JP4123610B2 - 自動クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動クラッチ制御装置に係り、特に、変速機の変速後に自動クラッチを接続する際の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 複数の変速段を有して走行用駆動源と車輪との間に配設され、運転者のシフト操作に従って変速される変速機と、(b) その変速機と前記走行用駆動源との間に配設されて動力伝達経路を接続、遮断する自動クラッチとを有し、(c) 前記変速機の変速時に前記自動クラッチを遮断するとともに、変速終了後にその自動クラッチを接続する自動クラッチ制御装置が知られている。実開平5−71028号公報に記載されている装置はその一例で、運転者のシフトレバー操作に従って変速アクチュエータにより変速機の変速段が切り換えられるようになっているとともに、その変速アクチュエータによる変速後(変速出力から所定時間後など)に自動クラッチを接続するようになっている。変速機の変速段が、運転者のシフトレバー操作に従って機械的に切り換えられる場合は、シフトレバーや変速機構の作動状態、或いは変速機の入出力部材の回転数比などに基づいて変速が略終了したか否かを判断し、変速終了と判断された後に自動クラッチを接続することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように変速終了後に一律に自動クラッチを接続すると、停車後の再発進のために停車直前にシフトレバーが1st(第1変速段)等に入れられた場合でも、自動クラッチが接続され、駆動源ブレーキ(エンジンブレーキなど)が発生して運転者に違和感を生じさせる可能性があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、停車後の再発進のためにシフトレバーが低速段へ入れられた場合に、自動クラッチが接続されて駆動源ブレーキが発生することを防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、(a) 複数の変速段を有して走行用駆動源と車輪との間に配設され、運転者のシフト操作に従って変速される変速機と、(b) その変速機と前記走行用駆動源との間に配設されて動力伝達経路を接続、遮断する自動クラッチとを有し、(c) 前記変速機の変速時に前記自動クラッチを遮断するとともに、変速終了後にその自動クラッチを接続する自動クラッチ制御装置において、(d) 車両走行中に前記シフト操作が行われて何れかの変速段が成立させられた場合に、そのシフト操作が停車後の再発進のためのものか否かを判断するため、 (d-1) 前記自動クラッチの前記走行用駆動源側の部材の回転数が前記変速機側の部材の入力回転数より小さい場合に加速を期待したシフト操作でないと判断する加速シフト判断手段と、 (d-2) 車速が予め定められた所定車速以下で、且つ前記シフト操作が発進に適した予め定められた低速段へのシフト操作である場合に、前記走行用駆動源の回転抵抗による駆動源ブレーキを期待したシフト操作でないと判断するブレーキシフト判断手段とを有し、 (d-3) その加速シフト判断手段によって加速を期待したものでないと判断され、且つブレーキシフト判断手段によって駆動源ブレーキを期待したものでないと判断された場合に、停車後の再発進のためのシフト操作と判断する再発進シフト判断手段と、(e) その再発進シフト判断手段により、前記シフト操作が停車後の再発進のためのものと判断された時には、前記変速終了後における前記自動クラッチの接続を制限する接続制限手段とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
このような自動クラッチ制御装置においては、車両走行中にシフト操作が行われて何れかの変速段が成立させられた場合に、そのシフト操作が停車後の再発進のためのものか否かが再発進シフト判断手段によって判断され、停車後の再発進のためのものと判断された時には、接続制限手段によって変速終了後における自動クラッチの接続が制限される。このため、停車後の再発進のためにシフト操作が行われた時に、自動クラッチが接続されて駆動源ブレーキが発生して運転者に違和感を生じさせることが抑制される。
【0008】
