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JP4100161B2 - 電磁弁 - Google Patents
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JP4100161B2 - 電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁弁に関する。この電磁弁はオートマチックトランスミッションに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1に電磁弁が開示されている。この種の電磁弁では、例えば図1に示すように、内部に軸方向に延在する円柱状の収納空間85eが形成された円筒状のスリーブ85を備えている。スリーブ85には、収納空間85eを外部に開いて作動油を流出入させるスリーブポート95a〜95dが形成されている。
【0003】
より詳細に説明すれば、これらスリーブポート95a〜95dは、図示しない油圧ポンプからの作動油を供給する供給スリーブポート95cと、作動油をアクチュエータの制御用に排出する制御スリーブポート95bと、作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポート95aと、作動油をフィードバック用に供給するフィードバックスリーブポート95dとからなる。これらスリーブポート95a〜95dはスリーブ85の内周面に凹設されて各々収納空間85eに繋がる内周連通溝95a’〜95d’を有している。
【0004】
また、これらスリーブポート95a〜95dは、図13(図(A)は上面図、図(B)は正面図、図(C)は底面図)に示すように、スリーブ85において、軸と垂直方向に長い長方形状をなしている。また、スリーブ85の外周面には制御スリーブポート95bと軸方向で連通する軸方向連通溝95eが形成されている。この軸方向連通溝95eは、スリーブ85の径方向に延びる絞り穴95gにより、図1に示すフィードバックスリーブポート95dと連通している。また、スリーブ85には収納空間85eと連通するドレン孔95fが貫設されている。
【0005】
スリーブ85の収納空間85eには円柱状のスプール84が軸方向に移動可能に収納されている。スプール84は、軸方向の移動によってスリーブポート95a〜95dを封止するランド90a〜90cと、外周面に凹設されてスリーブポート95a〜95dを開放可能な外周連通溝91a、91bとをもつ。外周連通溝91aは、ランド90a側が浅く凹設され、ランド90b側が深く凹設されている。
【0006】
スリーブ85の一端(図中、左側。以下、同様。)には通電によってスプール84を軸方向の右側に移動可能なソレノイド80が備えられている。すなわち、スリーブ85の一端には右端にフランジ部82aを有する円筒形状の磁性体からなるコア82が設けられている。コア82の左側には円筒形状の磁性体からなるプランジャ83がコア82と僅かなエアギャップを有して設けられている。コア82及びプランジャ83の周囲にはコイル81が設けられている。これらコア82、プランジャ83及びコイル81はスリーブ85と固定されたケース86に収納されている。そして、プランジャ83とスプール84の一端との間には、スプール84と一体をなすシャフト89がコア82の内部を挿通して設けられている。他方、スリーブ85の他端には調整ねじ92が螺合されており、調整ねじ92とスプール84の他端との間にはスプール84をソレノイド80側に付勢するコイルバネ98が設けられている。
【0007】
以上のように構成された電磁弁は、スリーブ85がオートマチックトランスミッションのハウジング等からなるバルブボディ96に固定され得る。このバルブボディ96には、内部に円柱状のバルブ室96dが形成され、かつバルブ室96dを外部に開いてスリーブポート95a〜95dと整合するボディポート96a〜96cが形成されている。電磁弁のスリーブ85はこのバルブボディ96のバルブ室96d内に固定され得る。
【0008】
