JP4101018B2 - 光ファイバ用自己遮断コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ内部破壊自己進行現象が発生した場合、これを自己遮断する光ファイバ用自己遮断コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の光ファイバ通信においては、高出力光が必要な光源発生機器,装置が要求されるようになってきている。
【0003】
このような光源発生機器によって、光ファイバに数ワットの光パワーを入力した場合、ファイバの局部曲げにより高出力光が集まり発熱することや、ファイバ面の不純物が高出力光を吸収し発熱することなどによりファイバ内部破壊自己進行現象(以下、ファイバフューズという)を発生させることがある。
【0004】
ファイバフューズが発生したファイバ内部は、高温になり高温になることで上記現象をさらに加速し光を集光し、発生箇所をさらに高温にする。このとき更に光源から光の入力を続けるとファイバフューズは光源側に次々に進行する。
例えば、光ファイバフューズ関連技術として下記のような特許文献がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−277685
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなファイバフューズが発生すると、発生した光ファイバ線路では光源側に破損が進み、最終的には、光源を有する伝送装置まで高温部位が進行して装置を破損してしまうという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされてたもので、ファイバフューズが発生してもファイバ線路破損の被害を抑え、光源装置等への進行を遮断し、更なるファイバフューズの発生を防止する光ファイバ用自己遮断コネクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ファイバフューズが発生した場合に、光源側への進行を遮断するためには、光の伝送媒体部位であるファイバコアを物理的に遮断し、かつ、その遮断点で光源からの高出力光による発熱を再発させない部位をもつことが、ファイバフューズの進行防止の有力な手段である。
【0009】
従って、本発明は、ファイバフューズが発生した場合の光ファイバ内の発熱により、相対する光ファイバコアの軸ずれを生じさせ、入力光の光パワーを弱める伝送路上に設ける光ファイバ用自己遮断コネクタを提供することにより、上記課題を達成するものである。
【0010】
本発明の第1の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、光コネクタ内の光ファイバの発生熱により前記光コネクタが変形し、前記光コネクタの端面の相対する前記光ファイバコア同士が位置ずれを起こすことにより、前記光コネクタの接続点で伝達する光パワーを減少させる光ファイバ用自己遮断コネクタであって、前記コネクタは、(1)出射側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である出射側フェルールと、(2)受光側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である受光側フェルールと、を互いに非対称的に嵌合し一体化させて成る、
ことを特徴とする光ファイバ用自己遮断コネクタである。
【0011】
本発明の他の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、出射側フェルールと受光側フェルールが、それぞれ直方体状のフェルールであり、出射側及び受光側フェルールの接続端面に垂直な面の一つの面のみに設けられ、少なくとも1以上の前記光ファイバを取りつけるための接着剤を注入される所定の大きさの接着剤窓を備え、出射側の接着剤窓及び受光側の接着剤窓に注入する接着剤の膨張率と出射側フェルール及び受光側フェルールの膨張率が大きく異なるフェルールであることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、出射側の接着剤窓と受光側の接着剤窓が、ファイバ端面に近づけた位置に形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、出射側及び受光側フェルールが、出射側及び受光側フェルールの断面が凹型であり、凹型の溝の底辺部に光ファイバを収める少なくとも1つ以上のV型溝を設け、V型溝に収めた光ファイバを押さえる所定の大きさの出射側ファイバ押さえ部材及び受光側ファイバ押さえ部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、フェルールとファイバ押さえ部材が、出射側フェルールと受光側フェルールの熱膨張率と、出射側ファイバ押さえ部材と受光側ファイバ押さえ部材の熱膨張率が大きく異なるフェルールとファイバ押さえ部材であることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、ファイバ内部破壊自己進行現象が発生したとき熱による変形により、前記出射側および受光側のファイバコアの相対軸ずれが、1000nm付近の波長を利用する線路では、少なくとも、5μm以上、1500nm付近の波長を利用する線路では、少なくとも、4μm以上を満足させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明を図を参照しながら説明する。本発明の光ファイバ用自己遮断コネクタは、光コネクタ内の光ファイバの発生熱により前記光コネクタが変形し、前記光コネクタの端面の相対する前記光ファイバコア同士が位置ずれを起こすことにより、前記光コネクタの接続点で伝達する光パワーを減少させる光ファイバ用自己遮断コネクタであって、