また、自動クラッチの走行用駆動源側の部材の回転数が変速機側の部材の入力回転数より小さい場合に加速を期待したシフト操作でないと判断するとともに、車速が予め定められた所定車速以下で、且つシフト操作が発進に適した予め定められた低速段へのシフト操作である場合に、駆動源ブレーキを期待したシフト操作でないと判断し、加速を期待したものでも駆動源ブレーキを期待したものでもない場合に、停車後の再発進のためのシフト操作と判断するため、停車後の再発進のためのシフト操作か否かを良好に判断できる。また、車両走行状態に基づいて加速や駆動源ブレーキのためのシフト操作か否か、言い換えれば停車後の再発進のためのシフト操作か否かが自動的に判断されるため、例えば運転者のスイッチ操作で判断する場合に比較して煩わしい操作が不要である。
【0010】
【発明の実施の形態】
ここで、走行用駆動源としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは勿論、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。変速機は、平行な2軸間に変速比が異なる複数の変速ギヤ対が配設されるとともに、それ等の変速ギヤ対に対応して複数の噛合クラッチが設けられた2軸噛合式のものが好適に用いられるが、遊星歯車式等の他の形式の変速機を採用することもできる。また、運転者のシフトレバー操作に従って機械的に変速段が切り換えられる場合は勿論、運転者の変速意思をスイッチ等で検出し、その変速意思に従って変速アクチュエータにより変速段を切り換えるものでも良い。シフト操作は、変速機の変速段を切り換えるための操作であれば、レバー操作でもスイッチ操作でも良い。なお、運転者のシフト操作による変速だけでなく、予め定められた変速マップに従って自動的に変速段を切り換える自動変速機能を備えていても良い。
【0011】
自動クラッチとしては、摩擦係合式クラッチや電磁クラッチなどが好適に用いられ、必要に応じてスリップ制御を行うこともできる。自動クラッチの接続を制限する接続制限手段は、自動クラッチの接続を禁止して完全な遮断状態に維持するものでも良いが、クリープトルクを伝達できる程度の係合トルクを発生するなど、所定のスリップ状態で係合させるものでも良い。スリップ状態は、例えば車速等の車両走行状態に応じて制御するようにしても良い。
【0013】
変速機がニュートラルの場合を除いて車速は変速機の各部の回転数と対応するため、本発明の実施に際して変速機の入力回転数等を車速の代わりに用いることもできる。
【0014】
また、ブレーキシフト判断手段は、発進に適した予め定められた低速段であるか否かを判断するが、この低速段としては、変速比が最も大きい第1変速段を含むが、運転者が車両発進時に使う可能性がある2または3以上の複数の低速段を設定しておいても良い。
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の概略構成を説明する骨子図で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、走行用駆動源としてのエンジン12、自動クラッチ14、変速機16、差動歯車装置18を備えている。自動クラッチ14は、例えば図2に示す乾式単板式の摩擦クラッチで、エンジン12のクランクシャフト20に取り付けられたフライホイール22、クラッチ出力軸24に配設されたクラッチディスク26、クラッチカバー28に配設されたプレッシャプレート30、プレッシャプレート30をフライホイール22側へ付勢することによりクラッチディスク26を挟圧して動力伝達するダイヤフラムスプリング32、クラッチレリーズシリンダ34によりレリーズフォーク36を介して図の左方向へ移動させられることにより、ダイヤフラムスプリング32の内端部を図の左方向へ変位させてクラッチを遮断(開放)するレリーズベアリング38を有して構成されている。
【0016】
上記クラッチレリーズシリンダ34は、図3に示す油圧回路(HPU:Hydraulic Power Unit) 90によって油圧が供給されるようになっている。油圧回路90は、リザーバ92から作動油を汲み上げて吐出する電動式の油圧ポンプ94、油圧ポンプ94から吐出された作動油を蓄積するアキュムレータ96、クラッチレリーズシリンダ34に対する作動油の供給、排出を切り換える3ポートリニアスプール式等のクラッチソレノイドバルブ98を備えており、クラッチソレノイドバルブ98からクラッチレリーズシリンダ34に作動油が供給されることによって自動クラッチ14は遮断され、クラッチレリーズシリンダ34の作動油の流出が許容されると、自動クラッチ14のダイヤフラムスプリング32の付勢力に従ってクラッチレリーズシリンダ34のピストンが押し返されるとともに、自動クラッチ14が接続(係合)状態になる。なお、図中の106はリリーフ弁、108は逆止弁、110は回路内の作動油の油圧PO を検出する油圧センサである。