より詳細には、スリーブ85のドレンスリーブポート95aは、図14に示すように、バルブボディ96のドレンボディポート96aと連通している。図1に示すスリーブ85の制御スリーブポート95bは、図15に示すように、バルブボディ96の制御ボディポート96bと連通している。また、図1に示すスリーブ85の供給スリーブポート95cは、図16に示すように、バルブボディ96の供給ボディポート96cと連通している。さらに、図1に示すスリーブ85のフィードバックスリーブポート95dは、図17に示すように、絞り穴95g及び軸方向連通溝95eを介し、図15に示すバルブボディ96の制御ボディポート96bと連通している。
【0009】
このように組み付けられた電磁弁では、図1に示すように、コイル81へ通電しない場合、スプール84がコイルバネ98の付勢力によってソレノイド80側に移動している。そのため、ランド90bが供給スリーブポート95cを閉口している。また、ドレンスリーブポート95aが外周連通溝91aに開口されている。そのため、アクチュエータの油圧が下降することとなる。
【0010】
他方、コイル81へ通電する場合、コア82が磁化され、プランジャ83がコイルバネ98の付勢力に抗してコア82側に引き寄せられる。そして、シャフト89によってスプール84がコイルバネ98側に押し出される。そのため、ランド90aがドレンスリーブポート95aを閉口するとともに、ランド90bが供給スリーブポート95cを次第に外周連通溝91aに開口する。これにより、供給スリーブポート95cから供給された作動油は外周連通溝91aを経て制御スリーブポート95bから導出され、アクチュエータの油圧が上昇する。なお、制御スリーブポート95bから導出された作動油は、軸方向連通溝95e、絞り穴95g、外周連通溝91b及びフィードバックスリーブポート95dに還流され、スプール84をフィードバックする。
【0011】
こうして、この電磁弁では、コイル81への通電を制御することにより、制御スリーブポート95bから導出される作動油の油圧を制御している。そのため、この電磁弁を使用して、アクチュエータの制御をすることが可能である。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−166641号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電磁弁では、大流量の作動油を制御する場合、作動油のフローフォースにより安定した油圧の制御が困難であった。
【0014】
つまり、図14に示すように、スリーブ85の内周面にはドレンスリーブポート95aの一部として内周連通溝95a’が凹設され、内周連通溝95a’はドレンスリーブポート95aの一部としてドレンボディポート96aに連通されている。このドレンスリーブポート95aにおいて、コイル81へ通電しない場合、図15に示す制御ボディポート96b、制御スリーブポート95bから戻ってきた作動油は、図18にも示すように、外周連通溝91aを通り、図14に示すドレンスリーブポート95aの内周連通溝95a’を経てドレンボディポート96aから導出される。この際、図18に示すように、内周連通溝95a’を通過する作動油は、その流れが内周連通溝95a’により阻まれるため、作動油の流出角度θが小さくなってしまう。
【0015】
一般に、作動油の粘度をρ、流量をQ、流速をV、流出角度をθとすれば、フローフォースFは数1に示す式で求められる。
【0016】
【数1】
F=ρ・Q・V・Cosθ
【0017】
14に示すように、スプール84の外周において、内周連通溝95a’を通過する作動油は多量であり、フローフォースFは大きな値となる。このフローフォースFがスプール84に作用し、安定した油圧の制御が困難となってしまう。
【0018】
同様の現象がコイル81へ通電する場合においても起こる。つまり、図16に示すように、スリーブ85の内周面には供給スリーブポート95cの一部として内周連通溝95c’が凹設され、内周連通溝95c’は供給スリーブポート95cの一部として供給ボディポート96cに連通されている。この供給スリーブポート95cにおいても、コイル81へ通電する場合、供給スリーブポート95cから供給された作動油は外周連通溝91aを通り制御スリーブポート95bから導出される。この場合においても、内周連通溝95c’を通過する作動油については、その流れが内周連通溝95c’により阻まれ、作動油の流出角度θが小さくなってしまう。
