JP4098607B2 - ポリエチレン微多孔膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用セパレータに適したポリエチレン微多孔膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン微多孔膜は精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、等に使用されている。これらのうち電池用セパレータ、特にリチウムイオン電池用セパレータとして好適に使用されている。この理由として、電気絶縁性を有する、電解液を保持した状態でイオン透過性を有する、耐電解液性・耐酸化性に優れる、孔閉塞効果を有することなどを挙げることができる。
ポリエチレン微多孔膜の製造方法としては、例えば原料ポリエチレンと可塑剤を押出機等で溶融混練したものをシート化し、延伸等の工程を経た後に可塑剤を抽出する方法、或いは原料ポリエチレン単体からなるフィルムを、一旦高温の開孔剤で膨潤させて多孔化処理を行ってから開孔剤を除去する方法、等が従来から知られている。
【0003】
後者に関して、特許文献1では超高分子量ポリオレフィンのインフレーションフィルムを形成した後に、開孔剤に浸漬して多孔化処理し、ついで開孔剤を抽出することによって得られるポリエチレン微多孔膜が開示されている。しかし、特許文献1における多孔化処理方法は、金枠を使用したバッチ式のものであり、多孔化処理を連続で行う方法については開示されていない。
さらに、同一出願人による特許文献2では、前記文献と同じフィルムを、高温の流動パラフィン槽の中でフィルム両端を拘束したままジグザグに屈曲して通すことで連続的な多孔化処理を行うフィルムの支持方法および熱処理装置について開示されている。また、特許文献3において、該熱処理装置を使用したポリオレフィン微多孔膜の製造方法が開示されている。
【0004】
かかる方法を用いると、連続的な微多孔膜の生産が可能であるが、液中のフィルム搬送となるためフィルムの膜面抵抗が大であり、例えば高速生産時に膜のばたつき等が発生し、場合によっては破断するという問題があるばかりでなく、膜を浸漬するために大量の流動パラフィンを必要とするという問題もあった。さらに、液中ベアリングの使用が必須となるため、ゴミ等の付着に対する頻繁なメンテナンスが要求されるという問題があった。このように、ポリエチレンフィルムを開孔剤で連続的に膨潤させる製造方法として、高速生産性に優れ、低コストで、かつメンテナンスの容易な多孔化処理方法が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−302436号公報、
【特許文献2】
特開平10−278108号公報、
【特許文献3】
特開平10−306168号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高速生産性に優れ、低コストで、かつメンテナンスの容易な多孔化処理によるポリエチレン微多孔膜の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来技術のようにフィルムを開孔剤に浸漬させて浸透させるのではなく、開孔剤を塗布して浸透させることにより前記課題を達成できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
[1] ポリエチレンフィルム作成工程および多孔化処理工程を有するポリエチレン微多孔膜の製造方法であって、該多孔化処理工程が、(1)ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面に開孔剤を塗布する工程、(2)ポリエチレンフィルム中に開孔剤を浸透させる工程、(3)ポリエチレンフィルムに浸透した開孔剤を除去する工程を有することを特徴とするポリエチレン微多孔膜の製造方法、
【0007】
[2] ポリエチレンフィルムが配向ポリエチレンフィルムであることを特徴とする[1]に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
[3] 開孔剤の粘度が20mPa・s以上9000mPa・s以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
[4] 開孔剤の粘度が100mPa・s以上6000mPa・s以下であることを特徴とする請求項[1]又は[2]に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
[5] (2)の浸透方法が加熱処理であることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
[6] (1)および(2)の工程を、ポリエチレンフィルムを拘束した状態で行うことを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
【0008】
[7] (1)および(2)の工程を、ポリエチレンフィルムを横1軸延伸機もしくは同時2軸延伸機を用いて行うことを特徴とする[1]〜[6]の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法、
