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JP4112914B2 - インダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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JP4112914B2 - インダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

インダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法に関し、より具体的には、プリント配線基板内部にパターニング加工された磁性コアを設け、基板表面の配線パターンと、スルーホールとで作製されるコイル巻線とで構成される内蔵型インダクターを有するプリント配線基板を製造する方法に関する。特には、鉛フリー半田による実装性に優れ、高効率、高精度なインダクター特性を示す、内蔵型インダクターを生産歩留まりよく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子・通信分野の目覚しい発展に伴い、電気・電子機器に持ちられる磁気応用製品の需要の拡大、これに伴う製品形態の多様化が急速に進んでいる。その一つに、プリント配線基板に実装される半導体素子回路とともに、使用される個別素子のインダクターを、予めプリント配線基板の所定部位に内蔵したインダクター内蔵型プリント配線基板がある。このインダクター内蔵型プリント配線基板中に内蔵されるインダクターでは、インダクターの磁気コアは、薄層化した上で、プリント配線基板自体を構成する平板コア材を積層する工程の際、基板内に配置・積層した形態と利用される。その後、基板内に配置されている薄層型磁気コアに対して、インダクター用コイル巻線を、プリント配線基板の上下の両表面に形成した配線パターンと、基板を貫通するスルーホールとで構成する形態とされる。
【0003】
前記の形態を有する、基板中内蔵型のインダクターでは、薄層にもかかわらず、磁気コアを、目的とする磁気特性を示すものとするため、例えば、非晶質磁性金属箔体の利用が検討されている。非晶質磁性金属箔体は、単位体積当たりの磁気特性が優れていることから、薄層の磁性材料を必要とする、様々な用途への応用が考えられている。その際、非晶質磁性金属箔体は、所望とする磁気特性を発揮させる上では、箔体に作製後、磁気特性向上を目的とする熱処理が必要である。一方、その熱処理後に、非晶質箔体は脆弱化してしまうため、そのままでは、機械的な加工・利用に大きな制限があった。しかし、特開2001−118715号公報により提案されている手法、すなわち、予め耐熱性樹脂を補強材として付与された非晶質磁性金属箔体では、この耐熱性樹脂による保護機能により、熱処理後、非晶質箔体自体の脆弱化は進むものの、耐熱性樹脂を付与された状態では、機械的な破壊は防止される。また、熱処理を施した、耐熱性樹脂を付与された非晶質箔体を、1層以上の積層化して、積層型の磁性材料として利用することも可能となる。
【0004】
しかしながら、前記の耐熱性樹脂付き非晶質箔体積層体をプリント配線基板の内層に配置して、内蔵型インダクター用の磁気コアとして利用する場合、かかる積層体の表面に付与された耐熱性樹脂は、磁気特性向上のために熱処理を施した結果、通常、プリント配線基板の積層に汎用されているBステージの樹脂(以降、プリプレグと言う)を介して、加熱プレスにより積層した際、接着力が大幅に低下することが問題点として挙げられる。特に、積層基板の作製に多用されているガラスクロスを含浸したエポキシ樹脂製のプリプレグ(以降、FR4プリプレグと言う)を使用した場合、プリント配線基板に半導体チップ等の部品を実装する工程、なかでも、半田リフロー工程において、かかるFR4プリプレグ部で膨れ・はがれが発生する問題点があった。この膨れ・はがれの発生は、融点の高いPbフリー半田を利用する場合に顕著であった。
【0005】
一方、耐熱性樹脂を付与した非晶質磁性金属箔体を2層以上含む積層型の磁性薄膜材料を使用して、高効率のインダクタンスを示す内蔵型インダクターを製造する工程では、耐熱性樹脂は、勿論、銅箔等の金属箔の加工に通常使用する塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液で加工できない。従って、積層化した磁性薄膜材料を、単一のエッチング液によるエッチング加工することでは、磁性コアの形状形成が困難であった。その他、非晶質磁性金属箔体の工業的に得られる寸法は、幅10mm〜200mm程度の狭幅であり、他方、工業的に製造するプリント配線基板の平面寸法は、しばしば、500mm以上×500mm以上とされる。その場合、狭幅の非晶質箔体を利用して別途作製された磁性コアを、プリント配線基板の内層に配置し、内蔵型インダクターを形成する場合、内層に配置される磁性コアの平面位置と、プリント配線基板の上下表面に形成される、コイルとなる配線の位置を、精度良く配置することは容易でなかった。すなわち、別途作製された磁性コアを内層に配置し、積層型プリント配線基板を作製する際、磁性コアの配置位置にバラツキを生じやすく、その後、作製される上下表面の配線パターンとの、精度の良いアライメントを阻害する要因となっていた。
【0006】
例えば、特開平4−148512により提案されているインダクター内蔵型プリント配線基板では、別途作製された磁性コアを所望の位置に配置する目的で、適所に凹部を設け、この凹部に非晶質磁性金属箔体製の磁性コアを嵌め込むように配置した上で、凹部の周辺にスルーホールを介したコイル配線を作製する方法が挙げられる。その際、凹部内に嵌め込むように配置される非晶質磁性金属箔体製の磁性コアと、スルーホールとの位置合わせ精度は必ずしも高くなく、精密なインダクターを内蔵するプリント配線基板を高い再現性、歩留まりで製造することを困難としていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、プリント配線基板に内蔵されるインダクターを作製する上で、磁性コアとして、上述する磁性特性に優れた非晶質磁性金属箔体を利用し、その際、従来の作製方法よりも格段に高い精度のインダクターを高い再現性、歩留まりで製造する方法の開発が望まれている。加えて、インダクター内蔵型プリント配線基板に半導体チップ等の部品を実装する工程、なかでも、半田リフロー工程において、融点の高いPbフリー半田を利用する場合に、積層型基板のプリプレグ部で膨れ・はがれが発生することをも防止できる、インダクター内蔵型プリント配線基板の作製方法の開発が望まれている。
