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JP4101946B2 - 自動車用ドアポケット - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ドアポケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアの内側には地図等の小物を入れることができるようにドアポケットが取り付けられている。このドアポケットには、ドアポケットの開閉によりドアポケット内部の収納物が取り出し可能となる開閉式タイプがある。この開閉式タイプのドアポケットの一端はドアトリムに回動可能に取り付けられており、開閉角度によって反転し、閉止方向あるいは開放方向に付勢力を発生させるターンオーバースプリングによりドアポケットの閉止状態が保持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に、ドアポケットの内部に地図、雑誌等の比較的重量のある物を入れている場合、ドアを強く閉めたりするとその衝撃でターンオーバースプリングが反転し不用意にドアポケットが開いてしまうことがあった。その他、自動車が急なコーナーリングした場合にも重力の作用で同様のことが生じていた。
【0004】
そこで、本発明は、上記事実を考慮して、ドアポケットに比較的重い物を収納した場合であっても、車体に作用した衝撃等により不用意に開くことがない自動車用ドアポケットを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成すべく、請求項1に記載の発明では、ドアの内側面に設けられた収納部と、収納部に回動可能に軸支されたポケットと、ポケットが収納部に収納されるように付勢する付勢手段と、を有する自動車用ドアポケットにおいて、収納部に、車体に所定の慣性力が作用している間、付勢手段の付勢力に抗して収納位置からポケットが開くのを阻止する保持手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、通常、自動車の内側面に設けられた収納部に回動可能に軸支されたポケットは、付勢手段により収納部に収納されるように付勢されている。しかし、この状態で、車体に所定の慣性力、すなわち、付勢手段の付勢力よりも大きな慣性力が作用すると、慣性力が付勢手段の付勢力に打ち勝って、ポケットが収納部から開こうとする。
【0007】
このときに、収納部に設けられた保持手段が、車体に所定の慣性力が作用している間、ポケットが収納位置から開こうとするのを阻止する。このため、車体に所定の慣性力が作用したとき、ポケットが収納位置から不用意に開くことを防止できる。また、慣性力がなくなると、自動的に保持手段はポケットを解除するので、保持手段が作動する毎に解除操作をする必要がない。
【0008】
また保持手段は、収納部に回動可能に軸支され、ポケットに設けられたフック部を係止可能なフック部材と、フック部材の軸部に形成され車体に所定の慣性力が作用したとき、フック部を係止する方向へフック部材を回動させる錘部と、所定の慣性力が作用していないとき、フック部材をフック部から退避させるばね部材と、で構成されている。
【0009】
この構成によれば、フック部材は、収納部に回動可能に軸支されており、ばね部材がその弾性力によりフック部材をポケットに設けられたフック部から退避させている。このため、通常のポケットの開閉動作において、フック部材がフック部を係止することはない。ここで、所定の慣性力がポケットに作用すると、軸部に形成された錘部が移動して、フック部材がフック部を係止する方向へ回動し、フック部を係止する。このため、ポケットが収納位置から不用意に開くことを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、自動車用ドアポケット10は、サイドドア12のドアトリム14(ドアの内側面)に設けられており、アームレスト16の下方に位置している。以下、添付図面を参照して、本形態に係る自動車用ドアポケットについて詳細に説明する。
【0011】
自動車用ドアポケット10は、図2及び図3に示すように、ドアトリム14に取付けられる収納枠18と、この収納枠18に回動可能に軸支されポケット20を構成するポケット部20Aと、ポケット部20Aを開方向あるいは閉方向に付勢する付勢手段としてのターンオーバースプリング22(以下、単にスプリング22という。)と、車体に所定の慣性力が作用している間、収納位置からポケット20が開くのを阻止する保持手段としての係止具24と、ポケット部20Aの表面を覆うカバー20Bと、から構成されている。
