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JP4100863B2 - 光電気セル - Google Patents
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JP4100863B2 - 光電気セル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す光電気セルに関し、さらに詳しくは可視光の利用率が高く、また長期間にわたって安定的に高い光電変換効率等を維持することが可能な光電気セルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。この光電エネルギーの変換は連続的に起きているので、たとえば、太陽電池などに利用されている。
【0003】
一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体を備え、これらの電極間に電解質を封入して構成されている。
光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に太陽光を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に流れ、光電変換材料は太陽電池として機能する。
【0004】
この光電変換材料としては、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。たとえば、特開平1-220380号公報には、金属酸化物半導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。また、特表平5-504023号公報には、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。
【0005】
このような太陽電池では、電解質は溶媒に溶解して電解液として用いられる場合があり、このときの溶媒としてアルコール等の有機溶媒が用いられることがあり、さらに電解質として有機系の電解質が用いられることがある。
しかしながら、このような太陽電池では、長期間使用すると、電解質あるいは溶媒が劣化・変質したり、電解液自体が漏出することがあり、さらに光増感材が脱離したり分解することがあり、このため光電変換効率が低下するなどの問題があった。また、用途によっては性能が必ずしも充分でないことからさらに太陽光の利用率や変換効率を高めることが求められている。
【0006】
このような情況のもと、本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、基板外表面上に可視光反射防止膜および/または紫外線遮蔽膜を形成することによって、上記問題点を何れも解消した光電気セルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、可視光の利用率が高く、光増感材、有機系電解質および電解質溶解用有機溶媒等が劣化することがなく、このため長期にわたって安定的に高い光電変換効率等を維持できる光電気セルを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る光電気セルは、
表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板(P-1)と、
表面に電極層(3)を有する基板(P-2)とが、
前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有し、
金属酸化物半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
少なくとも一方の透明性を有する基板(P-1)および/または基板(P-2)の外表面上に可視光反射防止膜および/または紫外線遮蔽膜が形成されていることを特徴としている。
【0009】
前記紫紫外線遮蔽膜が透明性を有する基板(P-1)外表面に形成され、可視光反射防止膜が前記紫外線遮蔽膜上に形成されてなり、かつ
可視光反射防止膜の屈折率が紫外線遮蔽膜の屈折率よりも低いことが好ましい。
前記紫外線遮蔽膜は、Ce、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物粒子、または、Ce、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物粒子を含んでなることが好ましい。
【0010】
前記可視光反射防止膜が、可視光反射防止膜形成用塗布液を塗布・乾燥し、加熱処理して得られたものであり、
前記紫外線遮蔽膜が、紫外線遮蔽膜形成用塗布液を塗布・乾燥し、加熱処理して得られたものであることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的な説明】
以下、本発明に係る光電気セルについて具体的に説明する。
[光電気セル]
本発明に係る光電気セルは、
表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板(P-1)と、
表面に電極層(3)を有する基板(P-2)とが、
前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有し、
金属酸化物半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
少なくとも一方の透明性を有する基板(P-1)および/または基板(P-2)の外表面上に可視光反射防止膜および/または紫外線遮蔽膜が形成されていることを特徴としている。
【0012】
このような光電気セルとしては、たとえば、図1に示すものが挙げられる。
図1は、本発明に係る光電気セル10の一実施例を示す概略断面図である。
表面に透明電極層11を有し、かつ該透明電極層11表面に光増感材を吸着した半導体膜12が形成されてなる基板(P-1)と、表面に還元触媒能を有する電極層13を有する基板(P-2)とが前記電極層11および13が対向するように配置されている。
【0013】
この金属酸化物半導体膜12と電極層13との間に電解質14が封入されており、
少なくとも一方の透明性を有する基板(P-1)の外表面上に紫外線遮蔽膜16が形成され、さらに紫外線遮蔽膜16表面上に可視光反射防止膜15が形成されている。
【0014】
透明基板(P-1)としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
基板(P-2)としては使用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明絶縁性基板の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
【0015】
さらに、金属酸化物半導体膜12と電極層13との間にスペーサを介在させることによって、透明基板(P-1)、基板(P-2)として、PETフィルムなどの変形可能な基板を用いることができ、また平板状以外の形状例えば半円筒状などの形状の光電気セルとすることができる。この場合たとえば、透明であったり、薄型で任意の形状の加工であるといったフレキシブルな光電気セル等を得ることができる。
【0016】
透明基板(P-1)表面に形成された透明電極層11としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極を使用することができる。
このような透明電極層11は、熱分解法、CVD法などの従来公知の方法により形成することができる。
【0017】
また、基板(P-2)表面に形成された電極層13としては、還元触媒能を有するものであれば特に制限されるものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