前記コネクタは、
(1)出射側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である出射側フェルールと、
(2)受光側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である受光側フェルールと、を互いに非対称的に嵌合し一体化させて成る、ことを特徴とする光ファイバ用自己遮断コネクタである。
【0017】
一般的に光通信の増幅励起光に利用される波長は、1000nm付近、又は1500nmであり、また利用されるハイパワー光のパワー最大値は約3W(ワット)である。ここで、ファイバフューズの進行が止まるパワーは、1000nm付近の波長では約1W以下、また1500nm付近の波長では、約1.5W以下であることを実験的に確認している。
【0018】
従って、1000nm付近の波長を利用する線路においては光パワーが1/3以下に、また1500nm付近の波長を利用する線路においては光パワーが1/2以下になるようなパワー減衰部である光ファイバ用自己遮断コネクタを設置する。
【0019】
ここで、光ファイバ用自己遮断コネクタのパワーを減衰させるためには、コネクタ内のファイバの自己発熱によるコネクタ自己変形によるファイバ同士の相対的コア軸ずれによって生じる損失を利用する。
【0020】
次に、ファイバのコア軸ずれ量について説明する。
光パワーの減衰量、1/3、1/2は、デシベル換算するとそれぞれ、−4.8db、−3dbに相当する。ここで、一般的にファイバコアの相対的軸ずれによる損失(減衰量)Lは、以下の式で表される。
L=4.34×(R/W)2 R:軸ずれ W:モードフィールド径
【0021】
従って、通常のSMファイバ(シングルモードファイバ)の場合では、以下の式で表される。
L≒0.19×R2
4.8db及び3dbの減衰させる軸ずれ量は、以下のように計算される。
4.8dbの場合 : R≒√(4.8/0.19)≒5μm
3.0dbの場合 : R≒√(3.0/0.19)≒4μm
【0022】
このように、ファイバフューズが発生した場合、熱変形による接続点における両コネクタの相対的なファイバコアの軸ずれ量が、上記に示した軸ずれ量以上であれば、伝達する光パワーを減衰させることができる。
【0023】
従って、以下に示す実施形態においては、ファイバ内部破壊自己進行現象が発生したとき熱による変形により、出射側および受光側のファイバコアの相対的なファイバコアの軸ずれ量が、1000nm付近の波長を利用する線路においては、5μm以上、また、1500nm付近の波長を利用する線路においては4μm以上を満足させるものである。
【0024】
なお、ファイバコア軸ずれ量が大きすぎて、ファイバコアの付き合わせ部分がファイバのクラッドを外れてしまい、フェルール端面部に高出力の光が照射されると、その接続点において、再ファイバフューズが発生する恐れがある。光ファイバ用自己遮断コネクタは、高出力光を拡散させ、発熱を再発させないものでなければならない。それゆえ、ファイバフューズを再発させないためには、光はファイバのクラッドの領域に放出することが望ましい。
【0025】
また、光のパワーを完全に遮断または光のパワーを完全にクラッドに放出する必要はなく、集中する光のパワーを減衰させ、ファイバフューズを遮断し、再発させない光ファイバ用自己遮断コネクタであれば良い。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図である。
本発明の実施形態に係るコネクタは、接続する両コネクタのファイバ同士のつき合わせ位置決め機構に勘合ピンを利用したコネクタであり、その位置あわせ精度、信頼性において実績がある多心コネクタであるMTコネクタ(Mechanically Transferable Splicing Connector)の接続構造を利用している。
【0027】
勘合ピン9,10をそれぞれ勘合孔5,6に挿入することにより、フェルール3,4を結合し、ファイバ14からファイバ14−nとファイバ13からファイバ13−nは、位置決めされる。また、この勘合ピン9,10により、フェルール3、4が結合され、一体化される。
【0028】
なお、ファイバケーブル2は、ファイバケーブル挿入窓口15からフェルール4のファイバ端面まで挿入され、接着剤を注入する窓部11から注入される接着剤によって、フェルール4内部に固定される。
【0029】
