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JP4107865B2 - 用毛の分離移送装置 - Google Patents
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JP4107865B2 - 用毛の分離移送装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシ、特に、歯ブラシの製造に好適に用いられる用毛の分離移送装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ブラシの製造方法に関する従来技術としては、特表平9−510642号公報に記載の技術が知られている。
【0003】
この技術は、所定長さに切断された用毛の集合に、複数のチューブを有するキャリアの当該チューブを挿入してそれぞれのチューブ内に所定本数の用毛を分離し、分離した該用毛を、複数の用毛挿入孔を有する金型部品に対向させ、キャリアのチューブ内にプランジャーピンを挿入してチューブ内の用毛束を用毛挿入孔に挿入し、該金型部品から突出した用毛束を樹脂で固めて植毛するものである。
【0004】
ところで、この技術では、プッシャーブロックでチューブの後端部を押圧して当該チューブを用毛の集合内に挿入しているため、用毛の先端にそのまま衝撃力が伝わり、用毛が折れ曲がったりする場合があった。また、チューブ内に用毛を導入する際に、用毛の集合を振動させてチューブ内への用毛の導入を補助するようにしているが、チューブ先端での用毛の振動が保証できないため、必ずしも効果的ではなかった。
【0005】
従って、本発明の目的は、スリーブを挿入する際の用毛の折れ曲がりを確実に防止し、スリーブ内に用毛を安定的に導入して用毛の分離移送を行うことができる用毛の分離移送装置及び方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して移送する用毛の分離移送装置であって、前記用毛の集合に差し込まれて内部に用毛が導入されるスリーブと、前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むように移動させる移動手段と、前記用毛の集合に前記スリーブを差し込むときの抵抗に応じて該スリーブを姿勢変化自在に支持する自在支持手段とを備えている用毛の分離移送装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、所定長さに切断された用毛の集合にスリーブを差し込んで該スリーブ内に所定本数の該用毛を導入し、導入された前記用毛を前記スリーブとともに移動させた後に、前記用毛を前記スリーブ外に送り出す用毛の分離移送方法であって、前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むときの抵抗に応じて該スリーブの姿勢を変化させながら前記用毛を該スリーブ内に導入する用毛の分離移送方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい実施形態として、歯ブラシの製造に適用した実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の用毛の分離移送装置(以下、単に分離移送装置ともいう。)を歯ブラシの製造に適用した一実施形態を示すものである。図1において、符号1は分離移送装置を示している。
【0012】
図1に示すように、分離移送装置1は、所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して移送する装置であり、該用毛の集合に差し込まれて内部に該用毛が導入されるスリーブ2と、前記用毛の集合にスリーブ2を差し込むようにz軸方向に移動させる移動手段3と、前記用毛の集合にスリーブ2を差し込むときの抵抗に応じてスリーブ2を姿勢変化自在に支持する自在支持手段4と、スリーブ2振動させる振動源5と、スリーブ2内に導入された用毛をスリーブ2の外に送出する用毛の送出手段6とを備えている。
【0013】
図2に示すように、スリーブ2は、スリーブ本体20と、スリーブ本体20の下端から突出するノズル部21とを有している。スリーブ2の内部には、スリーブ本体からノズル部21に上下に貫通する用毛導入孔22が設けられている。用毛導入孔の上端部は、後述する送出手段6の押出ピン61の挿入が行い易いように拡径されている。スリーブ本体20の外周には外側に張り出すフランジ部20aが設けられている。フランジ部20aは、一部が直線状に切り欠かれており、スリーブ2の芯周りの位置決めが容易且つ確実に行えるようになっている。スリーブ2は、このフランジ部20aを後述する装着板42dにはめ込んで固定できるようになっている。