【0018】
このような電極層13は、基板(P-2)上に前記電極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導電性材料を熱分解法、CDV法等の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成することができる。
なお、基板(P-2)は、透明基板(P-1)と同様に透明なものであってもよく、また電極層13は、透明電極層11と同様に透明電極であってもよい。
【0019】
透明基板(P-1)と透明電極層11の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。
これら透明電極層11および電極層13の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好ましい。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなることがある。
【0020】
金属酸化物半導体膜12は、基板(P-1)上に形成された透明電極層11上に形成されている。また金属酸化物半導体膜12は、基板(P-2)上に形成された電極層13上に形成されていてもよい。このような金属酸化物半導体膜12の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
このような金属酸化物半導体膜としては、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムから選ばれる少なくとも1種または2種以上の金属酸化物からなる金属酸化物半導体膜を挙げることができる。
【0021】
このような金属酸化物半導体膜を構成する金属酸化物粒子は従来公知の方法によって製造することができる。上記金属の無機化合物塩あるいは有機金属化合物を用い、たとえばゾル・ゲル法によって得られる含水金属酸化物のゲルまたはゾルに、必要に応じて酸またはアルカリを添加したのち、加熱・熟成するなどの従来公知の方法で製造することができる。
【0022】
前記金属酸化物粒子の平均粒子径は5〜600nm、好ましくは10〜300nmの範囲にあることが望ましい。なお、金属酸化物粒子の粒子径はレーザードップラー式粒子径測定機(日機装(株)製:マイクロトラック)によって測定することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が5nm未満であると、形成された金属酸化物半導体膜にクラックが発生しやすく、少ない回数でクラックのない厚膜を形成することが困難になることがあり、さらに金属酸化物半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し光増感材の吸着量が低下することもある。また、金属酸化物粒子の平均粒子径が600nmを超えて大きい場合には、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがある。
【0023】
さらに、前記金属酸化物粒子は、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンの1種または2種以上からなる結晶性酸化チタンであることが好ましい。このような結晶性酸化チタンはバンドギャップが高くかつ誘電率が高く、他の金属酸化物粒子に比較して光増感材の吸着量が高く、さらに安定性、安全性、膜形成が容易である等の優れた特性がある。
【0024】
また、前記金属酸化物半導体膜12は、前記金属酸化物粒子とともに酸化チタンバインダー成分を含んでいることが好ましい。
このような酸化チタンバインダー成分としては、ゾル・ゲル法などで得られた含水チタン酸ゲルまたはゾルからなる酸化チタン、含水チタン酸ゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水チタン酸を溶解したペ ルオキソチタン酸の分解物などが挙げられる。
【0025】
なお、「ペルオキソチタン酸」とは過酸化水和チタンのことをいい、このような過酸化チタンは可視光領域に吸収を有しており、チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加え、加熱することによって調製される。水和酸化チタンのゾルまたはゲルは、チタン化合物の水溶液に酸またはアルカリを加えて加水分解し、必要に応じて洗浄、加熱、熟成することによって得られる。使用されるチタン化合物としては特に制限はないが、ハロゲン化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、テトラアルコキシチタン等のチタンアルコキシド、水素化チタン等のチタン化合物を用いることができる。
【0026】
金属酸化物半導体膜12中の酸化チタンバインダー成分と金属酸化物粒子の比率は、酸化物換算の重量比(酸化チタンバインダー成分/金属酸化物粒子)で0.05〜0.50、好ましくは0.1〜0.3の範囲にあることが望ましい。重量比が0.05未満では、可視光領域の光の吸収が不充分であり、さらに光増感材の吸着量の増加しない場合がある。重量比が0.50を超えて高い場合は多孔質な金属酸化物半導体膜が得られない場合があり、さらに光増感材の吸着量を多くできないことがある。
【0027】
金属酸化物半導体膜12は、細孔容積が0.05〜0.8ml/g、平均細孔径が2〜250nmの範囲にあることが好ましい。細孔容積が0.05ml/gより小さい場合は光増感材吸着量が低くなり、また0.8ml/gを超えて高い場合には膜内の電子移動性が低下して光電変換効率を低下させることがある。また平均細孔径が2nm未満の場合は光増感材の吸着量が低下し、250nmを超えて高い場合は電子移動性が低下し光電変換効率が低下することもある。
【0028】
なお、本発明では半導体膜として、金属酸化物の代わりに、他の無機半導体材料から形成された無機半導体膜、有機半導体材料から形成された有機半導体膜、有機無機ハイブリッド半導体膜などを用いることができる。
たとえば、有機半導体材料としては、フタロシアニン、フタロシアニン−ビスナフトハロシアニン、ポリフェノール、ポリアントラセン、ポリシラン、ポリピロール、ポリアニリンなど従来公知の化合物を挙げることができる。
【0029】
次ぎに、本発明では、金属酸化物半導体膜12は光増感材を吸着している。
光増感材としては、可視光領域および/または赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
有機色素としては、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知の有機色素が使用できる。具体的には、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの有機色素は金属酸化物半導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
【0030】
また、金属錯体としては、特開平1-220380号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙げることができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
【0031】
上記の光増感材としての有機色素または金属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と金属錯体とを併用してもよい。
このような光増感材の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の方法により金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じて前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を金属酸化物半導体膜に 吸着させることもできる。
