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JP4118452B2 - 物体認識装置 - Google Patents
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JP4118452B2 - 物体認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車などの車両に搭載されたカメラによる撮像手段を用いて、前方の物体を検出する光学式の物体認識装置に関し、より具体的には、撮像された画像における複数のウィンドウを用いて物体を認識する物体認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両走行の安全性を向上させるため、自車両の前方にある物体の距離や大きさを判断し、これに応じて車両を適切に制御する装置が提案されている。
【0003】
2つの受光素子からなる光学式距離計測装置を使用し、距離検出された被写体が物体か道路領域(路面上の文字/白線を含む)かを判断する手法に関連するものとして、特開平9−79821号公報には、計算エリアごとに距離を算出し、この距離値に基づき近接する計算エリアをブロック化して、障害物が存在する領域を認識する装置が提案されている。このブロック化では、距離が未測定の計算エリアも含めてブロック化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−79821号公報のものでは、隣接している計算エリアから算出される距離値が近い場合にブロック化を行うため、画像領域に複数の障害物が隣接して存在している場合には、これら複数の障害物をブロック化して1つの物体と誤認する場合があった。また、ブロック化する範囲を一定としているため、1つの障害物が複数の障害物であると誤って認識する場合があった。
【0005】
そこでこの発明は、過去の物体の情報を利用して、画像領域に複数存在する物体を別々に正確に認識することのできる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明の物体認識装置は、所定の間隔をおいて配置された少なくとも2つの撮像手段と、前記少なくとも2つの撮像手段で得られ、複数のウィンドウに分割された画像に基づいて、ウィンドウごとに対象物までの距離を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された距離の差が所定範囲内にある、隣接するウィンドウをクラスタリングしてクラスタを定めるクラスタリング手段と、前回認識された物体の位置および該物体に対する相対速度に基づいて、今回の該物体の位置を推定する物体推定手段と、前記推定された物体との距離の差が所定範囲内にあり、該推定された物体と重なりを持つクラスタを選択するクラスタ選択手段と、前記選択されたクラスタのうちの1つまたは複数のクラスタから構成される結合クラスタであって、前記推定された物体の属性に最も近い属性を持つ結合クラスタを物体として認識する物体認識手段とを備える。
【0007】
この発明によると、前回認識された物体に関する情報を使用して物体を認識するので、複数の物体を1つの物体または1つの物体を複数の物体として誤認することなく、正確に物体を認識することができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の物体認識装置において、予め決められた検知すべき物体の属性を格納する検知物体記憶手段を備え、前記クラスタ選択手段において選択されなかったクラスタのうちの1つまたは複数のクラスタから構成される結合クラスタの属性を、前記検知すべき物体の属性と比較し、属性の差が最小値となる検知すべき物体を、前記結合クラスタに対応する物体として認識する。
【0009】
請求項2の発明によると、予め決められた検知すべき物体の属性と比較して物体を認識するので、今回新たに画像上に現れた複数の物体についても、それぞれを正確に認識することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施例の物体認識装置の全体的なブロック図である。図2は、この実施例で用いる三角計測法による距離の計測原理を説明する図である。まず図2を参照して1対の撮像装置を用いた距離の測定方法を説明する。
【0011】
一対の撮像装置の一方を構成するラインセンサ21およびレンズ23は、他方の撮像装置を構成するラインセンサ22およびレンズ24と所定の間隔すなわち基線長Bだけ左右方向または上下方向に間隔をおいて配置されている。ラインセンサ21および22は、典型的には1次元のCCDであり、直線的に配列されたフォトセンサのアレイであってもよい。夜間の使用を考慮すると赤外線を用いた撮像装置にするのがよい。この場合、レンズ23、24の前に赤外線透過性のフィルタを置き、赤外線の光源を用いて一定の周期で対象物20を照射し、対象物20から反射する赤外線をラインセンサ21、22が感知するようにするのがよい。
【0012】
ラインセンサ21、22は、それぞれレンズ23、24の焦点距離fに配置されている。レンズ23、24のある平面から距離aにある対象物の像が、ラインセンサ21ではレンズ23の光軸からX1ずれた位置に形成され、ラインセンサ22ではレンズ24の光軸からX2だけずれた位置に形成されるとすると、レンズ23、24の面から対象物20までの距離aは、三角計測法の原理により、a=B・f/(X1+X2)で求められる。
【0013】
