材料層42c<第2材料層42b<第1材料層42aの関係に設定されているため、第1スルーホールSH1の第3材料層42cが対応する部分の口径はさほど大きくならない。また、マスク42の第2材料層42bの吸光係数は第3材料層42cの吸光係数よりも大きいが、第2材料層42bへのエネルギー伝達が第3材料層42cによって制限されるため、第1スルーホールSH1の第2材料層42bが対応する部分の口径は第2材料層42bに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならない。
【0063】
また、前記の吸光係数の関係から第2スルーホールSH2の第3材料層42cが対応する部分の口径はさほど大きくならない。また、マスク42の第2材料層42bの吸光係数は第3材料層42cの吸光係数よりも大きいが、第2材料層42bへのエネルギー伝達が第3材料層42cによって制限されるため、第1スルーホールSH1の第2材料層42bが対応する部分の口径は第2材料層42bに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならない。さらに、マスク42の第1材料層42aの吸光係数は第2材料層42bの吸光係数よりも大きいが、第1材料層42aへのエネルギー伝達が第2材料層42bによって制限されるため、第2スルーホールSH2の第1材料層42aが対応する部分の口径は第1材料層42aに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならない。
【0064】
一方、回路基板41へのエネルギー伝達はその上側のマスク42によって制限されるため、第1導体層IP1上の第1バイアホールVH1の口径は第2層41b及び第3層41cに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、第1バイアホールVH1の内面に生じ得るダメージも抑制される。また、第2導体層IP2上の第2バイアホールVH2の口径は第3層41cに直接レーザー光LBを照射する場合のように大きくならず、第2バイアホールVH2の内面に生じ得るダメージも抑制される。
【0065】
つまり、レーザー光LBの照射によってマスク42を介して回路基板41に形成される第1バイアホールVH1と第2バイアホールVH2は、エネルギー減衰の関係から逆円錐台形に近い形状となるものの、縦長円柱形に近い高アスペクト比を持つものとなり、しかも、内面ダメージが少ない高品質なものとなる。尚、前記の作用は、マスク42を構成する第1材料層42aの厚みd1と第2材料層42bの薄い部分と厚い部分それぞれの厚みd2と第3材料層42cの厚みd3をそれぞれd1≧1/(吸光係数×10),d2≧1/(吸光係数×10),d3≧1/(吸光係数×10)に設定しておくことによって、より的確に得ることができる。
【0066】
2つのバイアホールVH1及びVH2が形成された後は回路基板41上からマスク42が取り除かれ、図5(C)に示すようにメッキ処理によって第1バイアホールVH1内に銅等の金属から成る第1導体カラムCC1が形成され、第2バイアホールVH2内に銅等の金属から成る第2導体カラムCC2が形成される。
【0067】
2つの導体カラムCC1及びCC2が形成された後の回路基板41上には各導体カラムCC1及びCC2の露出端と接続するように単一または複数の電子部品が実装される。実装部品の外部端子は第1導体カラムCC1を介して回路基板41内の第1導体層IP1と導通し、第2導体カラムCC2を介して回路基板41内の第1導体層IP2と導通する。
【0068】
前述のレーザー加工方法によれば、マスク42を構成する3つの材料層42a〜42cが持つレーザー光LBの吸光係数の関係を第1材料層42a>第2材料層42b>び第3材料層42cに設定することにより、第1スルーホールSH1の第3材料層42cが対応する部分の口径の微小化を図ることができると共に、第2材料層42bへのエネルギー伝達を第3材料層42cによって制限することによって第1スルーホールSH1の第2材料層33bが対応する部分の口径の微小化とダメージ抑制を図ることができる。一方、第2スルーホールSH2の第3材料層42cが対応する部分の口径の微小化を図ることができると共に、第2材料層42bへのエネルギー伝達を第3材料層42cによって制限し、また、第1材料層42aへのエネルギー伝達を第2材料層42bによって制限することによって第2スルーホールSH2の第2材料層42bと第1材料層42aが対応する部分の口径の微小化とダメージ抑制を図ることができる。
【0069】
また、回路基板41の第1導体層IP1の上側部分へのエネルギー伝達をその上側のマスク42によって制限することによって、回路基板41の第1導体層IP1の上側部分に30μm以下の微小口径で、且つ、高アスペクト比を有する第1バイアホールVH1を第1導体層IP1に達する適切な深さで、且つ、高品質に形成することができると共に、回路基板41の第2導体層IP2の上側部分に30μm以下の微小口径で、且つ、高アスペクト比を有する第2バイアホールVH2を第2導体層IP2に達する適切な深さで、且つ、高品質に形成することができる。しかも、レーザー加工機の対物レンズの収差の影響で第1バイアホールVH1と第2バイアホールVH2の横断面形状が楕円となることを前記のマスク42によって防止して、真円またこれに近い横断面形状を有するバイアホールVH1及びVH2を回路基板41に形成することができる。
【0070】
即ち、レーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層42a〜42cを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスク42を用意し、このマスク42を吸光係数が最も大きい第2材料層42bまたは第1材料層42aが回路基板41と向き合うように配置し、そして、マスク42の吸光係数が最も小さい第3材料層42cに向かってレーザー光LBを照射することにより、レーザー加工機の仕様を大幅に変更することなく、回路基板41に形成されるバイアホールVH1及びVH2の口径及び深さを含む形状の制御を容易に行うことができる。換言すれば、レーザー光LBの吸光係数が異なる3つの材料層42a〜42cを吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスク42を用意しておくだけで、前記のレーザー加工方法を的確に実施して同様の効果を得ることができる。
