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JP4094824B2 - ハニカム型セラミックス質フィルター - Google Patents
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JP4094824B2 - ハニカム型セラミックス質フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカム形状を有するハニカム型セラミックス質フィルターに関する。さらに詳しくは、微粒子(パティキュレート)等の捕集効率を多少犠牲にしても、ディーゼルエンジンのオイル燃焼により発生する灰分を気孔から抜き出すことで、長期間使用しても圧力損失が所定以上に大きくならないようにしたハニカム型セラミックス質フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、排ガス中の微粒子を除去する装置として、排ガス流入側端面と排ガス排出側端面に開口する複数の貫通孔を、両端面で互い違いに目封じした構造を有し、排ガス流入側端面から流入した排ガスを、強制的に各貫通孔間の隔壁(複数の細孔を有する)を通過させ、排ガス中の微粒子を捕集、除去する多孔質のハニカム型セラミックス質フィルターが用いられている。
【0003】
このセラミックス質フィルターでは、排ガス中の微粒子の粒径との関係で、各貫通孔間の隔壁に形成される細孔の気孔径をどの程度とするかにより捕集効率、圧力損失等の性能が異なることに鑑み、従来から、セラミックス質フィルターとして、微粒子(煤など)の捕集効率の高いものを得るべく開発が進められてきた。
【0004】
しかしながら、捕集効率を高くしたフィルターは、フィルターの気孔径が小さいため、ディーゼルエンジンのオイル燃焼により発生する灰分がフィルターの気孔内に蓄積し、長期間の使用により、圧力損失が所定以上に高くなってしまうという問題があった。また、気孔径の小さいフィルターの場合、微粒子(煤など)捕集に際して圧力損失が高く、その低減が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年のディーゼルエンジンの改良により、エンジンから発生する煤などの微粒子は、以前に比べて相当量低減している。そこで、本発明者が鋭意検討したところ、将来の排ガス基準の規制値をクリアするためには、極端に高い捕集効率を達成する必要はなく、逆に、灰分の気孔内への蓄積に起因する圧力損失の上昇を防止するためには、排ガスが隔壁から通り抜けることができる程度に気孔径を大きくすることが重要であることを見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
したがって、本発明の目的は、所定の捕集効率を維持しつつ、ディーゼルエンジンのオイル燃焼により発生する灰分を気孔から抜き出すことにより、長期間使用しても圧力損失が所定以上に大きくならないようにしたハニカム型セラミックス質フィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、ハニカム型セラミックス質フィルターであって、前記フィルターの気孔率が61〜75%であり、前記フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)が、以下の関係を満足することを特徴とするハニカム型セラミックス質フィルター、が提供される。
7≧W/X≧3
【0008】
本発明のセラミックス質フィルターにおいては、前記フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)が、5≧W/X≧3の関係を満足することがより好ましい。
【0009】
また、本発明のセラミックス質フィルターセラミックスとしては、コーディエライト及び/又は炭化ケイ素を主成分とするものが望ましい。さらに、本発明のセラミックス質フィルターにおいては、40〜800℃における熱膨張係数が、1.0×10-6/℃以下であることが好ましい。本発明のフィルターは、その隔壁厚Wが350μm以下で、セル密度が250セル/in2以上のハニカム形状を有することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明は、フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)が、10≧W/X、という関係を満足するように、気孔径と隔壁厚さを制御して構成したハニカム型のセラミックス質フィルターである。
【0011】
