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JP4120509B2 - 光ディスク装置 - Google Patents
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JP4120509B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置、特に光ディスクの傾き(チルト)に対する制御に関する。
【0002】
【従来技術】
光ディスクでは、ピックアップのレーザダイオード(LD)からレーザ光を射出してデータの再生あるいはデータの記録を行うが、ピックアップの光学系、より特定的には対物レンズと光ディスクとの傾き(チルト)が大きくなると、光ディスクに照射されるビームのスポット形状が変化し、そのエネルギも減少するため、記録再生特性が劣化してしまう。
【0003】
そこで、従来より、ピックアップ内あるいはピックアップの近傍に光ディスクとピックアップとの相対的な傾き角を検出する検出器を設け、光ディスクとピックアップ(対物レンズ)との傾きを一定角度に維持するようにフィードバック制御する技術が提案されている。検出器は、例えば一定距離だけ離間したLD及びPD(フォトディテクタ)から構成され、LDから射出し光ディスクで反射したレーザ光がPDに入射する配置として、光ディスクの傾きによりPDに入射するレーザ光の光量が変化することを利用して傾き角を検出する。
【0004】
しかしながら、この構成では、角度検出器と光ディスクとの傾きを検出しているにすぎず、厳密には対物レンズと光ディスクとの傾きを検出している訳ではないので、角度検出器の取付誤差が傾き制御に影響を及ぼす。したがって、角度検出器を用いることなく光ディスクと対物レンズとの傾きを正確に検出し、この傾きを解消するように対物レンズをチルト制御できるシステムが望ましい。
【0005】
下記に示す従来技術では、チルト調整用光ディスクにレーザ光を照射し、得られた再生信号のジッタが最小となるように対物レンズのチルト角を制御する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−45095号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにジッタが最小となるようにチルト角を調整することで、光ディスクと対物レンズとの傾きを最良の状態(通常は傾き角=0度)に維持できるが、傾きがプラス方向あるいはマイナス方向のいずれに変化してもジッタは常に増大するため、ジッタ値だけを検出しても最良の状態からずれていることは分かってもどちらの方向にずれているかを検出できず、その都度、傾きの方向を判定する必要があるため迅速かつ正確なチルト制御は困難である。
【0008】
本発明の目的は、光ディスクと対物レンズとの傾き(チルト)をその方向も含めて検出し、これに基づき対物レンズの傾きを迅速に制御して記録/再生特性を向上させることができる光ディスク装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ディスクに対して主ビーム(メインビーム)及び副ビーム(サブビーム)を照射するピックアップを備える光ディスク装置であって、前記主ビームの反射光の主プッシュプル(メインプッシュプル)信号を生成する手段と、前記副ビームの反射光の副プッシュプル(サブプッシュプル)信号を生成する手段と、前記主プッシュプル信号と前記副プッシュプル信号から前記光ディスクと前記ピックアップの対物レンズとの傾きを検出する傾き検出手段と、検出された前記傾きに基づき前記対物レンズの傾きを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
光ディスク装置においては、プッシュプル(PP)法を用いてトラッキング制御が行われることがあるが、レーザビームがトラック中心に存在していても光ディスクと対物レンズとの傾きや対物レンズのシフトによりオフセットが生じる。そこで、メインビームのプッシュプル信号とサブビームのプッシュプル信号との差分を演算することでオフセットを除去する差動プッシュプル(DPP法)が用いられているが、本発明では例えばこのDPP法において用いられるメインプッシュプル信号とサブプッシュプル信号とを用いて光ディスクと対物レンズとの傾きを検出する。メインプッシュプル信号とサブプッシュプル信号には、光ディスクと対物レンズとの傾き及び対物レンズのシフトに伴うオフセット成分が含まれており、両プッシュプル信号の位相は互いに反転している。そこで、対物レンズのシフトが既知の条件下で両信号を組み合わせてオフセット成分を抽出することで、傾きに応じた信号を取り出すことができる。光ディスクと対物レンズの傾きの方向が変化するとオフセット成分の符号も変化する。したがって、オフセット成分を抽出することで傾きの大きさと方向を併せて検出することができる。