【0071】
尚、前述の説明では、マスクとして3層構成(部分的には2層構成)のものを示したが、4以上または2以下の材料層を吸光係数の大きさの順に積層してマスクを構成しても同様の作用効果を得ることができる。また、マスクを構成する各材料層を樹脂によって形成したものを示したが、各材料層が焼成後のセラミクスであっても同様の作用効果を得ることができる。さらに、マスクの取り扱いを容易とするために、マスクの両面にPET等から成る保護フィルムを貼り付けておき、マスク利用時にこのフィルムを剥離するようにしてもよい。
【0072】
また、前述の説明では、多層構造の回路基板に深さが異なる導体カラム用の2つのバイアホールを形成する方法を例示したが、マスクの層構成を変更すれば深さが異なる3以上のバイアホールを回路基板に形成することができる。また、前述のレーザー加工方法は、単層構造の回路基板に所定深さのバイアホールを適当数形成する場合や基板に溝切りやマーキング等の他の加工を行う場合は勿論のこと、回路基板以外の被加工物に穴開けや溝切りやマーキング等の加工を行う場合等にも幅広く適用でき同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、レーザー光によって種々の加工を行う場合においてその加工形状の制御を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリーンシートにスルーホールをレーザー加工によって形成する従来方法を示す図
【図2】積層チップインダクタを製造する際に用いられるセラミクスグリーンシートにスルーホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第1実施形態を示す図
【図3】多層構造の回路基板に導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第2実施形態を示す図
【図4】回路基板の樹脂層に導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第3実施形態を示す図
【図5】多層構造の回路基板に深さが異なる導体カラム用のバイアホールを形成するレーザー加工に本発明を適用した第4実施形態を示す図
【符号の説明】
LB…レーザー光、11…グリーンシート、11a…第1材料層、11b…第2材料層、SH…スルーホール、21…回路基板、21a…第1材料層、21b…第2材料層、21c…第3材料層、21d…第4材料層、IP…導体層、VH…バイアホール、CC…導体カラム、31…回路基板、32…樹脂層、CP…導体層、33…マスク、31a…第1材料層、31b…第2材料層、31c…第3材料層、VH…バイアホール、CC…導体カラム、41…回路基板、IP1,IP2…導体層、42…マスク、41a…第1材料層、41b…第2材料層、41c…第3材料層、VH1,VH2…バイアホール、CC1,CC2…導体カラム。

Claims (9)

  1. レーザー光を吸収でき且つ該レーザー光の吸光係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成された被加工部を用意し、
    被加工部の吸光係数が最も小さな材料層に向かってレーザー光を照射することにより、吸光係数が小さな材料層から吸光係数が大きな材料層へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつ被加工部に対して所定の加工を行う、
    ことを特徴とするレーザー加工方法。
  2. 被加工部を構成する各材料層の厚みはそれぞれ1/(吸光係数×10)以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工方法。
  3. 被加工部を構成する各材料層は、未焼成または焼成後のセラミクスから成る、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー加工方法。
  4. 被加工部を構成する各材料層は、樹脂から成る、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー加工方法。
  5. 被加工部は、回路基板の少なくとも一部を構成する、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のレーザー加工方法。
  6. レーザー光を吸収でき且つ該レーザー光の吸光係数が異なる複数の材料層を吸光係数の大きさの順に積層して構成されたマスクを用意し、
    マスクを吸光係数が最も大きな材料層が被加工物と向き合うように配置し、
    マスクの吸光係数が最も小さな材料層に向かってレーザー光を照射することにより、吸光係数が小さな材料層から吸光係数が大きな材料層へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつマスクに対して所定の加工を行うと共に、マスクから被加工物へのレーザー光のエネルギー伝達を制限しつつ被加工物に対して所定の加工を行う、
    ことを特徴とするレーザー加工方法
  7. マスクを構成する各材料層の厚みはそれぞれ1/(吸光係数×10)以上である、
    ことを特徴とする請求項6に記載のレーザー加工方法
  8. マスクを構成する各材料層は、未焼成または焼成後のセラミクスから成る、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載のレーザー加工方法
  9. マスクを構成する各材料層は、樹脂から成る、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載のレーザー加工方法
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