JP4123538B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録媒体に関し、特に非磁性支持体上に磁性体微粉末と結合剤を溶剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布してなる塗布型磁気記録媒体に関するものである。より詳しくは、ビデオテープ、オーディオテープ、フロッピディスク、コンピュータ用データストレージテープ等に使用され、その電磁変換特性および耐久性の向上を図った磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンVTRやデジタルVTRに代表される高性能化に伴い、磁気記録媒体の特性向上が求められている。このため、塗布型より高出力な電磁変換特性が得られる蒸着型の磁気記録媒体の開発が盛んに行なわれている。
【0003】
しかしながら、蒸着型の磁気記録媒体は、鉄やコバルト、ニッケルのような磁性を有する金属を非磁性支持体上に真空中で蒸着して形成するため、その磁性表面においては表面エネルギーが高く、摩擦から生ずる耐久性の劣化が問題となっている。
【0004】
さらに、蒸着工程では、真空装置や金属を蒸気にするためのレーザーなどの複雑で高価な装置を必要とし、また生産性も他の塗布型の磁気記録媒体と比較して悪い。
【0005】
このため、高性能な塗布型の磁気記録媒体の開発が盛んに検討されてきた。近年では、高密度大容量を目指して、より記録波長の短波長化が進んでいるため、使用される磁性粉のサイズも微粒子化が図られている。
【0006】
このような状況の中で、これら高性能微粒子を充分に分散させる上で重要な課題となる技術として、分散性と耐久性とを兼ね備えた磁気記録用バインダー樹脂の開発が望まれている。
【0007】
従来、磁気記録用バインダー樹脂として一般的な樹脂としては、塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂(特開平5−319777号公報)、フェノキシ樹脂、ポリアセタール樹脂(特開平5−329318号公報)等があり、これらを単独または混合して使用している。
【0008】
これらの樹脂の中で、ポリウレタン樹脂は、広範囲の物性を有し各種の官能基の導入が可能であるため、これまで数多くの検討がなされてきた。また、高性能な磁気記録媒体を得るためには、各種の樹脂成分との溶解性を改善し、かつ、低粘度、高固形分分散を可能とするため樹脂の低粘度化が必要になる。
【0009】
例えば、特開平7−235044号公報では、極性基として三級アミンを極性基として有するポリウレタン樹脂を用いることにより優れた電磁変換特性が得られることが開示されている。さらに、近年では、使用される磁性粉のサイズも微粒子化が図られているため、低粘度、高固形分での分散が必要とされている。このため、例えば、特開平3−190983号公報および特開平3−203811号公報ではアルキルホスフィン基を導入した特定の組成のポリウレタン樹脂を用いる方法が開示されている。
【0010】
同様に、分散性に効果のある結合剤としては、特開平7−50010号公報では、特定のアミンを用いたウレタンウレアについて開示してあり、これまでも多くの検討がなされてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで検討されてきたいずれの結合剤でも、分散性をよくするためには、極性基導入量が多量になることから、バインダー樹脂粘度が高くなり製造上の取扱い性も悪くなることが知られており、充分な効果が得られないことが多かった。
【0012】
また、樹脂粘度に関しても、数種類の結合剤と混合した場合、良好に混合されず磁性塗料のチキソ性が大きくなるため、高速塗布が図られず生産性が悪くなることがあった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の欠点を改善するためになされたものであって、ビデオテープやオーディオテープ、コンピュータテープ等の磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能向上を図った磁気記録媒体の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、非磁性支持体上に、磁性体微粉末と結合剤を溶剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布してなる塗布型磁気記録媒体において、
前記結合剤は、以下の化学式のうちの少なくとも一方で示した脂環族骨格を有するグリコール成分とフタル酸系の酸成分とを化学構造として含有するポリエステルから形成されるポリエステルポリウレタン樹脂であり、該ポリエステルポリウレタン樹脂は、さらに三級アミンまたは四級アンモニウム塩を化学構造として含有することを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
【0015】
【化2】
【0016】
このような構成において、六員環の脂環族であるシクロヘキサン骨格は、熱力学的に安定な椅子型(チェアー型)と立体障害により、船型(ボート型)、ねじれ型(ツイストボート型)等、特定の形状で安定することから、立体的にリジットな骨格である。また、エーテル結合やエステル結合などと比較して、炭素−炭素の結合のみであることから、化学的にも安定である。
【0017】
このような特定構造の脂環族骨格を有するポリウレタン樹脂を用いることにより、化学的に安定し、分散性を高め電磁変換特性の向上等のための極性基を導入してもバインダー粘度の過度な上昇等の弊害を来すことなくハンドリング性を向上させて、電磁変換特性の向上を図ることができる。
【0018】