【0019】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、フローフォースを減少し、大流量の作動油を安定的に制御することができる電磁弁を提供することを解決すべき課題としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
発明の電磁弁は、内部に軸方向に延在する円柱状の収納空間が形成され、かつ該収納空間を外部に開いて作動油を流出入させるスリーブポートが形成された円筒状のスリーブと、該収納空間に軸方向に移動可能に収納され、軸方向の移動によって該スリーブポートを封止するランドと外周面に凹設されて該スリーブポートを開放可能な外周連通溝とをもつ円柱状のスプールと、通電によって該スプールを軸方向に移動可能なソレノイドとを備えた電磁弁において、
【0021】
前記スリーブは、内部に円柱状のバルブ室が形成され、かつ該バルブ室を外部に開いて前記スリーブポートと整合するボディポートが形成されたバルブボディにおける該バルブ室内に固定され、該スリーブポートは、前記収納空間に繋がる内周連通溝を有さず、上記ランドの外径よりも小さい内径で該収納空間から径方向に貫設され、上記ランドは、上記外周連通溝側の縁部にノッチを有し、同一の上記ランドの同一の上記縁部に形成された複数の上記ノッチは、軸心回りに等角度である90°の間隔をなし、各該ノッチの間隔角度は上記スリーブポートにおける上記収納空間側に開く開口が該軸心回りになす角度である90°と同じであることを特徴とする。
【0022】
発明の電磁弁では、スリーブがバルブボディのバルブ室内に固定される。スリーブに形成されたスリーブポートは、収納空間に繋がる従来のような内周連通溝を有さず、ランドの外径よりも小さい内径で収納空間から径方向に貫設されている。そのため、作動油はスリーブポート以外から流出入することはない。つまり、作動油は、スプールに形成された収納空間の外周連通溝とスリーブポートとの間を直接流出入することとなる。そのため、作動油の流出入が阻まれることはなく、作動油の流出入角度θを大きくすることができるため、フローフォースを小さくすることができる。
【0023】
したがって、発明の電磁弁によれば、フローフォースを減少し、大流量の作動油を安定的に制御することが可能である。
本発明の電磁弁では、ランドは、外周連通溝側の縁部にノッチを有する。これにより、作動油の圧力変動を防止できるため、作動油の油圧振動を防止して滑らかな油圧の制御が可能となる。
本発明の電磁弁では、同一のランドの同一の縁部に形成された複数のノッチは軸心回りに等角度である90°の間隔をなし、各ノッチの間隔角度はスリーブポートにおける収納空間側に開く開口が軸心回りになす角度である90°と同じである。これにより、スプールが回転しても、スリーブポートにおける収納空間側に開く開口に必ずノッチが有ることになる。これにより、確実に作動油の圧力変動を防止できる。
【0024】
発明の電磁弁では、スリーブポートは収納空間から径方向の複数箇所で貫設され、スリーブの外周面又はバルブボディの内周面には各スリーブポートを周方向で連通する周方向連通溝が形成されていることが好ましい。スリーブポートがランドの外径よりも小さい内径であるため、単一のスリーブポートでは大流量の作動油を流出入することができない。そのため、スリーブポートを収納空間から径方向の複数箇所で貫設し、スリーブの外周面に各スリーブポートを周方向で連通する周方向連通溝を形成すれば、作動油の流出入角度θを大きくしつつ、大流量の作動油を流出入することができる。
【0025】
発明の電磁弁では、スリーブポートは、作動油を供給する供給スリーブポートと、作動油を制御用に排出する制御スリーブポートと、作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポートとを有し得る。この場合、供給スリーブポート、制御スリーブポート及びドレンスリーブポートの少なくとも一つが収納空間から径方向に貫設され得る。
【0026】
