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JP4101977B2 - 巻鉄心変圧器の解体方法及び装置 - Google Patents
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JP4101977B2 - 巻鉄心変圧器の解体方法及び装置 - Google Patents

巻鉄心変圧器の解体方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻鉄心変圧器をリサイクルのために解体する巻鉄心変圧器の解体方法、及び該解体方法を実施するために用いる巻鉄心変圧器解体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油入りの巻鉄心変圧器のリサイクルを行う場合には、変圧器の本体をタンクから取り出した後、変圧器を焼却炉に入れて絶縁物及び絶縁油を焼却し、残存したコイル導体及び鉄心を有価物として回収するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
油入り変圧器のリサイクルを行うに当って変圧器を焼却すると、絶縁油から有毒ガスが発生して大気を汚染するため好ましくない。変圧器を焼却することなくそのリサイクルを行うためには、変圧器から絶縁油を除去するための洗浄作業を行う必要がある。
【0004】
油入り変圧器は、その内部にまで絶縁油が浸透した状態にあるため、変圧器をそのまま洗浄しても絶縁油を完全に除去することはできない。巻鉄心変圧器から絶縁油を完全に除去するためには、巻鉄心とコイルとを分離する解体作業を行って、巻鉄心及びコイルに対してそれぞれ個別に洗浄作業を行う必要がある。
【0005】
また巻鉄心の内部にまで浸透した絶縁油を完全に除去するためには、コイルから分離した巻鉄心を更に個々の鋼帯に分解してから各鋼帯を洗浄することが必要である。
【0006】
従って、変圧器のリサイクルを行うに当っては、変圧器を解体する作業を行うことが必要であるが、変圧器の解体を手作業により行うと作業者が絶縁油により汚損されるため好ましくない。特に絶縁油にPCBが含まれている場合には、変圧器の解体作業を人手により行うことができないため、PCBを含む絶縁油が用いられていた時代の変圧器は、リサイクルが行われないまま大量に保管されているのが現状である。
【0007】
本発明の目的は、巻鉄心変圧器を構成している巻鉄心とコイルとを分離する解体作業を、人手を用いることなく連続的に行うことができるようにした巻鉄心変圧器の解体方法及び該解体方法を実施するために用いる巻鉄心変圧器解体装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、巻鉄心変圧器を構成している巻鉄心とコイルとを分離する解体作業と分離した巻鉄心を個々の鋼帯に分解する作業とを、人手を用いることなく連続的に行うことができるようにした巻鉄心変圧器の解体方法及び該解体方法を実施するために用いる巻鉄心変圧器解体装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる巻鉄心変圧器の解体方法は、鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部と両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部とを有し、一方の継鉄部に積層体の両端を接合する接合部が設けられた巻鉄心と、巻鉄心の対の脚部にそれぞれ巻回された対のコイルとを備えた巻鉄心変圧器を解体する方法であって、下記の(1)ないし(3)の工程を行うことを特徴とする。
【0010】
(1)対のコイルの間に楔を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより前記巻鉄心の前記一方の継鉄部を接合部のところで切り離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する継鉄部切離し工程。
【0011】
(2)巻鉄心の一方の継鉄部を構成していた第1の継鉄半部及び第2の継鉄半部にそれぞれ金型を当てて、それぞれの継鉄半部の曲りを矯正する継鉄部矯正工程。
【0012】
(3)コイルと各継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心とをコイルの軸線方向に相対的に変位させることによりコイルと巻鉄心とを分離するコイル鉄心分離工程。上記継鉄部矯正工程は、対のコイル間に楔を挿入したままの状態で行ってもよく、該楔を対のコイル間から外した状態で行ってもよい。
【0013】
上記のように、巻鉄心変圧器の対のコイルの間に楔を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させると、作業者が変圧器に手を触れることなく、巻鉄心の一方の継鉄部を接合部のところで容易に切離して、該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離することができる。
【0014】
上記第1及び第2の継鉄半部は大きく湾曲した状態にあるため、そのままでは巻鉄心をコイルから分離することが困難であるが、上記のように、第1の継鉄半部及び第2の継鉄半部にそれぞれ金型を当ててそれぞれの継鉄半部の曲りを矯正した状態で巻鉄心とコイルとをコイルの軸線方向に相対的に変位させるようにすると、変圧器に手を触れることなく、コイルと巻鉄心とを容易に分離することができる。
【0015】
このように、本発明によれば、巻鉄心変圧器に手を触れることなく、該変圧器の解体を行うことができるため、巻鉄心変圧器にPCB等の有害物質を含む絶縁油が付着している場合でも、該変圧器の解体を安全に行うことができる。
【0016】
本発明の解体方法においては、更に下記(4)の工程を行うのが好ましい。
【0017】
(4)コイルから分離された巻鉄心を構成している鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次分離して搬出することにより前記巻鉄心を分解する巻鉄心分解工程。
【0018】
上記のように巻鉄心を構成している鋼帯を外周側から順次分離して巻鉄心を分解するようにすると、各鋼帯を個別に洗浄できるため、巻鉄心に付着している絶縁油を完全に除去することができる。
【0019】
上記継鉄部矯正工程は、巻鉄心の第1及び第2の継鉄半部の間に矯正用金型を挿入する過程と、巻鉄心の第1及び第2の継鉄半部に外側から矯正用押え金型を押し当てて、該押え金型により第1及び第2の継鉄半部を矯正用金型に押し付けることにより第1及び第2の継鉄半部の曲りを矯正する過程とにより構成できる。