【0017】
図1に戻って前記変速機16は、差動歯車装置18と共に共通のハウジング40内に配設されてトランスアクスルを構成しており、そのハウジング40内に所定量だけ充填された潤滑油に浸漬され、差動歯車装置18と共に潤滑されるようになっている。変速機16は、(a) 平行な一対の入力軸42、出力軸44間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対46a〜46eが配設されるとともに、それ等の変速ギヤ対46a〜46eに対応して複数の噛合クラッチ48a〜48eが設けられた2軸噛合式の変速機構と、(b) それ等の噛合クラッチ48a〜48eの3つのクラッチハブスリーブ50a、50b、50cにそれぞれ係合させられ、クラッチハブスリーブ50a、50b、50cを移動させることにより何れかの変速段を成立させる3本のフォークシャフト52a、52b、52cと、(c) 図5に示すようにシフトレバー160の操作に従って機械的に軸方向であるセレクト方向へ移動させられることにより前記複数のフォークシャフト52a、52b、52cの任意の一つに選択的に係合させられるとともに、そのセレクト方向と略直角なシフト方向、実施例では軸心まわりに回動させられることによりフォークシャフト52a、52b、52cを軸方向へ移動させて所定の変速段を成立させるシフト・セレクトシャフト53とを備えており、前進5段の変速段が成立させられるようになっている。入力軸42および出力軸44には更に後進ギヤ対54が配設され、図示しないカウンタシャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速段が成立させられるようになっている。なお、入力軸42は、スプライン嵌合55によって前記自動クラッチ14のクラッチ出力軸24に連結されているとともに、出力軸44には出力歯車56が配設されて差動歯車装置18のリングギヤ58と噛み合わされている。図1は、入力軸42、出力軸44、およびリングギヤ58の軸心を共通の平面内に示した展開図である。
【0018】
上記噛合クラッチ48a〜48eは何れもシンクロメッシュタイプで、図4に噛合クラッチ48aについて具体的に例示するように、キースプリング60によってクラッチハブスリーブ50aに係合させられたシフティングキー62と、所定の遊びを有する状態でシフティングキー62と共に回転させられるシンクロナイザリング64と、変速ギヤ対46aの入力歯車66に設けられたコーン部68とを備えている。クラッチハブスリーブ50aの内周面にはスプライン歯70が設けられて入力軸42とスプライン嵌合され、入力軸42と常に一体的に回転させられるようになっており、そのクラッチハブスリーブ50aが図の右方向へ移動させられると、シフティングキー62を介してシンクロナイザリング64がコーン部68に押圧されてテーパ嵌合させられ、それ等の間の摩擦によって入力歯車66に動力伝達が行われるようになる。クラッチハブスリーブ50aが更に右方向へ移動させられると、スプライン歯70は、シンクロナイザリング64に設けられたスプライン歯72、更には入力歯車66に設けられたスプライン歯74と噛み合わされ、これにより入力軸42と入力歯車66とが一体的に連結されて、変速ギヤ対46aを介して動力伝達が行われる。図4の(a-1) 、(a-2) は噛合クラッチ48aが遮断された状態で、図4の(b-1) 、(b-2) は噛合クラッチ48aが連結された状態である。なお、図4の(a-1) 、(b-1) は、軸心を含む一平面の断面図で、(a-2) 、(b-2) は(a-1) 、(b-1) の状態を外周側から見たクラッチハブスリーブ50aの円筒部分を除く展開図である。
【0019】
他の噛合クラッチ48b〜48eも上記噛合クラッチ48aと実質的に同じ構成であるが、クラッチハブスリーブ50bは噛合クラッチ48bおよび48cに共通のもので、クラッチハブスリーブ50cは噛合クラッチ48dおよび48eに共通のものである。
【0020】
図5において、シフト・セレクトシャフト53はシフト・セレクト部材で、連動機構としての一対のセレクト用プッシュプルケーブル162、シフト用プッシュプルケーブル164を介してシフトレバー160に連結されている。シフトレバー160は運転席の横に配設されているとともに、図7に示すシフトパターン166を備えており、「1」〜「5」の前進位置および「R」の後進位置へ選択的に操作される。図7の左右方向である車両の横方向へシフトレバー160が操作されると、セレクト用プッシュプルケーブル162を介してシフト・セレクトシャフト53は軸方向、すなわち図5の左右方向へ直線移動させられる一方、図7の上下方向である車両の前後方向へシフトレバー160が操作されると、シフト用プッシュプルケーブル164を介してシフト・セレクトシャフト53は軸心まわりに回転させられる。
