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JP4122832B2 - 書き換え可能な表示媒体、表示装置およびこれらを用いた表示方法 - Google Patents
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書き換え可能な表示媒体、表示装置およびこれらを用いた表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱および磁界を作用させて、表示装置内に封入した複数種類の着色した熱溶融性有機化合物に分散させた白色磁性粒子を磁気泳動させ、カラー表示および表示消去を行う書き換え可能な表示媒体、表示装置およびこれらを用いた表示方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来における電気泳動、磁気泳動を利用した表示装置としては、特開昭64−86116号公報、特開平8−54841号公報、および特開平8−297470号公報に開示されている各種装置が挙げられる。
このうち特開昭64−86116号公報においては、分散媒および電気泳動粒子を封入したマイクロカプセルを適用することにより、均一かつ安定した表示動作を行う電気泳動表示装置が開示されている。
また、特開平8−54841号公報においては、同様の磁気泳動表示装置であって、特に、記録速度が速く鮮明な表示を行うことができる表示装置が開示されている。
また、特開平8−297470号公報においては、マイクロカプセルの耐久性を高めるとともに、背面を種々の色に着色した構成の磁気泳動表示装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような各種電気泳動表示装置および磁気泳動表示装置に用いられている画像表示用パネルは、いずれも同時に表示できる色は、背景色、および文字、図柄色に限られてしまい、同時に多数の色を表示するようなフルカラー表示ができるようなものではなかった。
【0004】
これに対しカラー表示を行うことのできる磁気記録媒体としては、例えば特開平1−63991号公報に記載されているように、磁性粒子のN極とS極とをそれぞれ異なる色に着色し、磁力の印加により磁性粒子を回転させてカラー表示を行うものが知られている。
【0005】
また特開平4−175196号公報には、磁気特性の異なる磁性粒子をそれぞれ異なる色に着色し、磁界強度を制御してカラー表示を行う磁気記録媒体に関する開示がなされている。
【0006】
ところが特開平1−63991号公報に記載されている磁気記録媒体においては、微小な磁性粒子に対してそれぞれ着色用スプレーをして着色する等の工程や、磁性粒子のN極とS極を異なる色に着色する等の工程が極めて煩雑であるため、各極の色分けを厳密に行うことが困難であるという問題がある。
【0007】
また特開平4−175196号公報に記載されている磁気記録媒体においては、表示時の磁界強度の制御が困難であり、磁界の制御の曖昧さにより、鮮明な画像の表示を行うことが困難であるという問題がある。
【0008】
一方、特開2000−35598号公報には、異なる色に着色された電気泳動粒子がマイクロカプセル内に封入され、電界を印加させてカラー表示を行う技術が開示されているが、それぞれのカプセル毎に独立した電極を設ける必要があり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0009】
そこで本発明においては、多色同時表示が可能で、画像の安定性に優れ、安価なフルカラーの磁気泳動を用いた表示媒体、表示装置およびこれらを用いた表示方法を提供することとした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、非磁性材料よりなる支持体上に記録層を有する表示媒体であって、記録層には、複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列されてなり、微小空隙部材の内部には、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、上記熱溶融性有機化合物は複数色のいずれかの色に着色されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなり、記録層に対して磁場を印加した状態で、上記記録層の表示目標場所を上記熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱し、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散させた白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行う書き換え可能な表示媒体を提供する。
