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JP4120882B2 - 有軌道台車システム - Google Patents
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Description

この発明は有軌道台車の分岐制御に関し、特に分岐/直進共に分岐部を高速で走行でき、かつ分岐部での有軌道台車のガタツキが少ないシステムに関する。
有軌道台車は走行レールに沿って走行し、クリーンルーム内や一般の工場、病院、図書館、野外などで物品を搬送する。走行レールのレイアウトを複雑にすると分岐が必要になり、特許文献1は有軌道台車の分岐制御について開示している。特許文献1では走行レール内にガイドレールを設け、有軌道台車には左右の分岐ローラを設ける。そして分岐ローラをガイドレールにガイドされる位置とフリーの位置の間で昇降させて、直進か分岐かを制御する。
ところで分岐ローラを昇降させるには、ガイドレールとの間に隙間(ギャップ)が必要である。隙間は大きくできないのでガイドレールと分岐ローラとが昇降時に干渉することがあり、分岐部の手前で有軌道台車を減速し、分岐ローラの昇降を容易にする。発明者はさらに、この隙間が分岐部での有軌道台車のガタツキの原因となることに着目した。
特開2003−212112号公報
この発明の課題は、分岐ローラの昇降がガイドレールと干渉しないようにして、分岐部の手前での減速の必要を無くし、かつ分岐/直進のいずれの場合も、ガタツキ無しで高速で分岐部を走行できるようにすることにある。
この発明での追加の課題は、分岐部では分岐ローラがガイドレールの外面に接して隙間が生ぜず、直進区間では分岐ローラがガイドレールに接せず昇降と干渉しないようにするための、具体的な構成を提供することにある。
請求項2の発明での追加の課題は、ガイドレールの内側にガイドローラが確実に接するように、ガイドローラ位置を容易に調整できるようにすることにある。
この発明は、走行輪と左右一対のガイドローラと、該ガイドローラの左右両外側に設けた昇降自在の分岐ローラとを備えた有軌道台車が、前記ガイドローラと分岐ローラとの間にガイドレールを位置させて走行するようにしたシステムにおいて、前記ガイドレールを左右一対設けて、各ガイドレールの内側の側面を前記ガイドローラ用のガイド面として、直進区間で左右のガイドレールの内側のガイド面間の間隔を一定とし、かつ分岐部で各ガイドレールを直進区間に比べて外側に幅広にすることにより、分岐ローラとガイドレールとの間に隙間があるエリアをガイドレールの直進区間に設けて分岐ローラを昇降させると共に、前記分岐部では、左右一方の分岐ローラと該左右一方のガイドローラとを、共に該左右一方のガイドレールに当てつけるようにしたことを特徴とする。
また好ましくは、前記左右一対のガイドローラの少なくとも一方を偏心ローラとする。
この発明の有軌道台車システムでは、分岐ローラとガイドレールとの間に隙間がある直進区間のエリアで分岐ローラを昇降させて、分岐か直進かを選択する。分岐ローラの昇降はガイドレールと干渉しないので、分岐部の手前で有軌道台車が減速する必要がなく、分岐ローラの昇降も滑らかに行うことができる。また分岐部では、左右いずれかの側の分岐ローラとガイドローラとが、ガイドレールの外面と内面とにほぼ隙間無しに当てつけられことにより有軌道台車を支持するので、走行輪が踏面から離れた位置でも有軌道台車にガタツキや衝撃が加わらない。従って、分岐部を直進する場合も分岐する場合も高速で走行できる。
この発明では、ガイドレールの幅を分岐部で幅広にして、ガイドローラと分岐ローラとがガイドレールを隙間無しに挟み込むようにし、直進区間でガイドレールの幅を狭めて、分岐ローラとガイドレールとの間に隙間が生じるようにする。このようにガイドレールの幅を変えることにより、分岐ローラをガイドレールに接させたり、隙間を持たせたりできる。なおガイドレールの幅を変える代わりに、例えば分岐ローラを左右方向にスライドさせる手段を設けても良いが、機構が複雑になる。
分岐ローラとガイドレールとの相対位置を正確に規制するには、左右のガイドローラ位置も重要になる。そこで少なくとも一方のガイドローラを偏心ローラとして、即ち左右方向位置をローラの位置を調整自在にすると、左右のガイドローラが共にガイドレールの内面に接するように調整できる。