【0014】
図2(b)に示すように、ノズル部21は、用毛の集合に差し込んで導入孔22内に用毛を導入した後スリーブを引き上げて用毛を分離するときに、ノズル21の周りの用毛がつられて引き上げられるのを抑えることができるように、全体として先細る形態とすることが好ましい。この角度θ1は、0.5〜5°であることが好ましい。また、ノズル部21の肉厚t1は、用毛の集合への挿入性の面より、可能な限り薄い方が好ましいが、強度の確保、製作しやすさの点から0.1〜1mmであることが好ましい。ノズル部21の長さL1(図2(a))は、用毛の長さに応じて適宜設定することができるが、用毛をスリーブ内で保持して整列させる点からは用毛長の100〜150%であることが好ましい。
【0015】
ノズル部21は、先端部にさらに先細るテーパー部21aを有している。テーパー部21aの先端の肉厚t2は、用毛1本の直径よりも薄くすることが好ましい。このように、テーパー部21aの先端の肉厚を、用毛1本の直径よりも薄くすることで、図3(a)に示すように、テーパー部21aの先端部が3本の用毛に跨る(当該肉厚内に用毛1本が収まる)ことがなく、同図(b)に示すように、ノズル部21が用毛10の間にスムーズに挿入される。このテーパー部21aの先端部の肉厚t2は、0.05〜0.3mmであることが好ましい。テーパー部21aの先端は、丸め加工を施しても良い。また、テーパー部21aの角度θ2は、挿入のし易さと強度の確保の点から5〜45°であることが好ましい。
【0016】
ノズル部21の外表面は、当該ノズル部21を用毛の集合に差し込む際の抵抗を抑える点から、無電解メッキを施したり、テフロン(登録商標)樹脂等で表面加工を施す等することによって、表面を潤滑に仕上げることが好ましい。
【0017】
図1に示すように、移動手段3は、サーボモーター30と、略鉛直に支持されたボールねじ31とこれらを連結するカップリング32と、ボールねじ31に螺着されたスライダー33と、スライダー33の上下移動をガイドするガイドレール34とを備えている。
【0018】
スライダー33は、断面がL字状の板状部材からなる支持基板33aと、支持基板33aの下方に接合された断面がL字状の装着板33bとを備えている。
【0019】
図1に示すように、自在支持手段4は、装着板33bの鉛直板部に固定された鉛直方向に伸びるガイドレール40と、ガイドレール40に沿って上下動するスライダー41と、スライダー41に固定された自在支持モジュール42と、スライダー41と前記装着板33bとを連結する支持スプリング43とを備えている。また、自在支持手段4は、前記スリーブ2を前記用毛の集合に差し込むときに用毛に加わる衝撃を緩和する衝撃緩和機構44を具備しており、この衝撃緩和機構44は、本実施形態では、前記ガイドレール40、スライダー41及び支持スプリング43で構成されている。
【0020】
前記自在支持モジュール42は、スリーブ2を支持する部分(本実施形態では、後述のプレート42b)が、X・Y・Z・θ・αの各方向をスプリング、弾性体、又はエアーシリンダーの応用等で保持され、定常状態では所定の保持力(求心力)で固定中心側に保たれている。そして、一定の外圧に対し所定量移動(角度変化)可能な構造となっている。この所定保持力はスプリング等の復元力を調整する事で任意に可変でき、また、移動(角度変化)量については、移動量規制機構(図示せず)を調整する事により可変可能な構造となっている。
【0021】
自在支持支持モジュール42は、自在状態と固定状態とを切り替えるエアーロック機構等の切り替え機構を備えていることが好ましい。このような切り替え機構を備えていることで、各動作工程(用毛の集合へのスリーブの差し込み/同引き抜き/移動/基板等への植毛)に応じて、モジュールの状態を、自在状態、固定に適宜選択することができる。
【0022】
前記自在支持モジュール42は、取り出す用毛の太さ、用毛の集合体の密度の状態により、X・Y・Z・θ・αの各方向の機構を適切な構造にする事が望ましいが、市販部品を適宜組み合わせて構成することも可能である。
【0023】
