JP4123548B2 - 刺繍データ処理装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを作成する刺繍データ処理装置、及びその刺繍データ処理装置を動作させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、家庭用ミシンの分野においては、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを簡単に作成するための刺繍データ作成装置が提供されている。この刺繍データ作成装置は、汎用のパーソナルコンピュータシステムに、イメージスキャナ装置、ハードディスク装置、キーボード、CRTディスプレイ等を接続して構成されている。
【0003】
そして、刺繍データを作成する場合、先ず、刺繍図柄の原画をイメージスキャナにより読み取らせて図柄の画像データが入力される。次に、画像データに基づき、刺繍を施すべき領域の輪郭線や中心線が抽出され、それら輪郭線を基に輪郭線に囲まれた内部をタタミ縫いやサテン縫いで埋める縫目を作成したり、輪郭線の上を走り縫いや千鳥縫いで埋める縫目を作成したり、中心線を基に中心線に沿って走り縫いや千鳥縫いの縫目を作成したりするようになっていた。
【0004】
従来は、このように刺繍図柄を表す画像データからその図柄の刺繍を形成するための刺繍データを自動的に作成するために、その画像データは図柄の形状を取り出すためだけに使用されていた。そのため、入力画像は図柄の領域の輪郭がはっきりと取り出せるような画像に限定されていた。
【0005】
また、画像データを基に縫目方向を決める技術が既に幾つか提案され実施されているが、いずれも図柄の形状の特長から縫目方向を決めるものであった。例えば、特公平7−71590号公報によって提案されている技術は、形状が最も長く伸びる方向に対し、縫目方向が垂直になるように領域に対し1つの縫目方向を決めるものである。
【0006】
また、画像処理の分野では、従来より画像データからエッジを抽出する研究が行われている。ここで、前記エッジとは、画像の濃度が急激に変化する領域である。この領域は、例えば、画素毎に画像の勾配(濃度変化が最大になる方向(勾配方向)並びにその大きさ(勾配値))を求め、勾配値があるしきい値より大きくなる領域を取り出すことにより得られる他、微分操作等を適用した数々のエッジ抽出手法が開発されている。さらに、この領域を細線化することにより、エッジの特徴を線として取り出すこともできるようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、このように画像データを単に図柄の形状を取り出すためだけに使用しており、画像が持っている濃度や色等の2次元的変化のパターンを捉えて、縫目方向や縫い方法等の縫目形態に自動的に反映させようとする作業は行われていなかった。特に、画像の模様から抽出したエッジの方向や強さ等の特徴に基づいて、縫目方向や針落ちパターンを決めたりエッジに沿った縫目の形態を決めたりする作業は行われていなかった。そのため、縫目の方向や縫い方法等の縫目形態を画像の模様から決めるときには、画像の模様を作業者が眺めて、経験と勘からその縫目形態を手作業で設定しており、手間がかかるとともに、図柄にふさわしい縫目形態を設定するために熟練を必要としていた。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、図柄を表す画像データのエッジの特徴に基づいて、図柄を刺繍で表現するのにふさわしい縫目形態を持つ刺繍データを自動的に作成することが可能な刺繍データ処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の刺繍データ処理装置は、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理するものであって、特に、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段と、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えている。
【0010】
従って、前記領域抽出手段は、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、エッジ線図形抽出手段は、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、前記縫目方向決定手段は、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定し、縫目データ作成手段は、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する。よって、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定し、その縫目方向に従って縫目データを作成することができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
また、請求項2に記載の刺繍データ処理装置は、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理するものであって、特に、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段と、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えている。
【0016】
従って、前記領域抽出手段は、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を 施す領域を抽出し、エッジ線図形抽出手段は、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、前記縫目方向決定手段は、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定し、縫目データ作成手段は、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する。よって、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定し、それぞれの縫目方向指定線に従って刺繍を施す領域の内部にその領域の部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
また、請求項3に記載の刺繍データ処理装置は、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように構成されている。
【0020】
従って、刺繍を施す領域の内部に、エッジ線図形の位置を針落ち点の位置に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0021】
また、請求項4に記載の刺繍データ処理装置は、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように構成されている。
【0022】
従って、前記エッジ線図形に沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを自動的に作成することができる。
