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JP4096413B2 - ドライエッチング槽 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライエッチング処理加工対象部材の電気的性能検査をエッチング槽を開封することなく行うことができるドライエッチング槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路や水晶デバイス等における微細な電極加工技術としてドライエッチング処理と呼ばれる技術がある。該ドライエッチング処理は、内部を例えば10-9気圧程度の真空にしたエッチング槽内に、微量の反応性気体を封入し、高周波高電力を加えることによってプラズマを発生させ、槽内に封入した半導体集積回路や水晶デバイス等のドライエッチング処理対象の基板を、前記プラズマによって切削加工して所望の電気的特性を有する電極を形成する技術である。
図3は、従来のドライエッチング槽の構造の一例を示す概略構成図である。同図に示すように、このドライエッチング槽1は、内部に高周波発振器2を有し、該高周波発振器2は電極盤3と、前記ドライエッチング槽1と同電位のアース電極4との間に該高周波発振器2の強電界によってプラズマ20を発生するように接続される。そしてエッチング処理される加工対象部材30は前記電極盤3上に載置されて前記プラズマ20にさらされる。
【0003】
上記構成のドライエッチング槽によるエッチング処理加工対象部材30が、例えば80MHz帯の水晶フィルタであって、ドライエッチング処理の前段階で予め水晶基板上に電極パターンが形成されており、最終的に所望のフィルタ中心周波数を得るために前記水晶基板にエッチング処理を行う場合、反応性気体としてCF4をドライエッチング槽1に注入し、高周波発振器2の高電力を両電極2、3間に加えることによって生ずるCF4のプラズマ20中に前記水晶フィルタ30をさらすことによって、水晶基板が前記プラズマ20によって削り落とされ、
所望の中心周波数を有する水晶フィルタが形成される。
該プラズマ発生のための高周波発振器2には、例えば発振周波数13.6MHz、出力300Wから500Wのものが使用される。
エッチング処理によって削り落とされる水晶基板の量と処理時間の関係は経験的に把握されているが、現状では正確な所望のフィルタ特性を得るためには、また、削りすぎを防止するためにも、2、3度エッチング槽を開封して電気的性能の検査を行い、切削量が不足の場合は再度前記エッチング槽を真空にして反応性気体を注入し、プラズマを発生させてエッチング処理を継続するのが一般的である。このため、最終的に所望の特性を持つ水晶フィルタに仕上げるには多大の処理時間を必要とすると共に、削りすぎにより不良品が発生する可能性がある。
【0004】
上記の問題を解決するため、図4の概略構成図に示されるような、加工対象部材である水晶フィルタの電気的性能を測定する治具を槽内に設置し、該測定治具による測定結果を槽壁に設置した測定ポートを介して外部に導出して、前記測定結果に基づいてエッチング処理を制御するように構成したドライエッチング槽が考案された。
このドライエッチング槽1は、同図に示すように、図3の構成に、槽壁に設けたフランジ6に取り付けられ槽内外を貫通する気密性の同軸コネクタ5を備えた測定ポート40と、加工対象の水晶フィルタ30のフィルタ特性を測定するための測定治具9と、一端は測定治具9に接続され他端は前記同軸コネクタ5に接続された同軸ケーブル8とを追加して構成したものである。
そして、加工対象の水晶フィルタ30は前記測定治具9に接続され、電極盤3上に載置される。
前記測定治具9は、水晶フィルタ30と共に発振器として動作する発振回路であって、電源が印加されると接続された前記水晶フィルタ30のフィルタ中心周波数を測定するために必要な80MHz帯の周波数にて発振する。
【0005】
上記構造において、高周波発振器2の電界によるプラズマによって水晶フィルタ30のエッチング処理を行いながら該水晶フィルタ30の電気的性能を検査する場合、前記測定治具9には外部から前記測定ポート40の同軸コネクタ5と同軸ケーブル8を介して電源が印加される。その結果測定治具9からは、水晶フィルタ30のフィルタ特性データが出力され、該特性データは前記の同軸ケーブル8と同軸コネクタ5を経由して外部に導出される。
この導出されたデータによって、前記水晶フィルタ30の電気的性能の検査を、エッチング槽1を開封することなく行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4のドライエッチング槽においては、電極盤3上に載置された測定治具9や同軸ケーブル8のシールド被覆は、エッチング槽に取り付けられたフランジ6に接続されているため、電極盤3とアース電極4との間にアースが配置されたことになる。このため、電極盤3とアース電極4との間に高周波発振器2の出力によって生成されている高周波電界を著しく乱してしまい、エッチング処理効果にむらが生じ、極端な場合は、反応性気体がプラズマ状態にならずエッチング処理が行えなくなる場合が発生する。
