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JP4120763B2 - 複合顔料、インキ組成物及び印刷物 - Google Patents
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JP4120763B2 - 複合顔料、インキ組成物及び印刷物 - Google Patents

複合顔料、インキ組成物及び印刷物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、隠蔽力の高い複合顔料、この顔料を含むインキ組成物及びこのインキ組成物で印刷された印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物は、紙のような吸収性基材上に印刷されたもの、及び、プラスティックフィルム、アルミニウム箔及びセロハンのような非吸収性基材上に印刷されたものに大別される。
【0003】
近年は、非吸収性基材上に印刷された印刷物が増えてきている。例えば、郵便物の包装が簡素化され、印刷されたプラスチックフィルム包装が多く使用されるようになってきた。また、アルミニウム箔製の包装材料や金属缶等の金属を基材とする印刷物も多く使用されている。
【0004】
非吸収性基材には、通常、隠蔽性が高い二酸化チタンなどの顔料を配合したインキが表面に塗布され、さらに着色されたインキで文字や図柄が印刷される。
【0005】
いずれの基材上に印刷する場合にも、印刷インキには隠蔽性が求められ、白色インキの場合には白色度も求められるが、これらの非吸収性基材に用いられるインキは、特に高い隠蔽性又はさらに白色度が求められる。これは、非吸収性基材の場合には、同じインキ量を用いても吸収しないために基材表面上に印刷層が形成されるところ、印刷層が厚いと他物品との接触により剥がれ易いために印刷層を薄くせざるを得ず、その分高い隠蔽性が必要だからである。また、金属基材上に印刷する場合には、紙と異なり濃い金属色を隠す必要があるからである。
【0006】
下地の隠蔽及び白色度の付与には、通常、屈折率の高い二酸化チタン及び酸化亜鉛等の顔料が用いられている。
【0007】
しかし、従来用いられている顔料は、非吸収性基材に用いるインキ用顔料としては、隠蔽性又はさらに白色度の点で十分ではない。隠蔽性向上の目的でインキ中の顔料濃度を高くすることも考えられるが、この場合には、印刷用版が摩耗したり、インキと版との付着性が低下する等の難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印刷用基材の隠蔽性に優れたインキ組成物が得られる顔料、この顔料を用いたインキ組成物及びこのインキ組成物で印刷された印刷物を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために研究を重ね、以下の知見を見出した。
▲1▼ 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子を含有するインキ組成物は、非常に高い隠蔽性及び白色インキの場合には非常に高い白色度を有し、非吸収性基材上に塗布する場合にも基材の色を確実に隠蔽できるようになる。これは、炭酸カルシウム粒子がスペーサの役割をして二酸化チタン粒子間の距離を大きくすることによると考えられる。
▲2▼ 従来印刷インキの顔料として用いられている二酸化チタン粒子や酸化亜鉛粒子は、50〜500nm程度の小さい粒子であったため、インキ樹脂中に分散させるのに時間がかかるという難点があったが、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子は粒子サイズが大きいために印刷インキへの分散性がよい。
▲3▼ 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子表面を、樹脂酸、脂肪酸並びにこれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理する場合には、複合顔料表面とインキ組成物との濡れ性が向上し、その結果インキ組成物中での顔料の分散性が向上する。
【0010】
前記知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、本発明は以下の各項の複合顔料、インキ組成物及び印刷物を提供する。
【0011】
項1. 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子であって比表面積が5〜30m/gである複合粒子の表面に、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含む表面処理層が形成されており、二酸化チタン粒子の粒度が50〜500nmであり、炭酸カルシウム粒子の粒度が30〜400nmであり、二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子における二酸化チタンと炭酸カルシウムとの重量比が1:99〜50:50であり、複合粒子と表面処理層との重量比が100:0.2〜100:20である、複合顔料。
【0012】
項2. 表面処理層が、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に加えて、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体とは異なる陰イオン界面活性剤を含む項1に記載の複合顔料。