図1〜図12に、天井走行車システムを例に、本発明を実施するための最適実施例を示す。
天井走行車の構造
図において、2は天井走行車で、4,5は前後一対のボギー台車で、6は天井走行車本体である。天井走行車本体6は前後の軸8,8によりボギー台車4,5の下部に支持され、前後の軸8,8を接続するようにフレーム10が設けられ、フレーム10上の走行モータ12を介して駆動輪14を駆動する。駆動輪14は、走行レールの上部下面に図示しない付勢手段で押し付けられて、天井走行車2を走行させる。
前後のボギー台車4,5には自由輪の走行輪16,18を設けて、走行レールの下部の上面を踏面として走行する。ボギー台車4,5の上部に例えば前後左右各1輪で合計4輪のガイドローラ20,21を設けて、ガイドレールの内側のガイド面によりガイドする。なおガイドローラ21は偏心ローラでその構造を図3に示し、ガイドローラ20は通常のフリーローラである。またボギー台車4,5の走行方向中央部付近で、ガイドローラ20,21の左右方向外側に一対の分岐ローラ22,23を設ける。そして分岐ローラ22,23は位相を逆にして昇降する。
24,25は左右のカムプレートで、共通の昇降モータ26とブレーキ28とにより駆動され、30は揺動アームで、32はその揺動中心となるピンである。また揺動アーム30の一端に昇降体34を取り付け、昇降体34は分岐ローラ22,23と共に昇降する。36は昇降体34の昇降運動をガイドするための昇降ガイドで、例えばリニヤガイドを用い、35は昇降体34に設けた溝で、揺動アーム30の先端に設けたピンなどを昇降体34に対して摺動させる。
カムプレート24,25には、その回動中心37の周囲に螺旋状のカム溝38を設け、揺動アーム30の端部に設けたカムフォロワ40をカム溝38でガイドする。なおカムプレート24,25に設けるカムは、溝状のカムに限らず、カムフォロワを案内する螺旋状のカムであればよい。またカムプレート24,25や揺動アーム30は例えば鉛直面内で回動して、分岐ローラ22,23を昇降させる。カム溝38には回動中心37からの曲率半径が一定の同心円状のエリアが例えば3箇所あり、最も曲率半径が小さいエリアが低位置エリア42で、ここからカムプレート24,25を例えば約180゜回動させた位置に中位置エリア43があり、さらに例えば180゜回動させた位置に高位置エリア44がある。
低位置エリア42と高位置エリア44とでは、それぞれカムプレート24,25の回転角(位相)が45゜の範囲で、カム溝38は同心円状であり、中位置エリア43では例えば位相が90゜の範囲でカム溝38が同心円状である。そしてカムプレート24,25の回動範囲は360゜強である。カムプレート24,25には他の部分よりも半径方向に突き出した被検出部45,46を設け、位相センサ48により、被検出部45,46を検出する。位相センサ48は例えば被検出部45,46の段差(エッジ)を検出し、エッジの位置はエリア42,43,44が同心円状となっている部分のほぼ中央部である。即ちカムフォロワ40がエリア42,43,44のほぼ中心に来たことを、被検出部45,46のエッジを用いて位相センサ48により検出する。
左右一対のカムプレート24,25は昇降モータ26とブレーキ28とにより回動し、カム溝38の配置をカムプレート24,25で変えて、カムプレート24側でカムフォロワ40が高位置エリア44にある時、カムプレート25ではカムフォロワは低位置エリア42にあるようにする。また左右のカムプレート24,25で、中位置エリア43は同じ位相で表れるようにする。このようにカムプレート24,25ではカムの位相を180゜異ならせる。そして制御部49で位相センサ48の信号により、昇降モータ26とブレーキ28とを制御し、分岐ローラ22,23の高さを制御する。ただし分岐ローラ22,23の昇降機構自体は任意である。
図3にガイドローラ21の例を示すと、21rはフリーローラからなる偏心ローラで、その軸21bと取付部21cの軸とが偏心しており、取付部21cのネジを回すことにより、左右一対のガイドローラ間の距離を現場で調整できる。なお偏心ローラ側の分岐ローラ、例えばここでは分岐ローラ22、も同様に偏心ローラとして、左右方向位置を調整自在にすることが好ましい。
走行レールと天井走行車の分岐動作