この実施例では画像はデジタル化されるので、距離(X1+X2)は、ディジタル的に算出される。ラインセンサ21および22で得られる画像の片方または両方をシフトさせながら両画像のそれぞれ対応する画素の輝度を示すディジタル値の差の絶対値の総和を求め、これを相関値とする。相関値が最小値になるときの画像のシフト量が両画像の間の位置ずれ、すなわち(X1+X2)を示す。観念的には図2に示すようにラインセンサ21および22から得られる2つの画像を重なり合わせるために2つの画像を相対的に移動させねばならない距離が(X1+X2)である。
【0014】
ここでは、簡単のため撮像装置が1次元のラインセンサ21、22であるものとして説明したが、以下に述べるようにこの発明の一実施例では2次元のCCDまたは2次元のフォトセンサ・アレイを撮像装置として使用する。この場合、2つの撮像装置から得られる2次元の画像を相対的にシフトさせて上述したのと同様の相関計算を行い、相関値が最小となるときのシフト量を求めると、このシフト量が(X1+X2)に相当する。
【0015】
図1の撮像手段3は、図2のレンズ23およびラインセンサ21からなる一方の撮像手段に対応し、撮像手段3’は、図2のレンズ24およびラインセンサ22からなる他方の撮像手段に対応する。この実施例では、図3の(b)に示すように撮像領域を複数のウィンドウ(小領域)W11、W12、・・・に分割し、ウィンドウごとに距離の計測を行うので、対象物全体の2次元の画像が必要になる。このため撮像手段3、3’は、2次元のCCDアレイまたは2次元のフォトセンサ・アレイで構成される。
【0016】
図3の(a)は、撮像手段3または3’により自車両の前方を走行する他車両を撮像した画像の例を示し、図3の(b)は、図3の(a)の画像を概念的に複数のウィンドウに分割したものを示す。図3の(b)は、縦方向に行および横方向に列をとり、簡単のため10行×15列のウィンドウに分割して示す。それぞれのウィンドウには番号が付されており、例えばW12は、1行2列にあるウィンドウを示す。
【0017】
撮像手段3、3’で撮像された対象物の画像はアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)4、4’でデジタルデータに変換され、画像メモリ5、5’に格納される。ウィンドウ切り出し部9によって、ウィンドウW11に対応する画像部分が画像メモリ5および5’からそれぞれ切り出されて相関計算部6に送られる。相関計算部6は、切り出された2つの画像を所定の単位ずつシフトさせて前述した相関計算を行い相関値が最小になるときのシフト量を求めると、このシフト量が(X1+X2)である。相関計算部6は、こうして求めた(X1+X2)の値を距離計算部7に送る。
【0018】
距離計算部7は、前述したa=B・f/(X1+X2)の式を用いて、ウィンドウW11にある対象物までの距離a11を求める。こうして求められた距離a11は、距離記憶部8に記憶される。同様の計算処理がそれぞれのウィンドウについて順次実行され、距離a11、a12、・・・が距離記憶部8に記憶される。以下、あるウィンドウについて計算された対象物までの距離を、そのウィンドウの計測距離という。
【0019】
上の相関計算で用いる画像データは、撮像素子アレイの素子のピッチによって分解能が定まるので、フォトセンサ・アレイなど比較的ピッチの大きい受光素子を用いるときは、ピッチ間の補間計算を行って画像データの密度を高める処理を行い、こうして密度を高められた画像データについて相関計算を行うのが好ましい。
【0020】
また、温度による撮像素子アレイの特性変化を補正するため、温度センサを撮像素子アレイ付近に配置し、温度センサから得られる温度情報に基づいて距離計算を補正するようにすることもできる。
【0021】
次に、以上のようにして算出された計測距離に基づいてウィンドウをクラスタリングする方法について説明する。クラスタリング部33は、それぞれのウィンドウの計測距離に基づいて、ウィンドウのクラスタリングを行う。最初に、クラスタリング部33におけるラベル付与部34が、隣接するウィンドウの計測距離を比較し、ほぼ等しければ、その隣接するウィンドウに同一のラベルを付与する。ラベル付与部34は、計測距離をもつすべてのウィンドウにラベルを付与し、同じラベルを持つウィンドウは、1つのクラスタを構成する。隣接するウィンドウの計測距離を比較するのは、隣接していなければ、計測距離が同じでも物体が異なる場合があるからである。
【0022】
例として、図3の(b)の路面上の文字「60」が撮像されているウィンドウについて説明する。「60」の文字は、ウィンドウW75、W7B、WA5およびWABに囲まれた領域(斜線がほどこされた領域)に撮像されている。この画像領域に含まれるウィンドウのそれぞれについて計測された距離の例を、図4の(a)に示す。数字の単位はメートルである。ここで、計測距離が示されていないウィンドウは、コントラストがなかったために距離が計算できなかったウィンドウを示す。図4の(a)において、隣接するウィンドウの計測距離を比較し、所定範囲内ならば(たとえば、計測距離の差が0.5メートル以内ならば所定範囲内とすることができる)、その隣接する2つのウィンドウに同じラベルを付与する。この処理を、計測距離をもつすべてのウィンドウについて行う。
【0023】