【0023】
また、請求項5に記載の刺繍データ処理装置は、エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段をさらに備え、前記縫目データ作成手段が、前記勾配算出手段によって算出された前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように構成されている。
【0024】
従って、前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するようにして縫目データを自動的に作成することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
また、請求項6に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能なものであって、前記コンピュータを、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段、及び前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させる。
【0028】
従って、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定し、その縫目方向に従って縫目データを作成することができる。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
また、請求項7に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能なものであって、前記コンピュータを、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段、及び前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させる。
【0034】
従って、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定し、それぞれの縫目方向指定線に従って刺繍を施す領域の内部にその領域の 部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0035】
【0036】
【0037】
また、請求項8に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように機能させる。
【0038】
従って、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記各プログラムを実行することにより、刺繍を施す領域の内部に、前記エッジ線図形の位置を針落ち点の位置に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0039】
また、請求項9に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように機能させる。
【0040】
従って、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記各プログラムを実行することにより、前記エッジ線図形に沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを自動的に作成することができる。
【0041】
また、請求項10に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータを、前記エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段として機能させると共に、前記縫目データ作成手段が、前記勾配算出手段によって算出された前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように機能させる
【0042】
従って、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記各プログラムを実行することにより、前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するようにして縫目データを自動的に作成することができる。
【0043】
【0044】
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の刺繍データ処理装置及び記録媒体を具体化した実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0046】
本実施の形態は、パーソナルコンピュータシステム上で、先ず、所定の刺繍図柄の手描き、あるいは印刷原画をイメージスキャナにより読み取って入力した刺繍図柄の濃淡画像データを基に、画像からエッジの特徴を抽出し、そのエッジの特徴を基に、縫目形態を決定した刺繍データを作成し、その後、その刺繍データをメモリカードに書き込むことによって、刺繍データを家庭用刺繍ミシンに供給する刺繍データ処理装置に対して、本発明を適用したものである。
【0047】
図1に示すように、刺繍データ処理装置は、基本的には、入力した画像データやできあがった刺繍データを表示するCRTディスプレイ2と、点の入力やメニューの選択を行うキーボード3及びマウス4と、画像データや刺繍データを保存したり呼び出したりするフロッピーディスク装置5及びハードディスク装置14と、画像データや刺繍データを呼び出すCD−ROM装置16と、刺繍データを不揮発性のフラッシュメモリからなる着脱可能なメモリカード7に書き込むフラッシュメモリ装置6と、図柄原画を読み込む為のイメージスキャナ装置15と、これらに接続された制御本体部1とから構成されている。
【0048】
また、家庭用刺繍ミシン10は、ミシンベッド上に配置され、かつ加工布を保持する刺繍枠を、水平移動機構により装置固有のXY座標系で示される所定位置に移動させつつ、縫い針及び釜機構による縫い動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の刺繍を施すようになっている。
【0049】
この場合、前記水平移動機構や針棒等は、マイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御されるようになっており、従って、一針毎の加工布のXY方向の移動量(針落ち位置)を指示するデータが与えられることにより、制御装置は、刺繍動作を自動的に実行することが可能となるのである。また、刺繍ミシンには、フラッシュメモリ装置11が設けられ、メモリカード7により、外部から刺繍データが与えられるように構成されている。本実施の形態に係わる刺繍データ処理装置は、このような刺繍ミシンで縫製可能な刺繍データを作成する機能を有するものである。
【0050】
次に、刺繍データ処理装置の制御系は、図2のブロック図に示すように構成されている。前記制御本体部1に制御装置CDが内蔵され、この制御装置CDの入出力インターフェース22には、CRTディスプレイ2と、キーボード3と、マウス4と、フロッピーデ
ィスク装置5と、フラッシュメモリ装置6と、ハードディスク装置14と、イメージスキャナ装置15と、CD−ROM装置16とがそれぞれ接続されている。
