JP4121782B2 - 親水性部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性部材に関し、更に詳しくは、セルフクリーニング(自浄)性の要求される屋外用途部材に使用されるに有用な親水性部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外用途部材としては、例えば、高速道路用防音壁、屋外テラス、温室用屋根、サンルーフ、カーポート、壁材、一般構造建築物等の外壁用部材等があるが、環境汚染に伴い、これらの屋外用途部材表面の汚れが問題となっている。即ち、大気中に浮遊する煤塵や粒子は、晴天には、これらの屋外用途部材の表面に堆積したり、静電的に付着して屋外用途部材を汚染する。
そして、このような煤塵や粒子の堆積物や付着物は、雨水により流され、屋外用途部材の表面を流下する為に、屋外用途部材の表面が乾燥すると、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着してできた縞状の汚れが現れるという問題もある。
【0003】
このような屋外用途部材表面の汚れの問題を少しでも解決しようとする親水化被覆フィルムが知られている(特開平11−35714号公報)。この親水化被覆フィルムは、プラスチックフィルムに、親水性被膜層を形成したものであり、より具体的には、プラスチックフィルム上に、反応硬化型樹脂組成物の樹脂固形分100重量部に対して、アルキルシリケ−ト及び/又はその低縮合物を0.5〜50重量部配合してなる被覆用組成物を塗布した後、その被膜表面を酸で処理し、水洗した構成からなる親水化被覆フィルムである。
そして、上記の親水化被覆フィルム(プラスチックフィルムに、親水性被膜層を形成したもの)を適当な基体(基材)に、ラミネ−トするなどの方法を用いて積層して、外装建材用途などの屋外用途に供すると、親水性被膜層により、汚れが雨水などによって洗い流されやすくなり、良好な耐暴露汚染性を示すとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記親水化被覆フィルムを、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートとラミネートさせ、親水性部材を製造しようとする場合、実際には、次のような問題点がある。即ち、親水化被覆フィルムの基材フィルムであるプラスチックフィルム(特にアクリルフィルム)が、ラミネートロール等による張力や、ラミネート時の高い熱の影響を受けて、延びてしまい、一方、親水性被膜層は、比較的延びにくい為に、親水性被膜層にクラック等が入り、親水性能が損なわれるという問題点があるものである。また、上記親水化被覆フィルムや親水性部材には、保管中に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性被膜層が傷ついたりして、親水性能が損なわれるという問題点があるものである。また、長期間使用した場合、親水性被膜層がプラスチックフィルムから剥離するという問題点もあるものである。
【0005】
本発明の目的は、基体表面にクラックの無い親水性樹脂層を有し、屋外においても親水性が持続して、部材表面の汚れが雨水などによって洗い流されやすくなり、良好なセルフクリーニング性を長期にわたって示す汚染されにくい親水性部材及びその製造方法を提供することである。また、使用時には、良好なセルフクリーニング性を長期にわたって示すことに加え、使用前の保管中に、親水性樹脂層に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性樹脂層(親水性被膜層)が傷ついたりして、親水性能が損なわれるということのない親水性部材及びその製造方法を提供することである。また、長期間使用しても、親水性樹脂層(親水性被膜層)がプラスチックフィルムから剥離しない親水性部材及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、基体の少なくとも片面に、基材、親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性部材や基体の少なくとも片面に、基材、アンカー層、親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性部材や基材に、親水性樹脂組成物を塗布することにより、親水性樹脂層を形成し、さらに、前記親水性樹脂層に、保護フィルムをラミネートさせて、親水性シートとし、前記親水性シートの前記親水性樹脂層とは、反対側の基材面と、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートである基体とをラミネートさせてなる、親水性部材の製造方法が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
第1の発明は、基材、80重量部〜99.7重量部のアルコールと、0.2〜19重量部のアミノ基含有樹脂又はシアノ基含有樹脂と、0.2〜0.4重量部の4官能のシランカップリング剤と0.2〜0.4重量部の3官能のシランカップリング剤とを含有する親水性樹脂組成物からなる親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性シートの基材側に、Tダイ押出し機から溶融押出しした樹脂シートである基体を5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる親水性部材に関するものである。
第2の発明は、基材、数平均分子量が400〜100,000、且つ水酸基価が2〜200mgKOH/gの水酸基含有樹脂と架橋剤と溶剤とを含有する親水性樹脂組成物からなる親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性シートの基材側に、Tダイ押出し機から溶融押出しした樹脂シートである基体を5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる親水性部材に関するものである。