また、前記同軸ケーブル8には高周波発振器2からの高出力の発振信号がコモンモードノイズとして誘導され、測定治具9で測定された水晶フィルタ30の特性データに重畳されて同軸コネクタ5から外部に導出される。このため、前記水晶フィルタ30の性能検査が不可能になるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、エッチング槽を開封することなく容易に加工対象部材の電気的性能を検査できるドライエッチング槽を提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明においては、高周波電力によるプラズマによって水晶基板をエッチング処理するドライエッチング槽において、前記ドライエッチング槽の槽壁が接地されたものであって、前記ドライエッチング槽と同電位のアース電極と、前記水晶基板が載置された電極盤と、前記電極盤と前記アース電極との間に接続された高周波発振器と、前記電極盤に載置され前記水晶基板に接続された測定手段と、一次巻線と二次巻線とを有する伝送線路トランスと、前記ドライエッチング槽の槽壁に具備され槽内外を気密に貫通するコネクタとを備え、前記測定手段は前記水晶基板と共に発振器として動作する発振回路を備えたものであり、前記一次巻線の一端側が前記コネクタに接続され、前記一次巻線の他端側が前記発振回路の出力側に接続されたものであって、前記二次巻線の一端側が前記ドライエッチング槽の槽壁に接続され、前記二次巻線の他端側が前記発振回路のアース側に接続されたものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係わるドライエッチング槽の実施の一形態例を示す概略構成図である。同図に示すように、本発明に係わるドライエッチング槽1は、高周波発振器2と、電極盤3と、アース電極4と、同軸コネクタ5とフランジ6と伝送線路トランス7とから成る測定ポート10と、同軸ケーブル8と、測定治具9とで構成される。
同図のドライエッチング槽は、図3のドライエッチング槽のフランジ6と同軸コネクタ5とから成る測定ポート40を、フランジ6と同軸コネクタ5と伝送線路トランス7から成る測定ポート10に置き換えた構造となっている。
前記伝送線路トランス7は、図1(b)に示すように、トロイダルコアに、前記の同軸ケーブル8と同じ特性インピダンスをもつ同軸ケーブルを巻線として巻いたトランスである。そして、該巻線の同軸ケーブルの芯線を1次巻線として、一端を前記同軸コネクタ5のピンに接続し、他端は前記同軸ケーブル8の芯線に接続する。また、前記巻線の同軸ケーブルのシールド被覆は2次巻線として、一端を前記同軸コネクタ5が取り付けられたフランジ6部に接続し、他端は前記同軸ケーブル8のシールド被覆に接続する。この場合、フランジ部6はエッチング槽1に装着されて、該エッチング槽1と同じアース電位となる。
【0009】
前記伝送線路トランス7の特徴は次の通りである。即ち、伝送線路トランス7は該伝送線路トランス7の巻線である同軸ケーブル芯線とシールド被覆を往復の電流路とする信号に対しては該同軸ケーブルの特性インピダンスを有する伝送ケーブルとして動作する。
一方、高周波発振器2の電界から誘導によって同軸ケーブル8に重畳された高周波信号は、槽外へ向かう往路の電流は伝送線路トランス7の巻線である同軸ケーブルの芯線及びシールド被覆を経由するのに対し、復路の電流はアースからエッチング槽自体を経由するため、該伝送線路トランス7には前記高周波信号の往路電流のみが流れることになり、該高周波信号に対しトロイダルコアに巻かれた同軸ケーブルはチョークコイルとして動作することになる。
以下、図1(a)のエッチング槽の動作を詳細に説明する。
【0010】
図1(a)のドライエッチング槽1のプラズマ20中でドライエッチング処理中に、加工対象の水晶フィルタ30の特性を検査するために外部から測定ポート10の同軸コネクタ5を介して測定治具9に電源を印加すると、前記測定治具9が動作して前記水晶フィルタ30の特性データ信号が同軸ケーブル8及び測定ポート10を介して外部に出力される。同時に、高周波発振器2から前記同軸ケーブル8に誘導した高周波信号も前記測定ポート10を介して外部に出力される。
このときの、前記同軸ケーブル8及び測定ポート10を中心にした両信号電流に関する等価回路を図2に示す。
同図に示すように、測定治具9からの80MHz発振信号に基づく水晶フィルタ30のデータ信号電流INは、同軸ケーブル8の芯線81及び伝送線路トランス7の一次巻線を往路とし、同軸ケーブル8のシールド被覆82及び伝送線路トランス7の二次巻線を復路とした、大きさが等しく方向が逆のノーマルモード電流として流れる。
