JP4099381B2 - 袋帯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本考案は、着物用の袋帯に関し、詳しくは、帯前結びに好適な袋帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯前結びを行う際の着物の着崩れ防止について、例えば、芯板を上前端寄りに内蔵し、胴部前側で止め具により打合せ可能とした帯板を用いることが提案されている。(特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案3066055号公報(〔0010〕〜〔0016〕、〔図1〕,〔図2〕,〔図6〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例示した帯板を用いた場合には、帯前結びにおける着崩れは防止できるものの、この帯板のために帯を締める行程が増える上に、暑苦しさや窮屈感を着用者に与えていた。
また、暑苦しさや窮屈感については、補正締めを行う場合についても生じるものであり、帯結びおよび前記した帯板と補正締めによる暑苦しさや窮屈感は相当なものである。
さらに、帯の素材にもよるものの、柔らかい生地からなる帯ではしわが寄りやすく、しわを取って形を整えるのが面倒なものである。
【0005】
そこで、本発明は、帯前結びにおける着崩れを防止した上で、帯を締める行程の削減、暑苦しさや窮屈感の抑制、そして、帯を締める時におけるしわ発生の抑制を課題とし、この課題を解決する袋帯の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は下記の技術的手段を採用する。
その技術的手段は、図示するように、前結びに用いられる袋帯1であって、帯表11と帯裏12の間に、可撓性を有する2枚の芯板2,3を内蔵するとともに、着物4に対して滑りやすい布地5を、帯を締める時において帯表11の胴部41に接する部位に、胴部41周囲の略全周に巻き付けられるように縫着してなり、2枚の芯板2,3は、帯を締める時において折り部13を境にして、袋帯1の胴部側6と外側7に位置するように振り分けられるとともに、両芯板が胴部41周囲の略全周に巻き付けられるようにされていることを特徴とする袋帯1にしたことである。(請求項1)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における芯板2,3は、袋帯1の型崩れを防止可能な支持強度を有しながら、帯を締める時において抵抗無く胴部41に巻き付けられる程度の可撓性を有する周知の板状素材の全てを用いることができる。(例えば、ポリカーボネート)
本発明における布地5は、前結びした袋帯1を後ろに回す際に、着物4の着崩れが生じないようにスムースに回すことが可能な滑り機能を有する布地の全てを用いることができる。(例えば、サテン、各産地の帯の布地、滑る効果の有る布地等)
【0008】
暑苦しさや窮屈感が生じるの一つの要因である補正締めを不要とする手段として、本発明は、図示するように2枚の芯板2,3を、帯を締める時において芯板2,3の対向側端部21,31が着用者の脇部42で互いに重合し、逆側端部22,32が着用者の脇部43で互いに胴部周長に応じて重合可能となるように備えた。(請求項2)
つまり、2枚の芯板2,3の両端部が着用者の両脇で重合することで、その重合部分が脇部42,43のくぼみを埋めて袋帯1と着物4に連続する体の線を補正する。
【0009】
請求項1の発明によれば、袋帯1に内蔵された2枚の芯板2,3が袋帯1を内側から支持するので、帯板を用いることなく袋帯1の型崩れを防止することができる。
また、帯を締める時において着物4に対して滑りやすい布地5が着物4の胴部41に接しているので、袋帯1をスムースに回すことができ、これにより着物4の着崩れや傷付を防止することができる。
そして、帯板が不要であるので袋帯1のみで帯前結びができる上に、帯板による暑苦しさや窮屈感の抑制ができる。
さらに、前記芯板2,3は、着用者の胴部41の略全周に巻き付けられるので、柔らかい生地を用いた袋帯1においても帯を締める時にしわが生じない。
請求項2の発明によれば、2枚の芯板2,3の両端部の重合部分で着用者の体の線を補正するので、これを行う補正締めや伊達締めが不要である。
【0010】
前記した請求項1および請求項2の発明は、内蔵する芯板が2枚である構成のものであるが、前記作用効果を有する構成としては以下のものがある。