【0020】
上記巻鉄心分解工程は、巻鉄心を構成している鋼帯を1枚ずつ吸着して積層された状態にある他の鋼帯から離反させる方向に変位させる過程と、離反させた鋼帯を積層された状態にある他の鋼帯から引き離す方向に変位させる過程とを繰り返すことにより行うことができる。
【0021】
上記の解体方法を実施する本発明の巻鉄心変圧器解体装置は、好ましくは下記の要素(a)ないし(h)により構成される。
【0022】
(a)巻鉄心の積層面をほぼ水平にした状態で解体すべき巻鉄心変圧器を保持する変圧器保持面と、該変圧器保持面上に保持された変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を間にして前記対のコイルの軸線方向に対して直角な方向に相対するように配置された対の固定ブロックとを有する変圧器位置決め固定部を一端側に備えた作業台。
【0023】
(b)解体すべき巻鉄心変圧器を作業台の一端側に供給する変圧器供給装置。
【0024】
(c)変圧器供給装置により作業台の一端側に供給された巻鉄心変圧器を固定ブロック側に前進させて該変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を対の固定ブロックの間に挿入するとともに、対のコイルの端部を対の固定ブロックに当接させて、解体すべき巻鉄心変圧器を変圧器位置決め固定部に位置決め固定する変圧器位置決め装置。
【0025】
(d)変圧器位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の対のコイルの上方に設定された第1の位置と、対のコイルの間に挿入された状態になる第2の位置との間を変位し得るように設けられた楔と、該楔を第1の位置と第2の位置との間で変位させる楔駆動機構とを備えて、楔を第2の位置まで変位させて対のコイル間に挿入することにより位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の巻鉄心の一方の継鉄部を接合部のところで切離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する巻鉄心接合部切離し装置。
【0026】
(e)作業台の変圧器位置決め固定部に配置されて巻鉄心の一方の継鉄部が第1及び第2の継鉄半部に分離された状態にある巻鉄心変圧器の第1及び第2の継鉄半部の間に挿入された状態になる矯正位置と該第1及び第2の継鉄半部の間から離脱した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた矯正用金型と、該矯正用金型を矯正位置と退避位置との間で変位させる矯正用金型駆動機構と、巻鉄心の第1の継鉄半部の側方及び第2の継鉄半部の側方にそれぞれ配置された第1及び第2の矯正用押え金型と、第1及び第2の矯正用押え金型をそれぞれ第1及び第2の継鉄半部に向けて変位させる第1及び第2の矯正用押え金型駆動機構とを備えて、第1及び第2の継鉄半部の間に前記矯正用金型を挿入した状態で第1及び第2の矯正用押え金型を第1及び第2の継鉄半部に外側から当接させて該第1及び第2の継鉄半部を第1及び第2の矯正用押え金型により矯正用金型側に押圧することにより第1及び第2の継鉄半部の曲りを矯正する継鉄半部矯正装置。
【0027】
(f)作業台の変圧器位置決め固定部の固定ブロックよりも更に前方に配置された鉄心保持台。
【0028】
(g)継鉄半部矯正装置により第1及び第2の継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心の他方の継鉄部を保持した状態で該巻鉄心を前記鉄心保持台側に変位させることにより前記固定ブロックに当接されたコイルから引き抜いて鉄心保持台上に移動させる鉄心引抜き駆動機構。
【0029】
本発明に係わる巻鉄心解体装置は上記の構成要素に加えて、更に下記の要素を備えていることが好ましい。
【0030】
(h)巻鉄心保持台上に移動させられた巻鉄心を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次引き剥がして搬出することにより巻鉄心を分解する巻鉄心分解装置。上記巻鉄心分解装置は、鉄心保持台上に保持された巻鉄心を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から一枚ずつ吸着する鋼帯吸着装置と、該鋼帯吸着装置を巻鉄心から離れる方向に移動させる吸着装置移動機構と、該吸着装置により吸着されて吸着装置移動機構により移動させられた鋼帯を前記巻鉄心保持台上に保持された巻鉄心から引き離す方向に移送する鋼帯移送装置とにより構成することができる。
【0031】
上記巻鉄心分解装置には、鉄心保持台上に保持された巻鉄心を構成する鋼帯の積層端部を同極性に着磁する着磁手段を更に設けるのが好ましい。
【0032】
上記の変圧器解体装置にはまた、鉄心保持台に振動を付与する励振装置を設けておくのが好ましい。
【0033】
上記のように、巻鉄心の積層端部を同極性に着磁する着磁手段や、鉄心保持台を振動させる励振装置を設けておくと、積層された状態にある鋼帯を相互に離反させたり、積層状態を緩めたりすることができるため、巻鉄心の分解を容易にすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図10は、巻鉄心を用いた変圧器装置の構造の一例を示した分解斜視図である。同図において、1はけい素鋼帯を巻回積層してなる巻鉄心、2,2は巻鉄心1の左右の脚部に嵌装された対のコイルで、各コイル2は、一次コイル(高圧コイル)2aと、二次コイル(低圧コイル)2bとからなっている。
【0035】
巻鉄心1は、鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部1a,1bと両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部1c及び1dとを有し、一方の継鉄部1cに各鋼帯の両端を接合する接合部(特に図示せず。)が設けられている。図10において、3及び4はそれぞれ鉄心1の上部継鉄部及び下部継鉄部を締め付ける上部継鉄締付金具及び下部継鉄締付金具、5は巻鉄心1の左右の脚部の外周とコイル2との間を通して上部継鉄締付金具3及び下部継鉄締付金具4を互いに引き寄せる方向に締め付けるバンドである。
【0036】
また6は上部継鉄締め付け金具3に取り付けられる端子板、7は上部継鉄締め付け金具3と巻鉄心の上部継鉄部の積層面との間に挿入される絶縁板、8は下部継鉄締め付け金具4と巻鉄心の下部継鉄部の積層面との間に挿入される絶縁板、9は巻鉄心の継鉄部とコイルの端面との間に挿入される絶縁板、10及び11はそれぞれ巻鉄心の上部継鉄部の外周と上部継鉄締め付け金具3との間及び下部継鉄部の外周と下部継鉄締め付け金具4との間に挿入される絶縁板、12はコイルの外周と図示しないタンクの内面との間に挿入される絶縁板であり、絶縁板7〜12はプレスボード等からなっている。図10に示した変圧器装置は絶縁油とともに変圧器タンク内に収容される。