【0011】
また、本発明においては、非磁性材料よりなる支持体上に複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列され記録層を有し、微小空隙部材の内部においては、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなる構成の表示媒体と、当該表示媒体の記録層に対して磁場を印加する磁場印加手段と、記録層を加熱する加熱手段とを有し、磁場印加手段により磁場を印加した状態で、加熱手段により記録層の表示目標場所を熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱して、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散された白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行う表示装置を提供する。
【0012】
また、本発明においては、非磁性材料よりなる支持体上に、複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列された記録層を有し、微小空隙部材の内部においては、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなる構成の表示媒体を用いて、記録層に対して磁場を印加し、磁場の印加状態で、記録層の表示目標場所上記熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱し、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散された白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行う表示方法を提供する。
【0013】
本発明によれば、簡易な手法により色調が鮮明で、高解像度のフルカラー表示を行うことができ、かつ急峻かつ鮮明な画像表示の消去を行うことができる書き換え可能な表示媒体、表示装置および表示方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明の可逆性多色記録媒体は、以下の例に限定されるものではない。
【0015】
図1に本発明の表示媒体の一例の概略断面図を示す。
図1に示すように本発明の表示媒体10は、支持体11上に記録層12および保護層13が積層形成された構成を有している。記録層12は、内部に空隙を有する微小空隙部材14が充填配列された構成を有し、微小空隙部材14内には白色磁性粒子20が、任意の色に着色された常温で固相状態を示す熱溶融性有機化合物21〜23に分散されているものとする。
以下、本発明の表示媒体10について詳述する。
【0016】
支持体11は非磁性材料によって形成されるものとし、形成用材料としては例えばポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラミックス等を単独または組み合わせたものを適用できる。
また支持体11の形状については、カード状、シート状、フィルム状等の従来公知の形状を用途に応じて選択できるものとし、用途に応じて要求される従来公知の物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性等を付加させたものとしてもよい。
【0017】
記録層12は、内部に空隙を有する微小空隙部材14が充填配列された構成を有している。
なお図1に示す表示媒体において微小空隙部材14は、支持体11上に平面状に充填配列されているが、表示画像の鮮明さや解像度を考慮した上で、積層された構成とすることもできる。
微小空隙部材14は特に限定されるものではないが、例えば分散媒を封入することが可能なマイクロカプセル、キャピラリー、あるいはセル等を適用することができ、微小空隙構造を形成することができるものであれば、従来公知のものをいずれも適用することができる、空隙構造をより微細に形成することによって、最終的に得られる表示媒体10および表示装置における解像度を向上させることができる。
【0018】
上記微小空隙部材14内においては、任意の色、例えば3原色であるイエロー、マゼンダ、シアンのそれぞれに着色された、常温で固相状態を示す第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23が封入されており、この熱溶融性有機化合物21〜23には白色磁性粒子20が分散されている。
なお熱溶融性有機化合物は、イエロー、マゼンダ、シアンの各色に限定されず最終的に得られる表示媒体において表示したい色に応じて任意の色に選定する。
【0019】