【0008】
本発明は前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、性能の優れた平面インダクターを内蔵する、インダクター内蔵型プリント配線基板を高い再現性、歩留まりで製造する方法を提供することにある。特には、本発明の目的は、プリント配線基板内に内蔵される平面インダクターを、高い再現性、歩留まりで製造する方法を提供することにある。加えて、本発明の更なる目的は、かかる平面インダクターの製造工程を採用することで、基板の内層に設ける、非晶質磁性金属箔体製の磁性コアに対する、コイル部の位置合わせ精度を格段に向上させ、性能の均一性に優れ、かつより精密な平面インダクターを内蔵する、インダクター内蔵型プリント配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、耐熱性樹脂を付与し、磁気特性向上のための熱処理を施した非晶質磁性金属箔体、ならびにその積層体を利用して、磁性コアを作製する際、磁性コア形状への加工に先立ち、積層基板の作製に利用されるプリプレグを使用して、積層シートに形成した上で、エッチング・パターニングを行い、また、その後、コイル配線を作製する工程では、前記のパターニング工程の際に、同時に形成され、相対的な配置が決定されているターゲットマークに基づき、位置合わせを行うことにより、磁性コアとコイル配線とを高い精度で位置合わせできることを見出した。加えて、非晶質磁性金属箔体を磁性コアに加工する前に、プリプレグを使用して、積層シートに形成しるため、熱圧着に伴う応力歪みの導入を低減でき、更には、プリプレグとの接合面に予め表面粗化処理を容易に施すこともでき、耐熱性に優れた積層体とすることが可能であることをも見出し、本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のインダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法は、
インダクター内蔵型プリント配線基板を製造する方法であって、
前記内蔵されるインダクターは、該配線基板の内層に設けられる磁性コアと、該配線基板を貫通するスルーホールと表面の配線パターンとからなるコイル配線とで構成され、
非晶質磁性金属箔体の片面または両面の少なくとも1部分に耐熱性樹脂が付与された磁性箔体とプリプレグを使用し熱圧着を行い積層する工程と
プリプレグに積層された前記磁性箔体をエッチング・パターニングして、所定の形状の磁性コアを形成する工程と
プリプレグに積層された磁性コア材に対して、プリプレグを介して金属箔を熱圧着により積層し、得られる積層体を貫通するスルーホールを形成し、その後、前記金属箔のエッチング加工により配線パターンを形成し、コイル配線を形成する工程を有し、
前記磁性箔体とプリプレグを使用し熱圧着を行い積層する工程において、
所定の領域に該磁性箔体を配置し、残る領域に付加的な金属箔を配置し、該磁性箔体と金属箔を同一層に配置する形態で熱圧着による積層を行い、
前記付加的な金属箔に対して、該磁性箔体のエッチング・パターニングとともに、同時に形成されるエッチングマスク上のターゲットマークを形成するエッチング・パターニングを施し、
スルーホールの形成、ならびに、配線パターンの形成に際し、前記ターゲットマークに基づき、位置合わせを行うことを特徴とするインダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法である。なお、前記熱圧着に使用するプリプレグは、その熱硬化後のプリプレグ材の示すガラス転移温度Tgは、200℃以上350℃未満の樹脂組成物であることが好ましい。
【0011】
本発明の製造方法では、
該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の耐熱性樹脂表面と該プリプレグとを接する形態とし、
該熱圧着に先立ち、該耐熱性樹脂表面を粗化処理する形態を選択することができる。あるいは、該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の非晶質磁性金属箔体表面と該プリプレグとを接する形態とし、
該熱圧着に先立ち、該非晶質磁性金属箔体表面を粗化処理する形態を選択することもできる。
【0012】
加えて、利用する前記磁性箔体は、片面または両面の少なくとも部分に耐熱性樹脂が付与された非晶質磁性金属箔体が、2層以上に多層化された積層構造を有し、
該積層構造を有する磁性箔体をエッチング・パターニングする工程は、各層において、非晶質磁性金属箔体のエッチング加工と付与されている耐熱性樹脂のエッチング加工を繰り返し行うことによって、該積層構造を有する磁性コアを形成すること工程とすることが可能である。
【0013】
本発明の製造方法では、該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の非晶質磁性金属箔体表面と該プリプレグとを接する形態とする際には、プリプレグに積層された前記磁性箔体をエッチング・パターニングする工程に先立ち、表層の耐熱性樹脂を剥離する処理を施した後、前記非晶質磁性金属箔体のエッチング・パターニングを行う工程とすることが好ましい。
【0014】
なお、本発明の製造方法において作製するインダクターの構成は、得られる積層体を貫通するスルーホールによる、両面間の電気的導通は、該スルーホールに対する、銅メッキフィルドビア法により達成する形態とすることが望ましい。
