JP4101499B2 - ボールペン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボールペンに関する。詳細には、チップ本体側壁を内方へ押圧変形することによりボール受け座用の複数の内方突出部を形成し、前記内方突出部の相互間のインキ流通間隙に挿通されるロッド部によりボールを前方に付勢するタイプのボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のボールペンにおいて、ボールを前方に押圧するロッド部を、内方突出部の相互間のインキ流出間隙に挿通させる構成が開示されている。(例えば、実開昭57−193578号公報、実用新案登録第2577544号公報等)
【0003】
前記従来のボールペンは、インキ流出間隙の最小間隙寸法が、ロッド部の外径より大きく、その上、インキ流出間隙の間隙寸法が、中心部から径方向外方の周縁端部に向かうに従い次第に大きくなる形状、即ち、インキ流出間隙の周縁端部と中心部との中間に間隙寸法が最も小さくなるクビレ部を備えた形状を有している。そのため、組立時、ロッド部がインキ流出間隙の中心部から外れてインキ流出間隙の周縁端部の近傍に入り込み、その結果、ロッド部がボール後面を適正に前方に押圧できず、組立不良(例えば、ボールの回転不良、または内向きの先端縁部とボールとの密接不良等)を発生させるおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の問題点を解決するものであって、組立時にロッド部がインキ流出間隙の周縁端部の近傍に入り込むことを防止し、ロッド部がボール後面を適正に前方に押圧することができ、組立不良を発生させるおそれがないボールペンを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1のボールペン1は、金属製のチップ本体2の先端に内向きの先端縁部21を設け、前記先端縁部21の後方のチップ本体2内面に複数の内方突出部22を内方への押圧変形により設け、前記先端縁部21と前記内方突出部22との間にボール3を回転可能に抱持し、前記内方突出部22の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙4を形成し、前記インキ流出間隙4に、ボール3を前方へ付勢し且つボール3を先端縁部21の内面に密接させるロッド部51を挿通させてなるボールペンであって、前記インキ流出間隙4の中心部の仮想内接円の直径Bを、ロッド部51の外径Aより大きく設定するとともに、前記インキ流出間隙4の最小寸法Mを、前記ロッド部51の外径Aより小さく設定し、前記インキ流出間隙4の最小寸法Mを、前記ロッド部51の外径Aの70%以下に設定し(但し、前記インキ流出間隙4の最小寸法Mがゼロの場合を除く)、チップ本体2の後部がホルダー6の前部に圧入固着され、前部のロッド部51と後部のコイル部52とが一体に連設されたスプリング5がチップ本体2の内部及びホルダー6の内部に収容配置されてなることを特徴とする。
【0006】
インキ流出間隙4の中心部の仮想内接円の直径Bを、ロッド部51の外径Aより大きく設定するとともに、インキ流出間隙4の最小寸法Mを、ロッド部51の外径Aより小さく設定したこと(M<A<B)により、組立時、ロッド部51は、インキ流出間隙4の周縁端部41の近傍に入り込むおそれがなく、適正にボール3の後面を前方に押圧することができ、組立不良が生じるおそれがない。
【0007】
尚、前記「インキ流出間隙4の中心部の仮想内接円の直径B」とは、内方突出部22の頂点に接する仮想内接円の直径である。前記「インキ流出間隙4の最小寸法M」とは、隣り合う内方突出部22相互間の間隙の最小値をいう。前記「ロッド部51の外径A」とは、ロッド部51の外径の最大値をいう。前記ロッド部51の横断面形状は、円形状、楕円形状、多角形状等のいずれであってもよい。
【0008】
〔2〕請求項2のボールペン1は、請求項1において、インキ流出間隙4の最小寸法部分とインキ流出間隙4の周縁端部41との径方向の距離Lを、前記ロッド部51の外径Aの50%以下(好ましくは45%以下)に設定すること(L≦0.5×A)が好ましい(但し、前記インキ流出間隙4の最小寸法部分とインキ流出間隙4の周縁端部41との径方向の距離Lがゼロの場合を除く)。
【0009】