白色磁性粒子20形成用材料としては、例えば鉄、ニッケル、鉄・ニッケル合金、鉄・ニッケル・クロム合金等のステンレススチール、コバルト、コバルト・アルミニウム合金、サマリウム・コバルト合金等が挙げられ、これらの微粒子を、アトマイザーやハンマーミル等を用いてフレーク状としたものを白色磁性粒子20の芯材料として適用することができる。
【0020】
白色磁性粒子21〜23は、上記磁性の芯材料に例えばTiO2等酸化物とポリエステルあるいはアクリル樹脂等からなる合成樹脂で被覆したり、その他従来公知の各種染料を塗布したりすることにより形成される。着色方法についても何ら限定されるものではなく従来公知の方法を適用することができる。
上記白色磁性粒子20は、後述する磁気印加による移動のしやすさや表示媒体10における画像コントラスト等を考慮し、粒径が5〜30μmのものが好適である。また白色磁性粒子21〜23の形状は、球状、針状等、磁気印加による移動を妨げない形状であれば、従来公知の各種形状を適用できる。
【0021】
上記白色磁性粒子20を分散する第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23は、それぞれ、常温(約10〜30℃程度)で固相状態を示し、常温以上に加熱された温度(約35〜120℃程度)で流動状態となるものであるとし、例えばパラフィンワックス、カルナバワックス等の天然あるいは合成ワックス、天然あるいは合成樹脂、またはカルボン酸エステル等を単独で、あるいは混合して適宜用いることができる。特に固相状態から流動状態への変化が、温度変化に応じて急峻であるものが好適である。
【0022】
なお、第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23は、それぞれ異なる任意の色に着色されているものとし、この例においては上述したように3原色であるイエロー、マゼンダ、シアンに着色されているものとする。これら色によって区別される第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23の融点は色毎に異なるものとなるように選定し、例えば、第1の熱溶融性有機化合物21の融点をT1、第2の熱溶融性有機化合物22の融点をT2、第3の熱溶融性有機化合物23の融点をT3としたとき、T1>T2>T3となるようなものを選定する。
【0023】
具体的には、イエローの第1の熱溶融性有機化合物21は融点が90℃程度、マゼンダの第2の熱溶融性有機化合物22は融点が65℃程度、シアンの第3の熱溶融性有機化合物23は融点が40℃程度のパラフィンワックスをそれぞれ適用することができる。
なお第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23の融点は、例えば分子構造中の炭化水素鎖の数を選定することによって好適な範囲のものに特定することができる。
【0024】
上記第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23の着色には、顔料あるいは染料を適用することができる。顔料は単独であるいは樹脂との混練物を適用することができ、染料はアゾ染料やフタロシアニン系染料を適用することができる。これらを第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23に分散させたり、あるいは相溶性のあるものを選定したりすることによって着色することができる。
【0025】
上述したような白色磁性粒子20および第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23を封入しているいわゆる殻物質である微小空隙部材14は、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂等の従来公知の樹脂材料を単独であるいは2種以上混合した材料によって形成することができる。
【0026】
上記微小空隙部材14としては、上述した白色磁性粒子20、第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23を主成分とするいわゆる芯物質が封入されてなるマイクロカプセルが好適に用いられるが、このようなマイクロカプセルの製造方法としては下記のようなものが挙げられる。
【0027】
例えば、ポリマー溶液に分散させた上記芯物質のまわりにポリマーの濃厚相を分離させる相分離法、ポリマー溶液中の上記芯物質のまわりにポリマーの硬化試験薬等によりポリマーを硬化させる液中硬化被膜法、芯物質を分散させたエマルジョンの内相、あるいは外相のいずれか一方からモノマーや重合触媒を供給し、上記芯物質の表面をポリマーで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させたエマルジョンの内相と外相の両方からモノマーを供給する界面重合法等のマイクロカプセル化技法が好適であるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0028】