【0032】
光増感材を溶解させる溶媒としては、光増感材を溶解しうるものであればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセルソルブ、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
金属酸化物半導体膜に吸着させる光増感材の量は、金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり50μg以上であることが好ましい。光増感材の量が50μg未満の場合、光電変換効率が不充分となることがある。
【0033】
本発明に係る光電気セルは、半導体膜12と透明電極層13(透明電極層表面に半導体膜が形成されている場合は、半導体膜と電極層)とを対向して配置し、側面を樹脂などでシールし、電極間に電解質と液晶からなる電解質層14を封入して形成される。
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
【0034】
電気化学的に活性な塩としては、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。
酸化還元系を形成する化合物としては、キノン、ヒドロキノン、ヨウ素(I-/I- 3)、沃化カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウムなどが挙げられる。
【0035】
また本発明では、電解質とともに、必要に応じて液晶が使用される。
液晶としては、半導体膜に吸着した光増感材が脱着して溶解することのない程度に光増感材の溶解度の低いものであれば特に制限はなく、従来公知の液晶を用いることができる。
このような液晶としては、温度転移型液晶として従来公知のスメクティック液晶、ネマティック液晶、コレステリック液晶などを用いることができる。
【0036】
さらに、濃度転移型液晶、高分子液晶、高分子分散液晶、円盤状液晶などを用いることができる。なかでも、フッ素原子を含む液晶化合物を用いると、疎水性が高く長期安定性に優れている。
また、液晶とともに溶媒が含まれていてもよい。溶媒としては金属酸化物半導体膜に吸着した光増感材が脱着して溶解することのない程度に光増感材の溶解度の低いものが望ましい。このような溶媒として、具体的には、水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0037】
さらに、溶媒として、たとえばビニルモノマーとジビニルモノマーとの混合物、N-メチロール化合物、ジカルボン酸などの反応性モノマーのような有機高分子化(ゲル化)剤を用いることができる。このような反応性モノマーを溶媒として、前記電解質を溶解し、セルを形成した後に、モノマーを硬化させれば電解質を固体化またはゲル化とすることができるので、光電気セルからの液漏れなどを抑制することができる。
【0038】
このような電解質層における電気化学的に活性な塩の濃度は、特に制限されるものではなく、通常、液晶化合物(溶媒が含まれる場合、液晶化合物と溶媒との合計)1リットルに対して、0.01〜5モル/リットル、好ましくは0.1〜2モル/リットルの範囲にあることが望ましい。なお、電気化学的に活性な塩の濃度が0.01モル/リットル未満では、濃度が低すぎるため、光増感材または電極との電子の授受能が低下して、光電変換効率が低下することがある。また、濃度が5モル/リットルを越えると、電気化学的に活性な塩が、液晶化合物および溶媒に溶解しないことがある。
【0039】
また酸化還元系を形成する化合物の濃度は、特に制限されるものではなく、通常、液晶化合物(溶媒が含まれる場合、液晶化合物と溶媒との合計)1リットルに対して、0.01〜5モル/リットル、好ましくは0.1〜2モル/リットルの範囲にあることが望ましい。なお、酸化還元系を形成する化合物の濃度が0.01モル/リットル未満では、濃度が低すぎるため、光増感材または電極との電子の授受能が低下して、光電変換効率が低下することがある。また、濃度が5モル/リットルを越えても、電子の授受能がさらに高くなることがなく、したがって光電変換効率が向上することもない。さらに濃度が5モル/リットルを越えると、長期安定性が低下することもある。
【0040】
電解質中における酸化還元系を形成する化合物と電気化学的に活性な塩とのモル比(酸化還元系を形成する化合物/電気化学的に活性な塩)は、1/20〜3/10の範囲にあることが好ましい。
溶媒が含まれている場合、溶媒の容積(VS)と液晶の容積(VLC)との容積(VS/VLC)比は、1.0以下、好ましく0.75以下の範囲であることが望ましい。容積比が1.0を越えると液晶の割合が少ないために、前述した光散乱効果による光エネルギー利用率の効果が不充分となり、また長期安定性が向上しないことがある。
【0041】
本発明に係る光電気セルは、表面に透明電極層11を有し、かつ該電極層11表面に光増感材を吸着した半導体膜12が形成された基板5と、表面に還元触媒能を有する電極層13を有する基板6とを、前記金属酸化物半導体膜12および電極層13が対向するように配置して、側面を樹脂にてシールし、金属酸化物半導体膜12と電極層13との間に電解質、液晶、および必要に応じて液晶や溶媒を封入し、さらに電極間をリード線で接続することによって作製される。
【0042】
以上のような本発明に係る光電気セルは、電解質層に液晶が含まれている場合は、液晶の光散乱効果により、光の入射角が大きくなっても受光量が大きく低下することがなく、安定的に光エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すことができる。また、入射光のうち光増感材の励起に関与せずに半導体膜によって反射された光が、液晶の光散乱効果により再度半導体膜中の光増感材に照射されて電気エネルギーに変換されるため、光エネルギーの変換効率を高めることができる。さらにまた、液晶として疎水性を有する液晶を用いると、吸湿性を有する電解質のみを用いた場合に比較して吸湿作用が低下するため、吸湿による電解質や光増感材、あるいは溶媒の分解による劣化抑制され、この結果、長期安定性が向上する効果が得られる。
【0043】
本発明に係る光電気セルは、必要に応じて、金属酸化物半導体膜と電極層との間に、スペーサ粒子を介在させてもよい。また、半導体膜にスペーサ粒子が埋設され、かつ該スペーサ粒子の少なくとも一部が電極層と接触するように半導体膜より露出していたものであってもよい。
なお、電極層表面に金属酸化物半導体膜が形成されている場合は、対向する透明電極層と金属半導体膜との間にスペーサ粒子を介在さればよい。
【0044】
このとき、スペーサ粒子としては金属酸化物半導体膜と電極層を損傷することがなくまた互いに接触することがないようにできれば特に制限はなく、球状スペーサ粒子、棒状スペーサ粒子等が使用でき、樹脂(プラスチック)、有機無機複合体、金属酸化物あるいはセラミックス等からなる従来公知の絶縁性粒子を用いることができる。スペーサ粒子7を介在させると、特に金属酸化物半導体膜12と電極層13の間隔が約1〜50μmと小さな範囲にある光電気セルを好適に得ることができる。
【0045】
樹脂製のスペーサ粒子としては、特公平7−95165号公報等に開示された樹脂粒子などが挙げられる。
有機無機複合体のスペーサ粒子としては、特開平7−140472号公報、特公平8−25739号公報などに開示された金属アルコキシドを加水分解して得られる粒子は好適に用いることができる。
【0046】
金属酸化物あるいはセラミックス製のスペーサ粒子としては、特開平3−218915号公報、特公平7−64548号公報等に開示された真球状の粒子は好適に用いることができる。