【0012】
ここで、収納枠18は、コ字状に形成されており、ドアトリム14にボルト・ナット等の固着具により止められている。そして、収納枠18の下部に設けられたヒンジ板34の溝34Aにポケット部20Aの軸ピン23(図4参照)が回動可能に軸支されている。
【0013】
また、収納枠18の裏面にはダンパー(図示省略)が配設されており、このダンパーに取り付けられたダンパギヤ28が収納枠18の凹部47から露出している。このダンパギヤ28は、ポケット部20Aに形成されたラック30と噛み合い、ポケット20が収納枠18から開く速さを一定に保っている。
【0014】
また、ポケット20は、図4及び図5に示すように、一端がポケット部20Aのガイドピン33に取付けられ、他端が収納枠18のブラケット21に取付けられたスプリング22によって付勢されている。このスプリング22は、ポケット20が収納枠18に収納された状態ではガイドピン33を矢印A方向に付勢し、軽い衝撃等ではポケット20が収納枠18から開かないようにしている。
【0015】
一方、ガイドピン33を収納枠18に形成されたガイド孔37に沿って移動させながらポケット20を所定の角度まで開放すると、図5に示すように、スプリング22が反転して、矢印Aと反対方向にガイドピン33を付勢して自動的に全開する。なお、カバー20Bの上部には、ポケット開閉時の握り易さを考慮して、握部36が取り付けられている(図2参照)。
【0016】
次に、係止具24の構成について詳細に説明する。
【0017】
図2及び図4に示すように、係止具24は、収納枠18の裏面に取り付けられ、係止具24を構成するフック部材42が収納枠18の側面に形成された挿入溝32から露出している。また、図6に示すように、フック部材42の段付き軸部54には軸孔27が形成されており、この軸孔27が収納枠18の裏面に形成されている棒状の取付ピン38へ嵌め込まれる。これにより、フック部材42が取付ピン38回りに回動できるようになっている。
【0018】
また、フック部材42の先端部には、ポケット部20Aに形成されたL字状のフック部40を係止する爪部56が形成されている。さらに、軸部54の上部には錘部44が設けられており、係止具24の重心位置を高くして、慣性力が作用したときにフック部材42が取付ピン38を中心に下方へ回動するようになっている。
【0019】
さらに、段付き軸部54にはコイルばね46が取り付けられている。すなわち、段付き軸部54の小径部にはコイル状に巻回されたコイルばね46の巻回部60が嵌め込まれ、一端部62Aが錘部44を下方から押し上げ、また、他端部62Bが挿入溝32の切欠部48に係止されている。このため、錘部44は一端部62Aから支持されるように常に弾性力を受ける。このとき、錘部44は逆方向に回転しないように収納枠18に形成された保持板50に接触して位置決めされている(図8参照)。そして、車体に作用する衝撃によってフック部材42がフック部40を係止する方向と逆方向に回動しないように、保持板50によりその回動方向が制限されている。
【0020】
なお、巻回部60は線材同士の干渉がなく、軸部54の小径部よりも若干大きな径を有しており、接触時の安定性を高めるために、端部62A、62Bの先端がそれぞれ内側に湾曲して形成されている。また、巻回部60の有効巻数は7.15回、コイルばね46のばね定数は0.83kg・mm/度が適当である。
【0021】
次に、自動車用ドアポケット10の作用について詳細に説明する。
【0022】
車体に所定の慣性力が作用していないとき、収納枠18にポケット20が収納された状態では、スプリング22がポケット20を収納する方向に付勢しているので、車体の走行時に生じる通常の振動ではポケット20は収納枠18から開くことはない。
【0023】
しかしながら、特に、ポケット20に地図等の比較的重量のある書物等を収納していると、車体に外部から生ずる衝撃や急なコーナリング時に生じる遠心力と、書物等の慣性力(慣性モーメント)が重なり、より大きな慣性力(所定の慣性力)となってポケット20に作用する結果、スプリング22の弾性力に打ち勝って、ポケット20が開くことになる。
【0024】