上記方法のうち、特にインシチュー重合法、あるいは相分離法を用いて製造することにより、粒径の揃った、かつ上記白色磁性粒子20が均一に分散されたマイクロカプセルを製造することができる。これらの方法において適用する重合性モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンおよびその誘導体、イソシアネート、各種アミン、エポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
【0029】
上述したような例えばマイクロカプセルよりなる微小空隙部材14を所定のバインダーに分散させ、これを支持体11上に塗布することによって記録層12が形成できる。バインダーとしては、例えば水系バインダー、溶剤系バインダー、エマルジョン系バインダー等を適用することができる。
【0030】
具体的に記録層12は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の従来公知の印刷方式や、ロール塗布法、ナイフエッジ法等の塗布方式、上記マイクロカプセル等の微小空隙部材14を混入した転写シートによる転写方式、また上述したマイクロカプセル等を混入したインクを支持体11上に吹き付けるインクジェット方式、支持体11と後述する保護層13との間に上述したマイクロカプセル等を混入した溶液を充填する方式等の各種方法によって作製することができ、目的とする表示媒体10の用途や数量に応じて適宜選択することができる。
【0031】
次に保護層13について説明する。
保護層13形成用材料としては、例えばエポキシ樹脂、テトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、天然樹脂等が挙げられる。
保護層13は、支持体11上に形成された記録層12を保持するとともに、外部から微小空隙部材14内に封入された白色磁性粒子20が視認できるような光透過性を有しているものとすることが必要である。
なお表示媒体10としての表示面の機械的な強度を保持するため、適宜必要な膜厚を選定して形成する。
【0032】
次に、上述した本発明の表示媒体10に画像形成を行う表示装置、およびこれらを用いた画像表示方法について説明する。
本発明の表示装置の一例の概略構成図を図2に示す。
本発明の表示装置30は、図1に示した表示媒体10と、磁場を印加する磁場印加手段31と、加熱手段32とを有しているものである。
磁場印加手段31は、記録層12の白色磁性粒子20に対して磁場を印加する機能を有し、加熱手段32は、記録層12の第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23に対して加熱する機能を有している。
なお図2においては、磁場印加手段31および加熱手段32が表示媒体10の保護層13に面した側に配置されている状態を示したが、これらはそれぞれ独立して支持体11に面した側に配置するようにもでき、後述する画像形成の表示色に応じて適宜移動できるようになされている。
【0033】
次に上述した本発明の表示媒体10および表示装置30を用いて画像表示を行う方法について説明する。
この例においては、図1に示した表示媒体10において3原色表示を行うものとし、第1の熱溶融性有機化合物21はイエロー、第2の熱溶融性有機化合物22はマゼンダ、第3の熱溶融性有機化合物23はシアンにそれぞれ着色したものを適用した。
【0034】
上記のようにイエロー、マゼンダ、シアンに着色されている第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23は、それぞれ異なる微小空隙部材14内に封入されているものとし、これらの色により区別される微小空隙部材14内に封入された熱溶融性有機化合物21〜23融点は色毎に異なるものとなるように選定し、第1の熱溶融性有機化合物21の融点をT1、第2の熱溶融性有機化合物22の融点をT2、第3の熱溶融性有機化合物23の融点をT3としたとき、T1>T2>T3となるようにした。
【0035】
次に具体的な表示方法について説明する。
先ず図2に示す状態においては、3種類の微小空隙部材14中に封入された白色磁性粒子20が、全て保護層13側すなわち表示面側にあり、すべての微小空隙部材14が白表示を行っているので全面にホワイト表示(消去状態)がなされている。
【0036】
イエローの表示を行う場合には、先ず図3に示すように、加熱手段32によって、第1の熱溶融性有機化合物21の融点T1よりも高い温度(t>T1)に加熱し、全ての微小空隙部材14中の熱溶融性有機化合物21〜23を溶融させる。そして磁場印加手段31を支持体11側、すなわち表示面側とは反対側に配置して磁場を印加し、白色磁性粒子20を磁気泳動させる。このようにすると白色磁性粒子20が全て支持体11側に移動し、表示面側からは着色された第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23の色が全て視認されることになり、全面に黒色表示がなされた状態となる。