【0015】
なお、前記ターゲットマークに基づく位置合わせにおいては、
X線により、予め作製されているターゲットマークを検出して、位置合わせを行うことが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるインダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法をより詳しく説明する。
【0017】
まず、本発明の製造方法で作製されるインダクター内蔵型プリント配線基板では、非晶質磁性金属箔体をエッチング加工して形成される、磁性コアをプリント配線基板の内層に配置し、一方、かかる磁性コアに対して、コイル巻線は、プリント配線基板を貫通するスルーホール部と、基板の上下両面に形成される配線パターンを利用して構成される、平面型のインダクターの形態を利用する。その際、磁性コアの配置位置に合わせて、スルーホールの穴あけ、上下両面の配線パターンのエッチング・パターニング工程がなされる。
【0018】
次に、本発明の製造方法を、その工程順序に従って説明する。
【0019】
本発明で利用される非晶質磁性金属箔体は、非晶質磁性金属箔体の片面、あるいは、両面に予め耐熱性樹脂を付与した上、この耐熱性樹脂を付与した非晶質磁性金属箔体に熱処理を施し、その磁気特性を改善したものである。
【0020】
第一工程では、かかる表面に耐熱性樹脂を付与した非晶質磁性金属箔体を、最終的に積層基板を構成する内層の一つに利用される所定の寸法を有するプリプレグに対して、所望の位置、すなわち、磁性コアを配置すべき位置に応じて、配置した上で、熱圧着を行いシート状の積層体とする。この熱圧着は、通常、加熱プレス法により実施される。耐熱性樹脂を付与した非晶質磁性金属箔体と、プリプレグとの接触面は、非晶質磁性金属箔体面、あるいは、耐熱性樹脂面のいずれを選択することも可能である。
【0021】
例えば、耐熱性樹脂面と、プリプレグとを接着させ、積層する際には、耐熱性樹脂層の表面に、表面粗化処理を予め施すことが好ましい。かかる耐熱性樹脂面の表面粗化方法として、プラズマ処理等が好ましい。具体的には、該非晶質箔体を、プラズマ処理容器中において、表面粗化を施す耐熱性樹脂表面にプラズマが作用する方向に設置し、プラズマ処理を行う。プラズマ処理時間は、プラズマ条件に依存するが、0.1秒から3時間行うことが好ましい。該耐熱性樹脂に対する表面粗化の処理は、プリプレグとの加熱プレスによる積層の直前に行うことが好ましい。少なくとも、表面粗化の処理後、50時間以内に、プリプレグとの加熱プレスによる積層を行うことが好ましい。
【0022】
あるいは、非晶質磁性金属箔体面とプリプレグとを接着させ、積層することもでき、その際には、予め非晶質磁性金属箔体の表面に、表面粗化処理を施すことが好ましい。また、非晶質磁性金属箔体表面に対する表面粗化の方法として、前述のプラズマ処理が好ましい。さらには、マイクロエッチング処理により、非晶質磁性金属箔体表面の粗化することも好ましい。このマイクロエッチング処理の方法としては、例えば、エバラ電産のNBD処理、メックのCZ処理)、マクダミットのMD処理等が好ましい。プラズマ処理により、非晶質磁性金属箔体表面の粗化を行った後、該非晶質箔体は、ただちにプリプレグと加熱プレスにより積層することが好ましい。
【0023】
この工程で使用されるプリプレグとしても、通常、積層型プリント配線基板の作製に用いられるプリプレグが使用できる。その際、プリント配線基板に半導体チップ等の部品をPbフリー半田等の高温半田で実装する工程において、膨れ、はがれを防止する上では、熱硬化後の耐熱性が付与されたプリプレグが好ましい。使用されるPbフリー半田等の高温半田に対応するリフロー温度に応じて、好ましくは、熱硬化後のTgが200℃以上、更に好ましくは、熱硬化後のTgが250℃以上のプリプレグを使用することが好ましい。前記の耐熱特性を有するプリプレグ用樹脂の組成物として、変成イミド樹脂を主体とした組成物が好適に利用できる。更に、具体的には、BN300(三井化学製)、BTレジン(三菱ガス化学製)等のプリプレグを用いることが好ましい。
【0024】
非晶質磁性金属箔体は、プリプレグの片面または両面に積層する。例えば、プリプレグの両面に該非晶質磁性金属箔体を積層する際にも、上述するプラズマ処理又はマイクロエッチング処理により、表面粗化された表面をそれぞれプリプレグ側として積層する。
【0025】
インダクター内蔵型プリント配線基板中、平面インダクターの作製される部分には、非晶質磁性金属箔体を積層する必要はあるものの、それ以外の部分には、必ずしも、非晶質磁性金属箔体を積層する必要はない。従って、この積層工程では、必須領域には、非晶質磁性金属箔体を、それ以外の領域には、他の金属箔を同一面に並べて積層する。併用される金属箔としては、工業的に安価に入手可能な金属箔であり、かつ、非晶質磁性金属箔体をエッチング加工する際、併せて、エッチングを実施できるものが望ましい。例えば、銅箔、及びそれらの合金箔が好ましい。併用される金属箔と同一面に並べる方法としてじゃ、特に制限はないが、例えば、具体的には、必要部分に、10〜200mmの幅で所定の長さの該非晶質箔体を並べ、その空いた隙間及び外枠の空いた部分に金属箔を並べる方法とすることができる。
【0026】
この併用される金属箔は、その後、エッチング工程で利用されるターゲットマークを、かかる金属箔、例えば、銅箔を加工すること作製することができる。また、金属箔を使用することにより、加熱プレスの際、薄体の基材全体の補強することができる。具体的には、銅箔に所定の大きさのくり抜きを設け、このくり抜き部に該非晶質磁性金属箔体を並べて積層する形態とすることが望ましい。また、片面のみに該非晶質磁性金属箔体を積層する場合は、反対面には、銅箔又は剥離用フィルムを使用することが好ましい。加熱プレスの方法は、鏡面板及びクラフト紙等の所定のクッション材に挟み込み加熱プレスを行う。温度範囲は、150℃〜250℃、圧力は、0.1MPa〜10MPa、プレス時間は、温度、圧力に依存するが、1分〜3時間が好ましい。