【0037】
本発明に係わる解体方法は、図10に示したような変圧器のリサイクルを図る際に、巻鉄心1と対のコイル2,2とからなる巻鉄心変圧器TRを解体する方法である。以下図1ないし図9を参照して本発明に係わる解体方法を、該解体方法を実施するために用いる解体装置の構成例とともに説明する。
【0038】
図1は本発明に係わる解体装置の要部の構成例を示した斜視図、図2ないし図9は同解体装置の動作を説明するための要部の斜視図である。
【0039】
図1に示した巻鉄心変圧器解体装置は、図10に示したような巻鉄心変圧器TRを巻鉄心1とコイル2,2とに分離した後、巻鉄心を個々の鋼帯に分解する作業までを行うように構成されている。
【0040】
図1において、15は一方向に長く伸びる作業台で、作業台15の一端側には、変圧器位置決め固定部15Aが設けられている。この変圧器位置決め固定部には、図2に示したように、巻鉄心1の積層面1Aをほぼ水平にした状態で解体すべき巻鉄心変圧器TRを保持する変圧器保持面15aと、該変圧器保持面上に保持された変圧器TRの巻鉄心1の他方の継鉄部1dを間にして対のコイル2,2の軸線方向に対して直角な方向に相対するように配置された対の固定ブロック16,16とが設けられている。
【0041】
17は、解体すべき巻鉄心変圧器TRを作業台15の一端側に供給する変圧器供給装置で、この変圧器供給装置は例えばローラコンベアからなっている。変圧器供給装置17の作業台側の端末部には変圧器TRのコイルを当接させて該変圧器を位置決めする変圧器位置決め板17Aが設けられている。
【0042】
解体すべき巻鉄心変圧器TRは、その巻鉄心1の一方の継鉄部1cを作業台15と反対側に位置させ、かつ該巻鉄心の脚部1a,1bを作業台15の長手方向に向けた状態で作業台15の一端側に供給される。巻鉄心変圧器TRの一方のコイル2が位置決め板17Aに当接した時に供給装置17が停止させられて、該変圧器が位置決めされる。
【0043】
18は油または空気を作動流体として用いる流体圧シリンダ19と、該流体圧シリンダ19のピストンロッド19aの先端に取り付けられた変圧器保持金具20とを備えた変圧器位置決め装置である。変圧器保持金具20は横断面がコの字形を呈するように構成されていて、図2に示したようにその凹部20aの内側に、位置決め板17Aにより位置決めされた変圧器TRの巻鉄心1の一方の継鉄部1cを嵌合させた状態で該変圧器TRを保持することができるように構成されている。
【0044】
変圧器位置決め装置18は、変圧器供給装置17により作業台15の一端側に供給されて位置決め板17Aに当接して位置決めされた巻鉄心変圧器TRの一方の継鉄部1cを変圧器保持金具20の凹部20aの内側に嵌合させて該変圧器を保持した状態で、流体圧シリンダ19のピストンロッドを伸長させることにより、巻鉄心変圧器TRを固定ブロック16,16側に前進させる。これにより、図2に示したように変圧器TRの巻鉄心1の他方の継鉄部1dを対の固定ブロック16,16の間に挿入するとともに、対のコイル2,2の端部を対の固定ブロック16,16に当接させて、変圧器TRを変圧器位置決め固定部15Aに位置決め固定する。変圧器TRを位置決め固定した後、流体圧シリンダ19のピストンロッドが後退させられて、変圧器保持金具20が変圧器TRから退避させられる。
【0045】
21は、変圧器位置決め固定部15Aの近傍に配置された巻鉄心接合部切離し装置で、この切離し装置21は、図3にも示したように、下端が作業台15に対して固定された支柱22aと該支柱22aの上端から折れ曲がって変圧器TRの上方を水平方向に伸びる腕部22bとを有する固定フレーム22と、変圧器位置決め固定部15Aに位置決め固定された変圧器TRのコイル2,2の上方に、ピストンロッド23aを下方に向けた状態で、かつその軸線を垂直方向に向けた状態で配置されて固定フレーム22に取り付けられた流体圧シリンダ23と、該流体圧シリンダ23のピストンロッド23aの下端に取り付けられた楔24とからなっている。
【0046】
図3に示したように、流体圧シリンダ23は、そのピストンロッド23aの軸線が変圧器位置決め固定部15Aに位置決め固定された変圧器TRのコイル2,2間を通るように配置されていて、楔24は、その厚み方向を対のコイル2,2の対向方向に向けた状態でピストンロッド23aの下端に取り付けられている。楔24は、該流体圧シリンダ23により駆動されて、変圧器TRの対のコイル2,2の上方に設定された第1の位置(図1に示した位置)と、対のコイル2,2の間に挿入された状態になる第2の位置(図3に示した位置)との間を変位させられる。この例では、流体圧シリンダ23により、楔24を第1の位置と第2の位置との間で変位させる楔駆動機構が構成されている。
【0047】
図3に示したように、楔24が第2の位置に変位させられて対のコイル2,2間に挿入されると、該対のコイル2,2が互いに離れる方向に移動させられるため、巻鉄心1の一方の継鉄部1cがその接合部のところで切離されて、該一方の継鉄部1cが第1の継鉄半部1c1と第2の継鉄半部1c2とに分離させられる。
【0048】
25は変圧器位置決め固定部15Aに配置された継鉄半部矯正装置で、この矯正装置は、作業台15の変圧器位置決め固定部15Aを貫通して垂直方向に変位し得るように設けられた矯正用金型26と、該矯正用金型を垂直方向に駆動する矯正用金型駆動機構27と、第1及び第2の矯正用押え金型28及び29と、第1及び第2の矯正用押え金型28及び29をそれぞれ水平方向に駆動する第1及び第2の矯正用押え金型駆動機構30及び31とからなっている。
【0049】
更に詳細に説明すると、矯正用金型26は、変圧器位置決め固定部15Aに位置決め固定された変圧器TRの巻鉄心1の一方の継鉄部1cに相応する位置に、垂直方向に移動自在に設けられていて、作業台15の下方に配置されて図示しないフレームに固定された流体圧シリンダ32のピストンロッド32aの上端に接続されている。矯正用金型26は、シリンダ32により駆動されて、巻鉄心1の一方の継鉄部1cが第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2に分離された状態にある巻鉄心変圧器TRの第1及び第2の継鉄半部1c1,1c2の間に挿入された状態になる矯正位置(図5に示した位置)と、該第1及び第2の継鉄半部1c1,1c2の間から下方に離脱した状態になる退避位置との間を垂直方向に変位させられる。この例では、流体圧シリンダ32により矯正用金型26を矯正位置と退避位置との間で変位させる矯正用金型駆動機構27が構成されている。