前記請求項2の構成は、インキ流出間隙4の最小部分が、周縁端部41からロッド部51外径Aの50%以下の距離Lを有する構成(L≦0.5×A)、即ち周縁端部41近傍に位置する構成であるため、ロッド部51がインキ流出間隙4の最小部分と周縁端部41との間に挟まってしまうおそれがなく、より一層、組立不良の発生を回避することができる。仮に、前記距離Lがロッド部51の外径Aの50%より大きい場合、ロッド部51が、インキ流出間隙4を押し広げて、インキ流出間隙4の最小部分と周縁端部41との間に圧入されるおそれがある。
【0010】
請求項1のボールペン1は、インキ流出間隙4の最小寸法Mを、ロッド部51の外径Aの70%以下(好ましくは65%以下)に設定した(M≦0.7×A)。
【0011】
それにより、ロッド部51がインキ流出間隙4に挟まってしまうことを、より一層回避できる。仮に、インキ流出間隙4の最小寸法Mが、ロッド部51の外径Aの70%より大きいと、ロッド部51が、インキ流出間隙4を押し広げて、インキ流出間隙4に圧入されるおそれがある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
(実施例)
図1乃至図3に本発明の一実施例を示す。本実施例のボールペン1は、先端部にボール3を回転可能に抱持したチップ本体2と、該チップ本体2の後部が前部に圧入固着されたホルダー6と、該ホルダー6の後部が先端開口部に圧入固着されたインキ収容管7と、前記チップ本体2の内部及びホルダー6の内部に収容配置され、先端にロッド部51を備えるスプリング5と、前記インキ収容管7の後端開口部に圧入固着される尾栓8とからなる。
【0014】
前記インキ収容管7は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂の押出成形により得られる。前記インキ収容管7の先端開口部は、チップ本体2を有するホルダー6の後部が圧入固着され、一方、前記インキ収容管7の後端開口部には、通気孔が貫設された尾栓8が圧入固着される。前記インキ収容管7の内部には、インキ71(例えば、剪断減粘性が付与された水性ゲルインキ、または中粘度の油性インキ)と、該インキ71の後端に配置され且つ該インキ71の消費に伴って前進するグリス状の追従体72とが充填される。
【0015】
前記チップ本体2は、金属製(例えば、SUS304、SUS321等のオーステナイト系のステンレス鋼製)の直円筒状の細管(外径0.8mm、内径0.52mm)よりなる。前記チップ本体2の先端部には、内方への押圧変形により環状の内向きの先端縁部21が形成される。また、前記先端縁部21の後方のチップ本体2の側壁内面には、内方への押圧変形により3個の内方突出部22(即ちボール受け座)が周方向等間隔に形成される。前記先端縁部21内面と前記内方突出部22前面との間(即ちボール抱持部)にボール3(外径0.5mm)が回転可能に抱持される。
【0016】
前記内方突出部22の相互間には、中心部から径方向外方の3方向に放射状に延びるインキ流出間隙4が形成される。前記インキ流出間隙4の中心側には、スプリング5のロッド部51が挿通され、前記ロッド部51先端がボール3後面に当接することによりボール3が前方に付勢される。
【0017】
本実施例では、前記インキ流出間隙4の中心部の仮想内接円の直径Bは、0.2mmに設定され、前記ロッド部51の外径Aは、0.14mmに設定され、前記インキ流出間隙4の最小寸法Mは、0.082mm(即ち、ロッド部51の外径Aの58.6%)に設定され、前記インキ流出間隙4の最小寸法部分とインキ流出間隙4の周縁端部41との径方向の距離Lは、0.05mm(即ち、ロッド部51の外径Aの35.7%)に設定されている。
【0018】
前記構成により、ロッド部51が、インキ流出間隙4の周縁端部41近傍に入り込んだり、インキ流出間隙4に挟まったりすることがなく、ロッド部51をインキ流出間隙4の中心側に確実に位置させ、ボール3後面にロッド部51の先端を当接させ、ボール3を適正に前方に付勢することができる。その結果、ボール3の回転不良や、ボール3と先端縁部21内面との密接不良等の組立不良を防止できる。
【0019】