さらに、前記した各粒子の表面に合成樹脂を融着した粒子も好適に用いることができる。このような粒子としては、たとえば特開昭63−94224号公報に開示された樹脂被覆粒子は好適に用いることができる。特に接着性の樹脂を被覆した粒子は金属酸化物半導体膜および/または電極層と接着することにより固定され移動することがなく有効に均一なギャップ調整あるいは応力吸収効果を発揮することができる。
【0047】
透明基板(P-1)の外表面上に紫外線遮蔽膜16が形成され、該紫外線遮蔽膜16の表面に可視光反射防止膜15が形成されている。
本発明では、図1に示す光電気セルに限らず、反射防止膜および紫外線遮蔽膜のいずれか一方が透明基板(P-1)または基板(P-2)の外表面に形成されていればよい。また反射防止膜自体が2層以上の反射防止膜からなる積層膜であってもよく、紫外線遮蔽膜自体が2層以上の反射防止膜からなる積層膜であってもよく、反射防止膜と紫外線遮蔽膜とが複数層積層した積層膜であってもよい。
【0048】
より好ましくは、透明基板(P-1)の外表面に紫外線遮蔽膜が形成され、該紫外線遮蔽膜表面に反射防止膜が形成されていることが望ましい。
なお、紫外線遮蔽膜と反射防止膜とでは、反射防止膜の方が屈折率が高く、紫外線遮蔽膜と反射防止膜の屈折率の差は概ね0.3以上、さらに好ましくは0.6以上あることが望ましい。屈折率の差が0.3未満の場合は反射防止性能が不充分となる。
【0049】
より好ましくは、透明基板(P-1)の外表面に紫外線遮蔽膜が形成され、該紫外線遮蔽膜表面に反射防止膜が形成されていることが望ましい。
なお、紫外線遮蔽膜と反射防止膜とでは、反射防止膜の方が屈折率が低く、紫外線遮蔽膜と反射防止膜の屈折率の差は概ね0.3以上、さらに好ましくは0.6以上あることが望ましい。屈折率の差が0.3未満の場合は反射防止性能が不充分となる。
【0050】
マトリックス
本発明に用いる反射防止膜用マトリックスとしては、得られる反射防止膜が透明性を有し、下層の基板あるいは紫外線遮蔽膜より屈折率が低く、反射防止性能を有していれば特に制限はないが、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、またはこれらの複合酸化物あるいはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等、これら樹脂の共重合体や変成体等の塗料用樹脂等が挙げられる。これらは基材等の種類、密着性、硬度、塗工性等を考慮して選択して用いることができる。
【0051】
これらのうちでも、シリカからなるマトリックスが好ましく、とくに加水分解性有機ケイ素化合物の部分加水分解物、加水分解重縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸液の部分加水分解物、加水分解重縮合物からなるシリカマトリックスが好ましく、特に下記一般式[1]で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物に由来するシリカマトリックスが好ましい。
【0052】
aSi(OR')4-a [1]
(式中、Rはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭系数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1(n=1〜4)または水素原子であり、aは0〜3の整数である。)
このようなアルコキシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
無機化合物粒子
反射防止膜には、必要に応じて無機化合物粒子が含まれていてもよく、このようなものとしては、屈折率が1.60以下、好ましくは1.50以下で、平均粒子径が5〜300nmの範囲にある酸化物微粒子または複合酸化物微粒子を好適に用いることができる。
【0053】
このような粒子として、本願出願人による特開平5−132309号公報、特開平7−133105号公報、特開平10−194721号公報、特開平10−45403号公報等に開示したシリカ系コロイド粒子を好適に用いることができる。
特に、複合酸化物微粒子の中でも、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、多孔質の核粒子または空洞と、厚さが1〜50nmの範囲にあるシリカ被覆層からなり、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機酸化物をMOxで表したときのモル比MOx/SiO2が0.0001〜0.3の範囲にあり、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあるような複合酸化物微粒子は、屈折率が通常1.40以下と低く、このような複合酸化物微粒子を含んでなる反射防止膜は屈折率が1.43以下となり、優れた反射防止性能を有している。
【0054】
本発明で使用される無機化合物粒子の平均粒子径が5nm未満の場合は、基材あるいは後述する紫外線防止膜との密着性を向上する効果が充分得られず、平均粒子径が300nmを越えると、反射防止膜の透明性が低下したり、膜にクラックが発生することがある。すなわち無機化合物粒子の平均粒子径が上記範囲にあると基材等との密着性に優れ、膜の強度にも優れた反射防止膜が得られる。
【0055】
このような反射防止膜の膜厚は、50〜500nm、好ましくは80〜300nmの範囲にあることが好ましい。
反射防止膜の膜厚が500nmを越える場合は、反射防止膜が厚すぎて光透過率が低下して透明性が悪化したり外観も悪くなる。
このような反射防止膜は以下に示す(1)または(2)の反射防止膜形成用塗布液を用いて形成される。
【0056】
(1)反射防止膜形成用塗布液
マトリックスとして、前記した樹脂を用いる場合は、反射防止膜形成用マトリックスと必要に応じて前記無機化合物粒子が水および/または有機溶媒に溶解あるいは分散された反射防止膜形成用塗布液(1)を用いる。
【0057】
反射防止膜形成用塗布液(1)中の無機化合物粒子とマトリックスの重量割合は、無機化合物粒子/マトリックス=1/99〜9/1の範囲が望ましい。重量比が9/1を越えると、形成される反射防止膜の強度が不足して実用性に欠ける一方、1/99未満では密着性や強度に優れた反射防止膜の形成が困難である。
【0058】
(2)反射防止膜形成用塗布液
マトリックスとして、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、またはこれらの複合酸化物を使用する場合、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、ケイ酸などのケイ素化合物、チタンアルコキシド、四塩化チタンなどのTi化合物、ジルコニウムアルコキシドなどのZr、Zn化合物の塩の1種または2種以上を、水および/または有機溶媒中で酸または塩基触媒の存在下、加水分解・重縮合してマトリックス前駆体分散液を調製し、マトリックス前駆体分散液に必要に応じて前記無機化合物粒子を混合して反射防止膜形成用塗布液を得る。
【0059】
このようにして得られる塗布液中に含まれるマトリックス前駆体の濃度は、酸化物換算で0.05〜10重量%の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは0.2〜5.0重量%の範囲である。
塗布液に含まれるマトリックス前駆体の濃度が0.05重量%未満の場合は、得られる膜の膜厚が薄いために耐薬品性や反射防止性能に劣ることがあり、また1回の塗布で充分な膜厚の膜を得られないことがあり、塗布を繰り返して行っても均一な膜厚の膜が得られないことがある。
【0060】
マトリックス前駆体の濃度が10重量%を越えると得られる膜にクラックが生じたり、膜の強度が低下することがある。また膜が厚すぎて反射防止性能が不充分となることがある。
