JP4123686B2 - 個体認証装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、個体の能動的な動作における特徴を検出して個体認証を行う個体認証装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報機器のネットワーク化やインターネットの普及などにより、利用者(個体)を識別するための個体認証技術の重要性が高まっている。例えば、近年では、インターネットに接続することができる携帯電話機が登場しており、このような携帯電話機の利用者はインターネットを介して銀行取引きや物品購入などを容易に行うことができる。このとき、利用者は、例えばパスワードや暗証番号を入力することで本人であることを相手に通知して取引き等を行う。しかし、パスワードまたは暗証番号とともに携帯電話機が悪意の第三者の手に渡ると、この第三者は本人になりかわって不正な取引きなどを行うことができ、本人は甚大な被害を受ける場合がある。そこで、認証力が高くセキュリティ性が優れた個体認証技術の開発が求められている。
【0003】
例えば、指紋や網膜などのような個体に生来特有の情報を用いた個体認証技術がある。この個体認証技術は、暗証番号を用いる場合よりも認証力が高いものの、やはり、本人の指紋や網膜を取得した悪意の第三者が不正に利用することが可能であり、セキュリティ性が充分であるとは言えない。一方、個体の能動的な動作における特徴を検出して個体認証を行う個体認証技術が知られている。例えば、特開昭62−287387号公報や特開平4−238582号公報に開示された個体認証技術は、電子ペンを用いて入力面に署名する際の位置や筆圧などのデータに基づいて個体認証を行うものである。また、特開平3−225406号公報に開示された個体認証技術は、キーボードにおいてキー入力する際の速さや圧力などのデータに基づいて個体認証を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の各公報に開示された個体認証技術は、個体に生来特有の静的な情報を用いるのではなく、個体の能動的な動作における特徴を検出して個体認証を行うものであり、また、その能動的な動作を各個体が任意に決定することができることから、セキュリティ性が優れ認証力が高いとされている。また、署名の際の文字数や字画数などを多くすることにより、或いは、キー入力の際の文字数を多くすることにより、更にセキュリティ性および認証力を高めることができると期待され得る。しかしながら、署名やキー入力に要する時間は一定ではなく長くなることもある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、セキュリティ性および認証力が高く一定の時間内に個体認証を行うことができる個体認証装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る個体認証装置は、(1) 時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号を出力する出力部と、(2) 出力部が出力信号を出力しているときに、出力信号が有する所定の出力パターンに対して個体が能動的に応答する応答パターンを検出して、この検出した応答パターンを表す応答信号を出力する検出部と、(3) 所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンを登録パターンとして記憶する記憶部と、(4) 検出部が出力した応答信号が表す応答パターンと記憶部が記憶している登録パターンとの一致度を求め、この求めた一致度に基づいて個体認証を行う演算部と、を備えることを特徴とする。さらに、出力部は、所定平面に対して平行な方向に移動可能な可動部材の動きを出力パターンとして有する出力信号を出力することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る個体認証装置によれば、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号が出力部から出力され、この出力部が出力信号を出力しているときに上記所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンが検出部により検出される。そして、演算部により、検出部が検出した応答パターンと記憶部が記憶している登録パターンとの一致度が求められ、この求められた一致度に基づいて個体認証が行われる。このように、本発明に係る個体認証装置は、個体に生来特有の静的な情報を用いるのではなく、個体の動作(出力パターンに対する応答)における特徴(応答パターン)を検出して、この応答パターンと登録パターンとの一致度に基づいて個体認証を行うものであり、また、その動作を各個体が任意に決定することができることから、セキュリティ性に優れ認証力が高い。また、本発明に係る個体認証装置は、出力部による出力パターンの出力および検出部による応答パターンの検出を同時に行い、これに要する時間を一定にすることができることから、一定の時間内に個体認証を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る個体認証装置では、出力部は、固定部材に対して所定平面に平行な方向に移動可能な可動部材と、所定の出力パターンに応じて可動部材を移動させる駆動部とを有し、検出部は、駆動部により移動されている可動部材に対する個体の力学的な応答を検出して応答信号を出力するのが好適である。
【0010】
また、本発明に係る個体認証装置は、出力部が複数の出力パターンのうちの何れかの出力パターンを有する出力信号を出力することを特徴とする。このとき、複数の出力パターンのうちから所定の出力パターンを利用者が選択してもよく、また、複数の出力パターンのうちから所定の出力パターンを個体認証装置がランダムに選択してもよい。このようにすることで、セキュリティ性および認証力が更に高くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、本発明に係る個体認証装置の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の構成図である。この個体認証装置1は、出力部11、検出部12、記憶部13、演算部14および制御部15を備える。