第3の発明は、前記第1〜2のいずれかの発明にて、前記親水性樹脂組成物が、SiO2を構成単位とする無機シリケート化合物を含有する、親水性部材に関するものである。
第4の発明は、前記第3の発明にて、前記無機シリケート化合物を、親水性樹脂100重量部当たり0.2〜30重量部含有する、親水性部材に関するものである。
第5の発明は、前記第1〜4のいずれかの発明にて、前記親水性樹脂組成物が、紫外線吸収剤、光安定化剤を該組成物を組成物の全体の重量に対して20重量%以下含有する、親水性部材に関するものである。
第6の発明は、基材に、80重量部〜99.7重量部のアルコールと、0.2〜19重量部のアミノ基含有樹脂又はシアノ基含有樹脂と、0.2〜0.4重量部の4官能のシランカップリング剤と0.2〜0.4重量部の3官能のシランカップリング剤とを含有する親水性樹脂組成物を塗布することにより、親水性樹脂層を形成し、さらに、前記親水性樹脂層に、保護フィルムをラミネートさせて、親水性シートとし、前記親水性シートの親水性樹脂層とは、反対側の基材面と、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートである基体とを5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる、親水性部材の製造方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、上記の本発明について、図面も参照しながら、発明の実施の形態について説明する。
【0009】
最初に、本発明の親水性部材の製造方法について、図1を用いて説明する。図1は、基体3の片面に、基材2、親水性樹脂層1、保護フィルム4がこの順に、積層されてなる親水性部材5の層構成を示した断面図である。
図1において、基材2に、親水性樹脂組成物を塗布(コーティング)し、親水性樹脂層1を形成し、さらに、前記親水性樹脂層1に、保護フィルム4をラミネートさせて、親水性シートを製造した。
さらに、この親水性樹脂層1とは、反対側の基材2面と、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートである基体3とをラミネートさせて、親水性部材5を製造する。
【0010】
次に、本発明における別の親水性部材の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、基体3の片面に、基材2、アンカー層6、親水性樹脂層1、保護フィルム4がこの順に、積層されてなる親水性部材7の層構成を示した断面図である。
図2において、基材2に、アンカー剤を塗布(コーティング)し、アンカー層6を形成した上に、親水性樹脂組成物を塗布(コーティング)し、親水性樹脂層1を形成し、さらに、前記親水性樹脂層1に、保護フィルム4をラミネートさせて、親水性シートを製造した。
さらに、この親水性樹脂層1とは、反対側の基材2面と、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートである基体3とをラミネートさせて、親水性部材7を製造する。
【0011】
上記親水性樹脂組成物、アンカー剤を塗布(塗工)する場合、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター等)、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター等の塗工機を使用できる。塗工量は、乾燥後の重量として、通常0.01〜100g/m2、好ましくは、0.1〜50g/m2である。乾燥は、熱風加熱等によって行われる。この乾燥温度は、ドライヤーの種類によって種々変化するがドライヤー内部の温度は、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。これらの塗工機で、親水性樹脂組成物やアンカー剤を塗布した場合、膜厚は、塗工機によって異なるが、通常0.01〜100μmであり、好ましくは、0.1〜50μmである。
【0012】
上記のようにして、製造された親水性部材は、良好な親水性を有しており、6ヶ月〜1年に及ぶ屋外暴露でのセルフクリーニング性も良好であることが好ましい。
具体的には、親水性部材の表面は、親水性樹脂層2により、帯電しにくいので、煤塵が静電付着しにくい。泥や土のような無機物質の水との接触角は、20゜〜50゜であるので、水との接触角が約25゜以下になる程度に親水化された表面には、泥や土のような無機塵埃は付着しにくい。降雨の際には、親水化された表面では、雨水は、一様な水膜を形成しながら流下し、従って雨筋が生じないので、雨筋による汚れが発生することがない。更に、親水化された表面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎水性物質に対する親和力よりも大きいので、親水性部材の表面に付着した汚れは、雨水により表面から解放され、降雨の都度雨水によって洗い流され、セルフクリーニングされるのである。だから、本発明の親水性部材の表面は、汚染されにくいという利点がある。
【0013】
次に、上記親水性部材の親水性樹脂層1の被膜面と水との接触角の測定法について、説明する。
初期の水接触角:出来上がった親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定する。接触角が小さくなると親水性が強くなる。
6ヶ月〜1年後の水接触角:6ヶ月〜1年後の親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定する。
【0014】
親水性が基体の両面に必要な用途に対応して、溶融押し出しした樹脂シート(プラスチックの基材)からなる基体の両面に、親水性シートを積層すれば良い。しかし、親水性が片面だけ必要な用途の場合には、溶融押し出しした樹脂シート(プラスチックの基材)からなる基体の片面だけに、親水性シートを積層すれば良い。
【0015】