たとえば、ウィンドウW76の計測距離5.8と、W77の計測距離6.0との差は0.2であるので、それぞれのウィンドウにラベル「1」を付与する。同様の処理を画像の左側部分で隣接するウィンドウについて行うと、図4の(b)の左側部分のウィンドウのそれぞれにラベル「1」が付与される。また、図4の(a)の画像の右側部分では、たとえばウィンドウW89の計測距離5.5とW8Aの計測距離5.6との差が0.1であるので、それぞれのウィンドウにラベル「2」を付与する。ここで、ウィンドウW89およびW8Aの両方とも、ラベル「1」が付与されたウィンドウとは隣接していないので、異なるラベルを付与する。なお、ラベルは数字である必要はなく、例えばアルファベット文字など識別できる符号を用いてもよい。
【0024】
こうして、計測距離値をもつウィンドウのそれぞれにラベルを付与すると、図4の(b)に示されるように、ラベル「1」でクラスタリングされた領域51と、ラベル「2」でクラスタリングされた領域52とが定められる。このクラスタリングされた領域をクラスタと呼ぶ。
【0025】
次に、3次元表示部35は、上記のようにクラスタリングされたウィンドウのクラスタを3次元情報で表す。図5に示すように、3次元情報は、この例では水平位置(x)、垂直位置(y)および路面距離(z)の3座標を使用する。水平位置を示すx座標はウィンドウの列方向(図3の(b)を参照)に対応し、垂直位置を示すy座標は路面からの高さ方向に対応し、路面距離を示すz座標はウィンドウの行方向(図3の(b)を参照)に対応する。また、路面距離を示すz座標は計測距離dに比例する。
【0026】
図5の(a)を参照して、クラスタを構成するウィンドウを3次元情報で表す方法を説明する。原点Oは車両が位置する路面を示し、x、yおよびz軸は原点Oで互いに直交する。x軸は車両から見て左右に伸びており、y軸は路面に垂直に伸びており、z軸は車両の進行方向に伸びている。撮像カメラ53は、原点Oからy軸方向の高さHのところにある。物体54は、高さhおよび幅gを持ち、z軸方向にi進んだ所にある。
【0027】
撮像カメラ53で撮像された画像上の複数のウィンドウのうち、あるウィンドウには、物体54が存在しなければ点55で表される路面が対象物として撮像され、物体54が存在すれば、点56で表される物体54の一部が対象物として撮像される。推定距離Dは、撮像カメラ53と点55との間の距離であり、物体54が存在しない場合に撮像された点55までの計測距離に等しい。計測距離dは、撮像カメラ53と点56との間の距離であり、図2を参照して前述した方法により計算される。(x,y,z)座標系を使用すると、撮像カメラ53の位置は(0,H,0)で表され、点56の位置は(g,h,i)で表される。
【0028】
ウィンドウごとの推定距離Dおよび撮像カメラの推定路面からの高さHは固定値であるので、予め計算して記憶しておくことができる。図5の(a)から明らかなように、ウィンドウの対象物の高さhは以下の式(1)から、対象物の路面距離iは式(2)から求められる。
【0029】
【数1】
Figure 0004118452
【0030】
図5の(a)のx軸方向の車両からの水平距離は、撮像カメラの位置、画像におけるウィンドウ数などに応じてウィンドウの列ごとに予め決められる。たとえば、ウィンドウの3列目は、車両の中心から左に1メートルの位置を示すというように定めることができる。したがって、点56が撮像されているウィンドウの画像上の位置に基づいて、点56のx座標値(この例ではgであり、対象物の幅の値に等しい)を求めることができる。こうして、クラスタを構成するウィンドウのそれぞれを、x、yおよびz座標で表すことができる。
【0031】
別の実施形態では、たとえば路面距離を示すz座標の代わりに計測距離dを使用することもでき、上記の座標系とは異なる座標系を使用してウィンドウを表すこともできる。
【0032】
こうして、3次元情報表示部35は、クラスタを構成するそれぞれのウィンドウを3次元情報で表して3次元上に点として投影し、クラスタの中心位置、幅および大きさを求めることができる。あるクラスタについて3次元上に投影されたすべての点を含む最小の直方体を定め、クラスタを直方体で近似するのが好ましい。これにより、クラスタの中心位置、幅および高さ(厚み)を容易に求めることができ、クラスタに含まれる対象物の大きさおよび位置を正確に認識することができる。
【0033】
上記のx,y,z座標系を使用すると、直方体で近似されたクラスタの幅は、投影された点のうち最大のx座標値から最小のx座標値引いた値であり、クラスタの厚みは、投影された点のうち最大のy座標値から最小のy座標値を引いた値である。さらに、クラスタの中心位置は、x、yおよびz座標のそれぞれについて、最大値から最小値を引いて2分の1した値で表される。こうして算出されたクラスタの中心位置の距離、水平位置および垂直位置と、クラスタの幅および高さ(このようなクラスタに関するそれぞれの情報を、クラスタの属性という)は、クラスタ記憶部48に記憶される。
【0034】
図5の(b)は、図5の(a)の原点Oに位置する車両が物体54の方へ移動し(移動した原点が、原点O’で表される)、物体54に対する車両の相対距離がrだけ短くなった場合を示す。図5の(a)と同様に物体54の一部である点56の位置を座標を用いて特定する。物体の水平位置が変化しないとすると、物体の垂直位置は変わらないので(物体の高さは不変である)、変化するのはz座標のみである。したがって、点56の位置は、(g,h,i−r)で表される。
【0035】
図1に戻り、クラスタ群決定部36は、物体認識の処理が行われたことを示す処理済みフラグがたっていないクラスタをクラスタ記憶部48から抽出し、クラスタの属性に基づいて、任意の数のクラスタから構成されるクラスタ群を定める。クラスタリング部33によりクラスタリングされた直後は、すべてのクラスタに処理済みフラグがたっていないので、すべてのクラスタが抽出される。