フェルール3についても、同様に、ファイバケーブル1は、ファイバケーブル挿入窓口からフェルール3のファイバ端面まで挿入され、接着剤を注入する窓部12から注入される接着剤によって、フェルール3内部に固定される。
【0030】
図2(a)は、本実施形態に係るコネクタにおけるフェルールの側面図であり、図2(b)は、本実施形態に係るコネクタにおけるフェルールの平面図である。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態に係る光ファイバ用自己遮断コネクタについて説明する。
本実施形態のフェルールは、直方体状のフェルールであり、出射側の接着剤窓と受光側の接着剤窓に注入する接着剤の膨張率と出射側フェルールと受光側フェルールの膨張率が大きく異なる接着剤とフェルールであることが特徴である。
【0032】
光ファイバ用自己遮断ファイバケーブル2の先端に被覆を剥がしたファイバの心線14は、孔16に挿入され、接着剤を注入する窓部11から接着剤を注入し、フェルール4内に固定される。
なお、図2(a)は、ファイバ固定部を上下方向に2段に配設した例である。また、図2(b)は、ファイバ固定部を横方向に8個並列にした配設した例である。図2によるフェルール4は、合計16対のファイバを結合することが可能である。
【0033】
図2(a)に示すように、接着剤の注入窓口11は、フェルール4の片側のみに配設されているため、フェルール3,4は、勘合ピン孔5,6の中心線に対して非対称構造になる。
図3は、温度変化によりフェルールが変形した場合のコネクタの斜視図である。このように非対称構造によって、接着剤の熱膨張率とフェルールの熱膨張率の差があれば、図3に示すようにフェルール3,4の上下方向に変形が発生する。
【0034】
なお、接着剤は、接着剤を注入する窓部11から注入され、中空全体に充てんされるため、コネクタは、接着剤とフェルールの一体構造となる。上述したように、コネクタの変形の主たる起因は、接着剤の熱膨張率とフェルールの熱膨張率の差である。
【0035】
従って、所定の温度条件下において、上記両者の熱膨張率の差をパラメータとし、接着剤とフェルールとの体積量の比率関係及び接着剤の重心位置とフェルールの重心位置の関係により、ファイバの軸ずれ量、即ち、勘合ピン間の中心線からの軸ずれ量が定まることになる。
【0036】
図4(a)は、フェルール4が変形した場合の例の正面図であり、図4(b)は、フェルール3が変形した場合の例の正面図である。図4(a)においては、勘合ピン間の中心線から上部方向にファイバ面のコア軸がずれている例を示す。一方、図4(b)では、勘合ピン間の中心線から下部方向にファイバ面のコア軸がずれている例を示す。
【0037】
図4(b)において、フェルールの下部分の熱膨張率が、フェルールの上部分の熱膨張率より大きいことを示している。
逆に、フェルールの下部分の熱膨張率が、フェルールの上部分の接着剤を含む全体的熱膨張率より小さければ、勘合ピン間の中心線から下部方向にファイバ面の軸ずれが起きることになる。
【0038】
なお、フェルール3とフェルール4は、互いに非対称的に勘合する必要がある。フェルール3とフェルール4は、同じ非対称構造を有しているため、互いに対称的に勘合すれば当然、単体コネクタによるファイバの軸ずれ量が失われてしまうからである。
従って、コネクタ全体で非対称結合することによって、コネクタ全体の軸ずれ量は、単体のコネクタの軸ずれ量の2倍程度となる。
【0039】
また、ファイバ端面から見た水平方向の軸ずれ量は、同一構造の単体コネクタによる非対称結合においては、ほぼ同相でずれるため、垂直方向の軸ずれ量に比較して小さい。よって、ファイバ端面から見た垂直方向のずれ量が、ファイバの軸ずれ量となる。
【0040】
図5は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
図5に示す実施形態は、接着剤を注入する窓部12の位置を、よりファイバ端面側に、近づけた例である。
【0041】
ファイバ端面から接着剤を注入する窓部12の位置までの距離をαとする。αを小さくすればするほど、フェルール3の下部分の熱膨張率とフェルール3の上部分の全体的熱膨張率(フェルール及び接着剤の等価熱膨張率、以下、等価熱膨張率と呼ぶ。)の差がフェルールのファイバ端面の変形にあらわれ、ファイバ面の軸ずれ量に影響しやすくなる。
【0042】
従って、ファイバ端面から接着剤を注入する窓部12の位置までの距離αを調整することにより、所定の温度条件下において、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことが可能である。
【0043】
図6は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
図6に示す実施形態のフェルール3は、接着剤を注入する窓部12の横幅と縦幅の大きさを大きくしたものである。即ち、横幅A1を大きくしてAとし、縦幅B1を大きくしてBとしたものである。
【0044】
フェルール3の上部分の熱膨張率とフェルール3における下部分の等価熱膨張率の差がフェルールのファイバ端面の変形に表れ、ファイバ面の軸ずれ量に影響しやすくなる。