発明の電磁弁では、スリーブポートは、作動油を供給する供給スリーブポートと、作動油を制御用に排出する制御スリーブポートと、作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポートと、作動油をフィードバック用に供給するフィードバックスリーブポートを有し得る。この場合、スリーブの外周面又はバルブボディの内周面には、制御スリーブポートとフィードバックスリーブポートとを軸方向で連通する軸方向連通溝が形成されていることができる。これにより、供給スリーブポートから供給される作動油の油圧を調整できるため、安定した油圧の制御が可能となる。
【0027】
発明の電磁弁では、外周連通溝は供給スリーブポートと対面可能な外周供給溝を有し、外周供給溝は他の外周連通溝より深く凹設されていることが好ましい。供給スリーブポートと対面可能な外周供給溝を他の外周連通溝より深く形成することにより、大流量の作動油を流出入させることができるからである。このように他の外周連通溝よりも深く凹設された外周供給溝に制御スリーブポートが連通する場合、制御スリーブポートによる流出角度θは大きく維持されるため、制御スリーブポートを収納空間に繋がる従来のような内周連通溝を介して形成することも可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態1を図面を参照しつつ説明する。
【0037】
(実施形態1)
実施形態1の電磁弁は、図1に示すように、内部に軸方向に延在する円柱状の収納空間15eが形成された円筒状のスリーブ15を備えている。スリーブ15には、収納空間15eを外部に開いて作動油を流出入させるスリーブポート25a〜25fが形成されている。
【0038】
より詳細に説明すれば、これらスリーブポート25a〜25fは、図示しない油圧ポンプからの作動油を供給する供給スリーブポート25d、25eと、作動油をアクチュエータ40の制御用に排出する制御スリーブポート25cと、作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポート25a、25bと、作動油をフィードバック用に供給するフィードバックスリーブポート25fとからなる。なお、符号41はアキュムレータである。
【0039】
ドレンスリーブポート25a、25bは、図3にも示すように、従来のような内周連通溝を有しておらず、後述するスプール14のランド20aの外径よりも小さい内径で収納空間15eから径方向に貫設されている。これらドレンスリーブポート25a、25bは、図2(図(A)は上面図、図(B)は正面図、図(C)は底面図)に示すように、貫設方向から見て、軸方向の右側に頂角をもつ5角形に形成されている。また、これらドレンスリーブポート25a、25bは、スリーブ15の外周面に凹設された軸と垂直方向に長い長方形状をなす周方向連通溝29aにより連通されている。
【0040】
制御スリーブポート25cは、図1及び図4に示すように、スリーブ15の内周面に凹設されて収納空間15eに繋がる内周連通溝25c’を有している。この制御スリーブポート25cは、図2に示すように、貫設方向から見て、軸と垂直方向に長い長方形に形成されている。また、この制御スリーブポート25cは、スリーブ15の外周面に凹設された軸と垂直方向に長い長方形状をなす周方向溝29bと連通されており、周方向溝29bはスリーブ85の外周面に凹設された軸方向に延びる軸方向連通溝29cと連通されている。
【0041】
供給スリーブポート25d、25eは、図1及び図5に示すように、従来のような内周連通溝を有しておらず、後述するスプール14のランド20bの外径よりも小さい内径で収納空間15eから径方向に貫設されている。これら供給スリーブポート25d、25eは、図2に示すように、貫設方向から見て、軸方向の左側に頂角をもつ5角形に形成されている。また、これら供給スリーブポート25d、25eは、スリーブ15の外周面に凹設された軸と垂直方向に長い長方形状をなす周方向連通溝29dにより連通されている。
【0042】
フィードバックスリーブポート25fは、図1及び図6に示すように、スリーブ15の内周面に凹設されて収納空間15eに繋がる内周連通溝25f’を有している。このフィードバックスリーブポート25fは、図2に示すように、貫設方向から見て、軸と垂直方向に長い長方形に形成されている。また、このフィードバックスリーブポート25fの内周連通溝25f’は、軸方向連通溝29cに径方向で貫設された絞り穴29eにより周方向溝29bを経て制御スリーブポート25cと連通している。