【0036】
この実施例では、クラスタ群決定部36は、あるクラスタと他のクラスタの距離、水平位置および垂直位置の差を算出し、これらの差がいずれもしきい値以下ならば、これらのクラスタは同じクラスタ群に含まれると判断する。この処理を、抽出されたクラスタのすべてについて行い、クラスタ群を決定する。複数のクラスタが近い場所に現れているならば、これらのクラスタは同じ対象物を表す可能性が高いからである。
【0037】
しきい値は、車両からの距離に応じて異なる値を設定するのが好ましい。この実施形態では、距離および位置の差を求める2つのクラスタの距離に応じて、しきい値を設定する。2つのクラスタの距離は、それぞれのクラスタに含まれるウィンドウ数と、それらウィンドウの計測距離とに基づいて算出する。たとえば、2つのクラスタC1およびC2があり、クラスタC1およびC2の距離をそれぞれd1およびd2とし、それぞれのクラスタC1およびC2に含まれるウィンドウ数をw1およびw2とすると、以下の式(3)に基づいて2つのクラスタの距離を算出することができる。ここで、クラスタの距離d1およびd2は、それぞれのクラスタに含まれるウィンドウの計測距離を平均した値を用いる。
【0038】
【数2】
2つのクラスタの距離 = (d1×w1+d2×w2)/(w1+w2)...式(3)
【0039】
別の実施形態では、式(3)のようにクラスタのウィンドウ数に基づいて加重平均を計算する代わりに、単純にそれぞれのクラスタの距離d1およびd2を平均した値を、2つのクラスタの距離とすることもできる。さらに、クラスタC1およびC2のそれぞれの中心位置における距離を平均した値を、2つのクラスタの距離とすることもできる。なお、計測距離と前述のz座標で示されるウィンドウの対象物の路面距離とは比例するので、路面距離を用いてもよい。
【0040】
2つのクラスタの水平位置および垂直位置の差dxおよびdyは、2つのクラスタ間の間隔で表され、距離の差dzは、それぞれのクラスタの距離(上記ではd1およびd2)の差で表される。例として、図6の(a)は、x−y平面から見た複数のクラスタを示し、図6の(b)は、x−z平面から見た、図6の(a)と同じクラスタを示す。クラスタC4およびC6の水平位置の差は、x軸方向のdxで表され、垂直位置の差は、y軸方向のdyで表される。また、クラスタC4およびC6の距離をそれぞれd4およびd6とすると、距離の差はz軸方向のdzで表される。なお、水平および垂直位置の差は、クラスタ間の間隔の代わりに、たとえばクラスタの中心位置の差を用いることもできる。
【0041】
しきい値は、上記の式(3)を用いて計算された2つのクラスタの距離に基づいて、たとえば、距離の差については以下の表1のように、水平位置および垂直位置の差については以下の表2のように設定することができる。
【0042】
【表1】
Figure 0004118452
【0043】
【表2】
Figure 0004118452
【0044】
表1において、2つのクラスタの距離が大きくなるほど距離の差のしきい値が大きくなっているのは、自車両からの距離が遠くなるほど計測距離の誤差が大きくなるためである。表2において、2つのクラスタの距離が大きくなるほど水平および垂直位置の差のしきい値が小さくなっているのは、たとえば他の車両が自車両から近い距離に存在するような場合には、コントラストが低いために計測距離を算出することのできないウィンドウが多く発生し、クラスタとクラスタとの間の間隔が広くなることがあるからである。
【0045】
図6の(a)および(b)を参照すると、クラスタ群決定部36は、クラスタC1〜C6から任意のクラスタを2つ選び、距離、水平および垂直位置の差を算出してしきい値と比較し、同じクラスタ群に含めることができるかどうか判断する。たとえば、クラスタC1およびC2は距離および位置の差がしきい値以下なので同じクラスタ群に含めることができ、クラスタC2およびC4も距離および位置の差がしきい値以下なので同じクラスタ群に含めることができると判断し、その結果、クラスタC1、C2およびC4を同じクラスタ群G1に含めることができると判断する。
【0046】
また、クラスタC6およびクラスタC5は、水平および垂直位置の差はしきい値以下であるが、距離の差がしきい値を超えるため、それぞれ別のクタスタ群に含めると判断する。このようにして、クラスタ群決定部36は、図6の(c)および(d)に示されるような2つのクラスタ群G1およびG2を決定する。その後、クラスタ群決定部36は、同じクラスタ群を構成するクラスタに、同じラベルを付与しなおす。
【0047】
なお、クラスタ群に含めるかどうかの判断に、クラスタの大きさ(幅および高さ)を加えることもできる。たとえば、検出すべき物体が他の車両である場合には、クラスタ群の幅および高さが通常の車両の幅および高さより大きくならない場合に、クラスタを含めると判断することができる。
【0048】
次に、過去の情報に基づいて物体を推定する方法を説明する。図1の物体推定部40は、前回認識された物体の位置と、該物体に対する相対速度に基づき、今回得られた画像における物体の位置を推定する。図7を参照して、この実施形態における物体の推定方法について説明する。図7の(a)〜(c)は前回の処理を示し、図7の(d)〜(f)は今回の処理を示す。図7の(a)には、2台の車両91および92が撮像されており、図7の(d)には、図7の(a)と同じ車両91および92が撮像され、さらに新たに標識93が撮像されている。
【0049】