一方、プラズマを発生する13.6MHzの高周波発振器2による電界で、測定治具9や同軸ケーブル8に誘導した誘導起電力21による高周波電流ICは、往路は前記同軸ケーブル8の芯線81及びシールド被覆82、伝送線路トランス7の巻線である同軸ケーブルの芯線及びシールド被覆を経てエッチング槽外のフィルタ特性検査回路XOに入力し、復路は前記検査回路XOのアース電位、エッチング槽自体のアース電位を流れる。この高周波電流ICは、同軸ケーブル8の芯線81と伝送線路トランス7の一次巻線の経路と、同軸ケーブル8のシールド被覆82と伝送線路トランス7の二次巻線の経路とでは同じ方向にコモンモード電流として流れる。
従って、伝送線路トランス7は、前記13.6MHzのコモンモード電流ICに対しては、高いインダクタンス値を有するチョークコイルとして機能することになり、前記同軸ケーブル8の芯線81とシールド被覆82とは高周波的にアースから分離された状態となる。
【0011】
上記動作の結果、図1(a)における13.6MHzの高周波電界内の前記同軸ケーブル8はその周波数に関しては自由な電位にあり、ドライエッチング槽1の高周波電界を乱さなくなり、エッチング処理は円滑に行われる。
また、前記のように、伝送線路トランス7は、前記測定治具からのフィルタ特性データに重畳して出力される高周波発振器2からの高周波出力によって誘導したノイズを遮断するので、所望のフィルタ特性データをローノイズで外部に導出することが可能になる。
【0012】
尚、上記説明における伝送線路トランス7の巻線材料は、測定治具9に接続された同軸ケーブル8と同じ特性インピダンスを有する同軸ケーブルとして説明したが、図1(c)に示すように、前記同軸ケーブル8と同じ特性インピダンスを有する平行2線式の線路であっても良いことは言うまでもない。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わるドライエッチング槽においては、高周波強電界によるプラズマ中のエッチング処理加工対象部材の電気的性能検査を行う場合、測定データ伝送用ケーブルと、槽壁に取り付けたコネクタとの間を伝送線路トランスで接続するように構成したので、前記データ伝送用ケーブルが槽内の高周波電界を乱すことなく、円滑なエッチング処理が可能であり、且つ、測定データに重畳するプラズマ発生用の高周波発振器出力によるノイズを前記伝送線路トランスで遮断し、所望の測定データのみを槽外に導出することが可能となる。
その結果、加工対象部材に対するエッチング処理効果を、従来のようにエッチング槽を開封することなく容易に検査することが可能となり、半導体集積回路や水晶デバイスのドライエッチング処理工程の工数低減に著効を発揮し、更に、エッチング過剰による不良発生を削減して製造コストの低減に大いに貢献する。
更に、上述の伝送線路トランスを介して電気的測定データを導出する手段は、ドライエッチング処理におけるプラズマ中に限らず、その他の高周波強電界中における製造工程の電気的分析・評価、特性監視等のデータの導出に応用することが可能であり、広い分野における製造効率向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係わるドライエッチング槽の実施の一形態例を示す概略構成図、
(b)は同軸ケーブルを巻線とした伝送線路トランスの一例を示す外観図、
(c)は平行2線式線路を巻線とした伝送線路トランスの一例を示す外観図
【図2】プラズマ中で測定治具を動作させたときの同軸ケーブルと伝送線路トランスを中心とした等価回路
【図3】従来のドライエッチング槽の一例を示す概略構成図
【図4】 従来の考案されたドライエッチング槽の一例を示す概略構成図
【符号の説明】
1・・ドライエッチング槽、 2・・高周波発振器、
3・・電極盤、 4・・アース電極、 5・・同軸コネクタ、
6・・フランジ、 7・・伝送線路トランス、 8・・同軸ケーブル、
9・・測定治具、 10・・測定ポート、
20・・プラズマ、 21・・誘導起電力、
30・・加工対象部材(水晶フィルタ)、
40・・従来の測定ポート、 81・・芯線、 82・・シールド被覆

Claims (1)

  1. 高周波電力によるプラズマによって水晶基板をエッチング処理するドライエッチング槽において、前記ドライエッチング槽の槽壁が接地されたものであって、前記ドライエッチング槽と同電位のアース電極と、前記水晶基板が載置された電極盤と、前記電極盤と前記アース電極との間に接続された高周波発振器と、前記電極盤に載置され前記水晶基板に接続された測定手段と、一次巻線と二次巻線とを有する伝送線路トランスと、前記ドライエッチング槽の槽壁に具備され槽内外を気密に貫通するコネクタとを備え、前記測定手段は前記水晶基板と共に発振器として動作する発振回路を備えたものであり、前記一次巻線の一端側が前記コネクタに接続され、前記一次巻線の他端側が前記発振回路の出力側に接続されたものであって、前記二次巻線の一端側が前記ドライエッチング槽の槽壁に接続され、前記二次巻線の他端側が前記発振回路のアース側に接続されたものであることを特徴とするドライエッチング槽。
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