また、このように立体的にリジットな構造をしていることから、シクロヘキサン骨格を有するポリマー樹脂は、一般にそのガラス転移温度(Tg)が高くなり、硬くて強靭なものとなる。これにより、磁気テープ等の磁気記録媒体を構成した場合に、特に摩擦によるテープの局部的な温度上昇に対する劣化が防止され耐久性の向上が図られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明で使用されるポリウレタン樹脂の原料となるポリエステル樹脂について述べる。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とグリコールがエステル化反応により脱水縮合することにより得られる樹脂化合物である。一般的にはエステルの両末端は水酸基として、後のウレタン化反応の際の反応点となる。
【0020】
本発明では、フタル酸またはアジピン酸等のジカルボン酸を酸成分とし、グリコール成分として前記化学式(1)に示した脂肪族系グリコールを用いる。この化学式(1)で表わされるグリコール成分としては、シクロヘキサンの1,4−、1,2−置換体であり、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール(1,4−CHDM)、シクロヘキサン−1,2−ジメタノール等がある。
【0021】
ここで、シクロヘキサンの1,4−置換体は、その他の置換体と比べてより樹脂のTgが高くなることから、耐久性に効果がある。一方、1,2−置換体は樹脂骨格が折れ曲った形となることから、Tgは低くなるが、樹脂の粘度も低くなる傾向がある。
ここで、この六員族の脂環族であるシクロヘキサン骨格を有するグリコール成分は、ケトン系及びトルエン系の有機溶剤に対して溶解性が悪いことから、原料ポリエステル中に導入できる量が限定されてくる。
【0022】
このため、本発明において使用されるポリウレタン樹脂の原材料ポリエステルでは、前記化学式(1)で示されるグリコール成分のモル比はジカルボン酸成分1モルに対して、0.8モル以下が好ましい。0.8モルより大きい比率で得られたポリエステルは、ケトン系有機溶媒に対して難溶であることから、後のウレタン化反応が出来ない弊害が生じる。
【0023】
以上のことから、本発明において使用される原料ポリエステルの組成としては、フタル酸、アジピン酸等の酸成分を1モルとしたときの組成比で、前記化学式(1)の脂環族系グリコールは0.8〜0.1が好ましく、より好ましくは0.6〜0.3である。比率が高くなる程、得られた樹脂のTgは高く、かつ、可塑化されにくくなるが、一方では溶解性は悪くなる。逆に、少ない場合には脂環族系グリコールを添加することによる十分な特性が得られない。
【0024】
本発明において、脂環族系グリコールと組み合わされるグリコール成分としては、公知の原料が使用できる。例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール(以下1,2PGと略称する)、1,4−ブリレングリコール(以下1,4−BGと略称する)、1,5−ペンタングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略称する)、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン(以下TMPと略称する)、グリセリン、ヘキサントリオールその他のグリコール及びトリオール等がある。
【0025】
また、本発明で使用されるポリエステルは、フタル酸系のポリエステル(フタレート)が有効であり、フタレートはベンゼン環を有することより、アジペート等と比較してリジットな分子構造となり、樹脂のTgが高く、最終的な磁気記録媒体の耐久性に効果がある。また、使用されるジカルボン酸は、テレフタル酸(以下TPと略称する)、イソフタル酸(以下IPと略称する)、オルトフタル酸等のフタル酸誘導体以外の、例えば、コハク酸、アジピン酸(以下AAと略称する)、セバシン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等を含んでも構わない。
【0026】
ポリエステルの水酸基価は、単位重量当たりの総水酸基当量で、単位としてはKOH(水酸化カリウム)の当量で表わし、K0Hmg/gを用いる。ポリエステルの分子量は、両末端が水酸基であるものとして換算して、この水酸基価より求められる。
【0027】
本発明において、ポリエステルの水酸基価は10〜500KOHmg/gが好ましく、より好ましくは50〜300KOHmg/gである。水酸基価が低い場合には、ポリエステルの分子量が高くなり、ポリエステル自身の合成が困難になるとともに、ウレタン化後のウレタン基の導入量が減少し、分子間の水素結合によるネットワークが少なくなり、ポリウレタン樹脂層の強靭性や強い凝集力が減少し好ましくない。
【0028】
またこれとは逆に水酸基価が高すぎると、ポリウレタン樹脂は硬くなる傾向がある。このポリエステルの水酸基価は用途により適当に選択する必要があり、耐熱性や凝集エネルギーを高めるには、より水酸基価が高く、分子内に硬化剤との架橋点を多く有する物を用いることが望ましい。
【0029】
次に、本発明に使用されるポリウレタン樹脂について述べる。
【0030】
ポリウレタン樹脂は、原料となる活性水素化合物とジイソシアネートからなる樹脂化合物であり、本発明において使用される活性水素化合物としては、前記化学式(1)で示した脂環族骨格を有するグリコールとジカルボン酸からなるポリエステルと、水または分子量62〜250のグリコールからなる。また、極性基導入源として、三級アミンまたは四級アンモニウム塩を含有したポリエステルや、三級アミンまたは四級アンモニウム塩を含有する単分子のグリコールを含有する。
【0031】
具体的な水または分子量62〜250のグリコール成分としては、前記ポリエステルの原料として挙げた低分子ポリオールすなわち、水、エチレングリコール(EG)、1,3−プロピレングリコール(PG)、1,2−PG、1,4−ブタンンジオール(BG)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール(HG)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。
