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JP4113438B2 - レジスト剥離方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程などにおいて基板(基材を含む)上に形成されたレジストを剥離するレジスト剥離方法及びレジスト剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI、液晶ディスプレイ製造等の半導体製造工程や、多層プリント配線板等の製造工程においては、パターン形成の際に、目的に応じて感光性樹脂などの各種のレジストが用いられている。これらレジストはパターン形成後の工程において除去(剥離)される。
【0003】
レジストの剥離方法としては、薬液を用いたウェット処理や、低圧プラズマを用いた処理が一般に採用されている。
【0004】
ところで、薬液を用いたウェット処理では、後工程として処理薬液の洗浄及び乾燥などの処理が必要である。また、乾燥が不十分であれば残存薬品が品質不良を起こすという問題がある。
【0005】
また、低圧プラズマを用いた処理では、減圧のプロセスであることから、真空引きに多くの時間を要し、スループットが悪いという問題がある。さらに、大面積の基板を処理する場合には、大容量の真空容器・真空排気装置が必要となり、装置コストが高くなる。
【0006】
そこで、大気圧近傍でプラズマを発生させて処理する方法が提案されている。例えば、不活性で安定なハロゲン系ガスを放電ユニットに供給し、大気圧付近の圧力下で放電を発生させることにより反応性ガスを生成し、その反応性ガスを処理室内のレジスト基板に導いて、基板上のレジストを除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。なお、レジストが表面に形成された基板(基材を含む)をレジスト基板という。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−58505号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した特許文献1(特開2000−58505号公報)に記載の方法では、放電ユニットの放電部でハロゲンガスとH2Oを一度にプラズマ化しているので、放電部においてHF等の反応ガスが生成されてしまい、放電ユニットの放電電極が劣化する。そのため、電極材料を工夫することが必要となり、コスト高となるという問題がある。
【0009】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、大気圧近傍の圧力下でのプラズマ処理にて基板上のレジストを剥離するにあたり、プラズマ発生用の放電電極のダメージを少なくすることが可能なレジスト剥離方法及びレジスト剥離装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の剥離方法は、基板(基材を含む)上にSiO2層を介して積層されたレジストを剥離する方法であって、大気圧近傍の圧力下でプラズマ化したハロゲン系ガスを適度な湿度を持つ大気中に導入して活性な反応ガスを生成する処理と、その活性な反応ガスを基板に照射することにより、活性な反応ガスがレジストを透過してSiO2層をエッチングし、かつ、加水分解する機能基をレジストに付与する処理と、前記ガス処理にて改質されたレジストを加水分解により分解するとともに、前記エッチングにより略剥離されたレジストをリフトオフする処理を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明の特許請求しない剥離装置は、基板(基材を含む)上に形成されたレジストを剥離する装置であって、大気圧近傍の圧力下でプラズマ空間を発生させるプラズマ発生部と、そのプラズマ空間にハロゲン系ガスを供給するガス供給源を有し、プラズマ化したハロゲン系ガスを適度な湿度を持つ大気中に導入して活性な反応ガスを生成して基板上のレジストに照射するガス処理系と、そのガス処理系でガス処理されたレジストに加水分解処理を施す分解処理系を備えている。
【0012】
本発明において、プラズマ化したハロゲン系ガスを導入する大気(プラズマ発生部の周辺雰囲気)の湿度は、室温において20%以上であり、上限は結露しない範囲である。より好ましい湿度範囲は40〜60%程度である。
【0013】
<作用>
本発明では以下の処理(1)〜(3)にてレジストを剥離する。
【0014】
(1)大気圧近傍でプラズマ化したハロゲン系ガスを適度な湿度を持つ大気中に導入して活性な反応ガスを生成する。
【0015】
例えば、CF4、C26等のハロゲン化ガスを電離するとCF13ラジカル(活性な反応ガス)が生成し、それらのラジカルを大気中に噴射すると、大気中のO2、H2Oと反応してCOF2が生成され、また、COF2がH2Oと反応したのちにHFが生成される。