上記したように、本発明者は、灰分の気孔内への蓄積に起因する圧力損失の上昇を防止するために、排ガスが隔壁から通り抜けることができる程度に気孔径を大きくすることが重要であることを見出した。具体的にいえば、本発明者が、気孔径と隔壁厚さとの関係について鋭意検討したところ、ハニカム構造体の隔壁厚さに対して気孔径を所定以上に大きくすることによって、煤など微粒子の捕集効率は多少低くなるものの、微粒子を捕集する時の圧力損失を低減でき、しかも、隔壁内部に形成されている気孔内に蓄積した灰分を当該気孔から抜き出すことができ、その結果、長期間使用しても圧力損失が所定以上に大きくならず、長期間安定して機能できるハニカム型のセラミックス質フィルターを得ることができることを見出したのである。
【0012】
本発明において、フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)の関係W/Xが10より大きい場合には、排ガスが隔壁を通り抜けにくくなり、気孔内に蓄積した灰分を当該気孔から抜き出すことができない。
本発明では、平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)の関係が、7≧W/X≧3となることが上記気孔を達成するために好ましく、5≧W/X≧3であることがより好ましい。
【0013】
また、本発明のハニカム型セラミックス質フィルターにおいては、上記した本発明の目的を達成する上で、その平均気孔径Xは、通常20〜70μmであり、30〜70μmであることがさらに好ましく、また、隔壁厚Wについては、350μm以下が好ましく、200〜300μmの範囲であることがより好ましい。
【0014】
本発明のセラミックス質フィルターの主成分としては、特に限定されず、セラミックス質であればいずれの種類も使用することができるが、コーディエライト、及び/又は炭化ケイ素を主成分とすることが好ましい。コーディエライトとしては、配向、無配向、α結晶質、β結晶質等のいずれでもよい。炭化ケイ素としては、α結晶質、β結晶質等のいずれでもよい。
【0015】
また、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、クレーボンド炭化ケイ素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等の他の成分を含有するものであってもよい。
【0016】
本発明のハニカムフィルターは、圧力損失の低減化及び捕集効率の点から、気孔率が55〜75%であることが好ましく、60〜70%であることがさらに好ましい。高温使用時における耐熱衝撃性の向上という点で、40〜800℃における熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下であることが好ましく、0.8×10-6/℃以下であることがさらに好ましい。
【0017】
また、本発明のセラミックス質フィルターは、通常、排ガス流入側端面と排ガス排出側端面に開口する複数の貫通孔を、両端面で互い違いに目封じした構造を有するハニカム型であるが、ハニカム型フィルターの形状について特に制限はなく、例えば、端面の形状が真円又は楕円の円柱、端面の形状が三角、四角等の多角形である角柱、これらの円柱、角柱の側面がくの字に湾曲した形状等いずれでもよい。また、貫通孔の形状についても特に制限はなく、例えば、断面形状が四角、八角等の多角形、真円、楕円等いずれでもよい。フィルターのセル密度としては、排ガスの捕集性能の点から、250セル/in2以上が好ましく、300〜400セル/in2の範囲がさらに好ましい。
【0018】
本発明のハニカム型セラミックス質フィルターは、次に述べる方法等で製造することができる。
まず、フィルターの出発原料としてコーディエライト化原料を用いる場合、このコーディエライト化原料は、コーディエライト結晶の理論組成となるように各成分を配合する為、シリカ(SiO2)源成分及びカオリン、タルク等のマグネシア(MgO)源成分、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミナ(Al23)源成分等を配合する必要がある。
【0019】
アルミナ(Al23)源成分としては、不純物が少ないという点で酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムのいずれか一種又はこれら両方を含有するものが好ましく、中でも水酸化アルミニウムを含有するものが好ましい。
【0020】
また、アルミナ(Al23)源原料は、コーディエライト化原料中、水酸化アルミニウムは15〜45質量%含有させることが好ましく、酸化アルミニウムは0〜20質量%含有させることが好ましい。
【0021】
マグネシア(MgO)源成分としては、例えば、タルク、マグネサイト等を挙げることができ、中でも、タルクが好ましい。タルクは、コーディエライト化原料中37〜40質量%含有させることが好ましく、タルクの粒径は、熱膨張係数を低くする点から5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0022】