【0050】
図6及び図7に示したように、矯正用金型26は、巻鉄心1の脚部1a,1b間の間隔にほぼ等しい幅寸法を有する角柱状の本体部26aと、該本体部26aの上端に形成された楔状部分26bとを一体に有している。楔状部分26bには、本体部26aの長手方向の一端側の側面26a1の上端から他方の側面26a2側に向かって斜め上方に伸びるように形成された傾斜面26b1と、本体部26aの幅方向に相対する側面26a3及び26a4のそれぞれの上端から斜め上方に、かつ本体部26aの長手方向の一端側に向かうにしたがって互いに接近する方向に傾斜した傾斜面26b2及び26b3とが設けられている。
【0051】
傾斜面26b1ないし26b3は、本体部26aの長手方向の一端側の側面26a1の上方で一点に会するように設けられている。矯正用金型26は、その長手方向の他端側の側面26a2を巻鉄心1の他方の継鉄部1d側に向けた状態で配置されている。
【0052】
巻鉄心接合部切離し装置21により、巻鉄心1の一方の継鉄部1cが第1の継鉄半部1c1と第2の継鉄半部1c2とに分離された後、矯正用金型26が流体圧シリンダ32により駆動されて上方に変位させられる。矯正用金型26が上方に変位させられると、先ず矯正用金型26の傾斜面26b1が湾曲した状態にある継鉄半部1c1及び1c2に内側から接触して両継鉄半部を外側に変位させる。次いで矯正用金型26の傾斜面26b2及び26b3が継鉄半部1c1及び1c2の間に係入して両継鉄半部を外側に開き、最終的には、図7に示すように矯正用金型26の本体部26aが継鉄半部1c1及び1c2(図7には1c2を図示せず。)の間に介在した状態になって、継鉄半部1c1及び1c2を延ばす。
【0053】
第1及び第2の矯正用押え金型28及び29は板状に形成されていて、巻鉄心1の第1の継鉄半部1c1の側方及び第2の継鉄半部1c2の側方にそれぞれ配置されている。第1及び第2の矯正用押え金型28及び29はそれぞれ作業台15に固定された支持板33及び34に取り付けられた流体圧シリンダ35及び36のピストンロッド35a及び36aの先端に取り付けられていて、これらの流体圧シリンダ35及び36によりそれぞれ駆動されて第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2に向けて変位させられるようになっている。この例では、流体圧シリンダ35及び36によりそれぞれ第1及び第2の矯正用押え金型駆動機構30及び31が構成されている。
【0054】
上記第1及び第2の矯正用押え金型28及び29は、巻鉄心の第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2の間に矯正用金型26が挿入された後に、流体圧シリンダ35及び36により駆動されて第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2側に移動させられる。第1及び第2の矯正用押え金型28及び29は、流体圧シリンダ35及び36の付勢力により、第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2に所定の圧力をもって当接させられる。これらの押え金型28及び29により第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2が矯正用金型26側に押圧されて、第1及び第2の継鉄半部1c1及び1c2の曲りがほぼ矯正される。
【0055】
作業台15の、変圧器位置決め固定部15Aよりも前方に位置する部分には、該作業台15の他端側に向って直線的に伸びる溝15bが設けられている。作業台15の変圧器位置決め固定部15Aよりも前方の位置にはまた、溝15bを間にして相対する1対の鉄心保持台38,38が設けられている。鉄心保持台38,38はそれぞれの上面を同一平面上に位置させた状態で設けられていて、両鉄心保持台38,38の上面に巻鉄心1を水平に保持し得るようになっている。
【0056】
図示の解体装置ではまた、作業台の溝15b内を往復移動する可動フレーム40が設けられている。可動フレーム40は、図示しないガイド機構により案内されて溝15b内を走行する可動ブロック40aと、該可動ブロックから起立して作業台15の上面から垂直上方に突出した起立部40bと、該起立部40bの上端から作業台15の一端側に水平に伸びる腕部40cとを有していて、腕部40cの先端に流体圧シリンダ41がそのピストンロッドを垂直下方に向けた状態で取り付けられている。流体圧シリンダ41のピストンロッドの下端にはピン42が取り付けられ、変圧器位置決め固定部15Aに位置決め固定された変圧器の巻鉄心1の他方の継鉄部1dとコイル2,2との間の隙間の上方にピン42を位置させた状態で流体圧シリンダ41のピストンロッドを下降させることにより、ピン42を巻鉄心の他方の継鉄部1dの内側に挿入して、該巻鉄心1を保持することができるようになっている。
【0057】
作業台15の他端側には、流体圧シリンダ43がその軸線を水平方向に向けた状態で固定され、該流体圧シリンダ43のピストンロッド43aが可動フレーム40に連結されている。
【0058】
図示の例では、流体圧シリンダ41とピン42とにより、巻鉄心の他方の継鉄部を保持する継鉄保持装置が構成され、この継鉄保持装置と可動フレーム40と流体圧シリンダ43とにより、継鉄半部矯正装置により第1及び第2の継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心の他方の継鉄部を保持した状態で該巻鉄心を鉄心保持台38側に変位させることにより固定ブロック16,16に当接されたコイル2,2から引き抜いて鉄心保持台38,38上に移動させる鉄心引抜き駆動機構45が構成されている。
【0059】
鉄心保持台38,38には励振器(図示せず。)が結合されていて、該励振器により鉄心保持台38,38に振動が付与されるようになっている。
【0060】
作業台15の変圧器位置決め固定部15Aの近傍には、コイル排出用流体圧シリンダ50が配置され、該シリンダ50のピストンロッド50aの先端にコイル排出板51が取り付けられている。コイル排出板51は、変圧器位置決め固定部に位置決めされた変圧器のコイル2,2に相応する位置に配置されていて、巻鉄心1がコイル2,2から引き抜かれた後、流体圧シリンダ50が駆動されて、コイル排出板51が作業テーブル上に残されたコイル2,2に向って前進させられるようになっている。コイル2,2は、コイル排出板51により押されて、作業台15の側方に設けられたコイル回収ケース52内に回収される。
【0061】