【0016】
ここで、前記したように、プラズマ発生部においてハロゲン系ガスとH2Oを一度にプラズマ化すると、HF等の反応ガスが生成し電極材料が劣化する原因となるため、電極材料に工夫が必要となりコスト高となる。そこで、本発明では、プラズマ発生部(放電電極間のプラズマ空間)にドライなハロゲン系ガスのみを供給することで、電極材料の劣化を防止している。また、プラズマ発生部でガスを活性化するにあたり、単体のガス(ハロゲン系ガスのみ)をプラズマ発生部に導入すると、処理に必要な複数のガスの全てを放電させるよりも、放電の制御性が良くなるという利点もある。
【0017】
(2)大気中の反応で生成した活性ガスをレジスト基板に照射して、レジスト下層のSiO2層をエッチング(活性ガスのレジスト透過によるエッチング)するとともに、加水分解する官能基を付与する。具体的には[−COF2基]を導入する。
【0018】
(3)ガス処理されたレジスト基板を純水等で洗浄し、改質されたレジストを加水分解する。具体的には、[−COF2]を加水分解(−COF2+H2O→COOH+HF)し、略剥離されたレジストを純水等でリフトオフにて除去する。
【0019】
次に、本発明を更に詳しく説明する。
【0020】
本発明においては、大気圧近傍の圧力下での放電プラズマ処理にてハロゲン系ガスをプラズマ化する。大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力条件を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置構成が簡便になる9.331×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0021】
本発明において、ハロゲン系ガスをプラズマ化するプラズマ発生部としては、例えば対向電極間に電界を印加することによりグロー放電プラズマを発生させる装置などを挙げることができる。
【0022】
前記プラズマを発生させる電極の材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金あるいは金属間化合物などが挙げられる。対向電極を構成する一対の電極の形態は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間(プラズマ空間)の距離が一定となる構造であることが好ましい。具体的な電極構造としては、平行平板型、ロール−平板型、ロール−ロール型、同軸円筒型の構造などが挙げられる。
【0023】
前記対向電極間には固体誘電体が配置されている必要がある。具体的には、対向電極を構成する一対の電極のうち、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が配置されていればよい。この際、固体誘電体と設置される側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じやすくなる。
【0024】
前記固体誘電体の形状は、シート状もしくはフィルム状のいずれであってもよい。固体誘電体の厚みは、0.01〜4mmであることが好ましい。固体誘電体の厚みが厚すぎると放電プラズマを発生するのに高電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。なお、固体誘電体は溶射法にて電極表面にコーティングされた膜であってもよい。
【0025】
上記固体誘電体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0026】
また、固体誘電体は、比誘電率が2以上(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比誘電率が2以上の固体誘電体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げることができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生させるためには、比誘電率が10以上の固体誘電体を用いることが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるものではないが、現実の材料では18,500程度のものが知られている。上記比誘電率が10以上である固体誘電体としては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物被膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物被膜からなるものを挙げることができる。
【0027】