【0011】
本発明において、前記傾き検出手段は、前記対物レンズを自由位置に設定した状態あるいはトラッキングサーボ制御を解除した状態において、前記主プッシュプル信号MPPと、前記副プッシュプル信号SPPに定数kを乗じた値kSPPとを加算することにより前記傾きを検出することが好適である。対物レンズが自由位置、すなわち対物レンズのシフト量がゼロである場合には、メインプッシュプル信号あるいはサブプッシュプル信号のオフセット成分に対する対物レンズのシフトによる寄与分はゼロであり、オフセット成分はそのまま光ディスクと対物レンズとの傾きを反映した値となる。両信号の組み合わせの一例は、MPP+kSPPである。定数kは回路定数であり、DPP法における定数kと同一値に設定され得る。
【0012】
また、本発明において、前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置における前記傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出してもよい。光ディスクと光ディスク装置内の対物レンズとの組み合わせは種々であり、最良の状態が傾きゼロとは限らない。光ディスクの所定半径位置、例えば内周部における傾きを基準値とし、任意の位置における傾きを相対値として表現することで、当該光ディスクとの関係において基準値からの傾きの偏差が得られることになる。対物レンズの傾きを調整する場合、この偏差を解消するように調整することで、光ディスクの任意の位置において基準位置とほぼ同等の傾き条件が得られる。
【0013】
本発明において、基準値を設定する際にジッタを用いてもよい。すなわち、前記光ディスクの再生信号のジッタを検出するジッタ検出手段を設け、前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置において前記ジッタが最小となる傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出してもよい。ジッタ最小となる傾きが最良の傾きであり、光ディスクの任意の半径位置において、ジッタ最小となる傾きとほぼ同等の条件が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1には、本実施形態に係る光ディスク装置の全体構成図が示されている。CD−R/RWやDVD−R/RW、DVD−RAM等のデータ記録可能な光ディスク10はスピンドルモータ(SPM)12により回転駆動される。スピンドルモータSPM12は、ドライバ14で駆動され、ドライバ14はサーボプロセッサ30により所望の回転速度となるようにサーボ制御される。
【0017】
光ピックアップ16は、レーザ光を光ディスク10に照射するためのレーザダイオード(LD)及び対物レンズや光ディスク10からの反射光を受光して電気信号に変換するフォトディテクタ(PD)を含み、光ディスク10に対向配置される。光ピックアップ16はスレッドモータ18により光ディスク10の半径方向に駆動され、スレッドモータ18はドライバ20で駆動される。ドライバ20は、ドライバ14と同様にサーボプロセッサ30によりサーボ制御される。また、光ピックアップ16のLDはドライバ22により駆動され、ドライバ22はオートパワーコントロール回路(APC)24により駆動電流が所望の値となるように制御される。APC24は、光ディスク10のテストエリア(PCA)において実行されたOPC(Optimum Power Control)により選択された最適記録パワーとなるようにドライバ22の駆動電流を制御する。OPCは、光ディスク10のPCAに記録パワーを複数段に変化させてテストデータを記録し、該テストデータを再生してその信号品質を評価し、所望の信号品質が得られる記録パワーを選択する処理である。信号品質には、β値やγ値、変調度、ジッタ等が用いられる。光ピックアップ16の対物レンズは、フォーカスコイルやトラッキングコイルよりフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動されるとともに、チルトモータにより光ディスク10とのなす傾きが調整される。光ディスク10と対物レンズとの傾き(チルト)にはラジアルチルト(半径方向チルト)とタンジェンシャルチルト(円周方向チルト)の2種類がある。本実施形態では、ラジアルチルトの検出及び制御について説明するが、タンジェンシャルチルトについても同様に検出及び制御することが可能である。