次に、上記親水性部材5、7の各構成材料について、説明する。
上記基材2や保護フィルム4としては、プラスチックフィルム又はプラスチックシートを通常使用する。厚さは、1μm〜500μm、好ましくは、20μm〜200μmのものを使用する。
上記のプラスチックのフィルム又はプラスチックシートを構成するプラスチックとしては、次に例示するような各種のものが挙げられる。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル重合体系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)クリル酸メチル、ポリ(メタ)クリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂(但し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸の意味で用いる)、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン等セルロース(繊維素)系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。
【0016】
これらの中でも特に、ポリオレフィン系樹脂、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート等が好ましい。
【0017】
次に、基材2上に塗布される親水性樹脂組成物としては、水酸基含有樹脂と架橋剤(樹脂に対して、5〜30重量%)を溶剤(樹脂に対して、50〜99重量%)に溶かし、混練したものが使用される。
【0018】
上記の水酸基含有樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコ−ン樹脂などを挙げることができる。ポリエステル樹脂は、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂などのいずれであってもよい。該水酸基含有樹脂は、数平均分子量が400〜100,000、水酸基価が2〜200mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0019】
上記アクリル樹脂としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等の水酸基含有モノマ−と、スチレンや(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等といった他のモノマ−との共重合体などが使用できる。
【0020】
上記架橋剤としては、例えば、アミノ樹脂及びポリイソシアネート化合物などが挙げられ、特にポリイソシアネート化合物が好適である。該ポリイソシアネート化合物は、フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であっても、イソシアネート基をブロック化剤によってブロック化したものであってもよい。
【0021】
上記ブロック化する前のポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくは、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくは、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、または、これらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは、水等との付加物、あるいは、上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更には、イソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0022】
イソシアネート基をブロックするブロック化剤としては、例えばフェノール系、ラクタム系、アルコール系、オキシム系、活性メチレン系などのブロック化剤を使用することができる。
【0023】
上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、水およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0024】
また、別の親水性樹脂組成物としては、主成分(80重量部〜99.7重量部)であるアルコールと0.2〜19重量部の親水性樹脂と0.2〜0.4重量部の4官能のシランカップリング剤と0.2〜0.4重量部の3官能のシランカップリング剤とを混練してできたものも使用できる。
【0025】
かかるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノ−ル等が挙げられる。
【0026】
上記親水性樹脂としては、前記した水酸基含有樹脂の他、アミノ基(NH2基)含有樹脂、アクリロニトリルのようなシアノ基(CN基)含有樹脂など親水性を示す官能基を分子中に含む樹脂が好ましい。
【0027】
上記アミノ基(NH2基)含有樹脂としては、アミノ樹脂がある。アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどがある。
【0028】
上記親水性樹脂としては、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;及び、それらの部分加水分解物;及びそれらの混合物を使用することもできる。
【0029】
上記親水性樹脂組成物の中に、必要に応じて入れる添加剤(密着性向上剤)としてのシリケート化合物は、(SiO2)を構成単位とする無機シリケート化合物であり、その末端にSi−OH単位が残存しているものが好ましく、例えば、湿式法ホワイトカーボンとして知られているシリカを例示できる。また(Si−OR)4 〔式中、Rは同一もしくは異なった水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基を示す。〕で表される有機シリケート化合物またはその低縮合物が好ましい。添加量は、親水性樹脂100重量部当たり、0.2〜30重量部である。
