JP4109916B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像パターンを発光する素子を拡大投影する、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の投射型画像表示装置は、通常は液晶表示パネルやマイクロミラーデバイスを光変調素子としてスイッチングに利用して、光の透過と遮断または偏向を制御して選択された光をスクリーンに投射することで、スクリーン上に映像を表示する。
【0003】
但し、上述のような投射型画像表示装置では、液晶表示パネルやマイクロミラーデバイスを光変調素子として用いているため、必ず画像投射に寄与しない状態の光を、不用エネルギーとして偏光素子や光吸収媒質に吸収させて排除することが前提となっている。
【0004】
また、液晶の場合には、光透過率や各画素の開口効率や偏光制御精度によって不要な照明光が存在せざるを得ないという前提のもとで成り立っている。また、マイクロミラーデバイスにおいても各画素の開口効率と斜入射照明による投影レンズの開口数と照明系のNAにおいて軸対称光学系を有効使用することが困難といった前提のもとで成り立っている。
【0005】
そこで、表示画像を明るくするために、メタルハライドや高圧水銀ランプを光源として用いているが、光源電圧として高電圧を使用しなければならないという問題や、光源が高熱を発生するという問題が新たに生じている。
【0006】
このようなエネルギー使用効率の低さを根本的に解決する手段が、特開平11−67448号公報や特開2000−66301号公報にて提案されている。これら公報提案の解決手段では、有機電界発光素子(有機EL素子)をマトリックス配置した発光パネル(有機ELパネル)を構成し、この発光パネルの各有機EL素子を映像情報に基づいて駆動発光させ、投影光学系によって被投射面に投射表示する。
【0007】
有機EL素子は、自発光素子であるため、別の光源は不要であり、有機ELパネルは、映像情報に応じて発光しているため、透過型の液晶パネルなどは不要である。従って得られた光を有効に表示に利用することができる。
【0008】
このことによって、不要な光エネルギーを生成することなく、低電力にて高輝度の表示を容易に得ることができる。また、有機ELパネルのみで映像を出力できるため、その構成が簡単であり、装置の小型化および軽量化を図ることが容易である。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、有機電界発光素子は、光電変換効率の安定性において、徐々に効率が低下していくといった耐久性の問題を抱えている。有機電界発光材料自体は、アニオン、カチオン励起子へ化学構造変化を起こしてそのポテンシャルエネルギーの変位に応じた光エネルギー放出を繰り返すため、また有機電界発光層は蛍光または燐光発光材料とこの材料を分散また電荷キャリアを発光体に輸送するための材料とを用いて構成されているため、化学的構造変化および粒子凝集を起こして光を放出する有機電界発光材料が所望の変化形態以外に変化する確率は原理的に0%にならない。
【0010】
所望の変化形態以外に変化する速度には、発光材料の状態安定性、バインダーとなる電荷キャリア輸送材料等の環境媒体材料との組合せ、印加電界強度や湿度環境による加水分解やディフェクトポテンシャルの生成等が影響を及ぼすが、化学反応の速度に関しての劣化の主要因としては、光電変換過程における熱エネルギーの発生による自己昇温温度パラメータによる劣化加速が挙げられている。
【0011】
この劣化速度は、アレニウスの反応速度関係式にほぼ応じた加速反応となる。したがって、低温状態にて低電力投入状態で発光駆動させれば、光電変換効率の変化速度は緩やかとなり長寿命となるが、発光輝度を高くするために、供給電力を増大させるほど光電変換効率は指数関数的に低下し、素子としては短寿命となる。例えば、通常の民生製品の品質保証期間を1年とすると、数千から数万時間の安定発光が要求されることになるため、明るく高品質な画像表示を実現させようとするほど、品質安定性が劣化するといった原理的不具合が発生してしまう。
【0012】