【0027】
次いで、第二の工程では、得られたシート状積層体上の該非晶質磁性金属箔体を所定の形状の磁性コアへとエッチング加工を行う。磁性コアの形状は、インダクターの磁性コアとして利用できる形状であればいずれの形状でもよいが、代表的な形状として、トロイダル形コア、棒形コア、ギャップ形コア、EI形コア等がある。
【0028】
磁気コアに形成方法は、次の方法により形成する。
【0029】
▲1▼シート状積層体表層部が非晶質磁性金属箔体の場合、ドライフィルム、液状パターンレジスト等の感光性樹脂をラミネート又は塗布し、指定の形状を描いたフォトマスクを使用して露光を行い、現像する。このエッチングマスクを利用して、非晶質磁性金属箔体のエッチング、剥離により磁気コアの形状加工が可能となる。同時に、外枠部等の併用金属箔、例えば、銅箔についても、ターゲットマークの形状加工を行う。このエッチング液としては、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液が容易に利用できる。
【0030】
非晶質磁性金属箔体と銅箔とのエッチング速度の差がある際、両者のエッチングに要する時間を一致させるため、併用されている銅箔の厚みを変更して調整することも好ましい。
【0031】
▲2▼シート状積層体表層部が耐熱性樹脂の場合、予め、耐熱性樹脂エッチングを行う。例えば、表層部の耐熱性樹脂がポリイミド、熱可塑性ポリイミドの場合は、ヒドラジンヒドラ−ト、苛性カリ(KOH)溶液を使用してエッチングを行う。条件としては、常温から100℃未満の温度範囲で、1秒〜3時間でエッチング処理を行う。該耐熱性樹脂のエッチング処理を行った、シート状積層体では、非晶質磁性金属箔体が表面に露呈しており、その後、前記▲1▼の方法で磁気コアの形状加工とターゲットマークの形状加工を行うことができる。
【0032】
▲3▼該非晶質磁性金属箔体を2層以上積層している場合は、シート状積層体を形成したのち、上記▲1▼、▲2▼に記載する非晶質磁性金属箔体のエッチング加工、耐熱性樹脂のエッチング除去方法を、各層で繰り返し行うことにより、かかる積層構造を有する磁性コアの形状を加工できる。
【0033】
更に、磁性コアの形状を加工したシートに対して、プリプレグを介して、さらに、非晶質磁性金属箔体を積層して上で、ターゲットマークを利用することで位置合わせを行い、▲1▼〜▲3▼の形状加工を行うことにより、更に多層化された磁性コアを形成することもできる。なお、かかる更に積層する非晶質磁性金属箔体、積層されるシート状の磁性コアの表層を、プリプレグを介する加熱プレス工程に先立ち、プラズマエッチング処理またはマイクロエッチング処理により、表面の粗化処理を施すことが好ましい。
【0034】
以上に説明した非晶質磁性金属箔体のエッチング加工に利用するマスクと、ターゲットマークの形成に用いるマスクは、同一のフォトマスク上に形成されており、その相互の相対位置は、一義的に決定されたものとなる。
【0035】
次いで、第三工程として、磁性コアに対するコイル配線の加工方法について詳細に説明する。磁性コアの形状に加工した該シートの両面に、プリプレグを介して銅箔を積層する。このとき、プリプレグと接する、磁性コアの表面には、前もって所定のプラズマエッチング処理またはマイクロエッチング処理による表面粗化を施すことが好ましい。このプリプレグを介する銅箔の積層も、上記の加熱プレス条件に準じて行うことがでできる。
【0036】
両面に銅箔を積層して、加熱プレスにより得られたシート体の端部を揃えるため、端部切断を行う。その後、X線穴あけ機を使用して、X線により、予め作製されている内層のターゲットマーク部を検出して、基準となる穴あけを行う。該非晶質磁性金属箔体と銅箔とを同一面に設けることで、磁性コアのエッチング加工に合わせて、銅箔部分にターゲットマークの加工がなされており、X線穴あけ機により穴あけされる、基準穴は、磁性コアと所定の相対位置に確実に形成される。次いで、この基準穴を使用して、NCによりスルーホールを形成する穴あけを行う。その後、デスミヤ処理、銅メッキ処理を行い、スルーホールに層間導通用の銅メッキ層を形成する。その後、両面の銅箔表面に、ドライフィルム又は液状パターンレジスト等の感光性樹脂をラミネート又は塗布し、配線パターンの描いたフォトマスクを使用して、露光機により露光、現像し、エッチングマスクを形成する。このエッチングマスクも、前記基準穴、ならびに、スルーホールに対して、位置合わせがなされる結果、内層の磁性コアと所定の相対位置に確実に形成される。続いて、エッチング機によるマスクエッチング、感光性樹脂マスクの剥離を行い、コイルの配線パターンを形成する。
【0037】
配線パターンを形成する銅薄層を多層化して、多重のコイル配線を形成することもできる。多重のコイル配線を形成する方法の一例ついて述べる。前記の一重巻きコイル配線の形成を終えた後、プリント配線基板を更に加工する。該シート状基板に、更にプリプレグを介して、第二層目の銅箔を積層する。積層前に、予め、内層(第一層目)のコイル配線部をマイクロエッチング処理する。プリプレグを介する、第二層目の銅箔の積層も、前述の加熱プレス法で行う。
【0038】
なお、内層(第一層目)のコイル配線を形成する際、第二のコイル配線に利用されるスルーホールの形成と、スルーホール・メッキを同時に行っておく。加えて、この第二のコイル配線に利用されるスルーホールに付随する接続用パッドを、内層(第一層目)のコイル配線部の配線パターンと同時に形成する。
【0039】