このようなマトリックス前駆体の分子量はポリスチレン換算の分子量で500〜10,000の範囲にあることが好ましく、特に好ましい範囲は700〜2,500である。
【0061】
ポリスチレン換算の分子量で500未満の場合は、塗布液中に未加水分解物が存在することがあり、均一に塗布できないことがある。また仮に塗布したとしても下層との密着性に劣ることがある。ポリスチレン換算の分子量で10,000を越えると被膜の強度が低下する傾向にある。
また、塗布液中の必要に応じて用いる無機化合物粒子の濃度は、酸化物換算で0.05〜3重量%の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは0.2〜2重量%の範囲である。
【0062】
塗布液に含まれる無機化合物粒子の濃度が0.05重量%未満の場合は、無機化合物粒子の量が少なすぎて得られる反射防止膜の屈折率が充分低くならず反射防止性能に劣ることがあり、無機化合物粒子の濃度が3重量%を越えると得られる膜にクラックが生じたり、膜の強度が低下することがある。
さらにまた、本発明で使用される反射防止膜形成用塗布液(1)および(2)には、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成された微粒子、反射防止膜の透明度および反射防止性能を阻害しない程度に少量の導電性微粒子および/または染料または顔料などの添加剤が含まれていてもよい。
【0063】
反射防止膜の形成
反射防止膜の形成方法としては、特に制限はなく、真空蒸発法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの乾式薄膜形成方法、あるいはディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で塗布した後乾燥する湿式薄膜形成方法を採用することができる。
【0064】
中でも湿式薄膜形成方法は安価に反射防止膜を形成できるので好ましい。
また、得られる反射防止膜の膜厚は、50〜500nm、好ましくは80〜300nmの範囲であることが好ましい。
反射防止膜の膜厚が50nm未満の場合は、膜の強度、耐薬品性、反射防止性能等が劣ることがある。
【0065】
反射防止膜の膜厚が500nmを越えると、膜にクラックが発生したり膜の強度が低下することがあり、また膜が厚すぎて反射防止性能が不充分となることがある。
前記範囲の膜厚であると膜強度や耐擦傷性に優れるとともに優れた反射防止性能を発揮する。このため、光電気セルは太陽光の利用率が高く、高い光電変換効率を得ることができる。
【0066】
本発明では、このような反射防止膜形成用塗布液を塗布して形成した膜を、乾燥時、または乾燥後に、100℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射する。このような加熱処理、紫外線照射、電磁波照射などの処理を行うと、マトリックス前駆体の硬化が促進され、得られる反射防止膜の硬度が高くなる。
【0067】
[紫外線遮蔽膜]
紫外線遮蔽膜は、紫外線遮蔽膜形成用マトリックスとCe、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物粒子、または、Ce、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物粒子とからなっている。
【0068】
紫外線遮蔽膜用マトリックス
本発明に用いる紫外線遮蔽膜用マトリックスとしては、得られる紫外線遮蔽膜が透明性を有し、塗布面との密着性がければ特に制限はなく、前記反射防止膜用のマトリックスと同様のものが挙げられる。
具体的には、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、またはこれらの複合酸化物あるいはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等、これら樹脂の共重合体や変成体等の塗料用樹脂等が挙げられる。これらは基材等の種類、密着性、硬度、塗工性等を考慮して、適宜選択して用いることができる。
【0069】
紫外線遮蔽用粒子
紫外線遮蔽用粒子としてはCe、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物粒子、または、Ce、Fe、Ti、Sb、Zr、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物粒子が用いられる。これら粒子は紫外線遮蔽能力を有するとともに屈折率が1.8以上と高いために得られる紫外線遮蔽膜の屈折率も高ので、高い反射防止性能を有している。
【0070】
このような紫外線遮蔽用粒子として、本願出願人による特開平10−182152号公報、特開平2−178219号公報、特開昭62−283817号公報等に開示したコロイド粒子を好適に用いることができる。
このような紫外線遮蔽用粒子は、平均粒子径が5〜500nmの範囲にあることが好ましい。さらに好ましい範囲は5〜200nmである。紫外線遮蔽用粒子の平均粒子径が5nm未満の場合は、基材との密着性を向上する効果が充分得られず、平均粒子径が500nmを越えると、紫外線遮蔽膜の透明性が低下したり、膜にクラックが発生することがある。紫外線遮蔽用粒子の平均粒子径が上記範囲にあると基材等との密着性に優れ、膜の強度にも優れた紫外線遮蔽膜が得られる。
【0071】
紫外線遮蔽膜中の紫外線遮蔽用粒子の割合は1〜99重量%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましい範囲は30〜80重量%である。
紫外線遮蔽膜中の紫外線遮蔽用粒子の割合は1重量%未満の場合は紫外線遮蔽効果や基材との密着性を向上する効果が充分得られず、99重量%を越えると膜の強度が不充分となることがある。
【0072】
このような紫外線遮蔽膜は以下に示す(1)または(2)の紫外線遮蔽膜形成用塗布液を用いて形成される。
(1)紫外線遮蔽膜形成用塗布液
マトリックスとして、前記した樹脂を用いる場合は、マトリックスと前記紫外線遮蔽用粒子が水および/または有機溶媒に溶解あるいは分散された紫外線遮蔽膜形成用塗布液(1)を用いる。
【0073】
紫外線遮蔽膜形成用塗布液(1)中の紫外線遮蔽用粒子とマトリックスの重量割合は、紫外線遮蔽用粒子/マトリックス=1/99〜9/1の範囲が望ましい。重量比が9/1を越えると被膜の強度が不足して実用性に欠ける一方、1/99未満では基材との密着性や強度に優れた紫外線遮蔽膜の形成が困難である。
(2)紫外線遮蔽膜形成用塗布液
マトリックスとして、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、またはこれらの複合酸化物を使用する場合、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、ケイ酸などのケイ素化合物、チタンアルコキシド、四塩化チタンなどのTi化合物、ジルコニウムアルコキシドなどのZr、Zn化合物の塩の1種または2種以上を、水および/または有機溶媒中で酸または塩基触媒の存在下、加水分解するとマトリックス前駆体分散液を調製したのち、このマトリックス前駆体分散液に必要に応じて前記紫外線遮蔽用粒子を混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液を得る。
【0074】
このようにして得られる塗布液中に含まれるマトリックス前駆体の濃度は、酸化物換算で0.05〜10重量%の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは0.2〜5.0重量%の範囲である。