【0043】
また、図1に示すように、スリーブ15には収納空間15eと連通するドレン孔25gが貫設されている。
【0044】
スリーブ15の収納空間15eには円柱状のスプール14が軸方向に移動可能に収納されている。スプール14は、軸方向の移動によってスリーブポート25a〜25fを封止するランド20a〜20cと、外周面に凹設されてスリーブポート25a〜25fを開放可能な外周連通溝21a、21bとをもつ。外周連通溝(外周供給溝)21aは、ランド20a側が浅く凹設され、ランド20b側が深く凹設されている。
【0045】
ランド20aは、図3に示すように、外周連通溝(外周供給溝)21a側の縁部に4個のノッチ30を有している。各ノッチ30は軸心回りに等角度間隔をなしている。各ノッチ30の間隔角度α(°)はドレンスリーブポート25a、25bにおける収納空間15e側に開く開口が軸心回りになす角度β(°)と等しい90°になっている。
【0046】
また、図1に示すように、スリーブ15の一端には通電によってスプール14を軸方向の右側に移動可能なソレノイド10が備えられている。すなわち、スリーブ15の一端には右端にフランジ部12aを有する円筒形状の磁性体からなるコア12が設けられている。コア12の左側には円筒形状の磁性体からなるプランジャ13がコア12と僅かなエアギャップを有して設けられている。コア12及びプランジャ13の周囲にはコイル11が設けられている。これらコア12、プランジャ13及びコイル11はスリーブ15と固定されたケース16に収納されている。そして、プランジャ13とスプール14の一端との間には、スプール14と一体をなすシャフト19がコア12の内部を挿通して設けられている。他方、スリーブ15の他端には調整ねじ24が螺合されており、調整ねじ24とスプール14の他端との間にはスプール14をソレノイド10側に付勢するコイルバネ28が設けられている。
【0047】
以上のように構成された電磁弁は、スリーブ15がオートマチックトランスミッションのハウジングからなるバルブボディ26に固定される。このバルブボディ26には、内部に円柱状のバルブ室26dが形成され、かつバルブ室26dを外部に開いてスリーブポート25a〜25fと整合するボディポート26a〜26cが形成されている。電磁弁のスリーブ15はこのバルブボディ26のバルブ室26d内に固定される。
【0048】
より詳細には、スリーブ15のドレンスリーブポート25a、25bは、図3に示すように、周方向連通溝29aを介してバルブボディ26のドレンボディポート26aと連通している。図1に示すスリーブ15の制御スリーブポート25cは、図4に示すように、バルブボディ26の制御ボディポート26bと連通している。また、図1に示すスリーブ15の供給スリーブポート25d、25eは、図5に示すように、周方向連通溝29dを介してバルブボディ26の供給ボディポート26cと連通している。さらに、図1に示すスリーブ15のフィードバックスリーブポート25fは、図6に示すように、絞り穴29e及び軸方向連通溝29cを介し、図4に示すバルブボディ26の制御ボディポート26bと連通している。
【0049】
このように組み付けられた電磁弁では、図1に示すように、コイル11へ通電しない場合、スプール14がコイルバネ28の付勢力によってソレノイド10側に移動している。そのため、ランド20bが供給スリーブポート25d、25eを閉口している。また、ドレンスリーブポート25a、25bが外周連通溝(外周供給溝)21aに開口されている。そのため、アクチュエータ40の油圧が下降することとなる。
【0050】
この際、制御スリーブポート25cから戻ってきた作動油は、外周連通溝(外周供給溝)21aを通りドレンボディポート26aから導出される。そして、ドレンスリーブポート25a、25bが従来のような内周連通溝を有しておらず、ランド20aの外径よりも小さい内径で収納空間15eから径方向に貫設されているため、外周連通溝(外周供給溝)21aを通った作動油はドレンスリーブポート25a、25b以外から流出することはない。つまり、作動油は収納空間15eからドレンスリーブポート25a、25bへ直接流出することとなる。そのため、図7に示すように、作動油の流出が阻まれることはなく、作動油の流出角度θを90°に近づけることができる。作動油の流出角度θが90°に近づけば、数1より、フローフォースFは非常に小さな値となる。こうして、この電磁弁では、大流量の作動油を安定して導出させることができる。また、ドレンスリーブポート25bから流出した作動油は周方向連通溝29aを通ってドレンボディポート26aから導出される。そのため、ドレンスリーブポート25a、25bがランド20aの外径よりも小さい内径であっても、大流量の作動油を導出させることができる。