このように、所定の温度条件下において、フェルールの上部面積に対応して、横幅の大きさA及び縦幅の大きさBを調整することにより、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことが可能である。
【0045】
図7(a)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図である。また、図7(b)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
図7に示す実施形態のフェルール3は、その高さを低くしたものである。図7(a)に示すように高さ(ファイバ端面から見て垂直方向)β1を低くしβとしたものである。
【0046】
フェルール3の全体の体積量に比較して、接着剤の体積量を相対的に増加させることによって、フェルール3における上部分とフェルール3における下部分の非対称構造の影響を受けやすくする。高さβを調整することで、所定の温度条件下において、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことができる。
【0047】
図8は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
図8に示す実施形態のフェルール3は、その横幅を広くしたものである。即ち、横幅を規定の幅γ1に対して、γにしたものである。単に、横幅を広くしただけでは、フェルールの熱膨張率が支配的となり、非対称構造性のメリットが失われる。
そこで、フェルール3の横幅に対応して、フェルール3における接着剤の注入窓口12の横幅も広げたもので、接着剤の体積量も同時に増加させ、フェルール3の上部分とフェルール3における下部分の非対称構造性を保持したものである。
【0048】
従って,フェルール3の下部分とフェルール3の上部分の体積量を増加させることによって、ファイバコア軸ずれ量の調整幅(ダイナミックレンジ)を大きくすることを可能とするものである。
横幅γ及び接着剤の注入窓口12の幅A2を調整することにより、所定の温度条件下において、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことが可能である。
【0049】
図9は、本発明の他の実施形態である光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図を示す。
本発明の光ファイバ用自己遮断コネクタは、出射側及び受光側フェルールが、出射側及び受光側フェルールの断面が凹型であり、凹型の溝の底辺部に光ファイバを収める少なくとも1つ以上のV型溝を設け、V型溝に収めた光ファイバを押さえる所定の大きさの出射側ファイバ押さえ部材及び受光側ファイバ押さえ部材を備えている。
【0050】
光ファイバ用自己遮断コネクタは、凹型のフェルール20,21を有し、凹型の底部にV溝アレイ25を並列に設け、このV溝上に光ファイバを設置する。
さらに、その上部から光ファイバ押さえ材22、23により光ファイバを押さえ、接着剤により光ファイバ24、24−n及び光ファイバ押さえ材22,23をフェルール20、21に接着させる。
【0051】
フェルール20とフェルール21は、上述したMTコネクタの変形型コネクタと同様に、勘合孔に勘合ピンを挿入することで一体化する。
本光ファイバ用自己遮断コネクタ単体は、勘合ピン間を結ぶ中心線に対して、非対称構造により、上下方向に光ファイバコアの軸ずれ量を生じさせることを狙ったものである。
【0052】
従って、一体化した場合の全体コネクタは、各単独コネクタを非対称に結合し、相対的に単独コネクタのずれ量の2倍のずれ量を生じさせることを狙ったものである。
また、逆に、非対称に結合しなかった場合には、軸ずれは、同相方向になるため、軸ずれ量が生じないことになる。
なお、フェルール20のV溝アレイは、文字どおりV形をなしており、フェルール20のファイバ端面は、凹型である。一方、フェルール20とフェルール20とを結合したとき、フェルール21のV溝アレイは、逆向きV形であり、フェルール21は、逆向き凹型である。
【0053】
図10は、本発明の他の実施形態を示すフェルール20の正面図である。
図10に示す実施形態のフェルール20は、ファイバ24、24−nを押さえるファイバ押さえ材の厚さを本来の厚さγ1を薄くしてγとするものである。
フェルール20、21の非対称部分の位置するファイバ押さえ材22とフェルールにおける等価熱膨張率とフェルール20,21における下部分の熱膨張率の差により、フェルールの縦方向の変形をもたらし、ファイバコアの軸ずれが発生する。
【0054】
フェルール20の上部にあるファイバ押さえ材22の体積量がフェルール20の下部の体積量に比較して、相対的に小さくなる。従って、フェルールにおける上部分の幅方向の熱膨張が、フェルールにおける下部分の熱膨張よりも小さくし、フェルールの縦方向の変形量を促進させる。このことより、ファイバコアの軸ずれの大きさも促進される。
【0055】