【0032】
ジイソシアネート化合物として例えば、2,4−トルエンジイソシアネート(以下2,4−TDIと略称する)、2,6−トルエンジイソシアネート(以下2,6−TDIと略称する)、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略称する)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’―ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略称する)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略称する)、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネート等がある。
【0033】
極性基の導入方法としては、ブチレンアジペート等のポリエステル中に三級アミンもしくは四級アンモニウム塩含有グリコールをエステル交換したり、三級アミンもしくは四級アンモニウム塩含有グリコールもしくはアミンの活性水素にカプロラクトンなどを数モルずつ付加したりすることで得られるポリマー成分を原料とし、ウレタン化反応を行うことで容易に可能である。
【0034】
また、より一般的には極性基含有グリコール化合物や極性基含有アミノアルコール化合物または極性基含有ジアミン化合物を鎖延長剤として、直接ウレタン化反応でポリウレタン樹脂中に導入する方法もある。
【0035】
極性基含有活性水素化合物として用いられる三級アミンの種類としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミン等がある。より具体的には、N−メチルジエタノールアミン(NMDEA)、N−メチルジイソプロピルアミン(NMDPA)、ジエチルアミノプロパンジオール(DEAPD)、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ピペラジン、2−メチル−ピペラジン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−メチルアニリン、N−メチルフェニルアミンなどがある。
【0036】
また、四級アンモニウム塩の場合、はじめからアンモニウム塩で導入する方法と、三級アミンでポリウレタン樹脂中に導入した後、アルキル化剤等により四級化する方法があり、合成法上、どちらの場合も有効な方法として用いられる。
【0037】
四級アンモニウム塩としては、脂肪族アミン塩及びその四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、複素環四級アンモニウム塩などがあり、カウンターイオンとしては塩素や臭素、ヨウ素などのハロゲン元素やハロゲン以外のカルボン酸、リン酸などの有機酸でも構わない。一般に、ハロゲンをカウンターイオンとした四級アンモニウム塩を極性基とした場合、保存容器の石油缶などがさびやすくなる弊害がある。
【0038】
より具体的に、三級アミンを四級化するために使用される四級化剤としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化p−トルエンスルホニル、p−トルエンスルホン酸エチル等のアルキル化剤、リン酸トリエステル、オルト酢酸エステル、クロロ炭酸メチルエステル、クロロ炭酸エチルエステル、クロロ炭酸n−プロピルエステル、クロロ炭酸イソプロピルエステル、クロロ炭酸2−エトキシエチルエステル等のクロロ炭酸エステル、モノクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロメタン系カルボン酸及びそのエステル、リン酸トリエステル類などが使用できる。
【0039】
本発明における三級アミン及び四級アンモニウム塩の極性基量は、0.001mmol/g〜1.0mmol/gであり、好ましくは0.01mmol/g〜0.5mmol/gである。極性基量が上記の値より多い場合、塗料の分散性は向上するが、コーティング性は悪くなり、スジが発生しやすくなる傾向がある。少ない場合には、塗料の分散性は悪くなる。
【0040】
次に、本発明のポリウレタン樹脂の製造について詳しく述べる。
ポリウレタン樹脂の合成方法としては、ポリウレタンの原料となる活性水素化合物とジイソシアネートを任意の有機溶媒中で反応されることで得る溶液合成法と、有機溶媒を使用することなしに、原料同士を直接混合、反応させる固形合成法がある。
【0041】
具体的に溶液合成法では、ウレタン原料となるポリエステルポリオールと水または分子量62〜250のグリコール等の活性水素化合物と、ジイソシアネート化合物を、これらを溶解する有機溶媒中で反応させる。また、固形合成法では、前記の活性水素化合物とジイソシアネート化合物を、押し出し機や混練機等で混合することで直接反応させることで、固形状のポリウレタン樹脂を得る。
【0042】
本発明におけるポリウレタン樹脂は、前記のジイソシアネート成分と先述のポリエステルなどの活性水素化合物成分とを、ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対して活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率が1.0を越える活性水素基過剰条件で反応させて得られる。
【0043】
この活性水素基過剰条件は、製造されたポリウレタン前駆体にイソシアネート基が残存せずに活性水素基含有となるのに必要な条件であり、ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対する活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率は、1.0〜2.0が好ましい。ポリイソシアネート成分含有に伴い、イソシアネート基の平均官能基数とトリオール導入等に伴う活性水素化合物成分の平均官能基数によって、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない条件を決定し、この条件を満たすように配合することが重要である。