また、有機電界発光材料の光電変換効率の劣化速度を減速させることは、電界発光素子自体を低温に冷却することによって実現することができるが、冷却温度を外気温度より低温で維持する場合には、外気の湿度に対しても影響を受ける。例えば、30℃で80%程度の高温高湿環境においては、電界発光素子に水蒸気の露結が生じ、光放射方向に水滴が生成されると、電界発光素子が表示する画像を投影レンズにてそのまま投影することができなくなり、ゆがんだ像として投影されてしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、有機電界発光素子を外気温度以下の温度であって、外気温度に対して所定範囲の温度差を有する温度に強制冷却し、有機蛍光体材料の化学変化速度を鈍化させることによって、光電変換効率の劣化を遅延させ、画像表示装置の品質維持期間を長期化させるものである。
【0014】
ただし、強制的な冷却手段を用いて有機電界発光素子を冷却する際に素子の光放射光路において露結が発生してしまうと光の投影に悪影響を及ぼすため、光放射側の光路において、少なくとも2枚の光透過ウインドウを気体層を密閉する構造にて配することで露結を防止する。また、外気温度から温度差が20度以上となるような冷却を行うと、光放射光路に気体を密閉した2枚以上のウインドウによって断熱を施していても、電界発光素子を保持する部材自体が除々に冷却され、冷却が伝播して最外面に配されたウインドウ自体が冷却されるために露結が発生する。そこで、このような事態が生じることを防ぐために、電界発光素子の冷却最低温度は、外気温度に対して20度差以内、好ましくは15度差程度で制御するようにするとよい。
【0015】
ここで、電界発光素子としては、3原色の光を発する各色画素の繰返しマトリックス配列により構成される加法混色カラー像を表示するものを用いることができる。
【0016】
また、本発明は、3原色の光のうち互いに異なる1つの色光を発する電界発光素子を3つ設け、ダイクロイック波長帯域分離膜を有する光学素子(例えば、クロスダイクロイックプリズムや3P(ピース)又は4P(ピース)ダイクロイックプリズム)によって上記3つの電界発光素子から放射された光を合成した後に投影レンズにより被投射面に投射して加法混色カラー像を表示する画像表示装置に適用することができる。
【0017】
また、有機蛍光体または燐光体を含む材料を発光層に有する電界発光素子としては、発光層への電荷キャリア注入によって光放射する変調画素が2次元配列されたEL(エレクトロ・ルミネッセンス)発光素子を用いることができる。
【0018】
さらに、EL発光素子としては、電荷キャリア注入電極膜およびこの電極膜の外面に配された光反射膜によって生成フォトンの共振構造が形成されているものを用いることができる。
【0019】
また、冷却手段としては、ペルチェ素子等のゼーベック効果により温度勾配を生成してその低温側を冷却に用いることができる。
【0020】
さらに、ペルチェ素子等のゼーベック効果により温度勾配を生成して低温側を冷却に用いる冷却手段の高温側を、金属またはセラミック等の高熱伝導率放熱板を用い、送風ファンによる大気対流によって放熱するようにするとよい。
【0021】
なお、本発明を適用する画像表示装置は、画像をスクリーンに投射し、所定の指向性を有した拡散反射光によって投射画像を観察させたり、所定の指向性を有した拡散透過光によって観察させたりすることができるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置を構成する主要な光学系を示している。
【0023】
この図において、1は画像情報を光の発光パターン情報として表すよう光放射する複数の画素から構成される電界発光素子である。この電界発光素子1は、画像表示コントローラ(図示せず)からの電気信号に基づいて電気的に制御される。画像表示コントローラには、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤー、ビデオ等の不図示の画像情報供給装置から画像信号が入力され、画像表示コントローラは入力された画像信号に基づいて、電界発光素子1を発光させて画像を表示させるための電気信号を電界発光素子1に供給する。これにより、電界発光素子1は画像光(変調光)を放射する。なお、電界発光素子1の詳しい構成については後述する。
【0024】
電界発光素子1から放射した光は、ウインドウ7および密閉保持部材8によって外気と遮蔽された窒素または乾燥大気が充填された空間と、ウインドウ7とを通過した後、投射レンズ2を通してスクリーン3に投射される。
【0025】