【0013】
出力部11は、制御部15による制御の下で、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号を出力するものである。本実施形態の出力部11は、略平板状の固定部材111と、この固定部材111に対して移動可能な略平板状の可動部材112と、所定の出力パターンに応じて可動部材112を移動させる駆動部113とを有する。そして、出力部11は、可動部材112の動きを出力パターンとして有する出力信号(例えば、固定部材111に対する可動部材112の変位、移動速度または力など)を出力する。なお、この図で固定部材111および可動部材112については断面が示されている。
【0014】
検出部12は、制御部15による制御の下で、出力部11が出力信号を出力しているときに、出力信号が有する所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンを検出して、この検出した応答パターンを表す応答信号を出力する。検出部12は、固定部材111に対する可動部材112の相対的な変位を検出する位置検出センサ114とともに、この位置検出センサ114からの出力信号に基づいて、可動部材112の動きに対する個体の力学的な応答(例えば、固定部材111に対する可動部材112の変位、移動速度または力など)を検出して応答信号を出力する。
【0015】
記憶部13は、所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンを登録パターンとして予め記憶しておく。また、記憶部13は、出力部11が出力する出力信号が有する所定の出力パターンを記憶しておき、また、検出部12が出力した応答信号に基づいて応答パターンを記憶する。なお、記憶部13は、1つのメモリであってもよいが、出力パターンおよび登録パターンを記憶するメモリとして書き換え可能な不揮発性のメモリ(例えばEEPROMやフラッシュメモリなど)を用い、応答パターンを記憶するメモリとして揮発性のメモリ(例えばDRAMなど)を用いてもよい。
【0016】
演算部14は、制御部15による制御の下で、検出部12が出力した応答信号に基づいて記憶部13に記憶された応答パターンと、記憶部13が記憶している登録パターンとを入力し、応答パターンと登録パターンとの一致度を求めて、この求めた一致度に基づいて個体認証を行う。制御部15は、上記の出力部11、検出部12および演算部14それぞれの動作を制御するものであり、利用者の指示を受けて各々の動作の開始を指示する。
【0017】
次に、出力部11の構成について図2〜図6を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11の構成図である。同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)中におけるA−A線での断面図である。この出力部11は、側縁部が上方に突出した略板状の固定部材111と、この固定部材111に対して所定平面に平行な方向に移動可能な可動部材112と、固定部材111の側縁部と可動部材112との間に両者を連結する弾性部材115A〜115Dとを有する。弾性部材115A〜115Dそれぞれは、弾性を有する樹脂やバネなどであり、可動部材112の周囲の4個所に設けられており、一端が可動部材112に接合され、他端が固定部材111の側縁部に接合されている。
【0018】
また、可動部材112には4つのコイル116A〜116Dが固定されている。同図(a)の平面図において、中心を原点とし、右方向をX軸方向とし、上方向をY軸方向とすると、コイル116AはX座標値が正の領域にX軸をまたいで設けられており、コイル116BはX座標値が負の領域にX軸をまたいで設けられており、コイル116CはY座標値が正の領域にY軸をまたいで設けられており、また、コイル116DはY座標値が負の領域にY軸をまたいで設けられている。
【0019】
図3は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における駆動力発生機構を説明する平面図である。固定部材111には4つの磁石117A〜117Dが固定されている。磁石117Aは、X座標値が正であってY座標値も正である領域に、その磁束がコイル116Aおよび116Dの双方を貫くように設けられている。磁石117Bは、X座標値が負であってY座標値が正である領域に、その磁束がコイル116Bおよび116Dの双方を貫くように設けられている。磁石117Cは、X座標値が負であってY座標値も負である領域に、その磁束がコイル116Bおよび116Cの双方を貫くように設けられている。また、磁石117Dは、X座標値が正であってY座標値が負である領域に、その磁束がコイル116Aおよび116Cの双方を貫くように設けられている。これらのうち磁石117Aおよび117Cそれぞれは、可動部材112に対向する側がS極となるように配置され、磁石117Bおよび117Dそれぞれは、可動部材112に対向する側がN極となるように配置されている。
【0020】
コイル116A〜116Dと磁石117A〜117Dとの間の相対的な位置関係について換言すれば以下のとおりである。コイル116Aは、磁石117Aおよび117Dそれぞれが作る磁界に対して、X軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。コイル116Bは、磁石117Bおよび117Cそれぞれが作る磁界に対して、X軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。コイル116Cは、磁石117Cおよび117Dそれぞれが作る磁界に対して、Y軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。また、コイル116Dは、磁石117Aおよび117Bそれぞれが作る磁界に対して、Y軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。