また、前記内方突出部22の内面の頂部は、なだらか曲面を有する。具体的には、前記内方突出部22の頂部の曲率半径Rは、ボール3の半径より大きい値に設定されている。それにより、ロッド部51を後方よりインキ流出間隙4に挿入させる際、ロッド部51の先端を、内方突出部22の後面に引っかけることなく、内方突出部22の後面に沿って滑らかにインキ流出間隙4の中心側にガイドすることができる。
【0020】
前記ホルダー6は、合成樹脂(例えば、ポリアセタール)の射出成形により得られる筒状体である。前記ホルダー6は、チップ本体2が取付られる先細状の前部と、インキ収容管7の先端面と当接する鍔部と、インキ収容管7の先端開口部に圧入される後部とからなる。前記ホルダー6の内部には、先端が外部に開口するチップ取付孔と、該チップ取付孔に先端が連通し且つ後端が外部に開口するインキ流通孔が設けられる。前記インキ流通孔の中間部内面には、周状に分散配置される複数(例えば4個)の突起61が一体に形成される。
【0021】
前記スプリング5は、線径0.14mmのステンレス鋼製線材により、前部のロッド部51と、後部のコイル部52とが一体に連設されてなる。前記コイル部52の後端部には、外径が前方のコイル部52よりも大きく設定された膨出部53が形成される。前記膨出部53は、線材間が密着した座巻きにより形成される。前記膨出部53が、前記ホルダー6内面の突起61を後方より乗り越えて、前記突起61に係止される。
【0022】
本実施例のボールペン1は、非筆記時、前記スプリング5のロッド部51によりボール3が前方に押圧され、前記ボール3と前記先端縁部21の内面とが密接され、それにより、ペン先がシールされる。それにより、ペン先を下向き状態で保管したとしても、ペン先からのインキ漏出が防止され、また、ペン先を上向き状態で保管したとしても、ペン先からの空気混入が防止される。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明により、組立時にロッド部がインキ流出間隙の周縁端部の近傍に入り込むことを防止し、ロッド部によりボール後面を適正に前方に押圧させることができ、組立不良が発生するおそれがない。
【0027】
請求項2の発明により、ロッド部がインキ流出間隙の最小部分と周縁端部との間に挟まってしまうおそれがなく、より一層、組立不良の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部縦断面図である。
【図3】図2のX−X端面図である。
【符号の説明】
1 ボールペン
2 チップ本体
21 先端縁部
22 内方突出部
3 ボール
4 インキ流出間隙
41 周縁端部
5 スプリング
51 ロッド部
52 コイル部
53 膨出部
6 ホルダー
61 突起
7 インキ収容管
71 インキ
72 追従体
8 尾栓
A ロッド部の外径
B インキ流出間隙の中心部の仮想内接円の直径
M インキ流出間隙の最小寸法
L インキ流出間隙の最小寸法部分と周縁端部との径方向の距離
R 内方突出部の頂部の曲率半径
Claims (2)
- 金属製のチップ本体の先端に内向きの先端縁部を設け、前記先端縁部の後方のチップ本体内面に複数の内方突出部を内方への押圧変形により設け、前記先端縁部と前記内方突出部との間にボールを回転可能に抱持し、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成し、前記インキ流出間隙に、ボールを前方へ付勢し且つボールを先端縁部の内面に密接させるロッド部を挿通させてなるボールペンであって、前記インキ流出間隙の中心部の仮想内接円の直径を、前記ロッド部の外径より大きく設定するとともに、前記インキ流出間隙の最小寸法を、前記ロッド部の外径より小さく設定し、前記インキ流出間隙の最小寸法を、前記ロッド部の外径の70%以下に設定し(但し、前記インキ流出間隙の最小寸法がゼロの場合を除く)、チップ本体の後部がホルダーの前部に圧入固着され、前部のロッド部と後部のコイル部とが一体に連設されたスプリングがチップ本体の内部及びホルダーの内部に収容配置されてなることを特徴とするボールペン。
- 前記インキ流出間隙の最小寸法部分と前記インキ流出間隙の周縁端部との径方向の距離を、前記ロッド部の外径の50%以下に設定した(但し、前記インキ流出間隙の最小寸法部分とインキ流出間隙の周縁端部との径方向の距離がゼロの場合を除く)請求項1記載のボールペン。
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