その後、第二層目の銅箔表面に、ドライフィルム等のラミネート、露光、現像、エッチング、樹脂剥離を行い、前記接続用パッドに対応する部位、層間の導通を行う位置の銅箔を除去する。この位置合わせについても、前述の基準穴位置を読み取り行う。レーザーにより、部分的に銅箔を除去した部分に穴あけを行い、銅メッキによりフィルドビアを形成し、第一層と第二層間の導通を実施する。内層に設ける前記接続用パッドについては、スルーホール上に形成したパッド、あるいは、スルーホールに近接した位置に設けるパッド、いずれを利用することも好ましい。その後、再び、第二層目の銅箔表面に、ドライフィルム等をラミネートし、予め配線パターンを描いたフォトマスクを使用して、露光、現像、エッチング、樹脂剥離を行い、二重目のコイル配線パターンを形成する。多重のコイル配線を形成する際には、対応する多層の配線パターン層を設け、同様の工程を繰り返し行うことにより、全体として、多重のコイル配線を形成することも可能となる。
【0040】
本発明かかるインダクター内蔵型プリント配線基板の製造では、配線基板の内層に設ける磁性コアは、帯状の非晶質磁性金属薄膜の片面または両面に耐熱性樹脂が付与された磁性基材、もしくはこの磁性基材を積層した積層体を、熱処理して、非晶質磁性金属薄膜の磁気特性を向上したものを利用している。
【0041】
ここで利用される非晶質磁性金属薄膜には、一般に、Fe系、Co系の非晶質磁性金属薄膜が用いられる。これら帯状の非晶質磁性金属薄膜は、通常、溶融金属を急冷ロールを用いて、急冷して得られる。通常は、利用可能な帯状の非晶質磁性金属薄膜は、厚さ10〜50μmであり、好ましくは、10〜30μm厚の帯状の薄膜が用いられる。Fe系非晶質磁性金属材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質磁性金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質磁性金属材料を挙げることができる。Co系非晶質磁性金属材料としては、Co−Si−B系、Co−B系などの非晶質磁性金属材料が例示できる。
【0042】
これらの中でも、非晶質磁性金属薄膜の組成が、一般式(Co1-cFec100-a-bab(式中、Xは、Si、B、C、Geから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、Yは、Zr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mn、希土類元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表す。また、c、a、bは、それぞれ、0≦c≦0.2、10<a≦35、0≦b≦30の範囲であり、ここで、a、bは原子%を示す)で表される組成が好ましい。上記の非晶質磁性金属薄膜組成における、CoのFe置換は、得られる非晶質合金の飽和磁化の増加に寄与する傾向にある。このため、置換比率cは、0≦c≦0.2であることが好ましい。さらに、0≦c≦0.1であることが好ましい。
【0043】
上記組成中、X元素は、かかる非晶質磁性金属薄膜を製造する上で、非晶質化を達成する上で、結晶化速度を低減するために有効な元素である。X元素の含有比率が、10原子%より少ないと、非晶質化の比率が低下し、一部に結晶質粒子が混在し、また、35原子%を超えると、非晶質構造は得られるものの、合金薄膜の機械的強度が低下し、連続的な、帯状の薄膜が得られなくなる。したがって、X元素の含有比率a(原子%)は、10<a≦35であることが好ましく、さらに好ましくは、12≦a≦30である。
【0044】
Y元素の添加は、かかる非晶質磁性金属薄膜の耐食性に効果がある。この中で、特に有効な元素は、Zr、Nb、Mn、W、Mo、Cr、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru元素である。Y元素の添加比率bは、30原子%以上になると、耐食性の効果はあるが、得られる帯状薄膜の機械的強度が脆弱になるため、0≦b≦30であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、0≦b≦20である。
【0045】
なお、前記組成の帯状の非晶質磁性金属薄膜は、例えば、所望組成の金属を調合したものを高周波溶解炉等を用いて溶融し、均一な溶融体としたものを、不活性ガス等でフローして、急冷ロールに吹き付けて、急冷して得られる。通常は、薄膜厚さは10〜50μmであり、好ましくは10〜30μm厚の帯状薄膜が用いられる。
【0046】
また、上述する熱処理に際し、該非晶質磁性金属薄膜に付与される耐熱性樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエ−テル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレ−ト系樹脂、スルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちでも、ポリイミド系樹脂、スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いることが好ましい。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。これらの実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、これらの実施例の形態に限定されるものではない。
【0048】
(実施例1)
非晶質磁性金属箔体として、ハネウエル社製、Metglas:2714A(商品名)、約50mm幅、厚さ約15μmのものを使用した。耐熱性樹脂として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを、配合分子比 1:0.97とし、加熱縮合したポリイミドを利用し、前記非晶質磁性金属箔体の片面に8μm厚で付与し、温度400℃で1時間熱処理し、磁気特性を改善した非晶質磁性金属箔体とした。この耐熱性樹脂を付与した非晶質箔体を、1枚の長さ150mmに裁断し、30枚用意した。次いで、プラズマエッチング装置中で、プラズマ出力500Wで160秒のエッチング処理を施し、非晶質箔体に付与されている耐熱性樹脂層表面の粗化処理を行った。
【0049】