【0018】
光ディスク10に記録されたデータを再生する際には、光ピックアップ16のLDから再生パワーのレーザ光が照射され、その反射光がPDで電気信号に変換されて出力される。光ピックアップ16からの再生信号はRF回路26に供給される。RF回路26は、再生信号からフォーカスエラー信号FEやトラッキングエラー信号TEを生成し、サーボプロセッサ30に供給する。フォーカスエラー信号FEやトラッキングエラー信号TEは種々の方法で生成され得るが、本実施形態ではフォーカスエラー信号FEを非点収差法により生成し、トラッキングエラー信号はDPP(差動プッシュプル法)により生成する。このため、光ピックアップ16は、LDからのレーザ光を主ビーム(メインビーム)及び2つの副ビーム(サブビーム)の3つのビームに分けて光ディスク10に照射する。サーボプロセッサ30は、FE信号及びTE信号に基づいて光ピックアップ16をサーボ制御し、光ピックアップ16をオンフォーカス状態及びオントラック状態に維持する。また、RF回路26は、再生信号に含まれるアドレス信号をアドレスデコード回路28に供給する。アドレスデコード回路28はアドレス信号から光ディスク10のアドレスデータを復調し、サーボプロセッサ30やシステムコントローラ32に供給する。アドレス信号の1つの例は、CD−RWディスクの場合にはウォブル信号であり、光ディスク10の絶対アドレスを示す時間情報の変調信号で光ディスク10のトラックをウォブルさせ、このウォブル信号を再生信号から抽出しデコードすることでアドレスデータ(ATIP)を得ることができる。DVD−RWディスクの場合にはランドプリピット方式でアドレスデータを得ることができる。DVD−RAMディスクの場合にはCAPA(Complimentary Allocated Pit Adressing)方式でアドレスデータを得ることができ、セクタ内に記録されたヘッダ部にアドレスデータが存在する。また、RF回路26は、再生RF信号を2値化回路34に供給する。2値化回路34は、再生信号を2値化し、得られたEFM信号(CDディスク)あるいは8−16変調信号(DVDディスク)をエンコード/デコード回路36に供給する。エンコード/デコード回路36では、2値化信号をEFM復調あるいは8−16復調及びエラー訂正して再生データを得、当該再生データをインタフェースI/F39を介してパーソナルコンピュータなどのホスト装置に出力する。なお、再生データをホスト装置に出力する際には、エンコード/デコード回路36はバッファメモリ38に再生データを一旦蓄積した後に出力する。
【0019】
光ディスク10にデータを記録する際には、ホスト装置からの記録すべきデータはインターフェースI/F39を介してエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、記録すべきデータをバッファメモリ38に格納し、当該記録すべきデータをエンコードしてEFMデータあるいは8−16変調データとしてライトストラテジ回路42に供給する。ライトストラテジ回路42は、EFMデータを所定の記録ストラテジに従ってマルチパルス(パルストレーン)に変換し、記録データとしてドライバ22に供給する。記録ストラテジは、例えばマルチパルスにおける先頭パルスのパルス幅や後続パルスのパルス幅、パルスデューティから構成される。記録ストラテジは記録品質に影響することから、通常はある最適ストラテジに固定される。OPC時に記録ストラテジを併せて設定してもよい。記録データによりパワー変調されたレーザ光は光ピックアップ16のLDから照射されて光ディスク10にデータが記録される。データを記録した後、光ピックアップ16は再生パワーのレーザ光を照射して当該記録データを再生し、RF回路26に供給する。RF回路26は再生信号を2値化回路34に供給し、2値化されたEFMデータあるいは8−16変調データはエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、EFMデータあるいは8−16変調データをデコードし、バッファメモリ38に記憶されている記録データと照合する。ベリファイの結果はシステムコントローラ32に供給される。システムコントローラ32はベリファイの結果に応じて引き続きデータを記録するか、あるいは交替処理を実行するかを決定する。
【0020】