次に図4に示すように、加熱手段32により、第1の熱溶融性有機化合物21の融点T1よりも低く、第2の熱溶融性有機化合物22の融点T2よりも高い温度(T1>t>T2)にして、第1の熱溶融性有機化合物21のみを固化させ、第2、第3の熱溶融性有機化合物22、23は溶解させた状態とする。そして磁場印加手段31を保護層13側、すなわち表示面側に配置して磁場を印加し、第2、第3の熱溶融性有機化合物22、23に分散させた白色磁性粒子20を保護層13側に泳動させる。
このようにすると、表示面側には第2、第3の熱溶融性有機化合物22、23に分散させた白色磁性粒子20が定着し、イエローに着色された第1の熱溶融性有機化合物21の色のみが視認できるようになるので、表示面にイエローの表示を行うことができる。
【0037】
次に、マゼンダの表示を行う場合について説明する。
先ず、図2に示すように全面にホワイト表示(消去状態)がなされた状態とする。次に図5に示すように、加熱手段32によって、第1の熱溶融性有機化合物21の融点T1よりも低く、第2の熱溶融性有機化合物22の融点T2よりも高い温度(T1>t>T2)とし、第2および第3の熱溶融性有機化合物22、23を溶解させた状態とする。そして磁場印加手段31を支持体11側すなわち表示面側とは反対側に配置して磁場を印加し、第2および第3の熱溶融性有機化合物22、23に分散させた白色磁性粒子20を支持体11側に泳動させる。このようにすると図5に示すように第1の熱溶融性有機化合物21に分散させた白色磁性粒子20のみが表示面側に定着した状態となるので、第2および第3の熱溶融性有機化合物22、23の色であるマゼンダとシアンとの混色表示がなされた状態となる。
次に図6に示すように、加熱手段32により第2の熱溶融性有機化合物22の融点T2よりも低く、第3の熱溶融性有機化合物23の融点T3よりも高い温度(T2>t>T3)にして、第1の熱溶融性有機化合物21と第2の熱溶融性有機化合物22を固化させ、第3の熱溶融性有機化合物23のみを溶解させた状態とする。
そして磁場印加手段31を保護層13側すなわち表示面側に配置して磁場を印加し、第3の熱溶融性有機化合物23に分散させた白色磁性粒子20を保護層3側に泳動させる。このようにすると、第1および第3の熱溶融性有機化合物21、23に分散させた白色磁性粒子20が表示面に定着した状態となるので、第2の熱溶融性有機化合物22の色であるマゼンダの表示を行うことができる。
【0038】
次に、シアンの表示を行う場合について説明する。
先ず、図2に示すように全面にホワイト表示(消去状態)がなされた状態とする。
次に図7に示すように、加熱手段32により第2の熱溶融性有機化合物22の融点T2よりも低く、第3の熱溶融性有機化合物23の融点T3よりも高い温度(T2>t>T3)にして、第1の熱溶融性有機化合物21と第2の熱溶融性有機化合物22を固化させ、第3の熱溶融性有機化合物23のみを溶解させた状態とする。
そして磁場印加手段31を支持体11側すなわち表示面側とは反対側に配置して磁場を印加し、第3の熱溶融性有機化合物23に分散させた白色磁性粒子20を支持体11側に泳動させる。このようにすると、図7に示すようにシアンに着色された第3の熱溶融性有機化合物23に分散させた白色磁性粒子20のみが支持体11側に定着された状態となるので、表示面に第3の熱溶融性有機化合物23の色であるシアンの表示を行うことができる。
【0039】
上述したように、本発明の表示媒体10および表示装置30においては、磁場を印加し、第1〜第3の熱溶融性有機化合物21〜23のそれぞれの融点に応じた温度で加熱して、これら熱溶融性有機化合物を選択的に溶融せしめて、溶融した熱溶融性有機化合物に分散された白色磁性粒子20を選択的に移動させることによって、最終的に3原色の所望の色や、組み合わせによる中間色の表示、あるいはこれらの表示の消去を行うことができる。
【0040】
本発明の表示媒体10および表示装置30は、具体的にポイントカード、診察券、定期券等の各種カード類、記録用掲示板、広告板、メモ板、黒板、ホワイトボード、携帯用メモ帳、幼児用玩具、教材、習字板、各種ゲーム機用表示板等に応用することができる。
【0041】
次に本発明の表示媒体、表示装置およびこれらを用いた表示方法について、具体的な実施例を挙げて説明するが本発明は以下に示す例に限定されるものではない。
【0042】
〔実施例〕
(表示媒体の作製)
先ず、イエローに着色された熱溶融性有機化合物が封入されたマイクロカプセルを作製する。