本発明に用いる対向電極の電極間距離は、固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して適宜決定されるが、0.1〜5mmであることが好ましい。電極間距離が0.1mm未満であると、一対の電極を電極間距離を置いて設置するのに十分でないことがあり、一方、5mmを超えると、均一な放電プラズマを発生させにくい。さらに好ましい電極間距離は、放電が安定しやすい0.5〜3mmである。
【0028】
上記対向電極の電極間には、高周波、パルス波、マイクロ波等の電界が印加され、プラズマを発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界の立ち上がり及び/または立ち下がり時間が10μs以下であるパルス電界が好ましい。10μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現することは、実際には困難である。立ち上がり時間及び立ち下がり時間のより好ましい範囲は50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
【0029】
上記パルス電界の電界強度は、1〜1000kV/cmであり、好ましくは20〜300kV/cmである。電界強度が1kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0030】
上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合性のとり易さや取扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
【0031】
また、上記パルス電界における1つのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましく、より好ましくは3〜200μsである。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、1つのパルス継続時間とは、ON/OFFの繰り返しからなるパルス電界における、1つのパルスの連続するON時間を言う。
【0032】
本発明において、ガス処理系で使用するハロゲン系ガスとしては、例えばCF4、C26などを挙げることができる。また、プラズマ化したハロゲン系ガスを導入する大気(プラズマ発生部の周辺雰囲気)の湿度は、室温において20%以上であり、上限は結露しない範囲である。より好ましい湿度範囲は40〜60%程度である。
【0033】
本発明において分解処理系で行う加水分解処理としては、純水をレジスト基板上に噴射する処理、あるいはレジスト基板を純水槽に浸漬させる処理などの純水処理方法を挙げることができる。また、純水に替えて、加水分解効果のある薬液を用いて加水分解を行うようにしてもよい。その場合、薬液としては、各種酸の水溶液、各種アルカリの水溶液などが挙げられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
図1は本発明のレジスト剥離装置の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【0036】
図1に示すレジスト剥離装置は、ガス処理系100、純水処理系200及び搬送ユニット300などを備えている。なお、本実施形態において処理を行うレジスト基板Sは、図3に示すように、ガラス基板S1上に、レジストS3がHMDS(ヒドラメチルジシラザン)S2を介して積層されたものである。HMDSはSiO2の一種で、レジストの接着性を上げるために積層されている。
【0037】
搬送ユニット300は、例えばベルトコンベア等の搬送用コンベアによって構成されており、処理を行うレジスト基板Sをガス処理系100のプラズマ処理室101及び純水処理系200の洗浄処理室201に順次搬送する。プラズマ処理室101と洗浄処理室201とは互いに隣接した状態で配置されている。
【0038】
プラズマ処理室101には雰囲気ガス導入口102が上部に設けられており、下部に排気口103が設けられている。雰囲気ガス導入口102には雰囲気ガス供給ユニット5(図2)が接続されており、プラズマ処理室101内部のガス雰囲気を、例えば気温20℃、湿度50%大気(大気圧近傍の圧力下)に維持することができる。
【0039】
洗浄処理室201にはクリーンエア導入口202が上部に設けられており、下部に排水口203が設けられている。洗浄処理室201の内部には純水噴射装置6が配置されている。純水噴射装置6は、搬送ユニット300(搬送ベルト)の上方に配置されており、プラズマ処理室101を通過し、洗浄処理室201内に搬送されたレジスト基板Sの表面(レジスト形成面)に純水を照射する。
【0040】
次に、ガス処理系100の構成を図1及び図2を参照しながら説明する。
【0041】
ガス処理系100は、プラズマ発生部1、電源2、ガス供給ユニット3、ガス供給ライン4、雰囲気ガス供給ユニット5、及び、前記したプラズマ処理室101などを備えている。