【0044】
その配合比率はJ.P.Flory、Khum等が理論的に計算しているゲル化理論に従うが、実際は、前記の活性水素化合物とイソシアネート各分子に含まれる反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させることによって、ポリウレタン前駆体はゲル化することなく製造できる。
【0045】
本発明のポリウレタン系成分は、溶融状態、バルク状態で、先述した固形合成法により上記の配合条件範囲で各成分を均一に混合し反応させて製造することができる。
反応装置としては、上記の均一反応が達成できればいかなる装置でも良く、例えば、撹拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸または多軸押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。反応を早く進めるため、触媒として、ポリウレタンの製造において常用される金属触媒やアミン系触媒を用いることもできる。
使用されるポリウレタン樹脂は、数平均分子量5,000〜40,000であるポリウレタン樹脂で、好ましくは数平均分子量10,000〜30,000、より好ましくは数平均分子量15,000〜25,000である。数平均分子量が大きくなると樹脂の溶液粘度が高くなるためハンドリングが悪くなる。
【0046】
次に、本発明の磁気記録媒体の組成配合について述べる。
本発明で使用される強磁性粉末としては、γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなど公知の強磁性材料が使用できる。またこれらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。
【0047】
本発明においてより有用な磁性粉は強磁性の微粒子メタル粉であり、σsが100〜200Am2/kg、BET法による比表面積が45〜60m2/g、抗磁力が90〜200kA/mで顕著な効果がみられる。
【0048】
その他、本発明にかかわる磁気記録媒体において、非磁性支持体、磁性層に混入される強磁性粉末以外の、結合剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、あるいは磁性塗料を調整するのに使用される溶剤は従来公知のものがいずれも適応可能で何ら限定されない。
【0049】
例えば上記非磁性支持体の素材としては、一般に磁気記録媒体に使用されるものを使用することができ、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリコン等である。
【0050】
本発明での当該ポリウレタン樹脂の添加量は、好ましくは磁性体微粉末重量比で1〜20重量部であり、より好ましくは5〜15重量部である。ポリウレタン樹脂が少ない場合、非磁性支持体に対する接着性が悪く、また耐久性が悪くなる。また、ポリウレタン樹脂が多い場合、テープなどの磁気記録媒体では長期保存した場合の粘着による弊害が発生しやすくなる。このため、当該ポリウレタン樹脂と相溶性が良い樹脂を、適量組み合わせて使用される。
【0051】
その他の磁性層に用いる結合剤としては、いずれも公知の材料が使用出来る。即ち、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0052】
なかでも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が望ましい。先述の結合剤は、イソシアネート化合物を架橋させることにより耐久性を向上させたり、あるいは、適当な極性基を導入させたものであってもよい。
【0053】
ここで、場合によっては、接着強度を上げる等の理由で、非磁性支持体と下層との間に、先述した公知の結合剤を主成分とする層(下塗り層)を設けても構わない。
磁性層に用いられるカーボンブラックとしては、どの様なカーボンでも構わない。カーボンブラックは、その製法により、アセチレンブラック、ファーネスブラックなどがある。
【0054】
ここで、DBP吸油量が、30〜150ml/100g、好ましくは50〜150ml/100gで、且つ、平均粒子径が5〜150nm、好ましくは15〜50nmで、BET法による比表面積が40〜300m2/g、好ましくは、100〜250m2/gであるものが効果的である。また、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cc、pHは2.0〜10が好ましい。DBP吸油量がより多いカーボンブラックは粘度が高くなり、分散性が著しく悪化する。少ない場合でも、分散性が悪いため分散工程に時間がかかる。平均粒子径は、より小さいもの程分散時間がかかるが表面性が良く、大きくなる程表面性が悪くなる。このため、先述の範囲が好ましい。
【0055】