自在支持モジュール42のフレーム(取付面)42aは、前記スライダー41に固定されている。自在支持モジュール42のプレート42bの下面には、断面がL字状の板状部材42cが固定されており、この板状部材42cの鉛直板部に前記スリーブ2の装着板42dが固定されている。装着板42dには貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔にスリーブ2を通し、前記フランジ部20aで固定できるようになっている。
【0024】
自在支持モジュール42は、図1に示すように、スリーブ2を、基軸(自在支持モジュールの芯)となる鉛直軸(z軸)方向に沿って及び鉛直軸方向に直交する平面内で(xy方向に)移動させるとともに、鉛直軸周り(θ)及び鉛直軸に略直交する軸まわり(α)に回転させることによって、当該スリーブ2の姿勢を変化させるようになしてある。本実施形態では、スリーブ2は、その芯方向が基軸となる前記鉛直軸方向に沿うように装着板42dに固定されている。
【0025】
自在支持モジュール42によって、スリーブ2の姿勢を変化させる場合の移動量は、前述の移動量規制機構を調整することにより、用毛10の折れ曲がりの状態に応じて、適宜設定することができるが、移動量の設定を必要以上に大きくしすぎると用毛の集合10へスリーブ2を挿入する際に、スリーブ2の姿勢が大きく乱れる場合がある点から、x軸方向では±2mmであることが好ましく、y軸方向では±2mmであることが好ましく、z軸方向では±5mmであることが好ましく、鉛直軸周り(θ)では±5°であることが好ましく、鉛直軸に直交する軸周り(α)では±5度であることが好ましい。
【0026】
なお、装着板33bの鉛直板部には、リミッターとしてシリンダーユニット44が配されており、そのロッドで前記スライダー41の上方の移動を規制し、移動量及び規制するタイミンを変更できるようになっている。
【0027】
前記振動源5は、スリーブ2を所定の振動で振動させるものであり、圧電式の小型振動モーターで構成されている。振動源5は、前記板状部材42cの下面に取り付けられている。
振動源5の共振周波数は、前記用毛の集合にスリーブを挿入したときの用毛の折れ、及びスリーブを引き抜くときにスリーブの外周に接している用毛の一部がスリーブと一緒に持ち上がる状況を抑える点から150〜500Hzであることが好ましい。
また、振動源5の共振振幅は、用毛の太さにより最意に選択することが好ましい。該共振振幅は、スリーブが用毛をかき分けて進入しやすくする点から用毛の太さの1/3〜3/2であることが好ましい。共振の方向は、X・Y・Z軸方向、又は、前記各方向における回転などいずれの方向でも効果的であるが、特にスリーブの挿入方向に対し、略直交方向が用毛の集合にスリーブを挿入した際の用毛の折れの効果が特に大きいので好ましい。
振動源5は、前記圧電式の小型振動モーターの他に、電磁振動方式やエア駆動を使った変芯回転方式などいずれの方法でも採用可能であるが、小型、軽量で且つ共振振幅を電圧による回転数で制御ができる点で前記圧電式の小型振動モーターが好ましい。
【0028】
前記用毛の送出手段6は、前記用毛導入孔22内に挿入されて用毛を押し出す押出ピン60と、押出ピン60を上下動させる上下動機構61とを備えている。
【0029】
押出ピン60の先端部60a(図5参照)は、押し出される用毛10の束(用毛束)の先端部が所定の形態に揃うようにその形態に対応した階段状の形態を有している。押出ピン60の後端部にはフランジ部が設けられている。押出ピン60は、前記スリーブ2の導入孔22(拡径部を除く)の内面との間にわずかなクリアランスを有しており、当該導入孔22内で摺動できるように設けられている。
【0030】
押出ピン60の上下動機構61(図1参照)は、前記装着板33bに固定されたシリンダーユニットで構成されている。そして、そのロッド61aの先端部のチャック61bに、押出ピン60がフランジ部60aを介して支持されている。チャック部61bは、前記自在支持手段4によってスリーブ2の姿勢が変化した場合に対応して、フランジ部60aが水平面内において移動できるようになっている。
【0031】
分離移送装置1は、いわゆるxyステージユニット等の二次元移動装置(図示せず)のスライダー7上に固定されて用いられる。
【0032】
次に、本発明の用毛の分離移送方法をその好ましい実施形態として、前記分離移送装置1を用いた用毛の分離移送方法に基づいて説明する。
【0033】
先ず、所定長さの用毛を縦に揃えた状態に所定の集積密度で集積させる。用毛の集積密度は、用毛の太さ、用毛の材質、用毛の長さに応じて適宜設定することができるが、分離のし易さの点から50〜75%であることが好ましく、55〜70%であることがより好ましい。ここで用毛の集積密度とは、単位面積当たりの集積した用毛の総断面積の割合(百分率)である。