【0013】
項3. 炭酸カルシウムが沈降性炭酸カルシウムである項1又は2に記載の複合顔料。
【0014】
項4. 炭酸カルシウム粒子の長軸と短軸との長さの比が0.8〜1である項1からのいずれかに記載の複合顔料。
【0015】
項5. 項1〜4のいずれかに記載の複合顔料及びバインダー樹脂が配合されたインキ組成物。
【0016】
項6. 項1〜4のいずれかに記載の複合顔料、二酸化チタン粒子及びバインダー樹脂が配合されたインキ組成物。
【0017】
項7. 項5又は6のンキ組成物を用いて印刷された印刷層を有する印刷物。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合顔料
本発明の複合顔料は、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子の表面に、樹脂酸、脂肪酸、それらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含む表面処理層が形成されたものである。本発明において、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子が「定着」している状態には、二酸化チタン粒子と炭酸カルシウム粒子とがファンデルワールス力により互いに吸着している状態が含まれる。
【0021】
二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子における二酸化チタンと炭酸カルシウムとの重量比は、通常1:99〜50:50程度であり、二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子の比表面積は、通常5〜30m2/g程度である。
複合粒子
<形態>
二酸化チタン粒子の結晶型は、特に限定されないが、例えばアナターゼ型またはルチル型のものを用いることができる。二酸化チタン粒子の粒度は、通常50〜500nm程度、特に100〜300nm程度であることが好ましい。本発明に規定する範囲内であれば、高い隠蔽性を有するインキ組成物が得られる。
【0022】
炭酸カルシウムは、天然カルシウム及び合成カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)のいずれも用いることができるが、沈降性炭酸カルシウムを用いることが好ましい。天然炭酸カルシウムは石灰石を機械的に粉砕、分級することにより生産するため粒度分布が比較的広く、粒子形も不均一になりがちである。これに対して、沈降性炭酸カルシウムは粒度分布が狭く、粒子形が比較的均一である。これにより、沈降性炭酸カルシウムでは、粒子どうしが最密充填し難く、粒子間に空間ができるために複合粒子の隠蔽性が向上し、その結果隠蔽性が高いインキ組成物が得られる。
【0023】
炭酸カルシウム粒子の粒度は、通常30〜400nm程度、特に50〜150nm程度であることが好ましい。炭酸カルシウム粒子の粒度が小さすぎると二酸化チタン粒子間の距離が小さくなり、インキ組成物の隠蔽性が低下する。また、粒度が大きすぎると二酸化チタン粒子表面に付着し難く、二酸化チタンから離れて存在する粒子の比率が高くなってインキ組成物の隠蔽性が低下する。本発明に規定する範囲内であれば、このような問題が生じ難い。
【0024】
本発明において、粒度はX線回折法又は走査型電子顕微鏡観察により測定した値であり、粒度の範囲は、少なくとも80%以上の粒子がその範囲内に入る場合を指す。
【0025】
炭酸カルシウムの粒子形状は特に制限されず、球形又はn面体(nは自然数)等のどのような形状であってもよい。いずれの場合も、長軸と短軸との長さの比が、通常0.8〜1程度、特に0.9〜1程度、さらに特に1程度であることが好ましい。特に、球形又は立方体であることが好ましい。また、粒子形状はできるだけ均一であることが好ましい。
【0026】
沈降性炭酸カルシウムである場合には、水酸化カルシウム懸濁液中に炭酸ガスを吹き込むことにより、このような炭酸カルシウム粒子を作製することができる。
【0027】
また、二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子における二酸化チタンと炭酸カルシウムとの比率は、重量比で通常1:99〜50:50程度である。特に5:95〜40:60程度、さらに特に15:85〜30:70程度であることが好ましい。二酸化チタンに比して炭酸カルシウムが少なすぎると二酸化チタン粒子が凝集して隠蔽性が低下し、多すぎてもまた隠蔽性が低下する。本発明に規定する範囲内であれば、このような問題が生じ難い。
【0028】
二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子は、全体として比表面積が通常5〜30m2/g程度である。特に8〜15m2/g程度であることが好ましい。本発明において、比表面積は、BET法において、比表面積測定装置(商品名:フローソーブII2300、島津製作所社製)を用い、窒素ガス吸着法により測定した値である。
<作製方法>二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子は、それには限定されないが、例えば、二酸化チタン粒子と炭酸カルシウム粒子とを水相中で混合する方法で作製することができる。