以上のような条件を満たすカーボンブラックとしては、例えば、コロンビアンカーボン社製ラーベン(RAVEN)1250(粒径23nm、BET値135.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1255(粒径23nm、BET値125.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1020(粒径27nm、BET値95.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、1080(粒径28nm、BET値78.0m2/g、DBP吸油量65.0ml/100g)、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060、ラーベン3300、ラーベン450、ラーベン780等、または、コンダクテック(CONDUCTEX)SC(粒径20nm、BET値220.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)てもよい。また、旭カーボン社製#80(粒径23nm、BET値117.0m2/g、DBP吸油量113.0ml/100g)、三菱化成製#22B(粒径40nm、BET値5.0m2/g、DBP吸油量131.0ml/100g)、#20B(粒径40nm、BET値56.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)、キャボット社製ブラックパールズ(BLACK PEARLS)L(粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ブラックパールズ800(粒径17.0nm、BET値240.0m2/g、DBP吸油量75.0ml/100g)、ブラックパールズ1000、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ700、ブラックパールズ905等でも良い。
【0056】
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の磁性層側と反対の面に、非磁性のバックコート層を設けても構わない。バックコート層の厚みは、0.1〜2.0μmで、好ましくは0.3〜1.0μmであり、公知のものが使用できる。本発明において用いる潤滑剤としては公知のものが使用できる。例えば、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーン、弗素含有シリコーン、またはその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよび金属塩、ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、並びに炭素数12〜24のアルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸などが使用出来る。
【0057】
本発明において使用される高級脂肪酸エステル成分としては、炭素数12〜32の高級脂肪エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノレイン酸等のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル等がある。具体的な化合物名としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸ブチル等がある。また潤滑剤は、複数の潤滑剤と混合してもかまわない。
【0058】
本発明に使用される研磨剤としては、例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイヤモンド、ケイ石、ガーネット、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、酸化チタン等を主成分にして、モース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せて使用される。
【0059】
これら研摩剤の平均粒径は、0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研摩剤を組合せたり、単独の研摩剤でも粒度分布を広げたりして用いることが出来る。
【0060】
同様に、帯電防止剤としては、先述のカーボンブラックの他に、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が使用できる。
【0061】
本発明においては公知のカップリング剤を使用しても構わない。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。ここで、当該磁性体重量100部に対するカップリング剤の添加量は、0.05〜10.00部が好ましく、より好ましくは0.1〜5.00部である。
【0062】
シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン化合物やβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物やγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメキシシランなどのアミノシラン化合物やγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン化合物などが好適に用いることができる。
【0063】
チタネート系カップリング剤としては、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、ビス[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノレート][2−[(2−アミノエチル)アミノ)エタノレート−0](2−プロパノレート)チタニウム、トリス(イソオクタデカノエート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジトリデシルホスファイト−0”)テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、ビス(ジオクチルホスファイト−0”)テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、トリス(ジオクチルホスファイト−0”)(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジオクチルホスファイト−0”)[1.2−エタンジオレート(2−)−0,0’]チタニウム、トリス(ドデシルベンゼンスルフォネート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、テトラキス[2,2−ビス[(2−プロペニルオキシ)メチル]−1−ブタノレートチタネート等が挙げられ、商品としては、味の素社製、プレンアクトKR TTS、KR 46B、KR 55、KR 41B、KR38S、KR 138S、KR 238S、338X、KR 12、KR 44、KR 9SA、KR 34S等を好適に用いることができる。