【0021】
シフト・セレクトシャフト53には係合突起168が一体的に固設されており、シフトレバー160が「1」、「2」の中間位置へ操作されると、シフト・セレクトシャフト53は係合突起168がフォークシャフト52cの係合部材170と係合する第1セレクト位置へ移動させられ、その状態で「1」または「2」位置へ操作されてシフト・セレクトシャフト53が軸心まわりに回転させられると、フォークシャフト52cが軸方向へ移動させられて噛合クラッチ48eまたは48dが連結されることにより、変速比e(=入力軸42の回転数NIN/出力軸44の回転数NOUT )が最も大きい第1変速段または変速比eが2番目に大きい第2変速段が成立させられる。シフトレバー160が「3」、「4」の中間位置へ操作されると、シフト・セレクトシャフト53は係合突起168がフォークシャフト52bの係合部材172と係合する第2セレクト位置(図5の位置)へ移動させられ、その状態で「3」または「4」位置へ操作されてシフト・セレクトシャフト53が軸心まわりに回転させられると、フォークシャフト52bが軸方向へ移動させられて噛合クラッチ48cまたは48bが連結されることにより、変速比eが3番目に大きい第3変速段または変速比eが4番目に大きい第4変速段が成立させられる。この第4変速段の変速比eは略1である。また、シフトレバー160が「5」、「R」の中間位置へ操作されると、シフト・セレクトシャフト53は係合突起168がフォークシャフト52aの係合部材174と係合する第3セレクト位置へ移動させられ、その状態で「5」位置へ操作されてシフト・セレクトシャフト53が軸心まわりに回転させられると、フォークシャフト52aが軸方向へ移動させられて噛合クラッチ48aが連結されることにより、変速比eが最も小さい第5変速段が成立させられる。「R」位置へ操作されると、フォークシャフト52aが逆方向へ移動させられることにより後進変速段が成立させられる。なお、シフト・セレクトシャフト53には、付勢手段として一対の圧縮コイルスプリング176、178が配設され、軸方向へ付勢されることにより常には上記第2セレクト位置に保持されるようになっている。上記フォークシャフト52a〜52cはフォーク部材に相当する。
【0022】
上記シフト・セレクトシャフト53にはまた、センサ用係合部材180が固設され、ハウジング40に配設されたギヤ入りスイッチ182と係合させられている。ギヤ入りスイッチ182は、複数の変速段のうちの何れかが略成立したか否かを検出するリミットスイッチ等のON−OFFスイッチで、センサ用係合部材180は、シフト・セレクトシャフト53が何れのセレクト位置へ移動させられてもギヤ入りスイッチ182との係合が維持される軸方向寸法を有するとともに、図6に示すようにシフト・セレクトシャフト53の軸心まわりの所定角度範囲に亘って大径の突部184を備えている。そして、シフト・セレクトシャフト53が軸心まわりに回転させられて何れかの前進変速段または後進変速段が略成立させられると、ギヤ入りスイッチ182の接触部186との係合が解除されてON、OFFを切り換える。本実施例では、接触部186が突部184と係合するニュートラル状態でONになり、それ等の係合が解除されるギヤ入り状態でOFFになる。また、このON、OFFが切り換わる位置は、各変速段が完全に成立する少し前の位置、具体的にはクラッチハブスリーブ50a等のスプライン歯70の前端がスプライン歯74の前端と係合可能な噛合い開始位置と、スプライン歯70の側面とスプライン歯74の側面とが係合し始める位置との間で、ギヤ入りスイッチ182のON、OFFが切り換わるようになっている。シフトレバー160については、図7に一点鎖線で示す位置でギヤ入りスイッチ182のON、OFFが切り換わる。
【0023】
図1に戻って、前記差動歯車装置18は傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ80R、80Lにはそれぞれドライブシャフト82R、82Lがスプライン嵌合などによって連結され、左右の前輪(駆動輪)84R、84Lを回転駆動する。
【0024】