このようにして得られる塗布液中に含まれるマトリックス前駆体の濃度は、酸化物換算で0.05〜10重量%の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは0.2〜5.0重量%の範囲である。
【0075】
塗布液に含まれるマトリックス前駆体の濃度が0.05重量%未満の場合は、1回の塗布で充分な膜厚の膜を得られないことがあり、塗布を繰り返して行っても均一な膜厚の膜が得られないことがある。
マトリックス前駆体の濃度が10重量%を越えると得られる膜にクラックが生じたり、膜の強度が低下することがある。また得られる膜の膜厚が不均一になったり、表面の平坦性に欠ける傾向がある。
【0076】
また、塗布液中の紫外線遮蔽用粒子の濃度は、酸化物換算で0.05〜30重量%の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは1〜10重量%の範囲である。
塗布液に含まれる紫外線遮蔽用粒子の濃度が1重量%未満の場合は、紫外線遮蔽用粒子の量が少なすぎて得られる紫外線遮蔽膜の紫外線遮蔽能に劣ることがあり、紫外線遮蔽用粒子の濃度が30重量%を越えると得られる膜にクラックが生じたり、膜の強度が低下することがある。
【0077】
さらにまた、本発明で使用される紫外線遮蔽膜形成用塗布液(1)および(2)には、紫外線遮蔽膜の透明度および紫外線遮蔽効果を阻害しない程度に少量の導電性微粒子および/または染料または顔料などの添加剤が含まれていてもよい。
紫外線遮蔽膜の形成
紫外線遮蔽膜の形成方法としては、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で塗布した後、乾燥する湿式薄膜形成方法を好適に採用することができる。
【0078】
このとき、得られる紫外線遮蔽膜の膜厚は10〜500nm、好ましくは50〜200nmの範囲であることが好ましい。
紫外線遮蔽膜の膜厚が10nm未満の場合は、膜の強度、紫外線遮蔽能などのが低下したり、可視光低反射能が不充分となることがある。
紫外線遮蔽膜の膜厚が500nmを越えると、膜にクラックが発生したり膜の強度が低下することがあり、また膜が厚すぎて可視光低反射能が不充分となることがある。
【0079】
前記範囲の膜厚であると膜強度に優れるとともに優れた紫外線遮蔽能を発揮する。このため、光電気セルは、長期間使用しても電解質あるいは溶媒が劣化・変質したり、変質して漏出することがなく、分光増感色素を脱離させたり劣化させることもなく、このため高い光電変換効率(性能)を長期間維持することができる。
【0080】
本発明では、このような紫外線防止膜形成用塗布液を塗布して形成した膜を、乾燥時、または乾燥後に、100℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射することができる。このような処理によって、マトリックス前駆体の硬化が促進され、得られる紫外線防止膜の硬度が高くなる。
【0081】
以上のような本発明に係る光電気セルは、基板の外表面上に可視光反射防止膜形成されている場合、照射可視光のうち入射光が多く可視光利用率の高い光電気セルを得ることができる。また紫外線遮蔽膜が形成されている場合、また長期間使用しても電解質あるいは溶媒が劣化・変質したり、変質して漏出することがなく、またし分光増感色素を脱離させたり劣化させることもない。このため、本発明によれば、高い光電変換効率(性能)を長期間維持できる光電気セルを得ることができる。
【0082】
また、上記可視光反射防止膜および/または紫外線遮蔽膜は反射防止膜形成用塗布液および/または紫外線遮蔽膜形成用塗布液を用いることにより形成できる。このような被膜は、膜強度、基材との密着性、透明性等に優れるとともに安価に形成することができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、照射可視光のうち入射光が多くこのため可視光利用率の高い光電気セルを得ることができるとともに、また長期間使用しても電解質あるいは溶媒が劣化・変質したり、変質して漏出することがなく、分光増感色素を脱離させたり劣化させることもなく、高い光電変換効率(性能)を長期間維持できる光電気セルを得ることができる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0085】
【実施例1】
マトリックス前駆体分散液の調製
正珪酸エチル(TEOS)(SiO2:28重量%)50g、エタノール194.6g、濃硝酸1.4gおよび純水34gの混合溶液を室温で5時間撹拌してSiO2濃度5重量%のマトリックス前駆体分散液を調製した。
【0086】
紫外線遮蔽膜形成用塗布液の調製
上記マトリックス前駆体分散液100gに紫外線遮蔽用粒子として酸化チタンコロイド(触媒化成工業(株)製:HPW-15R、平均粒子径15nm、濃度30重量%)100gを混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液(A)を調製した。
可視光反射防止膜形成用塗布液の調製
まず、以下のようにして粒子内部が空洞である無機化合物粒子を調製した。
【0087】
平均粒径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル10gと純水190gとを混合して反応母液を調製し、95℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であった。この反応母液に、SiO2に換算して1.5重量%の濃度のケイ酸ナトリウム水溶液24,900gと、Al23に換算して0.5重量%の濃度のアルミン酸ナトリウム水溶液36,800gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を95℃に保持した。反応液のpHは、ケイ酸ナトリウムおよびアルミン酸ナトリウムの添加直後、12.5に上昇し、その後、ほとんど変化しなかった。
【0088】
添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2・Al23多孔質物質前駆体粒子の分散液を調製した。
次いで、この多孔質物質前駆体粒子の分散液500gを採取し、純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られたケイ酸液(SiO2濃度3.5重量%)3,000gを添加して多孔質物質前駆体粒子表面にシリカ保護膜を形成した。得られた多孔質物質前駆体粒子の分散液を、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%に調整したのち、多孔質物質前駆体粒子の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行ったのち、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、粒子前駆体分散液を調製した。
【0089】
上記粒子前駆体分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2:28重量%)104gを添加し、粒子前駆体表面にエチルシリケートの加水分解重縮合物でシリカ外殻層を形成することによって、外殻層内部に空洞を有する粒子を作製した。次いで、エバポレーターで固形分濃度5重量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、限外濾過膜を用いて分散媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の内部が空洞である無機化合物粒子の分散液を調製した。
【0090】