図4〜図12を参照し、走行レール50の構成と、分岐部での天井走行車の動作とを説明する。各部材の符号は、図4〜図12にない符号でも、図1〜図3の符号をそのまま使うことがある。51は走行レール50の分岐部、52は直進区間で、分岐や合流が無い区間の意味である。ボックス状の走行レール50の下部上面に左右の踏面53,53を設けて、走行輪16,18を支持し、その間に開口54を設けて、ボギー連結用の軸8を通す。また走行レール50の上部底面の左右に、鉛直方向下向きに突き出したガイドレール56を設ける。ガイドレール56の幅を直進区間52と分岐部51とで異ならせて、分岐部51では直進区間52よりも例えば1mm程度左右方向の外側(分岐ローラ22,23の接する側)に幅広の幅広部58とする。
この結果、直進区間52では分岐ローラ22,23とガイドレール56の間に例えば1mm程度の隙間が生じ、分岐部51の幅広部58ではガイドレールの外面と分岐ローラとの間に左右方向の隙間は無い。また左右のガイドレール56,56間の間隔は直進区間52でも分岐部51でも一定で、設置時などに偏心したガイドローラ21を用いて、ガイドローラ20,21間の間隔を調整するので、ガイドレール56,56の内面にガイドローラ20,21が常時密着する。
走行レール50のレイアウトでは、図4の下から上への走行が直進で、下から右側への走行が分岐である。開口54の左側寄りにはガイドレール56やその幅広部58が隙間無く配置され、右寄りにもカット部64を除いてガイドレール56やその幅広部58が配置されている。分岐部には開口54がY字状となるY字部62がある。
図5に直進区間52での、ガイドレール56に対するガイドローラ20,21や分岐ローラ22,23の位置を示す。ガイドレール56,56の内面がガイド面60で、外面がガイド面61で、ガイド面60,60間の間隔配置によらず一定で、ガイド面61の位置は幅広部ではガイドレール56の外側向きに1mm程度シフトする。直進区間では分岐ローラ22,23は例えば中位置の高さにあり、ガイド面61との間に隙間gがあるので、ガイドレール56と干渉せずに昇降できる。そして直進区間では、左右のガイドローラ20,21が左右のガイド面60,60に隙間無しに接することにより、天井走行車がガイドされる。
分岐部を直進する場合、図6に示すように、分岐ローラ23が高位置で、分岐ローラ22は低位置にあり、図4のY字部62で幅広部58やガイドレール56の底面の下を通過する。Y字部62ではローラ21,22は共にガイドレールに接していないが、ガイドローラ20と分岐ローラ23が幅広部58のガイド面60,61に共に隙間無しに接することにより、ボギー台車の姿勢が保持される。
分岐部で分岐する場合、図7に示すように、分岐ローラ22が高位置で、分岐ローラ23が低位置にある。図4のY字部62では、分岐ローラ23が幅広部58の底面下部を通過する。Y字部62でガイドローラ20も分岐ローラ23もガイドレールに接していないが、ガイドローラ21と分岐ローラ22が幅広部58のガイド面60,61に共に隙間無しに接することにより、ボギー台車の姿勢が保持される。
Y字部62を通過する際の走行輪16等の姿を、図8の実線で示す。Y字部62で走行輪16等が踏面53から外れると、図の鎖線のように僅かに沈み込んで、ボギー台車がガタつくが、実施例ではローラ20,23もしくはローラ21,22が幅広部58を隙間無しに挟み込んで、ガタツキを防止できる。
図9,図10に、直進時の動作を示す。図では分岐ローラ23が高位置、分岐ローラ22が低位置にある。右側の分岐ローラ22はガイドレール56に接触せず、左側の分岐ローラ23とガイドローラ20がガイドレール56の幅広部58を隙間無しに挟み込んで直進を選択する。直進のための分岐ローラ22,23の昇降は手前の直進区間52で行い、この時、分岐ローラ22,23の昇降はガイドレール56と干渉せず、ガタつかずに高速で分岐部を直進できる。
図11,図12に分岐時の状態を示す。ここで右側の分岐ローラ22は高位置で、ガイドローラ21と共に幅広部58を隙間無しに挟み込むようにしてガイドされ、左側の分岐ローラ23は低位置で、ガイドレールの下側を通過する。また分岐のための分岐ローラ22,23の昇降は手前の直進区間52で行い、ガタつかずに高速で分岐部を分岐できる。
実施例の効果と補足