【0030】
また、上記親水性樹脂組成物には、耐候性を高める為に、紫外線吸収剤や光安定化剤等の、塗料、インキに通常添加される添加剤を任意に配合することもできる。通常、配合量は、組成物の全体の重量に対して20重量%以下、好ましくは6重量%以下である。ここで、光安定化剤としては、ヒンダードアミン系化合物等を用いることができる。
【0031】
紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)べンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフエノン等のベンゾフエノン系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2′−エチルをキサリック酸ビスアニリド等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0032】
次に、上記基材上に、親水性樹脂組成物を塗布する前に、アンカー剤を塗布して、アンカー層を形成しておくと、基材と親水性樹脂組成物との接着性が向上する(図2参照)。アンカー剤としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂や酢酸ビニル系樹脂、あるいは、ゴム系、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂などの1種ないし2種以上の樹脂を溶剤(樹脂に対して、10〜80重量%)に溶かしたものが使用される。
【0033】
上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどというエーテル類およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0034】
また、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂や酢酸ビニル系樹脂、あるいは、ゴム系、ウレタン系樹脂などの1種ないし2種以上の樹脂をエマルジョン化したものも使用できる。
【0035】
特に、耐水性を考慮すると、エチレンビニルアセテートを主とする樹脂、ポリエステルを主とする樹脂、ポリアミドを主とする樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂やゴム系樹脂などの1種ないし2種以上の樹脂を上記溶剤(樹脂に対して、10〜80重量%)に溶かしたものも使用される。
【0036】
上記アンカー剤には、耐候性を高める為に、紫外線吸収剤や光安定化剤等の、塗料、インキに通常添加される添加剤を任意に配合することができる。通常、配合量は、アンカー剤の全体の重量に対して20重量%以下、好ましくは6重量%以下である。ここで、光安定化剤としては、ヒンダードアミン系化合物等を用いることができる。
【0037】
紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)べンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフエノン等のベンゾフエノン系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2′−エチルをキサリック酸ビスアニリド等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0038】
次に、上記親水性部材を構成する基体について、説明する。
基体としては、Tダイから溶融押し出ししてなる樹脂シートであるプラスチック基材が使用される。
上記プラスチック基材とは、プラスチック板(0.5〜100mm厚)、プラスチックシート(0.1〜0.5mm厚)のことである。プラスチック板、プラスチックシートを構成するプラスチックとしては、次に例示するような各種のものが挙げられる。
【0039】
即ち、ポリ(メタ)クリル酸メチル、ポリ(メタ)クリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂(但し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸の意味で用いる)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル重合体系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエステル、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン等セルロース(繊維素)系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。
【0040】
透明性の高い材料が親水性部材の用途として、付加価値が高いものとされることが多いので、これらの中でも特に、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましい。
【0041】
【実施例】
次いで実施例を挙げ、本発明を更に説明する。
【0042】
実施例1
図1において、基材2となる、厚さ50μmのアクリルフィルム(三菱レーヨン株式会社製 品番HBS006)に、親水性樹脂組成物(アトミクス株式会社製 品番タイディークリーンC)を0.3g/m2でグラビア印刷し、親水性樹脂層1を形成し、その後粘着加工した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを保護フィルムとして、ラミネートして、親水性シートを製造した。