スクリーン3は、その表面において所定の光拡散特性を有するものであって、拡散反射された光を観察者が見ることで、画像観察ができる構成となっている。
【0026】
一方、電界発光素子1での光電変換におけるエネルギー変換ロス分はその大部分は熱エネルギに変換される。本実施形態では、電界発光素子1の背面(光放射面以外の面)に、ペルチェ素子4を取り付けている。
【0027】
より詳しく説明すると、ゼーベック効果により温度勾配を発生させ、片面にて冷却作用が行えるペルチェ素子4の低温勾配面を電界発光素子1の背面に密着させている。これにより、電界発光素子1を冷却することができる。
【0028】
21は温度コントローラである。この温度コントローラ21には、熱電対(素子温度検出手段)20が接続されており、熱電対20は電界発光素子1に接触している。これにより、温度コントローラ21は電界発光素子1の温度をモニターすることができる。
【0029】
また、温度コントローラ21には、環境温度としての外気温度を検出する外気温センサ23が接続されている。温度コントローラ21は、熱電対20の発生する電位と外気温センサ23からの電位とを比較してその電位差から外気温に対する電界発光素子1の温度の差を検出するとともに、熱電対20の発生する電位の変化勾配を検出して、外気温に対する電界発光素子1の温度差が所定範囲内に収まるように、ペルチェ素子4に電力供給線22を介して供給する電力を制御する。これにより、電界発光素子1は、その温度の外気温に対する差が所定範囲内となるように強制的に冷却される。
【0030】
一方、電界発光素子1とは反対側の面となるペルチェ素子4の高温勾配面は、送風ファン5によって外気を用いた強制冷却が行われる。
【0031】
(第2実施形態)
図2には、本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置を構成する主要な光学系を示している。
【0032】
この図において、1R,1G,1Bはそれぞれ、レッド、グリーン、ブルーの加法混色の3原色をつかさどる色の光を放射する電界発光素子である。各電界発光素子は、画像情報を光の発光パターン情報として表すように光放射する複数の画素で構成される。各電界発光素子は、画像表示コントローラ(図示せず)からの電気信号に基づいて電気的に制御される。画像表示コントローラには、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤー、ビデオ等の不図示の画像情報供給装置から画像信号が入力され、画像表示コントローラは入力された画像信号に基づいて、各電界発光素子を発光させて画像情報を表示させるための電気信号を各電界発光素子に供給する。これにより、3つの電界発光素子1R,1G,1Bは、それぞれが担当する色の画像光(変調光)を放射する。電界発光素子1R,1G,1B1の詳しい構成については後述する。
【0033】
電界発光素子1R,1G,1Bから放射した光は、それぞれの電界発光素子に配されたウインドウ7および密閉保持部材8によって外気と遮蔽された窒素または乾燥大気が充填された空間と、ウインドウ7とを通過した後、合成プリズム6によって色合成される。
【0034】
合成プリズム6は、レッドを反射しシアンを透過するダイクロイックフィルタ6Rと、ブルーを反射してイエロを透過するダイクロイックフィルタ6Bとをクロス状に配したクロスダイクロイックプリズムと一般に呼ばれるものであって、グリーンに対して影響を与えず透過させる特性を有している。
【0035】
この合成プリズム6を用いることによって、レッド色の画像情報発光を担当する電界発光素子1Rから放射した光は、ダイクロイックフィルタ6Rによって投影レンズ2の方向に偏向を受け、ブルー色の画像情報発光を担当する電界発光素子1Bから放射した光はダイクロイックフィルタ6Bによって投影レンズ2の方向に偏向を受け、さらにグリーン色の画像情報発光を担当する電界発光素子1Gから放射した光は偏向作用を受けずに投影レンズ2の方向に進行することとなる。
【0036】
ただし、各電界発光素子1R,1G,1Bに複数配された画素は、各所定画素が相対的に所定精度を有して重なるように調整またはメカ的または電気的に補償されている。また、合成プリズム6は、クロスダイクロイックプリズム以外に、ビデオ受光色分解光学系によく用いられる3Pプリズムや4Pプリズムを用いてもよい。
【0037】