【0034】
用毛には、従来から歯ブラシの用毛に用いられている通常の材質、形態のものを特に制限なく用いることができる。
用毛の材質としては、ナイロン等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステルが挙げられる。
用毛の長さは、5〜20mmであることが好ましく、8〜18mmであることがより好ましい。用毛13の太さは、6〜10mil(127〜254μm)であることが好ましく、7〜9mil(178〜229μm)であることがより好ましい。
【0035】
次に、図4(a)に示すように、上述のようにして集積された用毛10の集合の上方に、前記スリーブ2を移動させる。そして、図4(b)に示すように、前記移動手段3によってスリーブ2を降下させてノズル部21を用毛10内に差し込み、当該スリーブ2の導入孔22内に所定本数の用毛10を導入する。スリーブ2を降下させる速度は、5〜100cm/秒であることが好ましい。また、このスリーブ2を降下させる際には、前記振動源5によってスリーブ2を所定の振動数及び振幅で微細に振動させることにより、用毛10の集合内に差し込むとき、用毛10の端面部をスリーブ21がかき分けながら進入する為、用毛10の折れ曲がりがさらに防止される。
【0036】
本実施形態の分離移送装置1では、スリーブ2を用毛10の集合内に差し込むときにノズル部21が用毛10の上端に衝突すると、前記衝撃緩和機構44によってスリーブ2が鉛直軸方向に後退してその衝撃が緩和されるため、用毛10の折れ曲がりが防止される。また、本実施形態では、スリーブ2を用毛10の集合内に差し込むときの抵抗に応じて、前記自在支持手段4の自在支持モジュール42が、スリーブ2の姿勢を変化させることに加え、前記振動源5がスリーブ2を微細に振動させるため、差し込むときの抵抗が最も低くなるような姿勢であり、且つ、スリーブ自体を直接振動させることにより、確実に用毛の集合10をかき分けながら差し込むことができるため、スリーブ2がスムーズに用毛10の集合内に差し込まれ用毛10の折れ曲がりがさらに防止される。
加えて、スリーブ自体が振動するため、スリーブ内の用毛密度を安定にする効果が得られ、最終的には植設する用毛密度の安定化が図られ、概観(毛立ち)や所望の植毛密度の高品質な歯ブラシが得られる。
【0037】
次に、所定本数の用毛10がスリーブ2の導入孔22内に導入された後、振動源5によるスリーブ2の振動が停止され、スリーブ引き抜くときにスリーブ外周に接している用毛の一部がスリーブと一緒に持ち上がる状況が抑えられる。
そして前記姿勢復元手段の求心力によってスリーブ2が前記基軸となる鉛直軸に沿った元の姿勢に戻る。
尚、姿勢変化の移動量や、姿勢復元手段の求心力は用毛10の折れ曲がりの状況や生産速度等により適宜調整することができる。
【0038】
次に、前記移動手段3によって、図4(c)に示すように、導入された前記用毛10を前記スリーブ2とともに引き上げる。このときの引き上げ速度は、スリーブ引き抜き時にスリーブ外周に接している用毛の一部がスリーブと一緒に持ち上がる状況を押さえるな点から5〜100cm/秒であることが好ましい。また、スリーブ2のノズル部21が用毛10の集合から抜き取られた後、前記エアロック機構によって前記自在支持モジュール42を基準位置でロックし、後述する植設工程への移動時に、自在状態のスリーブ2が振動し、スリーブ内の用毛の落下を防止する。
【0039】
次に、図5に示すように、内部に用毛10が導入されたスリーブ2を用毛束保持治具8上に固定された歯ブラシ本体11の上方に移動させる。そして、用毛の送出手段6の前記上下動機構61によって押出ピン60を降下させて用毛10をその先端形状を用毛束保持具8の用毛束挿入孔80の先端形状に対応させて整列させながら、歯ブラシ本体11の植毛基部12の植毛孔12aを介して当該用毛束挿入孔80内に挿入する。この用毛10の挿入の際は、前記エアロック機構による自在支持モジュール42のロックを解除し自在状態にしておくことが好ましい。分離移送装置1では、植毛孔12aの上端部に上方に向けて拡径するテーパー部が形成されいる場合に、当該テーパー部にノズル部21の先端部が当接したときに、ノズル部21が当該テーパー部の傾斜に対応して自在に姿勢を変化できるため、用毛の挿入をスムーズに行うことができる。この効果は、植毛方向が鉛直方向から傾斜している場合に特に有効である。