【0042】
プラズマ発生部1は、プラズマ処理室101内部で、搬送ユニット300にて搬送されるレジスト基板Sの上方となる位置に配置されている。プラズマ発生部1は、電圧印加電極11と接地電極12からなる平行平板型の対向電極10によって構成されている。
【0043】
対向電極10の電圧印加電極11と接地電極12とは、所定の距離(電極間距離)をあけて互いに平行となるように対向配置されており、これら電圧印加電極11と接地電極12との間にプラズマ空間13が形成される。電圧印加電極11及び接地電極12の各表面はそれぞれ固体誘電体(図示せず)によって被覆されている。
【0044】
対向電極10におけるプラズマ空間13の一端(上端)側にガス導入口10aが設けられ、他端(下端)側にガス吹き出し口10bが設けられている。ガス導入口10aには、ガス供給ユニット3がガス供給ライン4を介して接続されており、電圧印加電極11と接地電極12との間にドライなハロゲン系ガス(例えばCF4:100%)を供給することができる。そして、ガス供給状態で電圧印加電極11と接地電極12との間に電源13からの電界(パルス電界)を印加することにより、電圧印加電極11と接地電極12との間にグロー放電プラズマが発生してハロゲン系ガスがプラズマ化され、そのプラズマガスがガス吹き出し口10bから下方に向けて吹き出す。
【0045】
以上の構造のレジスト剥離装置において、プラズマ処理室101内を、大気圧近傍の圧力下で所定のガス雰囲気(気温20℃、湿度50%大気)の状態にするとともに、プラズマ発生部1の電圧印加電極11と接地電極12との間のプラズマ空間13に、ガス供給ユニット3からハロゲン系ガス(CF4:100%)を供給して大気圧近傍の圧力下の状態とし、電圧印加電極11と接地電極12との間に電源2からの電界(例えばパルス電界)を印加する。この電界印加により、電圧印加電極11と接地電極12との間のプラズマ空間13にグロー放電プラズマが発生し、プラズマ化されたハロゲン系ガス(プラズマガス)がガス吹き出し口10bを通じてプラズマ空間13の外に吹き出す。
【0046】
そして、ガス吹き出し口10bから吹き出したプラズマガスが、プラズマ処理室101内のガス雰囲気(気温20℃、湿度50%大気)中に導入することにより活性な反応ガスが生成され、その活性な反応ガスがレジスト基板Sに照射されることで、レジスト基板S上のレジストを反応ガスが透過して(図3(B)参照)、HMDSをエッチングするとともに、加水分解する機能基がレジストに付与される([−COF2基]の導入)。これにより、レジストはガラス基板から略剥離した状態になる。
【0047】
なお、レジスト基板Sは搬送ユニット300にて所定のスキャンスピード(例えば500mm/minまたは1000mm/min)で搬送された状態でガス処理(プラズマ処理)が施される。
【0048】
以上のガス処理が施されたレジスト基板Sは、搬送ユニット300にて洗浄処理室201内に搬送され、純水噴射装置6からの純水にて洗浄される。このような純水による洗浄により、上記ガス処理にて改質されたレジストが加水分解により分解する。具体的には、[−COF2]が加水分解(−COF2+H2O→COOH+HF)され、さらに略剥離されたレジストが純水でリフトオフにて除去(レジスト剥離)される。
【0049】
以上の実施形態では、プラズマ化を行うハロゲン系ガスとしてCF4を用いているが、これに替えてC26を用いても同等の効果を得ることができる。
【0050】
また、プラズマ処理にて改質を行ったレジストを純水照射による洗浄にて加水分解しているが、これに替えて、プラズマ処理後のレジスト基板を純水槽に浸漬することにより、レジストの加水分解を行うようにしてもよい。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0052】
<実施例1>
[レジスト基板]
ガラス基板上に、レジストの接着性を上げるためにHMDS(ヒドラメチルジシラザン)を塗布し、その上に1.5mmのレジストを全面に塗布した後に、150℃でベークしてレジスト基板を作製した。
【0053】
[ガス処理装置]
図2に示すガス処理系100を使用
[プラズマ条件]
ハロゲン系ガス:CF4(100%)
プラズマ処理雰囲気:気温20℃、湿度50%大気
[電源条件]
印加電圧:10kV
周波数:25kHz(パルス電界)
[搬送速度]
500mm/min、1000mm/min
上記装置構成・条件で、プラズマ発生部1においてハロゲン系ガスをプラズマ化し、活性な反応ガスを生成した状態で、そのプラズマ発生部1の下方に、上記レジスト基板Sを500mm/minと1000mm/minの各スキャンスピードで通過させて、レジスト基板Sにプラズマガスを照射してレジストの改質処理を行った。次に、プラズマ処理後のレジスト基板Sを純水中に浸漬して純水処理(加水分解処理)を行った。
【0054】