その構成は、前結びに用いられる袋帯1であって、帯表11と帯裏12の間に、可撓性を有する芯板2Aを内蔵するとともに、着物に対して滑りやすい布地5を、帯を締める時において帯表11の胴部に接する部位に、胴部周囲に巻き付けられるように縫着してなり、芯板2Aは、帯を締める時において折り部13を境にして、袋帯1の胴部6側に位置するとともに、芯板2Aが胴部周囲に巻き付けられるようにされている袋帯1である(請求項3)。
そして、芯板2Aは、帯を締める時において、芯板2Aの両端部が着用者の脇部で胴部周長に応じて重合可能となるように備えられている袋帯1である(請求項4)。
【0011】
請求項3の発明によれば、袋帯1に内蔵された芯板2Aが袋帯1を内側から支持するので、請求項1と同様に、帯板を用いることなく袋帯1の型崩れを防止することができる。
また、請求項1と同様に、帯を締める時において着物4に対して滑りやすい布地5が着物の胴部に接しているので、袋帯1をスムースに回すことができ、これにより着物の着崩れや傷付を防止することができる。
そして、帯板が不要であるので袋帯1のみで帯前結びができる上に、帯板による暑苦しさや窮屈感の抑制ができる。
さらに、前記芯板2Aは、着用者の胴部の略全周に巻き付けられるので、請求項1と同様に、柔らかい生地を用いた袋帯1においても帯を締める時にしわが生じない。
請求項4の発明によれば、芯板2A両端部の重合部分で着用者の体の線を補正するので、請求項2と同様に、これを行う補正締めや伊達締めが不要である。
【0012】
請求項3における芯板2Aの素材は、前記請求項1に記載の芯板2,3と同様の素材を用いることができる。
請求項4における布地5の素材は、前記請求項2に記載の布地5と同様の素材を用いることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の最適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は本発明の袋帯1を示し、図1は展開図、図2は半折り状態図である。
【0014】
袋帯1は、帯表11と帯裏12の間に、可撓性を有する2枚の芯板2,3を内蔵するとともに、着物4に対して滑りやすい布地5を、帯を締める時において帯表11の胴部41に接する部位に、胴部41周囲の略全周に巻き付けられるように縫着してなる。
【0015】
2枚の芯板2,3は、帯を締める時において折り部13を境にして、芯板2が袋帯1の胴部側6に、芯板3が外側7に位置するように振り分けられるように配置してある。
両芯板の長さは、袋帯1の帯を締めた状態において、胴部41周囲の略全周に巻き付け可能な長さである。
具体的には、2枚の芯板2,3は、帯を締める時において芯板2,3の対向側端部21,31が着用者の脇部42で互いに重合し、逆側端部22,32が着用者の脇部43で互いに胴部周長に応じて重合可能となる長さである。
【0016】
芯板2は布地5の裏側に縫着してあり、布地5を帯表11に逢着したときに、図面上布地5の左寄りに位置するとともに、後中心C1を境に左右同長になる位置に有る。
芯板3は帯裏12の裏側に逢着してあり、前中心C2を境に左右同長になる位置に有る。
符号23,33は芯板2,3に開孔された小径孔であり、この小径孔23,33によって通気性を確保している。
【0017】
布地5は、サテン布地等を着用者の胴長に略対応する長さ、かつ袋帯1の約半分の幅に裁断形成したものである。
このように形成した布地5は、帯表11に切欠形成された布地5の形状に対応する切欠部14に適合させ、布地5周りの帯表11と帯裏12に縫着してある。
つまり、布地5は、帯を締める時に後ろに回す際の滑り機能の確保に加えて、帯表11の一部を構成するものである。
なお、前記布地5の長さは、着用者の胴長に対応させて長短選択して決定する。
また、本発明では、前記切欠部14を有することに限定されるものではなく、帯表11を切欠せず、帯表11に直接逢着する構成も包含する。
【0018】
次に、このように構成した袋帯1の帯の締め方を説明する。
先ず、袋帯1を布地5側の帯表11が胴部側6に、布地5とは反対側の帯表11が外側7に向くように折り部13で半折りにする。(図2参照)
この半折りの状態を保持したまま、布地5の略中心部を着用者の腰に沿わせて(図3)、たれ側を芯板2が胴部41の前に位置するように巻付ける(図4参照)。
このとき、芯板2が着用者の前側に位置し、布地5が着用者の胴部41周囲の全周に巻き付けられた状態となる。