一方、厚さ18μm、444mm×374mmの銅箔(GTS:古河電工製)を2枚用意し、該非晶質箔体の平面寸法に合わせたくり抜き部を形成する。厚さ60μm、410mm×340mmの変性イミド樹脂を主体とした、熱硬化後のTgは300℃となるプリプレグ、BN300(商品名:三井化学製)を用意し、その両面に、前記銅箔とそのくり抜き部に非晶質箔体を配置し、鏡面板、クラフト紙の間に入れ、温度:180℃、加圧:3MPa、時間:1時間の加熱プレスを行った。その際、プリプレグと接する面は、表面の粗化処理した耐熱性樹脂層としている。
【0050】
次いで、加熱プレス積層した基材に、旭化成社製 ドライフィルム、サンフォート(商品名)をラミネートした。その表面に、コロイダル形コア形状とターゲットマークを描いたフォトマスクを使用し、露光、現像してエッチングマスクを形成した。このエッチングマスクを利用し、銅箔、非晶質箔体のエッチング、ラミネート樹脂層の剥離を行い、磁性コア形状、ならびに、銅箔部にターゲットマークを形成した。用いた銅箔、非晶質箔体のエッチング条件は、40℃の塩化第二鉄溶液中、120秒間である。その際、エッチング速度は、銅箔1に対し、非晶質磁性金属箔体は0.6であり、上述する厚さ差を選択することで、不必要に過剰なオーバー・エッチングを起こさず、最適なエッチングが可能であり、精密な形状が得られた。
【0051】
次いで、得られたシート上の磁性コア表面を、プラズマエッチング装置中で、プラズマ出力500W、160秒処理し、粗化処理を行った。その後、該シート両面に、それぞれプリプレグを介して18μm銅箔を加熱プレス積層した。この積層工程の条件は、前述の非晶質箔体の積層工程と同じとした。得られた積層シートの端部を外形加工機で揃えた後、X線穴あけ機で、銅箔部のターゲットマークを検出し、所定の位置にマーク部の基準穴を形成した。基準穴位置を合わせ、NCドリルマシンでスルーホール用の穴あけを行った。デスミヤ処理後、前記スルーホール部を埋め込むように、銅メッキを行い、コイル配線用スルーホールを形成した。該積層シート表面にドライフィルムをラミネートし、コイル配線を描いたフォトマスクを使用し、露光、現像してエッチングマスクを形成した。このエッチングマスクを利用し、表面銅箔層のエッチング、ラミネート樹脂層の剥離を行い、両表面上のコイル配線パターンを形成した。得られる積層基板は、以上の工程で作製される平面インダクターを内蔵するプリント配線基板となる。
【0052】
作製後、積層基板に対して、半田耐熱性試験を288℃10秒行ったところ、剥がれ、膨れもなく、良好な半田耐熱性特性を示すことが確認された。さらに、内層の磁性コア部とコイル配線部が接近した部位の断面について、積層基板を切断して、その端面を観察した。磁性コアとコイル配線との相対位置は、設計通りの位置関係にあり、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮でき、高い精度の平面インダクターを内蔵する基板であった。
【0053】
(実施例2)
実施例1と同様に、加熱縮合したポリイミドを利用し、非晶質磁性金属箔体の片面に8μm厚で付与し、温度400℃で1時間熱処理し、磁気特性を改善した非晶質磁性金属箔体とした。この耐熱性樹脂層を付与した非晶質磁性金属箔体を使用し、その磁性金属箔体面に、実施例1に記載のプラズマエッチング処理による表面の粗化処理を施した。次いで、プリプレグと接する面は、表面の粗化処理した非晶質磁性金属箔体に選択して、上述の実施例1に記載する条件で、プリプレグ面に加熱プレス積層した積層体基材とした。なお、利用するくり抜き部を設けた銅箔の厚さは、18μmに選択した。
【0054】
作製された積層体基材を、予め、KOHを溶解したヒドラジンヒドラ−ト溶液に浸漬して表層部のポリイミド耐熱性樹脂層をエッチング処理した。引き続き、ドライフィルムによるラミネート工程以降、一連の工程を、実施例1と同様の方法で実施した。
【0055】
作製後、積層基板に対して、半田耐熱性試験を288℃10秒行ったところ、剥がれ、膨れもなく、良好な半田耐熱性特性を示すことが確認された。さらに、内層の磁性コア部とコイル配線部が接近した部位の断面について、積層基板を切断して、その端面を観察した。磁性コアとコイル配線との相対位置は、設計通りの位置関係にあり、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮でき、高い精度の平面インダクターを内蔵する基板であった。
【0056】
(実施例3)
非晶質磁性金属箔体として、ハネウエル社製、Metglas:2714A(商品名)、約50mm幅、厚さ約15μmのものを使用した。耐熱性樹脂として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを、配合分子比 1:0.97とし、加熱縮合したポリイミドを利用し、前記非晶質磁性金属箔体の片面に8μm厚で付与した。この非晶質磁性金属箔体シート2枚を使用して、予め、温度:260℃、加圧:1MPa、時間:1時間の条件で加熱プレスを行い、積層シートとした。積層シートを温度400℃で1時間熱処理し、磁気特性を改善した非晶質磁性金属箔体積層シートとした。次いで、プラズマエッチング装置中で、プラズマ出力500Wで160秒のエッチング処理を施し、非晶質箔体積層シートの耐熱性樹脂層表面の粗化処理を行った。
【0057】
一方、厚さ18μm、444mm×374mmの銅箔(GTS:古河電工製)を2枚用意し、該非晶質箔体体積層シートの平面寸法に合わせたくり抜き部を形成する。厚さ60μm、410mm×340mmの変性イミド樹脂を主体としたのプリプレグ、BN300(商品名:三井化学製)を用意し、その両面に、前記銅箔とそのくり抜き部に非晶質箔体積層シートを配置し、鏡面板、クラフト紙の間に入れ、温度:180℃、加圧:1MPa、時間:1時間の加熱プレスを行った。その際、プリプレグと接する面は、表面の粗化処理した耐熱性樹脂層としている。
【0058】