70%のFeを主成分とする白色の着色磁性微粒子5重量部を、100℃に加熱し融解したイエローに着色された融点90℃のパラフィンワックス6重量部中に均一に分散し、この分散液を95℃に加熱した10%ゼラチン水溶液200重量部中で、ホモジナイザーを用いて回転速度2000rpmで、平均粒径75μmになるまで約5分間分散処理を行った。
上記のようにして得られた分散液に、10%アラビアゴム水溶液200重量部を混合し、さらに水1000重量部を添加し、40℃に保持し、10%酢酸水溶液を滴下しpHが4になるように調節した。その後液温を7℃に冷却し、30%ホルマリン水溶液10重量部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが9になるように調節し、ゼラチン、アラビアゴムの殻のマイクロカプセルAを作製した。
【0043】
上記イエローに着色された融点90℃のパラフィンワックスに代えて、マゼンダに着色された融点65℃のパラフィンワックスを適用して、上述した工程と同様の工程により、マゼンダに着色された熱溶融性有機化合物が封入されたマイクロカプセルBを作製した。
【0044】
上記イエローに着色された融点90℃のパラフィンワックスに代えて、シアンに着色された融点40℃のパラフィンワックスを適用して、上述した工程と同様の工程により、シアンに着色された熱溶融性有機化合物が封入されたマイクロカプセルCを作製した。
【0045】
次に、厚さ30μmの透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上に、上述のようにして作製したマイクロカプセルA、B、Cをポリビニルアルコール水溶液に均一に分散した塗液を塗布し記録層を形成した。
さらに記録層上にアクリル樹脂を用いて膜厚3μmの保護層を形成し、目的とする本発明の表示媒体10を作製した。
【0046】
(表示の消去状態とする)
上述のようにして作製した表示媒体の全面を、保護層側すなわち表示面側から磁場印加し、さらに95℃で全面加熱を行った。このようにすることにより、全てのマイクロカプセル中のパラフィンワックスが溶融し、各白色磁性粒子が磁気泳動により表示面側に移行した。
これにより表示面側からは白色磁性粒子の色のみが視認できるようになり、この状態で加熱および磁場印加を停止することによって、パラフィンワックスが固化し、消去状態(白色)の表示媒体10が得られる。
【0047】
(黒色表示を行う)
上述のようにして作製した表示媒体の全面を支持体側、すなわち表示面とは反対側から磁場印加し、表示を行いたい場所のみを選択的にサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段により90℃以上の温度に加熱する。
このとき加熱した箇所の全てのマイクロカプセル中のパラフィンワックスが溶融し、各白色磁性粒子が磁気泳動により表示面とは反対側に移行した。
これにより表示面側からはイエロー、マゼンダ、シアンの各熱溶融性有機化合物の色が視認できるようになり、この状態で加熱および磁場印加を停止することによって、パラフィンワックスが固化し、視覚的に黒色に表示された表示媒体10が得られる。
【0048】
(イエローの表示を行う)
上述のようにして作製した表示媒体の全面を支持体側、すなわち表示面側とは反対側から磁場印加し、表示を行いたい場所のみを選択的にサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段により90℃以上の温度に加熱する。このとき加熱した箇所の全てのマイクロカプセル中のパラフィンワックスが溶融し、各白色磁性粒子が磁気泳動により支持体側に移行した。
次に、磁場印加手段を表示面側に配置し、表示を行いたい場所のみを選択的に、加熱手段により65℃以上90℃以下の温度になるように調節した。これにより、マゼンダ、シアンに着色されたパラフィンワックスのみが溶融した状態になり、これらマゼンダ、シアンのパラフィンワックスに分散させた白色磁性粒子が磁気泳動により表示面側に移行した。
この状態で加熱および磁場印加を停止することによって、パラフィンワックスが固化し、視覚的にイエローに表示された表示媒体10が得られる。
【0049】
(マゼンダの表示を行う)
上述のようにして作製した表示媒体を最初に消去状態(白色表示)としておく。次に磁場印加手段を支持体側すなわち表示面とは反対側に配置して磁場印加を行い、表示を行いたい場所のみを選択的にサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段により65℃以上90℃以下の温度に加熱する。これによってマゼンダ、シアンに着色されたパラフィンワックスのみが溶融した状態になり、マゼンダ、シアンのパラフィンワックスに分散させた各白色磁性粒子が磁気泳動により支持体側に移行した。