一方の鉄心保持台38には、垂直方向に伸びる図示しない支柱が取り付けられていて、該支柱に第1及び第2の可動アーム61及び62が回動自在に、かつ上下に位置をずらして支持されている。第1の可動アーム61及び第2の可動アーム62は、それぞれの後端部側が支柱に支持されていて、上方に配置された第1の可動アーム61の先端には流体圧シリンダ63がそのピストンロッドを下方に向けた状態で取り付けられている。流体圧シリンダ63のピストンロッドの下端には鉄心保持台38上に配置された巻鉄心1の一方の継鉄部1cの継鉄半部1c2の積層面に対向するフロータ(商品名)64が取り付けられている。また鉄心保持台38のフロータ64に対向する位置にフロータ65が配置され、鉄心保持台38の上に保持された巻鉄心1の一方の継鉄部の継鉄半部1c2がフロータ65の上に乗るようになっている。
【0062】
フロータ64及び65は偏平なケース内に磁石を収容した構造を有していて、強磁性材料に対向させられた時に、該強磁性材料を同極性に着磁するようになっている。したがって流体圧シリンダ63のピストンロッドを下降させてフロータ64を巻鉄心の継鉄半部1c2の積層面に対向させた状態にすると、巻鉄心1の継鉄半部1c2を構成する鋼帯の幅方向の端部が同極性に着磁されるため、該継鉄半部1c2の部分で積層された鋼帯間に反発力が働き、鋼帯が離反し易い状態になる。また鉄心保持台38上の巻鉄心には該鉄心保持台から振動が与えられるため、該巻鉄心を構成する鋼帯はいっそう離反し易い状態になる。
【0063】
鉄心保持台38に固定された支柱に支持された第2の可動アーム62の先端には、バキュームを利用して巻鉄心を構成する鋼帯を吸着する鋼帯吸着装置66が取り付けられている。第2の可動アーム62は作業台15に支持された流体圧シリンダ67のピストンロッドに連結されていて、該流体圧シリンダ67により駆動されて、鉄心保持台38上の巻鉄心1に接近する方向と、該巻鉄心から離反する方向とに回動させられる。
【0064】
図示の例では、流体圧シリンダ67により吸着装置移動機構が構成され、該移動機構と第2の可動アーム62と鋼帯吸着装置66とにより、鉄心保持台38上の巻鉄心を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次吸着して、積層されている他の鋼帯から引剥がす鋼帯引剥がし機構が構成されている。
【0065】
鉄心保持台38の近傍には、巻鉄心1から引き剥がされた鋼帯を移送する鋼帯移送装置68が配置されている。図示の鋼帯移送装置68は、作業台15の長手方向に対して傾斜した状態で互いに平行に配置された一対のガイドビーム69,69と、これらのガイドビーム69,69に軸が支持されたローラに掛け渡された2本の駆動ベルト70,70とを備えた第1のベルト送給装置71と、ガイドビーム69,69と平行に配置されたガイドビーム72,72に支持されたローラにベルト73を掛け渡して構成した第2のベルト送給装置74とからなっている。第2のベルト送給装置74は、作業台15に固定された流体圧シリンダ75により作業台15の長手方向に駆動される可動ブロック76に取り付けられていて、流体圧シリンダ75により駆動されて第1のベルト送給装置71に近接する方向と該第1のベルト送給装置71から離反する方向とに変位させられる。第1のベルト送給装置71にはベルト70,70を駆動する電動機(図示せず。)が設けられていて、第2のベルト送給装置74を第1のベルト送給装置71に近接させた状態で両ベルト送給装置の間に鋼帯が供給された時に、該鋼帯が巻鉄心1から離反する方向に排出されるようになっている。
【0066】
前記第2の可動アーム62は、第1のベルト送給装置71側に回動させられたときに2本のベルト70,70の間に入り込むように設けられ、流体圧シリンダ67のピストンロッドはベルト70,70の間を通して第2の可動アーム62に連結されている。
【0067】
図示の例では、可動アーム62と、吸着装置66と、流体圧シリンダ67とにより、鉄心保持台38,38上に移動させられた巻鉄心1を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次引き剥がす鋼帯引剥がし装置が構成され、この引剥がし装置と排出装置68とにより、巻鉄心分解装置が構成されている。
【0068】
この巻鉄心分解装置においては、吸着装置66が流体圧シリンダ67により駆動されて鉄心保持台38上の巻鉄心1に向けて変位させられる。これにより吸着装置66が巻鉄心1の外周側の鋼帯に当接させられ、該吸着装置66により該鋼帯が吸着される。次いで流体圧シリンダ67のピストンロッドが後退させられて、吸着装置66により吸着された鋼帯Aが巻鉄心1から引き剥がされ、第1のベルト送給装置71のベルト70,70に当接させられる。次いで流体圧シリンダ75が駆動されて図9に示すように第2のベルト送給装置74が第1のベルト送給装置71に向けて移動させられ、ベルト70,70が駆動される。これにより巻鉄心1から引き剥がされた鋼帯Aが鉄心保持台上の巻鉄心1から離れる方向に排出される。これらの動作の繰り返しにより巻鉄心1が個々の鋼帯に分解される。
【0069】
巻鉄心の分解を行う際に巻鉄心が大きく動かないようにするため、鉄心保持台38,38には、巻鉄心1の窓部の内側に挿入されて該巻鉄心1の内周に接触することにより該巻鉄心を固定する鉄心固定板77,77が取り付けられている。これらの鉄心固定板77,77は上下に変位し得るように設けられていて、巻鉄心1を鉄心保持台38,38上に移動させる際には、該鉄心保持台の上面から突出しないように下方に退避した状態にあり、巻鉄心1が鉄心保持台38,38上に移動させられた後に鉄心保持台38,38の上面より上方に突出して巻鉄心を固定する。
【0070】
以下、上記の解体装置を用いて行う巻鉄心の解体方法を説明する。
【0071】
先ず、変圧器供給装置17により、解体すべき巻鉄心変圧器TRを、その巻鉄心1の一方の継鉄部1cを作業台15と反対側に位置させた状態で、かつ巻鉄心1の脚部1a,1bを作業台15の長手方向に向けた状態で、作業台15の一端側に供給し、該変圧器のコイルを変圧器供給装置17の端末部に設けられた位置決め板17Aに当接させて、変圧器TRを位置決めする。
【0072】
次いで流体圧シリンダ19を駆動して変圧器保持具20を前進させ、該保持具20の凹部20aに巻鉄心の継鉄部1cを嵌合させる。この状態で更に流体圧シリンダ19を駆動して図2に示したように変圧器TRを作業台15の変圧器位置決め固定部15Aの上に移動させ、巻鉄心1の継鉄部1dを固定ブロック16,16の間に嵌合させるとともに、コイル2,2の端部を固定ブロック16,16に当接させて変圧器TRを位置決め固定部15Aに位置決め固定する。
【0073】