また、前記衝撃緩和機構44や自在支持モジュールのZ方向のスリーブ移動を自在状態にする事で、スリーブ2と植毛基部12が接触した場合、衝撃を吸収することができ、ピン2の破損を防止できる。
【0040】
用毛(束)の挿入後は、先ず前記移動手段3によってスリーブ2のみが上昇し、スリーブのノズル21aから用毛の上端部が完全に抜けた後に、前記上下動手段61によって押出ピン60が引き上げられ一つの用毛束の植毛工程が完了する。このように、スリーブ2内から用毛が抜け出た後に押出ピン60を引き上げることで、挿入した用毛(束)10の植毛孔12aからの引き抜けを防止することができる。
【0041】
全ての植毛孔についての植毛が工程終了後、スリーブ2及び押出ピン60を退避させ、植毛孔12aから突出する用毛束の溶融端部を、レーザービーム等の所定の溶融手段(図示せず)で溶融させて溶融塊を形成する。そして、射出成形や、接着剤による被覆等の常法によって、植毛部12の背面部を形成して歯ブラシの製造を終了する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の分離移送装置1及びこれを用いた用毛の分離移送方法によれば、スリーブ2を用毛の集合に差し込むときに、その抵抗に応じてその姿勢を変形させるとともに、スリーブ2自体を振動させるようにしたので、スリーブ2を挿入する際の用毛の折れ曲がりを確実に防止し、用毛10をスリーブ2内にスムーズ且つ安定的に導入することができる。また、衝撃緩和機構44を具備しているので、スリーブ2を用毛10の集合に高速で差し込んだときに、ノズル部21と用毛10が衝突してもその衝撃が緩和されるため、用毛10をその折れ曲がりを抑えてスリーブ2内に安定的に導入することができる。
【0043】
また、分離した用毛を1本のスリーブ2でそのまま植毛する形態では、様々な角度に配向された植毛孔に用毛束を挿入することができる。
【0044】
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0045】
本発明の用毛の分離移送装置は、前記分離移送装置1におけるように、スリーブ2の移動手段3として、サーボモーター30、ボールねじ31、カップラー32、スライダー33等を備えたものを用いることが好ましいが、スリーブ2の移動手段は、スリーブを用毛の集合に差し込むように移動させ得るものであれば、他の形態、例えば、エアシリンダーやカムによる連動機構等の移動手段を用いることもできる。
【0046】
本発明の用毛の分離移送装置は、前記分離移送装置1におけるように、自在支持手段4において、スリーブを鉛直軸方向に沿って及び鉛直軸方向に直交する平面内で移動させるとともに、鉛直軸若及び鉛直軸に略直交する軸まわりに回転させることによって、当該スリーブの姿勢を変化させるようにしてあることが好ましいが、スリーブの姿勢を変化させるための当該スリーブの移動及び回転は、用毛10の折れ曲がり状態に応じて何れかの移動又は回転を省略することもできる。 また、自在支持手段4は、定常状態で所定保持力で固定中心側に保つ以外に、保持力を待たない形態も採用可能である。
【0047】
本発明の用毛の分離移送装置は、前記分離移送装置1におけるように、自在支持手段4及び振動源5を共に備えていることが好ましいが、自在支持手段のみを備えている形態とすることもでき、これにより、前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むときの抵抗に応じて、該スリーブの姿勢を変化させながら前記用毛を該スリーブ内に導入することもできる。
【0048】
また、前記分離移送装置1におけるように、自在支持手段4は、衝撃緩和機構44を具備していることが好ましいが、例えば、スリーブ2の降下速度が低い場合や、スリーブ2を用毛の集合に差し込む直前で速度を落とす場合には、衝撃緩和機構を省略することもできる。
【0049】
本発明の用毛の分離移送装置は、前記分離移送装置1におけるように、送出手段として、押出ピン及び該押出ピンの上下動機構を備えたものを用いることが好ましいが、送出手段は、スリーブ2内に導入された用毛を送出できるものであれば他の手段を用いることもできる。例えば、用毛の送出手段として、スリーブの導入孔内に吸引や加圧などによって気流を生じさせて用毛を送出する形態のものを用いることもできる。
【0050】
また、本発明の用毛の分離移送装置は、前記分離移送装置1におけるように、一つのノズル部21及び導入孔22を有するスリーブ2を用いたが、スリーブとして複数のノズル部及び導入孔を有するものを用いることもできる。