【0064】
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、商品としては、味の素社製、プレンアクトAL−M等を好適に用いることができる。
【0065】
磁性塗料を調整する方法としては、いずれも公知の方法が利用できる。例えば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー及び超音波分散機等を用いることが出来る。
【0066】
磁性塗料の塗布では、非磁性支持体上に直接行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体上に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理をほどこしても構わない。
【0067】
非磁性支持体上への塗布の方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、トランスファーロールコート、キャストコート等の方法を挙げることができ、これら以外の方法も使用でき、さらに、押し出しコートによる同時重層塗布でもよい。
【0068】
本発明の磁気記録媒体では、より耐容剤性を持たせるため平均官能基数2以上のイソシアネート系硬化剤を含んでもよい。すなわち、ポリイソシアネートのポリメリック体やポリイソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも本発明において好適に使用できる。
【0069】
また、本発明ではイソシアヌレート基を導入すると、耐熱性や耐久性に優れた性能が発揮できる。ここで、ポリイソシアネート化合物分子中に一定比率のイソシアヌレート基及び/またはその他のイソシアネート重合体を含む場合には、生成したポリウレタン系成分中にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと活性水素化合物との付加体が好ましい。芳香族ポリイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等を挙げることができる。また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等があり、平均分子量は、100〜5,000の範囲のものが好ましい。
【0070】
硬化剤の添加量としては、バインダー樹脂の重量比で0部〜20部が一般的であり、好ましくは0〜10部である。ここで、理論上は、ポリウレタン樹脂組成物(もしくは結着剤樹脂組成物)中の活性水素と当量のイソシアネート量となる硬化剤重量で、十分な添加量となる。しかしながら実際の製造上では、水分などにより硬化剤成分のイソシアネートが反応してしまうため、活性水素と当量のイソシアネート量では、不十分である場合が多く、このため活性水素当量より10%〜50%過剰量の硬化剤を添加するのが効果的である。
【0071】
さらに、ポリイソシアネートからなる硬化剤を使用した場合、磁性塗料をコーティング後、40〜80℃の温度で数時間硬化反応を促進させることにより、より強い接着性が得られる。
【0072】
本発明は、脂環族骨格を有する特定のポリウレタン樹脂を使用することにより、磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能向上を向上することができ、これにより、高密度デジタル記録に対応できる磁気記録媒体が提供される。
【0073】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特にことわりのない限り、実施例中の部及び%はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0074】
[原料ポリエステルの合成例]
撹拌機、温度計、窒素シール管のついた容器に、イソフタル酸5モル、テレフタル酸5モル、1,4−CHDM4モル、ネオペンチルグリコール6モルの割合で混合し、200℃で溶解した。ジブチル錫ジクロリドを触媒量添加し、窒素雰囲気下、脱水反応により原料ポリエステルを合成した。
【0075】
同様にして表1〜表4に示した組成の各種原料ポリエステルを合成した。
【0076】
[ポリウレタン樹脂の合成例]
撹拌機、温度計、窒素シール管のついた容器に、分子量2,000のフタレート(組成はイソフタル酸/テレフタル酸=1/1、1,4−CHDM/ネオペンチルグリコール=4/6(数値はモル比)、水酸基価=56KOHmg/g)1molとネオペンチルグリコール(NPG)1molの割合で計量し、極性基含有ジオール化合物を表1に示した極性基量となるように混合し、MEK/TOL=1/1の溶媒により固形分60%(重量%)になるように溶解した。さらにジブチル錫ジラウリレート10ppmを加え温度70℃で撹拌した。このグリコール混合物にMDIをR値(OHモル/NCOモル)=0.95となる量添加し、70℃で24時間撹拌を継続した。反応終了後、MEK/TOL=1/1により固形分30%に希釈し、ポリウレタン樹脂を合成した。
【0077】
同様にして、表1〜表4の原料ポリエステルより、各ポリウレタン樹脂サンプルを合成した。
【0078】
また、各種の四級化剤を極性基量の当量添加したのち、60℃で20時間撹拌し、ポリウレタン中の極性基を四級アンモニウム塩とした。
【0079】