実施例では直進区間52の全体で、ガイドレールの幅を幅広部58よりも狭くしたが、分岐部の手前の所定のエリアでのみ幅を狭くしても良い。また分岐部に変えて合流部を設ける場合、図4の上から下へと天井走行車を走行させればよい。その場合の分岐ローラ22,23等の動作は、図4の上から下へと直進する場合は図9と同様にし,図4の右上から下へと走行して合流する場合は図11と同様にする。実施例では、分岐ローラ22,23の高さ位置を3段階としたが、分岐/直進の2段階として、例えば直進区間では原則として直進とし、分岐する場合は分岐部の手前で切り替えるようにしても良い。
また実施例では、ガイドローラ20,21をボギー台車当たり前後に各一対設け、分岐ローラを台車前後方向でそれらの中間に配置したが、この逆に分岐ローラを前後に各一対設けて、それらの前後方向の中間にガイドローラを設けても良い。この場合、ボギー台車当たり、分岐ローラが4個,ガイドローラが2個となる。
実施例では天井走行車を示したが、走行レールを地上に敷設した有軌道台車でも良い。また天井走行車の場合でも、走行レールの上側に開口を設けて、この開口上に荷台などを配置したものでも良い。この場合、ガイドレールは走行レールの上部底面で開口の左右などに設ける。
実施例では以下の効果が得られる。
(1) ガタつかずに分岐でも直進でも高速で分岐部を走行できる。
(2) 分岐か直進かの選択で、分岐ローラの昇降のために減速する必要がない。
(3) ガイドレールの幅を分岐部で左右方向外側に拡げることにより、分岐ローラが直進区間ではガイドレールに接せず、分岐部でのみ隙間無しに接するようにできる。
(4) 左右のガイドローラが共にガイドレールの内面に隙間無しに接するように、ガイドローラの間隔を現場で調整できる。
実施例で用いた天井走行車の前後のボギー台車の要部を示す平面図 実施例で用いた天井走行車の分岐ローラの昇降機構を示す要部側面図 実施例で用いた偏心ローラの側面図 実施例の天井走行車システムでの、分岐部の走行レールを示す水平断面図 直線区間でのガイドローラと分岐ローラのガイドレールに対する位置を示す図 分岐部を直進する際の、ガイドローラと分岐ローラのガイドレールに対する位置を示す図 分岐部で分岐する際の、ガイドローラと分岐ローラのガイドレールに対する位置を示す図 踏面のカット部を走行輪が通過する際の姿を模式的に示す図 図4の分岐部を天井走行車が直進する際の姿を模式的に示す図 図9のX-X方向に沿って、直進時の走行レール内のガイドローラと分岐ローラ並びに走行輪の配置を模式的に示す図 図4の分岐部を天井走行車が分岐する際の姿を模式的に示す図 図11のXii-Xii方向に沿って、分岐時の走行レール内のガイドローラと分岐ローラ並びに走行輪の配置を模式的に示す図
符号の説明
2 天井走行車
4,5 ボギー台車
6 天井走行車本体
8 軸
10 フレーム
12 走行モータ
14 駆動輪
16,18 走行輪
20,21 ガイドローラ
22,23 分岐ローラ
24,25 カムプレート
26 昇降モータ
28 ブレーキ
30 揺動アーム
32 ピン
34 昇降体
35 溝
36 昇降ガイド
37 回動中心
38 カム溝
40 カムフォロワ
42 低位置エリア
43 中位置エリア
44 高位置エリア
45,46 被検出部
48 位相センサ
49 制御部
50 走行レール
51 分岐部
52 直進区間
53 踏面
54 開口
56 ガイドレール
58 幅広部
60,61 ガイド面
62 Y字部
64 カット部
g 隙間

Claims (2)

  1. 走行輪と左右一対のガイドローラと、該ガイドローラの左右両外側に設けた昇降自在の分岐ローラとを備えた有軌道台車が、前記ガイドローラと分岐ローラとの間にガイドレールを位置させて走行するようにしたシステムにおいて、
    前記ガイドレールを左右一対設けて、各ガイドレールの内側の側面を前記ガイドローラ用のガイド面として、直進区間で左右のガイドレールの内側のガイド面間の間隔を一定とし、
    かつ分岐部で各ガイドレールを直進区間に比べて外側に幅広にすることにより、分岐ローラとガイドレールとの間に隙間があるエリアをガイドレールの直進区間に設けて分岐ローラを昇降させると共に、前記分岐部では、左右一方の分岐ローラと該左右一方のガイドローラとを、共に該左右一方のガイドレールに当てつけるようにしたことを特徴とする有軌道台車システム。
  2. 前記左右一対のガイドローラの少なくとも一方を偏心ローラとしたことを特徴とする、請求項1の有軌道台車システム。
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