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエチレン微多孔膜の製造方法は、大きく分けて、ポリエチレンフィルム作成工程と、多孔化処理工程よりなる。更に多孔化処理工程は、(1)ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面に開孔剤を塗布する工程(以下、開孔剤塗布工程と称す。)、(2)ポリエチレンフィルム中に開孔剤を浸透させる工程(以下、開孔剤浸透工程と称す。)、(3)ポリエチレンフィルムに浸透した開孔剤を除去する工程(以下、開孔剤除去工程と称す。)、からなる。
以下、各工程を順次説明する。
【0010】
<ポリエチレンフィルム作成工程>
本発明で使用するポリエチレンとしてはエチレンを主体とした結晶性の重合体である高密度ポリエチレンもしくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましく、さらにこれらにポリプロピレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンラバー(EPR)等のポリオレフィンを30wt%以下の割合でブレンドしたものも使用できる。
該ポリエチレンの重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上1000万以下の範囲である。ブレンドや多段重合等の手段によって使用するポリマーの重量平均分子量を好ましい範囲に調節しても差し支えない。
【0011】
ポリエチレンフィルムの作成方法は特に限定されないが、例えば、押出機にポリエチレンを供給して溶融混練してフィルムを作成する方法、ポリエチレン粉末を圧縮成形してフィルムを作成する方法などが挙げられる。また、該ポリエチレンフィルムは配向ポリエチレンフィルムであることが好ましい。配向ポリエチレンフィルムとは、分子鎖が少なくとも1軸方向に配向していることを示す。これらのうち、2軸配向ポリエチレンフィルムが好ましい。配向ポリエチレンフィルムの作成方法としては特に限定されないが、1軸配向ポリエチレンフィルムの場合は、ロールによる1軸延伸による方法が利用でき、2軸配向ポリエチレンフィルムの場合は、フラット式同時2軸延伸やフラット式逐次2軸延伸、チューブラ式同時2軸延伸による方法が利用できる。
【0012】
延伸温度は、ポリエチレンの延伸性の観点から100℃以上が好ましく、フィルム強度の観点から250℃以下が好ましい。より好ましくは110℃以上200℃以下、さらに好ましくは120℃以上180℃以下、特に好ましくは130℃以上170℃以下である。ポリエチレンが可塑剤を含む場合も延伸可能であるが、135℃以下で延伸することが好ましい。可塑剤とは、ポリエチレンの融点以上の温度において均一溶液を形成することができる有機化合物のことである。また、本発明においては可塑剤等を含まないことが好ましい。
【0013】
延伸倍率は、フィルム強度の観点から4倍以上が好ましく、延伸における膜破断の観点から400倍以下が好ましい。より好ましくは10倍以上200倍以下、さらに好ましくは10倍以上100倍以下である。
延伸温度と延伸倍率は、原料ポリエチレンの分子量、架橋構造の有無を考慮して最適な条件を決定しておくことが好ましい。
フィルムの厚みは、機械強度の観点から1μm以上が好ましく、フィルムの用途から200μm以下が好ましい。より好ましくは3μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。
【0014】
<多孔化処理工程>
(1)開孔剤塗布工程
多孔化処理工程に使用される開孔剤は、ポリエチレンフィルムに対して浸透性のある液体、または該液体と、該液体の粘度やポリエチレンフィルムへの浸透性を調製する目的で添加することができる塗工性改良剤、から成る混合物を示す。該塗工性改良剤は該液体に対して1種または2種以上添加することができる。ここで言う「浸透」とは結果的にポリエチレンフィルムを膨潤させることも含まれる。
【0015】
ポリエチレンフィルムに対して浸透性のある液体としては、例えば流動パラフィンなどの炭化水素、低級脂肪族アルコール、低級脂肪族ケトン、窒素含有機化合物、エーテル、グリコール、低級脂肪族エステル、シリコンオイルなどであり、これらを単独あるいは組み合わせて使用することができる。これらのうち、引火点の観点から流動パラフィンが好ましい。
塗工性改良剤としては、特に限定されないが、ポリブテンなどの油溶性液状ポリマー、ガソリンオイルなどの鉱油、シリカやアルミナなどの無機粉粒体、デンプン等の有機粉粒体、界面活性剤等で乳化させて油分散化した水溶性ポリマー、各種界面活性剤などが利用できる。またこれらを混合して使用することもできる。これらのうち油溶性液状ポリマー、鉱油が、多孔化処理工程の後述する(3)の開孔剤除去工程で、開孔剤と一緒に除去できることから好ましい。
【0016】
塗工性改良剤の含有量は特に限定されないが、塗工性改良剤効果発現の観点から0.001wt%以上50wt%以下が好ましい。より好ましくは0.01wt%以上20wt%以下、さらに好ましくは0.05wt%以上10wt%以下、特に好ましくは0.1wt%以上5wt%以下である。