【0021】
コイル116A〜116Dそれぞれは、銅線を用いてもよいし、また、軽量化のためにアルミニウム線を用いてもよく、さらに、銅メッキされたアルミニウム線を用いるのも好適である。磁石117A〜117Dそれぞれは、保磁力および残留磁束密度が大きいものが好ましく、例えばネオジ磁石が好適である。
【0022】
駆動部113はコイル116A〜116Dそれぞれに対して独立に電流を流すことができる。そして、コイル116A〜116Dそれぞれに流れる電流の大きさ及び方向と、磁石117A〜117Dそれぞれが作る磁界との間で、フレミングの左手の法則に応じた相互作用が生じる。これに因り、コイル116A〜116Dそれぞれに推力が生じて、これらの推力と弾性部材115A〜115Dそれぞれの応力とに応じて、固定部材111に対して可動部材112が移動する。
【0023】
図4は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における固定部材111と可動部材112との摺動機構を説明する断面図である。磁石117A〜117Dが固定された固定部材111の下面、および、コイル116A〜116Dが固定された可動部材112の上面それぞれに、両者が互いに摺動可能なように、摺動部材118Aおよび118Bが設けられている。摺動部材118Aおよび118Bそれぞれは、摩擦係数が小さいフッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)、潤滑油が含浸された樹脂および金属などが好適に用いられる。摺動部材118Aおよび118Bの間に、潤滑油を塗布するのも好適であり、また、非磁性体の球体を介在させて、この球体の転がりによって摺動させるようにしてもよい。
【0024】
なお、図4には、摺動機構だけでなく、可動部材112の上面にある表面層119、および、この表面層119の中央付近に設けられた感圧部120も示されている。図5は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における感圧部120を説明する断面図である。表面層119は、人の指や掌などの受容器官が接離可能なように平坦に仕上げられている。感圧部120は、表面層119に人の指などが触れたことを検知するものである。感圧部120は、シリコーンゴムおよび導電性粉末を混合した材料を用いた感圧導電性ゴム120Aを導電性プラスティック層120Bおよび120Cで挟んだ構成となっている。そして、導電性プラスティック層120Bと導電性プラスティック層120Cとの間に電圧を印加し、感圧部120に人の指などが触れたときの接触圧に因る電気抵抗値の変化を検出して、これにより接触の有無を検知する。この感圧部120から出力される接触検知信号は制御部15に送られ、その後に制御部15による制御の下に認証動作が開始される。
【0025】
この他、可動部材112に人の指などが接触したことを検知する方法として以下のものがある。すなわち、可動部材112に所定の電荷を蓄積して保持する電荷蓄積部を設け、人の指などが接触したときに電荷蓄積部に保持されていた電荷を人の指などに流出させ、電荷蓄積部に蓄積されている電荷の量の変化を検出することで、可動部材112に人の指などが接触したことを検知するのも好適である。また、可撓性を有する2つの電極を相互間距離が一定となるように支持し、人の指などが接触したときに、これら2つの電極の相互間距離が変化して両電極間に存在する静電容量が変化するのを検出することで、可動部材112に人の指などが接触したことを検知するのも好適である。さらに、可動部材112の上面に受光素子を設けるとともに、固定部材111の側縁部の上面にも受光素子を設け、各々の受光素子からの出力信号の値の変化に基づいて、可動部材112の上面の受光素子からの出力信号の値が低下したことを検出することで、可動部材112に人の指などが接触したことを検知するのも好適である。
【0026】
図6は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における位置検出センサ114を説明する断面図である。位置検出センサ114は、固定部材111に固定された発光素子(例えば発光ダイオード)114Aおよび受光素子(例えばフォトダイオード)114B、ならびに、可動部材112の下面に描かれた光学模様(例えば、等間隔の濃淡模様、市松模様、など)114Cを含む。発光素子114Aから出射された光は光学模様114C上に照射され、光学模様114Cで反射された光は受光素子114Bにより受光される。受光素子114Bによる受光量は、発光素子114Aから出射された光が光学模様114C上に入射する位置における反射率に応じたものである。
【0027】
したがって、受光量に応じて受光素子114Bから出力される電気信号の変化に基づいて、固定部材111に対する可動部材112の変位量を検出することができる。また、このような位置検出センサ114をX軸方向およびY軸方向それぞれについて設けることにより、固定部材111に対する可動部材112の2次元的な変位量を検出することができる。この位置検出センサ114からの出力信号は検出部12に送られ、検出部12において、可動部材112に対する個体の力学的な応答が検出されて応答信号が出力される。
【0028】