以下、述べた一連の方法と同様の方法により、各種のアミン系極性基を有するポリウレタン樹脂を合成した。各ポリウレタン樹脂の組成を表1〜表4にまとめた。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
上記表中のポリウレタン樹脂の合成例を以下の化3の概略的な化学式に説明して示す。
【0085】
【化3】
【0086】
[分子量分析]
作成したポリウレタン樹脂をTHFで0.1wt%溶解し、GPCによりポリスチレン換算分子量を測定し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0087】
次に、これらのポリウレタン樹脂を使用した磁気記録媒体について示す。
【0088】
[磁性塗料の作成例]
次の組成に従って、磁性層を形成するための磁性塗料を調整した。
【0089】
<磁性塗料液>
下記の磁性塗料組成を、連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散、ポリイソシアネートを4重量部とミリスチン酸1重量部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し磁性塗料とした。
【0090】
メタル磁性粉 100重量部
(σs=150Am2/kg、56m2/g、Hc127=kA/m)
塩化ビ系共重合体(日本ゼオン社製MR−110、表5〜9参照)
ポリウレタン樹脂(表1〜表4参照)
カーボンブラック(キャボット社製 BP−L) 2重量部
アルミナ(住友化学社製 AKP−30) 5重量部
ステアリン酸ブチル 1重量部
メチルエチルケトン 80重量部
メチルイソブチルケトン 80重量部
トルエン 80重量部
分散した磁性塗料液を、ダイコートにより、厚さが10μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、3.0μmの厚み構で塗布した。得られた幅広の磁性フィルムを、キュアーした後、1/2インチ幅に裁断してビデオテープを作成した。
【0091】
表1〜表4に示したポリウレタン樹脂により、表5〜表7に示す組成で実施例1〜33を作成し、また実施例と同様の磁性塗料液組成により表8、表9に示す比較例1〜20のビデオテープを作成した。
【0092】
以上より、作成した実施例及び比較例の各ビデオテープについて、分散性、静磁気特性、スチル耐久性の評価を行った。
【0093】
[分散性]
磁性塗料液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ14.0μm)上に塗布・乾燥した後、塗布面の光沢度(グロス)を、日本電色工業製デジタル変角光沢計VG−IDにより入射度45°で測定した。各々の光沢度を、以下の評価基準により表した。
【0094】
○;光沢度 180%以上
△; 150%以上、180%未満
×; 150%未満
[静磁気特性]
作成したテープを、東英工業株式会社製、室温専用超高度形振動試料型磁力計(VSM−P10−15auto)を用い、20℃、50%RHの条件で測定した。
【0095】
[スチル耐久性]
ベータカムVTR(ソニー社製、商品名BVW−75)を用いて、20℃、50%RHの条件下、60分間スチル再生を行った後、以下の評価基準に従い表した。
【0096】
○;ヘッドの目づまりも無く、120分間完走
△;120分間完走したが、目づまりが発生したもの
×;目視でテープ面に傷が発生しているもの
[電磁変換特性]
電磁変換特性の測定は、デジタルベータカムVTR(ソニー社製、商品名DVW−500)を用い、測定周波数を32MHzとし、比較例1の出力をOdBとして、この比較例1との出力差を測定した。
【0097】
各々の評価項目について評価した結果について、表5〜表9に示す。
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】
【表9】
【0103】
表5〜表9の結果から、請求項で示した範囲において、いずれの特性も満足する高性能な磁気記録媒体が得られた。よって、本発明により、電磁変換特性と耐久性に優れた高性能なビデオテープが得られることがわかる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、磁気記録媒体の結合剤として、特定の脂環族骨格を有し、かつ三級アミンまたは四級アンモニウム塩を含有するポリエステルポリウレタン樹脂を用いることにより、分散性を向上させ製造上のハンドリング性を高めて生産性を向上させるとともに、磁気記録媒体の電磁変換特性および耐久性等の性能向上を図ることができる。特に三級アミンおよび四級アンモニウム塩の極性基量を0.001〜1.0mmol/gとすれば、分散性およびコーティング性をともに向上させスジの発生を効果的に抑えることができる。また、特にポリウレタン樹脂の数平均分子量を5000〜40000とすれば、樹脂の溶液粘度が高くなることを抑え溶解性を高めハンドリング性を向上させることができる。さらにポリウレタン樹脂の添加量を磁性体微粉末重量比で1〜20重量部とすることにより、非磁性支持体に対する接着性および耐久性を高めることができ、また長期保存した場合の粘着による弊害の発生を防止することができる。
Claims (4)
- 前記ポリウレタン樹脂に含有される三級アミンまたは四級アンモニウム塩が、0.001〜1.0mmol/gであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、5000〜40000であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
- 前記ポリウレタン樹脂を、磁性体微粉末100重量部に対し、1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の磁気記録媒体。
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