次に、Tダイ押し出し機から230°C前後で、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートを、140°C、5kg以下の線圧にて、ラミネートし、クーリングロールを通した後、丸刃にて、板状にカットし、厚さ8mmの本発明の親水性部材を製造した。この時、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートの基材2とが接するようにラミネートさせた。
【0043】
出来上がった親水性部材は、保護フィルムがある為、使用前の保管中に、親水性樹脂層に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性樹脂層が傷ついたりして、親水性能が損なわれるということのない親水性部材でした。
また、使用時に、上記親水性部材の保護フィルムを剥がしたものは、クラック、傷、ゴミの付着も無く、良好な親水性を有しており、6ヶ月に及ぶ屋外暴露でも、親水性部材の表面の親水性樹脂層1には、クラックは入らず、セルフクリーニング性(自浄性)も良好で、汚染されにくかった。
即ち、親水性部材の表面は、親水性樹脂層1がある為に、帯電しにくいので、煤塵が静電付着しにくかった。泥や土のような無機物質の水との接触角は、20゜〜50゜であるので、水との接触角が10゜〜20°の範囲内にある親水性樹脂層1には、泥や土のような無機塵埃は、付着しにくかった。降雨の際には、親水化された表面では、雨水は、一様な水膜を形成しながら流下し、従って雨筋が生じず、雨筋による汚れが発生しなかった。更に、親水化された表面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎水性物質に対する親和力よりも大きいので、親水性部材の表面に付着した汚れは、雨水により表面から解放され、降雨の都度雨水によって洗い流され、セルフクリーニングされた。だから、6ヶ月の間、親水性部材は、汚染されにくかった。
【0044】
次に、上記親水性部材の親水性樹脂層1の被膜面と水との接触角の測定法と測定結果を示す。
初期の水接触角:出来上がった親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、20゜でした。
6ヶ月後の水接触角:6ヶ月後の親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、16゜でした。
【0045】
実施例2
図1において、基材2となる、厚さ50μmのアクリルフィルム(三菱レーヨン株式会社製 品番HBS006)に、親水性樹脂組成物(JSR株式会社製 品番DT−001)を0.1g/m2でグラビア印刷し、親水性樹脂層1を形成し、その後粘着加工した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを保護フィルムとして、ラミネートして、親水性シートを製造した。
次に、Tダイ押し出し機から230°C前後で、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートを、140°C、5kg以下の線圧にて、ラミネートし、クーリングロールを通した後、丸刃にて、板状にカットし、厚さ8mmの本発明の親水性部材を製造した。この時、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートの基材2とが接するようにラミネートさせた。
【0046】
出来上がった親水性部材は、保護フィルムがある為、使用前の保管中に、親水性樹脂層に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性樹脂層が傷ついたりして、親水性能が損なわれるということのない親水性部材でした。
また、使用時に、上記親水性部材の保護フィルムを剥がしたものは、クラック、傷、ゴミの付着も無く、良好な親水性を有しており、6ヶ月に及ぶ屋外暴露でも、親水性部材の表面の親水性樹脂層1には、クラックは入らず、セルフクリーニング性(自浄性)も良好で、汚染されにくかった。
即ち、親水性部材の表面は、親水性樹脂層1がある為に、帯電しにくいので、煤塵が静電付着しにくかった。泥や土のような無機物質の水との接触角は、20゜〜50゜であるので、水との接触角が15゜〜25°の範囲内にある親水性樹脂層1には、泥や土のような無機塵埃は、付着しにくかった。降雨の際には、親水化された表面では、雨水は、一様な水膜を形成しながら流下し、従って雨筋が生じず、雨筋による汚れが発生しなかった。更に、親水化された表面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎水性物質に対する親和力よりも大きいので、親水性部材の表面に付着した汚れは、雨水により表面から解放され、降雨の都度雨水によって洗い流され、セルフクリーニングされた。だから、6ヶ月の間、親水性部材は、汚染されにくかった。
【0047】
次に、上記親水性部材の親水性樹脂層1の被膜面と水との接触角の測定法と測定結果を示す。
初期の水接触角:出来上がった親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、23゜でした。
6ヶ月後の水接触角:6ヶ月後の親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、19゜でした。
【0048】
実施例3
アンカー層を構成するアンカー剤として、JSR株式会社製のアンカー剤を使用する。このアンカー剤の配合は、
DP−001(主剤) 10部
DH−001(硬化剤) 1部
メチルイソブチルケトン 8部
イソプロピルアルコール 4部
である。
【0049】
図2において、基材2となる、厚さ50μmのアクリルフィルム(三菱レーヨン株式会社製 品番HBS006)に、上記アンカー剤(JSR株式会社製 )を0.5g/m2でグラビア印刷し、アンカー層6を形成した上に、親水性樹脂組成物(アトミクス株式会社製 品番タイディークリーンC)を0.3g/m2でグラビア印刷し、親水性樹脂層1を形成し、その後粘着加工した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを保護フィルムとして、ラミネートして、親水性シートを製造した。