ポリエチレンフィルムに塗布する開孔剤の粘度は、特に限定されないが、均一塗布の観点から20mPa・s以上が好ましく、塗布時の流動性の観点から9000mPa・s以下が好ましい。より好ましくは100mPa・s以上6000mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以上4000mPa・s以下、特に好ましくは300mPa・s以上2000mPa・s以下である。これらの粘度は、例えば塗工性改良剤の添加によって好適に制御することができる。
【0017】
開孔剤のポリエチレンフィルムに対する接触角は、特に限定されないが、25℃において液適法で測定し、θ/2法で解析される値が、フィルムに対する浸透性の観点から100°以下が好ましい。より好ましくは80°以下、さらに好ましくは60°以下である。これらの接触角は、例えば塗工性改良剤の添加によって好適に制御することができる。
開孔剤のポリエチレンフィルムへの塗布方法としては特に限定されないが、公知の塗布技術を使用することができる。バッチ処理する場合には、市販のペンキ塗布用の刷毛、ドクターブレードなどが使用可能であり、連続処理する場合には、リバースコータ、ダイレクトロールコータ、ナイフコータ、ダイコータ等が挙げられる。
【0018】
開孔剤を塗布する際にはポリエチレンフィルムを少なくとも1軸方向に拘束することが好ましい。膜の拘束方法には、バッチ処理する場合には、例えば金枠で拘束する方法、バッチ式2軸延伸機で拘束する方法があり、連続処理する場合には、例えばロールで1軸方向に拘束する方法、横1軸延伸機や同時2軸延伸機など、フィルムのフラット式延伸による連続生産において通常使用されている装置を用いることができる。横1軸延伸機や同時2軸延伸機とは、例えばフィルム把持装置を備えた1組の無端リンク装置を、フィルムを延伸する通路の両側に備えることによって連続的なフィルム延伸ができるもの等が挙げられる。これらのうち、多孔化処理を連続して行うことができ、さらに後述する熱収縮を、横方向についても抑えることができるため、横1軸延伸機または同時2軸延伸機で拘束する方法が好ましい。
【0019】
開孔剤の塗布は片面でも、両面でもよいが、ポリエチレン微多孔膜の透気性の観点から両面に塗布することが好ましい。
開孔剤の塗布量は特に限定されないが、好ましくは1g/m2以上9000g/m2以下、より好ましくは10g/m2以上1000g/m2、さらに好ましくは50g/m2以上500g/m2以下である。開孔剤浸透後の膜質量を開孔剤浸透前の膜質量で除することで得られる開孔剤浸透倍率が、1.1倍以上〜10倍以下となるように塗布量を調節することが好ましい。
【0020】
塗布する際の開孔剤の温度は特に限定されないが、開孔剤の流動性の観点から25℃以上が好ましく、開孔剤の引火点等の観点から200℃以下が好ましい。より好ましくは50℃以上180℃以下、さらに好ましくは80℃以上160℃以下、特に好ましくは100℃以上140℃以下である。
開孔剤を塗布したときに、熱収縮が余儀なくされる場合の熱収縮率は、ポリエチレン微多孔膜の気孔率確保の観点から30%以下が好ましい。より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
【0021】
(2)開孔剤浸透工程
開孔剤浸透工程は、塗布した開孔剤をポリエチレンフィルムに浸透させる工程である。浸透させる方法は開孔剤のポリエチレンに対する浸透性によって異なるが、例えば、浸透性の低い開孔剤については膜を加熱することによって好適に浸透させることができる。膜の加熱方法としては特に限定されないが、熱風加熱、プレートヒーターなどの公知の技術が使用できる。このとき、加熱による膜の熱収縮を防止するために少なくとも1軸方向に拘束することが好ましい。また、拘束するタイミングは、加熱前、加熱中の何れでもよく、特に限定されない。膜の拘束方法は上記(1)と同様の方法をとることが可能であり、多孔化処理を連続して行うことができ、さらに熱収縮を横方向についても抑えることができるため、横1軸延伸機または同時2軸延伸機等で2軸方向に拘束する方法が好ましい。
【0022】
加熱によって熱収縮が余儀なくされる場合の熱収縮率は、ポリエチレン微多孔膜の気孔率確保の観点から30%以下が好ましい。より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
加熱温度は特に限定されないが、浸透性を向上させるために30℃以上が好ましく、開孔剤の引火点等の観点から200℃以下が好ましい。より好ましくは50℃以上180℃以下、さらに好ましくは100℃以上160℃以下、特に好ましくは120℃以上140℃以下である。
加熱時間は特に限定されないが、加熱効果発現の観点から1秒以上が好ましく、膜強度保持の観点から10分以下が好ましい。より好ましくは5秒以上5分以下、さらに好ましくは10秒以上3分以下である。
【0023】
(3)開孔剤除去工程