この他、可動部材112に対する個体の力学的な応答を検出する方法として以下のものがある。すなわち、可動部材112の下面に形成された細かい凹凸に対してレーザ光を照射してスペックル模様を生じさせ、このスペックル模様を2次元イメージセンサにより観察することで、固定部材111に対する可動部材112の2次元的な変位量を検出するのも好適である。また、可動部材112に接触する回転体を設け、この回転体の回転量をエンコーダにより検出することで、固定部材111に対する可動部材112の変位量を検出するのも好適である。さらに、固定部材111および可動部材112のうちの一方に発光素子を設け他方に2次元光学的位置検出素子(PSD: position sensitive detector)を設けることで、固定部材111に対する可動部材112の2次元的な変位量を検出するのも好適である。
【0029】
次に、出力部11の動作について説明する。駆動部113より駆動されてコイル116A〜116Dそれぞれに電流が流れると、フレミングの左手の法則に従って、コイル116A〜116Dそれぞれに推力が働き、これにより可動部材112が移動する。
【0030】
先ず、コイル116Aおよび116Bそれぞれについて考えると、固定部材111に垂直な方向であるZ軸方向に磁界が生じており、この磁界中にX軸方向に電流が流れると、Y軸方向への推力が生じる。コイル116Aに時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Aには+Y軸方向の推力が働く。また、コイル116Bに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Bには+Y軸方向の推力が働く。電流が流れる方向を変えることで推力が働く方向を変えることができ、また、電流値を変えることで推力の大きさを変えることができる。
【0031】
同様に、コイル116Cおよび116Dそれぞれについて考えると、固定部材111に垂直な方向であるZ軸方向に磁界が生じており、この磁界中にY軸方向に電流が流れると、X軸方向への推力が生じる。コイル116Cに時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Cには+X軸方向の推力が働く。また、コイル116Dに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Dには+X軸方向の推力が働く。電流が流れる方向を変えることで推力が働く方向を変えることができ、また、電流値を変えることで推力の大きさを変えることができる。
【0032】
固定部材111に対して可動部材112を平行移動させるだけでよい場合には、コイル116Aおよび116Bそれぞれを互いに結線して、コイル116Aおよび116Bそれぞれに同一方向の推力を与え、また、コイル116Cおよび116Dそれぞれを互いに結線して、コイル116Cおよび116Dそれぞれに同一方向の推力を与えればよい。
【0033】
また、Z軸をほぼ中心として固定部材111に対して可動部材112を回転させる方向に推力を生じさせることもできる。すなわち、コイル116Aおよびコイル116Bそれぞれに時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Aには+Y軸方向の推力が働き、コイル116Bには−Y軸方向の推力が働くので、固定部材111に対して可動部材112を反時計回りの方向へ回転させる回転モーメントが生じる。コイル116Aおよびコイル116Bそれぞれに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル116Aには−Y軸方向の推力が働き、コイル116Bには+Y軸方向の推力が働くので、固定部材111に対して可動部材112を時計回りの方向へ回転させる回転モーメントが生じる。また、コイル116Aおよびコイル116Bそれぞれに流れる電流の値の比を変えることで、回転中心を変えることができる。コイル116Cおよびコイル116Dそれぞれについても同様である。
【0034】
以上のような可動部材112の移動は、制御部15により制御された駆動部113によりコイル116A〜116Dそれぞれに供給される電流により駆動される。また、この制御部15による制御に際しては、例えば、位置偏差と位置偏差の微分量とに応じてなされるPD制御(比例・微分制御)が用いられる。図7は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における可動部材112の動作例を説明する図である。同図(a)に示すように、可動部材112は、全体的には−Y軸方向に向かいつつ、左右に細かく振動している。同図(b)に示すように、可動部材112は、時計回り方向に平行移動で回転している。同図(c)に示すように、可動部材112は、時計回り方向に平行移動で回転しつ、その進行方向に対して左右に細かく振動している。また、同図(d)に示すように、可動部材112は、平行移動で揺動している。さらに、可動部材112は、「8」や「W」などの文字を描くような動きも可能である。また、可動部材112は、一定の速さの動きだけでなく、加速または減速を伴う動きも可能である。
【0035】
可動部材112の動きは、駆動部113によりコイル116A〜116Dそれぞれに供給される電流に応じたものであって、可動部材112に人の指が軽く接触しているときには、その指は、この可動部材112の動きを感じ取ることができる。また、可動部材112の動きに対して、人の指が何等かの応答をする場合には、可動部材112の動きは、駆動部113によりコイル116A〜116Dそれぞれに供給される電流に応じたものとはならない場合があり、人の指の応答により異なる。そして、位置検出センサ114は、固定部材111に対する可動部材112の相対的位置を検出し、検出部12は、位置検出センサ114からの出力信号に基づいて、可動部材112の動きに対する応答を検出して応答信号を出力する。
【0036】
本実施形態に係る個体認証装置1は、このような出力部11の動作(特に可動部材112の動き)とこれに対する応答を利用したものである。ここで、可動部材112の動き(すなわち、出力部11が出力する出力信号が有する出力パターン)とは、時間の経過に対して位置または速度が変化する場合だけでなく、時間の経過に対して位置または速度が一定である場合をも含む。また、応答とは、可動部材112の動きを妨げること、可動部材112の動きを更に促進すること、可動部材112の動きに他方向の動きを加えること、などを含み、作為だけでなく不作為をも含み、また、意識的であるか否かを問わない。意識的ではなくとも、指の関節の硬さに応じた応答がなされる。