【0051】
制御装置CDは、CPU20と、このCPU20にデータバス等のバス23を介して接続された入出力インターフェース22と、ROM21及びRAM30から構成されている。
【0052】
ハードディスク装置14には、後述の、エッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理、エッジを基にした領域の内部を縫目方向が変化可能な縫目で埋める縫目データ作成処理、領域内部縫いの針落ち点をエッジの上に作る縫目データ作成処理、エッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理、領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理等の刺繍データ作成処理の制御プログラムが格納されている。
【0053】
キーボード3等により作業者により刺繍データ作成処理の起動が指示されると、RAM30にハードディスク装置14に格納されている前記刺繍データ作成処理の制御プログラムが読み込まれる。
【0054】
次に、刺繍データ処理装置の制御装置CDで行なわれるエッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理を、図3のフローチャートに基いて説明する。なお、図中符号Sは、ステップを示す。
【0055】
エッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理が開始されると、先ず、原画入力処理が行われる(S10)。これは、図柄原画をイメージスキャナ装置15により読み取ることにより行われる。ここで、イメージスキャナ装置15は図柄原画を256階調値の濃淡画像データとして読み取り可能なものであり、読み取られた図柄の画像データは、ラスター形式のビットマップとして、画素毎に0から255までの値を持つ8ビットデータで表現され、RAM30に格納される。
【0056】
次に、図柄の画像データを基に、刺繍を施すべき領域を抽出するために、領域抽出手段として機能する領域抽出処理が呼び出される(S11)。
【0057】
即ち、図8に示すように、領域抽出処理では、先ず、CRTディスプレイ2に図柄の画像データを基に図柄が表示され(S60)、次に、作業者自らにより、抽出すべき領域の輪郭構成点をマウス4で指定して入力する操作が行われる(S61)。そして、マウス4のダブルクリック等の操作により輪郭構成点の入力が終了すると、抽出された領域の輪郭構成点の座標値がRAM30に格納される(S62)。以上の処理の後、図3のS11の後に制御が戻される。
【0058】
次に、図柄の画像データを基に、画像のエッジを抽出するために、エッジ抽出処理が呼び出される(S12)。
【0059】
図9に示すように、このエッジ抽出処理では、先ず、画像の勾配(濃度変化が最大になる方向(勾配方向)並びにその大きさ(勾配値))が求められる(S70)。ここでは、図21に示すような8個のマスクと画像データとのたたみ込み演算が行われ、このようにして得られた値の内で最大値を点(m,n)の勾配値とし、その時のマスクの方向を勾配の方向としている。
【0060】
次に、勾配値が予め定められたしきい値より大きくなる領域(以後、エッジ領域と称す)が抽出される(S71)。
【0061】
一般に、前記の様にすると、ある程度の幅を持った細長い領域で勾配値が大きくなる。このような幅のある領域を細めるために、次に、非極大点の抑制処理と呼ばれる処理が行われる(S72)。ここでは、エッジ領域の各画素に対し、勾配方向及びその反対方向に隣接する画素の勾配値が互いに比較され、近傍のものより小さな勾配値を持つ画素が除去される。これよって、勾配値の非極大点が除かれ、エッジ領域が細められる。
【0062】
さらに、細められたエッジ領域を細線化することにより、エッジが線図形として取り出される(S73)。ここでは、通常の細線化処理と同様、細められたエッジ領域の境界側に位置する画素から順次、所定の規則に従って画素を削除していく操作が、所定の規則に従って削除され得る画素が1つもなくなるまで逐次繰り返すことにより行われ、その結果、線幅1の線図形(以後、エッジ線図形と称す)が得られ、RAM30に格納される。
【0063】
以上によって、エッジ抽出処理が終了し、図3のメインフローチャートのS12の後に制御が戻される。
【0064】
前記の領域抽出処理及びエッジ抽出処理により、例えば、図13に示すような図柄原画からは、図14に示すような輪郭線OL及びエッジ線図形E1乃至E14が抽出される。
【0065】
次に、S11によって求められた各領域に対し、その領域内に入るエッジ線図形が求められる(S13)。ここでは、エッジ線図形を構成する画素の内、その位置(点)が、領域の輪郭線で囲まれた内部に入ると判定される画素が抽出される。S11で抽出された輪郭線は閉じた線分の列であり、前記の判定アルゴリズムは、コンピュータグラフィックス等の分野でよく知られたものであり、指定した点が閉じた線分の列で囲まれた領域(ポリゴン)の内部に入るか否かを判定することにより行われるものである。この結果、領域内に入るエッジ線図形がRAM30に格納される。前記S12及びS13の処理がエッジ線図形抽出手段として機能する。
【0066】
その後、領域内に入るエッジ線図形を基に、刺繍を施すべき領域の縫目方向を1つ決めるために、縫目方向決定手段としての縫目方向決定処理が呼び出される(S14)。
【0067】
即ち、図10に示すように、縫目方向決定処理では、先ず、領域に入るエッジ線図形が、画素が連結するものの組みに分類される(以下に、画素が連結するエッジ線図形を連結エッジ線図形と称す)(S80)。
【0068】
次に、連結エッジ線図形毎に、連結エッジ線図形を近似する線分(以後、近似線分と称す)が算出される(S81)。図22に示すように、近似線分を算出するには、先ず、連結エッジ線図形Eを構成する画素の重心の点Cが求められ、次に、その重心Cを通る直線に対して、直線の方向を少しずつ変えながら、直線と連結エッジ線図形Eを構成する点(画素の中心位置)との距離(あるいは距離の2乗)の和が計算され、その和が最も小さくなるような直線が求められる。さらに、得られた直線に対し連結エッジ線図形を正射影した範囲が近似線分Lとして算出される。
【0069】
さらに、S81で求められた近似線分の中から最も長い近似線分が選択され、その近似線分の方向が縫目方向として決定される(S82)。
【0070】
例えば、図14に示すように、抽出された連結エッジ線図形E1〜E14においてはE3の近似線分が最も長くなり、その結果、図15(a)に示すような縫目方向が決定される。
【0071】
以上により縫目方向決定処理が終了し、図3のメインフローチャートのS14の後に制御が戻される。
【0072】
前記縫目方向決定処理では、連結エッジ線図形毎に求められた近似線分の中から最も長い線分を選んでその線分の方向を縫目方向としていたが、それ以外の方法でも縫目方向を一つ決めることができる。
【0073】
例えば、複数個の近似線分の平均的な方向を縫目方向にすることもできる。これは、近似線分の両端のx座標とy座標の変化(dx,dy)をdx≧0となる様な向きで計算し、x座標とy座標とで独立に加算してベクトル(Σdx,Σdy)を作り、そのベクトルの方向を縫目方向とすることにより行われる。
【0074】