図8は、本実施例の車両用駆動装置10の制御系統を説明するブロック線図で、エンジン用ECU(Electronic Control Unit)114、自動クラッチ用ECU116、ABS(Antilock Brake System)用ECU118を備えているとともに、それ等の間で必要な情報をやり取りする。これ等のECU114、116、118は、何れもマイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。エンジン用ECU114には、イグニッションスイッチ120、エンジン回転数(NE )センサ122、車速(V)センサ124、スロットル弁開度(θTH)センサ126、吸入空気量(Q)センサ128、吸入空気温(TA )センサ130、エンジン冷却水温(TW )センサ132などが接続され、それぞれイグニッションスイッチ120の操作位置、エンジン回転数NE 、車速V(出力軸44の回転数NOUT に対応)、スロットル弁開度θTH、吸入空気量Q、吸入空気温(外気温)TA 、エンジン冷却水温TW などを表す信号が供給されるようになっており、それ等の信号に従ってスタータ(電動モータ)134を回転駆動してエンジン12を始動したり、燃料噴射弁136の燃料噴射量や噴射時期を制御したり、イグナイタ138により点火プラグの点火時期を制御したりする。イグニッションスイッチ120は、「OFF」位置、「ON」位置、および「スタート」位置を備えており、「スタート」位置へ操作されることによりエンジン用ECU114はスタータ134を作動させてエンジン12を始動する。
【0025】
自動クラッチ用ECU116には、前記ギヤ入りスイッチ182の他、シフトレバースイッチ142、ブレーキスイッチ144、入力回転数(NIN:入力軸42の回転数)センサ146、ギヤ位置(PG )センサ148、クラッチストローク(SCL)センサ150、前記油圧(PO )センサ110などが接続され、何れかの変速段が略成立しているか否かを表すON、OFF信号の他、シフトレバー160に対する操作の有無、ブレーキのON、OFF、入力回転数NIN、変速機16の変速段であるギヤ位置PG 、自動クラッチ14のストロークすなわちクラッチレリーズシリンダ34のストロークSCL、油圧PO などを表す信号が供給されるようになっている。シフトレバースイッチ142は、変速の際の操作抵抗によってONになるON−OFFスイッチや歪ゲージなどで、前記ギヤ入りスイッチ182がOFFからONに切り換わる前にONになる。また、ギヤ位置センサ148は、シフトレバー160や変速機構に配設された複数のストロークスイッチ、或いは変速段毎に配設されたON−OFFスイッチなどで、ギヤ入りスイッチ182よりもニュートラル側で各変速段を検出する。そして、それ等の信号や、前記エンジン制御用ECU114、ABS用ECU118から必要な信号を取り込むことにより、前記油圧ポンプ94の作動を制御したり、クラッチソレノイドバルブ98により油圧回路を切り換えたりすることにより、変速機16の変速時等に自動クラッチ14の遮断、接続制御を行う。
【0026】
ABS用ECU118には、4本の車輪にそれぞれ配設された車輪速(NW )センサ152から車輪速NW を表す信号が供給され、それ等の車輪速NW を比較することによりスリップの有無を検出し、ブレーキ油圧制御弁154を制御して各車輪のブレーキ油圧を制御することによりスリップの発生を抑制する。
【0027】
次に、前記自動クラッチ用ECU116によって行われる自動クラッチ14の遮断、接続制御のうち、変速時などにクラッチ14が遮断状態とされたクラッチ断保持モードから他のモードへの遷移判定処理を、図9のフローチャートを参照しつつ具体的に説明する。なお、クラッチ断保持モードが維持される場合は、図9のフローチャートが所定のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0028】
図9のステップS1では、イグニッションスイッチ120が「ON」か否かを判断し、「ON」でない場合すなわち「OFF」の時には、ステップS2においてシステム停止制御モードへ移行し、自動クラッチ14に関する制御を予め定められた手順に従って停止する。イグニッションスイッチ120が「ON」の場合には、ステップS3を実行してエンジン回転数NE が正か否かを判断し、エンジン回転数NE が0の時には、ステップS4においてエンジン停止時のクラッチ制御に関するエンジン停止時制御モードへ移行する。
【0029】