次に磁場印加手段を表示面側に配置し、表示を行いたい場所のみを選択的にサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段により40℃以上65℃以下の温度に調節し、磁場印加を行った。これにより、シアンに着色されたパラフィンワックスのみが溶融した状態になり、シアンのパラフィンワックスに分散させた白色磁性粒子が磁気泳動により表示面側に移行した。
この状態で加熱および磁場印加を停止することによって、パラフィンワックスが固化し、視覚的にマゼンダに表示された表示媒体10が得られる。
【0050】
(シアンの表示を行う)
上述のようにして作製した表示媒体を最初に消去状態(白色表示)としておく。
磁場印加手段を支持体側、すなわち表示面の反対側に配置して磁場印加を行い、表示を行いたい場所のみを選択的にサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段により40℃以上65℃以下の温度に加熱する。これによってシアンに着色したパラフィンワックスのみが溶融した状態になり、シアンのパラフィンワックスに分散させた白色磁性粒子が磁気泳動により支持体側に移行した。
この状態で加熱および磁場印加を停止することによって、パラフィンワックスが固化し、視覚的にマゼンダに表示された表示媒体10が得られる。
【0051】
(中間色の表示を行う)
上述したようなイエロー、マゼンダ、およびシアンの表示を組み合わせることによって、任意の中間色の表示を行うことができ、フルカラー画像の表示も可能となる。
【0052】
上述した本発明の表示媒体および表示装置を用いた画像表示のメカニズムによれば、各色の熱溶融性有機化合物を封入したマイクロカプセル等の微小空隙部材の大きさ、およびこれに対する加熱処理を施すサーマルヘッド等の加熱手段の解像度を制御することによって、表示媒体の解像度の向上を図ることができる。
【0053】
上述した画像表示の例においては、図1の表示媒体10の微小空隙部材14に封入された熱溶融性有機化合物の色を、イエロー、マゼンダ、シアンとした場合について説明したが、本発明は上述した例に限定されるものではなく、最終的に得られる表示画面上で表示したい色に応じて任意の色の熱溶融性有機化合物を選定することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、磁場を印加した状態で、サーマルヘッド等の加熱手段によって、記録層を構成する微小空隙部材内に封入された熱溶融性有機化合物を選択的に溶融せしめて、この熱溶融性有機化合物に分散させた白色磁性粒子を選択的に移動させるようにしたことにより、色調が鮮明で、高解像度のフルカラー表示を行うことができ、かつ急峻かつ鮮明な画像表示の消去を行うことができる書き換え可能な表示媒体、表示装置および表示方法を提供することができた。
【0055】
特に本発明においては、色毎に異なった融点を有する熱溶融性有機化合物を適用したことにより、加熱温度を制御するのみで一色毎に画像表示を行うことができ、色の混在がなく、鮮明なカラー画像表示が可能となった。
【0056】
また、熱溶融性有機化合物に分散させる磁性粒子として白色のものを適用したことにより、各色とのコントラストがとれ、解像度が高く、より鮮明な画像表示が可能となった。
【0057】
また、本発明の表示媒体および表示装置によれば、熱溶融性有機化合物を溶融させる程度の比較的低温の加熱と、磁気印加とを組み合わせて行うことによって簡易に画像表示を行うことができるため、エネルギー消費量が極めて少なく鮮明な画像表示を行うことが可能となった。
【0058】
また、本発明の表示媒体および表示装置によれば、微小空隙部材内で白色磁性粒子が常温で固相状態を示す熱溶融性有機化合物よりなる分散媒に分散され、記録消去時以外は固定された状態となっているため、情報記録後に外部から磁気を印加されても、白色磁性粒子は移動することがなく、極めて安定した記録状態が得ることができた。
【0059】
また、本発明の表示媒体および表示装置および表示方法においては、加熱手段の操作によって溶融させた熱溶融性有機化合物に分散させた白色磁性粒子を磁気印加により移動させることによって画像の形成および消去を行うので、加熱手段の操作精度を高くすることにより、極めて微細な画像も形成可能となった。
【0060】
また、本発明の表示媒体を構成する記録層は、微小空隙部材を含有する塗液を支持体上に塗布することによって形成することができるので、極めて簡易な製造工程によって作製することができ、かつ極めて低コストで製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示媒体の概略断面図を示す。
【図2】本発明の表示装置の概略断面図を示す。
【図3】本発明の表示媒体および表示装置における画像形成を行う状態図を示す。
【図4】本発明の表示媒体および表示装置における画像形成を行う状態図を示す。
【図5】本発明の表示媒体および表示装置における画像形成を行う状態図を示す。
【図6】本発明の表示媒体および表示装置における画像形成を行う状態図を示す。
