JP4095926B2 - 樹脂成形体の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、芯材を上型にセットして上型と下型とを型閉じし、この型閉じ状態で、上型と下型との間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂原料を注入する,いわゆるクローズド注入法により樹脂成形体を成形する成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の如きクローズド注入法により樹脂成形体を成形する成形方法として、次のような成形方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
その成形要領は、まず、型開き状態で下型に表皮をセットした後、その上に芯材を載置する。
【0004】
次いで、上型と下型とを型閉じした状態で、上型に上下方向に進退可能に設けられた複数本のロッドを下方に進出させてその先端の係合部を芯材裏面の筒状凹部内に進入させ、上記ロッド内に上下方向に進退可能に嵌挿されたロックピンを下方に進出させることにより、その先端で上記係合部を外方に張り出させて上記筒状凹部内周面に圧接係合させる。
【0005】
その後、上記ロッド及びロックピンを一体に上方に後退させ、これにより、上記芯材を引き上げて上型の成形面にセットする。
【0006】
しかる後、注入ノズルを上型の挿入口から芯材の注入口に挿入し、上型と下型との間に形成されたキャビティ内に上記注入ノズルから溶融樹脂原料を注入して樹脂層を成形し、芯材と表皮との間に樹脂層が一体成形された樹脂成形体を得る。
【0007】
【特許文献1】
実公平4−2007号公報(第2頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特許文献1では、芯材を引き上げて上型にセットする専用の引上げ手段(ロッド、ロックピン等)が必要であるため、装置が複雑化して設備費が嵩む。
【0009】
また、上記引上げ手段は、上型の挿入口(芯材の注入口)から離れた位置に設けられているため、折角、引上げ手段で芯材を引き上げても、芯材裏面の注入口周辺と上型のセット面との間に隙間ができる場合があり、この状態で溶融樹脂原料をキャビティに注入すると、溶融樹脂原料が注入口から芯材裏面に漏出して芯材裏面と上型のセット面とに付着し、上型に付着した樹脂の除去作業が必要で生産性が低下するとともに、芯材が漏出樹脂で上型のセット面に接着されて脱型し辛く、成形作業に支障を来す。
【0010】
そこで、芯材裏面の注入口周辺にウレタンスラブ等のシール材を貼着し、漏出樹脂を芯材裏面や上型の成形面に付着しないように上記シール材に含浸させることが考えられるが、別途、シール材が必要な分だけコストアップになるとともに、シール材の貼着作業という余分な作業が必要で生産性が低下する。
【0011】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、設備費の高騰を招くことなく溶融樹脂原料が芯材裏面側に漏出しないようにしたことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、注入ノズルに芯材引上げ機能を持たせたことを特徴とする。
【0013】
具体的には、この発明は、次のような解決手段を講じた。
【0014】
すなわち、この発明は、まず、注入口を有する芯材の裏面が上型のセット面に向くように芯材を上型のセット面にセットして上型と下型とを型閉じし、次いで、先端側に係合部が形成された注入ノズルを下降させて上記芯材の注入口に挿入し、かつ該注入口内周面又は注入口外周りに形成された被係合部に上記係合部を係合させ、その後、上記注入ノズルを上昇させて芯材裏面の注入口周辺を上記上型のセット面に当接させ、しかる後、上記上型と下型との間に形成されたキャビティ内に上記注入ノズルから溶融樹脂原料を注入して樹脂層を成形し、該樹脂層と上記芯材とが一体成形された樹脂成形体を得ることを特徴とする。
【0015】
上記の構成により、この発明では、注入ノズルが芯材引上げ手段を兼ねているため、別途、複雑な構造の引上げ手段がいらず、その分だけ装置が簡素化して設備費が低減する。
【0016】
また、注入ノズルを芯材の注入口に挿入係合させて上記注入ノズルで芯材を引き上げているため、芯材裏面の注入口周辺が上型のセット面に完全に密着して両者間に隙間ができず、溶融樹脂原料が漏出しない。したがって、上記注入口近傍における上型に漏出樹脂が付着せず、これにより付着樹脂の除去作業が不要で生産性が向上する。さらには、芯材が漏出樹脂で上型のセット面に接着されて脱型し辛いという事態もなく、成形作業が支障なくスムーズに行われる。また、漏出樹脂を含浸させるウレタンスラブ等のシール材が不要でその分だけコストが低減するとともに、シール材の貼着作業という余分な作業が不要で生産性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法について図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1〜図4はこの発明の実施の形態1に係る樹脂成形体の成形方法の工程図である。
【0019】