エンジン回転数NE が正の場合には、ステップS5においてニュートラルか否かを前記ギヤ入りスイッチ182がONか否かによって判断し、ニュートラルであればそのまま終了するが、ニュートラルでなければステップS6以下を実行する。ステップS6では、入力回転数NINがエンジン12のアイドル回転数NEidl以上か否かを判断し、NIN<NEidlの時にはステップS7でアクセルONか否かを、図示しないアクセルペダルの操作量を検出する図示しないアクセル操作量センサ或いはスロットル弁開度センサ126からの信号に基づいて判断する。そして、アクセルOFFであればそのまま終了するが、アクセルONの時にはステップS8を実行し、車両発進時のクラッチ制御に関する発進制御モードへ移行する。
【0030】
ステップS6の判断がYESの場合、すなわちNIN≧NEidlの時には、ステップS9においてエンジン回転数NE よりも入力回転数NINの方が大きいか否かを判断し、NE ≧NINであればアクセルがONで今回のシフト操作が加速を期待したものと判断してステップS10を実行し、加速時のクラッチ係合制御に関する加速係合制御モードへ移行する。エンジン回転数NE は走行用駆動源側の部材の回転数で、入力回転数NINは変速機側の部材の入力回転数である。ステップS9の判断がYESの場合、すなわちNE <NINの場合は、アクセルがOFFで加速を期待したものではないと判断してステップS11を実行し、入力回転数NINが2000rpmより小さく且つギヤ位置センサ148によって検出される新たな変速段が第1変速段(1st)であるか否かを判断する。そして、NIN<2000rpmで且つ第1変速段(1st)の場合は、今回のシフト操作が停車後の再発進のためのものと判断してステップS12を実行し、現在のクラッチ断保持モードをそのまま維持するが、そうでない場合、すなわちNIN≧2000rpmであるか或いは第1変速段(1st)でない場合は、今回のシフト操作がエンジンブレーキを期待したものと判断してステップS13を実行し、エンジンブレーキ時のクラッチ係合制御に関する減速係合制御モードへ移行する。入力回転数NINは、変速機16がニュートラルの場合を除いて車速Vに対応し、NIN<2000rpmか否かの判断は実質的に第1変速段(1st)の時の車速Vが所定車速以下か否かの判断に相当するものであり、第1変速段(1st)は発進に適した予め定められた低速段である。
【0031】
ここで、このような本実施例の自動クラッチ制御においては、車両走行中にシフト操作が行われて何れかの変速段が成立させられた場合、すなわちステップS5の判断がNOの場合に、ステップS6以下の各ステップが実行され、ステップS6、S9、およびS11の判断が何れもYESであれば、今回のシフト操作が停車後の再発進のためのものと判断して、ステップS12で自動クラッチ14を遮断するクラッチ断保持モードがそのまま維持される。このため、停車後の再発進のためにシフト操作が行われた時に、例えばステップS13で減速係合制御モードへ移行して自動クラッチ14が接続されることにより、エンジンブレーキが発生して運転者に違和感を生じさせることが防止される。
【0032】
また、ステップS9において、NE <NINか否かにより今回のシフト操作が加速を期待したものでないか否かを判断するとともに、ステップS11において、NIN<2000rpmで且つ第1変速段(1st)であるか否かにより、今回のシフト操作がエンジンブレーキを期待したものでないか否かを判断し、何れの判断もYESの場合に停車後の再発進のためのシフト操作と判断してステップS12を実行するため、停車後の再発進のためのシフト操作か否かを良好に判断できるとともに、エンジン回転数NE 等の車両走行状態に基づいて加速やエンジンブレーキのためのシフト操作か否か、言い換えれば停車後の再発進のためのシフト操作か否かが自動的に判断されるため、例えば運転者のスイッチ操作で判断する場合に比較して煩わしい操作が不要である。
【0033】
本実施例では、自動クラッチ用ECU116による一連の信号処理のうち、ステップS6、S9、およびS11を実行する部分は再発進シフト判断手段に相当し、そのうちのステップS9を実行する部分は加速シフト判断手段に相当し、ステップS11を実行する部分はブレーキシフト判断手段に相当する。また、ステップS12を実行する部分は接続制限手段に相当する。なお、このステップS12は理解を容易にするために図示したもので、ステップS12を特別に設けなくてもクラッチ断保持モードは維持される。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である自動クラッチ制御装置を備えている車両用駆動装置の概略構成を示す骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置の自動クラッチの一例を説明する図である。