【0029】
ここで、液体中の粒子間の斥力はゼータ電位に関係する。ゼータ電位は、液体中に固体が存在し、固体と液体とが相対運動をするとき、固体に密着して動く液体層の最も外側の面(滑り面)と液体内部との電位差である。ここでは、二酸化チタン粒子のゼータ電位と炭酸カルシウム粒子のゼータ電位との和が最小となるか又は両者のゼータ電位が反対符号となるように、分散媒である水相のpHを調整する。例えば、二酸化チタン粒子と沈降性炭酸カルシウム粒子の組み合わせの場合には、pH6〜11程度の水相中に両粒子を分散させ、混合すればよい。
【0030】
また、水相中に分散させる二酸化チタン粒子と炭酸カルシウム粒子との重量比は、1:99〜50:50程度とすればよい。
表面処理層
二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子は、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含む表面処理層で覆われている。複合粒子は、その表面全体が表面処理層で覆われていてもよく、或いは一部覆われていない表面があってもよいが、表面全体が表面処理層で覆われていることが好ましい。
【0031】
表面処理層の複合粒子に対する比率は、複合粒子100重量部に対し通常0.2〜20重量部程度、特に0.5〜10重量部程度、さらに特に0.8〜5重量部程度であることが好ましい。表面処理層が余りに薄いと複合顔料の分散性が悪く、高隠蔽性のインキ組成物が得られない。また、表面処理層が余りに厚いとインキ組成物の隠蔽性が低下する。本発明に規定する範囲内であれば、複合顔料の分散性が良く、しかも実用上十分な隠蔽性又はさらに実用上十分な白色度を有するインキ組成物が得られる。
樹脂酸としては、それには限定されないが、例えばアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマール酸、デヒドロアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コムン酸、アンチコパル酸、ランベルチアン酸、ジヒドロアガト酸等が挙げられる。これらの中では、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸又はパラストリン酸が好ましい。特に、アビエチン酸が好ましい。
樹脂酸の塩としては、前記例示した樹脂酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。樹脂酸の塩としては、アビエチン酸カリウム、ネオアビエチン酸カリウム、デヒドロアビエチン酸カリウム又はパラストリン酸カリウムが好ましい。特に、アビエチン酸カリウムが好ましい。
【0032】
樹脂酸誘導体としては、それには限定されないが、例えば不均化ロジン、マレイン化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル等が挙げられる。特に、不均化ロジン又はロジンエステルが好ましい。
【0033】
脂肪酸としては、それには限定されないが、例えば炭素数6〜31程度の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、飽和脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等を例示できる。これらの中では、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸又はオレイン酸が好ましい。
【0034】
飽和脂肪酸の塩としては、例えば前記例示した飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。飽和脂肪酸の塩としては、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はラウリン酸ナトリウムが好ましい。
【0035】
不飽和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸、カプロレイン酸、リンデル酸、エイコセン酸等の二重結合を1個有する不飽和脂肪酸、リノール酸等の二重結合を2個有する不飽和脂肪酸、ヒラゴン酸、リノレン酸等の二重結合を3個有する不飽和脂肪酸、アラキドン酸等の二重結合を4個有する不飽和脂肪酸、タリリン酸等の三重結合を有する不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらの中では、オレイン酸又はエルカ酸が好ましい。
【0036】
不飽和脂肪酸の塩としては、例えば前記例示した不飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。不飽和脂肪酸の塩としては、オレイン酸ナトリウム又はエルカ酸ナトリウムが好ましい。
これらの樹脂酸、脂肪酸並びに組成物の塩及び誘導体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。中でも、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、不均化ロジン若しくはロジンエステルのような樹脂酸系化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸若しくはオレイン酸のような脂肪酸系化合物、又はこれらの任意の組み合わせが好ましい。特に、アビエチン酸、不均化ロジン、ステアリン酸若しくはオレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせが好ましい。