また、エッジが最も強く表れる連結エッジ線図形の近似線分の方向を縫目方向にすることもできる。これは、全ての連結エッジ線図形の中から、連結エッジ線図形を構成する画素における勾配値の和が最も大きくなる連結エッジ線図形を1つ選択し、選択した連結エッジ線図形の近似線分の方向を縫目方向とすることにより行われる。
【0075】
S14の次に、S11で抽出された領域の内部に、S14で決定された縫目方向に従って、一定方向の縫目を持つ縫目データが作成される(S15、縫目データ作成手段として機能する)。従来より、領域の輪郭線データ及び縫目方向データから一定方向の縫目を持つ縫目データを作成する手法が幾つか知られている。ここではその内のどの方法を使用しても良いが、最も簡単な方法としては、先ず、領域を縫目方向に対して凹みがないような部分領域に分割し、次に、その部分領域の対向する一対の部分輪郭線と、糸密度に従って一定間隔で現れる縫目方向に向かう直線との交点を求め、それら交点を交互に繋ぐことにより、領域の内部を一定方向の縫目で埋める縫目データを作成することができる。これにより、例えば、図13に示すような図柄原画からは、図15(b)に示すような領域の内部を一定方向の縫目で埋める縫目データが作成される。
【0076】
以上によって、エッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理が終了する。前記エッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理によって、刺繍を施す領域の内部に、エッジの方向を一定方向縫いの縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0077】
【0078】
次に、刺繍データ処理装置の制御装置CDで行なわれる、エッジを基にした領域の内部を縫目方向が変化可能な縫目で埋める縫目データ作成処理を、図4のフローチャートに基いて説明する。
【0079】
先ず、原画入力が行われ(S20)、次に、領域抽出が行われ(S21)、次に、エッジ抽出が行われ(S22)、その後に、領域内のエッジ抽出が行われる(S23)。S20乃至S23は、図3のS10乃至S13と同じ処理が行われるため、ここではその説明を省略する。
【0080】
その後、領域内に入るエッジ線図形を基に、領域を変化可能な縫目方向の縫目で埋めるための縫目方向を指定する少なくとも1本の縫目方向指定線を決定するために、縫目方向指定線決定処理が呼び出される(S24)。
【0081】
即ち、図11に示すように、縫目方向指定線決定処理では、先ず、領域に入るエッジ線図形が、画素が連結するものの組みに分類される(以後、S80と同様に画素が連結するエッジ線図形を連結エッジ線図形と称す)(S90)。
【0082】
次に、連結エッジ線図形毎に、連結エッジ線図形を近似する線分(以後、S81と同様に単に近似線分と称す)が算出される(S91)。近似線分を算出するには、先ず、連結エッジ線図形を構成する画素の重心の点が求められ、次に、その重心を通る直線に対して、直線の方向を少しずつ変えながら、直線と連結エッジ線図形を構成する画素との距離(あるいは距離の2乗)の和が計算され、その和が最も小さくなるような直線が求められる。さらに、得られた直線に対し連結エッジ線図形を正射影した範囲が近似線分として算出される。
【0083】
次に、S91で求められた近似線分の中から、他の近似線分と線分の延長線上も含めて領域内で交差しない近似線分の組みが選択される(S92)。ここでは、S91で求められた近似線分の中の2本の近似線分が、線分の延長線上も含めて領域内で交わるか否かが判定され、領域内で交わる場合は長い方の近似線分が選択され、さらに、残りの近似線分との判定を続けることにより、最終的に、領域内で他の近似線分と交差しない近似線分の組みが抽出される。このようにして抽出された近似線分の組みが、縫目方向指定線として決定される。
【0084】
例えば、図14に示すように、抽出された連結エッジ線図形E1〜E14からは、図16に示すようなE1とE3とE4とE6とE7とE10とE11とE12の近似線分L1とL3とL4とL6とL7とL10とL11とL12が、線分の延長線上も含めて領域内で交差しない近似線分の組みとして抽出され、それらが縫目方向指定線として決定される。
【0085】
以上により、縫目方向指定線決定処理が終了し、図4のS24の後に制御が戻される。
【0086】
次に、S21で抽出された領域の内部に、S24で決定された縫目方向指定線に従って、縫目方向が変化可能な縫目で埋められる縫目データが作成される(S25)。既に、特公平8−13317号公報において、領域の輪郭線と複数個の縫目方向指定線から、領域の内部を変化可能な縫目方向を持つ縫目で埋める縫い目データを作成する方法が開示されている。ここでは、前記公報に記載の方法によって、領域の内部を変化可能な縫目方向を持った縫目で埋める縫目データが作成されるのである。これにより、例えば、図13に示すような図柄原画からは、図17に示すような領域の内部を変化可能な縫目方向を持った縫目で埋める縫目データが作成される。
【0087】
以上により、エッジを基にした領域の内部を縫目方向が変化可能な縫目で埋める縫目データ作成処理を終了する。前記のエッジを基にした領域の内部を縫目方向が変化可能な縫目で埋める縫目データ作成処理によって、刺繍を施す領域の内部に、エッジの方向を領域の部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0088】
【0089】
次に、刺繍データ処理装置の制御装置CDで行なわれる、領域内部縫いの針落ち点をエッジの上に作る縫目データ作成処理を、図5のフローチャートに基いて説明する。
【0090】
先ず、原画入力が行われ(S30)、次に、領域抽出が行われ(S31)、さらに、エッジ抽出が行われ(S32)、その後に、領域内のエッジ抽出が行われる(S33)。S30乃至S33は、図3のS10乃至S13と同じ処理が行われるため、ここではその説明を省略する。
【0091】
その後、領域内に入るエッジ線図形のベクトル化が行われる(S34)。ベクトル化処理の方法は、最も簡単な方法として、エッジ線図形データの内、任意の画素(例えば左上の画素)を開始点として、エッジ線図形を構成する画素の連鎖を順に辿りながら、適当な間隔でエッジ線図形を構成する画素を試料的に調べ、その形状特徴点を得る方法がある。この結果、エッジ線図形を近似した線分列(以後、ベクトル化されたエッジ線図形と称す)が得られる。
【0092】
次に、S31で抽出された領域の内部に縫目を作る際、S34で抽出されたベクトル化されたエッジの上に針落ち点ができるように縫目データが作成される(S35)。ここでは、図20に示すように、領域の内部を領域の両端の2点a1,a2を繋いでできる縫目線Mを動かしながら縫目に展開する際に、縫目線Mとベクトル化されたエッジ線図形V1,V2,V3との交点b1,b2,b3が求められ、それらの交点を縫目線の両端の間の針落ち点とすることで、エッジの上に針落ち点を持つ縫目データが作成されるのである。この場合、縫目方向は、水平または垂直の一定方向に予め決めておいてもよく、また、作業者に指定させるようにしてもよく、また、図3のS14と同様の処理をここでも行うことによりエッジ方向(S14の例では最も長いエッジの近似線分の方向)を求め、エッジ方向の垂直方向になるように自動的に決めてもよい。