【0037】
次に、本実施形態に係る個体認証装置1の動作について説明する。図8および図9は、第1の実施形態に係る個体認証装置1の動作(特に出力部11の可動部材112の動作)を説明する図である。図8は、出力部11の可動部材112の動きXY平面上で示したものである。図9は、出力部11の可動部材112のX軸方向変位を時間経過に対して示したものである。ここでは、図8および図9それぞれにおいて破線で示したように、出力パターンに従う可動部材112の動きは、XY平面上における反時計回り方向への平行移動での一定速さの1回転であり、時間経過に対するX軸方向変位が正弦波状であるとする。
【0038】
出力部11の可動部材112にある感圧部120に人の指が触れると、感圧部120は、その旨を検知して、接触検知信号を制御部15に送る。制御部15は、この接触検知信号を受信すると、出力部11、検出部12および演算部14それぞれの動作の開始を指示する。そして、出力部11、検出部12および演算部14それぞれは、制御部15による制御の下に、以下のように動作する。
【0039】
出力部11では、記憶部13に記憶されている所定の出力パターンを駆動部113が読み出し、この出力パターンに応じて駆動部113がコイル116A〜116Dそれぞれに電流を供給することで、この出力パターンを有する出力信号を可動部材112の動きとして出力する。これにより、可動部材112は、固定部材111に対して相対的に移動しようとし、或いは、可動部材112に接触している指に対して力を加える。
【0040】
可動部材112に接触している指が可動部材112の動きに対して応答すると、位置検出センサ114は、固定部材111に対する可動部材112の相対的位置を検出し、検出部12は、位置検出センサ114からの出力信号に基づいて、可動部材112の動きに対して応答する応答パターンを検出して、この応答パターンを表す応答信号を出力する。そして、記憶部13は、この応答信号を入力して、上記応答パターンを記憶する。図8および図9それぞれにおいて実線で示したように、この応答パターンは、出力パターンと異なる場合があり、可動部材112の動きに対する応答に応じて異なる。
【0041】
以上のようにして出力部11による出力パターンの出力、検出部12による応答パターンの検出、および、記憶部13による応答パターンの記憶が終了すると、演算部14は、記憶部13に記憶されている応答パターンと登録パターンとを読み出して、両者の一致度を求める。ここで、図8および図9それぞれにおいて点線で示したように、登録パターンとは、出力部11が出力する所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンであり、記憶部13により予め記憶されている。また、応答パターンと登録パターンとの一致度を求めるには、例えば、出力パターンの出力開始の時点を基準とする各時刻においてX座標値およびY座標値それぞれについて応答パターンと登録パターンとの偏差を求め、この偏差の総和をもって一致度とするのが好適である。この場合には、上記総和が小さいほど一致度が高いことになる。そして、演算部14は、一致度が所定値以上であるか否か(すなわち、上記総和が所定値以下であるか否か)に基づいて、応答した個体の認証を行う。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る個体認証装置1によれば、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号が出力部11の可動部材112の動きとして出力され、この出力部11が出力信号を出力しているときに上記所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンが検出部12により検出されて、この検出された応答パターンが記憶部13により記憶される。そして、演算部14により、検出部12が検出した応答パターンと記憶部13が記憶している登録パターンとの一致度が求められ、この求められた一致度に基づいて個体認証が行われる。
【0043】
このように、本実施形態に係る個体認証装置1は、個体に生来特有の静的な情報を用いるのではなく、個体の動作(出力パターンに対する応答)における特徴(応答パターン)を検出して、この応答パターンと登録パターンとの一致度に基づいて個体認証を行うものであり、また、その動作を各個体が任意に決定することができることから、セキュリティ性に優れ認証力が高い。また、本実施形態に係る個体認証装置1は、出力部11による出力パターンの出力および検出部12による応答パターンの検出を同時に行い、これに要する時間を一定にすることができることから、一定の時間内に個体認証を行うことができる。
【0044】
なお、以上に説明した動作例に加えて、記憶部13が複数組の出力パターンおよび応答パターンを記憶しておき、出力部11は、これら複数の出力パターンのうちから何れかの出力パターンを選択して出力信号を出力するのが好適である。複数の出力パターンのうちから所定の出力パターンを利用者が選択してもよい。この場合には、利用者は、自ら選択した出力パターンに応じた応答をすることになる。また、複数の出力パターンのうちから所定の出力パターンを制御部15がランダムに選択してもよい。この場合には、利用者は、出力信号が出力開始された後の一定期間に出力パターンを識別して、その後に、その識別した出力パターンに応じた応答をするのが好適である。或いは、出力部11が出力信号を繰り返して2回出力することとして、利用者は、第1回目の出力信号の出力の際に出力パターンを識別して、第2回目の出力信号の出力の際に、その識別した出力パターンに応じた応答をするのも好適である。このようにすることで、セキュリティ性および認証力が更に高くなる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る個体認証装置の第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態に係る個体認証装置2の構成図である。この個体認証装置2は、出力部21、検出部22、記憶部23、演算部24および制御部25を備える。