システムコントローラ32は、各部の動作を制御するが、本実施形態では特に光ピックアップ16の傾きを制御する。すなわち、光ディスク10が装着された際に、データの記録に先だって光ディスクと対物レンズとの傾き角を光ディスク10の複数の半径位置において検出し、得られた傾き角を半径位置に対応付けてそのメモリにテーブルとして記憶しておく。そして、光ディスクのある半径位置においてデータを記録する際に、当該半径位置に対応する傾き角をテーブルから読み出し、その傾き角を解消するようにチルトモータを駆動して対物レンズの傾きを調整する。システムコントローラ32は、光ディスク10の半径位置毎の傾き角を、トラッキングエラー信号TEを生成する際に用いるメインビームのプッシュプル信号と、サブビームのプッシュプル信号とを用いて検出する。
【0021】
以下、システムコントローラ32における傾き角検出処理について説明する。
【0022】
図2には、3ビームを用いたDPP法におけるビーム配置及びフォトディテクタ配置図が示されている。メインビームMainは光ディスク10のトラック中心に配置され、2つのサブビーム(Sub1及びSub2)はメインビームMainに対して1/2トラックだけトラック幅方向にずれて配置される。フォトディテクタPDもこれら3つのビームのそれぞれに対応して配置され、メインビームの反射光を受光するフォトディテクタPDMは4分割フォトディテクタ(A〜D素子)で構成され、サブビームの反射光を受光する2つのフォトディテクタPDS1、PDS2はそれぞれトラック幅方向に分割された2分割フォトディテクタ(E1、E2素子及びF1、F2素子)で構成される。
【0023】
図3には、図2における3つのフォトディテクタを用いたトラッキングエラー信号TEの生成回路が示されている。メインビームの反射光を受光するフォトディテクタPDMのA素子とD素子の信号和(A+D)、及びB素子とC素子の信号和(B+C)はそれぞれオペアンプOP1の非反転入力端子と反転入力端子に供給され、(A+D)−(B+C)が演算されてオペアンプOP4に出力される。一方、サブビームSub1の反射光を受光するフォトディテクタPDS1のE1素子とE2素子の信号はそれぞれオペアンプOP2の非反転入力端子と反転入力端子に供給され、(E1−E2)信号が演算されて加算器40に出力される。また、サブビームSub2の反射光を受光するフォトディテクタPDS2のF1素子とF2素子の信号はそれぞれオペアンプOP3の非反転入力端子と反転入力端子に供給され、(F1−F2)信号が演算されて加算器40に出力される。加算器40は、2つの信号を加算して、(E1−E2)+(F1−F2)信号、すなわち(E1+F1)−(E2+F2)信号を生成し、増幅器42に供給する。増幅器42では(E1+F1)−(E2+F2)信号をk(kは回路定数)倍してオペアンプOP4に出力する。
【0024】
オペアンプOP4は、OP1からの信号と、増幅器42からの信号の差分を演算し、トラッキングエラー信号TEを生成する。すなわち、TE=(A+D)−(B+C)−k{(E1+F1)−(E2+F2)}としてトラッキングエラー信号TEを生成する。
【0025】
メインビームのプッシュプル信号MPP(MPP=(A+D)−(B+C))には、対物レンズのトラック幅方向のレンズシフトや傾きに起因するオフセットが含まれている。そこで、サブビームのプッシュプル信号SPP(SPP=(E1+F1)−(E2+F2))をk倍し、両者の差分を演算することでメインプッシュプル信号MPPに含まれるオフセットを排除し、トラッキングエラー信号TEを得ている。
【0026】
一方、本実施形態においては、メインプッシュプル信号MPPあるいはサブプッシュプル信号SPPのオフセットが光ディスクと対物レンズとの傾きに起因することに着目し、このオフセット分を抽出することで傾きを検出する。但し、メインプッシュプル及びサブプッシュプルにはオフセット(ビームの0次光成分)に変調成分(ビームの1次光成分)が重畳されているため、それぞれの信号からオフセット分のみを抽出することは困難であるため、両信号を加算することでオフセット分を抽出する。メインビームとサブビームは1/2トラックだけずれているため、メインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPは位相が互いに反転する関係にある。したがって、両信号を加算することで、1次光成分をキャンセルし、オフセット分だけを強調抽出することが可能である。但し、オフセット分は、傾きだけでなく対物レンズの位置シフトによっても変動する。したがって、対物レンズの位置シフトをゼロ、すなわち対物レンズのトラッキングサーボをOFFとして対物レンズを自由位置とした状態で両信号を加算することで、対物レンズの傾きのみに起因するオフセットを抽出する。