次に、Tダイ押し出し機から230°C前後で、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートを、140°C、5kg以下の線圧にて、ラミネートし、クーリングロールを通した後、丸刃にて、板状にカットし、厚さ8mmの本発明の親水性部材を製造した。この時、溶融押し出ししたポリカーボネート樹脂シートと上記親水性シートの基材2とが接するようにラミネートさせた。
【0050】
出来上がった親水性部材は、保護フィルムがある為、使用前の保管中に、親水性樹脂層に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性樹脂層が傷ついたりして、親水性能が損なわれるということのない親水性部材でした。
また、使用時に、上記親水性部材の保護フィルムを剥がしたものは、クラック、傷、ゴミの付着も無く、良好な親水性を有しており、6ヶ月に及ぶ屋外暴露でも、親水性部材の表面の親水性樹脂層1には、クラックは入らず、セルフクリーニング性(自浄性)も良好で、汚染されにくかった。
即ち、親水性部材の表面は、親水性樹脂層1がある為に、帯電しにくいので、煤塵が静電付着しにくかった。泥や土のような無機物質の水との接触角は、20゜〜50゜であるので、水との接触角が10゜〜20°の範囲内にある親水性樹脂層1には、泥や土のような無機塵埃は、付着しにくかった。降雨の際には、親水化された表面では、雨水は、一様な水膜を形成しながら流下し、従って雨筋が生じず、雨筋による汚れが発生しなかった。更に、親水化された表面の水に対する親和力は、燃焼生成物のような疎水性物質に対する親和力よりも大きいので、親水性部材の表面に付着した汚れは、雨水により表面から解放され、降雨の都度雨水によって洗い流され、セルフクリーニングされた。だから、6ヶ月の間、親水性部材は、汚染されにくかった。
また、長期間(1年〜3年)使用しても、親水性樹脂層が基材(プラスチックフィルム等)から剥離しなかった。
【0051】
次に、上記親水性部材の親水性樹脂層1の被膜面と水との接触角の測定法と測定結果を示す。
初期の水接触角:出来上がった親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、19゜でした。
6ヶ月後の水接触角:6ヶ月後の親水性部材を温度20℃、湿度60%RHの室内に約1時間放置した後、親水性樹脂層1の被膜面に、0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクトアングルメータCA−X150型にて測定した。接触角は、18゜でした。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、基体の表面にクラックの無い親水性樹脂層を有し、屋外においても親水性が持続して、表面の汚れが雨水などによって洗い流されやすくなり、良好なセルフクリーニング性を長期にわたって示す汚染されにくく、しかも、使用前の保管中に、親水性樹脂層に、ゴミやチリが付着したり、輸送中や施工時に、親水性樹脂層が傷ついたりして、親水性能が損なわれるということのない親水性部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における親水性部材の層構成の一例を示した断面図である。
【図2】本発明における親水性部材の層構成の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 親水性樹脂層
2 基材
3 基体
4 保護フィルム
5 親水性部材
6 アンカー層
7 親水性部材
Claims (6)
- 基材、80重量部〜99.7重量部のアルコールと、0.2〜19重量部のアミノ基含有樹脂又はシアノ基含有樹脂と、0.2〜0.4重量部の4官能のシランカップリング剤と0.2〜0.4重量部の3官能のシランカップリング剤とを含有する親水性樹脂組成物からなる親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性シートの基材側に、Tダイ押出し機から溶融押出しした樹脂シートである基体を5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる親水性部材。
- 基材、数平均分子量が400〜100,000、且つ水酸基価が2〜200mgKOH/gの水酸基含有樹脂と架橋剤と溶剤とを含有する親水性樹脂組成物からなる親水性樹脂層、保護フィルムがこの順に、積層されてなる親水性シートの基材側に、Tダイ押出し機から溶融押出しした樹脂シートである基体を5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる親水性部材。
- 前記親水性樹脂組成物が、SiO2を構成単位とする無機シリケート化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の親水性部材。
- 前記無機シリケート化合物を、親水性樹脂100重量部当たり0.2〜30重量部含有することを特徴とする請求項3に記載の親水性部材。
- 前記親水性樹脂組成物が、紫外線吸収剤、光安定化剤を組成物の全体の重量に対して20重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の親水性部材。
- 基材に、80重量部〜99.7重量部のアルコールと、0.2〜19重量部のアミノ基含有樹脂又はシアノ基含有樹脂と、0.2〜0.4重量部の4官能のシランカップリング剤と0.2〜0.4重量部の3官能のシランカップリング剤とを含有する親水性樹脂組成物を塗布することにより、親水性樹脂層を形成し、さらに、前記親水性樹脂層に、保護フィルムをラミネートさせて、親水性シートとし、前記親水性シートの前記親水性樹脂層とは、反対側の基材面と、Tダイ押し出し機から溶融押し出しした樹脂シートである基体とを5kg以下の線圧にてラミネートさせてなる、親水性部材の製造方法。
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