ファイバ24,24−nのファイバ押さえ材22の高さをγからγ1に調整して、所定の温度条件下において、上述したファイバコアの軸ずれ量を満たすことが可能である。
【0056】
図11は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図である。
図11に示す実施形態のフェルール20は、その高さδをδ1に小さくしたものである。
フェルール20の体積量がファイバ押さえ材22の体積量に比較して、相対的に小さくなる。従って、フェルール20における上部分の幅方向の熱膨張が、下部分よりも大きくし、フェルール20の縦方向の変形量を促進させる。このことより、ファイバコアの軸ずれの大きさも促進される。
ファイバ24,24−nのファイバ押さえ材22の高さδをからδ1に調整して、所定の温度条件下において、上述したファイバコアずれ量を満たすことが可能である。
【0057】
図12(a)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図である。
なお、図12(b)は、本実施形態を説明するフェルールの正面図である。
図12に示す実施形態のフェルール20は、その横幅を広くしたものである。即ち、横幅を規定幅のW1に対して、Wにしたものである。ここで、単に、横幅を広くしただけでは、フェルール20の熱膨張率が支配的となり、非対称構造性のメリットが失われる。
【0058】
そこで、フェルール20の横幅に対応して、フェルール20におけるファイバ押さえ材22の横幅も広げたもので、ファイバ押さえ材22の体積量も同時に増加させ、フェルール20の上部分とフェルール20の下部分の非対称構造性を保持したものである。
従って,フェルール20の下部分とフェルール20の上部分の体積量を増加させることによって、ファイバコア軸ずれ量の調整幅(ダイナミックレンジ)を大きくすることを可能とするものである。
【0059】
フェルール20の横幅Wを調整することで、所定の温度条件下において、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことができる。
【0060】
図14(a)は、本発明の他の実施形態に係る光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図である。また、図13は、本発明の他の実施形態を説明する従来の光ファイバ用コネクタの斜視図である。
【0061】
単心光コネクタ30,30−1は、アダプタ34を介して結合される。アダプタ34内の円筒状のスリーブ31は、円筒状のフェルール32、32−1内のファイバの位置決めをする。この場合の位置決め基準軸は、スリーブ31の中心軸である。なお、単心コネクタの例として、FC,SC,MV,LC等のコネクタがある。
【0062】
これまで上述した実施形態は、多心光ファイバを固定するフェルールを備えたコネクタの実施形態であるが、本実施形態に係る光ファイバ用自己遮断コネクタは、単心光ファイバを固定するフェルールを備えたコネクタを利用する。
【0063】
図13に示した従来の円筒形のフェルール32,32−1の一部に欠落部分36を設けて、非対称形のフェルール35としたものである。このフェルール35の中心にファイバ33が固定されている。さらに、従来のコネクタと同様に、スリーブ31がこのフェルール35を包み込み、このスリーブ31対するフェルール35の外面部を基準にファイバ33の位置決めを行う。
【0064】
図14(b)は、温度変化前のフェルールの正面図である。
図14(c)は、温度変化後によるフェルールが変形した場合を示す正面図である。
【0065】
ファイバフューズが進行して本コネクタ内に達したときにファイバが融解するほどの高温の熱源により、非対称フェルールが熱膨張により変形し、ファイバコアの軸ずれδ2が発生する。非対称性の度合いを調整することにより、所定の温度条件下において、上述したファイバコアずれ量を満たすことが可能である。
【0066】
図15(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る非対称形フェルールの正面図である。非対称形フェルールの例であり、温度変化があった場合には、同様にファイバの軸ずれが生じ、上述したファイバコア軸ずれ量を満たすことが可能である。
【0067】
上記に説明した実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、以下のような効果を奏するものである。
ファイバフューズが発生した場合に、光の伝送媒体部位であるファイバの自己発生熱によるコネクタ自己変形により、コネクタ端面のファイバコアの相対的位置ずれ生じさせ、伝達する光パワーを減衰させる光ファイバ用自己遮断コネクタを提供することにより、光源側へのファイバフューズの進行を防止することを可能にする。
また、そのコネクタ接続部において光源からの高出力光によるファイバフューズを再発させない光ファイバ用自己遮断コネクタを提供することにより、ファイバフューズの再発を防止することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図である。
