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JP4104530B2 - ドアビーム - Google Patents
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Description

本発明は、自動車のドア内部に設置されるドアビームに関する。
自動車の緩衝部材として、側面からの衝突の衝撃から乗員を保護するため、ドア内部に補強用の横梁(ドアビーム)が装着されている。ドアビームは主にドアの内側への障害物の侵入を極力防止しようというもので、高剛性で衝突時のエネルギーを吸収する能力の高いことが要求され、また、軽量化の要請もあり、アルミニウム合金製ドアビームが使用されるようになってきた。
現在国内で量産車に使用されているアルミニウム合金製ドアビームは、1つの中空押出形材で構成され、両端の取付部を除いて長手方向に均一な断面形状を有している。しかし、ドアビームを曲げモーメントを受ける梁として捉えた場合、長手方向で均一な断面である必要はなく、両端部の曲げ剛性を中央部の曲げ剛性より小さく設定して重量低減を図る余地がある。例えば下記特許文献1〜5に記載されたドアビームは、このような考えに基づいて提案されたものである。
一方、中空押出形材を押し出す場合、押出速度の低下、材料選択上の制限、冷却の不均一などの問題がある。これを解決するものとして、下記特許文献6には、長さの異なる押出形材を長手方向に沿って嵌合し、嵌合した押出形材同士の間に長手方向に沿って中空閉断面を構成し、さらに長い方の押出形材の端部に取付部を形成したドアビームが記載されている。
特開平4−266524号公報 特開平5−4518号公報 特開平5−270263号公報 特開平6−227254号公報 実開平7−23617号公報 特開平10−94844号公報
本発明は、特許文献6に記載されたタイプのドアビームにおいて、長さ方向の中央部の曲げ剛性を大きくしドアビーム全体の重量低減を図るとともに、その最適構造を提供することを目的とする。
本発明は、ベースになる長尺形材の長手方向に沿って複数の短尺のアルミニウム合金押出形材が一列に嵌合し、かつ短尺のアルミニウム合金押出形材の端面同士が互いに当接し、嵌合した長尺形材と短尺のアルミニウム合金押出形材の間に中空断面が構成され、さらに前記長尺形材の両端に取付部が形成されたドアビームにおいて、短尺のアルミニウム合金押出形材は互いに斜めに切断された端面で当接し、短尺のアルミニウム合金押出形材の合計長さをLとしたとき、長さLの範囲内において両端部の断面形状と中央部の断面形状が異なり、さらに、前記両端部の断面2次モーメントをIとしたとき、前記中央部の断面2次モーメントがIより大きく設定されていることを特徴とする。
前記ドアビームの具体的形態として、(1)中央部の断面2次モーメントを大きくするため、ドアの厚み深さ方向にみたときの中央部の高さを両端部の高さより大きく設定すること、(2)短尺のアルミニウム合金押出形材の数は少なくとも3つであること、(3)長尺形材と短尺のアルミニウム合金押出形材を、例えばかしめや接着により接合して長さ方向にずれないようにすること、等が挙げられる。
また、長尺形材としては、形鋼(プレス成形した形鋼や圧延形鋼)又はアルミニウム合金押出形材が望ましく、短尺のアルミニウム合金押出形材の材質、合金種を変えることもできる。
本発明によれば、長さ方向の中央部の曲げ剛性を大きくし、ドアビーム全体の重量低減を図ることができる。
以下、図1〜図4を参照して、本発明に係るドアビームについてより具体的に説明する。
図1(a)に示すドアビーム1は、4つのアルミニウム合金押出形材を組み合わせたものであり、両端に取付部2aが形成された長尺のアルミニウム合金押出形材2(以下、形材2という)、形材2の長手方向に沿って一列に嵌合した短尺のアルミニウム合金押出形材3〜5(以下、それぞれ形材3、形材4、形材5という)からなる。長尺の形材2と短尺の形材3〜5は2カ所で長手方向に沿って嵌合し、この例では4つの形材2〜5は各々はいずれも開断面であるが、嵌合した形材2と形材3〜5により構成される断面は中空の閉断面となる。嵌合後、形材2と形材3〜5をかしめや接着により接合して、長さ方向にずれないようにするのが望ましい。
このドアビーム1において、両端部の形材3,5は同じ断面形状とされ、中央部の形材4の断面形状は両端部の形材3,5と比べドアの厚み深さ方向(水平面内)の高さhが高く設定される。これにより、両端部の形材の3,5の断面2次モーメントをIeとしたとき、中央部の形材4の断面2次モーメントIcをIeより大きく設定することができる。ただし、Icは2Ieより小さく設定することが望ましい。これは、中央部の形材4の断面2次モーメントIcが高くなるとその曲げ剛性が高くなり初期剛性が高くなるが、これが高すぎると中央部の曲げ剛性に両端部の形材3,5が追随できず、境界部で断面崩壊や破断を生じるからである。なお、Ic=Ieでは均一断面と同じになり、結果として重量軽減効果がなくなる。
一方、短尺の形材3〜5の合計長さをLとしたとき、中央部の形材4の長さLcは(3/8〜5/8)Lの範囲に設定するのが望ましい。これは、Lcを小さくする方が重量低減を図ることができるが、これが小さすぎると中央部の形材4と両端部の形材3,5との境界部が曲げに耐えられなくなり、断面崩壊や破断を生じるからであり、大きすぎると均一断面に近くなり重量軽減効果が少なくなるからである。
なお、形材4の断面2次モーメントIcを高くする方法として、図1のようにドアの厚み深さ方向の高さを高くする方法と、上下方向(鉛直面内)に幅広くする方法がある。前者は、重量増を最小限にしつつ断面2次モーメントを上げる効果が大きく、また、図2及び図3に示すように、均一断面のものに比べ、ドアのアウターパネル6とドアビームのアウター側の距離が縮まる(X0→X)ため、衝突時に荷重Pが掛かったときのドアビーム1が衝突エネルギーを吸収し始めるまでの距離、すなわち空走距離が縮まり、同じ変位量であればエネルギー吸収量が多くなる。特にドアのアウターパネル6が外向きに凸形状の場合、空走距離を縮める効果が大きい。後者は、側面衝突時に受ける荷重面を大きく取ることになるので、荷重を分散させる効果がある。いずれの方法も適宜個別に又は組み合わせて使うことができる。
図4に示すドアビームは、短尺の押出形材の各種平面視形状を示すもので、(a),(b)は形材3と4,形材4と5の当接する端面を斜めに切断したもの、(c)は中央の形材4の突出した箇所の両端を斜めに切断したもの、(d)はその両方を斜めに切断したものである。形材3と4,形材4と5の当接する端面を斜めに切断することにより、両者の接触長さが増し、両者が一体として変形しやすくなる利点がある。また、中央の形材4の突出した箇所の両端を斜めに切断することにより、長手方向の断面2次モーメントの変化、すなわち曲げ剛性の変化を緩和し、境界部での断面崩壊や破断の発生を抑制することができる。(d)のようにすれば、両方の利点を享受できる。
長尺の形材2は、インナー側に位置するので、衝突時は曲げの引張側となり、破断しやすいため、短尺の形材3〜5より延性の高い材料が望ましい。その意味で、アルミニウム合金押出形材であれば繊維状組織を有することが望ましい。あるいは、形材2として絞り性の高い鋼板の成型品にすることもできる。その場合、アルミニウム合金押出形材からなる短尺の形材3〜5との接合には、電食を防止するため、亜鉛メッキ鋼板を用いたり、構造接着剤を塗布して直接接触する部分を少なくすることが望ましい。このような接着剤による接合はせん断部の接合強度を稼ぐ効果もある。
図1に示すように長尺のアルミニウム合金押出形材2を車体側(通常、ドアのインナーパネル側)への取付に直接使用する場合(ブラケットレス)、加工性及び耐SCC(対応力腐食)性の観点から6000系アルミニウム合金からなるのが望ましい。また、人工時効した強度の強い状態(T5,T6)より、焼き入れ後状態(T1,T4)の方が望ましく、また繊維状組織であることが望ましい。取り付ける車体側がアルミニウムの場合、溶接も考えられるが、溶接性の観点からも繊維状組織の方がよい。
なお、これまで短尺のアルミニウム合金押出形材が3つの例のみ示したが、長さLの範囲内における中央部の形材4を複数個で形成することも可能である。
ドアビームの平面図(a)及び各部の断面図(b)である。 ドア内部に装着したドアビームの平面図である。 同じくドア内部に装着したドアビームの平面図である。 他の形態のドアビームの平面図である。
符号の説明
1 ドアビーム
2 長尺の形材
3〜5 短尺の形材
6 ドアのアウターパネル
7 ドアのインナーパネル