次いで図3に示すように、変圧器TRの対のコイル2,2の間に楔24を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより巻鉄心1の一方の継鉄部1cを接合部のところで切り離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部1c1と第2の継鉄半部1c2とに分離する継鉄部切離し工程を行う。
【0074】
次いで、楔24を上方に退避させた後、図4に示したように、可動フレーム40を変圧器位置決め固定部15A側に移動させ、流体圧シリンダ41を駆動してピン42を巻鉄心1の継鉄部1dの内側に挿入することにより、巻鉄心1の継鉄部1dを保持する。
【0075】
次いで、図6及び図7に示すように、流体圧シリンダ32を駆動して矯正用金型26を上方に移動させて、図5に示すように該金型26を巻鉄心1の一方の継鉄部を構成していた第1の継鉄半部1c1及び第2の継鉄半部1c2の間に挿入する動作と、矯正用押え金型28,29を継鉄半部1c1及び1c2にそれぞれ外側から当接させてこれらの継鉄半部を矯正用金型26に押圧する動作とを行わせて、継鉄半部1c1及び1c2の曲りを矯正する継鉄部矯正工程を行う。
【0076】
継鉄半部1c1及び1c2の曲りを矯正した後、流体圧シリンダ43を駆動して巻鉄心1を鉄心保持台38側に移動させることにより、該巻鉄心をコイル2,2から引き抜いて巻鉄心とコイルとを分離するコイル鉄心分離工程を行い、図1に示したように巻鉄心1を鉄心保持台38,38上に移動させる。
【0077】
次いで、図8に示すように、流体圧シリンダ63を駆動してフロータ64を巻鉄心1の継鉄半部1c2の積層面に当接させ、鉄心保持台38,38を振動させて、巻鉄心1を構成している後退の積層体の積層状態をルーズにする。この状態で図8に示したようにシリンダ67を駆動して吸着装置66を巻鉄心1の外周に向けて変位させ、該吸着装置により巻鉄心の外周の鋼帯Aを吸着する。吸着装置66により巻鉄心の外周の鋼帯を吸着した後、シリンダ67のピストンロッドを後退させて、吸着した鋼帯Aをベルト送給装置68のベルト70,70に接触させる。次いでシリンダ75を駆動してベルト送給装置74を前進させ、図9に示すようにベルト送給装置74をベルト送給装置68に近接させてベルト73を後退Aに接触させる。この状態で鋼帯移送装置68のベルト70,70を駆動し、鋼帯Aを巻鉄心1から引き離す方向に変位させて巻鉄心1から離脱させる。これらの動作を繰り返すことにより、巻鉄心1を個々の鋼帯に分解する。分離した鋼帯は作業台15の側方に配置されたコンベア(図示せず。)により次工程(例えば裁断工程や洗浄工程)に送る。
【0078】
以上のように、本発明に係わる変圧器の解体方法おいては、対のコイル2,2の間に楔24を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより巻鉄心1の一方の継鉄部1cを接合部のところで切り離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部1c1と第2の継鉄半部1c2とに分離する継鉄部切離し工程と、巻鉄心1の一方の継鉄部1cを構成していた第1の継鉄半部1c1及び第2の継鉄半部1c2にそれぞれ金型26及び28,29を当てて、それぞれの継鉄半部の曲りを矯正する継鉄部矯正工程と、コイル2,2と各継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心とをコイルの軸線方向に相対的に変位させることによりコイル2,2と巻鉄心1とを分離するコイル鉄心分離工程と、コイルから分離された巻鉄心1を構成している鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次分離して搬出することにより巻鉄心を分解する巻鉄心分解工程とを行うので、巻鉄心変圧器の解体を機械的に行わせることができる。したがって、巻鉄心変圧器に手を触れることなく、該変圧器の解体を行うことができるため、巻鉄心変圧器にPCB等の有害物質を含む絶縁油が付着している場合でも、該変圧器の解体を安全に行うことができる。
【0079】
上記の例では、巻鉄心を分解する際に該巻鉄心を固定しておいて、該巻鉄心を構成する鋼帯をその外周側から順次引き剥がすようにしたが、巻鉄心を分解する方法は上記の例に限られるものではなく、例えば、巻鉄心の外周側の鋼帯を吸着した状態で巻鉄心を回転させることにより、巻鉄心を個々の鋼帯に分解するようにしてもよい。
【0080】
上記の例では、鋼帯を吸着する吸着装置としてバキュームを利用したものを用いたが、吸着装置として電磁石を用いてもよい。
【0081】
なお吸着装置として電磁石を用いた場合には、一度に複数枚の鋼帯が吸着される恐れがあるが、吸着装置としてバキュームを利用したものを用いた場合には、鋼帯を1枚ずつ吸着できるため、巻鉄心を分解する際に複数枚の鋼帯が分離されるおそれをなくすことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、巻鉄心変圧器の対のコイルの間に楔を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより、巻鉄心の一方の継鉄部を接合部のところで切離して該一方の継鉄部を第1及び第2の継鉄半部に分離した後、第1の継鉄半部及び第2の継鉄半部にそれぞれ金型を当ててそれぞれの継鉄半部の曲りを矯正した状態で巻鉄心とコイルとをコイルの軸線方向に相対的に変位させるようにしたので、変圧器に手を触れることなく、コイルと巻鉄心とを容易に分離することができる。
【0083】
このように、本発明によれば、巻鉄心変圧器に手を触れることなく、該変圧器の解体を行うことができるため、巻鉄心変圧器にPCB等の有害物質を含む絶縁油が付着している場合でも、該変圧器の解体を安全に行うことができる利点がある。
【0084】
また本発明において、巻鉄心を構成している鋼帯を外周側から順次分離して巻鉄心を分解するようにした場合には、各鋼帯を個別に洗浄することができるため、巻鉄心に付着している絶縁油を完全に除去することができる利点がある。
【0085】
更に本発明に係わる巻鉄心変圧器の解体装置において、巻鉄心の積層端部を同極性に着磁する着磁手段や、鉄心保持台を振動させる励振装置を設けた場合には、積層された状態にある鋼帯を相互に離反させたり、積層状態を緩めたりすることができるため、巻鉄心の分解を容易に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる解体装置の構成例を示した斜視図である。
【図2】本発明に係わる解体装置の変圧器位置決め固定部付近の構成例を示した要部の斜視図である。
【図3】本発明に係わる解体装置において継鉄部切離し工程を行っている状態を示した要部の斜視図である。
【図4】本発明に係わる解体装置において巻鉄心の継鉄部を鉄心引抜き駆動機構の保持装置により保持した状態を示した要部の斜視図である。