【0093】
以上により、領域内部縫いの針落ち点をエッジの上に作る縫目データ作成処理が終了する。前記の領域内部縫いの針落ち点をエッジの上に作る縫目データ作成処理によって、刺繍を施す領域の内部に、エッジの位置を針落ち点の位置に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。これにより、例えば、図13に示すような図柄原画からは、図18に示すような、エッジの位置を針落ち点の位置に反映させた縫目で領域の内部を埋める縫目データが作成される。
【0094】
【0095】
次に、刺繍データ処理装置の制御装置CDで行なわれる、エッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理を、図6のフローチャートに基いて説明する。
【0096】
即ち、先ず、原画入力が行われ(S40)、次に、エッジ抽出が行われる(S41)。S40は図3のS10、S41は図3のS12とそれぞれ同じ処理が行われる為、ここではその説明を省略する。
【0097】
その後、領域内に入るエッジ線図形のベクトル化及びエッジ境界線分における勾配の大きさの算出が行われる(S42)。ベクトル化処理の方法としては、S34と同様に、線図形データの内、任意の画素(例えば左上の画素)を開始点として、線図形を構成する画素の連鎖を順に辿りながら、適当な間隔で線図形を構成する画素を試料的に調べてその形状特徴点を求め、これら形状特徴点を繋いだエッジ境界線分が得られる。その際、これらエッジ境界線分の両端点(形状特徴点)の間にあるエッジ線図形の画素の勾配値(S70で算出されたもの)の平均が算出され、エッジ境界線分の勾配の大きさとして設定される。
【0098】
次に、エッジ境界線分における勾配の大きさに従って縫目の形態を変化させながらベクトル化されたエッジ線図形に沿って縫目を作る、線縫いの縫目データ作成処理が呼び出される(S43)。
【0099】
図12に示すように、線縫いの縫目データ作成処理では、先ず、ベクトルデータにおける線分の番号を指定するためのインデックスiに1が設定され(S100)、次に、iが線分の総数N以下であるか否かが判定され(S101)、iがN以下の場合(S101:Yes)、agにi番目の線分における境界線分における勾配の大きさが設定される(S102)。ここで、境界線分における勾配の大きさはS42で算出されたものである。
【0100】
その後、ag≧200であるか否かが判定され(S103)、ag≧200である場合(S103:Yes)、i番目の線分に沿った幅4.0mmの千鳥縫いの縫目データの作成処理が行われる(S104)。千鳥縫いのデータ作成処理の方法は従来から幾つか知られているが、簡単に説明すると、先ず、i番目の線分を中心としてその両側に幅の半分だけ離れた平行線を引き、次に、平行線の上を一定間隔で刻む点を求め、さらに、平行線の両側でそらの点を交互に結ぶようにすることにより作成することができる。
【0101】
S103でag≧200でない場合(S103:No)、次に、ag≧150であるか否かが判定され(S105)、S105でag≧150である場合(S105:Yes)、線分に沿った幅2.0mmの千鳥縫いの縫目データ作成処理が行われる(S106)。S105でag≧150でない場合は、線分に沿った走り縫いの縫目データ作成処理が行われる(S107)。
【0102】
その後、iが一つ増やされ(S108)、S101に処理が戻る。S101に於いてi>Nの場合、線縫いの縫目データ作成処理は終了する。
【0103】
前記の線縫いの縫目データ作成処理では、画像の境界線分における勾配の大きさが小さいものは、線分に沿った縫目が縫い幅が小さな千鳥縫いか、走り縫いになるため、境界線が弱く表現される。逆に、勾配の大きさが大きいものは、線分に沿った縫目が縫い幅が大きな千鳥縫いにされるため、境界線が強く表現されることになる。
【0104】
前記の線縫いの縫目データ作成処理では、境界線分における勾配の大きさに従って縫い方法を千鳥縫いと走り縫いの間で変化させたり千鳥縫いの縫い幅を変化させたりすることにより、線分に沿って作る縫目の形態を変化させていたが、さらに、勾配の大きさを千鳥縫いのぼかし具合に反映させるようにして、縫目の形態に変化をつけることもできる。
【0105】
千鳥縫いのぼかし縫いは、具体的には、図23に示すように、基準の線分Lを中心として、両側に縫い幅Wの半分だけ離れた平行線AとBが作られ、AとBを基準に折り返して縫目が作成されるが、その場合に、千鳥縫いの縫目の折り返しの点の位置が、辺AとBから内方向や外方向に、ぼかし幅D以下の距離で、ある程度ランダムにずれるように決られる。ぼかし幅Dが0の場合が、ぼかしがない通常の千鳥縫いであり、ぼかし幅Dが大きくなると、千鳥縫いのぼかし具合が大きくなるのである。このぼかし幅Dを、境界線分における勾配の大きさが大きいときは小さくなるように決め、境界線分における勾配の大きさが小さいときは大きくなるように決めることにより、勾配の大きさを千鳥縫いのぼかし具合に反映させることができる。
【0106】
これによって、画像の境界線分における勾配の大きさが小さいものは、線分に沿った千鳥縫いのぼかし具合が大きくなるため、境界線がぼやけて表現されることになる。逆に、勾配の大きさが大きいものは、線分に沿った千鳥縫いのぼかし具合が小さくなるため、境界線がくっきり表現される。
【0107】
以上により、エッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理を終了する。前記エッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理によって、エッジに沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを自動的に作成することができる。また、エッジにおける勾配の大きさに従って、エッジに沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するように縫目データを自動的に作成することができる。
【0108】
前記実施の形態においては、S42におけるエッジ境界線分の勾配の大きさを算出する部分の処理が本発明の勾配算出手段として機能する。
【0109】
次に、刺繍データ処理装置の制御装置CDで行なわれる、領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理を、図7のフローチャートに基いて説明する。
【0110】
即ち、先ず、原画入力が行われ(S50)、次に、領域抽出が行われる(S51)。S50及びS51は、図3のS10及びS11と同じ処理が行われるため、ここではその説明を省略する。
【0111】
その後、輪郭線を構成する線分毎に、領域境界線分の勾配の大きさが計算される(S52)。ここでは、先ず、S41で抽出された領域の輪郭線が通る画素が抽出され、次に、その画素における勾配値が計算され、さらに、線分毎に線分が通る画素の勾配値の平均が計算され、それが輪郭境界線分における勾配の大きさとして記憶される。勾配値はS70で説明した場合と同様に、8方向のマスクとたたみこみ演算を行い、それらのうちの最大値をとることによって求めることができる。
【0112】