得られた粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。その結果、外殻層内部に空洞が形成された粒子が得られた。またこの粒子のAl23/SiO2モル比は0.0022、平均粒子径は96nm、屈折率は1.31であった。次いで、先に調製したSiO2濃度5重量%のマトリックス前駆体分散液に、エタノール/ブタノール/ジアセトンアルコール/イソプロピルアルコール(2:1:1:5重量混合比)の混合溶媒を加え、上記で調製した無機化合物粒子分散液を無機化合物粒子の濃度が0.2重量%、マトリックス前駆体SiO2濃度1重量%の可視光反射防止膜形成用塗布液(A)を調製した。
【0091】
紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板の調製
フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板を40℃に保持しながら、電極の反対側の面に紫外線遮蔽膜形成用塗布液(A)をスピナー法で100rpm、90秒の条件で、紫外線遮蔽膜の膜厚が120nmとなるように塗布し乾燥した。
【0092】
ついで、紫外線遮蔽膜上に、同じように、スピナー法で100rpm、90秒の条件で、可視光反射防止膜の膜厚が100nmとなるように塗布し乾燥し、160℃で30分間加熱処理して紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板(A)を調製した。
紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板(A)について、反射率計(大塚電子(株)製:MCPD-2000)を用いて反射率を測定した。なお波長400〜700nmの範囲で反射率が最も低い波長での反射率をボトム反射率として、また波長400〜700nmの範囲における平均反射率を視感反射率とした。
【0093】
結果を表1に示す。
半導体膜用金属酸化物粒子の調製
5gの水素化チタンを1Lの純水に懸濁し、濃度5%過酸化水素液400gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(A)を調製した。X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。平均粒子径は表40nmであった。
【0094】
半導体膜形成用塗布液の調製
次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(A)を濃度10%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン酸溶液を混合し、この混合物中のチタンをTiO2に換算したときの重量の30重量%となるように、膜形成助剤であるヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。
【0095】
半導体膜の形成
次いで、上記紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜を形成した電極付き透明ガラス基板の電極面上に塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソチタン酸を分解(加水分解・重縮合)させ、半導体膜を硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(A)を形成した。
【0096】
得られた酸化チタン半導体膜(A)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示す。
分光増感色素の吸着
分光増感色素としてシス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この分光増感色素溶液を、rpm100スピナーを用いて、酸化チタン半導体膜(A)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン膜(A)の比表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示す。なお、塗布乾燥後の半導体膜の重量増分を吸着量とした。
光電気セルの作成
先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エチレンの体積比が1:4の比でを混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素とを、それぞれの濃度が0.46モル/L、0.06モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調製した。
【0097】
前記で調製した紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板(A)電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(A)を作製した。
【0098】
得られた光電気セルについて、以下の評価を行った。
性能評価 (1)
光電気セル(A)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を照射して、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定し結果を表に示した。
【0099】
性能評価 (2)
光電気セル(A)の可視光反射防止膜面上20cmの距離からアイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製:100mW/cm2)を10時間照射し、性能評価(1)と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表に示した。
【0100】
【実施例2】
紫外線遮蔽用粒子として酸化チタン・酸化鉄複合コロイド(触媒化成工業(株)製:サンベールF、平均粒子径25nm、濃度30重量%)100gを混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液(B)を調製して用いた以外は実施例1と同様にして、光り電気セル(B)を作製し、性能評価(1)および性能評価(2)を行った。
【0101】
結果を表1に示す。
【0102】
【実施例3】
紫外線遮蔽用粒子として酸化セリウムコロイド(触媒化成工業(株)製:サンベールA、平均粒子径18nm、濃度30重量%)100gを混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液(C)を調製して用いた以外は実施例1と同様にして光電気セル(C)を作製し、性能評価(1)および性能評価(2)を行った。
【0103】
結果を表1に示す。
【0104】
【実施例4】
紫外線遮蔽用粒子として酸化チタン・酸化ジルコニウム複合コロイド(触媒化成工業(株)製:サンベールZ、平均粒子径20nm、濃度30重量%)100gを混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液(D)を調製して用いた以外は実施例1と同様にして光電気セル(D)を作製し、性能評価(1)および性能評価(2)を行った。
【0105】
結果を表1に示す。
【0106】
【実施例5】
紫外線遮蔽膜形成用塗布液の調製
紫外線遮蔽用粒子として酸化チタンコロイド(触媒化成工業(株)製:HPW-15R、平均粒子径15nm、濃度30重量%)100gを用い、これを限外濾過膜に通し、分散媒をエタノールに置換した。このエタノールゾル(固形分濃度5重量%)50gと、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007)3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒47gとを充分に混合して紫外線遮蔽膜形成用塗布液(E)を調製した。
【0107】