【図5】本発明に係わる解体装置において巻鉄心の継鉄半部の曲りを矯正する際の状態を示した要部の斜視図である。
【図6】本発明に係わる解体装置において矯正用金型を巻鉄心の継鉄半部の間に挿入し始める際の状態を示した要部の斜視図である。
【図7】本発明に係わる解体装置において矯正用金型を巻鉄心の継鉄半部の間に挿入した状態を示した要部の斜視図である。
【図8】本発明に係わる解体装置において巻鉄心を分解する際の状態を示した要部の斜視図である。
【図9】本発明に係わる解体装置において巻鉄心から鋼帯を分離して排出する際の状態を示した要部の斜視図である。
【図10】本発明の解体方法により解体する巻鉄心変圧器の一例を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1…巻鉄心、1c…一方の継鉄部、1c1…第1の継鉄半部、1c2…第2の継鉄半部、2…コイル、15…作業台、15A…変圧器位置決め固定部、17…変圧器供給装置、18…変圧器位置決め装置、21…巻鉄心接合部切離し装置、24…楔、25…継鉄半部矯正装置、26…矯正用金型、27…矯正用金型駆動機構、28,29…矯正用押え金型、30,31…金型駆動機構、38…鉄心保持台、66…鋼帯吸着装置、68…鋼帯移送装置。

Claims (9)

  1. 鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部と両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部とを有し、一方の継鉄部に各鋼帯の両端を接合する接合部が設けられた巻鉄心と、前記巻鉄心の対の脚部にそれぞれ巻装された対のコイルとを備えた巻鉄心変圧器を解体する方法において、
    前記対のコイルの間に楔を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより前記巻鉄心の前記一方の継鉄部を接合部のところで切り離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する継鉄部切離し工程と、
    前記巻鉄心の一方の継鉄部を構成していた第1の継鉄半部及び第2の継鉄半部にそれぞれ金型を当てて、それぞれの継鉄半部の曲りを矯正する継鉄部矯正工程と、
    前記コイルと各継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心とをコイルの軸線方向に相対的に変位させることにより前記コイルと巻鉄心とを分離するコイル鉄心分離工程と、
    を行うことを特徴とする巻鉄心変圧器の解体方法。
  2. 鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部と両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部とを有し、一方の継鉄部に各鋼帯の両端を接合する接合部が設けられた巻鉄心と、前記巻鉄心の対の脚部にそれぞれ巻装された対のコイルとを備えた巻鉄心変圧器を解体する方法において、
    前記対のコイルの間に楔を挿入して両コイルを引き離す方向に変位させることにより前記巻鉄心の前記一方の継鉄部を接合部のところで切り離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する継鉄部切離し工程と、
    前記巻鉄心の一方の継鉄部を構成していた第1の継鉄半部及び第2の継鉄半部にそれぞれ金型を当てて、それぞれの継鉄半部の曲りを矯正する継鉄部矯正工程と、
    前記コイルと各継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心とをコイルの軸線方向に相対的に変位させることにより前記コイルと巻鉄心とを分離するコイル鉄心分離工程と、
    前記コイルから分離された巻鉄心を構成している鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次分離して搬出することにより前記巻鉄心を分解する巻鉄心分解工程と、
    を行うことを特徴とする巻鉄心変圧器の解体方法。
  3. 前記継鉄部矯正工程は、前記巻鉄心の第1及び第2の継鉄半部の間に矯正用金型を挿入する過程と、前記巻鉄心の第1及び第2の継鉄半部に外側から矯正用押え金型を押し当てて、該押え金型により第1及び第2の継鉄半部を前記矯正用金型に押し付けることにより前記第1及び第2の継鉄半部の曲りを矯正する過程とからなっている請求項1または2に記載の巻鉄心変圧器の解体方法。
  4. 前記巻鉄心分解工程は、前記巻鉄心を構成している鋼帯を1枚ずつ吸着して積層された状態にある他の鋼帯から離反させる方向に変位させる過程と、離反させた鋼帯を積層された状態にある他の鋼帯から引き離す方向に変位させる過程とを繰り返すことにより行うことを特徴とする請求項2または3に記載の巻鉄心変圧器の解体方法。
  5. 鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部と両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部とを有し、一方の継鉄部に前記積層体の両端を接合する接合部が設けられた巻鉄心と、前記巻鉄心の対の脚部にそれぞれ巻装された対のコイルとを備えた巻鉄心変圧器を解体する巻鉄心変圧器解体装置において、
    巻鉄心の積層面をほぼ水平にした状態で解体すべき巻鉄心変圧器を保持する変圧器保持面と、該変圧器保持面上に保持された変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を間にして前記対のコイルの軸線方向に対して直角な方向に相対するように配置された対の固定ブロックとを有する変圧器位置決め固定部を一端側に備えた作業台と、
    解体すべき巻鉄心変圧器を前記作業台の一端側に供給する変圧器供給装置と、前記変圧器供給装置により前記作業台の一端側に供給された巻鉄心変圧器を前記固定ブロック側に前進させて該変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を前記対の固定ブロックの間に挿入するとともに、対のコイルの端部を前記対の固定ブロックに当接させて、解体すべき巻鉄心変圧器を前記変圧器位置決め固定部に位置決め固定する変圧器位置決め装置と、