ここで、上記のような所定の慣性力がポケット20に作用すると、錘部44は、図9に示すように、ポケット20が開く前に、コイルばね46の付勢力(弾性力)に打ち勝ってフック部40を係止する方向に誘導し、フック部材42を取付ピン38回りに回動させる。そして、フック部材42の爪部56がフック部40を係止するので、ポケット20が不用意に収納位置から開くことがない。
【0025】
次に、慣性力が所定値以下になると、今度はコイルばね46の付勢力で錘部44が押し上げられ、再度、元の状態(図4の状態)に戻される。したがって、自動的に係止具24はポケット20を解除するので、係止具24が作動する毎に解除操作をする必要がない。なお、この状態ではポケット20を手で開くことができ、通常の開閉動作が可能となる。また、ポケット20は、スプリング22により閉方向に付勢されているので、不用意に開くことがない。
【0026】
なお、その他の実施形態として、上記実施の形態はフック部材42に取り付けられるコイルばね46の巻数が7.15、そのばね定数が0.83kg・mm/度の場合を説明したが、これに限られず、錘部44の重さと慣性力の大きさ等の関連で適宜、コイルばね46の巻数等を変化させてもよい。
【0027】
一応の目安として、コイルばね46の取付時に必要な曲げモーメントは90kg・mmであり、コイルばね46耐えうる最大荷重時の曲げモーメントは114kg・mmである。
【0028】
また、係止具24は上記説明では収納枠18の片方の裏面に設けられているが、これに限られず、ポケット20の係止を十分ならしめるため、収納枠18の両方の裏面に同様にして設けてもよく、ポケット20のフック部40もそれに対応させてポケット部20Aの両側面に形成することが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
本形態に係る自動車用ドアポケットによれば、収納部に保持手段を設けたことにより、車体に所定の慣性力が作用している間、ポケットが収納位置から開くのを阻止することができる。さらに、所定の慣性力がなくなると、保持手段は自動的にポケットを解除するので、保持手段が作動するごとに解除操作をする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る自動車用ドアポケットとドアとの関係を示す状態図である。
【図2】本形態に係る自動車用ドアポケットを示す分解斜視図である。
【図3】本形態に係る自動車用ドアポケットの組み立て後の斜視図である。
【図4】本形態に係る自動車用ドアポケットにおけるポケットが収納部に収納されている状態を示す側面図である。
【図5】本形態に係る自動車用ドアポケットにおけるポケットが収納部から開いている状態を示す側面図である。
【図6】本形態に係る自動車用ドアポケットの要部である保持手段を示す斜視図である。
【図7】本形態に係る自動車用ドアポケットの要部である保持手段を図2のAA方向から見た背面図である。
【図8】本形態に係る自動車用ドアポケットの要部である保持手段の作動前の状態を示す側面図である。
【図9】本形態に係る自動車用ドアポケットの要部である保持手段の作動後の状態を示す側面図である。
【図10】本形態に係る自動車用ドアポケットの要部である保持手段の平面図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアポケット
12 サイドドア(ドア)
14 ドアトリム(ドアの内側面)
18 収納枠(収納部)
20 ポケット
22 ターンオーバースプリング(付勢手段)
24 係止具(保持手段)
40 フック部
42 フック部材
44 錘部
46 コイルばね(ばね部材)
54 軸部

Claims (1)

  1. ドアの内側面に設けられた収納部と、前記収納部に回動可能に軸支されたポケットと、前記ポケットが前記収納部に収納されるように付勢する付勢手段と、を有する自動車用ドアポケットにおいて、
    前記収納部に、車体に所定の慣性力が作用している間、前記付勢手段の付勢力に抗して収納位置からポケットが開くのを阻止する保持手段を設け、
    前記保持手段は、前記収納部に回動可能に軸支され、前記ポケットに設けられたフック部を係止可能なフック部材と、前記フック部材の軸部に形成され車体に所定の慣性力が作用したとき、前記フック部を係止する方向へフック部材を回動させる錘部と、所定の慣性力が作用していないとき、前記フック部材を前記フック部から退避させるばね部材と、で構成されたことを特徴とする自動車用ドアポケット
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