また、本発明に用いるタルク等のマグネシア(MgO)源成分は、不純物としてFe23、CaO、Na2O、K2O等を含有してもよい。但し、Fe23の含有率は、マグネシア(MgO)源成分中、0.1〜2.5質量%とするのが好ましい。この範囲の含有率であれば、熱膨張係数を低くくすることができるとともに、高い気孔率を得ることができる。
【0023】
また、CaO、Na2O、K2Oの含有率は、熱膨張係数を低くするという点から、マグネシア(MgO)源成分中、これら合計で0.35質量%以下とすることが好ましい。
【0024】
なお、本発明においては、フィルターの出発原料として炭化ケイ素を主成分とすることもできる。炭化ケイ素を主成分とする場合としては、炭化ケイ素(SiC)を、又は炭化ケイ素(SiC)と金属シリコン(Si)を主成分とする場合の双方を含む。
【0025】
本発明のフィルターを製造するに際しては、コーディエライト化原料、及び/又は炭化ケイ素を主成分とする出発原料に、必要に応じて種々の添加剤を配合することができ、添加剤としては、例えば、発泡樹脂、バインダー、媒液への分散を促進するための分散剤、気孔を形成する為の造孔材等を挙げることができる。
【0026】
発泡樹脂としては、例えば、アクリル系マイクロカプセル等を挙げることができ、バインダーとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、分散剤としては、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を挙げることができる。また、造孔剤としては、例えば、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
これら添加剤は、目的に応じて1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0027】
本発明においては、上記した出発原料を用い、以下に示す製造工程でハニカム型セラミックス質フィルターを製造することができる。
【0028】
まず、上述した出発原料100重量部に対して、バインダー3〜5重量部、造孔剤3〜40重量部、分散剤0.5〜2重量部、水10〜40重量部を投入後、混練し、可塑性とする。
【0029】
次いで、可塑性原料の成形は、押出し成形法、射出成形法、プレス成形法、セラミックス原料を円柱状に成形後貫通孔を形成する方法等で行うことができ、中でも、連続成形が容易であるとともに、例えばコーディエライト結晶を配向させて低熱膨張性にできる点で押出し成形法で行うことが好ましい。
【0030】
次いで、生成形体の乾燥は、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等で行うことができ、中でも、全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥とマイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥工程で行うことが好ましい。
【0031】
最後に、乾燥成形体の焼成は、乾燥成形体の大きさにもよるが、通常、コーディエライト化原料の場合には、大気雰囲気下、1410〜1440℃の温度で、3〜7時間焼成することが好ましい。また、炭化ケイ素を主成分とする原料の場合には、SiCの酸化を防止するためにN2、Ar等の非酸化性雰囲気下で焼成を行う。焼成温度としては、SiCを窒化珪素等で結合する場合には、窒化珪素粉末が軟化する温度であり、1550〜2000℃の温度で焼成することが好ましい。再結晶法でSiC粒子同士を結合する場合には、少なくとも1800℃以上の温度で焼成することが必要である。さらに、SiCとSiを主成分とする場合には、N2、Ar等の非酸化性雰囲気下、1400〜1800℃の温度で焼成することが好ましい。なお、乾燥工程と焼成工程を連続して行ってもよい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0033】
1.評価方法
後述する実施例1〜7、参考例1〜6及び比較例1〜5で得られたハニカム型セラミックス質フィルターについて以下に示す方法で評価を行った。
【0034】
(1)平均気孔径
マイクロメリティックス社製の水銀圧入式ポロシメーターで平均気孔径を測定した。
【0035】
(2)気孔率
コーディエライトの真比重を2.52g/cm3とし、全細孔容積から、気孔率を計算した。SiCの場合は、真比重を3.05g/cm3とした。
【0036】
(3)捕集効率