【0046】
出力部21は、制御部25による制御の下で、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号を出力するものである。本実施形態の出力部21は、光(可視光、紫外光、赤外光の他、より長波長の電磁波であってもよい。)を出力する発光素子211と、発光素子211と対向して配されており到達した光を受光する受光素子212と、所定の出力パターンに応じて発光素子211を発光させる駆動部213と、発光素子211および受光素子212それぞれの相対的位置を固定して指示する架台214とを有する。発光素子211と受光素子212との間には、人の指が挿入できるほどの間隙が設けられている。そして、出力部21は、発光素子から出力される光の信号を出力信号として出力する。なお、この図で出力部21については断面が示されている。
【0047】
検出部22は、制御部25による制御の下で、出力部21が出力信号を出力しているときに、出力信号が有する所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンを検出して、この検出した応答パターンを表す応答信号を出力する。検出部22は、受光量を検出する受光素子212とともに、この受光素子212からの出力信号に基づいて、発光素子211から出力された光に対する個体の応答を検出して応答信号を出力する。
【0048】
記憶部23は、所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンを登録パターンとして予め記憶しておく。また、記憶部23は、出力部21が出力する出力信号が有する所定の出力パターンを記憶しておき、また、検出部22が出力した応答信号に基づいて応答パターンを記憶する。なお、記憶部23は、1つのメモリであってもよいが、出力パターンおよび登録パターンを記憶するメモリとして書き換え可能な不揮発性のメモリ(例えばEEPROMやフラッシュメモリなど)を用い、応答パターンを記憶するメモリとして揮発性のメモリ(例えばDRAMなど)を用いてもよい。
【0049】
演算部24は、制御部25による制御の下で、検出部22が出力した応答信号に基づいて記憶部23に記憶された応答パターンと、記憶部12が記憶している登録パターンとを入力し、応答パターンと登録パターンとの一致度を求めて、この求めた一致度に基づいて個体認証を行う。制御部25は、上記の出力部21、検出部22および演算部24それぞれの動作を制御するものであり、利用者の指示を受けて各々の動作の開始を指示する。
【0050】
なお、発光素子211から出力される光の信号は、例えば、光の強度、偏光または波長などである。発光素子211の光出力パターンは、時間の経過に対して光の強度などが変化する場合だけでなく、時間の経過に対して光の強度などが一定である場合をも含む。また、応答とは、例えば、発光素子211と受光素子212との間に指を挿入して光を遮断すること、発光素子211と受光素子212との間で偏光子を回転させること、などを含み、作為だけでなく不作為をも含む。
【0051】
次に、本実施形態に係る個体認証装置2の動作について説明する。図11は、第2の実施形態に係る個体認証装置2の動作を説明する図である。図11(a)は、発光素子211から出力される出力信号(光の強度)の出力パターン(時間の経過に対する発光量変化のパターン)を示す。この図に示すように、出力パターンは、時刻t0,t2,t5およびt8それぞれで発光量が0であり、時刻t1,t3およびt7それぞれ発光量が極値Imaxとなり、時刻t0から時刻t1まで発光量が一定速度で増加し、時刻t1から時刻t2まで発光量が一定速度で減少し、時刻t2から時刻t3まで発光量が一定速度で増加し、時刻t3から時刻t5まで発光量が一定速度で減少し、時刻t5から時刻t7まで発光量が一定速度で増加し、時刻t7から時刻t8まで発光量が一定速度で減少するものとする。図11(b)は、発光素子211と受光素子212との間における指の上下方向の位置を示す。この図に示すように、時刻t0から時刻t2まで指が光を遮断することなく、時刻t2から時刻t4まで指が一定速度で降りてきて光を遮断するようになり、時刻t4から時刻t6まで指が光を全く遮断し、時刻t6から時刻t7まで指が一定速度で上がっていき、時刻t7以降では指が光を遮断することがないものとする。図11(c)は、検出部22により検出される応答パターン(時間の経過に対する受光量変化のパターン)を示す。
【0052】
この個体認証装置2に対して利用者が動作の開始を指示すると、制御部25は、この指示を受けて、出力部21、検出部22および演算部24それぞれの動作の開始を指示する。そして、出力部21、検出部22および演算部24それぞれは、制御部25による制御の下に、以下のように動作する。
【0053】
出力部21では、記憶部23に記憶されている所定の出力パターンを駆動部213が読み出し、この出力パターンに応じて駆動部213が発光素子211に電流を供給することで、この出力パターンを有する出力信号を発光量として出力する(図11(a))。そして、利用者は、この出力パターンに対して、発光素子211と受光素子212との間に指を挿入する動作により応答する(図11(b))。
【0054】
受光素子212は、発光素子211より到達した光を受光し、検出部22は、受光素子212からの出力信号に基づいて、出力パターンに対して応答する応答パターンを検出して、この応答パターンを表す応答信号を出力する。そして、記憶部23は、この応答信号を入力して、上記応答パターンを記憶する(図11(c)。この応答パターンは、出力パターンと異なる場合があり、出力パターンに対する応答に応じて異なる。
【0055】