合成されたカラー画像光(変調光)は、投影レンズ2を通してスクリーン3に投射される。
【0038】
スクリーン3は、その表面において光拡散特性を有するものであって、拡散反射された光を観察者が見ることで画像を観察できる構成となっている。
【0039】
一方、第1実施形態にて説明したと同様に、各電界発光素子1R,1G,1Bの背面には、ペルチェ素子4と送風ファン5を用いた冷却手段が設けられている。
【0040】
31は温度コントローラである。この温度コントローラ31には、熱電対(素子温度検出手段)30a,30b,30cが接続されており、これら熱電対30a,30b,30cはそれぞれ電界発光素子1R,1G,1Bに接触している。これにより、温度コントローラ31は各電界発光素子1R,1G,1Bの温度を個別にモニターすることができる。
【0041】
また、温度コントローラ31には、環境温度としての外気温度を検出する外気温センサ33が接続されている。温度コントローラ31は、熱電対30a,30b,30cの発生する電位と外気温センサ33からの電位とを比較してその電位差から外気温に対する各電界発光素子1R,1G,1Bの温度の差を検出するとともに、熱電対30a,30b,30cの発生する電位の変化勾配を検出して、外気温に対する各電界発光素子1R,1G,1Bの温度差が所定範囲内に収まるように、各電界発光素子1R,1G,1Bに取り付けられたペルチェ素子4に電力供給線32a,32b,32cを介して供給する電力を制御する。これにより、3つの電界発光素子1R,1G,1Bは、その温度の外気温に対する差が所定範囲内となるように個別にかつ強制的に冷却される。
【0042】
一方、各電界発光素子1R,1G,1Bとは反対側の面となるペルチェ素子4の高温勾配面は、送風ファン5によって外気を用いた強制冷却が行われる。
【0043】
(電界発光素子について)
次に、第1実施形態にて用いられている電界発光素子1の構造について、図3を用いて説明する。電界発光素子1の基本的な構造は、図3(b)に示すように、透明ガラス基板10を基材として、薄膜電界発光材料層11,12,13がITO(酸化インジウム錫)透明薄膜電極14と金属薄膜電極15に挟持された構造である。電界発光材料にホールキャリアのみを効率的に注入するために、ホール輸送層16をITO透明薄膜電極14と薄膜電界発光材料層11,12,13の間に配するものである。
【0044】
また、投射型の変調光源として用いる場合においては、投射レンズによって放射した光を捉える比率を高めるためと、光電変換効率を高めるといった目的のため、ITO透明薄膜電極14の外側に誘電体多層反射ハーフミラー層17を設け、金属薄膜電極15の光反射面とによって光共振構造を構成し、誘導放射作用が発生する状態までは到達しなくとも、共振によって光放射方向をガラス基板10の垂直方向に指向性を持たせるようにしている。
【0045】
また、放射波長スペクトルの狭帯域化効果も同時に実現する効果があり、共振距離の設計により、放射光波長を設計することが可能になっている。なお、光放射面は透明ガラス基板10側である。以上が基本的な電界発光素子の構造である。
【0046】
各発光画素は、ITO透明薄膜電極14と、金属薄膜電極15の配線マトリックス配置によって構成され、1ナノメータオーダの発光波長は、共振ミラー間隔によって調整されるが、レッド、グリーン、ブルーといった発光色は電界発光材料によって決定され、各色を担当する電界発光材料は、図3(a)に示すように、レッド担当の電界発光材料が11、グリーン担当の電界発光材料が12、ブルー担当の電界発光材料が13のように配することによって、フルカラーを表現する電界発光素子1を実現するものである。
【0047】
一方、電界発光材料11,12,13のパターニングは蛍光材料を蒸着法によって基板にコーティングする方法が一般的である。すなわち、3原色発光画素を配する電界発光素子を作成するためのには、製法プロセスは多工程となるが、マスクパターン遮蔽体またはレジストパターニングによって色ごとにコート不用部分をマスキングしておき、レジストパターニングの場合にはリフトオフ方法によって、順次3原色の電界発光材料をコーティングしていくことによってパターン配置することができるものである。
【0048】