次に、領域境界線分における勾配の大きさに従って縫目の形態を変化させながら輪郭線に沿って縫目を作る、線縫いの縫目データ作成処理が呼び出される(S53)。これはS43と同様に図12の処理が行われる。その結果、領域境界線分における勾配の大きさに従って、縫い方法を千鳥縫いと走り縫いの間で変化させたり、千鳥縫いの縫い幅を変化させたり、千鳥縫いのぼかし具合を変化させたりしながら、輪郭線に沿って線縫いを行う縫目データが作成される。
【0113】
以上により、領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理が終了する。前記の領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理によって、領域境界に沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを作成する際に、境界における勾配の大きさに従って、境界に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するように縫目データを自動的に作成することができる。
【0114】
前記のエッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理及び領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理によって、例えば、図13に示すような図柄原画からは、図19に示すようなエッジや輪郭境界線に沿って縫目形態が変化する線縫いの縫目データが作成される。
【0115】
【0116】
なお、本実施の形態の刺繍データ処理装置は、刺繍データ作成プログラムがハードディスクに予め格納されたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、これらのプログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等に格納したものを読み取り装置により読み取ってインストールさせて動作させることができる。また、有線もしくは無線回線を使用して外部情報処理装置からプログラムを読み込んで動作させることができる。この場合、前記フロッピーディスクやハードディスクやCD−ROMや、外部情報処理装置の当該プログラムを格納したメモリが本発明の記録媒体を構成することになる。
【0117】
また、前記のエッジ抽出処理は勾配からエッジの領域を抽出するものであったが、画像処理の分野で知られているような1次微分フィルタや2次微分フィルタを使ったその他のエッジ検出の手法でもよいことは勿論である。
【0118】
また、前記実施の形態における入力画像データは濃淡画像データであったが、カラー画像にすることもできる。この場合は、入力カラー画像のR,G,Bの各成分の濃淡画像データに対してそれぞれ前記実施の形態を適用したり、カラー画像の輝度を取り出した画像データに対して前記実施の形態を適用したりするようにすればよい。
【0119】
また、前記図6のエッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理では、エッジを線として取り出し、線に沿って縫目を作成するものであったが、エッジを幅のある領域のままで残し、そのエッジの領域から境界線追跡処理で輪郭線を取り出し、輪郭線で囲まれた内部を縫目で埋めるようにして、エッジの上に縫目を作るようにしてもよい。
【0120】
また、前記の領域抽出処理は、作業者が領域の輪郭線を全て指定して入力するものであったが、画像処理の領域分割の手法を用いて画像の領域を予め分割しておき、その中から刺繍を施す領域を選択することにより領域抽出を行うこともできる。画像処理の領域分割の手法としては、隣接する画素の濃度を調べ、類似した濃度を持つ画素を逐次統合していく領域拡張法と呼ばれる方法や、画像を互いに疎な大きさn×nの小さな矩形領域に分割し、隣接する領域の濃度のヒストグラムを比べて濃度分布の形状が類似していれば統合する処理を繰り返す統計的仮説検定法と呼ばれる方法等、その他にも幾つかの方法が知られており、利用する画像毎にそれらを適宜選択して、画像の領域を自動分割することができる。
【0121】
さらに、ここでは、パーソナルコンピュータシステム上で構成した刺繍データ処理装置を例にあげて説明したが、本発明はここに挙げた実施例に限定されるものではなく、例えば、ミシンに内蔵するように構成したり、専用の一体型ハードウェアで構成したりする等、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したことから明かなように、本発明の請求項1に記載の刺繍データ処理装置によれば、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理するものを対象として、特に、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段と、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えているので、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定し、その縫目方向に従って縫目データを作成することができ、画像データから画像の輪郭線で囲まれた領域内部におけるエッジ領域をエッジ線図形として捉え、その画像データを基に作成する刺繍にエッジ線図形を縫目方向に反映させた縫目データを前記領域内部に自動的に作成することができる。
【0123】
【0124】
【0125】
また、請求項2に記載の刺繍データ処理装置によれば、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理するものを対象として、特に、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段と、前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えているので、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定し、それぞれの縫目方向指定線に従って刺繍を施す領域の内部にその領域の部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができ、刺繍を施す領域の内部に、前記エッジ線図形の方向を領域の部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0126】
【0127】
また、請求項3に記載の刺繍データ処理装置によれば、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように構成されているので、刺繍を施す領域の内部に、エッジ線図形の位置を針落ち点の位置に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。
【0128】
また、請求項4に記載の刺繍データ処理装置によれば、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように構成されているので、エッジ線図形に沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを自動的に作成することができる。
【0129】