スートジェネレーターにより煤を発生させた排ガスを、サイズ:φ144mm×152mm(長さ)で、表2に示す平均気孔径X、隔壁厚W、気孔率、セル密度、及び熱膨張係数を有するフィルターに、2分間流入して、フィルター通過後の排ガスに含まれる煤を濾紙で捕集し、煤の重量(W1)を測定した。また、同じ時間、煤を発生させた排ガスを、フィルターに流入せずに濾紙で捕集し、煤の重量(W2)を測定した。次いで、得られた各重量(W1)(W2)を以下に示す式に代入して捕集効率を求めた。
【0037】
【数1】
(W2−W1)/(W2)×100
【0038】
(4)スート捕集圧損評価
サイズ:φ144mm×152mm(長さ)のハニカム型セラミックス質フィルターを用い、内径φ130mmのリングでハニカムフィルターの前後を押さえ、測定は、実質上内径φ130mmで行った。スートジェネレーターにより、スートを発生させ、ハニカムフィルターに10gスートを捕集させた。その状態で、2.27Nm3/minの空気を流し、フィルター前後の圧力差を測定した。
【0039】
(実施例1〜6、参考例1〜6及び比較例1〜5
表1に示す平均粒径、配合割合で主原料と造孔材を混合して各種のコーディエライト化原料を調製した。
【0040】
次いで、これら各種のコーディエライト化原料100gそれぞれに対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4g、ラウリン酸カリ石鹸0.5g、水30gを投入、混練して可塑性とし、この可塑性の原料を、真空土練機でシリンダー状の坏土を成形し、押出し成形機に投入してハニカム状に成形した。
【0041】
次いで、得られた各種の成形体を、誘電乾燥の後、熱風乾燥で絶乾し、所定の寸法に両端面を切断した。
【0042】
次いで、このハニカム状の乾燥体における貫通孔を、同様の組成のコーディエライト化原料からなるスラリーで、貫通孔が開口する両端面で互い違いに目封じした。
【0043】
最後に、1420℃で4時間焼成して実施例1〜6、参考例1〜6及び比較例1〜5の、サイズ:φ144mm×152mm(長さ)のハニカム型セラミックス質フィルターを得た。
【0044】
(実施例
表1に示す主原料(SiCとSi)と造孔材を用いて、乾燥、目封じまでは、実施例1〜と同じ方法で行い、焼成は、400℃までは、大気圧酸化雰囲気で、400℃以上は、大気圧アルゴン雰囲気で、最高温度1450℃で1時間焼成して、サイズ:φ144mm×152mm(長さ)のハニカム型セラミックス質フィルターを得た。
【0045】
実施例1〜7、参考例1〜6及び比較例1〜5のそれぞれの評価結果をまとめて表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004094824
【0047】
【表2】
Figure 0004094824
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、隔壁厚を平均気孔径で除した値は、捕集効率と相関があることから、本発明によれば、隔壁厚を平均気孔径で除した値を制御することで、自由に捕集効率を制御できる。また、スートの捕集効率は、灰分の捕集効率と相関があると考えられるため、本発明によれば、所定の捕集効率を維持しつつ、長期間使用しても灰分の蓄積による圧力損失が所定以上に大きくならないハニカム型セラミックス質フィルターを提供することができる。

Claims (6)

  1. ハニカム型セラミックス質フィルターであって、
    前記フィルターの気孔率が61〜75%であり、前記フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)が、以下の関係を満足することを特徴とするハニカム型セラミックス質フィルター。
    7≧W/X≧3
  2. 前記フィルターの平均気孔径X(μm)と隔壁厚W(μm)が、以下の関係を満足する請求項1に記載のハニカム型セラミックス質フィルター。
    5≧W/X≧3
  3. セラミックスが、コーディエライト及び/又は炭化ケイ素を主成分とする請求項1又は2に記載のハニカム型セラミックス質フィルター。
  4. 40〜800℃における熱膨張係数が、1.0×10 -6 /℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム型セラミックス質フィルター。
  5. 隔壁厚Wが350μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム型セラミックス質フィルター。
  6. セル密度が250セル/in 2 以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム型セラミックス質フィルター。
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