以上のようにして出力部21による出力パターンの出力、検出部22による応答パターンの検出、および、記憶部23による応答パターンの記憶が終了すると、演算部24は、記憶部23に記憶されている応答パターンと登録パターンとを読み出して、両者の一致度を求める。ここで、登録パターンとは、出力部21が出力する所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンであり、記憶部23により予め記憶されている。また、応答パターンと登録パターンとの一致度を求めるには、例えば、出力パターンの出力開始時刻t0から出力終了時刻t8までの各時刻において応答パターンと登録パターンとの偏差を求め、この偏差の総和をもって一致度とするのが好適である。この場合には、上記総和が小さいほど一致度が高いことになる。そして、演算部24は、一致度が所定値以上であるか否か(すなわち、上記総和が所定値以下であるか否か)に基づいて、応答した個体の認証を行う。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る個体認証装置2によれば、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号が出力部21の発光素子211による発光の強度として出力され、この出力部21が出力信号を出力しているときに上記所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンが検出部22により検出されて、この検出された応答パターンが記憶部23により記憶される。そして、演算部24により、検出部22が検出した応答パターンと記憶部23が記憶している登録パターンとの一致度が求められ、この求められた一致度に基づいて個体認証が行われる。
【0057】
このように、本実施形態に係る個体認証装置2は、個体に生来特有の静的な情報を用いるのではなく、個体の動作(出力パターンに対する応答)における特徴(応答パターン)を検出して、この応答パターンと登録パターンとの一致度に基づいて個体認証を行うものであり、また、その動作を各個体が任意に決定することができることから、セキュリティ性に優れ認証力が高い。また、本実施形態に係る個体認証装置2は、出力部21による出力パターンの出力および検出部22による応答パターンの検出を同時に行い、これに要する時間を一定にすることができることから、一定の時間内に個体認証を行うことができる。
【0058】
また、可動部を有しない本実施形態の個体認証装置2は、可動部を有する第1の実施形態のものと比べて、耐久性が優れ、また、軽量化を図る上で好適である。
【0059】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、第1の実施形態では、出力信号が有する出力パターンは、可動部材112の位置に関するものであったが、可動部材112が人の指に与える力に関するものであってもよい。可動部材112が人の指に与える力を制御するには、コイル116A〜116Dそれぞれに流れる電流を制御すればよい。この力は、一定方向に一定の大きさであってもよいし、方向および大きさの双方または何れか一方が時間経過に対して変化するものであってもよい。
【0060】
また、第1の実施形態では、応答信号が有する応答パターンは、可動部材112の位置に関するものであったが、コイル116A〜116Dそれぞれに流れる電流に関するものであってもよい。この場合、コイル116A〜116Dそれぞれに流れる電流の値を検出して応答パターンを求める。
【0061】
また、第1の実施形態において、応答信号が有する応答パターンは、人の指が可動部材112に与える力に関するものであってもよい。この場合、人の指が可動部材112に与える力を検出して応答パターンを求めるには、出力部11を図12に示すような構成とする。同図(a)は、Z軸を含む面で切断したときの断面図であり、同図(b)は、Z軸に垂直な面で柱状部材121を切断したときの断面図である。この図に示すように、上面側に磁石117A〜117Dが固定された固定部材111の上方に、下面側にコイル116A〜116Dが固定された可動部材112を設け、可動部材112の上面側に柱状部材121を挟んで板状部材122を固定するとともに、柱状部材121の四方それぞれに歪みゲージ123A〜123Dを貼り付ける。板状部材122に触れている人の指などが可動部材112に与える力(XY平面に平行な方向の力)は、柱状部材121に機械的歪みを与えるので、この柱状部材121の四方に貼り付けられた歪みゲージ123A〜123Dにより検出され、歪みゲージ123A〜123Dに接続されたブリッジ回路により電気信号として出力される。この電気信号の値は、力の大きさに比例する。
【0062】
また、第1の実施形態において出力部11は固定部材の動きを出力パターンとして有する出力信号を出力するアクチュエータであったが、他のタイプのアクチュエータであっても構わない。例えば、ジョグダイアル型のアクチュエータ、ジョイスティック型のアクチュエータ、トラックボール型のアクチュエータおよびアーム型のアクチュエータなどであってもよい。ジョグダイアル型のアクチュエータは、1つの中心軸の回りに回転が自在な円盤状部材を有し、この円盤状部材の回転角位置や回転速度などの時間的変化を出力パターン、応答パターンおよび登録パターンとして用いる。ジョイスティック型のアクチュエータは、一点が固定されて傾斜が自在な棒状部材を有し、この棒状部材の傾斜方向や傾斜角度などの時間的変化を出力パターン、応答パターンおよび登録パターンとして用いる。トラックボール型のアクチュエータは、1つの中心点の回りに回転が自在な球状部材を有し、この球状部材の回転方向や回転角度などの時間的変化を出力パターン、応答パターンおよび登録パターンとして用いる。また、アーム型のアクチュエータは、複数の棒状部材が互いに連結されて一端が3次元平行移動可能なものであり、この一端の3次元位置や移動速度などの時間的変化を出力パターン、応答パターンおよび登録パターンとして用いる。
【0063】