図7の(b)は、図7の(a)の画像に基づいてクラスタリング部33により定められたクラスタC11〜C17と、クラスタ群決定部36により定められたクラスタ群63および64を示す。図7の(c)は、クラスタ群63および64から認識された物体65および66を示し、それぞれ車両91および車両92に対応する。物体65と66の位置および大きさは、前回の処理で物体記憶部39に記憶されている。
【0050】
物体推定部40は、前回認識された物体65および66の位置と相対速度を物体記憶部39から読み出し、物体65および66の今回の位置を算出する。算出は、(前回の物体の位置+相対速度×検出間隔時間)という計算式を使用して行うことができる。この例では、物体65に対する相対速度をゼロとし、物体66に対する相対速度を時速−10キロメートルとし(この例では、物体の速度に対して自車両の速度が大きい場合の相対速度を「負」で表す)、検出間隔時間を100ミリ秒とする。前回と今回の物体65に対する相対距離は変化せず、物体66に対する相対距離は約0.3メートルだけ短くなる。
【0051】
したがって、図5の(b)を参照して説明したように、前回の物体65の位置(物体の中心座標で表すとする)を(x1,y1,z1)、物体66の位置を(x2,y2,x2)とし、それぞれの座標値をメートルで示すと、物体65の今回の位置は(x1,y1,z1)、物体66の今回の位置は(x2,y2,z2−0.3)と推定することができる。ここで、推定される物体は前回と同じ水平位置にあるとする。なお、座標系や原点のとりかたに応じて、物体に対して自車両の速度が大きい(または小さい)場合の相対速度「正」または「負」で表すことができ、上記と異なる式を用いて物体の位置を算出することもできる。
【0052】
さらに、時間が経過しても物体の大きさは変わらないので、物体推定部40は、物体65および66の幅および高さを物体記憶部39から読み出し、それぞれの今回の位置(x1,y1,z1)および(x2,y2,z2−0.3)において、物体65および66を3次元上に再構成することができ、推定された物体の画像上におけるウィンドウの位置を求めることができる。図7の(e)は、上記のように物体65および66を推定した物体75および76を、画像上の四角で囲まれた領域で示す。
【0053】
物体推定部40は、推定した物体(以下、推定物体という)75および76の属性(距離、水平位置、垂直位置、幅および高さなどの物体に関する情報)を、推定物体記憶部49に記憶する。なお、物体推定部40による処理は、前述したクラスタリング部33およびクラスタ群決定部36による処理と並行して行うのが好ましい。
【0054】
相対速度は時間によりしばしば変化するので、推定物体の位置を範囲で特定することができる。たとえば、ある相対速度で算出された推定物体の位置を、(x,y,z)の1点で特定する代わりに、たとえば(x−1,y−1,z−1)〜(x+1,y+1,z+1)のように範囲で特定することもできる。または、ある相対速度sキロメートル/時で算出される相対距離で位置を特定する代わりに、相対速度(s−5)〜(s+5)キロメートルで算出される範囲の相対距離で位置を特定することもできる。このように、物体の位置を範囲で特定することにより、相対速度がある程度変化した場合にも、より正確に物体の位置を推定することができる。
【0055】
図1に戻り、クラスタ選択部41は、最も近い距離にあるクラスタを含むクラスタ群を選ぶ。次に、選択されたクラスタ群を構成するクラスタと距離の差がしきい値以下であって、水平および垂直位置で重なりを持つ推定物体のうち、最も近い距離にある推定物体を選択する。その後、クラスタ選択部41は、選択された推定物体と重なりを持つクラスタを、選択されたクラスタ群からすべて選択する。
【0056】
ここで、選択したクラスタ群を構成するいずれのクラスタも、推定物体との距離の差がしきい値を満たさず推定物体と重なりを持たない場合、すなわち選択すべき推定物体が無い場合には、そのクラスタ群に含まれるすべてのクラスタを選択し、処理は物体候補抽出部42に進む。
【0057】
また、クラスタ選択部41は、すべてのクラスタが処理された後になお推定物体が残っている場合には、この推定物体はすでに画像領域に現れなくなった物体と判断し、推定記憶部49から削除することができる。
【0058】
近い距離にあるクラスタ群および推定物体から処理するのは、近い距離にあるクラスタほど物体かどうか優先して判断する必要があり、また、対応する推定物体を見つけやすいからである。
【0059】
クラスタおよび推定物体のそれぞれの距離は、それぞれの中心位置における距離を用いることができる。または、クラスタの距離は、クラスタを構成するウィンドウの計測距離の平均した値を用いることもできる。距離の差のしきい値は、前述した表1の値を用いることもでき、または新たに異なる値のしきい値を用いてもよい。
【0060】
重なりの判断は、比較するクラスタと推定物体をx−y平面に投影することにより、簡単に判断することができる。たとえば、水平方向の重なりは、クラスタ群の最大および最小のx座標と、推定物体の最大および最小のx座標とを比較することにより判断することができる。なお、水平および垂直位置に重なりがあればよく、推定物体にクラスタ全体が含まれる必要はない。
【0061】
図7の例で説明すると、図7の(d)に示される車両91と92および標識93は、実際に路面上のほぼ同じ距離に存在しているとする。図7の(e)には、クラスタリング部33が図7の(d)の画像に基づいて定めたクラスタC21〜C31と、クラスタ群決定部36により定められ、クラスタC21〜C31から構成される1つのクラスタ群72が示される。