【0051】
また、この電磁弁では、図3に示すように、ランド20aの外周連通溝(外周供給溝)21a側の縁部には、複数のノッチ30が軸心回りに角度αをなして等間隔で設けられている。仮にランド20aの外周連通溝(外周供給溝)21a側の縁部にノッチ30が設けられていない場合を考える。図1に示すコイル11に通電しない状態からコイル11に高い制御電流を通電すると、コア12とプランジャ13とのギャップが速やかに狭まって、このギャップ内の作動油を圧縮することにより有効なダンパ作用が得られる。しかし、コイル11に低い制御電流を通電する場合、すなわちスプール14が移動を開始する初期段階では、コア12とプランジャ13とのギャップが大きく十分なダンパ作用が得られない。そのため、プランジャ13が振動し、作動油に圧力変動を生じて、アクチュエータ40の動作が不安定になるおそれがある。これに対し、この電磁弁のように、ランド20aの外周連通溝(外周供給溝)21a側の縁部にノッチ30を設けることにより、コイル11に低い制御電流を通電する場合、作動油の一部をノッチ30を通してドレンスリーブポート25a、25bへリークさせることができる。こうして、ノッチ30を設けることにより、コイル11に低い制御電流を通電する場合、作動油の圧力変動を防止できるため、アクチュエータ40の動作を安定させることができる。また、複数のノッチ30が軸心回りになす角度αは、ドレンスリーブポート25a、25bにおける収納空間15e側に開く開口が軸心回りになす角度βと等しい90°であるため、スプール14が回転しても、図8に示すように、ドレンスリーブポート25a、25bにおける収納空間15e側に開く開口に必ずノッチ30が存在することになる。これにより、確実に作動油の圧力変動を防止できる。仮に、図9に示すように、角度αが角度βを超える180°である場合、スプール14が回転すると、図10に示すように、ドレンスリーブポート25a、25bにおける収納空間15e側に開く開口にはノッチ30が存在しないことも有り得る。この場合には、作動油の圧力変動を防止できないことになる。なお、ランド20bの外周連通溝(外周供給溝)21a側の縁部にもノッチを設けることができる。
【0052】
他方、コイル11へ通電する場合、コア12が磁化され、プランジャ13がコイルバネ28の付勢力に抗してコア12側に引き寄せられる。そして、シャフト19によってスプール14がコイルバネ28側に押し出される。そのため、ランド20aがドレンスリーブポート25a、25bを閉口するとともに、ランド20bが供給スリーブポート25d、25eを次第に外周連通溝(外周供給溝)21aに開口する。これにより、供給スリーブポート25d、25eから供給された作動油は外周連通溝(外周供給溝)21aを経て制御スリーブポート25cから導出され、アクチュエータ40の油圧が上昇する。
【0053】
この際、供給ボディポート26cから供給された作動油は外周連通溝(外周供給溝)21aの深い溝を通り制御ボディポート26bから導出される。この際、供給ボディポート26cから供給された作動油の一部は供給スリーブポート25から外周連通溝(外周供給溝)21aに供給され、作動油の他の一部は周方向連通溝29dを通って供給スリーブポート25eから外周連通溝(外周供給溝)21aに供給される。そして、供給スリーブポート25d、25eが従来のような内周連通溝を有しておらず、ランド20bの外径よりも小さい内径で収納空間15eから径方向に貫設されているため、供給スリーブポート25d、25e以外から外周連通溝(外周供給溝)21aに作動油が供給されることはない。つまり、作動油は供給スリーブポート25d、25eから収納空間15eへ直接供給されることとなる。そのため、この場合においても、作動油の流入が阻まれることはなく、フローフォースFを小さくすることができ、大流量の作動油を安定して供給することができる。