以上の処理において、レジスト基板Sを500mm/minで搬送したときにはガラス基板上のレジストが完全に剥離された。また、純水処理前のレジスト基板Sを観察すると、レジストに皺や膨らみが発生しており、レジストを全面塗布したにもかかわらず、略剥離していた。大気圧という高圧力下により、反応ガスがレジストを透過してHMDSをエッチングしていることがわかった。
【0055】
一方、レジスト基板Sを1000mm/minで搬送した場合、ガラス基板上には、レジストの一部が剥離した部分と、レジストが残存する部分が存在しており、さらに残存したレジストにはひび割れが生じていた。
【0056】
また、搬送速度が500mm/minの場合と1000mm/minの場合のいずれの条件でも、レジストが剥離された後のガラス基板の表面には白濁等の変化が見られず、ガラス基板へのダメージは観察されなかった。
【0057】
ここで、上記のプラズマ処理後で純水処理前のレジスト材料をESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)で分析したところ、C結合の部分で[−COF2基]の導入が観察された。従って、この点([−COF2基]の導入)と、レジストが剥離する過程でひび割れが生じている点から、[−COF2基]の加水分解及び活性なハロゲン化ガスによりレジストが脆弱化される効果によって、レジストが剥離されたと考えられる。
【0058】
<実施例2>
シリコンウエハ上にレジストを0.5μm塗布し、110℃でベークした後、B(ホウ素)をインプラ処理したサンプルを用意した。このサンプルに対して、大気の湿度(ガス雰囲気の湿度)を15〜60%の範囲で変化させて上記プラズマ処理を行い、その処理後のレジストの剥離量を評価した。
【0059】
その結果、25%以上の湿度範囲では30secのプラズマ処理でレジストを剥離することが可能であったが、15〜20%程度の湿度範囲では60sec以上のプラズマ処理が必要であった。この結果から、プラズマ化したハロゲン化ガスを導入する大気の湿度が20%以上であると、レジスト剥離を効率よく行えることが判る。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大気圧近傍の圧力下でプラズマ化したハロゲン系ガスを適度な湿度を持つ大気中に導入して活性な反応ガスを生成する処理と、その活性な反応ガスをレジスト基板に照射してレジスト下層のSiO2層をエッチングし、かつ、加水分解する機能基をレジストに付与する処理と、前記ガス処理にて改質されたレジストを純水等により加水分解するとともに、エッチングにより略剥離されたレジストを純水等によりリフトオフする処理によって基板上のレジストを剥離するので、基板表面にダメージを与えることなく、レジストの剥離処理を行うことができる。
【0061】
しかも、ドライなハロゲン系ガスのみをプラズマ化し、そのプラズマ化したハロゲン系ガスを大気中に導入して活性な反応ガスを生成しているので、プラズマ発生用の放電電極の劣化を防ぐことができ、放電電極のコストダウンを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレジスト剥離装置の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の実施形態に用いるガス処理系の構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態において処理を行うレジスト基板を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生部
10 対向電極
10a ガス導入口
10b ガス吹き出し口
11 電圧印加電極
12 接地電極
13 プラズマ空間
2 電源
3 ガス供給ユニット
4 ガス供給ライン
5 雰囲気ガス供給ユニット
6 純水噴射装置
100 ガス処理系
101 プラズマ処理室
102 雰囲気ガス導入口
103 排気口
200 純水処理系(分解処理系)
201 洗浄処理室
202 クリーンエア導入口
203 排水口
300 搬送ユニット
S レジスト基板
S1 ガラス基板
S2 HMDS(SiO2
S3 レジスト

Claims (1)

  1. 基板上にSiO層を介して積層されたレジストを剥離する方法であって、大気圧近傍の圧力下でプラズマ化したハロゲン系ガスを適度な湿度を持つ大気中に導入して活性な反応ガスを生成する処理と、その活性な反応ガスを基板に照射することにより、活性な反応ガスがレジストを透過してSiO層をエッチングし、かつ、加水分解する機能基をレジストに付与する処理と、前記ガス処理にて改質されたレジストを加水分解により分解するとともに、レジストをリフトオフする処理を含むことを特徴とするレジスト剥離方法。
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