【0062】
クラスタ選択部41は、最も近い距離にあるクラスタを含むクラスタ群を選択するが、この例ではクラスタ群が1つなので、クラスタ群72が選択される。次に、クラスタ群72を構成するクラスタの距離および位置をクラスタ記憶部48から読み出し、推定物体75および76の距離および位置を推定物体記憶部49から読み出す。クラスタ群72を構成するクラスタとの距離の差がしきい値以下で、水平および垂直位置で重なりを持つ推定物体は2つある(推定物体75および76)。推定物体75が76より近い距離にあるとすると、推定物体75が選択される。次に、クラスタ群72を構成するクラスタのうち、推定物体75と重なりを持つクラスタC22〜C26を選択する。こうして、推定物体に対応するクラスタがまとまりをもって選択される。
【0063】
物体候補抽出部42は、クラスタ選択部41で選択されたクラスタからすべての組み合わせを抽出し、それぞれの組み合わせについて結合クラスタを定め、それぞれの結合クラスタを物体候補とする。組み合わせには、クラスタが1つの場合を含む。図9は、図7の(e)の推定物体75について選択されたクラスタC22〜C26のすべての組み合わせを抽出したものである。たとえば、図9の結合クラスタ番号10には、クラスタC23とC24の組み合わせで結合されたクラスタが示される。ここで、結合クラスタを構成するクラスタをすべて含む最小の直方体を定めて、結合クラスタを直方体で近似するのが好ましい。これにより、結合クラスタの属性(距離、位置、大きさなど)を容易に求めることができる。
【0064】
物体候補抽出部42により、物体候補である結合クラスタが抽出された後、対応する推定物体を持つ結合クラスタについては、処理は第1の物体認識部43に進み、対応する推定物体を持たない結合クラスタについては、処理は第2の物体認識部44に進む。
【0065】
第1の物体認識部43は、物体候補抽出部42により、対応する推定物体を持ち、少なくとも1つ以上のクラスタから構成される結合クラスタの属性を、推定物体の属性と順次比較し、推定物体の属性に一番近い属性をもつ結合クラスタを物体として認識する。ここで使用する属性は、距離、水平位置、垂直位置、幅および高さであり、属性の比較は以下の式(4)を用いて行われる。式(4)の変数の意味を表3に示す。
【0066】
【数3】
Figure 0004118452
【0067】
【表3】
Figure 0004118452
【0068】
式(4)は、結合クラスタおよび推定物体の中心位置の差と、幅および高さの差とに基づいて、両者の属性の差を関数で表したものである。なお、距離(Z値)は、その距離値に応じて誤差があるので、推定物体の距離Ztに比例する値で補正している。
【0069】
図9の例では、推定物体75に対応する結合クラスタ1〜31のすべてについて関数値E1を算出し、関数値E1が最小となる結合クラスタを物体として認識する。最小のE1を持つ結合クラスタが、推定物体75の位置および大きさを最も良く表すからである。たとえば、図9に示される結合クラスタ1〜31の関数値E1の値が、e01>e02....>e07>e06....>e17>e16....>e26...>e31(eXXは、式(4)で計算された値とする。なお、一部省略している)の関係を持つとすると、関数値e31に対応するクラスタC22〜C26の結合クラスタ31が物体78として認識される(図7の(f))。
【0070】
こうして属性の比較を行うことにより、たとえばあるクラスタが複数の推定物体と重なりをもち、推定物体のほんの一部しか表さない場合には、そのクラスタを含まない結合クラスタが物体として認識され、より正確に物体を認識することができる。
【0071】
物体として認識されたクラスタC22〜C26および対応する推定物体75は、物体認識の処理が行われたことを識別するため、たとえば処理済みフラグをたててクラスタ記憶部48および推定物体記憶部49に記憶される。
【0072】
クラスタ群決定部36、クラスタ選択部41、物体候補抽出部42、第1の物体認識部43(または第2の物体認識部44)による処理は、すべてのクラスタが処理済みとなるまで(この例では、すべてのクラスタに処理済みフラグがたつまで)繰り返される。すなわち、クラスタ群決定部36が、クラスタ記憶部48に記憶されたクラスタの処理済みフラグを調べ、処理済みフラグがたっていないクラスタが見つからないとき、繰り返し処理を終える。
【0073】
または、物体として認識する数に予め上限(たとえば、4個)を定め、認識された物体の数がこの数に達したならば、処理の繰り返しを終えるようにすることもできる。
【0074】
図8は、図7の(f)に続く処理を示しており、わかりやすくするため、物体と認識されたクラスタC22〜C26および対応する推定物体75を取り除いて示している。クラスタ群決定部36は、クラスタ記憶部48に記憶されたクラスタの処理済みフラグを調べ、処理済みフラグがたっていないラスタC21、C27〜C31を抽出する。さらに、推定物体記憶部49に記憶された推定物体の処理済みフラグを調べ、処理済みフラグがたっていない推定物体76を抽出する。
【0075】
図8の(a)から明らかなように、クラスタC21およびクラスタC27〜C31は水平位置の差がしきい値を超えるので、クラスタ群決定部36は、それぞれ異なるクラスタ群73および74を新たに定める。このように、新たにクラスタ群を定めることにより、他の推定物体がどのような位置にあっても、クラスタC21とC27〜C31が結合されて1つの物体と誤認されることがなくなる。