【0027】
図4Aには、光ディスク10と光ピックアップ16の対物レンズとの傾きがゼロの場合のフォトディテクタPDMに戻るメインビームMainの位置関係が示されている。レーダダイオードLDから射出したメインビームはハーフミラー43で反射され、対物レンズ44で集光されて光ディスク10に照射される。光ディスクで反射したメインビームは対物レンズ44を経てハーフミラー43を透過し、フォトディテクタPDMに入射する。対物レンズ44のトラッキングサーボによる位置シフトが存在しない場合、メインビームMainはフォトディテクタPDMの略中央に入射するため、メインプッシュプルMPPのオフセットは略ゼロである。一方、図4Bに示されるように、光ディスク10と対物レンズ44との間に傾きが生じると、メインビームMainのPDMへの入射位置が傾きに応じてラジアル方向にシフトし、メインプッシュプル信号MPPのオフセットが生じる。本実施形態では、このオフセット分をMPPとSPPの和から抽出するのである。
【0028】
図5には、光ディスク10と対物レンズとの傾きが存在する場合の、メインプッシュプル信号MPP及びサブプッシュプル信号SPPが示されている。メインプッシュプル信号MPPにはオフセットVMが生じ、サブプッシュプル信号SPPにはオフセットVSが生じている。トラッキングエラー信号TEは、MPP−kSPPにより、オフセット分をキャンセルして1次光成分(変調成分)を抽出することで生成されるが、傾きは両信号を加算することで算出される。傾き角を示す信号をLPとすると、LP=MPP+kSPPである。SPPとMPPとは位相が反転しているため、両信号を加算すると、変調成分(1次光成分)が互いにキャンセルされてオフセット分(0次光成分)のみがVM+kVS(=略2VM)として抽出される。なお、MPPあるいはSPPのいずれかからそのオフセット分のみを抽出してもよいが、変調成分が重畳しているので困難であり、このように両信号の加算により抽出するのが好適である。
【0029】
図6には、傾き角を示す信号LPを生成する回路構成が示されている。なお、トラッキングエラー信号TEを生成する回路は図3と同一であるためその説明は省略する。
【0030】
オペアンプOP1からのメインプッシュプル信号MPP=(A+D)−(B+C)はオペアンプOP4に供給されるとともに加算器41にも供給される。一方、サブプッシュプル信号SPPをk倍した信号kSPP=k{(E1+F1)−(E2+F2)}もオペアンプOP4に供給されるとともに加算器41にも供給される。加算器41では両信号を加算し、LP=MPP+kSPPとして出力する。具体的には、RF回路26からトラッキングエラー信号TEを生成する過程で算出されたメインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号のk倍信号とをシステムコントローラ32に供給し、システムコントローラ32内の加算器41で両信号の和を演算してLPを算出する。もちろん、RF回路26でLPを算出し、算出されたLPをシステムコントローラ32に供給してもよい。トラッキングサーボを停止させ、対物レンズを自由位置に設定した状態で得られたLPは傾き角を反映した値となり、すなわち傾き角が増大するとLPの値も増大し、傾きの方向が反転するとLPの符号も反転する。したがって、LPの符号及び大きさにより、傾きの方向及び傾き角を一義的に決定することができる。システムコントローラ32は、光ディスク10の複数の半径位置において得られたLP値(アナログ信号LPをデジタル変換した値)を複数の半径位置に対応付けてテーブル形式で内蔵あるいは外部RAMに記憶する。例えば、半径位置で5個ほど選択し、各半径位置におけるLP値を検出してRAMに記憶する。選択された半径位置の間のLP値は、線形近似あるいは2次近似で補間する。最上位ビットMSBをLP値の符号ビットとしてもよい。
【0031】
システムコントローラ32は、複数の半径位置におけるLP値をRAMに記憶する際に、LP値の絶対値ではなく、ある半径位置におけるLP値を基準値とした相対値としてもよい。基準値は、光ディスク10と対物レンズとの傾きが最小となる(ゼロとは限らない)場合のLP値とするのが好適であり、この基準値は、対物レンズの傾きを複数段に変化させて光ディスク10の内周部分の再生信号のジッタを検出し、ジッタが最小となるときのLP値を採用する。基準半径r0における基準LP値をLP0とし、他の半径位置riにおけるLP値は基準値LP0との差分値Δi=LPi−LP0、あるいは比率Ri=LPi/LP0とすることができる。ここで、LPiは半径riにおけるLP値である。ΔiあるいはRiは、半径位置riにおける基準の傾きからの変化の度合いであり、システムコントローラ32は、データを記録あるいは再生する際に各半径位置において相対値に基づいてチルトモータを制御して対物レンズの傾きを調整する。