開孔剤の除去方法としては特に限定されないが、開孔剤としてパラフィン油やジオクチルフタレートを使用する場合には塩化メチレンやメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶媒で洗浄したあと、得られた微多孔膜のヒューズ温度以下で加熱乾燥することによって除去することができる。また、開孔剤にデカリン等の低沸点化合物を使用する場合は微多孔膜を加熱乾燥するだけで除去することが可能である。いずれの場合も膜の収縮による物性低下を防ぐため、少なくとも1軸方向に膜を拘束することが好ましい。
【0024】
以上の製法によって得られたポリエチレン微多孔膜は、寸法安定性を高めるため必要に応じて熱処理(ヒートセット)に供してもよい。
また、フィルム作成工程、多孔化処理工程、の何れかにおいて少なくとも1回以上、微多孔膜の耐熱性を向上させるために架橋構造を形成させることも可能である。架橋構造形成のタイミングとしては、前記いずれの工程の前後および工程中でも可能であるが、ポリエチレン微多孔膜の熱収縮防止の観点から、フィルム作成工程以降に架橋構造を形成させることが好ましい。
【0025】
架橋構造を形成させる方法としては、特に限定されないが、電離放射線による方法、架橋剤を添加する方法などがある。これらのうち電離放射線による方法が好ましい。
電離放射線の種類としては、電子線、γ線、紫外線などがあるが、このうち電子線が好ましい。電子線照射線量は、十分な架橋密度を得るために1Mrad以上が好ましく、過度の照射による機械強度の低下を防ぐために200Mrad以下が好ましい。より好ましくは2Mrad以上100Mrad以下、さらに好ましくは5Mrad以上50Mrad以下である。
【0026】
電離放射線による方法の場合、残存ラジカルによって経時劣化が起きることが知られている。しかし、多孔化処理工程における(3)開孔剤除去工程よりも前に電離放射線によって架橋構造を形成させ、さらに開孔剤浸透工程中または後に、110℃以上の温度で加熱処理することによってポリエチレン微多孔膜の透過性、機械強度を損なうことなく、残存ラジカルを失活させ、経時劣化のないポリエチレン微多孔膜の製造も可能である。
以上のような工程によって作成できるポリエチレン微多孔膜は、気孔率が20%以上〜80%以下、25μm換算透気度が3000秒/0.1dm3/25μm以下、25μm換算突刺強度が2N/25μm以上というような物性をもち、電池用セパレータとして好適に使用できる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施の形態に基づいてさらに詳細に説明する。実施例において示す試験方法は次の通りである。
(1)粘度(mPa・s)
(株)トキメック社製E型粘度計(VISCONIC ED形)を使用し、20℃にて、ロータとして標準コーン(1°34′)を用い、ロータの回転速度10rpmにて測定した。
【0028】
(2)開孔剤浸透倍率
開孔剤を浸透させた膜を10cm角の大きさに切り取った後に質量を測定し、浸透前の10cm角の膜質量で除した値を開孔剤浸透倍率とした。
(3)膜厚(μm)
デジタル定圧厚さ測定器((株)東洋精機製作所製:形式B−1、測定子径φ5mm、測定圧62.4kPa)にて測定した。
【0029】
(4)気孔率(%)
10cm角に微多孔膜を切り取り、その体積と質量から膜の平均密度ρ(g/cm3)を算出した。得られた数値から次式を用いて計算した。
気孔率(%)=100×(1−ρ/0.95)
(5)25μm換算透気度(秒/0.1dm3/25μm)
JIS P―8117準拠のガーレー式透気度計((株)東洋精機製作所製:型式G−B2C)で得た値に25(μm)/膜厚(μm)を乗じて25μm換算透気度をとした。
【0030】
(6)25μm換算突き刺し強度(N/25μm)
測定温度25℃において、カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き刺し速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、最大突き刺し荷重を突き刺し強度(N)とした。突き刺し強度に25(μm)/膜厚(μm)を乗じることによって25μ換算常温突き刺し強度とした。
【0031】
【実施例1】
高密度ポリエチレン(密度0.95、粘度平均分子量25万)を100質量部と、該ポリエチレン100質量部に対して0.1質量部のトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、口径40mm、L/D=30の二軸押出機に投入して220℃、20rpmにて混練し、ハンガーコートダイから30℃のロール上にキャストして膜厚600μのシートを作成した。該膜を連続式の電子線照射装置(ELECTRONSHOWER:電気興業株式会社製)を用いて、加速電圧600keV、照射線量300kGyにて架橋処理を施した後、該架橋処理シートを同時二軸延伸機にて、温度145℃、延伸倍率7×7倍に延伸してポリエチレンフィルムを得た。次に該フィルムを外枠15cm四方、内枠12cm四方のステンレス製金枠に拘束し、フィルムの12cm四方に対して、市販のペンキ用刷毛で片面の塗布量100g/m2となるように、開孔剤として流動パラフィンを両面塗布した。用いた流動パラフィンは、粘度791mPa・sの流動パラフィン((株)松村石油研究所製)50重量部、粘度151mPa・sの流動パラフィン(松村石油(株)製)50重量部をスリーワンモーターにて撹拌して調製し、粘度403mPa・sであった。次に130℃に温度調節した熱風オーブン内に該塗布膜を投入し、表面温度(接触式の熱電対で測定)が雰囲気温度に達してから2分間放置し、取り出して室温まで冷却した。次に流動パラフィンを塩化メチレンで除去して乾燥させた後、110℃に温度調節したオーブンで1分間ヒートセットして、ポリエチレン微多孔膜を得た。