第2実施形態にて用いられる電界発光素子1R,1G,1Bの構造については、図4(a),(b)に示すように、上記第1実施形態にて用いられる電界発光素子1に対して、3原色の電界発光材料をパターン配置する構造を省いたものであって、電界発光素子1Rはレッド担当の電界発光材料11を配したもの、電界発光素子1Gはグリーン担当の電界発光材料12を配したもの、電界発光素子1Bはブルー担当の電界発光材料13を配したものである。
【0049】
次に、上記各実施形態にて行う電界発光素子の温度制御の方法について、図5を用いて説明する。
【0050】
投射型画像表示装置に電源が投入されると、室温環境に合った温度となっている電界発光素子を冷却するために、温度コントローラはペルチェ素子4に電力を供給する。
【0051】
ここで、冷却速度に関しては、あまり急激に冷却を行うと、ウインドウ7とガラス基板10と密閉保持部材8内に封印されたガスに含まれる微量の水蒸気が液化する状況が生じるため、所定時間勾配で冷却する。この所定時間勾配は、封印ガスによって冷却速度の限界値が変化するが、本実施形態においては最大勾配が10秒で−1度の冷却速度になるようにペルチェ素子4への電力供給量の最大値を設定している。
【0052】
次に、熱電対によって検出される電界発光素子の温度と外気センサによって検出される環境温度(外気温度)との温度差が所定の制御目標値(本実施形態では、−15度)に達したところで、温度コントローラはペルチェ素子4への電力供給を中断する。これにより、電界発光素子が発光できる準備が整うこととなり、電界発光素子が画像信号に応じてパターン変調発光を行う。なお、上記制御目標値は、実際にはある程度の範囲をもった値である。
【0053】
電界発光素子の冷却のオーバーシュートによって、一時、上記制御目標値より温度差が広がるまで冷却されるが、電界発光素子の点灯により熱エネルギーが生成され、電界発光素子の温度が上昇し始める。そして、上記制御目標値よりも温度差が縮まると、温度コントローラはペルチェ素子4への電力供給を再開し、電界発光素子の冷却を行う。このようなフィードバック系が繰り返されることにより、電界発光素子の温度と外気温度との温度差がほぼ一定(上記所定目標値)に維持される。
【0054】
なお、電界発光素子に供給される画像信号は一義的な量とはならないため、電界発光素子が発熱する熱エネルギーは一定とならない。このため、電界発光素子の温度を熱電対または放射温度系等でモニターしながらのフィードバック系を構成するのが好ましい。
【0055】
一方、電界発光素子を絶対温度にてフィードバック制御を行ってしまうと、外気温度が高温となった場合、水蒸気含有率の高い空気が進入する状況が生じ、ウインドウ7の表面に露結が生じる不具合がある。
【0056】
次に、電界発光素子を冷却制御することによる効果について説明する。有機電界発光蛍光体にブルー色発光体にベンゾオキサゾール亜鉛錯体、グリーン色発光体にアルミキノリノール錯体、レッド色発光体にDCM等を用いた場
ここで、投射型画像表示装置として、対角2インチのXGA画素配列の電界発光素子1または1R,1G,1Bに表示された画像を拡大投影して対角50インチに拡大投影する場合、1000ルクスのスクリーン照度を得るためには、電界発光素子の構造は上記したように共振構造にて前方放射特性を有し、投射レンズ2の光捕獲効率が50%以上の高効率とすることが可能なため、電界発光素子の放射光量は約10万cd/m2 が必要量となる。
【0057】
しかし、電荷キャリア注入量を20倍、即ち2A/cm2 供給することで瞬間的には実現できるが、電気エネルギーはそのほとんどが熱エネルギーに変換されるため、電界発光素子は自己発熱によって急速に温度上昇し、電界発光材料である有機蛍光体が活性化状態へ励起される確率が急速に上昇する。このため、蛍光体有機分子の崩壊を引き起こし、光電変換効率の半減時間は指数関数的に減衰してしまう。
【0058】
実施例として、外気温度が30℃、制御目標温度差15度で実質的に電界発光素子1または1R,1G,1Bの温度を15℃に制御した場合、可視光領域に励起帯を有する有機蛍光体は約50kcal/mol以上の活性化エネルギーを有する。このため、化学反応速度は常温23℃環境に対して約1/10以下に減速される。したがって、光電変換効率の半減時間は数10000時間に長寿命化され、投射型画像表示装置としての表示照度品質を1年間以上維持できる。
【0059】