【0037】
また、表面処理層には少なくとも1種の陰イオン界面活性剤が含まれていることが好ましい。この陰イオン界面活性剤は、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体とは異なる陰イオン界面活性剤である。このような陰イオン界面活性剤としては、それには限定されないが、例えばアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルフェニル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中では、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸又はアルキルナフタレンスルホン酸塩が好ましい。
【0038】
陰イオン界面活性剤の使用量は、二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子に対して通常0.1〜2重量部程度、特に0.3〜1重量部程度であることが好ましい。陰イオン界面活性剤の使用量が多すぎると表面処理層が剥離し易く、少なすぎると樹脂酸等による表面処理が不十分になる。本発明に規定する範囲内であればこのような問題も生じない。
<表面処理方法>
表面処理層は、それには限定されないが、例えば以下のようにして形成することができる。
【0039】
表面処理される二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子は、乾燥粒子であってもよく、水又はトルエン、キシレン、ヘキサン等の有機溶媒に分散させたスラリー状態であってもよい。
【0040】
表面処理される複合粒子がスラリー状態である場合には、当該スラリーに表面処理剤を添加し、攪拌して複合粒子表面に表面処理剤の吸着層(被覆層)を形成させる。その後、該スラリーを遠心脱水機、フィルタープレス等の機械を用いて脱水し、得られた濾過ケーキを熱風にさらして乾燥させることにより、表面処理剤で被覆された複合粒子(複合顔料)が得られる。乾燥機としては熱風箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等を使用できる。乾燥した粒子は、粒度や細孔容積等の微調整のために必要に応じて粉砕される。
【0041】
表面処理される複合粒子が乾燥粒子である場合には、表面処理剤を乾燥複合粒子に加え、加熱しながら強力に撹拌混合又は粉砕混合することにより、所望の粒度や細孔容積に微調整された複合顔料が得られる。
【0042】
複合粒子スラリー中の複合粒子濃度を5〜20重量%程度とするとともに、表面処理層材料をスラリー中の複合粒子に対して0.2〜22重量%程度投入することにより、複合粒子100重量部に対して表面処理層0.2〜20重量部程度の複合顔料が得られる。
インキ組成物
本発明のインキ組成物は、本発明の複合顔料及びバインダー樹脂が配合されたものである。また、通常溶剤が配合される。その他、必要に応じて着色剤、充填剤及び添加剤等が配合されていてもよい。
【0043】
複合顔料の配合比率は、インキ組成物100重量部に対して通常5〜60重量部程度、特に15〜40重量部程度とすることが好ましい。また、バインダー樹脂の配合量は、インキ組成物100重量部に対して通常5〜50重量部程度、特に10〜40重量部程度とすることが好ましく、溶剤の配合量は、インキ組成物100重量部に対して通常5〜75重量部程度、特に10〜70重量部程度とすることが好ましい。
【0044】
着色剤、充填剤及び添加剤が配合されている場合には、インキ組成物100重量部に対して、着色剤10〜55重量部程度(特に20〜40重量部程度)、充填剤20重量部程度まで(特に5〜15重量部程度)、添加剤10重量部程度まで(特に3重量部程度まで)の配合比率とするのが好ましい。
【0045】
また、本発明のインキ組成物において、複合顔料の他に二酸化チタン粒子を配合することが好ましい。これにより隠蔽性を一層向上させることができる。二酸化チタン粒子は、それには限定されないが、例えばアナターゼ型またはルチル型のものを使用できる。また、粒度は、通常50〜500nm程度、特に100〜300nm程度のものを使用することが好ましい。
【0046】
二酸化チタン粒子の配合比率は、複合顔料:二酸化チタンが、通常99:1〜80:20程度、特に99:1〜90:10程度となるようにするのが好ましい。複合顔料の他に二酸化チタンを配合する場合には、複合顔料と二酸化チタンとの合計量が、インキ組成物100重量部に対して、通常5〜60重量部程度、特に15〜40重量部程度であるのが好ましい。
【0047】
バインダー樹脂は、特に限定されず、印刷インキ用樹脂として公知の樹脂を用いることができる。このような樹脂として、硬化ロジン、石油樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチロール樹脂、塩化ゴム、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール、塩素化ポリプロピレン、ポリウレタン、ニトロセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、環化ゴム等を例示できる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0048】