【0032】
図7には、本実施形態の処理フローチャートが示されている。まず、DVD−R等のデータ記録可能な光ディスク10がSPM12に装着されると(S101)、システムコントローラ32はトラッキングエラー信号TEに基づくトラッキングサーボをOFFとし、対物レンズを自由位置に設定した状態(対物レンズのシフト量=0)で光ディスク10の基準半径位置r0まで光ピックアップ16を移動させてその位置においてチルトモータを駆動して対物レンズを複数段に傾けつつ再生信号のジッタを検出する。ジッタは、2値化回路34からの2値化信号と同期クロック信号との位相差を検出することで得られる。2値化回路34あるいはエンコード/デコード回路36でジッタを検出し、システムコントローラ32に供給してもよい。また、システムコントローラ32は、ジッタ検出とともに、上述した演算式に基づいてLP値を算出する。対物レンズの傾き角毎にジッタ及びLP値を検出した後、システムコントローラ32はジッタが最小となるLP値を選択して基準値LP0とする(S102)。このLP0は、当該光ディスク装置における最良(最小)のLP値である。また、ジッタ最小となる対物レンズ傾き角が基準傾き角となる。
【0033】
次に、システムコントローラ32は、基準傾き角を維持しつつ、光ディスク10の任意の半径位置riに光ピックアップ16を移動させ、その位置におけるLP値を検出する(S103)。そして、半径位置riにおけるLP値LPiと基準値LP0との差分値あるいは比率をその半径位置riにおけるLP値として半径位置riに対応付けてテーブル形式でRAMに記憶する(S104)。例えば、
(ri,LP値)=(36mm,+0.05)、(42mm,−0.07)、(48mm、+0.08)、(54mm,+0.1)
等である。なお、上記のテーブルでは、基準値LPと同一傾き方向を+とし、差分値ΔをLP値としている。
【0034】
トラッキングサーボをOFFとした状態で複数の半径位置riにおけるLP値(相対値)をRAMに記憶した後、システムコントローラ32はトラッキングサーボをONとし、光ディスク10へのデータ記録を開始する(S105)。そして、データ記録位置が光ディスク10の半径位置riである場合、この半径位置riに対応するLP値(相対値)をRAMに記憶されたテーブルから読み出し、相対値を解消するようにチルトモータを駆動して対物レンズの傾きを調整する(S106)。例えば、相対値が+0.05である場合、基準値と同一方向の傾きであってさらに+0.05だけ多く傾いていることを意味するから、対物レンズを同一方向に0.05だけ傾けるようにチルトモータを制御する。これにより、当該半径位置riにおいても、基準位置r0とほぼ同一条件でデータを記録することができる。以上のようにRAMに記憶されたLP値に基づいてチルト制御しつつデータ記録を終了する(S107)。なお、データ再生時においても、S105及びS106の処理と同様にトラッキングサーボをON状態としてRAMに記憶されたLP値に基づき対物レンズの傾きを調整すればよい。
【0035】
本実施形態では、LP値(相対値)を算出してRAMにテーブルとして記憶しているが、図8に示されるようにLP値と傾き角とは一定の関係にあるため、算出されたLP値を角度値に換算した上でRAMに記憶してもよい。例えば、(ri,角度値)=(36mm,+0.02deg)、(42mm,−0.03deg)、(48mm,+0.04deg)、(54mm,+0.09deg)等である。基準半径位置r0におけるLP値を角度値に換算した場合にLP0=+0.01degだとすると、半径位置ri=54mmにおける傾き角は0.1degである。データ記録時(あるいはデータ再生時)において、半径位置=54mmでは対物レンズを基準位置の傾きと同一方向に0.09degだけ傾ければよい。
【0036】
このように、本実施形態では、データ記録に先だって光ディスク10と対物レンズとの傾きをその方向も含めてLP信号を用いて検出しメモリに記憶しておき、データ記録時(あるいはデータ再生時)にメモリに記憶された傾きを解消するように対物レンズの傾きを調整するので、種々の傾き特性を有する光ディスク10に対してデータ記録する際にも記録品質を維持ないし向上することができる。メモリにテーブル形式で記憶されるLP値の数を増大させることで、より高精度にチルト制御することが可能である。