次いで、加熱プレス積層した基材に、旭化成社製 ドライフィルム、サンフォート(商品名)をラミネートした。実施例1と同様の条件、手順で、非晶質箔体積層シートの第一層にマスク・エッチングを施し、磁性コアの形状を形成した。次いで、第一層のポリイミド耐熱性樹脂層に対して、KOHを溶解したヒドラジンヒドラ−ト溶液に浸漬して、磁性コア形状の非晶質箔体部をマスクに利用し、ポリイミドのエッチング処理し、第二層の非晶質箔体表面を露出させた。引き続き、得られる磁性コア形状のポリイミド耐熱性樹脂層を最下部、最表面に磁性コア形状の非晶質箔体表面を被覆しているエッチングマスクを設けた状態で、これをマスクとして、第二層の非晶質箔体をエッチングした。この第二層の非晶質箔体に、磁性コア形状を形成した後、それ以降、実施例1に記載する工程、条件、手順に従って、コイル部を作製し、平面インダクターを内蔵するプリント配線基板を得た。この平面インダクターでは、磁性コア部は、積層シートに基づき、多層コア形態となっている。
【0059】
作製後、積層基板に対して、半田耐熱性試験を288℃10秒行ったところ、剥がれ、膨れもなく、良好な半田耐熱性特性を示すことが確認された。さらに、内層の磁性コア部とコイル配線部が接近した部位の断面について、積層基板を切断して、その端面を観察した。多層コア各層の形状相互、磁性コアとコイル配線との相対位置は、設計通りの位置関係にあり、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮でき、高い精度の平面インダクターを内蔵する基板であった。
【0060】
(実施例4)
平面インダクターの構成を、磁性コアに対して、コイル配線が二重に形成されたものとした。その際、二重のコイル配線の内、一重目のコイル配線は、実施例1に記載する形態とし、残る二重目のコイル配線は、前記一重目のコイル配線の作製に利用する配線パターン層を覆う、さらに上層の銅箔を積層する二層構造とし、この上層の銅箔に配線パターン層を設ける形態とした。
【0061】
すなわち、実施例1に記載する工程に従って、磁性コア形成後、積層した表面銅箔層(下層の銅箔層)を利用して、一重目のコイル配線を作製する工程の際、一重目のコイル配線用のスルーホールに加えて、二重目のコイル配線用のスルーホールを併せて、穴あけ加工を行った。次いで、前記二種のスルーホール部を埋め込むように、銅メッキを行い、一重目コイル配線用スルーホールを形成し、同時に、二重目のコイル配線用スルーホールをも形成した。その後、一重目のコイル配線の作製に利用する配線パターン層を形成する際、二重目のコイル配線用スルーホールの近傍に、上層の配線パターン層との連結に利用する接続パッドを併せて形成する。
【0062】
次いで、前記下層の配線パターン層上に、実施例1に記載する要領で、その両面に、プレプレグを介して18μm銅箔を加熱プレス積層した。この上層の銅箔層にドライフィルムをラミネート後、基準穴を標準にして、下層に設けた接続パッドとの間で層間の接続を行う、層間ビア位置を決定した。この層間ビア位置上の上層の銅箔層を選択的に除去するため、対応するフォトマスクを利用し、露光、現像してエッチングマスクを形成し、エッチングを行い、ビア加工部の銅箔をエッチングした。露呈したビア加工部のプレプレグ層に、レーザー穴あけ機でビア位置を穴あけした。先のスルーホール・銅メッキ工程と同様に、デスミヤ処理後、銅メッキを行い、レーザー・フィルド・ビアを形成した。次いで、下層の配線パターン層形成工程の手順に準じて、上層の銅箔層のパターニングを行い、上層の配線パターン層を作製した。二重目のコイル配線は、この上層の配線パターンと下層の配線パターン中のパッドとの間は、前記レーザー・フィルド・ビアにより接続され、さらに、パッドは二重目のコイル配線用スルーホールへと連結されたものとなる。従って、内層に設けた磁気コアに対して、二重のコイル配線が形成された平面インダクターが構成される。得られる積層基板は、かかる二重のコイル配線を有する平面インダクターが内蔵され、また、プレプレグを介して積層された上層、下層の二配線層を両面に具えたプリント配線基板となっている。
【0063】
作製後、積層基板に対して、半田耐熱性試験を288℃10秒行ったところ、剥がれ、膨れもなく、良好な半田耐熱性特性を示すことが確認された。さらに、内層の磁性コア部とコイル配線部が接近した部位の断面について、積層基板を切断して、その端面を観察した。磁性コアと二重のコイル配線との相対位置は、設計通りの位置関係にあり、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮でき、高い精度の平面インダクターを内蔵する基板であった。
【0064】
(参考例1)
実施例1に記載する工程において、非晶質箔体に付与されている耐熱性樹脂層表面の粗化処理を行った後、二枚の非晶質磁性金属薄膜をプリプレグ介して加熱プレス積層する工程の際、くり抜き部を設けた銅箔を配置しなかった。そのため、かかる非晶質磁性金属薄膜と同一層に設ける銅箔をエッチング・パターニングすることで形成される、ターゲットマークを設けない状態となった。
【0065】
そのため、スルーホール加工の際に利用する基準穴は、積層シート全体の外形寸法に基づき、位置決めし、基準穴を形成した。以降の工程は、実施例1と同様に進め、平面インダクターを内蔵するプリント配線基板を作製した。
【0066】
作製後、積層基板に対して、半田耐熱性試験を288℃10秒行ったところ、剥がれ、膨れもなく、良好な半田耐熱性特性を示すことが確認された。さらに、内層の磁性コア部とコイル配線部が接近した部位の断面について、積層基板を切断して、その端面を観察した。作製された複数枚のプリント配線基板に関して、前記の観察を行ったところ、磁性コアとコイル配線との相対位置は、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮できる範囲のものが大半であった。なお、詳細に相対位置を測定したところ、設計通りの位置関係からズレを生じているものが相当にあった。すなわち、スルーホール加工の際に利用する基準穴の位置決めを、磁性コアとの相対位置に変動の起こり得ない、非晶質磁性金属薄膜と同一層に設ける銅箔をエッチング・パターニングすることで形成されるターゲットマークに基いて行っていないため、基準穴と磁性コアと相対的位置に若干のバラツキを生じていた。