着色剤は、特に限定されず、インキ組成物の着色剤として従来公知の無機顔料、有機顔料又は染料を使用できる。耐水性等の点で顔料が好ましい。
【0049】
有機顔料としては、それには限定されないが、例えばカーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロ−ルレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
【0050】
無機顔料としては、それには限定されないが、例えばカーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0051】
染料としては、それには限定されないが、例えばタートラジンレーキ、ローダン6Gレーキ、ビクトリアピュアブルーレーキ、アルカリブルーGトーナー、ブリリアントグリーンレーキ等が挙げられる。
【0052】
これらの着色剤は、単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0053】
充填剤は、特に限定されず、インキ組成物の充填剤として公知のものを使用できる。このような充填剤として、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩、沈降性硫酸バリウムのような硫酸塩、シリカ、タルクのような珪酸塩等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等が好ましい。
【0054】
添加剤としては、インキ組成物の添加剤として一般に使用されているワックス、顔料分散剤、消泡剤等を使用できる。
【0055】
溶剤は、特に限定されず、インキ組成物の溶剤として公知のものを使用できる。このような溶剤として、例えばn−ヘキサン、n−ペンタン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤のような脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ソルベントナフタ、テトラリン、ジペンテンのような芳香族炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチルのようなエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロンのようなケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコールのようなアルコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールのようなグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのようなグリコールエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が好ましい。
印刷物
本発明の印刷物は、本発明のインキ組成物で印刷された印刷層を有するものである。本発明のインキ組成物を用いた印刷層は、文字等の表面印刷層の下地層であってもよく、文字や模様等を描いた表面印刷層であってもよい。印刷層の厚さは、特に制限されないが、通常10〜100μm程度とすればよい。
【0056】
基材は、特に限定されず、紙等の吸収性基材、プラスチック(ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等)、金属(アルミニウム、ステンレススチールシート)やセロハン等の非吸収性基材を用いることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によると、印刷用基材の隠蔽性及び白色インキの場合には白色度に優れたインキ組成物が得られる顔料、この顔料を用いたインキ組成物及びこのインキ組成物で印刷された印刷物が提供される。
【0058】
詳述すれば、本発明の複合顔料は、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子が付着したものであり、炭酸カルシウム粒子がスペーサの役割をして二酸化チタン粒子間の距離を大きくし、その結果隠蔽性又はさらに白色度に優れたインキ組成物が得られると考えられる。本発明の複合顔料を用いたインキ組成物は、非吸収性基材上に薄く塗布される場合にも、基材の色を確実に隠蔽することができる。
【0059】
また、本発明の複合顔料は、粒度が0.1〜2μm(100〜2000nm)程度と大きく、しかも表面処理層を有するためにインキ組成物中での分散性が極めて良好である
【0060】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中「部」とあるのは特に断りのない限り、「重量部」を意味する。
実施例