まず、図1に示すように、成形型1の下型3のセット面3aに例えば真空成形やスラッシュ成形等により予め所定形状に成形された樹脂製表皮101を載置するとともに、上型5のセット面5aに樹脂製芯材103をセットして上型5と下型3とを型閉じする。この際、芯材103の裏面が上型5のセット面5aに向くように芯材103を上型5のセット面5aにセットするとともに、芯材103の中央に貫通形成された注入口103aを上型5の中央に貫通形成された挿入口5bに連通させる。この型閉じ状態で上記芯材103の裏面と上型5のセット面5aとの間に芯材103の自重変形、成形誤差等により隙間Cが形成される。また、下型3と上型5との間にキャビティ7が形成される。上記上型5上面の挿入口5b近傍には支柱9が立設され、該支柱9上端には、下方に延びるピストンロッド11aを有する流体圧シリンダ11が設置されている。この流体圧シリンダ11のピストンロッド11a下端には、注入ヘッド13がスライド部材15を介して連結され、上記流体圧シリンダ11の伸縮作動によりスライド部材15を支柱9に沿ってガイドさせながら注入ヘッド13を昇降させるようになっている。上記注入ヘッド13の下端には、注入ノズル17がモータ等の回転装置19により軸心回りに回転可能に垂設されている。この注入ノズル17には、図5に拡大詳示するように、樹脂通路17aが形成され、注入ノズル17先端側には、係合部としてのネジ状の係合凹条溝17bが形成されている。一方、上記芯材103の注入口103a内周面には、被係合部としてのネジ状の係合突条103bが突設されている。
【0020】
次いで、図2に示すように、上述の如く成形型1を閉じた状態で、上記流体圧シリンダ11を伸長作動させて上記注入ヘッド13(注入ノズル17)を下降させ、該注入ノズル17を上型5の挿入口5bから上記芯材103の注入口103aに挿入し、上記回転装置19を起動させて注入ノズル17を軸心回りに回転させ、上記係合凹条溝17bを注入口103a内周面の係合突条103bに係合させる。
【0021】
その後、図3に示すように、上記流体圧シリンダ11を収縮作動させて上記注入ヘッド13(注入ノズル17)を僅かに上昇させる。これにより、上記芯材103が注入ノズル17によって引き上げられ、芯材103裏面の注入口103a周辺が上記上型5のセット面5aに当接して密着する。これにより、上記芯材103の裏面と上型5のセット面5aとの間に形成されていた隙間C(図1及び図2参照)がなくなる。
【0022】
しかる後、図4に示すように、上記上型5と下型3との間のキャビティ7内に上記注入ノズル17の樹脂通路17aからホットメルト樹脂やウレタン発泡樹脂等の溶融樹脂原料Rを注入する。
【0023】
その後、上記溶融樹脂原料Rをキャビティ7内で固化させて樹脂層(図示せず)を成形し、該樹脂層とその両側の表皮101及び芯材103とが一体成形された樹脂成形体100を得る(図6参照)。
【0024】
このようにして樹脂成形体100が成形されると、上記注入ノズル17を回転装置19の起動により軸心回りに逆回転させて係合凹条溝17bを係合突条103bから離脱させ、その後、上記流体圧シリンダ11を収縮作動させて上記注入ヘッド13(注入ノズル17)を上昇させて上型5の挿入口5bから離脱させた後、成形型1を型開きして樹脂成形体100を上型5から脱型する。
【0025】
このように、この実施の形態1では、注入ノズル17の係合凹条溝17bを芯材103の注入口103a内周面の係合突条103bに係合させた状態で、芯材103を引き上げることにより該芯材103裏面を上型5のセット面5aに隙間Cなく密着させるようにしていることから、上記注入ノズル17で引上げ手段を兼用して複雑な構造の専用の引上げ手段を設けずに済み、その分だけ装置を簡素化して設備費を低減することができる。
【0026】
また、上記注入ノズル17を芯材103の注入口103aに挿入係合させて上記注入ノズル17で芯材103を引き上げるので、芯材103裏面の注入口103a周辺を上型5のセット面5aに両者間に隙間Cができないように完全に密着させることができ、溶融樹脂原料Rの漏出を防止することができる。したがって、上記注入口103a近傍における上型5への漏出樹脂の付着をなくすことができ、これにより付着樹脂の除去作業をなくして生産性を高めることができる。
【0027】
さらには、芯材103が漏出樹脂で上型5のセット面5aに接着されて脱型し辛いという事態をなくし、成形作業を支障なくスムーズに行うことができる。
【0028】
また、漏出樹脂を含浸させるウレタンスラブ等のシール材を用いなくて済むので、その分だけコストを低減することができるとともに、シール材の貼着作業という余分な作業をなくして生産性を高めることができる。
【0029】
(実施の形態2)
図7〜図9はこの発明の実施の形態2に係る樹脂成形体の成形方法に使用する注入ノズル17と芯材103との係合関係を示す。
【0030】
すなわち、上記注入ノズル17には、図7に拡大詳示するように、係合部としての一対のL字状係合腕21が先端の係合爪21aを下方にかつ内向きに向けて180°反対側で径外方向に一体に張出し形成されている。
【0031】
一方、上記芯材103の注入口103a外周りには、図8に拡大詳示するように、注入筒部113が一体に突設され、この注入筒部113上端には、被係合部としての一対の係合鍔113aが180°反対側で径外方向に一体に張出し形成されている。この両係合鍔113aの間隔D1は、該係合鍔113aが上記係合腕21の係合爪21aに係合可能にかつ回転可能に係合腕21先端内面間の間隔D2(図7参照)よりも狭くなっている。また、上記一対の係合鍔113a間の両側には、直線的に切り掛かれた切欠部113bが形成されている。この両切欠部113b間の間隔W1は、上記係合腕21の係合爪21aが出入り可能なように該係合爪21a先端間の間隔W2(図7参照)よりも狭くなっている。
【0032】
そして、上記芯材103を注入ノズル17で引き上げる際には、まず、図9(a)に拡大詳示するように、注入ノズル17の両係合腕21を注入筒部113の両切欠部113bに対応させ、注入ノズル17先端側を芯材103の注入口103aに挿入し、その後、上記注入ノズル17をノズル中心線回りに90°回転させ、図9(b)に拡大詳示するように、上記両係合腕21を注入筒部113の両係合鍔113aに係合させて芯材103を引き上げる。これにより、芯材103裏面と上型5のセット面5aとの間の隙間Cをなくして芯材103裏面の注入口103a周辺を上記上型5のセット面5aに密着させるようにしている。