【0067】
大半は、かかるバラツキは、内蔵型インダクターの機能を十分に発揮できる範囲に収まっているものの、仮に、磁性コアとコイル配線を構成するスルーホールとの間隙を更に狭く設定する、より高い位置精度を必要とする設計に変更した場合、スルーホール配線と磁性コアとの接触が相当の頻度で起こる懸念があるものであった。
【0068】
【発明の効果】
本発明にかかるインダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法では、積層基板の内層に配置される磁性コアの材料として、耐熱性樹脂を付与し、磁気特性向上のための熱処理を施した非晶質磁性金属箔体、ならびにその積層体を利用することで、磁性コア自体の磁気特性を優れたものとできる。加えて、磁性コアを作製する際、磁性コア形状への加工に先立ち、積層基板の作製に利用されるプリプレグを使用して、プリプレグ上に非晶質磁性金属箔体を積層したシートに形成した上で、エッチング・パターニングを行い、また、その後、コイル配線を作製する工程では、前記のパターニング工程の際に、同時に形成され、相対的な配置が決定されているターゲットマークに基づき、位置合わせを行うことにより、磁性コアとコイル配線とを高い精度で位置合わせできることを見出した。加えて、非晶質磁性金属箔体を磁性コアに加工する前に、プリプレグを使用して、積層シートに形成しるため、熱圧着に伴う応力歪みの導入を低減でき、更には、プリプレグとの接合面に予め表面粗化処理を容易に施すこともでき、耐熱性に優れた積層体とすることを可能としている。加えて、磁性コアとコイル配線との位置合わせを高い精度で行える利点は、両者により精密な構造を採用する際にも、磁性コアとコイル配線との接触等の不具合もなく、特性にバラツキのない内蔵型インダクターを高い歩留まりで製造することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインダクター内蔵型プリント配線基板の製造プロセスの一例を示す図である。

Claims (8)

  1. インダクター内蔵型プリント配線基板を製造する方法であって、
    前記内蔵されるインダクターは、該配線基板の内層に設けられる磁性コアと、該配線基板を貫通するスルーホールと表面の配線パターンとからなるコイル配線とで構成され、
    非晶質磁性金属箔体の片面または両面の少なくとも部分に耐熱性樹脂が付与された磁性箔体とプリプレグを使用し熱圧着を行い積層する工程と
    プリプレグに積層された前記磁性箔体をエッチング・パターニングして、所定の形状の磁性コアを形成する工程と
    プリプレグに積層された磁性コア材に対して、プリプレグを介して金属箔を熱圧着により積層し、得られる積層体を貫通するスルーホールを形成し、その後、前記金属箔のエッチング加工により配線パターンを形成し、コイル配線を形成する工程を有し、
    前記磁性箔体とプリプレグを使用し熱圧着を行い積層する工程において、
    所定の領域に該磁性箔体を配置し、残る領域に付加的な金属箔を配置し、該磁性箔体と金属箔を同一層に配置する形態で熱圧着による積層を行い、
    前記付加的な金属箔に対して、該磁性箔体のエッチング・パターニングとともに、同時に形成されるエッチングマスク上のターゲットマークを形成するエッチング・パターニングを施し、
    スルーホールの形成、ならびに、配線パターンの形成に際し、前記ターゲットマークに基づき、位置合わせを行うことを特徴とするインダクター内蔵型プリント配線基板の製造方法。
  2. 前記熱圧着に使用するプリプレグは、その熱硬化後のプリプレグ材の示すガラス転移温度Tgは、200℃以上350℃未満の樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の耐熱性樹脂表面と該プリプレグとを接する形態とし、
    該熱圧着に先立ち、該耐熱性樹脂表面を粗化処理することを特徴とする
    請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の非晶質磁性金属箔体表面と該プリプレグとを接する形態とし、
    該熱圧着に先立ち、該非晶質磁性金属箔体表面を粗化処理することを特徴とする
    請求項1または2に記載の製造方法。
  5. 前記磁性箔体は、片面または両面の少なくとも部分に耐熱性樹脂が付与された非晶質磁性金属箔体が、2層以上に多層化された積層構造を有し、
    該積層構造を有する磁性箔体をエッチング・パターニングする工程は、各層において、非晶質磁性金属箔体のエッチング加工と付与されている耐熱性樹脂のエッチング加工を繰り返し行うことによって、該積層構造を有する磁性コアを形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  6. 該磁性箔体とプリプレグを使用した熱圧着に際し、磁性箔体の非晶質磁性金属箔体表面と該プリプレグとを接する形態とし、
    プリプレグに積層された前記磁性箔体をエッチング・パターニングする工程に先立ち、表層の耐熱性樹脂を剥離する処理を施した後、前記非晶質磁性金属箔体のエッチング・パターニングを行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 得られる積層体を貫通するスルーホールによる、両面間の電気的導通は、該スルーホールに対する、銅メッキフィルドビア法により達成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記ターゲットマークに基づく位置合わせにおいては、
    X線により、予め作製されているターゲットマークを検出して、位置合わせを行うことを特徴とする請求項1から7に記載の製造方法。
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