【0054】
また、この電磁弁では、外周連通溝(外周供給溝)21aは供給スリーブポート25d、25eと対面しており、外周連通溝(外周供給溝)21aのランド20bに近い部分は他の外周連通溝21bより深くかつ曲線形状に凹設されているため、大流量の作動油をスムーズに流出入させることができる。
【0055】
さらに、この電磁弁では、スリーブ15の外周面に制御スリーブポート25cとフィードバックスリーブポート25fとを絞り穴29eを介して軸方向で連通する軸方向連通溝29cが形成されているため、制御スリーブポート25cから導出された作動油は、図2、図5及び図6に示す軸方向連通溝29c、絞り穴29e、外周連通溝21b及びフィードバックスリーブポート25fに還流され、スプール14をフィードバックする。こうして、この電磁弁では、供給スリーブポート25d、25eから供給される作動油の油圧を調整できるため、安定した油圧の制御が可能となる。なお、軸方向連通溝29cをバルブボディ26の内周面に凹設することもできる。
【0056】
こうして、この電磁弁では、コイル11への通電を制御することにより、制御スリーブポート25cから導出される作動油の油圧を制御している。したがって、この電磁弁を使用すれば、フローフォースFを減少し、大流量の作動油を安定的に制御することが可能であることから、アクチュエータ40を安定して制御することが可能である。
【0057】
従来の電磁弁と実施形態1の電磁弁とについて、コイル81、11に通電する電流I(A)と制御スリーブポート95b、25cから導出される作動油の制御流量(l/min)との関係を図11に示す。グラフAが従来の電磁弁のデータであり、グラフBが実施形態1の電磁弁のデータである。これによれば、実施形態1の電磁弁は、従来の電磁弁に比べ、低い電流値で大流量の作動油を制御できることがわかる。
【0058】
なお、上記においては、電磁弁がスリーブ、スプール及びソレノイドを備え、その電磁弁のスリーブがバルブボディのバルブ室に固定されるものとして説明したが、本発明の電磁弁をスリーブ、スプール、ソレノイド及びバルブボディを備えるものとして構成することもできる。
【0059】
この場合、本発明の電磁弁は、内部に円柱状のバルブ室が形成され、かつ該バルブ室を外部に開いて作動油を流出入させるボディポートが形成されたバルブボディと、
該バルブ室に固定され、内部に軸方向に延在する円柱状の収納空間が形成され、かつ該収納空間を外部に開いて該ボディポートと整合するスリーブポートが形成された円柱状のスリーブと、
該収納空間に軸方向に移動可能に収納され、軸方向の移動によって該スリーブポートを封止するランドと外周面に凹設されて該スリーブポートを開放可能な外周連通溝とをもつ円柱状のスプールと、
通電によって該スプールを軸方向に移動可能なソレノイドとを備えた電磁弁であって、
前記スリーブポートは、上記ランドの外径よりも小さい内径で前記収納空間から径方向に貫設されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電磁弁に係り、コイルへ通電しない状態の断面図である。
【図2】実施形態1の電磁弁に係り、図(A)はスリーブの上面図、図(B)はスリーブの正面図、図(C)はスリーブの底面図である。
【図3】実施形態1の電磁弁に係り、図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】実施形態1の電磁弁に係り、図1のIV−IV矢視断面図である。
【図5】実施形態1の電磁弁に係り、図1のV−V矢視断面図である。
【図6】実施形態1の電磁弁に係り、図1のVI−VI矢視断面図である。
【図7】実施形態1の電磁弁に係り、図1のF2部の拡大断面図である。
【図8】実施形態1の電磁弁に係り、スプールが回転した場合の図1のIII−III矢視断面図である。
【図9】変形形態の電磁弁に係り、ノッチが2個の場合の図3と同様の断面図である。
【図10】変形形態の電磁弁に係り、スプールが回転した場合の図3と同様の断面図である。
【図11】実施形態1の電磁弁に係り、コイルに通電する電流と制御スリーブポートから導出される作動油の制御流量との関係を示すグラフである