【図7】本発明の表示媒体および表示装置における画像形成を行う状態図を示す。
【符号の説明】
10……表示媒体、11……支持基板、12……記録層、13……保護層、14……微小空隙部材、20……白色磁性粒子、21……第1の熱溶融性有機化合物、22……第2の熱溶融性有機化合物、23……第3の熱溶融性有機化合物、30……表示装置、31……磁場印加手段、32……加熱手段

Claims (9)

  1. 非磁性材料よりなる支持体上に記録層を有する表示媒体であって、
    上記記録層には、複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列されてなり、
    上記微小空隙部材の内部においては、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、
    上記熱溶融性有機化合物は複数色のいずれかの色に着色されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなり、
    上記記録層に対して磁場を印加した状態で、上記記録層の表示目標場所を上記熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱し、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散させた白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行うことを特徴とする書き換え可能な表示媒体。
  2. 上記記録層を構成する上記微小空隙部材が、上記支持体上において平面状に充填配列されていることを特徴とする請求項1に記載の書き換え可能な表示媒体。
  3. 上記熱溶融性有機化合物は、3原色のいずれかに着色されてなことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の書き換え可能な表示媒体。
  4. 上記常温において固相状態を示す熱溶融性有機化合物の融点が、35℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の書き換え可能な表示媒体。
  5. 非磁性材料よりなる支持体上に、複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列された記録層を有し、上記微小空隙部材の内部には、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなる構成の表示媒体と、
    上記記録層に対して磁場を印加する磁場印加手段と、
    上記記録層を加熱する加熱手段とを有し、
    上記磁場印加手段により上記記録層に対して磁場を印加した状態で、上記加熱手段により、上記記録層の表示目標場所を上記熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱して、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散された白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行うことを特徴とする表示装置。
  6. 上記記録層を構成する微小空隙部材が、上記支持体上において平面状に充填配列されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 上記熱溶融性有機化合物は、3原色のいずれかに着色されてなことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
  8. 上記熱溶融性有機化合物の融点が、35℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の表示装置。
  9. 非磁性材料よりなる支持体上に記録層を有し、上記記録層には、複数の内部に空隙を有する微小空隙部材が配列されてなり、上記微小空隙部材の内部においては、それぞれ白色磁性粒子が、常温において固相状態を示す任意の色に着色された熱溶融性有機化合物に分散されてなり、当該色により区別される上記微小空隙部材内に封入された上記熱溶融性有機化合物の融点が、色毎に異なるものとなるように選定されてなる構成の表示媒体を用いて、
    上記記録層に対して磁場を印加し、上記記録層の表示目標場所を上記熱溶融性有機化合物の複数の融点で区切られる複数の温度領域から選択される一の温度領域に応じた温度で加熱し、任意の熱溶融性有機化合物を溶融することによって、当該溶融した熱溶融性有機化合物に分散された白色磁性粒子を選択的に移動させて、画像表示を行うことを特徴とする表示方法。
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