【0076】
クラスタ群73の距離がクラスタ群74の距離より近い距離にあるとすると、クラスタ選択部41は、クラスタ群73を選択する。さらに、クラスタ群73を構成するクラスタと、距離の差がしきい値以下で水平および垂直位置で重なりを持つ推定物体76を選択する。クラスタ群73を構成するクラスタのうち、推定物体76を重なりを持つクラスタC27〜C31を選択する。
【0077】
物体候補抽出部42は、クラスタC27〜C31のすべての組み合わせを作って結合クラスタを定める。第1の物体認識部43は、それぞれの結合クラスタの属性を、推定物体76の属性と比較する。その結果、クラスタC27〜C31からなる結合クラスタが、推定物体76に最も近い属性を持つと判断し、クラスタC27〜C31の結合クラスタを物体79と認識する(図8の(b))。物体と認識されたクラスタC27〜C31および対応する推定物体76は、クラスタ記憶部48および推定物体記憶部49に、それぞれ処理済みフラグをたてて記憶される。
【0078】
次に、クラスタ群決定部36は、処理済みフラグがたっていないクラスタC21をクラスタ記憶部48から抽出する。クラスタが1個なので、クラスタC21をクラスタ群74とする(図8の(c))。この例では、推定物体がすべて処理され、対応する推定物体が存在しないので、クラスタ選択部41は、クラスタC21を選択し、物体候補抽出部42に渡す。物体候補抽出部42は、クラスタ群74に含まれるクラスタのすべての組み合わせから結合クラスタを定めるが、ここではクラスタC21の1個だけなので、クラスタC21からなる結合クラスタを定める。クラスタC21からなる結合クラスタは、第2の物体認識部44に渡される。
【0079】
このように、物体を表すクラスタはまとまって現れると考えられるので、処理の繰り返しはクラスタ群の決定から行うのが好ましい。前述したように、推定物体の距離および位置は相対速度から求めるので、誤差を含むことが多い。クラスタ群を決定せずに、推定物体と重なりを持つクラスタを抽出すると、水平位置が非常に離れているクラスタを結合して物体と誤認することがある。
【0080】
第2の物体認識部44は、物体候補抽出部42から抽出された、対応する推定物体を持たない少なくとも1つ以上のクラスタから構成される結合クラスタの属性と、予め決められた検知すべき物体(以下、検知物体という)の属性とを比較し、属性の差が最小値となる検知物体を、結合クラスタに対応する物体として認識する。なお、しきい値を設けて、属性の差がしきい値以下で、最小値となる検知物体を、対応する物体として認識することもできる。予め決められた検知物体との比較は、すべての結合クラスタについて行われ、検知物体が複数ある場合には、すべての検知物体と比較される。
【0081】
検知すべき物体の属性は予め決められて検知物体記憶部50に記憶されている。たとえば、車両を検知するのであれば、いくつかの種類の標準的な車両の属性が記憶されており、標識を検知するのであれば、いくつかの標準的な標識の属性を記憶することができる。この実施例では、比較する属性として幅および高さを使用し、前回の情報が存在しないので距離、水平位置および垂直位置は比較しない。属性の比較は、以下の式(5)を用いる。式(5)の変数の意味を表4に示す。式(5)は、結合クラスタおよび検知物体の幅および高さの差に基づいて、両者の属性の差を関数で表したものである。
【0082】
【数4】
E2 = |Wc−Wt|+|Hc−Ht| ・・・式(5)
【0083】
【表4】
Figure 0004118452
【0084】
図8の(c)の例では、前述したように、物体候補抽出部42から抽出されたクラスタC21の結合クラスタの属性と、いくつかの検知物体の属性とを比較し、関数値E2が最小となる検知物体(この例では、標識)を抽出する。こうして、クラスタC21が物体77として認識される(図8の(d))。
【0085】
以上のように、過去の物体に関する情報を使用して物体を認識することにより、前方を走行する他の車両が路側物(たとえば、標識)に近接して走行した場合や、隣りのレーンの車両が前方車に接近した場合に、2つの物体を1つの物体と誤認したり、1つの物体を複数の物体と誤認することがなくなる。
【0086】
なお、第1および第2の物体認識部43および44で処理する前に、クラスタの位置および大きさに基づいて、物体かどうか判定するのが好ましい。たとえば、クラスタの高さ方向の厚みが所定値より大きければ物体と判定することができる。さらに、第1および第2の物体認識部43および44により物体と認識されずに残ったクラスタについては、物体ではないと判定することができる。
【0087】
第1および第2の物体認識部43および44は、認識された物体の属性を物体記憶部39に記憶する。物体記憶部39には、前回認識された物体の属性も記憶されている。さらに、第1および第2の物体認識部43および44は、前回認識された物体の距離(前回距離)および今回認識された物体の距離(今回距離)を用い、計算式「(今回距離−前回距離)/検出時間間隔」に基づいて求めた値にフィルターをかけて物体に対する自車の相対速度を算出し、物体記憶部39に記憶する。検出時間間隔は、前述したように前回の計測と今回の計測との時間差であり、たとえば100ミリ秒とすることができる。
【0088】
車両制御部45は、物体記憶部39に記憶された物体の距離、位置および相対速度などの情報、および自車速度検出装置46やヨーレート検出装置47などの装置からの情報に基づいて、物体までの距離が適切であるよう自車両を制御する。たとえば、運転者に音声やアラームで警告を発したり、自車のエンジンを制御して強制的に減速させたりなどの制御をすることができる。