そして、袋帯1の手先側を上側に向けて、たれ側をさらに一周巻き(図5参照)、前側で手先側とたれ側とで帯結びをし、これを後ろに回すことで完成する(図6参照)。
このとき、芯板3が前側に、芯板2が後側に位置し、両芯板の対向側端部21,31と逆側端部22,32が着用者の脇部42,43において重合することで、帯の補正が行われる(図7)。
【0019】
次に、本発明の他の実施例を図8および図9に基づいて説明する。
なお、本実施例では、前記の実施例の構成と同一の部位についての説明は、同符号を付けることによって省略する。
また、本実施例では芯板2Aにおける小径孔には符号21Aを付ける。
【0020】
本実施例における芯板2Aは、一枚物であり、帯を締める時において折り部13を境にして、袋帯1の胴部6側に位置するように配設してある。
芯板2Aの長さは、袋帯1の帯を締めた状態において、胴部周囲の略全周に巻き付け可能な長さであり、その両端部が着用者の脇部で胴部周長に応じて重合可能となる長さである。
芯板2Aの長さとしては、例えばサイズごとに各種の長さのものを使用する方法も有るが、芯板2Aの長さをフリーサイズ対応となるように、長めのものを使用する方法が最適である。
この場合、芯板2Aの形状を、図8に示すように、略下向き台形を呈し、両端部に至るに従い幅狭となるように形成する。
これによって、芯板2Aの両端部の重合量が多くなるウエストの細い着用者が着用しても、帯を締める際に何ら支障はない上に、一つのサイズで対応することができるので、コストの削減という点についても有効なものである。
【0021】
なお、本発明では前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の各請求項の内容から逸脱しない範囲において変更が可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり下記の優れた効果を有する。
請求項1および請求項3の発明により、帯前結びにおける帯の型崩れおよび着物の着崩れを防止した上で、帯を締める行程の削減、暑苦しさや窮屈感の抑制、そして、帯を締める時におけるしわ発生の抑制を達成することができる。
請求項2および請求項4の発明により、帯板も補正締めもすることなく、着物の上に直接袋帯を締めても、きれいな着用状態にすることができるので、さらなる帯を締める行程の削減および暑苦しさや窮屈感の抑制ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る袋帯の展開図。
【図2】同、半折り状態図。
【図3】帯を締める行程図。
【図4】帯を締める行程図。
【図5】帯を締める行程図。
【図6】帯を締めた完成図。
【図7】図5の側面図。
【図8】本発明に係る袋帯の他の実施例の展開図。
【図9】同、半折り状態図。
【符号の説明】
1:袋帯 11:帯表
12:帯裏 2:芯板
21:対向側端部 22:逆側端部
3:芯板 31:対向側端部
32:逆側端部 4:着物
41:胴部 42:脇部
43:脇部 5:布地
6:胴部側 7:外側
2A:芯板
Claims (4)
- 前結びに用いられる袋帯であって、
帯表と帯裏の間に、可撓性を有する2枚の芯板を内蔵するとともに、着物に対して滑りやすい布地を、帯を締める時において帯表の胴部に接する部位に、胴部周囲に巻き付けられるように縫着してなり、
2枚の芯板は、帯を締める時において折り部を境にして、袋帯の胴部側と外側に位置するように振り分けられるとともに、両芯板が胴部周囲に巻き付けられるようにされていることを特徴とする袋帯。 - 2枚の芯板は、帯を締める時において芯板の対向側端部が互いに着用者の脇部で重合するように備えられ、逆側端部が互いに着用者の脇部で胴部周長に応じて重合可能となるように備えられていることを特徴とする請求項1に記載の袋帯。
- 前結びに用いられる袋帯であって、
帯表と帯裏の間に、可撓性を有する芯板を内蔵するとともに、着物に対して滑りやすい布地を、帯を締める時において帯表の胴部に接する部位に、胴部周囲に巻き付けられるように縫着してなり、
芯板は、帯を締める時において折り部を境にして、袋帯の胴部側に位置するとともに、芯板が胴部周囲に巻き付けられるようにされていることを特徴とする袋帯。 - 芯板は、帯を締める時において
芯板の両端部が着用者の脇部で胴部周長に応じて重合可能となるように備えられていることを特徴とする請求項3に記載の袋帯。
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