【図2】(a)は、光ファイバ用自己遮断コネクタにおけるフェルールを示す側面図である。
(b)は、光ファイバ用自己遮断コネクタにおけるフェルールを示す平面図である。
【図3】温度変化により、フェルールが変形した場合のコネクタの斜視図である。
【図4】(a)は、温度変化によりフェルールが変形した場合を示す正面図であり、
(b)は、温度変化によりフェルールが変形した場合を示す正面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
【図7】(a)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図であり、
(b)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示すフェルールの平面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図である。
【図12】(a)は、本発明の他の実施形態を示すフェルールの正面図であり、
(b)は、本実施形態を説明するためのフェルールの正面図である。
【図13】本発明の他の実施形態を説明する従来の光ファイバ用コネクタの斜視図である。
【図14】(a)は、本発明の他の実施形態に係る光ファイバ用自己遮断コネクタの斜視図である。
(b)は、温度変化前のフェルールの正面図であり、
(c)は、温度変化後によるフェルールが変形した場合を示す正面図である。
【図15】図15(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る非対称形フェルールの正面図である。
【符号の説明】
1,2 ファイバケーブル
3,4 フェルール
5,6,7,8 勘合孔
9,10 勘合ピン
11,12 接着剤を注入する窓部
13、13−n、14、14−n ファイバ
15 ファイバケーブル挿入口
16 ファイバ固定部
17 ファイバケーブル固定部
20,21 凹型フェルール
22,23 光ファイバ押さえ材
24、24−n 光ファイバ
25 V溝アレイ
30、30−1 単心コネクタ
31 スリーブ
32、32−1 フェルール
33 ファイバ
34 アダプタ
35 変形フェルール
36 欠落部
Claims (6)
- 光コネクタ内の光ファイバの発生熱により前記光コネクタが変形し、前記光コネクタの端面の相対する前記光ファイバコア同士が位置ずれを起こすことにより、前記光コネクタの接続点で伝達する光パワーを減少させる光ファイバ用自己遮断コネクタであって、
前記コネクタは、
(1)出射側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である出射側フェルールと、
(2)受光側フェルールの接続端面から見て、位置決め基準軸に対して所定の非対称形状である受光側フェルールと、
を互いに非対称的に嵌合し一体化させて成る、
ことを特徴とする光ファイバ用自己遮断コネクタ。 - 前記出射側フェルールと前記受光側フェルールは、それぞれ直方体状のフェルールであり、前記出射側及び前記受光側フェルールの接続端面に垂直な面の一つの面のみに設けられ、少なくとも1以上の前記光ファイバを取りつけるための接着剤を注入される所定の大きさの接着剤窓を備え、前記出射側の前記接着剤窓及び前記受光側の前記接着剤窓に注入する接着剤の膨張率と前記出射側フェルール及び前記受光側フェルールの膨張率が大きく異なるフェルールであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用自己遮断コネクタ。
- 前記出射側の接着剤窓と前記受光側の接着剤窓は、前記ファイバ端面に近づけた位置に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ用自己遮断コネクタ。
- 前記出射側及び前記受光側フェルールが、前記出射側及び前記受光側フェルールの断面が凹型であり、前記凹型の溝の底辺部に光ファイバを収める少なくとも1つ以上のV型溝を設け、前記V型溝に収めた前記光ファイバを押さえる所定の大きさの出射側ファイバ押さえ部材及び受光側ファイバ押さえ部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用自己遮断コネクタ。
- 前記出射側フェルールと前記受光側フェルールの熱膨張率と、前記出射側ファイバ押さえ部材と前記受光側ファイバ押さえ部材の熱膨張率が大きく異なるフェルールとファイバ押さえ部材であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ用自己遮断コネクタ。
- ファイバ内部破壊自己進行現象が発生したとき熱による変形により、前記出射側および受光側のファイバコアの相対軸ずれが、1000nm付近の波長を利用する線路では、少なくとも、5μm以上、1500nm付近の波長を利用する線路では、少なくとも、4μm以上を満足させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ用自己遮断コネクタ。
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