一方、投射型画像表示装置として、スクリーン3は反射型であっても透過型であってもよく、また所定の拡散性を有するものを用いれば、スクリーン3を直視して画像を認識する表示装置になるものであるし、ホログラムやフレネル構造の指向性を有するものを用いれば、特定位置への表示装置として機能するものである。
【0060】
なお、上記各実施形態では、投射型画像表示装置について説明したが、本発明は、表示素子の虚像を観察するヘッドマウントディスプレイやヘッドアップディスプレイなどにおいても適用が可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機電界発光素子を外気温度以下で、外気温度に対して所定範囲内の温度差を有するように冷却することにより、有機蛍光体材料への注入電力量を増加させ、発光輝度を高くして使用する場合においても、有機蛍光体材料の化学変化速度を鈍化させることができ、光電変換効率の劣化速度を減速させ、投射型画像表示装置の品質維持期間を長期化することができる。また、電界発光素子を冷却するに際しても、電界発光素子からの放射光路に露結水滴が発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置の要部概略図。
【図2】本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置の要部概略図。
【図3】上記第1実施形態に用いる電界発光素子の要部概略図。
【図4】上記第2実施形態に用いる電界発光素子の要部概略図。
【図5】上記各実施形態における電界発光素子の温度制御シーケンスを示す図。
【符号の説明】
1,1R,1G,1B 電界発光素子
2 投射レンズ
3 スクリーン
4 ペルチェ素子
5 送風ファン
6 合成プリズム
7 ウインドウ
8 密閉保持部材
10 ガラス基板
11,12,13 電界発光材料
14 透明薄膜電極
15 金属薄膜電極
16 ホール輸送層
17 誘電体多層反射ハーフミラー
20,30a,30b,30c 熱電対
21,31 温度コントローラ
22,32a,32b,32c 電力供給線
23,33 外気温センサ
Claims (4)
- 放出する光の個別変調が可能な画素を有する電界発光素子と、前記電界発光素子の個々の画素から放出された変調光を投射する投射光学系とを有する画像表示装置であって、
前記電界発光素子の電界発光層は有機蛍光体または有機燐光体を含む材料により構成されており、
前記電界発光素子の温度を検出する素子温度検出手段と、
外気温度を検出する外気温検出手段と、
前記電界発光素子の光放出面以外の面に設けられた冷却手段と、
前記素子温度検出手段による検出温度が前記外気温検出手段による検出温度以下であって、前記外気温検出手段による検出温度との差が所定範囲内となるように前記冷却手段を制御する温度制御手段とを有することを特徴とする画像表示装置。 - 前記温度制御手段は、この画像表示装置への電力供給時から所定時間勾配にて前記素子温度検出手段による検出温度と前記外気温検出手段による検出温度との差が前記所定範囲内となるように前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記冷却手段が、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 前記電界発光素子の光放出面側には、少なくとも2枚の光透過ウインドウが気体層を密閉する構造で配されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
Priority Applications (2)
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|---|---|---|---|
| JP2002195056A JP4109916B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 画像表示装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002195056A JP4109916B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 画像表示装置 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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