平均粒径200nmのアナターゼ型二酸化チタンと平均粒径100nmの立方体形状の沈降性炭酸カルシウムとを、20:80の割合で混合した後、水を加え20重量%スラリーに調整した。この混合スラリーに二酸化炭素を吹き込むことにより、そのpHを7.8に調節した。pHが安定化されたスラリーをコロイドミルに通した。コロイドミルのロータとステータとの間隙は100μmに設定した。また、コロイドミル内での滞留時間は0.1秒未満にした。混合物の温度は20℃であった。生成した100nmの沈降性炭酸カルシウム粒子がファンデルワールス力によって二酸化チタンの表面に付着した。得られた複合粒子は、二酸化チタン:炭酸カルシウムの重量比が20:80であり、その比表面積は10m2/gであった。
【0061】
次いで、この複合粒子スラリーに、複合粒子100部に対してアビエチン酸ナトリウム2.0部を添加して、50℃に加温しながら30分間ディスパーを用いて攪拌し、複合粒子表面をアビエチン酸塩で処理した。その後、該スラリーをフィルタープレス等で脱水し、得られた濾過ケーキを熱風にさらして乾燥させ、さらに粉砕し、アビエチン酸塩処理複合粒子粉体を得た。これにより、複合粒子100部に対して1.0部の表面処理層を有する複合顔料を得た。
【0062】
さらに、この複合顔料100g、硬化ロジン(荒川化学工業社製)34g及びトルエン81gを配合し、さらに分散用の直径1.6mmのステンレススチールビーズ400gを加えて、ペイントコンディショナーを用いて混合、分散させてインキ組成物を得た。このインキ組成物をポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗布し、乾燥して19μm厚さのインキフィルムを得た。
比較例1
実施例において、複合顔料に代えて、市販の二酸化チタン(A-220:石原産業(株)製)を顔料して用い、その他は同様にしてインクフィルムを得た。
比較例2
実施例において、複合顔料に代えて、市販の二酸化チタン(A-220:石原産業(株)製)と市販の沈降性炭酸カルシウム(Unifant-15:白石工業(株)製)とを、20:80の重量比で混合した顔料を用い、その他は同様にしてインキフィルムを得た。
比較例3
実施例において、複合顔料に代えて、市販の二酸化チタン(A-220:石原産業(株)製)と市販の沈降性炭酸カルシウム(Unifant-15:白石工業(株)製)とを30:70の重量比で混合した顔料を用い、その他は同様にしてインキフィルムを得た。
比較例4
実施例において、複合顔料に代えて、表面処理しない複合粒子を用い、その他は同様にしてインキフィルムを得た。
<試験例>
実施例及び比較例1〜4により得られたインキ組成物の粘度及びツブ度を評価した。インキ組成物の粘度は、ザーンカップ(口径3mm、容積45ml)を用い、45mlのインキ組成物がザーンカップの口径を通過して流れ落ちるまでの時間で表した。粘度が高いほど通過時間が長くなる。顔料の分散性の測定はJIS K 5101法に準拠した。また、実施例及び比較例1〜4により得られたインキフィルムによる基材の隠蔽率、白色度及び光沢を評価した。隠蔽率、白色度及び光沢の測定はJIS K 5101法に準拠した。結果を以下の表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004120763
【0064】
表1の結果、顔料として二酸化チタンのみ用いた比較例1では、隠蔽率は優れていたが、白色度が低かった。また、二酸化チタン及び炭酸カルシウムを複合粒子としていない比較例2及び3では、隠蔽率及び白色度が悪かった。また、表面処理を行わなかった比較例4では、隠蔽率及び白色度がやや悪かった。
【0065】
一方、本発明実施例では、隠蔽率及び白色度が優れていた。また、本発明実施例では、ツブ度が小さく、粘度は比較例と同等であった。

Claims (7)

  1. 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子であって比表面積が5〜30m/gである複合粒子の表面に、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含む表面処理層が形成されており、二酸化チタン粒子の粒度が50〜500nmであり、炭酸カルシウム粒子の粒度が30〜400nmであり、二酸化チタン/炭酸カルシウム複合粒子における二酸化チタンと炭酸カルシウムとの重量比が1:99〜50:50であり、複合粒子と表面処理層との重量比が100:0.2〜100:20である、複合顔料。
  2. 表面処理層が、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に加えて、樹脂酸、脂肪酸並びにそれらの塩及び誘導体とは異なる陰イオン界面活性剤を含む請求項1に記載の複合顔料。
  3. 炭酸カルシウムが沈降性炭酸カルシウムである請求項1又は2に記載の複合顔料。
  4. 炭酸カルシウム粒子の長軸と短軸との長さの比が0.8〜1である請求項1から3のいずれかに記載の複合顔料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合顔料及びバインダー樹脂が配合されたインキ組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合顔料、二酸化チタン粒子及びバインダー樹脂が配合されたインキ組成物。
  7. 請求項5又は6のインキ組成物を用いて印刷された印刷層を有する印刷物。
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