【0037】
なお、本実施形態では、データ記録に先立って光ディスク10と対物レンズとの傾きを検出し、いわば傾きのマップを作成してメモリに記憶しているが、データ記録時にリアルタイムで傾きを検出することも可能である。但し、データ記録時にはデトラック(トラック外れ)を防止するためにトラッキングサーボを動作させる必要があり、このためLP信号には傾き成分のみならず対物レンズのシフト成分も混入することになるので、LP信号から対物レンズのシフト成分を除去する必要がある。対物レンズのシフトはトラッキングエラー信号TEをサーボ信号として用いてトラッキングコイルを駆動することにより生じるから、サーボ系のゲイン及びローパスフィルタにより得られる駆動信号分をLP信号から除去すればよい。
【0038】
図9には、トラッキングサーボON状態で光ディスク10と対物レンズの傾きを検出する回路構成が示されている。図6に示されるLP信号はオペアンプOP5に供給される。一方、トラッキングエラー信号TEをサーボ系のゲインを有するアンプ45で増幅し、かつサーボ系のLPF(ローパスフィルタ)46を透過した信号、すなわちトラッキングコイルに供給される駆動信号もオペアンプOP5に供給される。オペアンプOP5は、両信号の差分を演算し、傾きを示す信号LP’として出力する。
【0039】
なお、この例においても、光ディスク10の各半径位置riにおいてLP’の絶対値を検出するのではなく、基準値との相対値を検出して傾き制御することができる。すなわち、光ディスク10を装着した後、まず光ピックアップ16を光ディスク10の内周部の所定位置r0まで移動させ、トラッキングサーボをONさせた状態で傾き角を種々変化させつつジッタ及びLP’を検出する。そして、ジッタが最小となる傾き角及びLP’を選択し基準値LP’0とする。次に、データ記録時においてLP’iを検出し、LP’0との差分値に基づいて対物レンズの傾きを調整する。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、本実施形態ではジッタを用いて基準値を選択しているが、ジッタと技術的に等価と考えられる任意のパラメータを用いて基準値を選択することができ、再生RF信号の振幅が最大となる場合を基準値としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、種々の光ディスクに対して対物レンズの傾きを調整し、データの記録/再生品質を維持ないし向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ディスク装置の全体構成図である。
【図2】 DPP法におけるビーム配置とフォトディテクタ配置説明図である。
【図3】 DPP法におけるトラッキングエラー信号生成回路の回路図である。
【図4A】 光ディスクの傾きがない場合の状態説明図である。
【図4B】 光ディスクの傾きがある場合の状態説明図である。
【図5】 メインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPの説明図である。
【図6】 LP信号生成回路の回路図である。
【図7】 実施形態の処理フローチャートである。
【図8】 LP値と傾き角との関係を示すグラフ図である。
【図9】 LP’信号生成回路の回路図である。
【符号の説明】
10 光ディスク、16 光ピックアップ、26 RF回路、32 システムコントローラ。

Claims (5)

  1. 光ディスクに対して主ビーム及び副ビームを照射するピックアップを備える光ディスク装置であって、
    前記主ビームの反射光の主プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記副ビームの反射光の副プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記主プッシュプル信号と前記副プッシュプル信号から前記光ディスクと前記ピックアップの対物レンズとの傾きを検出する傾き検出手段と、
    検出された前記傾きに基づき前記対物レンズの傾きを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記対物レンズを自由位置に設定した状態において、前記主プッシュプル信号MPPと、前記副プッシュプル信号SPPに定数kを乗じた値kSPPとを加算することにより前記傾きを検出し、さらに、