    前記変圧器位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の対のコイルの上方に設定された第1の位置と、前記対のコイルの間に挿入された状態になる第2の位置との間を変位し得るように設けられた楔と、該楔を前記第1の位置と第2の位置との間で変位させる楔駆動機構とを備えて、前記楔を前記第2の位置まで変位させて前記対のコイル間に挿入することにより前記位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の巻鉄心の前記一方の継鉄部を前記接合部のところで切離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する巻鉄心接合部切離し装置と、
    前記作業台の変圧器位置決め固定部に配置されて前記巻鉄心の一方の継鉄部が第1及び第2の継鉄半部に分離された状態にある巻鉄心変圧器の前記第1及び第2の継鉄半部の間に挿入された状態になる矯正位置と該第1及び第2の継鉄半部の間から離脱した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた矯正用金型と、該矯正用金型を前記矯正位置と退避位置との間で変位させる矯正用金型駆動機構と、前記巻鉄心の第1の継鉄半部の側方及び第2の継鉄半部の側方にそれぞれ配置された第1及び第2の矯正用押え金型と、前記第1及び第2の矯正用押え金型をそれぞれ前記第1及び第2の継鉄半部に向けて変位させる第1及び第2の矯正用押え金型駆動機構とを備えて、前記第1及び第2の継鉄半部の間に前記矯正用金型を挿入した状態で前記第1及び第2の矯正用押え金型を前記第1及び第2の継鉄半部に外側から当接させて該第1及び第2の継鉄半部を第1及び第2の矯正用押え金型により前記矯正用金型側に押圧することにより前記第1及び第2の継鉄半部の曲りを矯正する継鉄半部矯正装置と、
    前記作業台の変圧器位置決め固定部の前記固定ブロックよりも更に前方に配置された鉄心保持台と、
    前記継鉄半部矯正装置により第1及び第2の継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心の他方の継鉄部を保持した状態で該巻鉄心を前記鉄心保持台側に変位させることにより前記固定ブロックに当接されたコイルから引き抜いて前記鉄心保持台上に移動させる鉄心引抜き駆動機構と、
    を具備したことを特徴とする巻鉄心変圧器解体装置。
  6. 鋼帯の積層体からなっていて、対の脚部と両脚部の一端側及び他端側をそれぞれつなぐ対の継鉄部とを有し、一方の継鉄部に前記積層体の両端を接合する接合部が設けられた巻鉄心と、前記巻鉄心の対の脚部にそれぞれ巻装された対のコイルとを備えた巻鉄心変圧器を解体する巻鉄心変圧器解体装置において、
    巻鉄心の積層面をほぼ水平にした状態で解体すべき巻鉄心変圧器を保持する変圧器保持面と、該変圧器保持面上に保持された変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を間にして前記対のコイルの軸線方向に対して直角な方向に相対するように配置された対の固定ブロックとを有する変圧器位置決め固定部を一端側に備えた作業台と、
    解体すべき巻鉄心変圧器を前記作業台の一端側に供給する変圧器供給装置と、前記変圧器供給装置により前記作業台の一端側に供給された巻鉄心変圧器を前記固定ブロック側に前進させて該変圧器の巻鉄心の前記他方の継鉄部を前記対の固定ブロックの間に挿入するとともに、対のコイルの端部を前記対の固定ブロックに当接させて、解体すべき巻鉄心変圧器を前記変圧器位置決め固定部に位置決め固定する変圧器位置決め装置と、
    前記変圧器位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の対のコイルの上方に設定された第1の位置と、前記対のコイルの間に挿入された状態になる第2の位置との間を変位し得るように設けられた楔と、該楔を前記第1の位置と第2の位置との間で変位させる楔駆動機構とを備えて、前記楔を前記第2の位置まで変位させて前記対のコイル間に挿入することにより前記位置決め固定部に位置決め固定された変圧器の巻鉄心の前記一方の継鉄部を前記接合部のところで切離して該一方の継鉄部を第1の継鉄半部と第2の継鉄半部とに分離する巻鉄心接合部切離し装置と、
    前記作業台の変圧器位置決め固定部に配置されて前記巻鉄心の一方の継鉄部が第1及び第2の継鉄半部に分離された状態にある巻鉄心変圧器の前記第1及び第2の継鉄半部の間に挿入された状態になる矯正位置と該第1及び第2の継鉄半部の間から離脱した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた矯正用金型と、該矯正用金型を前記矯正位置と退避位置との間で変位させる矯正用金型駆動機構と、前記巻鉄心の第1の継鉄半部の側方及び第2の継鉄半部の側方にそれぞれ配置された第1及び第2の矯正用押え金型と、前記第1及び第2の矯正用押え金型をそれぞれ前記第1及び第2の継鉄半部に向けて変位させる第1及び第2の矯正用押え金型駆動機構とを備えて、前記第1及び第2の継鉄半部の間に前記矯正用金型を挿入した状態で前記第1及び第2の矯正用押え金型を前記第1及び第2の継鉄半部に外側から当接させて該第1及び第2の継鉄半部を第1及び第2の矯正用押え金型により前記矯正用金型側に押圧することにより前記第1及び第2の継鉄半部の曲りを矯正する継鉄半部矯正装置と、
    前記作業台の変圧器位置決め固定部の前記固定ブロックよりも更に前方に配置された鉄心保持台と、
    前記継鉄半部矯正装置により第1及び第2の継鉄半部の曲りが矯正された巻鉄心の他方の継鉄部を保持した状態で該巻鉄心を前記鉄心保持台側に変位させることにより前記固定ブロックに当接されたコイルから引き抜いて前記鉄心保持台上に移動させる鉄心引抜き駆動機構と、
    前記鉄心保持台上に移動させられた巻鉄心を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から順次引き剥がして搬出することにより該巻鉄心を分解する巻鉄心分解装置と、
    を具備したことを特徴とする巻鉄心変圧器解体装置。
  7. 前記巻鉄心分解装置は、前記鉄心保持台上に保持された巻鉄心を構成する鋼帯を該巻鉄心の外周側から一枚ずつ吸着する鋼帯吸着装置と、該鋼帯吸着装置を巻鉄心から離れる方向に移動させる吸着装置移動機構と、該吸着装置により吸着されて吸着装置移動機構により移動させられた鋼帯を前記巻鉄心保持台上に保持された巻鉄心から引き離す方向に移送する鋼帯移送装置とを備えている請求項6に記載の巻鉄心変圧器解体装置。
  8. 前記巻鉄心分解装置は、前記鉄心保持台上に保持された巻鉄心を構成する鋼帯の積層端部を同極性に着磁する着磁手段を更に備えていることを特徴とする請求項6または7に記載の巻鉄心変圧器解体装置。
  9. 前記鉄心保持台に振動を付与する励振装置が設けられている請求項6ないし8のいずれか1つに記載の巻鉄心変圧器解体装置。
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