また、請求項5に記載の刺繍データ処理装置によれば、エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段をさらに備え、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように構成されているので、前記エッジにおける勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するように縫目データを自動的に作成することができる。
【0130】
【0131】
また、請求項6に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能なもを対象として、特に、前記コンピュータを、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段、及び前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させるようにしたので、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定し、その縫目方向に従って縫目データを作成することができ、画像データから画像の輪郭線で囲まれた領域内部におけるエッジ領域をエッジ線図形として捉え、その画像データを基に作成する刺繍にエッジ線図形を縫目方向に反映させた縫目データを前記領域内部に自動的に作成することができる。また、前記刺繍データ処理プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等の各種の記録媒体の中から刺繍データ処理装置に適した記録媒体に記録して提供することができる。
【0132】
【0133】
【0134】
また、請求項7に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能なものを対象として、特に、前記コンピュータを、前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段、前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段、及び前記縫目方向決定手段によって 決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させたので、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、画像データから図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出し、その抽出された前記領域内において、画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出し、その各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定し、それぞれの縫目方向指定線に従って刺繍を施す領域の内部にその領域の部分部分に適した縫目方向に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。また、前記刺繍データ処理プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等の各種の記録媒体の中から刺繍データ処理装置に適した記録媒体に記録して提供することができる。
【0135】
【0136】
また、請求項8記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体よれば、前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように機能させたので、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、刺繍を施す領域の内部に、前記エッジ線図形の位置を針落ち点の位置に反映させた縫目データを自動的に作成することができる。また、前記刺繍データ処理プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等の各種の記録媒体の中から刺繍データ処理装置に適した記録媒体に記録して提供することができる。
【0137】
また、請求項9に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように機能させたので、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、前記エッジ線図形に沿って走り縫いや千鳥縫い等を行う縫目データを自動的に作成することができる。また、前記刺繍データ処理プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等の各種の記録媒体の中から刺繍データ処理装置に適した記録媒体に記録して提供することができる。
【0138】
また、請求項10に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、前記コンピュータを、前記エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段として機能させると共に、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように機能させたので、前記記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前記刺繍データ処理プログラムを実行することにより、前記エッジ線図形における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化するように縫目データを自動的に作成することができる。また、前記刺繍データ処理プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等の各種の記録媒体の中から刺繍データ処理装置に適した記録媒体に記録して提供することができる。
【0139】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の刺繍データ処理装置及び刺繍ミシンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】 刺繍データ処理装置の電気的制御構成を示すブロック図である。
【図3】 エッジを基にした一定方向縫目の縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 エッジを基にした領域の内部を縫目方向が変化可能な縫目で埋める縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 領域内部縫いの針落ち点をエッジの上に作る縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 エッジに沿った線縫いの縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 領域境界に沿った線縫いの縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 領域抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 エッジ抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】 縫目方向決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 縫目方向指定線決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】 線縫いの縫目データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】 図柄原画の一例を示す図である