図1】従来の電磁弁に係り、コイルへ通電しない状態の断面図である。
【図13】従来の電磁弁に係り、図(A)はスリーブの上面図、図(B)はスリーブの正面図、図(C)はスリーブの底面図である。
【図14】従来の電磁弁に係り、図1のXXI−XXI矢視断面図である。
【図15】従来の電磁弁に係り、図1のXXII−XXII矢視断面図である。
【図16】従来の電磁弁に係り、図1のXXIII−XXIII矢視断面図である。
【図17】従来の電磁弁に係り、図1のXXIV−XXIV矢視断面図である。
【図18】従来の電磁弁に係り、図1のF1部の拡大断面図である。
【符号の説明】
15…スリーブ
15e…収納空間
25a〜25f…スリーブポート(25a、25b…ドレンスリーブポート、25c…制御スリーブポート、25d、25e…供給スリーブポート、25f…フィードバックスリーブポート)
4…スプール
20a〜20c…ランド
21a、21b…外周連通溝(21a…外周供給溝)
0…ソレノイド
6…バルブボディ
26a〜26c…ボディポート(26a…ドレンボディポート、26b…制御ボディポート、26c…供給ボディポート)
26d…バルブ室
29a、29d…周方向連通溝
29c…軸方向連通溝
30…ノッ

Claims (5)

  1. 内部に軸方向に延在する円柱状の収納空間が形成され、かつ該収納空間を外部に開いて作動油を流出入させるスリーブポートが形成された円筒状のスリーブと、該収納空間に軸方向に移動可能に収納され、軸方向の移動によって該スリーブポートを封止するランドと外周面に凹設されて該スリーブポートを開放可能な外周連通溝とをもつ円柱状のスプールと、通電によって該スプールを軸方向に移動可能なソレノイドとを備えた電磁弁において、
    前記スリーブは、内部に円柱状のバルブ室が形成され、かつ該バルブ室を外部に開いて前記スリーブポートと整合するボディポートが形成されたバルブボディにおける該バルブ室内に固定され、該スリーブポートは、前記収納空間に繋がる内周連通溝を有さず、上記ランドの外径よりも小さい内径で該収納空間から径方向に貫設され
    上記ランドは、上記外周連通溝側の縁部にノッチを有し、
    同一の上記ランドの同一の上記縁部に形成された複数の上記ノッチは、軸心回りに等角度である90°の間隔をなし、各該ノッチの間隔角度は上記スリーブポートにおける上記収納空間側に開く開口が該軸心回りになす角度である90°と同じであることを特徴とする電磁弁。
  2. 上記スリーブポートは上記収納空間から径方向の複数箇所で貫設され、上記スリーブの外周面又は上記バルブボディの内周面には各該スリーブポートを周方向で連通する周方向連通溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
  3. 上記スリーブポートは、上記作動油を供給する供給スリーブポートと、該作動油を制御用に排出する制御スリーブポートと、該作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポートとを有し、該供給スリーブポート、該制御スリーブポート及び該ドレンスリーブポートの少なくとも一つが上記収納空間から径方向に貫設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁弁。
  4. 上記スリーブポートは、上記作動油を供給する供給スリーブポートと、該作動油を制御用に排出する制御スリーブポートと、該作動油をドレン用に排出するドレンスリーブポートと、該作動油をフィードバック用に供給するフィードバックスリーブポートとを有し、上記スリーブの外周面又は上記バルブボディの内周面には該制御スリーブポートと該フィードバックスリーブポートとを軸方向で連通する軸方向連通溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電磁弁。
  5. 上記外周連通溝は上記供給スリーブポートと対面可能な外周供給溝を有し、該外周供給溝は他の該外周連通溝より深く凹設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の電磁弁。
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