【0089】
なお、物体の認識を確実にするため、第1および第2の物体認識部43および44により前回認識された物体と今回認識された物体とが同一かどうか判断し、同一物体が連続してある予め決められた回数認識されたときに、車両制御部45が車両を制御するようにするのが好ましい。
【0090】
図1に示した相関計算部6、距離計算部7、距離記憶部8、ウィンドウ切り出し部13、クラスタリング部33、クラスタ群決定部36、物体記憶部39、物体推定部40、クラスタ選択部41、第1および第2の物体認識部43および44、クラスタ記憶部48、推定物体記憶部49、検知物体記憶部50および車両制御部45は、中央演算処理装置(CPU)、制御プログラムおよび制御データを格納する読み出し専用メモリ、CPUの演算作業領域を提供し様々なデータを一時記憶することができるランダムアクセスメモリ(RAM)で構成することができる。距離記憶部8、クラスタ記憶部48、推定物体記憶部49、物体記憶部39および検知物体記憶部50は、1つのRAMのそれぞれ異なる記憶領域を使用して実現することができる。また、各種の演算で必要となるデータの一時記憶領域も同じRAMの一部分を使用して実現することができる。
【0091】
また、この発明の物体判定装置をエンジンの電子制御ユニット(ECU)、ブレーキ制御ECUその他のECUとLAN接続して物体判定装置からの出力を車両の全体的な制御に利用することができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、前回認識された物体に関する情報を使用して物体を認識するので、複数の物体を1つの物体または1つの物体を複数の物体として誤認することなく、正確に物体を認識することができる。
【0093】
請求項2の発明によると、予め決められた検知すべき物体の属性と比較して物体を認識するので、今回新たに画像上に現れた複数の物体についても、それぞれを正確に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体的な構成を示すブロック図。
【図2】三角計測法による距離の計測原理を説明するための図。
【図3】この発明による、(a)撮像された画像、(b)距離および道路領域判定のため小領域(ウィンドウ)に分割された画像を示す図。
【図4】この発明による、ウィンドウのクラスタリングを示す図。
【図5】この発明による、(a)ウィンドウを3次元情報で表す方法と、(b)車両が移動した場合のウィンドウの3次元情報の変化を示す図。
【図6】この発明によるクラスタ群決定を説明するため、(a)x−y平面から見たクラスタ、(b)x−z平面から見たクラスタ、(c)x−y平面から見たクラスタ群、(d)x−z平面から見たクラスタ群を示す図。
【図7】この発明による、前回および今回の撮像された画像((a)および(d))、クラスタ((b)および(e))、認識された物体((c)および(f))を示す図。
【図8】この発明による、図7の今回撮像された画像の残りのクラスタについての物体の認識を示す図。
【図9】この発明による、クラスタの組み合わせを示す表。
【符号の説明】
3、3’ 撮像部 7 距離計算部 33 クラスタリング部
36 クラスタ群決定部 40 物体推定部 41 クラスタ選択部
43 第1の物体認識部 44 第2の物体認識部

Claims (2)

  1. 車両に搭載された物体認識装置であって、
    前記車両の前方を撮像するよう、所定の間隔をおいて配置された少なくとも2つの撮像手段と、
    前記少なくとも2つの撮像手段で得られ、複数のウィンドウに分割された画像に基づいて、ウィンドウごとに対象物までの距離を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された距離の差が所定範囲内にある、隣接するウィンドウをクラスタリングしてクラスタを定めるクラスタリング手段と、
    前回認識された物体について該物体の水平方向、垂直方向および距離方向における位置、高さ、および幅を記憶する記憶手段と、
    前記前回認識された物体の水平方向、垂直方向および距離方向における位置および該物体に対する相対速度に基づいて、今回の該物体の水平方向、垂直方向および距離方向における位置を推定する物体推定手段と、
    前記推定された物体との距離の差が所定範囲内にあり、該推定された物体と重なりを持つクラスタを選択するクラスタ選択手段と、
    前記選択されたクラスタのうちの1つまたは複数のクラスタから構成される結合クラスタの水平方向、垂直方向および距離方向の位置、高さ、および幅を含む属性と、前記推定された物体の水平方向、垂直方向および距離方向における位置および該物体について前記記憶手段に記憶された高さおよび幅を含む属性とを比較し、該推定された物体の属性に最も近い属性を持つ結合クラスタを物体として認識する物体認識手段と、
    を備える物体認識装置。
  2. 予め決められた検知すべき物体の属性を格納する検知物体記憶手段を備え、
    前記クラスタ選択手段において選択されなかったクラスタのうちの1つまたは複数のクラスタから構成される結合クラスタの属性を、前記検知すべき物体の属性と比較し、属性の差が最小値となる検知すべき物体を、前記結合クラスタに対応する物体として認識する第2の物体認識手段を備えた請求項1に記載の物体認識装置。
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