【0051】
また、前記実施形態では、植毛基部の植毛孔を介して用毛を用毛束保持治具の挿入孔に挿入するようにしたが、用毛束の挿入対象はこれに制限されるものではない。例えば、歯ブラシの植毛部のキャビティを構成する金型に設けられた用毛束挿入孔、複数の用毛束を所定の方向に配向させるキャリッジ等の複数の挿入孔を有する治具の当該挿入孔等も用毛束の挿入対象とすることができる。
【0052】
本発明は、前記実施形態におけるように、歯ブラシの製造に特に好適であるが、歯ブラシ以外のブラシの製造、例えば、ヘアブラシ、マッサージブラシ、洗浄ブラシその他の各種ブラシの製造にも適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、スリーブを挿入する際の用毛の折れ曲がりを確実に防止し、スリーブ内に導入した密度の安定化を図ることができ、強いては、歯ブラシとして、外観や植毛密度の安定した高い品質のものを安定的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の用毛の分離移送装置を歯ブラシの製造に用いられる用毛の分離移送装置に適応した一実施形態を模式的に示す一部を断面視した側面図である。
【図2】同実施形態の用毛の分離装置におけるスリーブの形態を模式的に示す図であり、(a)は半断面図、(b)は(a)のAの部分の要部拡大断面図である。
【図3】スリーブの先端が用毛の間に差し込まれるときの状態を模式的に示す要部断面図であり、(a)は用毛の集合内に差し込まれる前の状態を示す図、(b)は用毛の間に挿入された状態を示す図である。
【図4】同実施形態の分離移送装置による用毛の分離移送手順を模式的に示す図であり、(a)はスリーブを用毛に差し込む前の状態を示す図、(b)はスリーブのノズル部を用毛に差し込んだ状態を示す図、(c)はスリーブを用毛から引き抜いた状態を示す図である。
【図5】同実施形態の分離移送装置による用毛の植設工程を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 用毛の分離移送装置
2 スリーブ
3 移送手段
4 自在支持手段
44 衝撃緩和機構
42 自在支持モジュール(姿勢復元手段)
5 振動源
6 用毛の送出手段

Claims (8)

  1. 所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して移送する用毛の分離移送装置であって、前記用毛の集合に差し込まれて内部に用毛が導入されるスリーブと、前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むように移動させる移動手段と、前記用毛の集合に前記スリーブを差し込むときの抵抗に応じて該スリーブを姿勢変化自在に支持する自在支持手段とを備えている用毛の分離移送装置。
  2. 前記自在支持手段は、前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むときに該用毛に加わる衝撃を緩和する衝撃緩和機構を具備している請求項1記載の用毛の分離移送装置。
  3. 前記自在支持手段は、前記スリーブを、所定方向の基軸に沿って若しくは該基軸に直交する平面内で移動させるか又は該基軸若しくは該基軸に略直交する軸まわりに回転させることによって姿勢を変化させるようになしてある請求項1又は2記載の用毛の分離移送装置。
  4. 前記自在支持手段は、前記スリーブの姿勢を元に戻す姿勢復元手段を備えている請求項1〜3の何れかに記載の分離移送装置。
  5. 前記スリーブの芯が前記基軸に沿うように配されている請求項3又は4記載の用毛の分離移送装置。
  6. 前記スリーブを振動させる振動源を備えている請求項1〜5の何れかに記載の用毛の分離移送装置。
  7. 前記スリーブ内に導入された前記用毛を該スリーブの外に送出する用毛の送出手段を備えている請求項1〜6の何れかに記載の用毛の分離移送装置。
  8. 所定長さに切断された用毛の集合にスリーブを差し込んで該スリーブ内に所定本数の該用毛を導入し、導入された前記用毛を前記スリーブとともに移動させた後に、前記用毛を前記スリーブ外に送り出す用毛の分離移送方法であって、
    前記スリーブを前記用毛の集合に差し込むときの抵抗に応じて、該スリーブの姿勢を変化させながら前記用毛を該スリーブ内に導入する用毛の分離移送方法。
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