    前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置における前記傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 光ディスクに対して主ビーム及び副ビームを照射するピックアップを備える光ディスク装置であって、
    前記主ビームの反射光の主プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記副ビームの反射光の副プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記主プッシュプル信号と前記副プッシュプル信号から前記光ディスクと前記ピックアップの対物レンズとの傾きを検出する傾き検出手段と、
    検出された前記傾きに基づき前記対物レンズの傾きを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記対物レンズのトラッキングサーボ制御を解除した状態において、前記主プッシュプル信号MPPと、前記副プッシュプル信号SPPに定数kを乗じた値kSPPとを加算することにより前記傾きを検出し、さらに、
    前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置における前記傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 光ディスクに対して主ビーム及び副ビームを照射するピックアップを備える光ディスク装置であって、
    前記主ビームの反射光の主プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記副ビームの反射光の副プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記主プッシュプル信号と前記副プッシュプル信号から前記光ディスクと前記ピックアップの対物レンズとの傾きを検出する傾き検出手段と、
    検出された前記傾きに基づき前記対物レンズの傾きを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記対物レンズを自由位置に設定した状態において、前記主プッシュプル信号MPPと、前記副プッシュプル信号SPPに定数kを乗じた値kSPPとを加算することにより前記傾きを検出し、さらに、
    前記光ディスクの再生信号のジッタを検出するジッタ検出手段
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置において前記ジッタが最小となる傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 光ディスクに対して主ビーム及び副ビームを照射するピックアップを備える光ディスク装置であって、
    前記主ビームの反射光の主プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記副ビームの反射光の副プッシュプル信号を生成する手段と、
    前記主プッシュプル信号と前記副プッシュプル信号から前記光ディスクと前記ピックアップの対物レンズとの傾きを検出する傾き検出手段と、
    検出された前記傾きに基づき前記対物レンズの傾きを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記対物レンズのトラッキングサーボ制御を解除した状態において、前記主プッシュプル信号MPPと、前記副プッシュプル信号SPPに定数kを乗じた値kSPPとを加算することにより前記傾きを検出し、さらに、
    前記光ディスクの再生信号のジッタを検出するジッタ検出手段
    を有し、
    前記傾き検出手段は、前記光ディスクの所定半径位置において前記ジッタが最小となる傾きを基準値とし、前記光ディスクの任意の半径位置において前記基準値を基準とする相対値として前記傾きを検出する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、さらに、
    前記光ディスクの任意の半径位置における傾きを記憶する記憶手段と、
    を有し、前記制御手段は、前記任意の半径位置において、前記記憶手段に記憶された傾きのうち、該半径位置に対応する傾きを解消するように前記対物レンズの傾きを調整する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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