また、以上に説明した第1および第2の実施形態それぞれでは、所定の出力パターンを有する出力信号を出力する部品(第1の実施形態における可動部材112等、第2の実施形態における発光素子211)と、この出力パターンに対する応答を検出する部品(第1の実施形態における位置検出センサ114等、第2の実施形態における受光素子212)とは、互いに一体のものとしたが、別体であってもよい。別体である場合には、例えば、一方の手または指で出力パターンを受け取り、他方の手または指で応答することとしてもよい。しかし、上記実施形態のように一体化すれば、個体認証装置を小型化する上で好適であり、例えば携帯電話機に個体認証装置を搭載または接続することも可能である。インターネット接続機能を有する携帯電話機に上記実施形態の個体認証装置を搭載することにより、片手のみの簡易な操作で、より安全に銀行取引きや物品購入などを行うことができる。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係る個体認証装置によれば、時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号が出力部から出力され、この出力部が出力信号を出力しているときに上記所定の出力パターンに対して個体が応答する応答パターンが検出部により検出される。そして、演算部により、検出部が検出した応答パターンと記憶部が記憶している登録パターンとの一致度が求められ、この求められた一致度に基づいて個体認証が行われる。このように、本発明に係る個体認証装置は、個体に生来特有の静的な情報を用いるのではなく、個体の動作(出力パターンに対する応答)における特徴(応答パターン)を検出して、この応答パターンと登録パターンとの一致度に基づいて個体認証を行うものであり、また、その動作を各個体が任意に決定することができることから、セキュリティ性に優れ認証力が高い。また、本発明に係る個体認証装置は、出力部による出力パターンの出力および検出部による応答パターンの検出を同時に行い、これに要する時間を一定にすることができることから、一定の時間内に個体認証を行うことができる。
【0065】
また、出力部は、可動部材の動きを出力パターンとして有する出力信号を出力するのが好適である。
【0066】
また、出力部が複数の出力パターンのうちの何れかの出力パターンを有する出力信号を出力する場合には、セキュリティ性および認証力が更に高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る個体認証装置1の構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11の構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における駆動力発生機構を説明する平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における固定部材111と可動部材112との摺動機構を説明する断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における感圧部120を説明する断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における位置検出センサ114を説明する断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る個体認証装置1の出力装置11における可動部材112の動作例を説明する図である。
【図8】第1の実施形態に係る個体認証装置1の動作を説明する図である。
【図9】第1の実施形態に係る個体認証装置1の動作を説明する図である。
【図10】第2の実施形態に係る個体認証装置2の構成図である。
【図11】第2の実施形態に係る個体認証装置2の動作を説明する図である。
【図12】変形例の個体認証装置の出力装置において力を検出する機構を説明する図である。
【符号の説明】
1,2…個体認証装置、11…出力部、12…検出部、13…記憶部、14…演算部、15…制御部、111…固定部材、112…可動部材、113…駆動部、114…位置検出センサ、115A〜115D…弾性部材、116A〜116D…コイル、117A〜117D…磁石、118A,118B…摺動部材、119…表面層、120…感圧部、21…出力部、22…検出部、23…記憶部、24…演算部、25…制御部、211…発光素子、212…受光素子、213…駆動部、214…架台。
Claims (3)
- 時間の経過に対して所定の出力パターンを有する出力信号を出力する出力部と、
前記出力部が前記出力信号を出力しているときに、前記出力信号が有する前記所定の出力パターンに対して個体が能動的に応答する応答パターンを検出して、この検出した応答パターンを表す応答信号を出力する検出部と、
前記所定の出力パターンに対する個体の特有の応答パターンを登録パターンとして記憶する記憶部と、
前記検出部が出力した応答信号が表す応答パターンと前記記憶部が記憶している登録パターンとの一致度を求め、この求めた一致度に基づいて個体認証を行う演算部と、
を備え、
前記出力部は、所定平面に対して平行な方向に移動可能な可動部材の動きを前記所定の出力パターンとして有する前記出力信号を出力する、
ことを特徴とする個体認証装置。 - 前記出力部は、固定部材に対して所定平面に平行な方向に移動可能な前記可動部材と、前記所定の出力パターンに応じて前記可動部材を移動させる駆動部とを有し、
前記検出部は、前記駆動部により移動されている前記可動部材に対する個体の力学的な応答を検出して前記応答信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1記載の個体認証装置。 - 前記出力部は複数の出力パターンのうちの何れかの出力パターンを有する出力信号を出力することを特徴とする請求項1記載の個体認証装置。
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