【0032】
【比較例1】
ポリエチレンフィルムに流動パラフィンを塗布する代わりに、ポリエチレンフィルムを12cm角の金枠で拘束し、オイルバス内で127℃に温調された、粘度151mPa・sの流動パラフィン中へ2分間浸漬した以外は、実施例1と同様に行った。
【0033】
【実施例2】
開孔剤として、粘度173mPa・sのポリブテン添加流動パラフィン((株)松村石油研究所製)を使用し、熱風オーブンの設定温度を128℃とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0034】
【比較例2】
ポリエチレンフィルムに流動パラフィンを塗布する代わりに、ポリエチレンフィルムを金枠で拘束し、オイルバス内で128℃に温調された粘度173mPa・sのポリブテン添加流動パラフィン((株)松村石油研究所製)へ2分間浸漬する方法とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0035】
【実施例3】
超高分子量ポリエチレン粉体(UH850:旭化成(株)製、密度0.94、粘度平均分子量200万)を温度240℃、油圧200kg/cm2の条件で5分間圧縮成形し、12cm四方、膜厚600μmのシートを得た。次に該膜をバッチ式二軸延伸機((株)東洋精機製作所製)を用いて、延伸温度146℃にて8×8倍に同時二軸延伸を行い、膜厚10μmのポリエチレンフィルムを得た。次に該ポリエチレンフィルムを外枠15cm四方、内枠12cm四方のステンレス製金枠に拘束し、フィルムの12cm四方に対して、市販のペンキ用刷毛で片面の塗布量100g/m2となるように、開孔剤として151mPa・s(松村石油(株)製)の流動パラフィンを両面塗布した。次に132℃に温度調節した熱風オーブン内に該塗布膜を投入し、表面温度(接触式の熱電対で測定)が雰囲気温度に達してから2分間放置し、取り出して室温まで冷却した。次に流動パラフィンを塩化メチレンで除去して乾燥させた後、120℃に温度調節したオーブンで1分間ヒートセットして、ポリエチレン微多孔膜を得た。
【0036】
【比較例3】
ポリエチレンフィルムに流動パラフィンを塗布する代わりに、ポリエチレンフィルムを金枠で拘束し、オイルバス内で130℃に温調された粘度151mPa・sの流動パラフィンへ2分間浸漬する方法とした以外は、実施例3と同様に行った。
実施例における多孔化処理条件、得られたポリエチレン微多孔膜の物性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るポリエチレン微多孔膜の製造方法により、従来製法と同等な物性をもつポリエチレン微多孔膜が、従来よりも生産性に優れる方法で製造することができる。
Claims (7)
- ポリエチレンフィルム作成工程および多孔化処理工程を有するポリエチレン微多孔膜の製造方法であって、該多孔化処理工程が、(1)ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面に開孔剤を塗布する工程、(2)ポリエチレンフィルム中に開孔剤を浸透させる工程、(3)ポリエチレンフィルムに浸透した開孔剤を除去する工程を有することを特徴とするポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- ポリエチレンフィルムが配向ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- 開孔剤の粘度が20mPa・s以上9000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- 開孔剤の粘度が100mPa・s以上6000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- (2)の浸透方法が加熱処理であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- (1)および(2)の工程を、ポリエチレンフィルムを拘束した状態で行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
- (1)および(2)の工程を、ポリエチレンフィルムを横1軸延伸機もしくは同時2軸延伸機を用いて行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のポリエチレン微多孔膜の製造方法。
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