【図14】 領域境界線とエッジを示す図である。
【図15】 エッジを基に作成した、領域を一定方向の縫目で埋める縫目データを示す図である。
【図16】 エッジを基に決定した、縫目方向指定線を示す図である。
【図17】 エッジを基に作成した、領域の内部を変化可能な縫目方向を持った縫目で埋める縫目データを示す図である。
【図18】 エッジの位置を針落ち点の位置に反映させて作成した縫目データを示す図である。
【図19】 エッジ上の勾配の大きさをエッジに沿って作る縫目の縫目形態に反映させ、領域境界線上の勾配の大きさを境界線に沿って作る縫目の縫目形態に反映させて作成した縫目データを示す図である。
【図20】 ベクトル化されたエッジの上に作る針落ち点を説明する図である。
【図21】 勾配算出のためのマスク及びマスクの方向を説明する図である。
【図22】 連結エッジ線図形の近似線分を説明する図である。
【図23】 ぼかし縫いを説明する図である。
【符号の説明】
1 刺繍データ処理装置
2 CRTディスプレイ
3 キーボード
4 マウス
5 フロッピディスク装置
6 フラッシュメモリ装置
10 刺繍ミシン
14 ハードディスク装置
15 イメージスキャナ装置
16 CD−ROM装置
Claims (10)
- 刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置であって、
前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、
前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段と、
前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。 - 刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置であって、
前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、
前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段と、
前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。 - 前記縫目データ作成手段は、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の刺繍データ処理装置。
- 前記縫目データ作成手段は、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の刺繍データ処理装置。
- 前記エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段をさらに備え、
前記縫目データ作成手段は、前記勾配算出手段によって算出された前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の刺繍データ処理装置。 - 刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータを、
前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、
前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中の最も長い近似線分がなす方向、もしくは各近似線分がなす平均的な方向を以って前記領域の内部を縫目で埋めるための1つの縫目方向として決定する縫目方向決定手段と、
前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向に従って前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させることを特徴とする刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 刺繍図柄を表す画像データに基づいて、その図柄の刺繍を形成するための刺繍データを処理する刺繍データ処理プログラムを刺繍データ処理装置のコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータを、
前記画像データから前記図柄の輪郭線で囲まれた刺繍を施す領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出された前記領域内において、前記画像データからその画像の濃度が変化する領域である複数のエッジ領域を検出してその各エッジ領域を細線化することにより複数のエッジ線図形として抽出するエッジ線図形抽出手段と、
前記エッジ線図形抽出手段によって抽出された各エッジ線図形のそれぞれについて、そのエッジ線図形における連結した画素の重心を通る直線に基づいて近似線分を算出し、求められた各近似線分の中から他の近似線分と線分の延長線上も含めて前記領域内で交差しない近似線分の組を抽出し、抽出した組の近似線分がなす方向を以ってそれぞれ前記領域の内部を縫目で埋めるための縫目方向指定線として決定する縫目方向決定手段と、
前記縫目方向決定手段によって決定された縫目方向指定線に従って前記領域の内部をほぼ縫目方向指定線の方向の縫目で埋める縫目データを作成する縫目データ作成手段として機能させることを特徴とする刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形抽出手段によって抽出されたエッジ線図形の上に針落ち点が並ぶように前記領域の内部を縫目で埋める縫目データを作成するように機能させることを特徴とする請求項6または7に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 前記コンピュータを、前記縫目データ作成手段が、前記エッジ線図形に沿った縫目データを作成するように機能させることを特徴とする請求項6または7に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 前記コンピュータを、前記エッジ領域における勾配の大きさを算出する勾配算出手段として機能させると共に、前記縫目データ作成手段が、前記勾配算出手段によって算出された前記エッジ領域における勾配の大きさに従って、そのエッジ線図形に沿って作る刺繍縫目の縫目形態が変化する縫目データを作成するように機能させることを特徴とする請求項9に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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