【図3】図2の自動クラッチを遮断、接続制御する油圧回路の回路図である。
【図4】図1の車両用駆動装置の変速機の噛合クラッチを説明する図である。
【図5】図1の車両用駆動装置の変速機のシフト・セレクトシャフトを説明する断面図である。
【図6】図5のシフト・セレクトシャフトの回転から変速が略終了したことを検出するギヤ入りスイッチを説明する図である。
【図7】シフトレバーのシフトパターンを示す図で、併せて図6のギヤ入りスイッチのON、OFF切り換わり位置との関係を説明する図である。
【図8】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブロック線図である。
【図9】図8の自動クラッチ用ECUにより実行されるクラッチ断保持モードからのモート遷移判定処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:車両用駆動装置
12:エンジン(走行用駆動源)
14:自動クラッチ
16:変速機
116:自動クラッチ用ECU
NE :エンジン回転数(走行用駆動源側の部材の回転数)
NIN:入力回転数(変速機側の部材の入力回転数)
ステップS6、S9、S11:再発進シフト判断手段
ステップS9:加速シフト判断手段
ステップS11:ブレーキシフト判断手段
ステップS12:接続制限手段
Claims (1)
- 複数の変速段を有して走行用駆動源と車輪との間に配設され、運転者のシフト操作に従って変速される変速機と、
該変速機と前記走行用駆動源との間に配設されて動力伝達経路を接続、遮断する自動クラッチと
を有し、前記変速機の変速時に前記自動クラッチを遮断するとともに、変速終了後に該自動クラッチを接続する自動クラッチ制御装置において、
車両走行中に前記シフト操作が行われて何れかの変速段が成立させられた場合に、そのシフト操作が停車後の再発進のためのものか否かを判断するため、
前記自動クラッチの前記走行用駆動源側の部材の回転数が前記変速機側の部材の入力回転数より小さい場合に加速を期待したシフト操作でないと判断する加速シフト判断手段と、
車速が予め定められた所定車速以下で、且つ前記シフト操作が発進に適した予め定められた低速段へのシフト操作である場合に、前記走行用駆動源の回転抵抗による駆動源ブレーキを期待したシフト操作でないと判断するブレーキシフト判断手段と
を有し、該加速シフト判断手段によって加速を期待したものでないと判断され、且つ該ブレーキシフト判断手段によって駆動源ブレーキを期待したものでないと判断された場合に、停車後の再発進のためのシフト操作と判断する再発進シフト判断手段と、
該再発進シフト判断手段により、前記シフト操作が停車後の再発進のためのものと判断された時には、前記変速終了後における前記自動クラッチの接続を制限する接続制限手段と
を有することを特徴とする自動クラッチ制御装置。
Priority Applications (1)
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| JP37030898A JP4123610B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 自動クラッチ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP37030898A JP4123610B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 自動クラッチ制御装置 |
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| JP2000192994A JP2000192994A (ja) | 2000-07-11 |
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-
1998
- 1998-12-25 JP JP37030898A patent/JP4123610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2000192994A (ja) | 2000-07-11 |
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