Claims (5)

  1. ベースになる長尺形材の長手方向に沿って複数の短尺のアルミニウム合金押出形材が一列に嵌合し、かつ短尺のアルミニウム合金押出形材の端面同士が互いに当接し、嵌合した長尺形材と短尺のアルミニウム合金押出形材の間に中空断面が構成され、さらに前記長尺形材の両端に取付部が形成されたドアビームにおいて、短尺のアルミニウム合金押出形材が斜めに切断された端面で互いに当接し、短尺のアルミニウム合金押出形材の合計長さをLとしたとき、長さLの範囲内において両端部の断面形状と中央部の断面形状が異なり、さらに、前記両端部の断面2次モーメントをIとしたとき、前記中央部の断面2次モーメントがIより大きくされていることを特徴とするドアビーム。
  2. ドアの厚み深さ方向にみたときの中央部の高さが両端部の高さより大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載されたドアビーム。
  3. 前記中央部と両端部を形成する合計3つの短尺のアルミニウム合金押出形材を前記長尺形材に嵌合させたことを特徴とする請求項1又は2に記載されたドアビーム。
  4. 長尺形材と短尺のアルミニウム合金押出形材を接合して長さ方向のずれを防止したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたドアビーム。
  5. 長尺形材が形鋼又はアルミニウム合金押出形材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたドアビーム。
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