可視光反射防止膜形成用塗布液の調製
実施例1で用いた、分散媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の内部が空洞である無機化合物粒子の分散液に、さらにエタノールを加えて固形分濃度を5重量%に調製し、これを50g採取し、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007)3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒47gとを充分に混合して可視光反射防止膜形成用塗布液(E)を調製した。
【0108】
紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板の調製
フッ素ドープした酸化スズを電極層として形成した透明ポリイミドフィルム基板を40℃に保持しながら、電極の反対側の面に紫外線遮蔽膜形成用塗布液(E)をバーコーター法(スピナー法で100rpm、90秒の条件)で、紫外線遮蔽膜の膜厚が100nmとなるように塗布し乾燥した。
【0109】
ついで、紫外線遮蔽膜上に、同じように、バーコーター法(スピナー法で100rpm、90秒の条件)で、可視光反射防止膜の膜厚が100nmとなるように塗布し乾燥し、160℃で30分間加熱処理して紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板(E)を調製た。
紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ガラス基板(E)について、平均反射率を視感反射率を測定した。結果を表1に示す
半導体膜の形成
次いで、上記紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜を形成した電極付き透明ガラス基板の電極面上に、実施例1で用いたと同じ半導体膜形成用塗布液を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、半導体膜を硬化させた。
【0110】
さらに、250℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(E)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(E)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示す。
分光増感色素の吸着
次に、実施例1と同様に、分光増感色素(シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体を吸着させた。吸着量を表1に示す。
光電気セルの作成
前記で調製した紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜付ポリイミドフィルム基板電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ポリイミドフィルム基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(E)を作製し、実施例1と同様にして性能評価(1)および性能評価(2)を行った。
【0111】
結果を表1に示す。
【0112】
【比較例1】
光電気セルの作成
実施例1において、紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜を形成することなくフッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板を用いた以外は実施例1と同様にして光電気セル(F)を作製し、性能評価(1)および性能評価(2)を行い結果を表に示した。
【0113】
【比較例2】
光電気セルの作成
実施例5において、紫外線遮蔽膜・可視光反射防止膜を形成することなくフッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ポリイミドフィルム基板を一方の電極として用いた以外は実施例5と同様にして光電気セル(G)を作製し、性能評価(1)および性能評価(2)を行った。
【0114】
結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
Figure 0004100863

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光電気セルの一実施例の模式断面図を示す。
【符号の説明】
10……光電気セル
11……透明電極層
12……半導体膜
13……表面に還元触媒能を有する電極層
14……電解質
15……可視光反射防止膜
16……紫外線遮蔽膜
P-1、P-2……基板

Claims (5)

  1. 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板(P-1)と、
    表面に電極層(3)を有する基板(P-2)とが、
    前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
    少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有し、
    金属酸化物半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
    少なくとも一方の透明性を有する基板(P-1)および/または基板(P-2)の外表面上に、 e 、F e 、T i 、S b 、Zr、Z n からなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物粒子、または、C e 、F e 、T i 、S b 、Zr、Z n からなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物粒子を含んでなる紫外線遮蔽膜が形成されていることを特徴とする光電気セル。
  2. 紫外線遮蔽膜が透明性を有する基板(P-1)外表面に形成され、可視光反射防止膜が前記紫外線遮蔽膜上に形成されてなり、かつ
    可視光反射防止膜の屈折率が紫外線遮蔽膜の屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の光電気セル。
  3. 前記可視光反射防止膜が、可視光反射防止膜形成用塗布液を塗布・乾燥し、加熱処理して得られたものであり、
    前記紫外線遮蔽膜が、紫外線遮蔽膜形成用塗布液を塗布・乾燥し、加熱処理して得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光電気セル。
  4. 紫外線遮蔽膜と可視光反射防止膜との屈折率差を0.3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電気セル。
  5. 前記可視光反射防止膜が、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、多孔質の核粒子または空洞と、厚さが1〜50nmの範囲にあるシリカ被覆層からなり、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機酸化物をMOxで表したときのモル比MOx/SiO2が0.0001〜0.3の範囲にあり、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあるような複合酸化物微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電気セル。
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