【0033】
そのほかは、実施の形態1と同様な構成及び成形方法であるので、装置全体の構成及び全体を通じての成形方法の説明を省略する。
【0034】
したがって、この実施の形態2では、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができるものである。
【0035】
なお、本例では、樹脂成形体100が表皮101、芯材103及び樹脂層の3層構造である場合を示したが、表皮101がない樹脂成形体にも適用することができるものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、注入ノズルを芯材の注入口に挿入してその係合部を芯材側の被係合部に係合させ、上記注入ノズルの上昇動作により芯材裏面の注入口周辺を上型のセット面に当接させて芯材裏面の注入口周辺を上型のセット面に完全に密着させるので、複雑な構造の専用の引上げ手段がいらない分だけ装置を簡素化して設備費を低減することができる。さらに、上記注入口近傍における上型への漏出樹脂の付着をなくすことができ、これにより余分な樹脂除去作業をなくして生産性を向上させることができる。また、芯材の漏出樹脂による上型への接着がなく脱型を簡単に行ってスムーズに成形作業を行うことができる。加えて、漏出樹脂を含浸させるウレタンスラブ等のシール材をなくしてコストダウンを図ることができるとともに、シール材の貼着作業という余分な作業をなくして生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る成形方法において、表皮及び芯材を成形型のセット面にセットして成形型を型閉じした状態を示す工程図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る成形方法において、注入ノズルを下降させて芯材の注入口に挿入し、かつ注入ノズルの係合凹条溝を注入口内周面の係合突条に係合させた状態を示す工程図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る成形方法において、注入ノズルを上昇させて芯材裏面を上型のセット面に当接させた状態を示す工程図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る成形方法において、成形型のキャビティ内に溶融樹脂原料を注入した状態を示す工程図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る成形方法に使用する成形装置の注入ノズルと芯材の注入口との係合部分の拡大図である。
【図6】樹脂成形体の斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る成形方法に使用する注入ノズルを示し、(a)は底面図、(b)は(a)の縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る成形方法に使用する芯材の注入筒部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図、(c)は(a)のB−B線における断面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は注入ノズルを芯材の注入口に挿入した状態、(b)は注入ノズルの係合爪を注入筒部の係合鍔に係合させて芯材を引き上げた状態である。
【符号の説明】
3 下型
5 上型
5a セット面
7 キャビティ
17 注入ノズル
17b 係合凹条溝(係合部)
21 係合腕(係合部)
100 樹脂成形体
103 芯材
103a 注入口
103b 係合突条(被係合部)
113a 係合鍔(被係合部)
R 溶融樹脂原料
Claims (1)
- 注入口を有する芯材の裏面が上型のセット面に向くように芯材を上型のセット面にセットして上型と下型とを型閉じし、
次いで、先端側に係合部が形成された注入ノズルを下降させて上記芯材の注入口に挿入し、かつ該注入口内周面又は注入口外周りに形成された被係合部に上記係合部を係合させ、
その後、上記注入ノズルを上昇させて芯材裏面の注入口周辺を上記上型のセット面に当接させ、
しかる後、上記上型と下型との間に形成されたキャビティ内に上記注入ノズルから溶融樹脂原料を注入して樹脂層を成形し、該樹脂層と上記芯材とが一体成形された樹脂成形体を得ることを特徴とする樹脂成形体の成形方法。
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| JP2003131121A JP4095926B2 (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂成形体の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003131121A JP4095926B2 (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂成形体の成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP2004330667A JP2004330667A (ja) | 2004-11-25 |
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Family Applications (1)
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